浜田聡のシンクタンク

国会質疑議事録

浜田聡参議院議員国会質疑議事録

目次
第201回国会 参議院 財政金融委員会 第1号 令和2年1月30日 3
第201回国会 参議院 国民生活・経済に関する調査会 第1号 令和2年2月12日 9
第201回国会 参議院 国民生活・経済に関する調査会 第2号 令和2年2月19日 11
第201回国会 参議院 財政金融委員会 第4号 令和2年3月18日 14
第201回国会 参議院 東日本大震災復興特別委員会 第3号 令和2年3月19日 24
第201回国会 参議院 地方創生及び消費者問題に関する特別委員会 第2号 令和2年3月19日 26
第201回国会 参議院 財政金融委員会 第5号 令和2年3月19日 29
第201回国会 参議院 財政金融委員会 第6号 令和2年3月24日 37
第201回国会 参議院 財政金融委員会 第7号 令和2年3月26日 41
第201回国会 参議院 財政金融委員会 第9号 令和2年3月31日 46
第201回国会 参議院 行政監視委員会国と地方の行政の役割分担に関する小委員会 第1号 令和2年4月13日 51
第201回国会 参議院 行政監視委員会 第2号 令和2年4月13日 54
第201回国会 参議院 東日本大震災復興特別委員会 第4号 令和2年4月15日 55
第201回国会 参議院 財政金融委員会 第10号 令和2年4月30日 60
第201回国会 参議院 地方創生及び消費者問題に関する特別委員会 第3号 令和2年5月8日 65
第201回国会 参議院 財政金融委員会 第12号 令和2年5月14日 70
第201回国会 参議院 地方創生及び消費者問題に関する特別委員会 第5号 令和2年5月15日 75
第201回国会 参議院 地方創生及び消費者問題に関する特別委員会 第6号 令和2年5月22日 79
第201回国会 参議院 行政監視委員会国と地方の行政の役割分担に関する小委員会 第2号 令和2年5月25日 86
第201回国会 参議院 国民生活・経済に関する調査会 第3号 令和2年5月27日 88
第201回国会 参議院 地方創生及び消費者問題に関する特別委員会 第8号 令和2年5月29日 89
第201回国会 参議院 財政金融委員会 第15号 令和2年6月4日 97
第201回国会 参議院 地方創生及び消費者問題に関する特別委員会 第10号 令和2年6月5日 105
第203回国会 参議院 行政監視委員会国と地方の行政の役割分担に関する小委員会 第1号 令和2年11月30日 111
第203回国会 参議院 財政金融委員会 第4号 令和2年12月1日 114
第204回国会 参議院 国民生活・経済に関する調査会 第1号 令和3年2月10日 123
第204回国会 参議院 国民生活・経済に関する調査会 第2号 令和3年2月17日 125
第204回国会 参議院 国民生活・経済に関する調査会 第3号 令和3年2月24日 128
第204回国会 参議院 財政金融委員会 第4号 令和3年3月22日 131
第204回国会 参議院 財政金融委員会 第5号 令和3年3月23日 140
第204回国会 参議院 財政金融委員会 第6号 令和3年3月25日 153
第204回国会 参議院 財政金融委員会 第8号 令和3年3月30日 159
第204回国会 参議院 行政監視委員会 第1号 令和3年4月7日 163
第204回国会 参議院 行政監視委員会国と地方の行政の役割分担に関する小委員会 第1号 令和3年4月12日 167
第204回国会 参議院 国民生活・経済に関する調査会 第4号 令和3年4月14日 170
第204回国会 参議院 行政監視委員会 第2号 令和3年4月19日 173
第204回国会 参議院 国民生活・経済に関する調査会 第5号 令和3年4月21日 176
第204回国会 参議院 行政監視委員会国と地方の行政の役割分担に関する小委員会 第2号 令和3年4月26日 180
第204回国会 参議院 政治倫理の確立及び選挙制度に関する特別委員会 第2号 令和3年5月12日 184
第204回国会 参議院 国民生活・経済に関する調査会 第6号 令和3年5月12日 187
第204回国会 参議院 財政金融委員会 第11号 令和3年5月18日 188
第204回国会 参議院 行政監視委員会 閉会後第1号 令和3年6月21日 196
第208回国会 参議院 国民生活・経済に関する調査会 第1号 令和4年2月2日 199
第208回国会 参議院 国民生活・経済に関する調査会 第2号 令和4年2月9日 202
第208回国会 参議院 行政監視委員会 第1号 令和4年2月14日 206
第208回国会 参議院 国民生活・経済に関する調査会 第3号 令和4年2月16日 209
第208回国会 参議院 北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会 第3号 令和4年3月11日 211
第208回国会 参議院 財政金融委員会 第3号 令和4年3月15日 215
第208回国会 参議院 財政金融委員会 第4号 令和4年3月16日 223
第208回国会 参議院 財政金融委員会 第5号 令和4年3月17日 233
第208回国会 参議院 財政金融委員会 第7号 令和4年3月24日 237
第208回国会 参議院 財政金融委員会 第8号 令和4年3月29日 241
第208回国会 参議院 財政金融委員会 第9号 令和4年3月31日 246
第208回国会 参議院 行政監視委員会 第2号 令和4年4月4日 251
第208回国会 参議院 憲法審査会 第2号 令和4年4月6日 255
第208回国会 参議院 行政監視委員会国と地方の行政の役割分担に関する小委員会 第1号 令和4年4月11日 256
第208回国会 参議院 国民生活・経済に関する調査会 第4号 令和4年4月13日 259
第208回国会 参議院 財政金融委員会 第10号 令和4年4月14日 260
第208回国会 参議院 行政監視委員会国と地方の行政の役割分担に関する小委員会 第2号 令和4年4月25日 266
第208回国会 参議院 財政金融委員会 第13号 令和4年5月10日 269
第208回国会 参議院 財政金融委員会 第15号 令和4年6月2日 276
第208回国会 参議院 北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会 第4号 令和4年6月8日 283
第210回国会 参議院 予算委員会 第2号 令和4年10月20日 286
第210回国会 参議院 予算委員会 第3号 令和4年10月24日 291
第210回国会 参議院 総務委員会 第2号 令和4年11月1日 294
第210回国会 参議院 地方創生及びデジタル社会の形成等に関する特別委員会 第3号 令和4年11月9日 301
第210回国会 参議院 総務委員会 第4号 令和4年11月24日 306
第210回国会 参議院 総務委員会 第5号 令和4年12月1日 314
第210回国会 参議院 予算委員会 第6号 令和4年12月1日 317
第210回国会 参議院 総務委員会 第6号 令和4年12月2日 323
第210回国会 参議院 予算委員会 第7号 令和4年12月2日 326
第210回国会 参議院 総務委員会 第7号 令和4年12月6日 328
第211回国会 参議院 外交・安全保障に関する調査会 第1号 令和5年2月8日 333
第211回国会 参議院 外交・安全保障に関する調査会 第2号 令和5年2月15日 335
第211回国会 参議院 懲罰委員会 第2号 令和5年2月21日 338
第211回国会 参議院 外交・安全保障に関する調査会 第3号 令和5年2月22日 338
第211回国会 参議院 本会議 第6号 令和5年2月22日 341
第211回国会 参議院 予算委員会 第3号 令和5年3月2日 343
第211回国会 参議院 予算委員会 第4号 令和5年3月3日 349
第211回国会 参議院 予算委員会 第5号 令和5年3月6日 352
第211回国会 参議院 予算委員会 第7号 令和5年3月8日 356
第211回国会 参議院 予算委員会公聴会 第1号 令和5年3月9日 359
第211回国会 参議院 総務委員会 第3号 令和5年3月9日 364
第211回国会 参議院 予算委員会 第8号 令和5年3月13日 372
第211回国会 参議院 懲罰委員会 第3号 令和5年3月14日 377
第211回国会 参議院 本会議 第9号 令和5年3月15日 384
第211回国会 参議院 総務委員会 第5号 令和5年3月17日 387
第211回国会 参議院 総務委員会 第8号 令和5年3月30日 390
第211回国会 参議院 総務委員会 第10号 令和5年4月25日 397
第211回国会 参議院 総務委員会 第11号 令和5年5月23日 402
第211回国会 参議院 総務委員会 第13号 令和5年6月13日 407

第201回国会 参議院 財政金融委員会 第1号 令和2年1月30日
110 浜田聡
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○浜田聡君 浜田聡と申します。昨年の十月に繰上げ当選という形でこの参議院に加わらせていただきました。所属政党はNHKから国民を守る党、参議院では隣におられます渡辺喜美先生とともに、みんなの党会派を組ませていただいております。よろしくお願いいたします。
 それでは、質問に入りたいと思います。
 まずは日本の財政状況に関するお話です。
 日本は借金大国だというお話は、いわゆる従来のメディアを始めとして、よく聞く話のように思います。一方で、情報源が多様となった現代においては、そういう話に対して懐疑的な意見もいろいろなところで見聞きします。今回は日本の財政状況に関して、バランスシート、貸借対照表を題材にしようと思います。
 一応お断りさせていただきますと、バランスシート、貸借対照表という二つの言葉が何度も入り交じって出てくると思いますが、両者を同じ意味で捉えていただいて差し支えありません。
 ここにおられる方にとっては釈迦に説法とは思いますが、バランスシートとはということに関して、辞書からの引用を紹介させていただきます。一定時点における企業の財政状態を表す一覧表のこと。企業の資産と負債、資本を対照表示することによって企業の財政状態を明らかにする報告書である。
 辞書からは以上のような説明になるわけですが、企業の財政状態という言葉が出てきました。この説明によると、バランスシートとは企業の財務諸表の一つであるわけですが、企業のみならず、国、政府にもバランスシートがあります。日本のバランスシートは財務省が作成、公表しており、インターネットでは財務省のウエブサイトをたどって見ることができます。
 そこで、財務省にお聞きします。財務省が国のバランスシートを作成、公表しているのはいつからでしょうか。主計局の方、お願いします。
111 阪田渉
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○政府参考人(阪田渉君) お答え申し上げます。
 国の貸借対照表については、平成十二年十月に国の貸借対照表試案として作成、公表しております。また、貸借対照表も含めた国の財務書類として、平成十七年九月から作成、公表させていただいております。
112 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 ここで、日本政府がバランスシートを作成して公表したときのことを少し調べてみましたので紹介します。
 財務省のウエブサイトの中に、国の貸借対照表作成の基本的な考え方という資料があります。先ほど御答弁いただきましたように、この資料には平成十二年十月と記載されており、その時期以降に貸借対照表が公表されたと思われます。
 資料冒頭の説明文に、日本のバランスシートの役割に関して次のような記載があったので紹介します。「国と民間企業とではその目的や存立基盤が異なることから、それぞれの貸借対照表の役割はおのずと異なると考えられる。したがって、検討にあたり、国の貸借対照表の役割をどのように設定すべきか、その役割から見て各科目の内容をどう設定すべきか、国の資産と負債の差額をどのように意味づけるべきかなど、検討課題は多岐に及んでいる。 しかしながら、そのような制約があるとはいえ、国の貸借対照表は、国のストックの財政状況を一覧するものであり、国の財政事情を国民にわかりやすく説明することに役立ち、ひいては財政政策の説明責任向上に資するものと考えられる。」とあります。
 国のバランスシートについて、企業との違いから制約がありつつも、その有用性も認めているように思います。この資料は今から約十九年前のものですが、現在も国のバランスシートについてこのような見解に変化はありますでしょうか。お願いします。
113 阪田渉
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○政府参考人(阪田渉君) お答え申し上げます。
 国の財務書類は、国全体の資産や負債などのストックの状況、費用や財源などのフローの状況といった財務状況を一覧で分かりやすく開示する観点から、企業会計の考え方及び手法を参考として作成、公表しているものでございまして、委員今御指摘された基本的な考え方、今においても変わってございません。
114 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 制約がありつつも有用であるからこそ、現在もバランスシートが継続して作成され公表されているものと思います。
 そこで提案なのですが、このバランスシート、財務省のウエブサイトで探すのに少し苦労するところがあります。提案としてなんですが、財務省として、これをPRするためにトップページに掲載するなどしてみてはいかがでしょうか。
115 阪田渉
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○政府参考人(阪田渉君) 検討させていただきます。
116 浜田聡
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○浜田聡君 前向きに検討いただければと思います。
 さて、日本政府のバランスシートを見てみようと思います。
 財務省が作成したバランスシートを見やすくするために、簡略化したバランスシートを今回の配付資料として準備させていただきました。一枚目、①というところでございます。二〇一七年のもので少し古いという御指摘はあるかもしれませんが、御容赦ください。
 日本政府のこのバランスシートについてですが、財務省の方から簡潔に御説明いただけますでしょうか。
117 阪田渉
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○政府参考人(阪田渉君) 平成二十八年度末の連結貸借対照表の概要について、数字を御紹介させていただきます。
 資産では、合計九百八十六・三兆円。その主な内訳は、現金、預金が百二十八・八兆円、有価証券が三百六十九・二兆円、有形固定資産が二百六十九・三兆円となってございます。
 一方、負債では、合計千四百六十九・七兆円。主な内訳は、公債が八百二十四・六兆円、郵便貯金が百七十八兆円、公的年金預り金百二十二・六兆円となってございます。
 資産合計から負債合計を差し引いた資産・負債差額は、マイナスの四百八十三・四兆円となってございます。
118 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 日本の財政状況に関してはいろいろな見方があるかと思います。
 日本のGDPを引き合いに出して、負債額の大きさから日本の財政を悲観的に見る。だから財政再建だ、そのために消費税アップだとなどの意見はある意味で尊重します。
 一方では、日本が持つ資産や今後の経済成長を考慮した上で考えると、必ずしも悲観的に見るべきではない。財政再建の必要性を否定する意見もあります。(発言する者あり)ありがとうございます。
 また、それに加え、統合政府として考えることで財政再建の必要性を否定する話もあります。ここで言うところの統合政府とは、日本政府と日本銀行を一体としてその財政状態を考えるものであります。国会内で何度か話に出てきたと思いますが、改めてここで話題に上げさせてもらいます。日本政府の日銀への出資比率は五割を超え、様々な監督権限もありますので、その独立性を考慮しても、日銀は政府の子会社であると考えていいと思います。
 というわけで、用意した資料で、政府のバランスシートの下に日銀のバランスシート、そして両者の連結バランスシートを資料に掲載しました。そこを見てみると、国の負債としての国債と日銀の資産としての国債を相殺しております。こういった統合政府のバランスシートに関して財務省の見解はいかがでしょうか。
119 阪田渉
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○政府参考人(阪田渉君) お答え申し上げます。
 財政政策の面から考えますと、政府と日銀のバランスシートを連結して考えるということは、第一に、日銀は政府から独立して金融政策を決めているにもかかわらず、政府は日銀が永久に国債を購入、保有し続けることを念頭に置いているのではないかとか、第二として、したがって結果的に財政ファイナンスを狙っているのではないかなどなどの誤解を招きかねず、適当ではないと考えております。
 仮に、先生が今御紹介されたように、仮に、政府と日銀のバランスシートを統合し、日銀の保有する国債でその分の政府の債務を相殺する場合でございますが、確かに、日銀の保有する国債の額だけ政府の債務は見かけ上減少することになります。しかし、日本銀行券や当座預金といった日銀の負債もバランスシートの統合により合わせて負債に計上されることとなるため、トータルとしてネットの負債超過の状態は変化しません。
 大事なことは、統合という会計処理によって見かけ上債務を減少させることではなく、財政健全化に取り組み、しっかりと財政を持続可能な形にしていくことかと考えてございます。
120 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 日銀の独占に関しては、手段、方法の独占という考え方があるかと……(発言する者あり)あっ、失礼、独立、で、財務省の立場からの意見は尊重するものの、この統合バランスシート、左下の資産・負債差額、ほぼ同等に値するものとして、右側の日銀当座預金と銀行券が該当します。こちら、いずれも一般の簿記では資産に計上されるものでありまして、この資産・負債差額に当たる日銀当座預金、銀行券に関しては、負債として、その特殊性を考慮すれば財政再建は必要ないという考え方は妥当であるかと思います。
 統合政府で考えると、日本の財政状況は悲観的なものでないという考え方を訴えさせていただきました上で、次の話題に移ります。
 次は、財務省人事の方針に関してです。
 組織運営に関しては人材採用が重要であることに関しては言うまでもないですし、これが財務省となれば、日本にとって非常に重要であり、ここで質問させていただこうと思います。
 財務省のウエブサイトの採用ページを見ると、次のような一文があります。「財務省の採用には定員という考え方はなく、毎年の採用人数は一定ではありません。」と書いてありまして、なので毎年の変動はあるかと思います。
 参考までに、最近の財務省本省総合職の新規採用状況を教えてもらえますでしょうか。大臣官房にお聞きします。
121 茶谷栄治
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○政府参考人(茶谷栄治君) お答え申し上げます。
 最近の財務省本省総合職の新規採用状況について申し上げますと、まず、新卒採用につきましては、平成二十八年度は二十三名、二十九年度、三十年度、三十一年度は二十二名となっております。中途採用につきましては、平成三十一年度に一名を採用し、令和二年度、今度の四月からですが、についても一名の採用を内定しているところでございます。
122 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。中途採用が少し少ないように思います。
 さて、財務省人事を調べてみて、財務省のウエブサイトに興味深い資料がありました。平成二十二年四月に公表されている「財務省が変わるための五十の提言」という資料であります。財務省改革プロジェクトチームが作成しているもので、今回の配付資料として表紙と目次を用意させていただきました。
 五十の提言、興味深く見させていただきまして、その中で人事に関する提言二と提言三を読ませてもらいます。提言二、高い専門性かつ即戦力が求められるポストへの外部人材登用を強化する。提言三、試験制度見直しを契機として、中途採用を推進し、幹部登用への道を開く。
 平成二十二年発表ということで、この資料が作られてから十年ほど経過しております。また、平成二十六年には内閣人事局が発足しており、公務員採用に関していろいろな変化があるかもしれませんが、これらの提言について財務省として方針や達成度など伺えればと思いますが、いかがでしょうか。
123 茶谷栄治
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○政府参考人(茶谷栄治君) 財務省としましては、直面する課題の複雑化等に対応するため、こうした提言も踏まえながら、これまで、実務経験等により高度な専門知識を有する者の中途採用の推進、高い専門性かつ即戦力が求められるポストについて、任期付職員の採用等による外部人材の登用強化、長年にわたる公務への従事により職員が培ってきた専門的知識や経験を活用する観点から、専門スタッフ職の措置や退職後における再任用職員の登用等を順次進めてきたところでございます。
 引き続き、質の高い政策をつくり上げていくためには、多様な人材を登用していくことは重要と考えているところでございます。
124 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 今回、欧米の先進諸国、特にアメリカ財務省の人材採用について少し調べてみました。もちろん日本とは様々な制度が違うため、安易に比較対象としていいわけではないですし、アメリカをまねすべきとも思いませんが、世界一の経済大国の制度はそれなりに参考になるのではと思います。
 今回、参考資料として、内閣、人事院の資料で、諸外国の国家公務員制度の概要、令和元年十一月更新の一部を用意しました。諸外国の国家公務員の任用というところを御覧ください。アメリカ、イギリス、ドイツ、フランスの採用方針などの一覧表です。アメリカでは、空席ごとに個別採用審査であったり、政権交代で異動する者がいたりします。大学院修了者を対象とも書いてあります。
 また、資料のその下に、アメリカ財務省の採用ページも資料として用意させていただきました。USデパートメント・オブ・ザ・トレジャリーと書いてあるところでございます。英語で書いてあるわけですが、そのうちワシントン本省勤務を希望する者に求められる能力の一覧が書いてあり、興味深いと思い、紹介させてもらいました。一つずつ読んでいきます。
 会計士、弁護士、予算アナリスト、契約専門官、経済学者、国際経済学者、金融アナリスト、人材管理・育成の専門家、ITスペシャリスト、情報スペシャリスト、このように、米国財務省のワシントン本省では高度な専門性を身に付けた者を募集対象にしているように思います。また、新卒一括採用のような制度はなく、終身雇用でもないようです。
 このアメリカ財務省の本省に求められる能力について、日本の財務省に関して御意見をお聞きできればと思いますが、いかがでしょうか。
125 茶谷栄治
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○政府参考人(茶谷栄治君) お答え申し上げます。
 そもそも公務員制度が異なるため、米国を含めた他国の公務員の採用に関する方針や基準等についてはなかなかお答えする立場にはないということは御理解いただきたいと思いますが、先ほど申し上げたとおり、質の高い政策をつくり上げていくためには多様な人材を登用していくことは大変重要だと思いますので、そういう方針にのっとって我々もやっていきたいと思っておるところでございます。
126 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 米国と日本の財務省の採用の違いに関して、経済評論家の上念司さんという方の著書には次のような記載がありましたので、ここで紹介させていただきます。
 先ほども言われたように、日本の公務員制度と米国の公務員制度、違いますので一概には言えないんですが、日本の公務員制度に対して厳しい意見でして、私自身、読み上げるのに少しちゅうちょしてしまうほどですが、御容赦ください。
 アメリカのエリート官僚は、競争が激しく、基本的に終身雇用を前提としていませんから、こういう制度になるのでしょう。しかし、先進国においては、アメリカと似たような制度を取る国がほとんどです。逆に、日本のような法学部優位の公務員制度というのは、どちらかというと、発展途上国の制度に近いと言われています。もちろん、何でも先進国の基準に合わせればいいというものではありません。しかし、現在の公務員制度では、基礎的な経済知識や実務経験などの点において、日本の官僚がスペシャリストと呼ぶにはかなり苦しい状況にいることは確かです。財政再建と口では言いつつも、かれこれ三十年ぐらいその状況が良くならないのは、財務官僚の能力が足らないからだということにならないでしょうかと、日本の官僚採用に関してかなり厳しい論調で批判されております。もちろん、一人の評論家の意見であり、そうでない意見もあると思います。
 ただ、例えば書店に行ったときに、多くの書籍がありますが、その中で財務省を批判する書籍が多く並んでいるのを見かけます。そういうことを考えますと、ある一定の民意として財務省改革を望む意見があるのは確かなところではないかと思いまして、今回質問として取り上げさせていただきました。今後、人材採用の観点から、財政、金融に関して考えるきっかけとなれば幸いです。
 以上、質問を終わります。
127 麻生太郎
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○国務大臣(麻生太郎君) 御意見としてすごく面白かったんですけど、二つだけ言わせてください。
 この比較貸借対照表を取り入れる話は面白いんだけど、これ、こういうすれたおじさんじゃなくて、一般的に話をするんだったら、やっぱり貸方、借方の話から始めて、国が借金しているんじゃありませんよ、政府が借金しているんですよと。じゃ、貸しているのは誰、貸方がいるわけだから。じゃ、誰が貸しているのって、国民が貸しているんですよと。国民は債務者じゃありませんよ、債権者ですよと。まず、この考え方、反論してみてくださいよと言ったら、みんな反論なんかできないでしょう、だって事実だから。
 この話を言うと、話が全く、頭が、かなり全面的に考え方変えにゃいかぬということになるほど面白い、確かにね。いろいろ意見はありますよ、言っておきますけど。
 ただ、一つの意見として、あなた、初めて会うけど、経歴からして面白いよね、これ。本当面白いよ、これは。なかなかですよ、これ。東大の体育学部から、あなた、京大の医学部出て、それで、しかも、まかり間違って代議士になろうというんだから。まあ、ちょっとかなり変わっている人だと思いますけれども、まあ、とにかくそれはおいておいて。
 この話、初めて会ったから言うわけじゃない。もう一点、今の話でやっぱりなかなか面白いところだと思っているから、そういうことが言えるんだと思って、すごい参考になりますけれども。制度が、役所と違うのは、多分、日本の制度と似ているのはフランスが一番似ているんだと思いますけど、役所の場合ね。
 そういった意味では、フランスの役人というのはもうヨーロッパで一番優秀だと言われていたんですけれども、最近はよく知りませんけれども、とにかく優秀。制度は結構似ているんですよ、日本とね、これ。だけど、あそこの場合は、役所が、大臣が替わるといきなり各国の局を引き抜いてぼそっと役所をつくるわけよ、各局が。そんな制度になっているから、この間までいたのに、えっ、これ、何でこんなところにいるのというのが出てくるという時代になっている。
 そういう制度にちょっとこっちがやれるかというと、それはなかなか難しいんじゃないかと思いますので、やっぱり日本の今の制度のいいところと新しいところとうまいことミックスさせていかなきゃいかぬところなんだと思っていますが、女性の比率が少なくとも、この間、金融庁は五割が女性になっていましたし、財務省もここのところ三割ぐらいがずっと女性になっていますし、また、何でしたっけ、昔の、灘、開成、麻布というのばっかりで占められていた東京大学から大蔵省というんじゃなくて、今は各県立高校から入ってきたのがすごく増えてきていますし、そういった意味ではかなり内容も変わってきているかなと思っておりますし、金融庁の方も金融規制庁から育成庁の方に大分シフトさせてみたり、いろいろさせてはいるんですけれども、いろいろそういった浜田さんみたいな新しい方入ってきたので、私は大いに期待していますので、いろいろ意見を聞かせてもらうことを期待しています。
 ありがとうございました。
128 浜田聡
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○浜田聡君 終わります。

第201回国会 参議院 国民生活・経済に関する調査会 第1号 令和2年2月12日
050 浜田聡
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○浜田聡君 浜田聡と申します。所属政党はNHKから国民を守る党、参議院会派はみんなの党であります。よろしくお願いいたします。
 今回の調査会のテーマであります子どもをめぐる諸問題に関して、本日は参考人の先生方に貴重な御意見をいただき、ありがとうございました。そして、この度質問の機会をいただき、ありがとうございます。
 まずは、松本先生にお聞きしたいと思います。
 子供の再分配後の貧困率についてのお話がありました。いただいた資料にもあったんですけど、それに関して確認されたこととして、日本は税と社会保障による子供の貧困率の低減効果が低いということで、資料に書いてあったのが、それに対する政策上の示唆として所得再分配の強化ということが書いてあります。本日の発表にもありましたように、日本にはそういった貧困率改善する余地がありますので、政策次第だということを聞いたと思うんですが。
 先月より通常国会召集されております。予算の方が審議されておりまして、その上で、漠然とした質問で大変恐縮なんですけれど、所得再分配の強化を図るために予算委員会を始めとする各種委員会でこういったことを質疑、話題にしてほしいということがあれば御意見いただきたいと思います。
051 松本伊智朗
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○参考人(松本伊智朗君) ありがとうございます。
 政策的な議論でということでまず何をという御質問だというふうに受け取りました。
 それで、貧困率という点、特に貧困率下げるという点での所得ということになると、それはいろんな制度を考えられますけど、今ある制度をどうするかと考えると、やっぱり児童手当、児童扶養手当のところだと思います。
 教育というのはやっぱり将来への投資でございますけれども、将来の問題と今の問題を考えるというときに、貧困率というのは今ですので、そうすると、先ほど渡辺参考人がおっしゃいましたけど、年齢をどう考えるかと。
 貧困率そのものは子供の年齢が上がるほど上がりますので、高い年齢のところも含めてどう考えるかということは、制度の内容の充実ということで是非国会でも御議論いただければということと、やっぱり額でございますね、額ですね。それは、やはりシミュレーションをして、どれぐらいの額になったらどれぐらいの貧困率の低減の効果があるかということはシミュレーションはできるはずですので、私自身はそういうことをしておりませんけれども、そうしたものを是非国の調査として行っていただければと思います。そうすると、先ほどの就労の効果と養育費の効果と児童手当の効果というふうな観点から議論ができるかと思います。
052 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。是非そういった議論がなされることを祈っております。
 次に、周燕飛先生にお聞きしたいと思います。
 日本では、シングルマザーとなるということは、例外はあるものの、貧困になりやすいということが事実としてあるかと思います。それに関して、世界各国の状況を参考にした上で、少しずつでも何とかしていくべきだと考えております。
 先生の発表の中であったんですが、養育費の徴収に関しては非常に大きな余地が残っているという御意見があって非常に参考になったんですが、先生の資料の中に、立替え型、取立て型、様々な方法がありまして、ほかにも罰則のある国もあるとのことなんですね。そういった制度がある国に比べて、日本でですね、日本の社会的状況であったり風土とか考え合わせた上で、日本において養育費徴収を向上させるような、これであれば効果的であるというような方法があれば教えていただきたく思います。
053 周燕飛
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○参考人(周燕飛君) 御質問どうもありがとうございます。
 確かに、養育費の徴収に大きな余地が残っている中で、日本はどんな施策があるかと考えると、施策はいろいろあるんですが、どこまで日本の風土に合うか、日本で実行可能かというのが最大の問題であるんですね。
 一般的には、できれば取立て型の方がお金も比較的に掛からないで徴収率が上がるというような、外国の経験から見るとそうなんですけど、しかし、日本人の風土から見ると、養育費の問題は家族内で解決すべき問題であって、国がここまで、例えばアメリカのような、一部の州では払わないと父親の顔写真とか名前が公表されて、この人払っていないとか、あるいはその人を外国に行かせないとか、そういうような強制措置をとっている国、オーストラリアとかとっているんですけど、日本人はそういうような、そこまで極端にやられるとちょっとショックを受けるかもしれないですね。だから、今までの日本のこういう政策はどうしても小出しになってしまうんですね。家族内の解決を最優先にしてやっていこうというのは、日本のこの文化的な事情もあるとは思うんですね。
 この中で、小出しの中でやれることがないかということなんですけど、一つ考えられるのが例えば面会交流ですね。私たちの子育て世帯全国調査でも、やっぱり父親とちゃんと面会交流しているシングルマザーの方が養育費を受け取っている割合が高いとか。そこは、一部やっぱりもう相手の顔も見たくないという母親もいる中で、やっぱりここは国がちょっと仲介に入って、ちゃんとお互いに面会交流、子供と父親が会えるようにすれば、ある程度、比較的マイルドな手続で養育費の徴収を増やすことも可能だと思うんですね。
 それから、やっぱり、今まで養育費の取決めがあるにもかかわらず払っていない父親が結構いる中で、養育費の強制徴収が余り使われていないという中で、もし払わなければちゃんと徴収しますよと、そこの実行力。だから、初め、今、取決めの割合も低いんですけど、離婚する時点で必ず取決めをさせましょう。そこで公正証書を作って、取決めあれば、強制徴収というか裁判所に申し立てれば強制執行がしやすくなるので、そこはいろいろ、今の日本の文化的な、日本人のそういったマイルドでちょっと許される範囲内で、取りあえず小出しでも改革は進めるべきであって、可能であれば、将来的にはアメリカとかオーストラリアの制度も参考して、取立て機関をつくって、その養育費の強制徴収に乗り出すということも考えるべきだと思います。
054 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 最後にもう一度松本参考人にお聞きしたいんですけれど、あらかじめいただいた資料の中に貧困率に関する記述がありまして、それについてお聞きしたいと思います。
 貧困率という道具を使うことで政策評価などの検討ができる一方で、ただそれだけでは分からないこともあるということが書かれておりまして、そこに興味を持ったんですね。その上で、貧困率用いることでの注意点であったり、あるいは学術的な新たな知見がありましたら教えていただきたく思います。
055 松本伊智朗
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○参考人(松本伊智朗君) 今おっしゃったのは、貧困率という道具を使って物を考えるときの注意点ということですか。はい、分かりました。
 やっぱりこれは政策効果、あるいはどういう社会的な集団に貧困リスクが高いのか、あるいは個人ベースの比較をするということに大変有効なものだと思います。
 ただ、委員おっしゃるように、これ幾つかの留意点があります、留意点があります。一つは、やっぱり個人の経験という観点、あるいは個人が受ける制約というものを表現しないということであります。
 所得の再分配のところは貧困率で見れるんですけれども、もう少し、対人サービスというものはやっぱり個人が受けている制約あるいは屈辱の感覚というものをどういうふうに和らげるかという観点でいきますので、それは分からないという、分からないというか別の観点で見る必要があるというふうなことだと思いますので、一つは、貧困率とそれ以外の指標、あるいは質的なデータを組み合わせて見るということが大事な点だということと、もう一つは、これ日本では余り使われていませんけれども、貧困線そのものの引き方には幾つかあります。幾つかの貧困線を併せて使ってみるというのは、国際的には研究者の間でよくなされることです。例えば、同じような、これ、等価可処分所得の中央値の五〇%、これを六〇%にしてみるとか、別のスタンダードを使ってみるというようなことで、それぞれの結果でどういうことが違うのか、あるいはそれを変えてみても同じなのかというようなことを検討してみると。
 この点についてはまだまだ日本は統計が進んでおりませんので、むしろそういうものが使える統計をきちっと出す。あるいは、例えば虐待のところも、今日は申し上げませんでしたけど、例えば保護された子供の家庭状況がどうなっているかという統計も実は日本にはないんですね。個別の研究者が何とか苦労してデータを出しておりますので。だから、そういう事後的な評価に堪え得るような統計をきちっと整えていくということは、早急にすべきことの一つだというふうに思っております。
 御質問ありがとうございます。大変大事な点だというふうに考えております。
056 浜田聡
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○浜田聡君 終わります。

第201回国会 参議院 国民生活・経済に関する調査会 第2号 令和2年2月19日
069 浜田聡
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○浜田聡君 浜田聡と申します。所属政党がNHKから国民を守る党、参議院会派はみんなの党であります。よろしくお願いいたします。
 今回の調査会のテーマであります外国人をめぐる諸問題に関して、参考人の先生方に貴重な御意見いただくとともに、御質問の機会をいただき、ありがとうございます。
 参考人の先生方への質問に先立ちまして、私の所属する政党であるNHKから国民を守る党を代表して、外国人をめぐるNHK問題について一つ紹介させていただきます。それは、NHKの訪問員と外国人とのトラブルでございます。
 NHKの訪問員というのは、受信契約をしていない世帯を回って契約や受信料の支払を要求するわけなんですが、その際に訪問員と住人の間でトラブルが生じることがございます。トラブルは外国人に限らないわけですが、ここでは、今回の調査会のテーマは外国人の方なので、外国人に限ってお話をしますと、一例として、二〇一九年八月に愛知県名古屋市でベトナム人の技能実習生の方がNHK訪問員に消火器噴射をしたということで逮捕されたというニュースがありました。この実習生は相手の言っていることが分からなかったとのことで、契約をめぐるトラブルになったと見られております。
 NHK訪問員は、相手が日本語の理解が不十分だという弱みに付け込んで契約であったり受信料を取ろうとすることがありまして、日本在住の外国人とトラブルになるという事例がこのように、ほかにもあります。我が党としては、このことを調査会におられる皆様に共有させていただきたいと思います。
 前置き長くなり、失礼しました。
 まず、山脇参考人にお聞きしたいと思います。先生の専門が多文化共生、移民政策ということで、お伺いをいたします。
 グローバル化が進んでいるこの世において、日本のみならず世界各国で多文化共生、移民政策というのは重要な課題になっていると推察します。世界各国あるいは国内でもなんですけど、いろんな失敗事例、成功事例があるとは思うんですが、世界各国、日本各地で、この政策は大成功、あるいはこの政策は大失敗といったような教育的な事例があれば、お伺いしたく思います。
070 山脇啓造
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○参考人(山脇啓造君) それは、外国の事例ということですか、それとも国内も含めて。
071 浜田聡
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○浜田聡君 どちらでも結構です。
072 山脇啓造
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○参考人(山脇啓造君) ありがとうございます。
 今この質問お答えする前に、ちょっと先ほどの子供の貧困のことで一言だけお話ししてもよろしいですか。ありがとうございます。
 子供の貧困との関連で、実は三重県、これも自治体なんですが、三重県が児童相談所に多言語の通訳システムを導入しました。これによって外国人の人たちの利用者が非常に増えまして、最近、全国知事会でもこの取組がグッドプラクティスとして表彰されたということを一言付け加えさせていただきたいと思います。
 それから、今いただいた御質問に関してお答えしたいと思うんですが、外国の中では、恐らくどの研究者も、相対的な問題ではあるんですが、やはりカナダの取組が優れた取組として評価されることが多いかと思います。ちょっと今、具体的な事例でお話しするのは難しいんですけれども、カナダの場合は多文化主義法というのをかなり以前に作っていて、様々な取組を国を挙げて、そしてまた、連邦政府ですけれども、州政府、それから自治体と連携して取り組んでいるかと思います。
 国内の自治体でいうと、先ほど少しお話しした浜松市であるとか川崎市とか、やはりそうした自治体は長年の取組の蓄積を持っていて多くの知見を有しているというふうに考えています。
 以上です。
073 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。参考にさせていただきます。
 次に、小島参考人にお聞きしたいと思います。
 日本人であれば教育に関して当然受けているものなんですが、日本在住の外国人になるとそれが当然でなくなるというところ、興味深く聞かせていただきました。
 結核検診のお話がありましたので、外国人の子供の医療のお話について、ちょっとお詳しいかどうか分からないんですが、予防接種についてお聞きしたいんですね。
 日本の子供であれば、どの時期にどのワクチンを打つかということがある程度スケジュール決まっているんですけど、それが外国人になるとどうなるのかということについてお聞きしたいんですが、それについては南野参考人の方から、養育医療に関しては在留資格にかかわらず適用可能ということがありました。
 そこでお聞きしたいのが、実際の外国人の子供の接種率など、実際、小島参考人の知っているその地域の事例でもいいので、もしよろしければお願いします。
074 小島祥美
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○参考人(小島祥美君) 御質問をいただきまして、ありがとうございます。
 子供の予防接種というところについては、国によってその予防接種の考え方が異なりますので、日本でいう三種混合、四種混合というものが必ずしも各国に万国共通かといえば、それは異なるという現状です。ですので、一概にそれが比較できないというのが背景としてあります。
 そんな状況の中で、早くからそうした保健センターや市民病院等に医療通訳を配置したところについては、その予防接種率やそうした健康診断、いわゆる乳幼児の健診ですね、についての受診率が上がっているという成果は各地出ています。代表例ですと、私が住んでいます愛知県の小牧市なんかはその代表格になります。医療通訳の方が配置される前と配置する後では全くその受診率が変わってきているという研究成果がありますし、だからこそ今も続けていらっしゃるというところがございますので、そんな事例を御紹介したいです。
 もう一つが、母子手帳の問題もございます。
 といいますのも、母子手帳が日本発の、発信した世界に誇るべきものでございますけれども、これは世界どちらもあるという状況ではございません。また、特に日本に住んでいらっしゃる外国人住民に対して、日本人のために成長が書かれているものを単なる多言語でそれを翻訳をしただけのものでは、日本に住んでいらっしゃる外国人の子供たちには全く役立たないものになっています。
 例えば、体重や身長を表すこうしたグラフがあるんですけれども、それは日本人のための成長ですので、そこの線からずれてしまう子供たちも多数います。また、ブーブーというふうに何か月になると発するだったりとか、いわゆる一言語が発する、二言語が発するというふうに書かれているものがあるんですけれども、それについても国によっては、そのブーブーというのは日本の言葉ですので、そうしたものが国によって異なる、にもかかわらず、どうしてもそれを日本のものを多言語にするというだけの観点で使われてしまっているのが、今、母子手帳の問題です。
 ですので、こうした国や背景等に配慮したものの情報提供ということが母子保健の中では、特に子供の教育を考えていく中では重要になってくるかと考えます。
 以上です。
075 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございました。
 予防接種にかかわらず幅広い知見を教えていただき、大変参考になりました。
 最後に、南野参考人にお聞きしたいと思います。
 事前にいただいた資料の方を読ませていただきました。その資料の中に、豊かな多文化共生社会の実現を目指す団体、APFSのウエブサイトも見付けて、見させていただきました。そこを見ると、先生が相談員として活動されていることを知ったんですけど、実際に先生が外国人の方と相談に乗っていろいろとやり取りされたのだと思います。
 それを踏まえてお聞きしたいんですけど、日本は今後、外国人労働者の受入れを進めるに当たって、介護であったり看護を中心とした分野のことを重視しているということだとは思うんですけど、これについての現状での評価であったり、今後に向けての提言などいただければと思います。
076 南野奈津子
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○参考人(南野奈津子君) ありがとうございます。
 外国人受入れの中でも介護や看護ということですけれども、介護や看護については今までも日本政府は何度かそういった方々を受け入れる政策を取ってきたわけですが、昨今の外国人労働者の受入れと同様、なかなかその現場への定着率が高くないという現状があります。
 その理由の一つは、やはり言葉の壁に対して、求める側が設定している日本語能力と、あとは実際に彼らが短期間で習得しなければいけない日本語能力というところが、例えば機関によってはそこの感覚が違うであるとか、実際その外国人に求める言葉の能力が高い。
 ただ、こちらの資料でもお示ししたように、水分を取るというのを、日本では飲むとか言ったりとか、あとは水分摂取と言ったり、御飯を朝食、昼食、夕食など、介護や看護現場では事故を防ぐためにもう非常に多忙、たくさんの書類を書くことがあります。そういった中で、日常の関わりという観点での人材不足に対して埋めたいというところの一方で、そういったところも高く求めることで、また現場の方がなかなか定着しづらいといったような問題があるかと思います。
 私自身は、介護現場で仕事をされている外国人の方とも接する機会をいただいてきましたけれども、やはり事前資料にも書かせていただいたように、そういった介護や看護の仕事に就くことに自ら強い喜びを感じて、やりがいを持って仕事に就かれている外国人の方が非常に多数おります。ただ、実際には、その言葉の難しさ、待遇という観点で私が不満を聞いたことは一度もございません。むしろ、やはり現場での複雑なシステムであるとか、あとは、一部の方の意見にはすぎないと思いますが、非常に、何ですかね、機械化されたというか、やはり御自身の文化的な感覚からする高齢者に対するケアの仕方とは違うところでやっている中で葛藤を感じたといったような方もございます。
 ですので、先ほどのお話と共通するところにはなるかと思うんですけれども、間をつなぐ方ですね。それは言葉だけではなくて、そういった文化、自分の感覚と相手の感覚が違う、特に看護や介護は、非常にその人の価値観であるとか、健康に対する感覚であるとか、自立とか、家族観ですね、親を見ることに対する、自分で見るべきか施設に預けるべきかといったようなところも幅広く含みますので、そういった文化的なところの橋渡し役を、日本人だけでなく、既に多く介護や看護の現場で働いている外国人の方又は長く日本に住まれている外国人の方をもっと人材活用して、つないでいっていただけるように育てていく仕組みをつくるべきだと考えています。
077 浜田聡
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○浜田聡君 大変参考になりました。ありがとうございました。
 終わります。

第201回国会 参議院 財政金融委員会 第4号 令和2年3月18日
250 浜田聡
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○浜田聡君 浜田聡です。所属政党はNHKから国民を守る党、参議院会派はみんなの党です。よろしくお願いいたします。
 まずは、新型コロナウイルス感染症についてお聞きします。
 現在、日本のみならず、世界各国で大騒ぎとなっておりますこの新型コロナウイルス感染症、各方面で対策に当たっておられます方々に心より敬意を表します。
 この新型コロナウイルス感染症のほかにも、SARSであったり、新型インフルエンザ、デング熱など、広範な流行が問題となる感染症は度々あったわけであります。今回のコロナウイルス感染症もこれらの感染症も、それぞれ種類は異なり、感染した際の病状は異なりますが、いずれも共通していることがあると思います。それはパニックだと思います。パニックに陥ることで人々は理性的な対応が難しくなり、余計な苦労に苦しむ羽目になる、そして感染の実害、実被害以上の苦しみを人々にもたらす、そんな状況だと思っております。
 そこで、麻生大臣にお聞きします。新型コロナウイルスに関しては多くの人々がパニックに陥っているということが問題であることに関して、麻生大臣の見解をお聞きします。
251 麻生太郎
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○国務大臣(麻生太郎君) 先が見えないと大体人間はパニックになる。山で吹雪に遭うと大体みんなパニックになるというのは、大体素人がみんな遭難する一番大きな理由はそれですから。じっと動かないでいるという知恵がありませんし、動かないなら動かないで、そこに雪崩が来ないところにじっとしている。雪山に、ちょっとやった人なら誰でも分かる常識的な知恵ですけれども、それがないとそういったことになる。
 今は、先ほどから話題になっておりますように、これは薬が出れば、そうですね、例えば四月に薬が出れば、二月、三月えらい騒ぎだったなあって、大体みんな忘れられるような種類の話だと、これ医者がよく言うせりふなんですけれども。もうとにかく大臣、本当に騒がぬでくださいとかとよく医者に言われた、このところ会うお医者さんから何人も言われましたが、みんな同じことを言われますので、多分そうなんだろうと思っているんですが。
 いずれにしても、薬が出ない間はコロナは何となく不安ですよ、これは。しかし、入院した人の八割は退院しているとか、感染した人の八割は重症にならないとか、もう答えは大分出てきましたし、集まって騒ぎになっているのは、大体、そうですね、ライブハウスとかスポーツジムとかいうところで感染しているのがひどくなっていると、もう答えも出ましたから。
 少なくとも国会で起きないのは不思議だなと、僕は不思議に思っているんですけれども。これ、一番起きそうじゃないですか、わんわん口角泡飛ばしてさ。何か一番唾が飛んできそうなところにいて、みんな予算委員会とは違って財金だと平静を保っておられますが、何か予算委員会行ったら途端に感情が、テンションが上がるらしくて、声も何か違いますしね、あそこいると。私は最前列にいますので、よくその身で感じるんですけれども。あそこで起きないのは不思議だなと思っているんですけど。
 とにかく、今のところ起きているのはライブハウスというところで、絵画館とか図書館とかもう全然起きていませんから、だったらもうさっさと非常事態を解いて、各自治体の方でそれぞれ自由にされたらどうですかということを言われてやっていかれるというような、こう落ち着いていくのを少しずつ少しずつ始めていかないと、とにかく何でもかんでもストップって、今アメリカもヨーロッパもみんなそんな対応していますけれども、あれは経験がないからああいうことになるんだと思っておりますんで、そういった意味では、言われたように、パニックにならないように正しく恐れる、正しく怖がるという態度が大切だと、私もそう思います。
252 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。先ほども言われましたように、正しく恐れるということに関して、本質をついていると思いました。立場の違いはありますが、共にこの状況を乗り越えるため努力していければと思います。
 さて、新型コロナウイルス感染症対策について、今国会で多くの方がいろいろなことを言っておりまして、政府としては多くの意見を取捨選択していくのが大変だと思いますが、私の方からも幾つか提言、質問させていただきます。
 この感染症が問題となり、政府はいろいろと対応を開始し、現在も引き続き対応に追われているわけであります。一方、今回の新型コロナウイルス感染症が問題になる前に何らかの対策をしていたのかということを調べてみたところ、内閣府のウエブサイトに新型インフルエンザ等対策のサイトがあることを知りました。今回の配付資料には、それらウエブサイトの一部を掲載しております。
 平成二十五年の新型インフルエンザ以降にこういった新興感染症対策についていろいろと準備や対策がされていったことが分かります。対策本部立ち上げなど、スムーズにいくようにその方法が動画として用意してあったり、毎年各省庁などで対策の訓練がなされていたりということが分かります。
 その内容を見てみますと、省庁によって、実動訓練、机上訓練、連絡訓練がそれぞれなされていることが分かります。そういう訓練が各省庁でなされていることは、いざ事が起こった場合に少しでも落ち着いて取り組むことにつながるのではないかと思います。
 一つだけ気になったことがありましたので、厚生労働省にお尋ねします。
 厚生労働省は、三年前は実動訓練、机上訓練、連絡訓練、いずれも実施しておりますが、過去二年の実動訓練は未定と表示されております。この実動訓練実施の有無を確認させていただければと思います。
253 浅沼一成
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○政府参考人(浅沼一成君) お答えいたします。
 行政機関等におきまして、新型インフルエンザ等対策特別措置法において、新型インフルエンザ等対策についての訓練を行うよう努めなければならないとされておりまして、厚生労働省におきましても毎年度、これに基づく訓練を実施しておるところでございます。
 お尋ねのこの平成三十年度は、まず、一度しか開催されない講義形式とは異なって、各自のペースで確実にかつ能動的に繰り返して学習ができるよう、テストも含んだeラーニング形式の机上訓練を導入するとともに、連絡訓練を実施いたしました。
 令和元年度におきましては、引き続きこのeラーニング形式の机上訓練及び連絡訓練を実施したところでございます。実動訓練は実施しておりませんけれども、厚生労働省といたしましては、こうした訓練等を通じまして万全の体制を整備し、今後も感染症対策の強化を図ってまいります。
254 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 こういった日常の間から非日常に備える訓練であれば、今後も継続していければいいのかなと思います。
 前回の新型インフルエンザが一段落した後に、厚労省の方で総括会議がありました。その報告書がネット上にありましたので、参照させてもらいました。その中で、幾つか目に付いたところがありましたので、質問の方をさせていただきます。
 まずは、入国時の水際対策についてです。
 医療関係者の間では、入国時、入国者の体温を測るなどの水際対策については、その効果を疑問視する声があるように思います。現にこの総括会議の報告書の中でも、水際対策についての記載を見ると、検疫により感染拡大を遅らせる意義はあるとする意見はあるが、その有効性を証明する科学的根拠は明らかではないとあります。
 厚生労働省といたしましては、水際対策の効果の有無はどう考えていますでしょうか。
255 浅沼一成
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○政府参考人(浅沼一成君) お答えいたします。
 平成二十一年に発生いたしました新型インフルエンザA、H1N1において実施されました水際対策につきましては、平成二十二年六月に取りまとめられました新型インフルエンザ対策総括会議の報告書におきまして、委員御指摘のような内容があったというふうに承知はしております。
 この報告書なども踏まえまして策定、改定がされている新型インフルエンザ等対策政府行動計画及びガイドラインにおきましては、水際対策につきましては、国内での蔓延をできるだけ遅らせ、その間に検査体制、医療体制等の整備のための時間を確保する、病原体の特徴や流行の状況等を踏まえ、患者等の人権への配慮や、対策の有効性、実行可能性及び社会経済活動に与える影響を総合的に勘案し、実施すべき対策を選択し、決定する等の方針を定めているところでございます。
 新型インフルエンザ等の対策につきましては、様々な対策を総合的に実施することで国民の生命及び健康を保護し、国民生活及び経済に及ぼす影響が最小となるようにすることが目的でございまして、水際対策につきましても、その一つとして、先ほどの方針を踏まえて実施していくことが重要と考えているところでございます。
256 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 今後も、有効性の検証については引き続きやっていければいいのかなと思います。
 次に、CDCについてです。
 これはアメリカにある組織で、あえて日本語に訳してみますと、疾病予防管理センターといいます。アメリカの保健福祉省、日本でいうところの厚生労働省が所管の感染症対策の総合研究所になります。従業員一万人を超える大きな組織でありまして、財務省本省の人数が大体千七百人ぐらいであることを考えると、その規模の大きさが想像できるかもしれません。
 本センターより勧告される文書というのは、非常に多くの文献やデータの収集結果を基に作成、発表されるため、世界標準とみなされるほどの影響力を持ち、実際に日本その他の国々でも参照、活用されております。
 今後、日本でもCDCを設立してはどうかという声を医療関係者の方からよく聞きます。厚生労働省の仕事の中で、感染症に関してはより専門的な組織が必要ではないかという声でございます。国会の議事録を検索しますと、今国会でもそういう提言がありました。仮に設立を考えるとしますと、現時点では、国立感染症研究所がその機能を担うことになるのではないかと考えております。今回、参考までにアメリカCDCの規模につきまして配付資料に掲載させていただきました。従業員数は一万人以上で、平均年収は十万ドル以上となっております。
 参考までに、国立感染症研究所の規模を教えてもらえますでしょうか。厚生労働省の方、お願いします。
257 浅沼一成
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○政府参考人(浅沼一成君) お答えいたします。
 国立感染症研究所の規模でございますが、まず予算額といたしまして、令和二年度におきまして、当初予算として六十四億九千六百万円を計上しております。また、国立感染症研究所の定員数でございますが、三百六十二名とすることとなっております。
258 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 先ほどお聞きになったように、アメリカのCDCと日本の国立感染症研究所では現時点では規模が違い過ぎて、現時点でアメリカのような規模のCDCをつくるのには無理があるとは思いますが、今後、国会内で議論が進むことを願っております。
 今後、日本でもCDCができればいいと思うんですが、CDCにありまして日本の厚生労働省にないものとして私が注目している点として、コミュニケーション部門というものがあります。
 用意した資料にCDCの組織図があります。これを見ますと、中心にあるのが所長なのですが、所長の右にコミュニケーション担当の副所長が設置されているのが分かります。新型インフルエンザ総括会議報告書内の提言には、国民への広報やリスクコミュニケーションを専門に取り扱う組織を設け、人員体制を充実させるべきであるというものがありました。また、危機管理においては、国民への迅速かつ正確な情報提供が極めて重要であるとも書いてあります。
 パニックの対策は、コミュニケーション部門による対策が極めて重要になると思われます。規模にもよりますが、コミュニケーション担当部門の設置を検討してみてはいかがでしょうか。あるいは、既にそういう試みがあるのであればお聞きしたいと思います。厚生労働省の方、お願いします。
259 浅沼一成
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○政府参考人(浅沼一成君) お答えいたします。
 リスクコミュニケーションにつきましては、その重要性につきまして認識しておりまして、新型インフルエンザ等対策ガイドラインの中では、政府対策本部及び厚生労働省は新型インフルエンザ等の発生時に広報担当官を置くこととされております。今回の新型コロナウイルス感染症対策におきましても、これに倣い、同様の対応を行っているところでございます。
 今後も引き続き、議員御指摘の点も含めまして、感染症への危機管理体制の不断の見直しを行い、危機管理への対応力を一層高めてまいりたいと考えております。
260 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 この新型コロナウイルス感染症対策については、首相官邸が前面に立って、政府一体となって対策をされておられると思います。引き続き、私の方からも応援させていただきます。
 次に、数年前に話題となりました、牛の生レバーの提供、販売禁止についてお聞きします。
 人の好みというものは様々でして、牛の生レバ刺し、好きな人、そうでない人、いると思いますが、好きな人にとってはたまらない、そんな食べ物の一つではないかと思います。この牛のレバ刺し、数年前から食べることができなくなりました。平成二十四年七月から、食品衛生法に基づいて、牛のレバーを生食用として販売、提供することが禁止されるという措置がありました。
 念のため、厚生労働省に確認します。現在もこの禁止は継続していますでしょうか。
261 浅沼一成
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○政府参考人(浅沼一成君) お答えいたします。
 牛のレバー、肝臓の生食用としての販売ですが、平成二十四年七月一日より、食品衛生法に基づいて禁止されており、現在も牛の肝臓を生食用として販売することは禁止されております。
262 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 この禁止ですが、平成二十三年四月、富山、福井など、焼き肉チェーン店のユッケを食べた客が腸管出血性大腸菌の集団食中毒を起こしたことがきっかけだと考えられます。百六十九人が発症し、十一人が入院、五人が死亡という事態になりました。きっかけとなったユッケというのは、御存じのように、生牛肉を刻んだものに卵黄等をかけて食べる料理です。このユッケを食べたことによる食中毒ですが、その後、牛のレバーを生で食べることが禁止になりました。その経緯の方を、厚生労働省の方で説明いただけますでしょうか。
263 浅沼一成
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○政府参考人(浅沼一成君) お答えいたします。
 平成二十三年四月のユッケによる食中毒事件を受けて、同年七月に開催されました薬事・食品衛生審議会食中毒・乳肉水産食品合同部会におきまして、当時の食中毒の発生状況なども踏まえまして、生食用牛肉に加え生食用の牛肝臓につきましても対応を検討する必要があるとの要請がなされ、厚生労働省におきましてこの汚染実態調査を実施したところでございます。
 その後、平成二十三年十二月から三回にわたりまして開催されました乳肉水産食品部会におきまして、汚染実態調査の結果及び業界団体からの意見聴取も踏まえつつ検討した結果、牛肝臓の内部から腸管出血性大腸菌が検出されたこと、消毒液による洗浄方法や当該菌を保有している牛の選別方法など、牛の肝臓を安全に生食するための有効な予防対策が見出せなかったことなどを踏まえまして、国民の健康保護を図る観点から、平成二十四年七月に食品衛生法に基づく規格基準を設定し、牛肝臓の生食の安全性を確保する知見が得られるまでの間、牛の肝臓を生食用として販売することを禁止することとしたものでございます。
264 浜田聡
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○浜田聡君 この牛のレバーの生食禁止されてから数年がたつわけですが、その生食禁止後の検証結果があれば教えていただけますでしょうか。
265 浅沼一成
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○政府参考人(浅沼一成君) お答えいたします。
 この禁止の後、平成二十六年三月に開催いたしました薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会食中毒部会におきまして検証を行った結果、規格基準の設定の前後で、牛肉又は牛生肝臓、レバーですね、レバーの生食を原因とする腸管出血性大腸菌O157感染症の報告数が減少したことを確認しておるところでございます。
266 浜田聡
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○浜田聡君 御答弁いただいた審議会の経過については、私の方でも後ほど確認させていただきたいと思います。
 ここで、お伝えしたい研究結果がございます。配付資料に、二〇一九年に出された研究結果の一部を掲載させていただきました。二〇〇八年から一七年までのデータベースを用いて腸管出血性大腸菌感染の発症率を調べています。腸管出血性大腸菌はいわゆる感染症法の三類感染症に属しておりまして、診断した医師は直ちに最寄りの保健所に届け出なければなりません。したがって、日本での腸管出血性大腸菌はほぼ全例が捕捉されており、そのデータベースは公開されており、それを用いて検証した研究であります。
 レバ刺しが禁止になった二〇一二年七月はこの間にあるわけでして、この前後で腸管出血性大腸菌の感染を減らしたかどうかを確認したところ、二〇一二年七月のレバ刺し禁止は腸管出血性大腸菌を全く減らしていなかったという結果が出ております。
 この腸管出血性大腸菌ですが、本当にいろいろな食べ物から感染することが知られております。生野菜であったり、果物、小麦粉から感染する事例もあります。生肉や生レバーなどは原因の一つにすぎません。原因の一つにすぎないものを場当たり的に禁止したところで、この食中毒が減るというわけではありません。この食中毒をゼロにするべきであると考えるのであれば、野菜や果物など生の食べ物をほとんど禁止する必要があるわけです。
 念のため言っておきますが、牛の生レバーを食べて食中毒が起こらないと言っているわけではありません。ただ、禁止しても食中毒が明らかに減っているわけではないという結果が出てきたので、今回紹介させてもらいました。
 ここで、ある本を紹介させていただきます。「「リスク」の食べ方」という本でございます。岩田健太郎さんという感染症の専門医が書かれた本でして、元々御高名な医者の方なのですが、最近ですと、ダイヤモンド・プリンセス号に入ったことで更に有名になった方でございます。また、今回紹介した研究をされた方でございます。
 この本によりますと、ユッケの食中毒から生レバーが禁止に至った経緯についていろいろと問題があることを指摘されておられます。それがゆえに、今回のように自分で検証をされ、生レバー禁止を解除すべきだと言われております。
 厚生労働省には、牛の生レバー禁止についていま一度その妥当性を検証してもらうことを願います。新型コロナウイルス感染症対策で厚生労働省におきましてはお忙しいとは思いますが、禁止されている食べ物が解禁されるということは経済対策の一つにもなり得ると思いますので、これも新型コロナウイルス感染症対策として検討していただければと思います。
 では、残りの時間で、森友学園問題についてお聞きしたいと思います。
 国会の方では、一時期、相当の時間を費やされた問題でありまして、蒸し返すことを余りよく思われない方がいるかもしれません。ただ、時間が経過したとはいえ、風化させてはいけない問題があると思い、取り上げさせていただきます。
 当事者の一人である籠池泰典さんという方も、この「国策不捜査」という書籍を出されております。この国にある問題点を指摘されておられるように思います。森友学園問題をめぐる経過につきまして、この書籍について一部端的にまとまっている部分がありましたので、引用させていただきます。
 まず第一報は、朝日新聞による国有地が不当に廉売された疑いがあるという記事でした。不動産鑑定で九億五千六百万円だった土地が、八億二千万円値引きされ、一億三千四百万円で森友学園に売却されている。しかも、隣接する学校法人が七億円で買いたいと申し入れ、断られていたという報道です。学校認可や賃貸借に至る経過についても不透明な優遇措置が繰り返されており、マスコミは名誉校長だった安倍昭恵夫人こそが全ての鍵を握る存在だったとの報道を続けます。
 その後、刑事告発を受理した大阪地検特捜部ですが、籠池夫妻に対しては強制捜査を行い、逮捕に踏み切る一方、財務省や近畿財務局へは家宅捜索を行わないまま不起訴処分を決めてしまいました。国有地売却についても、会計検査院から八億円値引きは十分な根拠を確認できないとの指摘を受けながらも、その実態は解明されておりません。
 事件報道から一年後、今度は財務省による公文書改ざんの事実が明らかになりました。国家は言葉でできています。言葉を守るために、政治家や公務員、法曹関係者、マスコミといった多くの人が日々格闘しています。決裁文書を改ざんすることは、国家そのものを毀損したに等しいのです。それだけではありません。財務省は、国権の最高機関たる国会や憲法上の独立機関である会計検査院、さらには最強の捜査機関と目される大阪地検特捜部にまで改ざんされた決裁文書を提出しました。民主主義の仕組みそのものを踏みにじったのです。
 これらの行為が露見したにもかかわらず、公文書の改ざんの原因や目的はおろか、誰の指示で行われたのかさえ明らかになっていません。政治が官僚組織の公平公正な性格をねじ曲げた疑惑があるにもかかわらず、真相究明には程遠いのではないかと思いますというところで引用の方を終わります。
 この事件について、一つずつ聞いていきたいと思います。
 まずは、財務省にお聞きします。
 事件の当事者の一人であります籠池泰典さん、本名康博さんですが、どういう処分が下されていますでしょうか。確認している範囲でお答え願います。
267 可部哲生
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○政府参考人(可部哲生君) お答えいたします。
 本件刑事訴訟事件につきましては、財務省は当事者ではございませんけれども、二月十九日に、大阪地裁において、籠池泰典氏に対しまして懲役五年の実刑、妻の諄子氏に対しては懲役三年、執行猶予五年との判決が下っているものと承知をいたしております。
268 浜田聡
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○浜田聡君 一方、公文書改ざんで財務省の方に下された処分を教えてもらえますでしょうか。
269 茶谷栄治
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○政府参考人(茶谷栄治君) お答え申し上げます。
 文書改ざんなどの問題は極めてゆゆしいことであり、誠に遺憾であって、深くおわび申し上げなければならないと考えております。
 財務省においては、平成三十年六月にこの問題の経緯等に関する調査結果を公表し、関与した職員二十名に対して、停職を始めとする厳正な処分を行ったところでございます。
 具体的には、当時の理財局長には、応接録の廃棄や決裁文書の改ざんの方向性を決定付けたことなどから停職三か月相当、当時の理財局総務課長には、一連の問題行為について中核的な役割を担っていたことなどから停職一か月、当時の担当課長や担当室長には、一連の問題行為に深く関与したことから減給とするなど、関与した職員には厳正な処分を行ったところでございます。
270 浜田聡
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○浜田聡君 この事件では、大阪地検特捜部が、籠池泰典氏を補助金詐欺で、自宅や幼稚園に強制捜査が入ったわけでありますけど、一方、公文書改ざんをした財務省に強制捜査が入ってという話は聞いておりません。大阪地検特捜部となれば、国を大きく動かすような大物を捜査対象とすると理解しておりますが、補助金詐欺の個人を捜査するようなところではないとも思います。
 不思議に思うところではありますけど、これについて財務省の見解をお聞きしたいと思います。
271 可部哲生
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○政府参考人(可部哲生君) お答えいたします。
 ただいまのお尋ねは検察当局の捜査に関わることでございますので、財務省としてコメントすることは差し控えさせていただきたいと存じます。
272 浜田聡
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○浜田聡君 いろいろと立場の方ありますので、そちらに関しては私の方でも理解しているつもりです。
 この事件で疑惑の対象となった籠池泰典さん、そして財務省、疑惑の対象となったこの両者だけではありません。籠池泰典さんの代理人であります、国や大阪府と交渉していた酒井康生弁護士、あと、三つの契約書を作った藤原工業にも疑惑の目が向かうのは自然なところではないかなと思います。こういった方々にも大阪地検特捜部による強制捜査が入っていないことに関しては不思議に思われないでしょうか。
 これも財務省の見解をお聞きしたいと思います。
273 可部哲生
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○政府参考人(可部哲生君) お答えいたします。
 ただいまのお尋ねにつきましても検察当局の捜査に関わることでございますので、財務省としてコメントすることは差し控えさせていただきたいと存じます。
274 浜田聡
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○浜田聡君 公文書改ざんという前代未聞のことが起こったわけですが、これによって、うその資料を基にして国会で議論をしていたということになります。
 これは、考えてみますと、国会の業務を妨害したことになりまして、国会から財務省が業務偽計妨害罪で訴えられてもおかしくないように思いますが、現時点でそういう動きはありますでしょうか。財務省にお聞きします。
275 可部哲生
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○政府参考人(可部哲生君) お答えいたします。
 森友事件における決裁文書の改ざん等につきましては、平成三十年六月に公表された調査報告書におきましても、国権の最高機関である国会への対応として、決裁文書の改ざん作業を行い、改ざん後の文書を提出したことはあってはならないことであり、不適切な対応だったと言わざるを得ないと認定されておりまして、改めて深くおわびを申し上げます。
 なお、お尋ねいただきました、国会が偽計業務妨害罪の訴えを行うかどうかにつきましては国会の御判断によるものであると承知しておりますので、財務省としてお答えする立場にはないことを御理解いただければと存じます。
276 浜田聡
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○浜田聡君 事件の舞台となった豊中市の土地と建物、瑞穂の国記念小学院と表示されているところでございますが、そちらの現状について財務省にお聞きします。
 建物が残っているのか、あるいは、残っているのであれば使われているのかどうか、教えていただけますでしょうか。
277 可部哲生
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○政府参考人(可部哲生君) お答えいたします。
 本件土地につきましては、平成二十九年六月二十九日に売買契約に基づく買戻し権を行使し、現在、国土交通省の所管いたします自動車安全特別会計の財産として返還されているところでございますけれども、本件土地には工事業者が建設した建物があるほか、当該業者が実施済みの工事に関して留置権を主張し、建物及び土地全体を占有している状況にあると承知をいたしております。
278 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 報道によりますと、国は、二〇一七年六月、売買契約時の特約に基づいて学園側から国有地を買い戻し、特約で定めた学園の原状回復義務を根拠に、校舎を解体して土地を更地に戻すように求めていると聞いております。校舎の取壊しには費用が掛かるため、学園側は国有地と建物を一体で売却するよう国に要望しており、二年以上結論が出ない状態が続いております。現時点でも、この豊中市の建物、そのまま残っておりまして、非常に立派な建物であると思います。使わないのはもったいないと考えるのは自然なことではないかなと思います。
 この豊中市の建物につきまして購入を考えている人がおりまして、それは、私の所属政党NHKから国民を守る党の党首、立花孝志でございます。この建物を購入することで、前提で動いておりますが、このことについて財務省の見解をお聞きします。
279 可部哲生
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○政府参考人(可部哲生君) お答えいたします。
 本件土地につきましては、先ほど申し述べましたように、平成二十九年六月二十九日に売買契約に基づく買戻し権を行使し、現在、国土交通省の所管する自動車安全特別会計の財産として返還されておりますことから、財務省としてコメントすることは差し控えさせていただきたいと存じます。
280 浜田聡
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○浜田聡君 私の方からも、今後、国土交通省の方に聞いてみたいと思います。
 ただ、意地悪な見方をしますと、この建物を契約書の特約どおりに更地で戻せというのは、建物を壊すことで公文書改ざんの象徴を取り壊してしまう、後世に残さないという指摘も成り立つと思います。それについて財務省の見解をお聞きします。
281 可部哲生
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○政府参考人(可部哲生君) 繰り返しとなりますけれども、本件土地は国土交通省所管の財産でございますので、財務省としてコメントは差し控えたいと存じます。
 その上で、ただいま御指摘ございました公文書の改ざんにつきましては、先ほど申し述べました調査報告書におきましても、国権の最高機関である国会への対応として、決裁文書の改ざん作業を行い、改ざん後の文書を提出したことはあってはならないことであり、不適切な対応だったと言わざるを得ないと認定されており、改めて深くおわびを申し上げます。このような事態が生じたことを真摯に反省し、二度とこうしたことを起こさないよう、公文書管理の徹底や組織風土の改革などを進めているところであり、引き続き信頼回復に努めてまいりたいと存じます。
282 浜田聡
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○浜田聡君 この事件では、決裁文書の改ざんを強要された近畿財務局の方がお亡くなりになっております。お亡くなりになった方の御冥福をお祈りするとともに、御遺族の方にお悔やみ申し上げます。
 さて、これに関しまして、自殺の動機について財務省については把握しておられますでしょうか。週刊誌報道はありましたが、実際に把握しているのかどうかというところをお聞きしたいと思います。
283 茶谷栄治
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○政府参考人(茶谷栄治君) お答え申し上げます。
 近畿財務局において平成三十年三月に職員の方がお亡くなりになったことは誠に残念なことと考えており、深く哀悼の意を表したいと考えております。
 その上で、お尋ねの件につきましては個人のプライバシーに関わることであることから、お答えすることは差し控えたいと考えております。
284 浜田聡
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○浜田聡君 分かりました。
 お亡くなりになられた方が書いた遺書を実際に確認したかどうかということもお聞きしたかったんですが、同じ答弁になると思いますので、飛ばさせていただきます。
 さて、その方の三回忌が先日あったと思います。財務省として何かされたかどうかということをお聞きしたいと思います。
285 茶谷栄治
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○政府参考人(茶谷栄治君) お答え申し上げます。
 三回忌ということではございませんが、御遺族の御了解もあって、次官ら幹部を含む財務省本省や近畿財務局の職員が過去複数回弔問に伺わせていただいたところでございます。今も深く哀悼の意を表する気持ちには全く変わりはございません。
286 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 この問題が最初に問題視された点として、八億円の大幅値引きという声があります。ただ、個人的には、小学校という公共性の高い土地の使用について、国有の土地一億三千四百万円というものは、私は妥当だと考えております。つまり、国有の土地の価格というのは使用用途によって変化してもよいと思っております。小学校のように必要なものは補助金が付きますように、このように値段というものは弾力性があってしかるべきだと思います。
 この森友問題で、国有の土地価格について財務省の見解をお聞きします。
287 可部哲生
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○政府参考人(可部哲生君) お答えいたします。
 本件土地につきましては、平成二十八年三月に新たな地下埋設物が発見され、その後、森友学園から本地の買受け要望があったことから、大阪航空局に地下埋設物の撤去処分費用の見積りを依頼し、更地の鑑定評価額九億五千六百万円から大阪航空局が見積もった地下埋設物の撤去処分費用約八億二千万円を差し引いた一億三千四百万円で売却したものでございます。
 本件土地の処分につきましては、これまでも御説明しておりますとおり、翌年四月に開校が予定され、校舎の建設工事が進む中、新たな地下埋設物が発見され、相手方からの損害賠償請求のおそれがあるなど切迫した状況の中で行われたものであり、将来にわたって一切の国の責任を免除するよう瑕疵担保責任を免除する特約事項を付すことも含めて、ぎりぎりの対応であったというふうに考えております。
288 浜田聡
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○浜田聡君 最後に、麻生大臣にお聞きします。
 この事件が起こってから数年間が経過しました。この事件は、そもそも安倍総理が、私や妻が関わっていたら総理も国会議員も辞めるという発言がきっかけになって騒ぎが大きくなったと思います。結果的に、公文書改ざんが起こったり死人が出るということにもなりました。
 時間が経過した今、副総理として安倍総理に思うところや財務大臣としての意見があればお聞きしたいと思います。
289 麻生太郎
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○国務大臣(麻生太郎君) この森友学園の話に関しましては、これは決裁を得たいわゆる行政文書の改ざんというのが一番の問題なんだと思って、私どもとしては思って、ゆゆしいことでありまして、これは誠に遺憾なことであって、先ほど可部の方から申し上げましたように、深くおわびを申し上げなければならないと考えているところです。
 これ調べまして、結果は先ほども申し上げましたとおりですけれども、文書改ざんの主たる目的というのは、これは、平成三十年六月に公表した調査報告書におきまして、いわゆる平成二十九年二月以降の国会審議において森友学園の案件が大きく取り上げられている中、更なる質問につながる材料を極力少なくすることであったと認定しているところであります。
 平成三十年の三月に、今言われております近畿財務局の職員の方がお亡くなられたことは誠に悲しい話であって、御遺族の気持ち等々を考えると言葉もなく、謹んで御冥福をお祈りするものであります。
 これらの点を真摯に反省をして、二度とこうしたことが起きないよう、公文書管理の徹底、必要な取組等々を進めるとともに、外部から秋池参与の指導の下に、財務省が組織として抱える問題を抽出、問題行為の発生等々を許した組織風土の改革を進めているところでありまして、引き続き、信頼回復に努めてまいりたいと考えております。
290 浜田聡
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○浜田聡君 終わります。ありがとうございました。

第201回国会 参議院 東日本大震災復興特別委員会 第3号 令和2年3月19日
110 浜田聡
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○浜田聡君 浜田聡です。所属政党はNHKから国民を守る党、参議院会派はみんなの党です。よろしくお願いいたします。
 委員の皆様には、少数会派にも御配慮いただき、会派人数配分以上の質問時間をいただきましたこと、大変感謝しております。また、先日、委員会での東北視察では多くの方々にお世話になりました。視察で得た経験を十分に生かせるよう、この委員会での活動に尽力してまいります。
 東日本大震災、福島第一原発事故から九年が過ぎました。いまだに放射線の風評被害が根強く残っている報告を見聞きします。この風評被害の背景にあるのは、放射線に対する正しい知識の普及が残念ながら現状では不十分ということが主な原因であると思います。
 復興庁におきましては、風評払拭・リスクコミュニケーション強化戦略を掲げ、御尽力されていることと存じます。風評払拭の動きが現状どうなっているのか、担当責任者からの説明をお聞きしたいと思います。
111 横山信一
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○副大臣(横山信一君) お答えいたします。
 風評払拭に向けては、風評払拭・リスクコミュニケーション強化戦略に基づき、正確で効果的な情報発信や被災地産品の販路拡大など、政府一体となって取り組んでいるところでございます。復興庁では、テレビ、インターネット、SNSやラジオ等、あらゆる媒体を活用して、放射線に関する正しい知識や福島の現状等についての効果的な情報発信を実施しているところでもございます。
 こういう取組もありまして、福島県産の主要な農産物について、全国平均との価格差が徐々に縮小してきているところでもございます。消費者庁の調査におきましても、放射性物質を理由に購入をためらう産地の福島県の割合は、平成二十五年の一九・四%から、本年の一〇・七%まで減少してきているところであります。
 輸入規制につきましても、五十四か国・地域のうち、三十四か国・地域が撤廃、十八か国・地域が緩和等の一定の成果が見られております。しかしながら、一方で輸入規制の残っている国・地域があるのも事実であり、引き続き、関係省庁等とも連携し、官民を挙げて風評の払拭に全力を尽くしてまいります。
112 浜田聡
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○浜田聡君 御答弁ありがとうございます。風評払拭に御尽力されておられる方々に改めて敬意を表します。
 この風評払拭に向けて、文部科学省では、学校教育における指導の一助として、放射線等に関する副読本を作成していることを承知しております。日本の将来を担わなければならない子供たちにおいて、小学校、中学校、高等学校の各段階に応じて放射線や放射能、放射性物質について学び、自ら考え、判断する力を育むことは大切です。文部科学省によるこの副読本、現場の声を聞きますと、内容に満足いただけないという声を聞きますので、内容の再検討は必要と考えますが、配付の方針に関しては私も同意いたします。
 ただ、放射線等に関する理解が更に広がるために、もう一歩踏み込んだ政策の提案です。それは、放射線の知識が入試問題として問われることであると思います。ある意味人生を大きく左右する可能性のある入試において放射線の知識が問われるとなると、入試に挑戦する子供たちにとって放射線の理解が進むことは明らかです。
 先日の視察において、相馬市の立谷秀清市長からは、特に高校入試に出るようにとお願いをされております。中学、高校、大学と、それぞれ入試はあるわけですが、この中で最も多くの人が挑戦すると考えられる入試として高校入試に狙いを絞られたのだと思いますし、私もその狙いに賛同いたします。
 そこで、文部科学省にお聞きします。高校入試の問題の出題内容について働きかけを行う場合、いろいろな働きかけ方があると思います。その中で、高校入試の出題を管轄するところとしてどのような組織に働きかけをすればよろしいでしょうか。よろしくお願いします。
113 蝦名喜之
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○政府参考人(蝦名喜之君) お答えを申し上げます。
 学校教育におきまして、児童生徒が放射線に関する科学的な知識を身に付けることは大変重要であると考えてございます。このため、現在、中学校の理科などにおいて放射線に関する内容について指導が行われております。また、先般改訂をいたしました新しい学習指導要領におきましても放射線に関する内容の充実を図ったところでございます。また、議員から御紹介もございましたけれども、全国の小学校、中学校、高等学校等に副読本の配付なども行ってございます。
 お尋ねの高等学校の入学者選抜の方法等についてでございますけれども、都道府県教育委員会などの入学者選抜の実施者がその内容を決定するものでございます。学力検査問題の内容につきましては、そうした入学者選抜の実施者におきまして学習指導要領の内容を踏まえて適切に判断をするということと制度上なってございます。
114 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 高校入試での出題促進に向けて、各都道府県の実施者、関係者と意見交換をしていくことが重要であると確認できました。この委員会の一員として、私自身、風評払拭に向けて協力していきたいと思います。
 短いですが、質問終わります。ありがとうございました。

第201回国会 参議院 地方創生及び消費者問題に関する特別委員会 第2号 令和2年3月19日
110 浜田聡
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○浜田聡君 浜田聡です。所属政党はNHKから国民を守る党、参議院会派はみんなの党です。昨年十月に繰上げ当選という形で参議院の方に来ました。よろしくお願いします。
 私の所属するNHKから国民を守る党は、二〇一三年に元NHK職員である立花孝志が立ち上げた政党です。様々なNHK問題の解決を目指し、地方選挙から地道に活動を重ねて少しずつ勢力が拡大してまいりました。昨年の統一地方選挙では二十六人の当選者、そして参議院議員選挙では比例代表にて一議席を獲得、全国で二%を超える得票率を達成したことで政党要件を満たし、日本に九つしかない国政政党となりました。
 NHKには様々な問題があり、国会でも様々な議論がなされてきております。その問題の中でも特に重大と考えられるのは、契約や受信料を迫って各世帯を回る訪問員、集金人の問題が挙げられます。NHKが委託している業者の訪問員により強引な手法が全国各地で問題となっています。
 昨年の参議院消費者問題に関する特別委員会では、消費生活センターへの相談においてNHKに関する不満が非常に多いことが取り上げられました。NHK受信料、特に訪問員による被害の相談への対応は、我が党が開設しているコールセンターや地方議員も行っております。
 そこで、消費者庁にお聞きします。
 NHKと国民の皆様の間に起こるトラブルは、消費生活センターや警察でもある程度は対処していることは認めますが、それだけでは対応し切れないからこそ、NHKから国民を守る党が国会で議席を獲得するほど躍進したことと考えられます。このことに関して、消費者庁としての御見解をお伺いします。
111 坂田進
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○政府参考人(坂田進君) お答え申し上げます。
 NHKに関連する消費生活相談の件数は、二〇一七年度は一万六百四十五件、二〇一八年度は八千百四十五件、二〇一九年度は三月十六日までの時点で六千四百四十四件となっており、直近では減少傾向にあるものの、今なお相当数の相談が寄せられているものと認識しております。
 相談の内容としては、例えば受信料の支払に関するものとして、独り暮らしの学生である知人が勧誘員から公共放送の受信契約は皆がしていると言われ、テレビがないのに契約をしてしまったとの相談、訪問員の勧誘、徴収方法に関するものとして、地域で公共放送の受信料の訪問が問題になっている、夜間訪問や居座り行為などをしないように申し入れてほしいとの相談などが寄せられております。
 消費者庁といたしましては、NHKに関連する消費生活相談が消費生活センター等に寄せられた場合に適切に対応がなされるよう、放送法を所管する総務省とも連携しながら、引き続き取組を進めてまいりたいと考えております。
112 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 直近の減少ということでしたので、NHKから国民を守る党も一年以内にコールセンターを開設しましたので、そこと関連している可能性があるとは思います。
 さて、NHK訪問員による強引な手法による問題は、そのほとんどがNHKの正社員ではなく委託業者によるものであると考えております。NHK受信料という金銭債権の回収を、当事者のNHK正社員ではなく、その多くを委託業者が行うことを我々は特に問題視しております。金銭債権の回収を当事者でない委託業者が行うことに制限がないと、いわゆる反社会的勢力がそれを委託することは容易に想像できるのではないでしょうか。
 そういったことに制限を掛ける法律として、弁護士法があります。さらに、債権処理を促進する目的として、弁護士法の特例として、いわゆるサービサー法、正式には債権管理回収業に関する特別措置法が制定されております。
 そこで、法務省にお聞きします。
 こういった法律がある中、NHKの正社員ではなく委託業者が債権取立てを行うことは法律違反に当たらないでしょうか。
113 金子修
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○政府参考人(金子修君) お答え申し上げます。
 一般論として申し上げますと、弁護士又は弁護士法人以外の者が、法律に別段の定めがある場合を除き、報酬を得る目的で業として他人の債権の管理回収業務を行うことは、弁護士法七十二条で禁止されております。それで、今申し上げた法律に別段の定めがある場合として、その弁護士法の特例として、委員御指摘のとおり、債権管理回収業に関する特別措置法、いわゆるサービサー法というのがございます。
 サービサー法として規制が及ぶ、つまり業として債権回収を行うためには法務大臣の許可が要りますが、この対象となる債権につきましてはサービサー法に列挙されているものが対象になるということでございます。少なくとも、NHKの受信料の債権につきましては対象として挙げられていないので、サービサー違反の問題は生じないということになると思います。
 それから、では、一般法たる弁護士法七十二条によって禁止されているのかということですが、この違反の場合は罰則の適用もあるものですが、法務省として、個別の事案について弁護士法に違反するかどうかをお答えするのは困難でございます。
114 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 個別の事案ということで、我々NHKから国民を守る党、各地で裁判の方をしております。今後も引き続き頑張っていこうと思います。
 次に、地方創生のため、地方議会議員選挙を話題にしたいと思います。
 地方創生とは、東京一極集中を是正し、地方の人口減少に歯止めを掛け、日本全体の活力を上げることを目的とした一連の政策であると理解しております。その地方創生を進める上で重要なことはいろいろと考えられると思いますが、ここでは、その一つとして地方議会を挙げさせてもらいます。
 地方の人口減少というのは、地方議会でのなり手不足という問題とは無関係ではないと思います。最近では、無投票選挙や定員割れが生じることが決して珍しいとは言えなくなりつつある地方議会議員選挙において、多様な人材が地方議会議員選挙に挑戦することは地方創生につながると思います。
 そこで、地方創生の担当者にお聞きします。
 地方議会と地方創生の関係について、見解を教えていただきたく思います。
115 大塚拓
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○副大臣(大塚拓君) これまで各地方公共団体は、自ら策定した地方版総合戦略に基づいて、各地域の実情に即した具体的な地方創生の取組を進めてきております。地方版総合戦略については、これはまさに議会と執行部が車の両輪となって推進をしていくということが重要であるというふうに認識をしてございます。
 各地方公共団体の議会において、地方版総合戦略の策定段階や効果検証の段階で十分な審議が行われることが重要であるという旨は、これまでも私どもとしても地方公共団体に周知をしてきたところでございます。その際に、地方議会を構成する議員が地域に根差した住民の多種多様な層から選出されていくということは、住民のニーズを適切に反映することにもつながりますので、地方創生について活発に御議論いただく上でも重要であるというふうに考えてございます。
116 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 地方議会の選挙に多様な人材が挑戦するようになればと思いつつ、それを阻む大きな足かせとなっているものが、公職選挙法に定められている三か月の居住要件であると思います。知事や市長といった首長には居住要件がないにもかかわらず、地方議員には居住要件を課しています。小さな市町村を出て大都市で生活をしている人々の中には、居住要件をなくして時間的制約も減らせば、ふるさとの行政に対して議員として貢献したいという方は必ずおります。
 この居住要件についてはいろいろな議論があるとは思いますが、ここでは、それを撤廃すべきとの新聞記事も参考資料として配付させていただきました。
 ここで、総務省にお聞きします。
 今国会では、地方議会議員選挙に立候補する際の居住実態の確認強化や厳罰化する法改正に進んでいることに関して、総務省から説明いただきたく思います。
117 赤松俊彦
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○政府参考人(赤松俊彦君) お答え申し上げます。
 まず最初に、地方公共団体の議会議員の被選挙権に関するお尋ねでございますが、地方公共団体の議会議員の被選挙権につきましては住所要件が定められておるところでございます。これは、地方公共団体が地縁的な社会であり、その代表者を選出するという観点から、ある程度その地域社会に居住をし、地縁関係を有し、その団体の事情に通じている必要があるという趣旨で設けられているものというふうに承知をしてございます。
 御指摘の住所要件の見直しについてでございますが、住民の代表機関と住民のつながりをどう考えていくのかという選挙制度の基本に係るものであることから、各党各会派で御議論をいただくべき事項であるというふうに考えてございます。
 次に、今回の公職選挙法の改正でございます。
 公職選挙法の改正案につきましては、その背景といたしまして、平成三十一年四月の兵庫県議会議員選挙でございますとか、同県播磨町議会議員選挙におきまして、住所要件を満たさない者が当選を得られないことを承知の上で立候補をするという、法律の想定するところではないイレギュラーな事案が発生をしたということが背景にございます。このような事態を受けまして、令和元年の地方分権改革に関する提案募集におきまして、立候補届出に必要な添付書類の見直しを求める提案が地方公共団体からなされておるところでございます。
 この提案を受けまして、立候補受付事務などの効率化を図る必要があることから、公職選挙法を改正し、既に規定をされております地方議会議員選挙の立候補時の届出の宣誓内容に住所要件を満たすことを追加したいと考えているところでございます。
 以上でございます。
118 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 昨年の足立区議会議員選挙では、我々NHKから国民を守る党の候補者である司法書士の加陽麻里布が足立区在住でないことを公表の上で挑戦し、当選に必要な得票数五千五百四十八票を得ました。三十二位で当選された方が二千九百五十五票でしたので、それを上回る得票になります。しかし、公職選挙法の居住要件を満たさないために当選無効となっています。このことは、先ほど総務省から御説明いただいた法改正の推進の原因になったこともあり、批判は重々承知しております。
 しかし、これに関して、我々は、公職選挙法の居住要件が居住移転の自由を定めた憲法二十二条及び憲法十五条に違反しているとして、現在裁判中であります。
 居住要件を撤廃するために公職選挙法に対して違憲立法審査権を行使するのが目的でありますが、この違憲立法審査権は、日本の場合、抽象的に憲法違反を訴えることはできないとされており、具体的な争いの中で合憲、違憲が判断される仕組みになっております。足立区の選挙では当選に必要な得票数を超えたという具体的な事例ができたことで、違憲立法審査権を行使することができるようになりました。
 委員の皆様には、このように地方議会の居住要件撤廃に向けて選挙と裁判に挑戦している我々の狙いを御理解いただき、この裁判結果に注目いただきたく思います。
 最近の国会の議事録を拝見しますと、衆議院では下地幹郎議員、参議院では石井苗子議員も居住要件撤廃を訴える議論をされておられるように思います。今後、より多くの議員が地方創生のための居住要件撤廃という考えに御同意いただき、地方創生のための選挙改革が実現することを願いまして、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。

第201回国会 参議院 財政金融委員会 第5号 令和2年3月19日
147 浜田聡
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○浜田聡君 浜田聡です。所属政党、NHKから国民を守る党、参議院会派みんなの党です。よろしくお願いいたします。
 まずは、昨日も当委員会で話題となりました確定申告期限延長についてお聞きします。
 新型コロナウイルス感染拡大を受けて、所得税の確定申告の期限が一か月延長して四月十六日までとされています。また、個人事業者の消費税の受付期間も三月三十一日から四月十六日までに延長されています。確定申告の時期には、全国で二千万人を超える納税者の方々が確定申告をされるため、税務署は大変混雑するとのことですので、この実施による効果として、感染拡大の抑制はもちろんですが、年度末でばたばたしている人々にとっては少し安心感を与える効果もあるかもしれません。全国一律ということで、なかなか大胆なことに踏み込んだと思いつつ、今般の状況を考えると大いに賛同いたします。
 ここで、国税庁に確認させていただきます。
 今回のように、確定申告の期限が全国一律に延長というのは、これまでにありますでしょうか、あるいは初めてでしょうか。お聞きします。
148 田島淳志
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○政府参考人(田島淳志君) お答え申し上げます。
 御指摘のとおり、個人納税者に係る申告所得税、贈与税及び消費税につきまして、申告納付等の期限を全国一律に四月十六日まで延長いたしました。この申告納付期限の延長制度の適用につきましては、これまで個別の申請による延長や災害等により地域を限定しての延長はございますが、全国一律の申告納付等の期限の延長については今回が初めてでございます。
149 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 全国一律は今回初めてということで、心配なこととして、今後、思わぬトラブルが生じてこないかということでございます。予想できるトラブルであれば今からでもそれに対処策を講じればいいわけですが、予想できないトラブルが生じたとき、その程度にもよりますが、対処についてどうするかは、悩むところではないかと思います。
 そこで、国税庁にお聞きします。
 この確定申告期限の延長によるトラブルが生じたときに対処する特別な体制というのはありますでしょうか。
150 田島淳志
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○政府参考人(田島淳志君) お答えいたします。
 期限延長に伴いまして、現状、確定申告会場等において大きなトラブルは生じていないと承知してございますが、現在の申告相談体制について申し上げますと、まず、確定申告会場につきましては、これまでの会場を引き続き使用できるケースとできないケースがございまして、この後者の場合は基本的に各税務署で申告を受け付けております。その際、例えば番号発券機の活用などにより納税者の方の待ち時間を削減するですとか、スマホをお持ちの方には、会場内に設けた専用スペースがございますので、そこでスマホ申告をしていただくといったような取組を強化してございます。
 加えて、もちろん感染防止対策に万全を期すとともに、やはり人繰りの問題がございますので、国税局や税務署が一体となり適切な人員配置を行うことにより、税務署の方がスムーズかつストレスを感じることなく申告できるような体制を構築しているところでございます。
 また、そもそも、確定申告会場の混雑緩和の一環といたしまして、会場にお越しいただかなくても自宅などから申告できるスマホ申告などのe―Taxを勧奨するですとか、還付申告は五年間できるということを広報するなどの取組を行っており、更に強化してまいりたいと考えてございます。
151 浜田聡
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○浜田聡君 ただでさえ忙しい確定申告の時期に更に期限延長ということで、いろいろ大変だとは思います。この際、わざわざ危機管理対策を整えるようにとは言いませんが、思わぬトラブルが起こらないことが一番ですので、いざ起きたときにうまく対処できるように頭の片隅に入れていただければと思います。
 次に、ふるさと納税についてお聞きします。
 まず、ふるさと納税が生まれた趣旨を見てみます。多くの人が地方のふるさとで生まれ、その自治体から医療や教育等様々な住民サービスを受けて育ち、やがて進学や就職を機に生活の場を都会に移し、そこで納税を行っています。その結果、都会の自治体は税収を得ますが、自分が生まれ育った故郷の自治体には税収が入りません。そこで、今は都会に住んでいても自分を育んでくれたふるさとに自分の意思で幾らかでも納税できる制度があってもよいのではないか、そんな問題提起から始まり、数多くの議論や検討を経て生まれたのがふるさと納税制度であると理解しています。
 その趣旨に加えて、自治体が寄附のお礼として提供する返礼品は地場の特産品を採用しており、低迷する地域経済の活性化につながったり、また、条例などで使途を限定している場合も多いため、使い道に納税者が関与できるといったプラス面があると考えます。
 二〇〇八年四月、地方税法等の改正によってふるさと納税制度がスタートして、今年は十三年目となります。特産品をPRするなどしてその制度をフルに利用することで自らの地域に大きな利益を呼び込めるふるさと納税という制度ですが、反面、特産品を持たない自治体や特別区などから税金を吸い上げ、自治体間のいがみ合いを生む制度となっているという指摘があります。こういった指摘に関する見解を総務省に伺いたいと思います。
152 稲岡伸哉
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○政府参考人(稲岡伸哉君) お答えを申し上げます。
 ふるさと納税制度でございますが、これは、ふるさとやお世話になった地方団体へ感謝の気持ちを伝える制度であるとともに、税の使い道を自分の意思で決めることができる制度でございます。この制度の運用を通じて、寄附者と寄附先の地域の交流でありますとか災害時の被災地支援など、良い効果や事例が生まれてきておりまして、多くの地方団体や納税者の方々にとって意義のある制度であると、このように考えております。
 一方、御指摘につきましては、一部の地方団体が制度の趣旨に反した過度な返礼品を提供していたことが主な要因の一つであったと考えられますが、先般の制度見直し、ふるさと納税指定制度の導入でございますけれども、これによりまして、各地方団体が行う募集方法について客観的なルールを設けたことによりまして、現在はこの指定制度の下で各地方団体が法令の基準を遵守しながら制度運用を行っているものと承知しております。
 今後も、各地方団体の御協力、納税者の皆様の御理解をいただきながら、ふるさと納税制度の健全な発展に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
153 浜田聡
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○浜田聡君 平成二十八年以降のふるさと納税については、ワンストップ特例の適用を受けることが可能となりました。ワンストップ特例制度には二つ特徴が、条件がありまして、元々ふるさと納税以外で確定申告をする必要がない、さらにその年に寄附した自治体が五つ以内という条件がありますが、一般的なサラリーマンにとってはこの条件を満たしやすいため、便利な制度であると言えます。
 ただ、ふるさと納税が、元々国税である所得税と地方税である住民税の両方が控除されるものですが、このワンストップ特例制度によりその制度を利用すると、所得税から控除されるべき金額が住民税から控除され、これにより更に自治体の歳入を目減りさせています。
 そこで、総務省にお聞きします。
 先ほどの質問に似ているかもしれませんが、このワンストップ特例制度によって更に目減りされる自治体から不満の声はありますでしょうか。あるとすれば、そういう自治体に対してどういう説明をされておりますでしょうか。
154 稲岡伸哉
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○政府参考人(稲岡伸哉君) お答えを申し上げます。
 ワンストップ特例制度の要件につきましては委員御指摘のとおりでございますが、この制度は、寄附者の利便性向上に資するために、確定申告を不要とすることにより寄附についての情報が税務署を経由せずに地方団体間で完結する仕組みであるため、ワンストップ特例制度を利用した場合の控除は所得税から行わずに個人住民税においてのみ行われるということになっております。
 これについては、都市部の地方団体などから、ワンストップ特例制度を利用した場合であっても、全額を個人住民税から控除するのではなく国税で対応することなどを要望する声が一部にはあると承知しておりますが、そもそもワンストップ特例制度は、地方六団体から地方創生の推進のためにふるさと納税の手続の簡素化について検討するよう要望されたことも踏まえて創設したものであること、それから高額所得者など確定申告が必要な方や五団体より多くの地方団体に寄附した方は特例の対象外となることから、制度上、個人住民税における追加的な控除は限定的なものにとどまっておりますので、地方団体には御理解をいただきたいと考えております。
155 浜田聡
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○浜田聡君 各自治体同士の競争といえばそれまでかもしれませんが、そういう不満の声があるということをお伝えさせていただきました。個人的には、このふるさと納税、始まって以来、少しずつワンストップ特例制度のように新たな要素や変化が加わっているようであり、今後もいろいろと議論の上で良い制度に近づいていければと思います。
 次に、相続税についてお話ししたいと思います。
 相続税とは、亡くなった方の遺産を相続で受け継いだ場合や遺言によって遺産を受け継いだ場合に、その遺産総額となる金額が大きいと掛かる税金でございます。
 今回の税法改正においてはこの相続税は主要な改正はないと理解しておりますが、政府に問いただすというより、今後、相続税制度の改正の議論のときのために主税局にお話を聞いてみようというのが目的でございます。
 二点ほど主税局にお聞きしたいと思います。
 言うまでもなく、我が国では少子化が進展しています。相続を考えた場合、相続財産を分割すべき子供の数が減少していることで相続財産が分割される数が少なくなる、つまり、相続を受ける者にとって相続できる財産の割合が従来より大きくなる。そうなると、単純に考えると、相続される財産の額が時代の経過とともに大きくなっていると考えられますが、いかがでしょうか。
156 矢野康治
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○政府参考人(矢野康治君) お答え申し上げます。
 相続税の課税対象とならない方々を含めました、九割以上いらっしゃるわけですけど、そういう方々を含めました日本全体の遺産額ですとか相続人数という総体としてのことについては、課税当局、把握をしておりませんので、そこは何とも申し上げられませんけれども、一方で、昨年九月に取りまとめられた政府税制調査会の答申でも指摘をされておりますように、被相続人一人当たりの遺産額にもよりますけれども、委員御指摘のように、出生率低下に伴う相続人数の減少ということは、相続人一人一人が被相続人から引き継ぐ財産を増加させる要因になり得ると考えられます。
157 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 相続税が大きくなるのに相続税をいじらないでいると、単純に考えれば経済格差の拡大につながる可能性があるかもという発想でした。格差拡大といってもいろんな要因があると思いますので、まずは御答弁いただいた内容を基に考えてみたいと思います。
 次に、少し抽象的な質問となります。
 税の制度をどうするかということに関しては、立法府の国会議員が主体的に考えるべきであるとは思います。ただ、相続税一つ取ってみましても、最高税率であったり、基礎控除、負担割合など、様々な要素を考える必要があり、非常に複雑です。
 そこで、主税局にお聞きします。
 内国税制度についての企画立案を業務としている財務省主税局による、相続税に限らない話なんですが、税制度の決め方について考える上で重視している考え方があればお伺いいたします。
158 矢野康治
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○政府参考人(矢野康治君) これは今委員も御指摘されましたけれども、憲法上の三大義務の一つとされる納税の義務、そのルールを決めるものでございますし、租税法律主義ということで国権の最高機関でお決めになられることですので、事務屋として、あるいは政府の一部として、財務省主税局がどういうふうに税の決定プロセスがあるべきなどということを口にすること自体、僣越だと存じます。それは、もうまさに選出された国民の代表者の間で、国民の総意で決めていただくということに尽きると存じます。
 あえて、あえてといいますか、申しますと、それは当たり前のことですけれど、税に関しましては価値観十人十色とも言われますので、どうしてもこれが絶対正しいということはないと存じます。そういう意味でも、より私ども事務方といたしましては、しっかりと国民の皆様の考え方、幅広く耳を傾けて、あるいは先ほど御議論もありました国際ハーモナイゼーションといったことも、実はこれは物すごく、思う以上に不可避の要素になっていますので、そういったことも含めまして、何が垂直的公平か、何が水平的公平か、何が中立か、何が効率的で簡素かといったことを幅広く考える上で多くの方々の御所見に耳を傾けていきたいと、我々の分際としてはそう心得ております。
159 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 相続税は、財源調達能力の面では所得税や法人税といった基幹税に比べるとかなり低く、令和元年における税収額はおよそ二兆円台、また、国税の構成比で考えても、平成三十年現在で約二・二%にとどまっています。
 学者、経済学者の意見を少し紹介させてもらうと、岩崎政明さんによると、所得、資産、消費にバランスの取れた税制を築くべきであると言えても、相続税は臨時的税収で予算の立てにくい性質を持っているから、国家の税収全体に占める比重はそれほど高めるわけにはいかないであろうと言われております。また、佐藤英明さんという方によると、相続税は、税収を期待されず、むしろその社会効果を期待されて存在している以上、大きな税収を上げ社会的にも大きな影響を有する基幹税がどのようなものであり、それとの関係をどのように整合的に保つかということが重要な要素であると言われております。
 といった感じで、相続税に関しては、国税の構成比が小さい税ではありますが、税理士試験ではそれなりの存在感のある科目とも聞いております。税理士会の意見を知らずに無責任なことを言わせてもらえば、消費税のように政治的な焦点にはなりにくいと思いますが、だからこそ、こういう機会に取り上げてみたいと思って話題にさせてもらいました。
 次に、国立大学運営交付金についてのお話をさせていただきます。
 昨年十一月七日の参議院財政金融委員会で熊野委員も文部科学省に質問をされていますが、ここで改めて取り上げさせてもらいます。
 少し研究者の声を紹介させてもらいます。
 国立大学運営交付金は若手の研究者の安定したポストの数に直結しますので、若手研究者には死活問題です。二〇〇四年の法人化前の水準にできるだけ戻していただきたいというのがお願いです。安定したポストがないため、若手研究者は短期間で確実に論文が書けそうなネタに飛び付くしかない、ちょっと遊んでみようという研究ができません。しかし、このような遊びのような学問的自由のある研究こそがイノベーションの培地になると思っています。
 というわけで、このように将来の成果についてすぐに芽が出るとは限らないものの、国の科学技術振興の観点から、長期的視点では非常に重要なものとして予算配分を考える必要があると思います。
 そこで、主計局にお聞きします。
 国立大学運営交付金は、最近では下げ止まっていますので、その点については頑張っていると思います。ただ、今後これを上げていく方針があるのかどうか、また、この運営交付金以外での支援方法を組み合わせて研究者支援を検討しているのかどうか、お聞きします。
160 阪田渉
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○政府参考人(阪田渉君) お答え申し上げます。
 若手研究者による研究支援については、財務省としても、これを推進していくことは重要であると認識しております。今委員御指摘の国立大学運営費交付金などを通じ、基盤的、基礎的な研究を支えるとともに、競争的資金により研究に専念できる環境の確保にも配慮しつつ、健全な競争環境下で質の高い研究を促進していくことが重要というのが基本的考え方でございます。
 こうした観点から、少し予算を御紹介させていただきます。
 まず、国立大学運営費交付金については、実質的に前年と同水準となる一兆八百七億円を計上していると、その中でも、若手研究者の積極登用などの改革に取り組む大学への支援の重点化を図ることとしております。それから、科研費でございます。研究者の自由な発想に基づく研究を支援する科学技術研究費助成事業ですが、これは、若手研究者への重点化をしつつ、前年度二億円増となる二千三百七十四億円を計上しているところでございます。
 それから、補正予算も御紹介させてください。
 元年度補正予算でございますが、若手研究者等に対し、研究に専念できる研究環境を確保しつつ、最長十年の安定的な支援を行う創発的研究支援事業を創設し、これに五百億円を計上するなど、若手研究者支援、基盤的、基礎的研究についてできる限り配慮させていただいたところでございます。
 こうした予算が効率的、効果的に活用されることで、研究力が向上していくこと、イノベーションが多く生み出されることを期待しているところでございます。
161 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 私事ですが、財政金融委員会に所属している関係で、財務省に関する本を幾つか読ませていただきました。そこで共通するのは、財務省は官庁の中の官庁、その中でも、予算編成権を持つ主計局の権力は絶大ということでした。そういうことであれば、ある予算を増やしてほしい場合、この委員会で主計局に訴えれば効果的やないかと思うわけですが、いかがでしょうか。
162 麻生太郎
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○国務大臣(麻生太郎君) それは本人は答えにくかろう。それは、浜田先生、何というのかね、当選して、新人としての質問としては、希有なぐらい格好いいですよ、今の質問は。そんなことを質問したやつは一人もいませんから、今まで。思っていて、みんな、ぐじぐじぐじぐじ思っていながら、主計のやろうとかみんな思っているわけですよね。それでいながら、正面切ってあなたみたいに言った人いないから大したもの、それは認めてあげます。
 ただ、どうやってやるかというのは、これ、主計の阪田一人でぽろぽろぽろぽろやっているのかというと、それほど偉くないんですよ。ですから、それはなかなかそんな思ったように簡単にできる話じゃなくて、それは、みんないろいろ、いろんな人がいろんなことを言ってこられますので、練りに練ってやっと出てきますので、そう一人に権限が集中してできているというわけではありません。
163 浜田聡
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○浜田聡君 どうもありがとうございます。
 ちょっと答えにくい質問だったようで、それでも答えていただいて、ありがとうございます。
 次に、中国共産党のプロパガンダの話に移ります。
 先に申しておきますと、日本国内にある、ある新聞社を話題にしますが、事実を話題にするわけでありまして、私の方からその新聞社の方針に圧力を掛ける意図はないことを断っておきます。
 中国共産党は国家ぐるみで情報戦をやっているというのは、多くの方に御同意いただけるのではないかと思います。中国政府が運営する英字新聞にチャイナ・デーリーというのがありまして、このチャイナ・デーリーの広告の形を取ったプロパガンダがチャイナ・ウオッチでございます。トランプ大統領は、チャイナ・ウオッチの記事を通して宣伝に見せかけた工作が行われていることに言及しています。このツイートが二〇一八年九月になります。
 残念ながら、配付資料にこのトランプ大統領のツイートを掲載していたつもりだったのですが、手違いで画像の方が消えてしまいました。失礼いたしました。
 この二〇一八年九月から三か月後、その少し後ですね、二〇一八年十二月七日、英国のガーディアン紙で「インサイド チャイナズ オーデイシャス グローバル プロパガンダ キャンペーン」という記事が出ました。チャイナ・デーリーの広告によって中国からお金をもらって中国共産党の情報工作の一翼を担っている世界の新聞社などの図があります。その図を配付資料で紹介させてもらいました。
 そこには、日本では毎日新聞がその工作を請け負っていることが記載されています。アメリカではニューヨーク・タイムズやウォール・ストリート・ジャーナルなどがこの中国共産党の工作マネーを受け取っていることが記事になっているようです。
 そこで、外務省にお聞きします。
 毎日新聞が中国共産党の情報工作の一翼を担っているのは事実でしょうか。
164 田村政美
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○政府参考人(田村政美君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、イギリスの新聞であるガーディアン紙は、二〇一八年十二月七日付けの記事で、中国の海外のメディア戦略に関するレポートというものを出しております。
 また、委員御指摘のとおり、その記事の中で毎日新聞についても言及があるのも存じ上げておりますが、毎日新聞の活動そのものについて政府としてコメントは差し控えさせていただきたいと思います。
165 浜田聡
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○浜田聡君 引き続き、外務省にお聞きします。
 この報道の後の毎日新聞の声明については確認していますでしょうか。
166 田村政美
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○政府参考人(田村政美君) お答え申し上げます。
 毎日新聞のコメントにつきまして、特に毎日新聞が公開質問状を受け、それに対する回答というものがインターネットの上でやり取りが掲載されているということは承知しているところでございますが、これにつきまして政府としてコメントをするのは差し控えたいと思います。
167 浜田聡
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○浜田聡君 さらに、外務省にお聞きします。
 同じような答弁になるとは、可能性が高いとは思いますが、この件に関する意見はいかがでしょうか。
168 田村政美
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○政府参考人(田村政美君) 先ほど申し上げたとおりでございます。公開質問状のやり取り、毎日新聞に関するやり取りにつきましては、政府としてのコメントは差し控えさせていただきたいと思います。
169 浜田聡
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○浜田聡君 今回のこの毎日新聞の件に関しては、国内で法的に何か問題がありますでしょうか。法務省にお聞きします。
170 保坂和人
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○政府参考人(保坂和人君) 全ての法的問題をお答えするのはなかなか難しいのですけれども、法務省刑事局として、全ての法律の罰則という点でいいますと、全ての罰則を把握しているわけではございませんが、お尋ねのような行為、新聞社が外国から金銭を受領して広告を出すという行為そのものを処罰する規定については、思い当たるものはございません。
171 浜田聡
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○浜田聡君 日本国内では法律的には問題がないということでした。
 今後どうするかについては、この場で取り上げさせていただいたことについては、議論の対象となれば幸いです。
 先日、二〇二〇年三月十一日、FNNで次のような報道がありました。中国の習近平国家主席が、ウイルスは基本的に抑え込んだと強調しています。中国国営テレビは、十日、習主席が新型コロナウイルスの感染症が発生してから初めて武漢を訪れ、病院を視察する様子などを伝えています。中国、習近平国家主席は、絶対にウイルスとの闘いに勝てるだろう、武漢は必ず勝つ、湖北は必ず勝つ、全中国も必ず勝つ。習主席は、病気の蔓延と拡散の勢いは既に基本的に抑え込んだと述べ、党と国を挙げて団結、奮闘した結果だと強調したといいます。世界各国に感染が広がる中、中国のウイルス封じ込めの成果をアピールした形であります。
 この新型コロナウイルス感染において、中国共産党は全世界で情報工作をしている可能性について、政府には引き続き警戒していってほしいと思います。
 さて、最後、時間が余りましたので、昨今の新型コロナウイルスの報道内容について気になる点がありましたので、ここでお話をさせていただきます。質問通告しておりませんので、質問ではございません。
 先日十六日にWHOのテドロス事務局長の発したメッセージに関しての話でございます。WHOのウエブサイトで確認可能なことでございますが、テドロス事務局長は次のように言っています。「ウイ ハブ ア シンプル メッセージ フォー オール カントリーズ テスト テスト テスト」、これを訳してみますと、全ての国において検査を進めるよう、検査、検査、検査と訳せます。ただし、このメッセージにはその後がありまして、「テスト エブリ サスペクテッド ケース」と付け加わっておりまして、感染が疑われる場合に検査をと続いております。
 またさらに、次のような説明もございます。これは日本語訳のみを紹介します。しかし、多くの国が既に、専門の医療施設での軽症例の対応は、その対応能力を超えていることを我々は認識しています、そういう状況では、各国は御高齢の患者さんと基礎疾患をお持ちの患者を優先すべきであるという説明で、やみくもに検査を推奨しているわけではなく、検査すべき対象についての説明が加えられています。
 国内におきましては、前半の検査、検査、検査の部分のみを切り取っての報道があるように思います。後半部分で対象を絞る必要性を加えた説明なしに前半部分のみを報道することで、検査希望者をやみくもに増やすと、医療機関の対応能力を超える人数が医療機関に殺到する可能性があります。こうなると、そういった医療機関が感染源になり得ますし、また、医療機関がパンクして医療崩壊のおそれがあると思います。政府におかれましては、引き続きこういった扇動報道に警戒を続けていかれることを望みます。
 最後に、一医療者として、一医療者からよく聞くメッセージを訴えさせていただきました。済みません、少し時間が余りましたが、これで終わります。

第201回国会 参議院 財政金融委員会 第6号 令和2年3月24日
054 浜田聡
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○浜田聡君 浜田聡です。所属政党はNHKから国民を守る党、参議院会派はみんなの党です。よろしくお願いいたします。
 本日は、近日中に参議院本会議の人事案件で採決対象となる日本銀行の審議委員に関することを中心にお聞きしたいと思います。
 この審議委員として任命された方が国会の議決で承認を得た際には、日本銀行の政策委員会の一員として活躍されることになります。この財政金融委員会におられる方々にとりましては釈迦に説法で恐縮ですが、この日本銀行の政策委員会は、日本銀行の最高意思決定機関、日本の金融政策を左右する極めて重要な委員会であり、僅か九人で構成されています。その九名のうち一名がこの度交代という形で、今後、国会でその賛否を問われることになります。
 さて、このように日本の金融政策を左右する非常に重要な日銀の審議委員の人事でありますが、その前に、日本の金融政策がどのように決定していくのかについて少しだけお話ししたいと思います。
 金融政策決定がなされる中心となるものに、日銀の金融政策決定会合というものがあります。これは、会社でいえば定期的な会議のようなものではないかと思います。開催される場所はもちろん東京都中央区日本橋本石町にある日本銀行で、年に八回、それぞれ二日間の日程で開かれます。年に八回ということで、一か月半に一回の頻度という、イメージしやすいのではないかと思います。その会のメンバーとして中心となるのが、先ほど申し上げた政策委員会の委員九名というわけです。この二日間の各会合が終わりますと、日銀総裁が記者会見するなど、その内容はインターネットでも発表され、我々の周知するところとなります。
 さて、この金融政策決定会合について、日本銀行の方にこの委員会で幾つか質疑をしたいと思いますと言いたいところだったのですが、日本銀行さんの方でいろいろと諸事情があるようで、本当にお忙しいことだと思います。この委員会での日本銀行担当者様による回答は難しいという事態となりました。ただ、あらかじめ私の通告していた質疑には書面で誠実に回答をいただいておりますので、それを踏まえて、私が質疑、そして日銀さんに代わって私が回答もしていくという非常にユニークな形態となりますが、どうか御容赦いただきたいと思います。
 まず最初の質問です。
 日本銀行の金融政策決定会合ですが、現在の形、つまり年八回、それぞれ二日間開催、九人の政策委員を中心とする会合になったのはいつからでしょうかという質問に関して、日本銀行からの回答として、平成十年に施行された現在の日本銀行法により、政策委員会は総裁一名、副総裁二人、審議委員六人の計九人で構成することが定められるとともに、金融政策決定会合については政令の定めるところにより定期的に招集することとされました。その後、政令の改正を受けて、平成二十八年から現在のように年八回、それぞれ二日間の日程で開催されると承知しています。
 次の質問に移ります。
 九人の委員による採決ということで、拮抗する場合だと、賛成が五名、反対四名で何とか可決などのケースが考えられます。最近の採決で五対四で何とか可決した事例を二例ほど教えてくださいと質問をしました。その回答として、採決において賛否が拮抗したケースについて申し上げますと、平成二十八年一月二十八日、二十九日の金融政策決定会合ではマイナス金利の導入について賛成五名、反対四名で可決されたほか、平成二十六年十月三十一日の金融政策決定会合ではマネタリーベース増加額の拡大等について賛成五名、反対四名で可決された例がありますという回答をいただきました。
 次の質問になります。
 各委員による議案に対する意思表示として、賛成、反対以外の意思表示は可能でしょうかという質問に関しまして、回答として、政策委員会の委員は金融政策決定会合における議事の議決に際し、賛成、反対、棄権のいずれかの意思表示をすることとされていますと、三つ選択肢があることを御回答いただきました。
 次の質問になります。
 過去五年間の金融政策決定会合において、委員が参加しなかった、つまり欠席、金融政策決定会合を欠席した事例があるのか教えてくださいという質問に対して、過去五年間において金融政策決定会合を欠席した委員はいないと承知していますと回答をいただきました。
 日本銀行への金融政策決定会合について最後の質問となりますが、欠席委員が出るなどで委員が八名になったときに四対四など賛否同数のときの採決結果となることは過去にあったのか、その場合どうなるのかという質問をしましたところ、この質問に対する日本銀行からの回答として、平成二十年十月三十一日の金融政策決定会合では、審議委員一名が欠員となる中、金融市場調節方針の変更について賛否が同数となり、議長が決定した例があると承知していますという回答をいただきました。
 というわけで、日本銀行の金融政策決定会合についての質問は以上となります。質疑と回答を一人でするというユニークな形態となりましたが、御清聴いただいて感謝しております。
 次に、日本銀行政策委員会審議委員の人選について、内閣府の方に幾つか聞いていきたいと思います。
 先ほどから何度か述べさせていただきましたが、日本の金融政策を決定する九名の政策委員の一人を決める重要な人事案件でございます。
 今回の配付資料に、現在の九名の委員の名前と顔写真の紹介をさせていただきました。現在のメンバーの一人である原田泰さんは三月二十五日に任期満了で、安達誠司さんが後任として決定しております。今年六月三十日に任期満了を迎えます布野幸利さんの交代として今回審議委員として任命されていますのは、中村豊明さんという方です。
 国会での人事案件ということで、各人事で任命された方々のプロフィールなどの資料は国会議員各自の事務所に届けられているかと思います。今回の配付資料として用意することを忘れておりまして、恐縮です。各事務所に配付された資料から、中村豊明さんの任命理由の部分を読み上げさせていただきます。
 生年月日が昭和二十七年八月三日、六十七歳。任命理由として、中村豊明氏は、長年にわたり株式会社日立製作所に在籍し、同社財務一部長、代表執行役執行役副社長等を歴任し、日立グループの事業ポートフォリオ改革、バランスシート改革、同事業変革、運営に携わってきた。現在は、株式会社日立製作所取締役のほか、日立金属株式会社取締役、日本監査役協会副会長、預金保険機構運営委員会委員、国税審議会委員を務めるなど幅広い活躍をしており、国内外の経済情勢に精通している。このため、経済及び金融に関して高い識見を有している同氏を日本銀行政策委員会審議委員として任命しようとするものであるといった任命理由が各議員事務所に届けられた資料に記載されております。
 産業界での実績は申し分ないとは思います。ただ一方、日本銀行政策委員会審議委員として、特に経済政策、財政金融政策についてどういう考えをお持ちであるかというのが私は大事だと考えております。
 そこで、この中村豊明さんが財政金融政策に関してどういう考えをお持ちなのかについて、国会の議事録から少したどってみたいと思います。
 中村豊明さんは、過去、平成二十四年八月六日の参議院社会保障と税の一体改革に関する特別委員会公聴会において、公述人として発言をしております。その発言の一部を紹介させていただきます。
 冒頭、我が国の現状に関する認識につきまして申し上げさせていただきます。まず、財政につきましては、平成二十四年度末に国と地方を合わせて政府の長期債務残高が九百四十兆円、それから、GDPに対しますと約二〇〇%に達するという見込みでございます。したがいまして、近年一段と深刻さを増していると認識をしておりますといった感じで、財政規律を重視するような発言があるとともに、この公聴会の時期辺りに成立した自民、民主、公明の消費増税の三党合意について高く評価する旨の発言もありました。
 そういったところから、消費増税を推進するような思考をお持ちであると判断を私はしております。つまり、財政規律重視、消費税は増税に積極的と判断しましたが、内閣府としてはこの方に関する御見解はいかがでしょうか。
055 大西証史
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○政府参考人(大西証史君) 内閣官房でございます。
 先ほど先生から御紹介いただきましたように、中村豊明氏につきましては、三月十七日に参議院、衆議院、両議院運営委員会理事会におきまして官房副長官から、十二機関二十六名の人事案のお一人として御提示を差し上げたところでございます。
 先生から御紹介いただきました参議院社会保障と税の一体改革に関する特別委員会公聴会におきまして、先生御紹介のような中村氏からの御発言がございました。これにつきましては、日本経済団体連合会税制委員会企画部会長のお立場におきまして、委員会のお求めに応じ、社会保障と税の一体改革の税制分野に関する経団連の考え方を御説明になったものというふうに承知をいたしております。
 したがいまして、御指摘の発言につきましては、当時の経済状況におきます日本経済団体連合会の組織としての考え方を説明されたものでございまして、中村氏個人としての考えを説明したものではないというふうに認識をしているところでございます。
 日銀審議委員につきましては、所属しておりました団体等のお立場ではなく、個人の識見に基づいて職務を行っていただくものでございまして、いずれにせよ、中村氏につきましては、企業経営の現場に長い御経験を持たれ、経済、金融について高い御識見を持っておられる方であると考えまして、国会に御提示を申し上げたところでございます。
056 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 確かに、思想であったり考えであるというものは変わるものだとは思います。ただ、現在どう考えておられるかということに関しては、確かに言われたとおり分からないものの、国会の記録では増税派で財政規律を重視すると考えられる、そういった方を審議委員に送ることについてマーケットがどう判断されるかと思いますでしょうか。
057 大西証史
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○政府参考人(大西証史君) マーケットに関します言及は差し控えさせていただきたいと思いますけれども、私ども、中村様に税制に関するお考えを確認をいたしましたところ、御自分は増税派でも減税派でもなく、税制につきましてはそれぞれの経済状況の下で最適な選択を行うべきものだと考えているというお立場であるとのことでございました。そういうお立場であるということでございますし、また、そもそも日銀審議委員は税制に関しましては何らかの決定を行う立場ではございません。税制は、政府におきまして、財務省を始めとしました政府におきまして検討され、最終的には国会におきましてお決めいただくものというふうに認識をしております。
058 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 今から約一年前に、平成三十一年三月二十日の財政金融委員会におきまして、現在私の隣におられます渡辺喜美先生より次のような質問が黒田日銀総裁になされました。配付資料にこれに関する新聞記事を掲載させていただいております。次のような質問です。金融緩和をやる中央銀行はハト派と呼ばれて、金融引締めをやるところはタカ派と呼ばれますけれども、黒田総裁の日本銀行はどっちですか。その問いに対して、黒田総裁はハト派と答えておられます。黒田バズーカなどと呼ばれる大胆な金融緩和政策を考えますと、確かにうなずけるところではないかと思いました。
 ここで、中村豊明さんについてお聞きしたいと思います。中村豊明さんは金融引締めのタカ派か、金融緩和のハト派か、どちらでしょうか。
059 大西証史
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○政府参考人(大西証史君) 中村氏は、GDP六百兆円の達成に向けまして各種政策を全般的に総動員していく必要があるというお考えの持ち主であると伺っております。
 なお、中村氏の御著作等におきまして、金融政策、先生のおっしゃられました金融政策につきまして、引締めないし緩和といったことを具体的に主張されているものは承知はしておりませんが、その時々の経済情勢を踏まえまして、企業経営者としての御経験を基に適切な御判断をされていくものというふうに御期待申し上げております。
060 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 限られた資料の中から中村豊明さんの金融政策方針を推測するのが難しいとはいえ、日本の今後について極めて重要なポストである日銀の政策委員として任命されていることから、いろいろ質問をさせていただきました。ありがとうございました。
 極端な言い方で恐縮ですが、仮にアベノミクスなどの政府の経済政策に反することをしても、五年の任期中に解任されることのない政策委員会メンバー九人の同意人事につきましては、今回に限らず慎重に見ていきたいと思います。
 残り僅かですが、少し細かいことをお聞きしたいと思います。
 まず、仮想通貨に関して法務省に質問です。
 仮想通貨の犯罪が発生したときを考えてください。その捜査の過程で、仮想通貨の押収、保管、管理する際の規定があるのかということをお聞きしたいと思います。コールドウオレット、ホットウオレットなど仮想通貨の保存形態にいろいろあるわけですが、この保管、管理をしっかりしていないがゆえに、押収した仮想通貨を犯罪者に奪われる可能性を危惧しての質問でございます。
061 保坂和人
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○政府参考人(保坂和人君) 犯罪捜査などの刑事手続におきまして、押収というのは差押えなどの物、物の占有を取得する処分をいいまして、例えば刑事訴訟法の九十九条一項におきましては証拠物又は没収すべき物の差押えの規定となっておりまして、その対象というのは性質上占有の取得が可能な有体物に限られております。お尋ねのいわゆる仮想通貨それ自体は財産的価値そのものでありまして、有体物ではございませんので、有体物を予定している刑事訴訟法の押収のそのものの対象とはならないと考えられるところでございます。
 他方で、犯罪捜査ということで少し付言させていただきますと、仮想通貨を利用した犯罪の捜査として証拠を収集して保全するという観点からいいますと、通常は、仮想通貨自体の押収をしなくても、その保有とか取引に係る履歴、記録を取得することによってその目的を達することができるのが通常ではないかと認識をしているところでございます。
062 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 時間少ないですが、最後の質問になります。
 脱税事件で処分を受けた方が国税局に押収された物品が返ってこないという事例を聞いております。押収されてから二年以上たちますが、国税局は返還に応じてくれないという訴えです。一方、検察はすぐに返還に応じてくれたのに対する国税局への不満となります。返還に応じない理由を国税庁に御説明いただければと思います。
063 田島淳志
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○政府参考人(田島淳志君) お答え申し上げます。
 個別にわたる事柄につきましては、お答えすることは差し控えさせていただきます。
 なお、一般論で申し上げますと、差押えした物件は、法令、これ国税通則法になりますが、これに基づきまして、留置の必要がなくなったときはその返還を受けるべき者にこれを還付することとされてございますが、同じく国税通則法に基づきまして、検察官に告発を行う場合には、差し押さえた物件は本人に返すのではなく、検察官に引き継がなければならないとされているところでございます。
064 浜田聡
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○浜田聡君 以上です。ありがとうございました。

第201回国会 参議院 財政金融委員会 第7号 令和2年3月26日
052 浜田聡
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○浜田聡君 浜田聡です。所属政党はNHKから国民を守る党、参議院会派はみんなの党です。よろしくお願いいたします。
 先日、関税局の関係者の方に現場のお話を聞かせていただく機会がありました。税関職員のお仕事について、訪日外国人が年々増えておられるということで、年々厳しくなっているということでした。日夜緊張感を持って大変な業務に当たっておられる方々に敬意を表します。
 日本で禁止薬物を著名人が使用したとのことでニュースになることがあります。この場合、海外から国内に入ってしまった薬物を人が使用しているのを取り締まることになり、多くの捜査員を何日も張り込ませるなど、検挙まで大変な労力が掛かるわけですが、税関の時点で取り締まることができれば非常に効率的であります。
 この税関の仕事をしっかりできるように環境整備のお願いに来られた関税局の関係者のお話を聞いて、なるほどと思いながら、今後、税関の方がよりいい仕事をできるように私としても協力したいと思いました。
 今回は、税関取締りに成功した後、刑事裁判の判決が出た事例を紹介します。
 昨年二月に、税関で違法薬物の持込みを取り締まることができた後、その後、十二月に地方裁判所で無罪判決が出た件になります。共有しておくべきニュースと思いましたので、この委員会で取り上げさせていただくことにしました。今回、配付資料に新聞記事を掲載させていただいております。
 事件の始まりは昨年の二月です。外国人男性がマレーシアのクアラルンプール国際空港からスーツケースを持って航空機に搭乗し、新千歳空港に到着し、函館税関千歳税関支署の入国検査場で申告せずに覚醒剤を持ち込もうとしたところを発見されました。
 ここで関税局の方にお聞きします。
 可能な範囲でいいので、この件の摘発時の概要をお教えいただけますでしょうか。
053 中江元哉
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○政府参考人(中江元哉君) 御指摘の件について、報道発表されている範囲内でお答え申し上げたいと思います。
 本件は、平成三十一年二月二十五日、マレーシアより北海道の新千歳空港に到着したマレーシア人男性がスーツケースに隠匿した覚醒剤を輸入しようとしたが、税関職員による検査において発見、摘発された事犯であります。
 本件につきましては、平成三十一年三月十四日、覚醒剤密輸入の関税法違反嫌疑事件として函館税関千歳税関支署が札幌地方検察庁へ告発いたしております。
054 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 この男性、先ほども言われたように、この後、覚せい剤取締法違反、関税法違反を問われて起訴されておりましたが、地方裁判所で無罪判決が言い渡されております。事件番号としては、平成三十一年(わ)第一八三号、覚せい剤取締法違反、関税法違反被告事件となります。
 判示事項の要旨が次のとおりでございます。
 被告人が、氏名不詳者らと共謀の上、営利の目的で、覚醒剤約四百三十八・七グラムを隠匿したスーツケースを航空機の手荷物としてマレーシア所在の空港から北海道内の空港に持ち込み、覚醒剤を日本国内に輸入しようとしたが、税関職員に発見されたため、これを遂げなかったとされた覚せい剤取締法違反、関税法違反の事例について、被告人の覚醒剤の知情性を認めるにはなお合理的な疑いが残るとして、無罪を言い渡した事例とあります。
 判決に関してこの場で意見をするつもりはありませんが、ヤフーニュースのコメント欄ではかなり盛り上がっていまして、興味深く見させていただきました。
 この件に関連して、幾つか、関税局の方、法務省の方に質問させていただきます。
 関税局の方にお聞きします。
 この件では、日本への偽ブランド品入りスーツケースの運搬がされております。この件のように偽ブランド品を持ち込むことに関して、偽ブランド品は輸入禁止品目に該当しますでしょうか。お願いします。
055 中江元哉
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○政府参考人(中江元哉君) お答え申し上げます。
 関税法第六十九条の十一第一項に、特許権、実用新案権、意匠権、商標権、著作権、著作隣接権、回路配置利用権又は育成者権を侵害する物品を輸入してはならない貨物として規定しているところでございます。
 この規定に基づいて、税関では、いわゆる偽ブランド品等の知的財産侵害物品について水際取締りを行っているところでございます。
056 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 次に、実務の話になりますが、税関で偽ブランド品が見付かった際のその後の経過について、手荷物の場合と貨物の場合で異なるという話を聞きました。これに関して教えていただけますでしょうか。
057 中江元哉
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○政府参考人(中江元哉君) お答え申し上げます。
 税関検査で偽ブランド品を発見した場合、関税法六十九条の十二の規定に基づきまして、税関は、当該貨物が知的財産を侵害する物品であるか否かについて認定するための手続を開始いたします。手続の中で貨物の輸入者及び当該ブランドの権利者の意見を聞き、侵害の有無を認定することになるわけでございます。それで、税関が当該貨物について知的財産を侵害する物品であると認定した場合、税関はその貨物の没収等を行うことになります。またさらに、犯則事件の調査を行った結果、刑事手続を経て、十年以下の懲役若しくは一千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科されることがございます。
 また、いわゆる旅客の場合と貨物の場合違うというふうな説明を受けられたということでございますが、恐らくそれは、旅客が今の流れの中でいった場合、空港の通関のところで、偽ブランド品を税関の方から、これ偽ブランド品ですねと言われた場合に、認定手続まで行かずに、もうその場でいわゆる任意放棄ということをされる場合があるということを説明があったのかなというふうに推察しますが、ちょっとそこは詳細は分かりませんので、この程度にとどめておきたいと思います。
058 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 この件では、覚醒剤は知らなかったんだけど偽ブランド品を持ち込むことは知っていたということになるということが、判決文から、判例文から分かります。結局、いろいろな理由から無罪判決になっているのですが、そこで、関税局の方にお聞きします。
 偽ブランド品を持ち込もうとしたことに関しては何らかの罪にはならないのでしょうか。この件に関しては判例文が既にありますので、一般的な話でも結構です。
059 中江元哉
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○政府参考人(中江元哉君) 個別の事案についてのお答えは差し控えさせていただきますが、一般論として申し上げますれば、偽ブランド品などの知的財産を侵害する物品を輸入した者は関税法違反に当たり、十年以下の懲役若しくは一千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科されることがあるということでございます。
060 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 検察庁について書かれたある本を読んで、その刑事裁判に関しての説明文がありましたので紹介します。立法府の国会議員の皆様にとっては釈迦に説法だとは思いますが、御容赦ください。
 刑事裁判において裁かれるのは被告人ではありません。裁くという言葉が正しいのであれば、刑事事件において裁かれるのは検察官でございます。検察官が一〇〇%の挙証を果たさない限り、被告人を有罪にはできません。被告人は検察官の一点の誤りを証明できれば無罪となる、自らの無罪など証明しなくてもよいというものです。
 今回の判決、法の適正手続にのっとった上でのものだと思いますし、司法の判断を尊重することにします。ただ、今後問題となる可能性のあることについて法務省にお聞きします。
 今回のケースは前もってのSNSでのやり取りがポイントになっているように思うのですが、もしそうであるとすれば、今後、あらかじめアリバイづくりの会話をSNSなどで行っておけば、日本への運び屋は無罪になるという前例になり得る可能性はありますでしょうか。また、その可能性があるとすれば、現状、対策はありますでしょうか。
061 保坂和人
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○政府参考人(保坂和人君) 御指摘の無罪判決におきましては、そのSNSでの関係者とのやり取りだけではなくて、当該事案において証拠上認められる様々な事実関係を考慮した上で、その被告人の覚醒剤輸入の故意があったと認定することには合理的疑いが残ると、こういう判断でございまして、その結果、無罪が言い渡されたものと承知をいたしております。
 お尋ねのような、その前例になるかどうかにつきまして、法務当局としてお答えすることは困難であることを御理解いただければと思います。
 いずれにいたしましても、検察当局におきましては法と証拠に基づいて適切に対処するものと考えております。
062 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 今後同じような事件が起こるようであれば問題だと思いましたので、今回の委員会で取り上げさせていただきました。今後の推移を見守っていきたいと思います。
 次に、現在問題となっております新型コロナウイルス感染症関連のお話です。
 現在、WHOという組織名を聞かない日はないほどだと思います。また、そのトップであるテドロス事務局長の名前や顔も毎日見聞きする人が多いのではないかと思います。今回はWHOのトップである事務局長について、厚生労働省の方を中心にいろいろと質問をさせていただくことにしました。
 まず、世界保健機関、WHOとは何かということについて厚生労働省のウエブサイトの内容を拝借させていただきますと、次のような説明になります。全ての人々が可能な最高の健康水準に到達することを目的として設立された国連の専門機関、一九四八年四月七日の設立以来、全世界の人々の健康を守るため、広範な活動を行っていますというものです。
 このWHOのトップである事務局長のポストというのは非常に重要なポストだと思います。歴史を振り返ってみますと、過去にこの事務局長のポストに日本人の方がおられたことを確認しています。過去、日本人としてWHO事務局長となった方の概要を教えてもらえますでしょうか。
063 佐原康之
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○政府参考人(佐原康之君) お答えいたします。
 過去に日本人として事務局長を務めたのは、第四代の中嶋宏氏でございます。中嶋氏は、日本の大学を卒業後、パリ大学、そしてロシュを経て、一九七四年にWHOに入られ、西太平洋地域事務局長を経た後、一九八八年から十年間、事務局長を務めておられます。
064 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 このWHO事務局長の選出なんですが、元々は選挙ではなかったと聞いております。現在のテドロス事務局長は選挙で選出されたと聞いておりますが、WHOの事務局長の選挙が始まった背景と時期について、分かる範囲で教えてもらえますでしょうか。
065 佐原康之
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○政府参考人(佐原康之君) WHO選挙が始まった経緯につきましては、七十年以上前のことなので詳細は定かではありませんが、戦後すぐのWHO創成期に定められたWHO憲章あるいはWHO総会の手続規定では、事務局長は選挙によって選出し、WHO総会で任命されることと規定されております。
 この一九四八年に開かれた最初のWHO総会で初代事務局長が選挙により選出されたと承知しております。
066 浜田聡
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○浜田聡君 済みません、そうですね、選挙、ちょっと非公開か、公開でなかったこととか、そういうところでちょっと勘違いしていたと思います。ありがとうございます。
 繰り返しになりますが、このWHO事務局長というポスト、そしてその選挙は非常に重要であると思っているのですが、日本政府としてはWHOの事務局長選挙をどの程度重視していますでしょうか。
067 佐原康之
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○政府参考人(佐原康之君) WHOは、全ての人々の健康を増進し保護するための国連の専門機関でありまして、非常に重要な機関であると考えております。
 WHOが定める方針やガイドラインは各国にとっても政策立案に与える大きな影響力がありまして、これを取りまとめる立場にある事務局長を選出する選挙は厚生労働省としても非常に重要であると認識しております。
068 浜田聡
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○浜田聡君 非常に重要であるという答弁いただきました。ありがとうございます。
 前回選挙の経緯を知りたいと思います。
 少し調べてみますと、非公表の投票がなされているとのことでございまして、なぜ非公開なのかの理由も分かる範囲で教えていただければと思います。
069 佐原康之
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○政府参考人(佐原康之君) 投票方式につきましては、選挙手続に関するWHOの規則におきまして、他の国連機関の選挙と同様に非公開の投票とする旨が定められております。
 非公開の理由については明らかにされていないものの、投票結果が選挙後に各国の関係性に影響を及ぼさないようにするための配慮と考えられます。
070 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 現事務局長テドロス氏についての話に移ります。
 二〇一七年七月一日に就任されまして、現在就任一期目でございます。任期が二〇二二年六月三十日まででありまして、任期は現在残っているわけですが、先月より、このテドロス氏の辞任を要求する動きが強まっているというニュースがありました。
 任期満了前の辞任について、現状の見込みをお聞きしたいと思います。
071 佐原康之
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○政府参考人(佐原康之君) お答えいたします。
 国際機関の長の去就について見解を述べることは差し控えたいと思います。
072 麻生太郎
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○国務大臣(麻生太郎君) これはちょっと役人には答えられませんので。
 これはもうどろどろした話ですよ、ええ。この前の人、誰だか覚えています、テドロスの前の人、前の事務総長。覚えていない。中国人ですよ。あのとき、そのときまだいないか。まあごちゃごちゃしたんだ、あのときも。しまして、それになったんですけれども。
 何となく、今、三十万人ぐらい署名が集まっているんでしょう、あれたしか、今。違う。(発言する者あり)五十万人来た、集まっているんですけど。まあ早い話が、ワールド・ヘルス・オーガナイゼーションじゃねえ、チャイニーズ・ヘルス・オーガナイゼーションじゃないかと、CHOと直せというのがわんわん出たんですよ、これ。これがもとですから、この話は。何だこれと。中国でそんな武漢のウイルスなんかないなんて言った最初のあれが、もっと大変だと言っておけばもっと早く対応ができたんだというのがこの三十万人の、五十万人の人たちのほとんどの不満のもとです。
 ただ、このWHOというのは非常に大事な組織なんですけど、これ、台湾を入れないとかいうような組織が台湾を切っちゃったおかげでというんですけど、今回は台湾の方が対応が早くて、ばさっとやって、台湾が多分、今回のコロナに対して最もうまく対応している国は台湾かなと思いますけれども。また台湾を国なんて言ったとかいって共産党の人に何か言われると話が込み入るんですけど、台湾という地域ね、地域、台湾という地域が一番うまくやっているんですけれども。
 そういった意味では、日本もいろいろやっているんですけど、このWHOから正式に、日本の国会議員でWHOから大使に任命されている人がいますよ。日本人、信じられないでしょう。名前聞いても信じないだろうけど、武見敬三というんですけれども。それを聞いて怪しげな組織だなと私は正直思ったといって、テドロスに面と向かって言ったことがあるんですけれども、それが事実で、このワールド・ヘルス・オーガナイゼーション、いや、違った、ごめんなさい、ヘルス・カバレッジ、ワールド・ヘルス・カバレッジというのをやるというのを、一番今WHOがやろうとしているのを先頭切ってやっているのは世銀と日本政府なんですけれども、その間をつないでいるのが武見ということで、これが今、国連大使、ああ、ごめんなさい、WHOの大使に任命されているということは余り知られていない話ですけど事実です。
073 浜田聡
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○浜田聡君 どうもありがとうございます。
 ちょっと質問を、時間の関係上、一つ飛ばさせてもらいます。
 WHOと台湾についてお聞きしたいと思ったんですが、以前、予算委員会の方で安倍総理が答えられておりますので、ここで繰り返しは避けることにします。
 最後の質問に移ります。
 先ほど、WHO事務局長選挙、日本としては非常に重視しているという答弁をいただきました。
 次期事務局長選挙についての意気込みであったり、現状日本が取り組んでいる動きなど、教えていただけますでしょうか。
074 佐原康之
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○政府参考人(佐原康之君) お答えいたします。
 WHOにおいて日本人がリーダーシップを発揮し政策立案に貢献できるようにしていくことは非常に重要であると考えております。今後の事務局長選挙に向けて戦略的に取り組んでいくことが肝要であると考えております。
 国際保健人材の育成につきましては、二〇一九年より、WHO西太平洋地域事務局長として勤務している葛西健氏を始め、事務局長候補となり得るWHOの日本人幹部職員の増加に努めているところであります。
 様々なチャンネルを通じた国際貢献等により日本のプレゼンスを高めるとともに、日頃より各国との関係強化を進めているところでありまして、国際保健分野において日本が引き続き主導的な役割を果たせるよう努めてまいりたいと考えております。
075 浜田聡
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○浜田聡君 済みません。時間足りない中、最後、失礼します。
 現在のテドロス事務局長についていろいろな意見がある中、WHO事務局長選挙は透明性を重視する候補者に勝たせるべきだという意見を聞いて、もっともだと思いました。
 日本政府がこの事務局長選挙を重視していることを確認させていただきまして、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。

第201回国会 参議院 財政金融委員会 第9号 令和2年3月31日
052 浜田聡
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○浜田聡君 浜田聡です。所属政党、NHKから国民を守る党、参議院会派はみんなの党です。よろしくお願いいたします。
 新型コロナウイルス感染症について大変な状況の中、各方面で対策に当たっておられる方々に心より敬意を表します。
 数日前、元厚生労働省の官僚であった方によるブログ記事がSNS上で話題になったようで、まずはそれを紹介させていただきます。反響の大きな記事でしたので、もしかすると国会でも話題となり重複となった場合には恐縮ですが、御容赦ください。
 記事を書いた方、名前を千正康裕さんといいます。確かに厚労省に在籍されていた方であることを私の方でも厚労省の方に確認しております。現役の厚労官僚であれば言いにくいことを特に国会議員向けに書いたことであり、共有させていただこうと思います。
 新型コロナウイルス感染症について、政府の方で多くの省庁や政府関係機関、対応に追われていることとは思いますが、やはりその中でも厚生労働省に大きな負荷が掛かっていることは想像に難くないのではと思います。国会開会中ですと各省庁が日夜、国会対応に追われるわけですが、その中でも、現在では特に厚生労働省に過剰な負荷が掛かっていることを心配された上で、この千正康裕さんの提言であると受け取りました。
 国会議員としましては、行政のチェックや官僚の監視というものは非常に重要な職務であると思いますので、提言をそのまま受け入れることについてはそれなりに慎重であるべきことを私としては表明した上で、紹介させていただきます。ブログ記事の詳細については、御興味ある方は記事を読んでいただくとして、ここではその中で紹介されている三つの提言を取り上げさせていただきます。配付資料の方にも掲載させていただきました。
 提言一、コロナに関する質問は、原則、厚生労働委員会と予算委員会に集約すべき。提言二、政党ごとの会議はまとめるべき、少なくとも、与党で一つ、野党は合同ヒアリングに集約するなど。提言三、個別議員の問合せは、衆議院、参議院の調査室などに一元的に議員の問合せに回答する窓口をつくって、まずはそこで受けるべき。
 この三点について、厚労省の方に御意見を伺ってきました。忌憚のない意見をいただけないかと尋ねたところですが、回答は、いずれも厚労省の方からは意見を出す立場にないというような趣旨をいただいております。回答がそうでしたので、この委員会に参考人として来てもらって答弁してもらうのは私としては申し訳ないと思い、今回は私の方のみで述べるにとどめさせてもらいました。もちろん、厚労省の方からは、必要とあらば委員会に出席しますというお返事はいただいております。
 回答についてこれ以上踏み込もうとは思いませんが、ひとまず国会の議事録に残すことには意義があろうと思い、今回取り上げさせていただきました。
 ちなみに、三つの提言については、私の所属政党は、国会議員、衆参合わせて二人、参議院ではみんなの党会派二人と、小さな政党でございますので、提言どおりするというのは難しいところかもしれませんが、できる範囲で工夫をしていきたいとは思っております。先ほど申しましたように、議員としては、行政のチェック、官僚の監視という大事な仕事を考えると難しい問題であることは繰り返し述べさせていただきます。
 私が以前働いていた病院で、同級生が現在、厚労省の医系技官をやっていることをつい最近知りました。その方に話を聞いたところ、その方のここ数か月の残業時間が月百時間を超えているということを聞いて、さすがにそれはまずかろうということを最後にお伝えさせていただいて、次の話題に移ろうと思います。
 次に、世界銀行の総裁についてお聞きします。
 昨年の参議院のこの財政金融委員会の議事録を見せていただきましたところ、総裁が決まる前の段階での話がなされておりましたので、今回は総裁が決まってからの話ということになります。この世界銀行の総裁について二点、財務省国際局の方にお聞きします。
 現在はマルパス氏が就任されているのですが、以前総裁をされていたジム・ヨン・キム氏は、突然の辞任をされて、退任理由を明らかにされていなかったという報道がありました。時間がある程度経過した今、この退任理由というのは明らかになったのでしょうか、教えてください。
053 岡村健司
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○政府参考人(岡村健司君) お答えを申し上げます。
 世銀のキム前総裁でございますが、元々二〇二二年の六月末までの任期であったところ、昨年の一月七日に辞意を表明されまして、その翌月の二月一日付けで退任をされております。
 この辞意の表明に当たりまして、キム前総裁は、途上国が直面する最大の開発課題の一つは民間資金を活用しつつ持続可能なインフラ投資を進めることであるという点をおっしゃった上で、辞職後は民間セクターに転じる、そして途上国におけるインフラ投資の拡大に注力するとともに、あわせて、貧困層向けのヘルスケアの充実を図る非営利団体の活動に復帰するという旨を表明されておりまして、その後、このときにどういうお気持ちであったかということを追加するような情報というものが判明しているわけではございません。
054 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。まあ、いろいろな理由があって辞任されたのだと思います。
 現在総裁のマルパス氏なんですが、今回配付させてもらった資料に紹介させていただきましたように、対中強硬派とのことです。この方に関する現時点での財務省の評価を聞かせてもらえますでしょうか。
055 岡村健司
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○政府参考人(岡村健司君) お答え申し上げます。
 マルパス総裁につきまして、就任後一年の間に幾つかのことをやられておりますので、まずそれを紹介させていただきますが、IDAについてですが、日本が重視しております質の高いインフラ投資や低所得国の債務持続可能性、国際保健などを重点項目とするという形でIDAの増資をまとめておられます。
 それから、中国について、前回、このIDAで、IDAの十九ですが、中国の拠出貢献ということで、前回IDAの六億ドルから数字的には金額的に倍になります十二億ドルに増額をしておりまして、つまり、中国に一定の負担、中国の負担を増加させるというような形でIDAの増資をまとめられております。
 それから、昨年十一月に、日本との関係ということでもう一点、マルパス総裁の一年間にやったことということでございますけれども、昨年十一月には、世銀グループの一角を構成いたしますMIGA、多数国間投資保証機関のトップに日本人である俣野氏を任命しているということでございます。
 また、直近では、先ほど来、新型コロナウイルスの感染拡大に対して世銀グループの緊急支援、あるいはその先の支援といったものについてのリーダーシップを発揮しているところでございます。
 特に、一点、中国の観点でのお尋ねでございますので、中国への世銀融資の在り方につきまして、昨年十二月に対中支援戦略というものが公表されておりますが、より貧しい国への支援に重点化をするために、中国向けの世銀融資は質、量共に絞り込んでいくという方向性を明示しております。
 日本としては、更に進んで、世銀支援から中国は卒業するということ、これを目指してというか向けまして、中国への新規の融資額を縮減していくという具体的な道筋を示すよう、米国などと連携しつつ、世銀側、特にマルパス総裁に対する働きかけを継続していくという考えでございます。
056 浜田聡
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○浜田聡君 そうですね。中国、世界各国から外資による多額の投資を受けて成長してきたと思います。今回、世界銀行による融資も受けてきたのだとは思います。今回、資料にありますように、日経新聞の記事にもあるんですが、対中融資縮小というのは現在では自然な流れではないかと思います。今後も折を見て見守っていきたいとは思います。
 次に、レバノンについて外務省にお聞きしようと思います。
 レバノンといえば、カルロス・ゴーン容疑者の逃亡先として記憶に新しいこととは思いますが、日本にとっては国際指名手配中の重大犯罪人である日本赤軍の岡本公三が現在レバノンにいるとも言われております。
 今回、配付資料として、二〇一七年の毎日新聞の記事を掲載しました。これによると、多数の人々を殺害し、本人は、自身が起こしたテロ事件について、武装闘争との認識であり、武装闘争は今も昔も最高のプロパガンダになるとの発言があります。彼は今でもスカイプなどで支持者と交流したり、活動を続けているようです。
 そこでお聞きします。日本赤軍メンバー岡本公三の引渡し要請というものはしているのでしょうか。経過と現状を聞かせていただければと思います。
057 長岡寛介
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○政府参考人(長岡寛介君) お答え申し上げます。
 いわゆる日本赤軍のメンバーである岡本公三については、一九九七年、ほかのメンバー四名とともにレバノン政府に拘束をされ、二〇〇〇年三月に刑期が終了したと承知をしております。
 レバノン政府に拘束されて以降、日本政府からはレバノン政府に対して、レバノンにおける司法手続が終了次第速やかに身柄の引渡しを行うよう求めてきておりましたけれども、現時点において引渡しは実施をされておりません。
 以上でございます。
058 浜田聡
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○浜田聡君 次に、カルロス・ゴーン氏についてお聞きします。
 日本政府は、彼に関しての引渡し要請の経過と現状を聞かせていただきたいと思います。
059 赤堀毅
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○政府参考人(赤堀毅君) 委員お尋ねのゴーン被告人の身柄の引渡しについては、個別事件における具体的な捜査、公判に関わる事柄でございまして、お答えは差し控えさせていただきたいと存じます。
060 浜田聡
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○浜田聡君 事情の方は了解しました。
 配付資料の方に、外務省のODA案件検索ページでレバノンの検索結果を付けておきました。二百四十七件ヒットしております。言い方は悪いのかもしれませんが、ある意味、日本の犯罪者の逃亡幇助をしているとも言えるレバノンに対してODAで援助を行うことについてはいろいろ問題があるような気はいたします。
 そこでお聞きします。レバノンへのODAについて、今後の方針を聞かせてもらえればと思います。
061 高杉優弘
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○政府参考人(高杉優弘君) レバノンへのODAにつきましては、二国間関係に与える影響等を総合的に判断の上、検討されるべき事項であると考えております。
 以上です。
062 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 レバノンでは三月に入ってデフォルトをしたとの報道があります。ODAについてはいろいろと種類があると思うんですが、その中で返還義務のある政府貸付けというものがありまして、今回、それに関しては通告していなかったので質問は控えますが、返還義務のある政府貸付けについては注意をしていくべきではないかということを最後に付け加えさせていただきます。
 最後に、先ほども少し取り上げましたが、中国について外務省にお聞きしようと思います。
 外務省ウエブサイトの中国を紹介するページで日中経済概況というものを見てみると、次のように書いてあります。日本にとって中国は最大の貿易相手国であり、日系企業の海外拠点数で中国は第一位であるなど日中経済関係は一層緊密になっており、日中首脳間でも、双方の関心や方向性が一致している分野について、経済、実務協力を一層進めることで一致していると。同時に、日本側から中国側に対し、公平な競争環境の実現及び自由で公正な貿易体制の発展に共に努力していきたい旨伝えるとともに、法制度の運用改善、更なる市場開放、日中金融協力の強化等を通じ、ビジネス関係の改善に力強く取り組むことを働きかけてきているとあります。
 このように、日本にとって中国というのは極めて重要な国であることは言うまでもないことでありますが、いろいろと懸念すべき国であることも確かだと思います。
 まずお聞きしたいのは、中央政府での権力闘争でございます。現在、習近平国家主席でありますが、いろいろな派閥があることで、御存じだとは思いますが、江沢民派との争いなどもあるとお聞きしています。中央政府での権力闘争について、現状どのように把握されておりますでしょうか。
063 田村政美
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○政府参考人(田村政美君) お答え申し上げます。
 中国の動向につきましては平素より注視しており、委員御指摘の論点等含め、中国の内政につきましては様々な見方があることは承知しておりますが、御指摘の論点につきまして政府としてコメントすることは差し控えさせていただきたいと思います。
064 浜田聡
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○浜田聡君 微妙な、難しい立場であることは理解させていただきます。
 習近平国家主席について心配なこととして、国をどんどん拡大させていく野心を隠していないことが挙げられると思います。
 習近平国家主席、就任以来度々言っているとは思うんですが、アメリカと中国で太平洋を二分しようという発言を度々されているかと思います。この発言に関して、日本政府の見解を教えてもらえますでしょうか。
065 田村政美
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○政府参考人(田村政美君) お答えいたします。
 習近平国家主席が、太平洋は広く、米中両大国を受け入れる十分な空間がある、委員御指摘のとおりの御発言を行ったことは承知しているところでございます。
 この発言について具体的なコメントをすることは差し控えますが、その上で、米中両国が対立ではなく地域や国際社会における様々な問題に取り組んでいく方向に進むことは、地域及び国際社会の平和と安定の観点から重要であると考えています。
 我が国としましては、米国との強固な信頼関係の下、中国とも関係改善が進む中、米中両国と緊密に意思疎通を図っていく所存でございます。
066 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 最後に、中国へのODAについてお聞きします。
 中国に対するODAを外務省のサイトで検索すると、千件以上ヒットします。これまで多くの支援を行ってきたということは明らかではあるんですが、今後の方針を聞かせてもらえればと思います。
067 高杉優弘
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○政府参考人(高杉優弘君) お答えいたします。
 対中ODAにつきましては、二〇〇七年に円借款、二〇〇六年に一般無償資金協力の新規供与を終了して以降、我が国国民が直接裨益する越境公害や感染症等の協力の必要性が真に認められる分野に限って実施してきておりましたが、中国の改革・開放四十周年を契機に、対等なパートナーとして、新たな次元の日中協力を推進すべきであるとの考えの下、二〇一八年十月の安倍総理訪中の機会に、二〇一八年度をもって対中ODAの新規採択を終了することを決定いたしました。現在実施中の継続案件が順次終了することをもって、二〇二一年度末までに全ての対中ODAが終了することとなっております。
 以上です。
068 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 最後に、中国による民族浄化について、ある書籍に記載されていることに関してお話をさせていただきます。これは質問ではありません。万が一事実でないなら、後で御指摘いただければと思います。
 現在の中華人民共和国は、民族浄化が現在も進行中です。民族浄化とは、特定の民族や宗派を根絶やしにすることです。大量殺りくや追放、その土地に根付いた信仰の冒涜、記念碑の破壊など、人の集団を、文化や歴史、事実を消滅させることです。
 一九四九年から始まったチベットの民族浄化は、指導層に当たる僧侶の逮捕や投獄、寺院の破壊、漢民族の政策的移入などによりチベット人が少数派となり、現在ではほとんど目的を完遂されている状況です。チベットでの民族浄化がほぼ総仕上げの段階なら、その隣の新疆ウイグルはまさに現在進行形で行われているところでございます。
 こういうことをする国が、先ほど申し上げたように太平洋を二分するという発言については、日本にとって脅威だと思うのはさほど変わった考えではないかと思いますし、日中友好という言葉については、この民族浄化を肯定しかねないかと懸念を表明させていただいて、私の質問を終わらせていただきます。

第201回国会 参議院 行政監視委員会国と地方の行政の役割分担に関する小委員会 第1号 令和2年4月13日
097 浜田聡
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○浜田聡君 浜田聡です。所属政党、NHKから国民を守る党、参議院会派はみんなの党です。よろしくお願いいたします。
 この小委員会では、まず新型コロナウイルス感染症と関連して、地方で活動しているNHK訪問員の問題を取り上げたいと思います。本来であれば、NHKの方に来ていただいて御答弁いただきたいと思い、参考人要求をさせていただきましたが、いろんな事情があるということでNHKの方には来ていただけないということでした。この件に関して御尽力いただいた理事の方々には感謝申し上げます。
 今回は、NHKの方の代わりに、NHKを管理、統括する立場である総務省の方、そして法律上の問題については法務省の方にも質問をさせていただきます。
 まず、NHK訪問員と新型コロナウイルス感染症の問題を取り上げます。
 NHK訪問員は、NHKと契約していない世帯を戸別訪問をして契約や受信料の支払を要求します。その際、訪問員は各世帯の方々とは対面での交渉をすることが一般的であります。この対面での交渉というのは、もし訪問員の方が新型コロナウイルスに感染していた場合、交渉に応じた世帯の方にとって感染リスクがあることは容易に想像されます。新型コロナウイルス感染症の対策として、先日緊急事態宣言が出されたのは皆様御承知のことだと思います。そして、不要不急の外出を控えるような政府要請もあります。
 NHKは、この政府要請についてどのように対処しているのでしょうか。地域ごとの違いを踏まえて御答弁いただければと思います。総務省の方、お願いします。
098 吉田眞人
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○政府参考人(吉田眞人君) お答え申し上げます。
 NHKでは、緊急事態宣言が出されたことなどを踏まえまして、営業現場における新型コロナウイルス感染症対策として、四月の十一日以降、当面の間、全国の地域において訪問活動を自粛することとしているものと承知をしております。
 NHKにおきましては、引き続き新型コロナウイルス感染症の動向を注視していただき、必要な対策を適切に実施していただきたいと考えております。
099 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 ここで、私の所属政党、NHKから国民を守る党が一般市民の方向けに行っている活動を簡単に紹介させていただきます。
 NHK訪問員による強引な契約や集金手法にお困りの方々を守るため、我が党では独自のコールセンターを開設しております。毎日朝の九時から夜の十一時まで、五人のスタッフが常駐して電話対応し、NHKに関してお困りの方の相談に乗っております。御参考までにこのコールセンターに寄せられた相談件数を申し上げますと、令和二年の三月だけで三千九百三十件に上ります。
 政府が不要不急の外出は避けるような要請を出し、そして緊急事態宣言が出てからもNHK訪問員による相談がコールセンターに寄せられております。新型コロナウイルス感染症を封じ込めるためにNHKの方でも協力すべきだと思いますので、総務省の方からもしっかりと御指導いただければと思います。
 次に、地域、各地で活動するNHK訪問員と法律上の問題に関しての話へと移らせてもらいます。
 NHKには様々な問題があり、国会でも様々な議論がなされてきていることは皆様御承知のとおりです。その問題の中でも特に我が党が重大と考えているのは、契約や受信料を迫って各世帯を回る訪問員、集金人の問題が挙げられます。
 最近ですと、訪問員は、NHK職員の訪問員よりもNHKが委託している業者の訪問員が主体となっているように思います。これら委託業者の多くでは恐らく接遇の研修などなされていないことが予想されまして、そういう業者の訪問員が強引な手法で契約や集金を迫ることが全国各地で問題となっております。
 先ほどの行政監視委員会でも話題とさせていただきましたが、二〇一七年十二月六日、最高裁大法廷でNHKの受信料制度を合憲とする初判断が示されました。その判決では、受信料をいつから払うべきかという問題に対して、テレビ設置時に遡って受信料の支払義務が生じるとの判断を示しています。にもかかわらず、NHK訪問員は、各戸別訪問時に、受信機設置日に遡らず今月からの受信料支払で結構ですと言って契約を迫る声が我々に寄せられております。
 先ほどの委員会の方ではこの問題について放送法六十四条第二項の観点から質問させてもらいましたが、今回は弁護士法の観点から法務省に質問させていただきます。
 金銭債権の回収を当事者でない委託業者が行うことに制限がないとすると、いわゆる反社会的勢力がそれを委託することは容易に想像され、そういったことに制限を掛ける法律として弁護士法があると考えております。
 弁護士法七十二条では次のように書かれております。弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件及び審査請求、異議申立て、再審査請求等行政庁に対する不服申立て事件その他一般事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他法律事務を取り扱い、又はそれらの周旋をすることをなりわいとすることができない、ただし、この法律又は他の法律に別段の定めがある場合はこの限りでないと書かれております。
 このように条文にある中で、NHK正社員でなくNHK委託業者がこういった交渉をすることは弁護士法七十二条に違反するように思いますが、法務省としての見解を教えてください。
100 金子修
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○政府参考人(金子修君) 一般論としてまず申し上げますと、弁護士又は弁護士法人以外の者が、法律に別段の定めがある場合を除き、報酬を得る目的で業として法律事務を取り扱うことは弁護士法第七十二条によって禁止されているところでございます。この点は委員御指摘のとおりでございます。
 しかしながら、法務省としてお尋ねの個別の事案について弁護士法七十二条等に違反するかどうかをお答えすることは困難でございまして、この点について御理解いただきたいと思います。
101 浜田聡
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○浜田聡君 分かりました。立場の方、いろいろあると思いますので、立場の方、了解します。
 ただ、こういった問題の根本にあるものとして、NHK訪問員が戸別するという制度が変わらずにずっと続いているということが挙げられると思います。
 我々NHKから国民を守る党は、スクランブル化を始めとして、受信料制度を変えることが求められるということを、そういうことを今後も国会の方で訴えさせていただければと思います。
 最後に、最近、我々NHKから国民を守る党が地域で活動していて、NHK職員が受信契約に対する考え方について問題があるんじゃないかと気が付いたことをここで指摘させていただきます。質問ではありません。
 それは、NHK新浦安営業センターで受理されている、使われている受信契約書になります。NHKとの契約では、受信機設置日から受信料の支払になるわけで、契約書には当然そういう設置日を確認すべきと考えますが、この新浦安営業センターではそれが確認されなくても受理されているという報告を受けております。そこの職員が述べております。
 NHK職員がそのような意識なのですから、委託業者の訪問員がそういう意識が、それに及ばないのは当然だと思います。受信機設置日からの支払ではなく今月からの支払で結構ですなどという法律違反や判例違反が横行することは、ある意味当然のことではないかと思います。
 今回は通告しておりませんし、NHKさんが参考人として来ているわけではありませんので質問はしませんが、NHK新浦安営業センターにおかれましては意識を改めますようにお願いしたいと思います。また、日本各地のNHK支社におきましても、同様の考え方があるようでしたら、それを改めていただきたいという訴えをさせていただいて、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。

第201回国会 参議院 行政監視委員会 第2号 令和2年4月13日
065 浜田聡
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○浜田聡君 浜田聡です。所属政党はNHKから国民を守る党、参議院会派はみんなの党です。昨年十月より繰上げ当選という形で参議院の方に来ました。よろしくお願いいたします。
 委員の皆様には、少数会派にも御配慮いただき、会派人数配分以上の質問時間いただきましたことを大変感謝しております。
 この委員会では、高市早苗総務大臣に質問させていただく予定でございます。この新型コロナウイルス感染症対策で皆様お忙しい中、特に大臣がお忙しいということは重々承知しておりまして、その大臣への質問ということで大変恐縮しております。ただ、我々NHKから国民を守る党は、NHK問題を最重要課題として取り組むことを公約として参議院選挙当選させていただきました。今回の委員会は総務大臣に質問できる数少ない機会でございまして、その機会を利用しないわけにはいかないという我々の立場を御配慮いただきたく思います。
 ここで、NHKから国民を守る党のこれまでの軌跡を簡潔に紹介させていただきます。
 我が党は、二〇一三年に元NHK職員である立花孝志が立ち上げた政党でございます。様々なNHK問題の解決を目指し、地方選挙から地道に活動を重ねて少しずつ勢力が拡大してまいりました。昨年の統一地方選挙では首都圏を中心に全国二十六人の当選者を出し、そして参議院選挙では比例代表で一議席、全国で二%以上の得票率を達成したことで政党要件を満たし、国政政党となりました。
 ここで、高市早苗総務大臣に質問です。
 このように、NHKに対する不満がある中で、その不満に応える形で我々NHKから国民を守る党が躍進して国会で議席を獲得するまでに至りました。NHKから国民を守る党が躍進したことについて、NHKを管理、統括する立場である総務大臣としての見解をお聞かせいただきたいと思います。
066 高市早苗
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○国務大臣(高市早苗君) 今、浜田委員御指摘の選挙結果については私も承知をいたしておりますが、総務省として選挙結果についてコメントをすることは差し控えさせてください。
067 浜田聡
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○浜田聡君 難しい立場の中、了解しました。
 今から二年四か月前の二〇一七年十二月六日に、NHKの受信料をめぐる裁判において重要な判決が下されました。最高裁大法廷がNHKの受信料制度を合憲とする初の判断でございます。この判例についてはいろいろと重要なポイントがあるので、それら全てに言及していくことはややこしくなるので、今回、焦点を絞ります。
 今回のポイントとして挙げさせてもらいたいことは、受信料をいつの分から払わなければいけないとということになります。この判決では、テレビ設置日に遡って受信料の支払義務が生じると判断されております。一方、NHKの訪問員は、各家庭訪問時に、受信機設置日に遡らず、今回、今月からの受信料支払で結構ですと言って契約を迫る声が我々に多数寄せられております。
 こういったNHK訪問員の行動というのは、放送法第六十四条第二項、つまり、契約を締結した者から徴収する受信料を免除してはならないとする条文に違反するように思いますが、総務大臣としての見解をお聞かせいただきたく思います。
068 高市早苗
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○国務大臣(高市早苗君) NHKやその委託先が受信契約の勧奨などに際してどのような説明を行っているのかということを現時点では承知をいたしておりません。NHKにおいてはもう是非とも、委託先を含め、受信料の支払などについて国民・視聴者の皆様から誤解を受けないように丁寧に御説明をいただきたいと存じます。
069 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 現状の受信料制度では、受信料を払わなくてもNHKを見ることができるために、正直に受信料を支払っている者がばかを見る状況であると言えます。我が党はその問題を解決するためにNHKスクランブル放送の導入を目標として、公約として掲げております。我々の公約にもいろいろと意見はあるとは思いますが、とにかく一つ言えることとしては、現在の受信料制度は時代に合っていないと。だからこそ問題がどんどん噴出してきており、これを時代に合った形に変えていくべきだと思います。
 高市早苗総務大臣に最後の質問になりますが、受信料制度改革に向けて総務大臣としての決意をお聞かせください。
070 高市早苗
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○国務大臣(高市早苗君) 通信・放送融合の時代が進んでおります。また、視聴環境も大きく変化しておりますので、受信料制度につきましては未来への責任として真剣に検討を始めなければならない課題だと考えました。
 このために、総務省の有識者会議で受信料制度を含む公共放送の在り方について御議論をしていただくこととしました。有識者会議にはこれから御検討いただく段階でございますけれども、諸外国の公共放送における受信料制度というものも参考にしながら、また、国民・視聴者の皆様から十分な理解が得られるかどうかという観点も踏まえながら検討を進めていただきたいと考えております。
071 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 受信料制度改革については、我々だけでなく、もちろん政府の方も、NHKも一体となって、ほかの政党の方も一緒に協力していただいて、受信料制度改革進めていければと思います。
 というわけで、質問の方を終わります。

第201回国会 参議院 東日本大震災復興特別委員会 第4号 令和2年4月15日
193 浜田聡
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○浜田聡君 浜田聡です。所属政党はNHKから国民を守る党、参議院会派はみんなの党です。よろしくお願いいたします。
 委員の皆様には、少数会派にも御配慮いただき、会派人数配分以上の質問時間をいただきましたこと、大変感謝しております。
 新型コロナウイルス感染症について大変な状況の中、各方面で対策に当たっておられます方々に心より敬意を表します。
 この東日本大震災復興特別委員会におきまして、まずは、この新型コロナウイルス感染症が東日本大震災の復興計画に与える影響についてお聞きしたいと思います。
 復興・創生期間後における東日本大震災からの復興の基本方針というものが昨年十二月に閣議決定されました。配付資料としてこの一部を用意させていただいております。
 内容を一部取り上げますと、「これまでに実施された復興施策の総括を行い、施策の進捗・成果及び今後の課題等を明らかにした上で、復興・創生期間後の各分野における取組、復興を支える仕組み及び組織について、東日本大震災復興基本法第三条の規定に基づき、「復興・創生期間」後における東日本大震災からの復興の基本方針を定める。」とあります。
 ここで、復興庁の方にお尋ねします。
 この新型コロナウイルス感染症が大きな被害をもたらす中、このような復興の基本方針に何らかの影響はありますでしょうか。復興庁としての見解や今後の展望があれば教えてください。
194 石田優
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○政府参考人(石田優君) 復興庁におきましては、大臣を本部長といたします対策本部を設置いたしまして、被災地におきます状況の把握等に今努めているところでございます。
 現時点では、中小企業については資金繰りに対する相談が多数寄せられていたり、観光業においては全国と同様に宿泊施設のキャンセルが多数発生している、また、水産加工業におきましては外食、宿泊施設向けの商品の売上げが減少するといったような影響を受けているというふうに承知をしております。
 今月の七日に閣議決定されました経済対策におきましても、資金繰りの対策や終息後の経済活動の回復に向けました観光、農林水産業の支援策などが盛り込まれたところでございます。
 復興庁といたしましては、引き続き、被災地の状況を把握しながら、関係機関と連携いたしまして、経済対策に盛り込まれた施策も活用しつつ復興に万全を期することにより、復興・創生期間後の基本方針に定められました復興事業に支障が生ずることがないように努めてまいりたいと考えております。
195 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 引き続いて、この復興基本計画では幅広い分野における計画が考えられている中で、特に観光の振興についてお聞きします。
 この復興の基本方針内の観光の振興の部分に次のような記述があります。「福島県については、平成二十三年の震災以降の期間全体を通してみると、延べ宿泊者数の伸び率が全国と比して特に低い水準にとどまる等、根強く残る風評被害への対策を進める必要がある。」とのことです。この基本方針というのは新型コロナウイルス感染症流行前に作られたものでありまして、ただでさえ福島県のように厳しい地域がある中で、この新型コロナウイルス感染症が悪影響を及ぼすことは免れないと思います。
 そこで、復興庁にお聞きします。
 この基本方針の観光の振興における新型コロナウイルス感染症の影響と今後の方針を教えてください。
196 奥達雄
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○政府参考人(奥達雄君) お答え申し上げます。
 新型コロナウイルス感染症による観光業への影響につきましては、外国人旅行客の大幅な減少など、東北六県を含めまして全国的に大変厳しい状況にあると承知をいたしております。現在、外国からの入国制限なども実施されておりまして、当面、インバウンド誘客のためのプロモーションも実施することがなかなか難しいという状況でありますけれども、観光業は地域の産業全体に影響する裾野が広い分野でございまして、今後とも東北復興の中で重要な位置付けを占めるものと認識をいたしております。
 このため、まずは足下の新型コロナウイルス感染症による影響につきまして、先般閣議決定されました緊急経済対策や復興事業を通じまして、観光資源の磨き上げや受入れ環境整備などの助走期間としての準備を進めましてV字回復の機会に備えますとともに、状況が落ち着き次第、宿泊割引等の支援による需要喚起策を講じることといたしております。
 その上で、ただいま委員御指摘の復興の基本方針に沿いまして、観光庁などと密接に連携しつつ、東北六県における観光振興の更なる展開や、福島県における教育旅行を始めといたしました観光復興の取組に対する支援の推進にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
197 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 今後の状況が確定しない中で計画を進めていくことは難しいと思いますが、私もこの委員会の一員として、常に被災地の復興が進むよう心から願いつつ、協力させていただきたいと思います。
 次に、被災地のみならず、国内でマスクなどが不足していることに関してお聞きしたいと思います。
 この新型コロナウイルス感染症の影響の一つに、どこに行ってもマスクが買えないということが挙げられると思います。一時期トイレットペーパーの買占めが問題となりましたが、現在は落ち着いているように思います。トイレットペーパーについては、日本で消費されるものはほとんどが国内で作られており、供給は安定しているからだと思われます。
 しかし、マスクはそうではありません。不織布のマスクの場合、その八割を輸入に頼っており、しかも、その九割近くが中国からの輸入であります。今回の感染症によってその輸入に影響が出ており、供給量が減っているものと思います。少量の売りに出されるマスクもすぐに売り切れとなる状況は相変わらず続いておるところでございます。
 このような状況への対策として日本政府は、国内への生産拠点等を整備支援したり、海外での製造においても製造拠点の多元化支援をしたりされていると理解しています。
 そこで、まず経済産業省の方にお聞きします。
 現在のマスクの国内での生産状況はどのようになっていますでしょうか。
198 藤木俊光
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○政府参考人(藤木俊光君) お答え申し上げます。
 元々、マスクに関しましては、国内での製造がおおむね月一億枚程度ということでございましたが、その後、増産努力、それから、私ども、施設、製造設備の増設に対する補助制度といったようなものを行いまして、現在、足下では国内生産三・五億枚から約四億枚程度を確保しているところでございます。
 これらに輸入のものも合わせまして、四月中には七億枚程度の供給能力ということを目指しているところでございます。
199 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 現在、朝早く起きて歩いておりますと、どうやらマスクを買うために並んでいるような光景を目にすることがあります。一日も早くこのような状況は解消してほしいわけですが、今後、国内の生産が増強し、また輸入量も増えるようなど、一般の方が並ばずに買えるようにできるようになる見込みはありますでしょうか。
200 藤木俊光
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○政府参考人(藤木俊光君) お答え申し上げます。
 先ほど御答弁申し上げましたように、今月には七億枚程度の供給ということを目指しているわけでございますが、一方で、まさに現下の新型コロナ感染症の拡大を受けて需要が急拡大しているという状況がございます。それから、何よりも医療機関や介護施設等に優先的に供給を行うということが必要な状況にもあるということでございまして、現在、供給の拡大に最大限取り組んでいるところでございますが、品薄状況、町における品薄状況が解消されるには、なお一定程度時間が掛かるというふうに考えております。
 経産省といたしましても、必要な対策をスピード感を持って講じて、少しでも早く品薄状態が解消されるよう取り組んでまいりたいと考えております。
201 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 先ほども言いましたが、マスクは八割が輸入で、その多くを中国に頼ってきた関係で、中国からの輸入がうまくいかなくなると、国内で現在のように供給不足になるわけであります。
 ここで、中国からの輸入に関して気になる報道がありましたので、配付資料で紹介させてもらいました。
 その報道内容についてなんですけど、中国に工場を置いている日本メーカーが、その工場で作った製品を日本に輸入しようとしても、中国によって輸入が止められているという内容の報道です。
 ここで外務省にお聞きします。
 この報道内容というのは事実でしょうか。
202 小林賢一
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○政府参考人(小林賢一君) お答え申し上げます。
 新型コロナウイルス感染症に関する現在の状況の中で、中国からのマスクの調達につきましては、例年の供給に比べ少なくなっているものと承知しております。
 そうした状況を踏まえ、外務省といたしましては、関係省庁などと緊密に連携しつつ、マスクの輸入の円滑化などについて様々なレベルで中国側に対する働きかけを行ってきており、中国側からも基本的に前向きな対応が示されてきているところでございます。
 例えば、先般行われました新型コロナウイルス感染症に関する日本、中国、韓国外務大臣テレビ会議におきまして、茂木外務大臣から医療物資や医薬品の円滑な輸出入の確保、緊急融通に向けての協力を含む具体的な協力について働きかけを行ったところでございます。こうした中で、現在、中国からのマスクの輸入については、一時滞っていたもので再開されたものもあると承知しております。
 外務省といたしましては、今後とも国内における需給や輸入の状況などを踏まえつつ、引き続き、関係省庁などと緊密に連携し、国内における十分な供給量の確保に向けて中国側への働きかけを含めまして全力を尽くしていく考えでございます。
203 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 四つ目の質問は、先ほどお答えいただいたので、飛ばさせていただきます。
 次に、中国という国をどう評価するかについてはいろいろな意見があると思いますし、中には親中の考えの方もおられると思いますが、私はここでは懐疑的な立場を取ることを御容赦いただきたいと思います。
 現在の中国の場合、自国で生産しているマスクを輸出せずに蓄えておいて、他国でマスクが不足するようにして駆け引きに使おうとする意図があるように思えます。陰謀論という批判はあるとは思いますが、これまでの中国共産党の歴史を鑑みると、こういう駆け引きは十分考えられることではないかと思います。
 今回、その一例として、ある海外報道を配付資料に用意させてもらいました。フランスが中国からマスクなどの医療用品を輸入することを引換えにして、フランスで5Gを導入する際に中国企業であるファーウェイの製品を購入、採用させるというものでございます。
 そこで、外務省にお聞きします。
 このフランスと中国の交渉の報道に関する見解を教えてください。
204 河津邦彦
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○政府参考人(河津邦彦君) お答え申し上げます。
 今、委員御指摘の報道については承知をしているところでございますけれども、フランス及び中国両政府はこの報道の内容について否定をしていると、このように承知をしております。この中国とフランスのやり取りにつきましては、第三国間のやり取りでございまして、我が国政府としてコメントすることは差し控えたいと、このように考えます。
205 浜田聡
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○浜田聡君 政府として明言する立場は難しい、難しいという立場は理解します。
 この中国、ファーウェイについて、この製品の安全性について、内閣府のサイバーセキュリティセンターにお聞きします。
 ファーウェイの製品については、一時期、バックドアがあるのではないかと話題になったことがあります。バックドアとは、直訳すると裏口でして、システムの中の機密情報や個人情報に秘密裏にアクセスできる仕組みのことであります。
 政府として他国の企業についてあれこれ言うのは難しいと思いますので、言える範囲で結構でございます。このようなファーウェイの製品の安全性に関する見解、また政府でこの製品を採用する予定あるいは使用禁止など、方針について教えてもらえますでしょうか。
206 山内智生
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○政府参考人(山内智生君) お答え申し上げます。
 御指摘のファーウェイの製品に限りませんが、IT製品一般につきましては、国際標準でございますISO・IEC15408という標準がございます。これに基づきます第三者認証の取得の確認など、情報セキュリティー機能の客観的な評価が行われているということを確認することが必要でございます。各機関において定められた機器の選定基準に基づきまして適合性の確認をいたしました上で採用しております。
 さらに、平成三十年、一昨年の十二月でございますが、関係省庁で申合せを行っております。特に防御すべき情報システムの調達に関しましては、情報の窃取、システムの破壊、停止など、悪意のある機能が組み込まれるような、このようなものをいわゆるサプライチェーンリスクというふうに呼んでおります、このような懸念を考慮した調達を開始をしているところでございます。
 なお、御指摘のこの特定の製造事業者に関しまして、その製品の安全性、それから採用予定についてのコメントは差し控えさせていただきます。
207 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 最後に、マスク関連の話に戻ります。
 新型コロナウイルス感染拡大で、マスクを始めとして日本におけるサプライチェーンに大きな影響が出ましたし、その脆弱性が浮き彫りになりました。
 そういうサプライチェーンを強靱化するため、企業による生産拠点の国内回帰を後押しする費用などとして、およそ二千四百億円が緊急経済対策に盛り込まれていると聞きました。これに関する意気込みを最後に経済産業省の方にお聞きしたいと思います。
208 木村聡
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○政府参考人(木村聡君) お答え申し上げます。
 これまで、経済活動のグローバル化が進みます中で、各企業は経営判断によりまして生産拠点を海外に移転したりあるいは部品等を海外からの輸入によって調達するようになりました結果、我が国製造業の海外生産比率は年々上昇してきているところでございます。
 新型コロナウイルス感染症が世界的に拡大いたします中で、先ほど御指摘ありましたように、マスクなど医療衛生部品の生産国での需要急増に伴いまして日本国内の供給量が制限される、あるいは各国における生産活動が低迷いたしました結果、自動車などの部品が不足したりといった形でサプライチェーンの脆弱性が認識されまして、強靱な経済構造の構築に向けたその改革は喫緊の課題であるというふうに認識いたしております。
 このため、我が国における生産活動が特定の国で製造される製品等の輸入に依存しております場合に、その製品等の生産拠点の国内回帰でありますとかあるいはASEAN諸国への複線化等を支援することといたしまして、補正予算案に二千四百三十五億円を計上させていただいたところでございます。これによりまして、建物の新増設や設備の導入に要する経費の一部を補助することで強靱なサプライチェーンの構築に取り組んでまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
209 青木愛
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○委員長(青木愛君) 浜田聡君、時間となりました。
210 浜田聡
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○浜田聡君 済みません、時間過ぎておりますが、最後に一言だけ。
 今、国内でマスクが不足しております。
211 青木愛
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○委員長(青木愛君) 時間となっておりますので、おまとめをお願いいたします。
212 浜田聡
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○浜田聡君 はい、失礼します。今日のような事態になれば、どこの国でも自国を優先するのが当たり前だと思います。もしこれがマスク……(発言する者あり)はい、分かりました。
 今後の国内産業の方向性を更に考えるべきときに来ているということを訴えさせていただきまして、私の質問を終わります。
 失礼しました。ありがとうございます。

第201回国会 参議院 財政金融委員会 第10号 令和2年4月30日
059 浜田聡
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○浜田聡君 浜田聡です。所属政党はNHKから国民を守る党、参議院会派はみんなの党です。よろしくお願いいたします。
 今回の委員会は、内閣提出法案である新型コロナウイルス感染症等の影響に対応するための国税関係法律の臨時特例に関する法律案の審議ということで、財務省からは緊急に必要な税制上の措置を考えていただいたことに感謝いたします。
 聞くところによると、主税局や国税庁には各方面から税制上の措置のお願いがたくさんあるとのことで、その調整に大変なところだと思いますが、私の方からも、今回は消毒薬に係る税に関して質問させていただきます。
 令和二年四月二十二日、厚生労働省の事務連絡によると、手指消毒用エタノールの供給が不足していることから、医療機関等において、やむを得ない場合に限り、高濃度エタノール製品を手指消毒エタノールの代替品として用いることが可能となりました。厳密さを省いて分かりやすく説明すると、ふだんお酒を造っている業者がアルコール濃度の非常に高いお酒を造って、それを消毒薬として販売することが可能になったということだと思います。
 この件に関して、国税庁のサイトを拝見しました。そこの情報によりますと、高濃度エタノール製品製造について、製造事業者を応援する取組がいろいろと記載されており、製造業者への支援は進んでいるのだと思います。
 一方、これらの製品を大量に購入するであろう医療従事者が負担する税金について、財務省にお尋ねします。なお、これからの質問内容に関しては、昨日報道がありまして、既にいろいろと動いていることは承知しており、一部質問を取り下げさせていただきますが、確認のために必要な質問はさせていただきます。
 元々はお酒を造っている業者が作る高濃度エタノール製品はお酒という扱いなので、医療従事者がこれらを購入する際には酒税が掛かるという理解でよろしいでしょうか。
060 矢野康治
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○政府参考人(矢野康治君) 今委員御指摘のように、今般、厚労省の通知によりまして高濃度エタノール製品に該当する酒類、こういうものを手指消毒用エタノールの代用品として使用することが可能とされたところでありますけれども、現実問題、飲用可能な製品であり、一般の酒類と変わりはないことから、酒税法の下では酒税が課されているところでございます。
 ちなみに、医療用の消毒用エタノールなどアルコール事業法上の特定アルコールを原料に製造したアルコール製品につきましても、飲用可能なものにつきましては酒類と同等の負担となるアルコール納付金を納めることとされておりまして、バランスが取れたものになっていると承知しております。
 酒税法におきましては、酒類製造者が税務署長の承認を受けた上で製造場において酒類として飲用することができないように一定の処置、不可飲処置、飲むべからず処置ですね、を施せば酒税は課されないということになります。
061 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 あと、御説明いただいたことにもかぶることなんですが、最前線で頑張っている医療関係者を支援するためにこの税金に関する免税措置はありますでしょうか。また、現状ないのであれば検討いただけますでしょうか。
062 田島淳志
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○政府参考人(田島淳志君) お答え申し上げます。
 今主税局長から御答弁申し上げましたが、酒税法、酒類には酒税が課されておりまして、あわせて、同法において不可飲処置の制度がございます。
 国税庁としては、そういった制度を踏まえ、現在要望ございますので、そういった取扱いを鋭意検討しているところでございます。
063 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 政府には数多くの支援が求められている中で、特にお金に関するものは本当に多いと思います。そういう中で、財務省として様々な調整をしていくことは大変だと思いますが、私にも有権者の声が届けられておりますので、国会において今後もこういった声を伝えていきますので、よろしくお願いいたします。
 次に、日本銀行の方に質問させていただきます。
 先日、四月二十七日、日本銀行におきまして金融政策決定会合が行われました。通常ですと二日にわたって行われるところ、新型コロナウイルス感染症が問題となっている状況を鑑み、前回と同様一日に短縮しての開催となり、その結果が公表されました。
 また、この会合に先立ち、その内容に関する新聞報道がありました。四月二十三日の日経新聞の記事を配付資料に掲載しております。
 ここで取り上げたいことは、この決定会合や記事の内容についてでなく、中央銀行のブラックアウトルールに関してでございます。
 日本銀行のウエブサイトに掲載されているブラックアウト期間の説明を見ますと、各金融政策決定会合の二営業日前から会合終了当日の総裁記者会見終了時刻までの期間は、国会において発言する場合等を除き、金融政策及び金融経済情勢に関し、外部に対して発言しないとあります。
 つまり、会合直前にはこの内容は秘密にされるべきだというルールだと認識しておりますが、今回の日経新聞の報道は、会合の二営業日前に報道されているように思います。これはブラックアウトルールの違反に抵触しないのでしょうか。日銀の見解を伺いたく思います。
064 吉岡伸泰
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○参考人(吉岡伸泰君) お答え申し上げます。
 委員も御存じのとおり、日本銀行では政策委員会の決定によりまして、金融政策に関する対外発言についての申合せ、これが御指摘になりましたブラックアウトルールでございます。
 具体的には、ただいま委員の方から御説明いただきましたように、金融政策及び金融経済情勢に関する外部への日本銀行の発言について縛っているところでございます。
 こうしたルールについてでございますけれども、金融政策決定会合の直前に会合の関係者が外部に対して見解を述べると、決定会合における審議の内容ですとか政策決定の方向性に予断を与えることになりまして、市場に無用の思惑ですとか混乱を招くおそれがあると、こうしたことを避けるために作られたルールだと承知しております。
 その上でということになりますけれども、こうしたルールの対象期間以外におきましては、日本銀行の政策運営については一般の理解を深めていただくと、こういう視点も重要でございまして、適切な形での情報発信に努めているところでございます。例えば、役職員による講演ですとか会見、また市場関係者や報道関係者との意見交換、こうしたものも活動の一部でございます。
 御質問のありました記事につきまして、どのような情報に基づいて書かれたのか定かではございませんけれども、私どもといたしましては、日本銀行の情報発信は先ほど申し上げたブラックアウトルールにのっとりまして適切に行われているものと理解しているところでございます。
065 浜田聡
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○浜田聡君 記事詳細を日経新聞に提供した日銀関係者はどなたなのでしょうか。明かせないのであれば、その理由も教えていただきたく思います。
066 吉岡伸泰
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○参考人(吉岡伸泰君) お答え申し上げます。
 やや繰り返しになってしまうかもしれませんけれども、先ほども申し上げましたように、日本銀行ではブラックアウトルールの下で、金融政策決定会合の二営業日前から会合終了当日の総裁記者会見終了時刻の間、国会において発言する場合等を除きまして、金融政策及び金融経済情勢に関しまして、外部に対して発言しないこととしております。
 他方で、こうしたルールの対象期間以外におきましては、日本銀行の政策運営等について一般の理解を深めていただくと、こういう観点から、適切な形での情報発信を行ってきております。
 御質問いただきました日本経済新聞の記事でございますけれども、これがどのような情報に基づいて書かれたものなのか定かではございませんけれども、私どもとしては、こうしたルールに基づき適切な情報発信が行われる中で、記者の方がお書きになったものだというふうに理解しております。
067 浜田聡
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○浜田聡君 まあ日銀の言い分に関してはある程度理解はしておりますが、ただ、日本銀行の職員の方がこういった形で、情報が漏れるということに関しては、今回ウエブサイト上でもリークと指摘されているわけなんですね。
 このように、日本銀行の職員の方がリークすることに関しては度々問題となっているようでして、今回、配付資料に二〇一〇年の日経新聞の記事を掲載させていただきました。
 金融政策の内容については、その発表と同時に為替や株価が大きく変動する可能性があります。こういうことから、内容をあらかじめ極秘に知った者は、その情報の取扱いについては慎重であるべきと考えます。悪用して不当な利益を得ることができるという倫理的な問題があると思います。また、今後予定されている金融政策を快く思わない者がそれを廃止に追い込むためにリークするということも考えられるかと思います。
 日銀からの言い分はある程度理解しましたが、今後、同様の疑われるようなことが再発しないように求めさせてもらいまして、次の質問に移ります。
 次に、緊急事態宣言での外出自粛に関する質問に移ります。
 緊急事態宣言時になされた提言では、人との接触を八割削減することが目標として掲げられ、国民の行動変容が促されております。その効果を確かめるために、全国主要観光地の人出がどうなっているのか調査されていることについて、先日、新聞記事がありました。四月二十六日の産経新聞の記事を配付資料に掲載させていただいております。
 この記事によりますと、内閣官房が公表した全国の主要観光地二十か所における二十五日時点のデータで、新型コロナウイルス感染拡大前に比べ、軽井沢駅などで八割近く人出が減少した一方、別府駅など二地域では増えたとされております。
 この記事内容について、別府市長である長野恭紘さんがSNS上で反論をされておられました。新聞記事内容が事実と食い違うのではないかという反論をされておりまして、今回、話題として取り上げさせてもらうことにしました。
 この別府市長の反論をまとめさせてもらいますと、次のようになります。
 まず、市長御自身で毎日のように駅周辺をチェックされておりまして、人出の少なさをこの目で確かめておられるということです。次に、別府駅で乗降客数が減っていることをJRに確認されていることです。昨年四月は一日乗降客数一万二千五百人だったのが、今年の四月は一日一千五百人まで減少したということです。また、改札データの乗降客データも確認すると、対前月比で七〇%以上減少というデータも確認されているようです。こういうわけで、増加というのはとても考えられないと別府市長はおっしゃっております。
 そこで、データを公表している内閣官房に質問です。
 内閣官房のデータと別府市長のコメントでは両者食い違っているようですが、これに関して御説明いただけますでしょうか。
068 能登靖
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○政府参考人(能登靖君) お答えさせていただきます。
 委員御指摘いただきましたデータにつきましては、携帯電話会社から御提供いただきまして、内閣官房のホームページに掲載させていただいておるものでございます。携帯電話会社が、携帯電話のユーザーが持っております携帯電話の位置情報に基づきまして、別府駅周辺エリアの人口変動につきまして分析したものということでお聞きしております。
 携帯電話会社によりましたら、別府駅を含む比較的広範囲のエリアを対象として集計をされておりまして、携帯電話の位置情報を活用した特定エリアの人口変動につきましては、必ずしも駅の乗降客数とは一致していないというものだそうでございます。
 ただ、今後のデータの取り方につきましては、関係自治体とも丁寧に意思疎通を図ってまいりまして対応してまいりたいと考えております。
069 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。適切に御対応いただきたいと思います。
 この件に関しては、データがゆがめられているなどとは言いませんけど、もしデータの取得の際のバグなどにより実態を反映しないデータであるなら、長野市長おっしゃるように風評被害物ですし、不当な政治的圧力にもなり得ると思います。データを取って公表するというのは結構なことだとは思いますが、今回の件を考えると、その扱いは慎重になるべきと思いました。
 また、市長が確認されているように、駅でのデータ、JRが出しているデータも使用するなど、複数の指標があってもいいのではないかということを提案させていただきます。
 別府市長の長野恭紘さんは、この新型コロナウイルス感染症の緊急対策として市役所臨時職員五百人の雇用を発表され、その支援規模が全国最大ということで話題になったので御存じの方も多いと思います。国からの支援が必ずしも十分でない中、必死に捻出されたそうで、大いに応援したい旨を表明させていただきまして、次の質問に移ります。
 最後の質問は、国民へ一人当たり一律十万円給付についてのお話です。
 この決定に至るまで、いろいろと政治的な紆余曲折がありましたが、何はともあれ、決まって本当に良かったと思いますし、私の知る限りでは、この決定についてはおおむね高評価がなされているように思います。
 この十万円を各人がどのように使うかに関して話題になったことがございます。それは、十万円給付について内閣閣僚や副大臣が辞退するように申合せがあるということでございます。この辞退についてはいろいろと意見があるのは承知しております。ただ、緊急経済対策の一つでありますので、経済のことを考えるのであれば、受け取って使うべきだと私は考えております。
 埼玉県和光市の松本武洋市長がこんなコメントをSNS上で発言されておられました。「十万円、私は申請して、全部地域で消費させていただきます。申請しないと国庫に溶けてしまうだけ。本来、和光市には来ないお金なので、全額きっちり市内で使います。」。このように、十万円給付を辞退すると国庫に溶けてしまいますが、辞退しないで使うことで景気を活発化させるという意見でございます。
 政治家、特に内閣閣僚こそ率先して受け取って使うべきだと私は思うのですが、政府としての見解を伺いたく思います。
070 大西証史
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○政府参考人(大西証史君) お答えを申し上げます。
 現内閣におきましては、行財政改革を引き続き着実に推進する観点から、内閣総理大臣におきましては月額給与及び期末手当の三割、国務大臣及び副大臣におきましては二割、大臣政務官におきましては一割に相当する額を国庫にこれまで返納してきているところでございます。
 なお、今般、国会議員の歳費月額を五月より二割減額する法律が成立したことから、閣僚におきましても歳費減額に、それに相当する額を国庫に更に返納することとしたところでもございます。
 こうした趣旨に鑑みまして、御指摘の十万円給付につきましては申請を行わない旨、申合せがなされたところでございます。
 以上でございます。
071 浜田聡
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○浜田聡君 十万円給付に関して、新潟県の離島である粟島浦村に関する新聞報道がありました。それによると、その村では既に十万円給付の受付を開始されており、五月一日、明日には振り込まれる予定であるとのことでした。このように、この現金一律給付はスピードが求められていることが分かると思います。
 この一律給付、世界各国で行われておりまして、アメリカでは政府小切手で給付金を配っていると聞いております。
 ここで問題提起したいのは、果たしていつまでこの自粛が続くか分からない中で、果たして十万円で足りるのかということでございます。
 こういうことから、日本で今後更に給付金を検討する場合に備えて、私は給付金を小切手で配る方法を検討し、その準備をしているところでございます。具体的には、更なる十万円を小切手で給付することを実現するような法案作成を検討しつつ、既存の法律で妨げになるような条文があればその改正に向けて動きたいと考えております。
 そこで、財務省にお聞きします。
 給付金を小切手で配る方法について、現時点でそれを妨げる法律はありますでしょうか。
072 阪田渉
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○政府参考人(阪田渉君) お答え申し上げます。
 国の支出の手段として、政府が振り出した小切手を用いて支払うこと、それ自体を禁じる法律の規定はございません。しかしながら、どのように小切手を配付するかなどの具体的な設計によっては、支払手段の問題とは別に、例えば国による住民情報の把握などについて法律の手当てを要する可能性があるとは考えております。
 なお、一般論として、幅広く給付を行う場合の方法として、御指摘の政府小切手を活用することに関して申し上げますと、給付を受ける方において受領した小切手を換金するための手間が発生するですとか、国において大量の小切手振出事務が発生し一定の期間を要するといった様々な課題が考えられると考えており、慎重に検討すべきものと考えております。
 以上でございます。
073 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 終わります。

第201回国会 参議院 地方創生及び消費者問題に関する特別委員会 第3号 令和2年5月8日
173 浜田聡
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○浜田聡君 浜田聡です。所属政党はNHKから国民を守る党、参議院会派はみんなの党です。よろしくお願いいたします。
 委員の皆様には、少数会派にも御配慮いただき、たくさんの質問時間いただきましたこと、大変感謝しております。
 新型コロナウイルス感染症について大変な状況の中、各方面で対策に当たっておられます方々に心より敬意を表します。
 まず、NHK訪問員に関する消費者問題に関して衛藤大臣に質問させていただきます。
 新型コロナウイルス感染症の緊急事態宣言が延長されることとなり、先日の首相会見では、新たな日常という言葉が何度か出てきました。今般の感染症による社会の変化を象徴する言葉であると思います。
 我々NHKから国民を守る党は、様々なNHK問題の解決を目指すことを公約として活動してきております。その我が党としては、この機会にNHK訪問員が各世帯を訪問する仕組みを改善していただきたいと思っております。訪問員が各世帯に戸別訪問してNHK受信料の徴収や契約を迫るやり方は感染拡大のリスクがあります。現在の緊急事態宣言下では訪問員の活動は収まっているようですが、緊急事態宣言解除後に活動を開始する場合に感染拡大の要因となり得ます。
 常々訴えてきたことではありますが、我々はNHK放送のスクランブル化、つまり受信料を払う人だけにNHKの放送電波を送り、受信料を払わない人には電波を止めるという方式を提案しております。スクランブル放送を実施すれば、見たい人が受信料の支払を催促されなくても自ら受信料を払うことになり、訪問員の戸別訪問は不要となります。
 そこで、大臣に質問です。首相会見で使われた新たな日常という言葉を踏まえた上で、消費生活センターへの相談件数が多いNHK訪問員による各戸別訪問を今後も継続すべきか否かについて、消費者問題を担当する大臣としての考えを聞かせてください。
174 衛藤晟一
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○国務大臣(衛藤晟一君) 消費生活相談に、NHKに関するものと思われるものは、これまで、ここ数年では年間に七千から一万件ぐらい寄せられているところでございます。相談内容としては、受信料の、例えば相談内容としては、例えば受信料の支払に関するものとして、一人暮らしの学生である知人が勧誘員から公共放送の受信契約は皆がしていると言われまして、テレビがないのに契約をしてしまったの相談、訪問員の勧誘、徴収方法に関するものとして、地域で公共放送の受信料の訪問が問題になっている、夜間訪問や居座り行為などをしないように申し入れてほしいとの相談等が寄せられています。
 消費者庁としては、NHKに関連する消費者生活相談が消費生活センター等に寄せられた場合に適切に対応がなされるよう、放送法を所管する総務省とも連携し、必要に応じて対応を進めてまいる所存ではございます。
175 浜田聡
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○浜田聡君 NHKの現在の受信料制度はこれまで何十年と続いてきた制度であることから、そう簡単に変わらないことも理解しております。しかし、やはり時代の流れというものがあります。このNHK訪問員の人件費はおよそ年間七百億円、一日当たり約二億円掛かっております。スクランブル化することでこの経費は大幅削減できると考えております。もちろん感染症拡大の防止にもつながります。
 大きな社会変革につながるこのNHKのスクランブル化、今後も地道に国会に訴えていくことを表明させていただき、次の質問へ移ります。
 緊急事態宣言下における生活保護について質問させていただきます。
 先ほども申しましたが、緊急事態宣言が延長されることが発表されました。今後、感染症による経済的な問題がより一層深刻化し、生活に困窮する人が更に増えることが考えられます。解雇や雇い止めを受け、住居を失う方が増える可能性もあります。政府からは様々な支援策がなされているものの、残念ながらそういった支援策でも自力で生活できなくなる方が出てくる、あるいは現に存在していることが予想されます。
 我が国では自分の力のみで生活できなくなった方々への支援として生活保護という制度があります。この生活保護を申請する際には、従来では、資産や収入だけでなく、家族構成やこれまでの生活歴などを詳しく聞き取る面談での調査が行われると理解しております。
 しかし、人によっては今すぐにでも生活保護を必要としている人がいることが予想される状況で、詳細さを追求する余り、必要な給付が遅れることは命に関わる問題でもあります。また、感染症が拡大している状況において、対面で長時間聞き取りを行うとなれば、福祉事務所でクラスターが発生するおそれもあります。
 そこで、厚生労働省に質問です。こういった状況から、生活保護の認定において、厚生労働省は平常時とは異なり柔軟な運用を認めていると聞いています。その概要を教えてください。
176 辺見聡
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○政府参考人(辺見聡君) お答え申し上げます。
 生活保護を必要としている方に対しましては、確実かつ速やかに保護を実施することが重要でございます。このため、現下の状況において生活保護制度を適切に運用する上で特に留意が必要な事項につきまして、都道府県や市に設置いたします福祉事務所に対して四月七日付けで事務連絡を発出し、周知徹底を図っているところでございます。
 具体的には、保護の申請意思がある方に対する申請の相談に際しまして、生活保護の要否判定に直接必要な情報のみを聴取することとし、その他の詳細については後日電話聴取するなど、感染防止にも配慮し、対面が最小限となるよう工夫すること、また、申請権が侵害されないことはもとより、侵害していると疑われることが、疑われるような行為も厳に慎むことや、速やかな保護決定について特に留意することなどを示しているところでございます。
 また、保護の要否判定においては、現下の状況を踏まえまして、稼働能力の活用の有無について判断を留保できること、一時的な収入減少により保護が必要となる方について、通勤用の自動車ですとか自営業に必要な資産などの保有について柔軟に取り扱うことなどの弾力的な運用を行うよう、今般の事態に合わせた形での周知を改めて行っているところでございます。
 加えて、生活保護が必要な方が適切に保護が受けられるよう、生活困窮者自立支援制度の窓口と福祉事務所の窓口の連携を依頼しているところでございます。
 こうした運用について、引き続き周知徹底を図ってまいる所存でございます。
177 浜田聡
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○浜田聡君 御対応ありがとうございます。
 政府から新たな支援策が次々と出てきておりますが、既存の制度を利用を拡大していく方法もある中で、この生活保護制度は非常に重要であると考えております。従来ですと何かと問題視されるこの制度でありますが、この緊急事態においては話が全然変わってくると思います。仕事がなくなって生活がままならない不安を抱える人々にとってこの制度がよりどころとなり、一人でも多くの方が救われることを心より願っております。
 次に、新型コロナウイルス感染症の治療薬候補の一つであるイベルメクチンに関して質問させていただきます。
 先日、五月六日、北里大学において、ノーベル医学・生理学賞の大村教授が開発に貢献した抗寄生虫薬イベルメクチンを新型コロナウイルス感染症の治療薬として承認を目指す治験を実施するとの報道があります。
 このイベルメクチンに関して、研究結果を慎重に待つ必要があるとは思いますものの、仮に治療効果が証明された場合、国内での需要が大幅に増加する可能性があります。また、この薬の原料を中国に依存しているとの記事もあります。
 今後、イベルメクチンの効果が明らかとなった場合、国内における十分な供給が確保できるかどうかを現時点で分かる範囲で教えてください。
178 吉永和生
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○政府参考人(吉永和生君) お答え申し上げます。
 現在、多くの研究者が新型コロナウイルス感染症に関する有効性が期待される薬の探索を行っている状況でございますが、御指摘のイベルメクチンにつきましてもその中の一つでございまして、他の候補薬と同様に、有効性を示唆する報告はあるものの、現時点におきましては有効性について十分な情報が収集されておりませんで、まずはその有効性について検証を進める段階にあるものと承知してございます。
 現在の需給の状況などについては承知してございませんけれども、今後、有効性に関する十分な情報が集積された場合につきましては、国内における供給確保の方策につきまして関係企業とともに検討していきたいと考えております。
179 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 国内供給をある特定の一国からの輸入に依存していたがゆえに、そこからの輸入が途絶えたことで国内での供給が窮地に陥ることが、マスクを始めとして、今回の新型コロナウイルス感染症の拡大で十分過ぎるほど理解できたと思います。このイベルメクチンはそういったことがないように今から対策を取っても早過ぎることはないのではないかと思って提案をさせていただきました。
 次に、新型コロナウイルス感染症の拡大防止に向け政府が配布を進める布マスクに不良品が相次いで確認されていることに関する質問です。
 配付資料には四月二十一日付けの毎日新聞記事を掲載させていただきました。
 配布マスクに不良品があったとのことで、多くのマスクを配布するに当たり不良品が混入する可能性はできるだけ下げていただきたいというのは私としても当然の願いでございます。
 ただ、今回話題にしたいのは、記事内の写真にあるマスクに関してでございます。もちろん、毎日新聞社という大手新聞社が出した記事に相応の敬意は払いますが、しかし一方で、この写真に関していろいろと不自然ではないかという指摘があるので、少し紹介させていただきます。
 この写真においては、カビが生えたマスクでございますが、このカビに関して、染料を垂らしたような不自然さがあったり、あるいはひもの部分にカビが生えていない点であったり、袋がやけにしわくちゃであったりなどの点が不自然だとの指摘がございました。記事が公開されて翌日に、写真の下に関係者提供の一文が追加されたとも指摘されております。
 そこで、厚生労働省にお聞きします。この写真のマスクは政府が配布したマスクと考えてよいのでしょうか。
180 迫井正深
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○政府参考人(迫井正深君) 御答弁申し上げます。
 妊婦向けの布製マスクにつきましては、一部の市町村により不具合報告があったことを踏まえまして、各市区町村において保管していただいておりますマスクを国に返送いただくこととし、メーカーによる追加の検品及び国による検品がなされたマスクを改めて五月中旬から送付することといたしております。また、全戸向けに配布をいたしております布製マスクにおけるカビ疑い等の不具合につきましては、実際に配布する前、メーカーや検品業者の確認により適切に除外しているところでございます。
 御指摘の記事に記載されていたマスクにつきまして、写真のみでは政府が調達した布製マスクと一致するか否か判別できないためお答えをするのは困難でございますけれども、厚生労働省といたしましては、これまでお答えしてきましたとおり、国民の皆様に安心して御利用いただくために引き続き品質の確保に努めてまいりたいと考えております。
181 浜田聡
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○浜田聡君 政府、厚生労働省としても、この写真内のマスクが政府配布のものであると確認できていない状況は理解しました。
 マスメディアが政府の対応の至らないところを指摘して批判報道をするのは当然あってしかるべきものであると考えます。しかし、こういった報道において、しっかりとした証拠をもって、できれば疑いようのない証拠を用いた報道をすべきではないかと考えております。
 毎日新聞に限らず、日本の報道では、ある対象を批判する際に、ややもすればでっち上げたと疑われるものを証拠として提示したり、本当に存在しているかどうか分からない関係者の証言などを用いることがあるように思います。こういった報道姿勢というものについて、今後も適宜国会で問題視させていただきたいと思います。
 次に、NHK訪問員に関する質問です。
 先ほども申しましたが、我々NHKから国民を守る党は、様々なNHK問題に取り組むことを公約として選挙を戦ってきており、国会にも議席を置かせていただいております。
 NHKに関する数ある問題の中でも特に重大と考えられるのは、契約や受信料を迫って各世帯を回る訪問員、集金人の問題が挙げられます。NHKが委託している業者の訪問員により、強引な手法が全国各地で問題となっております。NHK訪問員による強引な手法による問題は、そのほとんどがNHKの正社員でなく委託業者によるものであります。NHK受信料という金銭債権の回収を、当事者のNHK正社員でなく、その多くを委託業者が行うことを我々は特に問題視しております。
 今回、NHK訪問員と同じように、ある意味公共機関から委託業務を受けた業者の人間が各戸を戸別訪問して未納のお金に関して納付の案内をするものとして、日本年金機構の業務を引き合いに出して質問させていただこうと思います。
 今回の配付資料では、日本年金機構のウエブサイトから業務委託業者のページを掲載させていただきました。資料にありますとおり、国民年金保険料の御案内は民間事業者に委託しております。
 そこで、まず消費者庁にお聞きします。消費生活センターへの相談電話について、NHK委託業者に関する相談件数と比較して、年金回収業者に関する電話相談はどの程度ありますでしょうか。
182 坂田進
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○政府参考人(坂田進君) お答えいたします。
 御指摘の年金回収業者についての相談件数をお示しすることは残念ながら困難でございますが、年金に関連すると思われる消費生活相談の件数は、本年五月六日までの登録分で、二〇一七年度千二十四件、二〇一八年度九百二件、二〇一九年度千七十六件となっており、年間で千件前後で推移しております。これらの相談の中には、年金支払を督促する電話や訪問に関し委託業者の信頼性を確認するものですとか、業者が威圧的だったといった苦情もあると承知しております。
 なお、NHKに関連する相談としては、先ほど大臣より答弁しましたとおり、年間七千件から一万件ほどとなっております。
183 浜田聡
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○浜田聡君 御報告ありがとうございます。
 さて、最後に法務省に質問です。
 NHKも年金機構も、金銭債権の回収を当事者でない委託業者が行っております。こういった債権回収関連業務にもし制限がないとすると、いわゆる反社会的勢力がそれを委託することは容易に想像できるのではないでしょうか。
 そういったことに制限を掛ける法律として弁護士法があります。前回の委員会では、NHK委託業者が戸別訪問時に交渉することが弁護士法違反にならないかどうかを質問させていただきました。今回は、年金機構の委託業務に関して、弁護士法に違反しないかどうかをお聞きしたいと思います。
 年金機構の委託業者の訪問員たちは、基本的には法律どおりに業務を遂行していると理解しております。こういったことから、年金機構の委託業者の訪問員の行為は弁護士法には違反していないと考えていいのではないかと思いますが、法務省の見解をお聞かせください。
184 金子修
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○政府参考人(金子修君) お答え申し上げます。
 今質問の、委員が質問の前提とされていたような委託業者の訪問員の業務につきまして、そういった年金機構から委託を受けた民間事業者がどういうような根拠に基づいて、あるいは具体的にどのような委託を受けて行っているかということについては、法務省としては所管外ですので、お答えすることを差し控えさせていただこうと思いますが、その上で、一般論として申し上げますと、弁護士又は弁護士法人以外の者が、法律に別段の定めがある場合を除き、報酬を得る目的で業として法律事務を取り扱うことは弁護士法七十二条によって禁止されている、これは今委員御指摘のとおりです。
 今御質問の個別の訪問員の業務につきまして法務省として弁護士法に違反するかどうかという問題につきましては、個別の事案の当てはめの問題になりますので、お答えすることが困難であるということを御了解いただきたいと思います。
185 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。いろいろなケースがある以上、そういう答弁になることもある程度理解しました。
 この新型コロナウイルス感染症によって大きく社会が変わろうとしております。NHK訪問員による戸別訪問というものは明らかに時代遅れであり、時代に合わせた制度に変えていくべきであることを訴えさせていただいて、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。

第201回国会 参議院 財政金融委員会 第12号 令和2年5月14日
085 浜田聡
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○浜田聡君 浜田聡です。所属政党はNHKから国民を守る党、参議院会派はみんなの党です。よろしくお願いいたします。
 先日、経済ビジネス情報サイト、ダイヤモンド・オンラインで、ある記事が発表されました。日本が大手半導体メーカーのアメリカインテル、台湾TSMCを国内誘致へとの記事です。
 記事の一部を紹介します。
 新型コロナウイルスの世界的な蔓延を受けて、主要国による製造業の国内回帰、基幹技術の囲い込みが活発化している。経済産業省は世界有数の半導体メーカーの生産開発拠点を日本へ誘致するプロジェクトを進めている。狙いを定めているのがアメリカインテルや世界最大の半導体ファウンドリーである台湾のTSMCなどだ。外資を誘致するプロジェクトではあるが、その真の目的は日本の半導体部材メーカーや半導体製造装置メーカーの国内回帰を促すことにある。海外の強い半導体メーカーに最先端工場を日本に造ってもらうことで、それらに部材、装置を納入する国内メーカーの供給先を日本に確保しようという構想なのだというわけで、記事によると情報の出どころが経済産業省のようでありまして、この記事に関して経済産業省にお聞きします。
 この記事はダイヤモンドとしてはスクープ記事という扱いをしているようなのですが、経済産業省としての公式見解を教えてください。
086 野原諭
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○政府参考人(野原諭君) お答え申し上げます。
 報道は承知しておりますけれども、個別具体的なケースについて現時点で決定していることはございません。
 その上で、一般論として申し上げますが、今年から商用サービスが5Gについては開始をされましたけれども、その三つの特徴のうち、端末の多数同時接続や超低遅延性、リアルタイム性でございますが、こういった機能を強化した、ポスト5Gと呼んでいますけれども、では、自動走行や遠隔医療などが実現されることが期待されております。そのポスト5Gで必要となるキーデバイスでございます先端的な半導体、この生産能力を日本国内で確保していくことは、我が国にとって、産業面での競争力という観点からも、自動走行や遠隔医療が実現した場合にその安全、安心を確保するという観点からも重要であるというふうに考えております。
 このため、国内で製造できる技術を内外の力を結集して確保するとしていくことにしておりまして、を目指しておりまして、本年一月末に成立した令和元年度の補正予算におきまして一千百億円を措置いただいておりますので、同予算を活用して研究開発に取り組んでいくこととしております。
087 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。残念ながら報道内容としては現時点では確定されたものではないということですが、今後に期待していきたいと思います。
 ふだん当たり前のように使っているスマートフォンを始めとする機器などにおいて、半導体は欠かすことができない重要な要素であり、その製造には非常に高い技術を要するものであります。こういった重要なものをできるだけ自国において作ることができる環境を整えることは、日本の国際的な重要性を高め、国益に資するものと考えられます。記事に出てきたインテルやTSMCは、アメリカ政府も誘致に動いているとの報道があり、今後も注目していきたいと思います。
 かつて日本を代表する半導体のDRAMメーカーであるエルピーダメモリを支援したことのある日本政策投資銀行の方にお尋ねします。
 日本政府による半導体産業の国内回帰を目指すような動きが出た場合、日本政策投資銀行がその支援をするつもりはありますでしょうか。
088 渡辺一
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○参考人(渡辺一君) お答え申し上げます。
 当行は、御指摘の経済産業省による外資誘致プロジェクトについては現時点で決定している事実はないものと承知しておりますが、その上で、やはり一般論でございますが、当行といたしましては、特定投資業務などを通じまして、我が国の経済社会の活力の向上、持続的発展に資する企業の競争力の強化、そういったことを積極的に支援することは当行の本分でございまして、成長性や償還の確実性を踏まえながら、事業者に対し的確に支援を実施してまいる所存でございます。
089 浜田聡
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○浜田聡君 今回の感染症によって、マスクを始めとした医療用資材など、サプライチェーンのチャイナ・リスクが顕在化しました。第一次補正予算ではサプライチェーンの国内回帰に二千四百億円の予算が付いており、こういうリスクの管理というものは余り報道されているわけではありませんが、評価すべきものだと思いますし、もっと報道されてもいいとは個人的には思います。
 半導体産業に話を戻しますと、かつて、一九九〇年頃は日本の半導体メーカーは世界シェアの五〇%に達するほどだったのが、現在ではダウンが止まらず、最近だと世界シェア七%程度に低下しているとのことです。現在、国内においては半導体メーカーそのものが実質消滅した状態にあるとも指摘されており、サプライチェーンの国内回帰のためには、外資であれ、大手半導体メーカーを誘致することは重要であると思います。
 政策投資銀行には、民業圧迫や天下りなどの指摘はされていますが、この投資銀行にしかできない、しかも国益を大いに増進する投資をするのであれば、私としては大いに評価したいと思いますし、そういう未来を期待していることを申し添えさせていただいて、次の質問に移ります。
 次は、補正予算の話です。
 今週に入って、政府・与党が新型コロナウイルスの感染拡大による経済への影響を踏まえて第二次補正予算を編成し、今国会に提出するとの報道がありました。
 五月十一日の日経新聞の記事を見てみますと、補正予算の内容に三本柱との表現がありました。三つを挙げていきますと、一、家賃の支援、二、学生の救済、三、雇用を維持しながら従業員に休業手当を支払う企業に国が一部を負担する雇用調整助成金の拡充とあります。
 こういった記事で気になることがあります。それは、消費税減税という言葉は全く見られないことでございます。当然、二次補正予算の記事は日経新聞以外にもありますが、いずれにしても消費税減税の記事がないように思います。
 そこで、財務省にお聞きします。
 現在、第二次補正予算の編成中だとは思いますが、消費税減税に関しては想定されておりますでしょうか。
090 矢野康治
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○政府参考人(矢野康治君) お答えいたします。
 御指摘の点につきましては、先日、麻生大臣から国会におきまして、消費税は国民が広く受益する社会保障の費用をあらゆる世代が分かち合うという観点から社会保障の財源として位置付けられている、昨年の消費税率の引上げは、全世代型社会保障制度へと大きく転換していくためにどうしても必要なものであり、消費税の減税は考えていないと御答弁されているとおりだと存じます。
091 浜田聡
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○浜田聡君 この第二次補正予算に消費税減税がもしかしたら関連してくるのではと私が期待して注目していた理由を申し上げます。
 それは、野党各党で大小様々ですが、消費税減税の話が出ていることが一つであります。もう一つは、三月上旬に、自民党国会議員有志のグループが消費税減税を訴えているとの報道がありました。自民党若手有志による議員連盟、日本の未来を考える勉強会と保守系有志議員のグループ、日本の尊厳と国益を護る会、両グループ合わせて自民党内の百人超が消費税率の引下げを訴える形となっているわけであります。
 そこで、麻生財務大臣にお聞きします。
 こういった百人超の自民党議員が消費税減税を求めていることを受けた上で、今後の消費税減税の可能性についての見解をお聞きしたいと思います。
092 麻生太郎
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○国務大臣(麻生太郎君) 御党と違って、うち、数多いんですよ。だから、何百人もいれば、それは何百といろんな異なった意見が出てきて当然、そう思っていつも対処しております。
093 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 御指摘のとおり、我々NHKから国民を守る党、所属国会議員二人の政党が余り他党のことに口出しできるわけではないというのは重々承知した上で言わせてもらいますと、百人を超えるグループが消費税減税を掲げて記者会見などで訴えても補正予算に全く消費税減税が関連していない状況をやゆする表現として、インターネット上では頑張ったふりという指摘があります。当事者の方が気を悪くされるのでこれ以上言うのはやめておきますが、過去には、自分の所属する政党が消費税減税を進めることに反対をして離党した国会議員の方もいると承知しております。
 百人を超える国会議員の方が本気で消費税減税を考えるのなら、記者会見だけでなく、ほかにもいろいろなやり方があるのではないかということを最後に添えさせていただいて、次の質問に移ります。
 次に、森友学園の民事再生法による経営再建について法務省にお聞きします。
 数年前の話になりますが、森友学園は、小学校開校をめぐる補助金や設置認可の申請に当たり、国や大阪府などに金額の異なる工事請負契約書を提出していたことなどが発覚しました。その後、小学校開校を断念した形となり、資金繰りが悪化し、二〇一七年四月に民事再生法の適用を申請しました。この再生計画は二〇一七年十二月に可決しており、債務総額約二十八億八千万円の九七%を免除してもらい、八千六百万円余りを弁済するとの内容です。
 これに関して、NHKから国民を守る党の党首立花孝志が、先般、八千四百万円を森友学園の再建のために寄附しております。しかし、この計画の管財人である疋田淳弁護士はこの受取を拒否していると聞いております。これでは、民事再生法による経営再建に支障を来すことになります。
 そこで、法務省にお聞きします。
 必ずしも今回の個別案件に特化したものでなく、一般的なお話でも結構ですが、今回のように、再生するために提供されたお金を受け取らずに拒否することは管財人としての注意義務違反にならないでしょうか。お願いします。
094 竹内努
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○政府参考人(竹内努君) お答えいたします。
 委員のお尋ねは、個別の事案における管財人の注意義務違反の有無についてのものでございますので、基本的にはお答えを差し控えさせていただきたいと思います。
 その上で、一般論として申し上げれば、民事再生法上、管財人は善良な管理者の注意をもってその職務を行わなければならないというふうにされており、当該注意義務に違反するかどうかにつきましては、管財人の行為の態様ですとか、あるいは再生債務者の事業の規模等、個別の事案における諸事情を総合的に考慮して、当該管財人が職責を果たしているかという観点から最終的には裁判所が判断されるものと理解しております。
095 浜田聡
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○浜田聡君 この再生計画を進めることでいろいろな可能性があると思います。
 一つは、既に完成した校舎を有効利用できる可能性があるということです。御存じのとおり、小学校の開校計画はこの事件のせいで開校まであと一歩のところで頓挫してしまいましたが、現地には立派な校舎があるわけです。国としては更地にしてほしい希望があるかもしれませんが、数十億円掛かった建物であるわけでして、校舎として使うのが当然なのではないでしょうか。
 もう一つは、この森友事件の鍵を握っていると考えられる酒井康生弁護士を追及できることで事件の真相解明の可能性があることです。この森友事件では、酒井康生弁護士が森友学園の代理人として数多くの契約などを担当してきました。したがって、学校法人森友学園が酒井康生弁護士に対して訴訟をして追及したいところなのですが、現在は、再生計画の下、森友学園の権限は疋田管財人が握っており、森友学園が酒井康生弁護士を訴えることができない状態です。この事件では、酒井康生弁護士が森友学園の代理人となって大阪府や工事業者などと話をしてきたことから、この酒井康生弁護士を追及することで事件の新たな一面が見えてくる可能性があります。
 この森友学園の問題につきましては、今後も適宜質問させていただく可能性がありますが、よろしくお願いいたします。
 ところで、最近、霞が関官僚の方がSNS上で積極的に発信しておられて、私は興味深く読ませてもらっております。今回はそれを基に質問させていただきます。
 以前、元厚生労働省官僚の千正康裕さんが書かれた記事をこの委員会で使わせてもらいましたが、今回は匿名の自称元官僚の方のつぶやきです。匿名ということで、本当に元官僚であるかどうかは定かではありませんが、御容赦ください。
 今回取り上げたい書き込みは、国会議員に配られる電話帳のような分厚さの予算書、決算書の話です。このような分厚い予算書、決算書を七百人を超える国会議員全員に配付することに関して疑義を呈しておられます。この書き込みで驚いたのが、予算書、決算書を国会議員に配付した後で議員会館のごみ捨場に行くと、配付したこれらの予算書、決算書が捨てられているのを見るということです。
 そこで、財務省にお聞きします。
 予算書、決算書配付後にこれらが捨てられているというのは事実でしょうか。財務省がそれを把握すべきだとは思いませんので、把握していなければその旨を言っていただくだけでも結構です。
096 角田隆
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○政府参考人(角田隆君) 私どもとしては把握しておりません。
097 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございました。
 現在は、予算書、決算書の内容は冊子が手元になくてもオンラインで見ることができます。というわけで、提案をさせていただくのですが、こういった予算書、決算書は全員に配付することなく、希望をした議員のみに届けるということにしてはどうかと思います。
 そこで、財務省にお聞きします。
 予算書、決算書を作ることは政府の仕事だとは思うのですが、それを全議員に配ることについては政府、国会が絡んでの仕事になってくると思います。希望者のみ配付して資源や労力の無駄を省くため、冊子配付に関する決まり事などありましたら教えてください。
098 角田隆
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○政府参考人(角田隆君) 議案でございます予算書、決算書につきましては、内閣から国会に提出した後でございますけれども、参議院におきましては参議院規則の二十七条というのがございまして、議長が議案を印刷して各議員に配付すると、そういう規則になってございます。
099 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 予算書、決算書に限らず、配付物は大いに減らす余地があると思います。資源、労力の無駄を省くような取組が少しずつ進むことを願っておりますし、私も協力していきたいと思います。
 最後に、少し時間が余りましたので、診療所で働いておられる方からの意見を御紹介させていただきます。これは質問ではありません。
 熱が出たコロナウイルス感染症疑いの方が他の医院から紹介されてその診療所で診療することになりました。防護服やN95マスク、ゴーグル、キャップ、手袋を完全防備で診療し、時間を掛けて対応します。ここで得られる診療報酬というのは、一般診察の報酬に加えて、新型コロナウイルス感染症疑いの追加報酬として三千円が設定されております。防護服、キャップ、マスクなどの使い捨ての費用だけで、医師と看護師合わせて千から二千円掛かります。さらに、消毒のための手間、消毒アルコール、次亜塩素酸水などなどの費用も三千円の中に含まれておりますし、テント設営、その他感染防御のコストも全て含まれております。
 医療従事者も命懸けで、他の患者さんの診療を停止して対応をして三千円は安過ぎるのではないかという指摘があり、私もそのとおりだと思います。最前線で頑張っておられる方々の頑張りは相応に評価した保険点数を付けないと、誰も新型コロナウイルス感染症の疑いの患者さんを診ないことになります。現に、診療を断られた発熱等の新型コロナウイルス感染症疑いの患者さんを断るケースが多くあるようです。
 診療報酬を適切に設定するのは難しいとは思いますが、たらい回しが起こりにくいようなバランスを考えた診療報酬への設定を是非とも今後試みていただきたいという私のお願いを最後に表明して、私の質疑を終わります。
 どうもありがとうございました。

第201回国会 参議院 地方創生及び消費者問題に関する特別委員会 第5号 令和2年5月15日
135 浜田聡
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○浜田聡君 浜田聡です。所属政党はNHKから国民を守る党、参議院会派はみんなの党です。よろしくお願いいたします。
 委員の皆様には、少数会派にも御配慮いただき、たくさんの質問時間をいただきましたこと、大変感謝しております。
 国家戦略特別区域法の一部を改正する法律案、そしてその他関連事項について質問させていただきます。
 先日の北村大臣による趣旨説明の中で、国家戦略特区がもたらす効果に関する説明がありました。岩盤のように固い規制や制度を打ち砕き、我が国経済社会の構造改革を進める突破口として、様々な分野において規制改革を実現してきているとのことでした。失われた三十年と言われる我が国の停滞を払拭するために、国家戦略特区やスーパーシティに関しては様々な議論を経て是々非々で前に進めていければと考えております。
 我々NHKから国民を守る党は、様々なNHKに関する問題の解決に向けて日々活動をしております。この委員会では何度も口にしてきたことであり、毎回耳にする委員の皆様には大変恐縮ではございますが、数あるNHKに関する問題の中でも我が党が特に重大と考える問題は、契約や受信料を迫って各世帯を回る訪問員、集金人の問題でございます。
 その問題の解決のため、我が党の悲願とも言える政策はNHKのスクランブル化でございます。WOWOWやスカパーのように受信料を払う人だけがNHKの放送を見ることができるようにする、受信料を払わない人にはNHKの放送を見ることができないようにする。対価を払ってサービスを受ける、払わない場合にはサービスを受けることができないということでございます。電気やガス、水道といった公共サービスを考えてみますと当然の話とも言えるわけですが、事NHKの受信料制度というものは数十年の長きにわたって継続してきたという事情もあり、この制度改革はなかなか進まないわけであります。現状ではNHKを見ない人の権利が守られていない状況であると言えます。
 大臣の趣旨説明において、国家戦略特区は、岩盤のように固い規制や制度を打ち砕き、我が国経済社会の構造改革を進める突破口であるとのことでした。NHKの受信料制度も岩盤のように固い規制や制度と言えるわけでして、これを打ち砕き、社会の構造改革を進めるために、この国家戦略特区に委員として関われることに感謝しております。有権者の期待に応えられますよう、NHKのスクランブル化という目標に向けて努力していきたいと思います。
 さて、前置きが少し長くなりましたが、先日の趣旨説明に関して北村大臣に質問です。
 法律案の内容についての概要説明のところで、国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業について、認定事業者の規定に関して説明がありました。国家戦略特区にかかわらず、問題のある事業者が業務に関わらない仕組みを整えておくのは重要であります。問題のある事業者が事業の取っかかりの部分で入ってこないような方針や取組があれば教えていただきたく思います。
136 北村誠吾
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○国務大臣(北村誠吾君) 国家戦略特別区域外国人滞在施設事業につきましては、近年のインバウンド需要の増加等によりまして参入する事業者が大きく増加しており、その事業の適切な運営をより確実に確保することが課題となっておりました。このため、今回の改正案において、暴力団員等に加え、禁錮刑、禁錮以上の刑に処せられ、三年を経過しない者などについては事業者の認定の対象とならない旨を規定することといたしました。同時に、立入検査や業務改善命令の規定も設けることとしており、特区民泊市場の健全な発展に向けて引き続きしっかりと取り組んでまいりたいと認識いたしております。
 以上です。
137 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 更なる確認のために、参考人の方で結構ですので、もう一つ質問させてください。
 先ほどの大臣による答弁である程度御説明いただいておりまして、重複する可能性があれば恐縮ですが、認定を受けることができない者として暴力団員等とありました。この、等として具体的にはどういう者が含まれますでしょうか。
138 村上敬亮
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○政府参考人(村上敬亮君) お答え申し上げます。
 暴力団員等の規定につきましては、これ自身は、暴力団員に加え、暴力団員でなくなった日から起算して五年を経過しない者を含むという意味で等が付いてございます。
 ただ、各号列挙の並びの中で、心身の故障により事業を的確に遂行できない者、破産手続の開始の決定を受けて復権できない者、本法の認定により取り消されて三年を経過しない者に、先ほど大臣も触れました禁錮以上の刑に処せられ三年を経過しない者、暴力団員等がその事業活動を支配する者などに該当する者も認定の対象とならないと、こういう欠格事由の定義となってございます。
139 浜田聡
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○浜田聡君 細かいところの説明、ありがとうございました。
 国家戦略特区において事業者の問題が起きないよう、そして、残念ながら起きた場合には迅速に対処がなされるよう、お願い申し上げます。
 私がこのように問題のある事業者に関してこだわるのは、先ほど申しましたが、NHK集金業務委託業者に問題が続いていることがありまして、それを心配しているからでございます。今回は少し時間をいただき、最近起こったNHK委託業者の事例を取り上げさせていただきます。
 昨年九月に、愛知県の名古屋市や春日井市で、NHKから受信料の集金業務を委託されていた業者により引き起こされた悪質な事件がありました。七十代から八十代の女性三人が現金計約二百五十万円の被害を受けておられます。この事件の当事者は、高齢者を狙い、巧妙な手口を使って犯行に及んでおります。
 手口の概要を簡単に説明しますと、まず、NHKの受信料の集金業務として被害者宅を訪れ、受信料の振り込み手続をするように促します。その際に、業者が持参したタブレット型の機械に被害者のキャッシュカードの暗証番号を打ち込ませます。後日、その業者とぐるになっている別の者が警察官を装って事件の捜査などと偽ってキャッシュカードを受け取って、打ち込ませた暗証番号を使って現金を引き出すという手口です。ここまで巧妙なやり方から鑑みるに、NHKが受信料の集金を委託する業者の中には、いわゆる反社会的勢力が含まれていても不思議はないと言えます。
 さて、このようなNHK委託業者による事件に関して、業務を委託したNHKの責任が重いのは当然のことでございます。
 ここで、NHKと総務省の関係を考えてみたいと思います。
 総務省のウエブサイトを見ると、総務省が所管する独立行政法人、特殊法人などの一覧というものがあります。そこには、日本電信電話株式会社や日本郵政株式会社、放送大学学園などが羅列されておりまして、NHKもその一つであります。つまり、NHKは総務省が所管する特殊法人の一つであるということです。
 そこで、総務省に質問です。
 こういったNHK委託業者による事件に関して、総務省としては責任があると考えているのかそうでないのか、聞かせてもらえますでしょうか。
140 吉田博史
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○政府参考人(吉田博史君) お答えいたします。
 NHKの受信料に係る契約収納業務につきましては、放送法上、許認可の手続が必要なものではございません。ただ、NHKにおいて委員御指摘の事案が発生したことは、受信料によって成り立つNHKに対する国民・視聴者の信頼を損なうものでございまして、総務省としては遺憾なことと考えてございます。
141 浜田聡
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○浜田聡君 我々NHKから国民を守る党は、これまでNHK訪問員によって嫌な思いをしてきた方々から、党首の立花孝志はもちろん、各地の地方議員が中心となって数多くの相談に乗ってきました。また、現在も我が党が運営するコールセンターを中心に全国からの相談に対応してきております。数多くの相談に対応している我々は、NHK訪問員が女性や高齢者などいわゆる弱者を狙う傾向があること、そして、場合によっては大声を出したりドアを蹴ったりするなど悪質な行為をする訪問員が多いことを実感として把握しております。
 その我々が判断するに、今回紹介させていただいた詐欺事件は氷山の一角と考えております。常々問題意識を感じてきたことではありますが、このNHK委託業者による問題は、NHKが委託する業者の選別方法に問題があると考えられます。
 そこで、総務省にお聞きします。
 NHKが委託業者を選別するに当たって、総務省が何らかの指導をしていますでしょうか。また、指導していないのであれば、今後同様の事件の再発防止のため指導する方針はありますでしょうか。お願いします。
142 吉田博史
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○政府参考人(吉田博史君) お答えいたします。
 NHK受信料の契約収納業務の委託先の選定方法については、当該業務を委託するNHKにおいて適切に検討すべきものと考えております。
 NHKにおきましては、当該事案の発生を受けて、本年一月に、委託先選定基準の強化、事業者への管理監督の強化等の再発防止策を公表しているものと承知しております。
 総務省としてのアクションということでございますが、令和二年度NHK予算に付した総務大臣意見におきまして、再発防止に向けたガバナンスの強化とコンプライアンスの徹底に組織を挙げて全力で取り組むこと、受信料に係る契約収納業務全般や協会全体の個人情報保護に関し抜本的な再発防止策を講じ、寄せられる苦情や意見も踏まえて不断の見直しを行っていくことなどを求めているところでございます。
 NHKにおいては、総務大臣意見も踏まえ、再発防止策を徹底していただきたいと考えております。
143 浜田聡
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○浜田聡君 総務省の立場を考えてみますと、自分たちがしたわけではない犯罪に対してこのような追及を受けるというのはもちろん良い気分ではないことは承知しております。
 しかし、このようなNHK委託業者による問題は、NHKに任せているだけでは解決しない問題であると考えています。我が党の立花孝志は、かつてNHK職員であった際に、NHK職員の余りにも腐り切った実態にどうしても黙っていることができなくなり、内部告発に至ったという過去があります。
 何度も繰り返して恐縮ですが、本来であれば、受信料を払う人だけがNHKを見ることができ、受信料を払わない人はNHKを見ることができないスクランブル化をすることで訪問員制度をなくしてしまえば解決するわけでありますが、これの実現にはまだまだ時間が掛かると思われます。困っている人を助けるために、総務省からもNHKへの指導を強化していただけますようお願いします。
 さて、先ほどNHK委託業者に反社会的勢力が含まれている可能性について言及しました。この点に関しては委員の皆様に是非とも共有したいところでございます。我が党の立花孝志は、事あるごとにNHKは反社会的勢力とつながっていると申しております。その根拠としましては、一つは先ほど紹介したような事例があること、もう一つは、反社会的勢力とつながっていると我々が何度指摘しても名誉毀損で我々を訴えてくることがありません。仮に訴訟してくるようなことがあれば、実態が明るみになり、かえってNHKの立場が悪くなるとNHKが判断しているからではないかと推察しています。
 さて、次は地域医療情報連携ネットワークについて厚生労働省にお聞きしたいと思います。
 この地域医療情報連携ネットワークとは何かと申しますと、誤解を恐れずに非常にざっくりと表現するならば、病院間で患者さんのカルテ情報を共有できるようにするサービスと考えています。分かりやすく表現するためにカルテ情報としましたが、より詳細に表現させていただきますと、病院や診療所、薬局、介護施設が患者さんの電子データを共有する仕組みであると承知しております。複数の施設が連携することで、医師が初診時に患者さんの病歴把握に要する負担を軽減できる可能性があると考えられますし、過剰な診療や不要な投薬を防げることが期待されています。海外では、ITを使った共有システムの導入により重複画像検査が一割ほど減少したとの研究報告もあります。
 さて、私は岡山県において病院の勤務医として働いておりました。岡山県では、この地域医療情報連携ネットワークとして晴れやかネットというものがあります。岡山県の別名晴れの国から晴れやかネットという命名をされたのだと推察しています。このサービスは、患者さんのカルテ情報などを岡山県内の病院で共有できるサービスでございます。
 このような地域医療情報連携ネットワークに関して厚生労働省にお尋ねします。全国各地の地域医療情報連携ネットワークが現時点でどうなっているか、その概要を教えてもらえますでしょうか。
144 迫井正深
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○政府参考人(迫井正深君) 御答弁申し上げます。
 地域医療情報連携ネットワークは、患者の同意を得た上で、医療機関の間におきまして診療上必要な医療情報を電子的に共有、閲覧できる仕組みでございまして、各地域のニーズに基づきまして運用されております。
 議員御指摘の岡山県の晴れやかネットのような全県単位のネットワークについては二十六県において運用されておりまして、また、二次医療圏単位でございますとか市町村単位も含めたものも含めて、病病、病院・病院ですね、病院・診療所連携を実施している医療情報連携ネットワークは合計で百五十二運用されてございます。
145 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 この地域医療情報連携ネットワークは、今回配付資料に配らせていただきました。先ほども御答弁いただきましたように、二十六の県において導入されているわけであります。国家戦略特区制度やスーパーシティ構想においては、医療や介護といった分野においてもデータ連携基盤の整備を要することから、地域医療情報連携ネットワークと共通する点は多少なりともあるのではないかと考えています。したがって、今後、国家戦略特区やスーパーシティ構想を考える際に、現状で整備されている地域医療情報連携ネットワークに関して議論する価値は大いにあると考え、今回取り上げさせていただきました。
 さて、次に、私が岡山県でこの地域医療情報連携ネットワークサービスである晴れやかネットを実際に使ってみて非常に困った点を述べさせていただきます。少し厳しい言い方になりますが、不便で使い物にならなかったというのが正直なところでした。その理由としましては、個人情報を過剰に保護しているというところにあるんではないかと考えます。このシステムを利用する場合に、患者さんの情報を各病院に提供する際に同意が必要となるわけなんですが、その際に、患者さんと各病院ごとにそれぞれ同意が必要となっていたことでございます。
 ある患者さんが岡山県内の病院において晴れやかネットを滞りなく利用することになるには、この患者さんが診療を受けることになる病院との間でそれぞれ同意を交わしている必要があるわけですが、現実的にはそううまくいきません。ふだん通院している病院以外で、たまたま救急で、お出かけの際に救急病院などで受診した際には同意は取れていないのが当たり前でございます。先ほど使い物にならなかったと表現したのは、こういうことであります。
 もちろん、今回の委員会でこれまでの先生方の議論にもありましたように、個人情報保護の観点は大事だと思いますが、バランスを考えて柔軟に対応しないと機能に制限が掛かってくるのは、こちらも問題だと思います。私が勤務していた岡山県内の病院の元同僚の話によりますと、今年の一月の段階でこの状況は改善されていないとのことでございました。
 そこで、厚生労働省にお聞きします。地域医療情報連携ネットワークの使い勝手に制限を掛けるような原因である患者さんによる同意ですが、現在も各医療機関が個別に患者さん本人に同意を得ないと利用できないサービスになっているのでしょうか。
146 迫井正深
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○政府参考人(迫井正深君) 御答弁申し上げます。
 地域医療情報連携ネットワークを用いまして医療機関の間で診療情報を共有する場合、これは当然、関連する法令を適切に遵守していただく必要がございます。例えば、個人情報保護法において規定されております要配慮個人情報の第三者提供に当たる場合、今回もそういうことになるわけでございますけれども、同法に基づきまして、人の生命とか身体あるいは財産の保護のために必要である場合で本人が同意取れないというような、そういうような場合を除きまして、患者本人の同意が必要であるということが運用の原則となってございます。
147 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 この岡山県の晴れやかネットですが、私が岡山県内の病院に勤務を始めた二〇一三年に導入されたものでして、かれこれ今年で八年になります。利用において大きな足かせとなってきたものが少しずつ進んでいるような気がするのは喜ばしいことではありますが、これに八年掛かるということにも驚きを感じております。なかなか現場の声が伝わってこなかった点もあるとは思いますので、私も医療者として今後も提言させていただこうと思います。
 もちろん、今回の委員会での議論もありましたように、個人情報保護の観点は忘れないようにしていきます。今回取り上げました各地域での現在の取組が地域戦略特区やスーパーシティ構想に役立つことは当然あると思いますので、適宜協力していただければと思います。
 引き続き今回の法案に関しては是々非々を考えて関わらせていただくことを誓いまして、私の質疑を終わります。ありがとうございました。

第201回国会 参議院 地方創生及び消費者問題に関する特別委員会 第6号 令和2年5月22日
135 浜田聡
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○浜田聡君 浜田聡です。所属政党はNHKから国民を守る党、参議院会派はみんなの党です。よろしくお願いいたします。
 委員の皆様には、少数会派にも御配慮いただき、たくさんの質問時間いただきましたこと、大変感謝しております。
 今回は、国家戦略特区、そしてその他関連事項について質問させていただきます。
 先日の北村大臣による趣旨説明の中で、国家戦略特区がもたらす効果に関する説明がありました。岩盤のように固い規制や制度を打ち砕き、我が国経済社会の構造改革を進める突破口として、様々な分野において規制改革を実現しているとのことでした。
 私の所属するNHKから国民を守る党の目指す方向性について、この委員会では毎回同じことを申し上げておりまして恐縮ですが、簡単に述べさせていただきます。
 我が党は、様々なNHKに関する問題の解決に向けて日々活動しております。その中でも、我が党の悲願とも言える政策はNHKのスクランブル化でございます。WOWOWやスカパーのように受信料を払う人だけがNHKの放送を見ることができるようにする、受信料を払わない人には放送電波に暗号化処理を加えるなどしてNHKの放送を見ることができないようにするということです。地上デジタル放送への移行が完了した今となっては技術的に十分可能となっており、あとは政治的な問題だけと言えるわけであります。
 このスクランブル放送というのは、対価を払ってサービスを受ける、払わない場合にはサービスを受けることができないという至って当然の話とも言えるわけですが、事NHKの受信料制度というものは数十年もの長きにわたり継続してきたという事情もあり、この受信料制度は岩盤のような固い規制や制度と言えるわけであります。
 すぐに打ち砕くことは困難であることは重々承知しておりますが、我が党が国会で議席を得たということは、その実現は少しずつ近づいているということも意味していると思います。NHKの受信料制度という岩盤規制を打ち砕くことを目指して、社会の構造改革に貢献できるよう、この国家戦略特区制度に関しては大きな関心を寄せていこうと思っております。
 さて、今回この法案審議に関わらせていただく関係で、国家戦略特区とは一体何なのかなどの情報を得るために読ませていただいた書籍を紹介します。新潮新書から出版されている「岩盤規制」という書籍で、著者は原英史さんという方であります。御存じの方も多いとは思いますが、簡潔に紹介させていただきますと、元通産省の官僚の方で、安倍、福田内閣で渡辺喜美行政改革担当大臣の補佐官を務められ、規制改革に長年関わってこられた方であり、現在も政策コンサルタントとして非常に御高名な方であります。この著書の中で国家戦略特区について多くのことが記載されており、またスーパーシティ構想についての記載もありまして、読んでいて大変参考になりました。
 本日、まず、この書籍の内容で気になったところがありましたので、幾つかこの場で質問をさせていただく、質問あるいは確認をさせていただこうと思います。ここにおられます委員の先生方にとりましては既に御存じのことが多いかもしれませんが、御容赦願います。
 まずは、北村大臣に国家戦略特区についてお聞きします。
 国家戦略特区に関しては、事前にいただいた法案資料にもいろいろと説明があったわけですが、今回紹介した著書の中で次のような説明がされておりました。国家戦略特区は、いきなり全国で規制改革を実現するのが難しい場合に、まず地域限定で規制改革をやってみる仕組みという説明がなされておりましたが、この説明で特に問題ないでしょうか。何か追加事項あったらおっしゃっていただいても結構です。
136 北村誠吾
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○国務大臣(北村誠吾君) 国家戦略特区は、地域からの様々な御提案やニーズに基づきまして、国、自治体、また民間事業者が一体となって地方創生に役立つ規制改革を実現する制度であるということであります。これまで全国的には実現が困難であった規制改革であっても、地域を限定しつつ、一定の要件を課すことなどにより規制改革を実現してまいりました。今後とも、地域のニーズに基づく御提案にしっかりと応えながら、岩盤規制改革を実現してまいろうと考えているところです。
 以上です。
137 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 規制改革と一言で言っても、実際に全国一斉に導入することが非常に難しい場面は多々あるかと思います。地域限定であればハードルは幾分下がるでしょうから、規制改革を進めていくためこの国家戦略特区を利用するというのは非常に重要な考え方ではないかと思いまして、改めて確認させていただきました。後ほどですが、まず地域限定で規制改革をやってみる仕組みとして実行していただきたいことを幾つか御提案させていただきますので、よろしくお願いいたします。
 もう一つ、書籍の内容から質問です。
 この国家戦略特区ワーキンググループ会議の特徴に関する記述が非常に興味深く思いました。この著者の原英史さんによりますと、この国家戦略特区ワーキンググループ会議は政府に設置された会議の中ではかなり特殊とのことで、内容を一部読み上げます。
 政府には審議会や研究会が数多くあるが、大半は役所の作る政策プランにお墨付きを与える会議だ。こうした会議の運営のポイントは予定調和だ。シナリオどおりに運営し、最後は役所の政策プランに皆賛成する。万一ちゃぶ台返しを、ちゃぶ台をひっくり返すような反対意見が出たりしたら、担当の官僚としては大失態だ。だから、会議の委員には役所と良好な関係にある学者、業界関係者などを選び、そんな事態を事前防止するのが鉄則だ。国家戦略特区ワーキンググループや規制改革推進会議は、こうした予定調和型の会議とは正反対だ。毎回がちゃぶ台返しの連続で、良く言えばエキサイティングな真剣勝負だ。なぜそうなるかというと、会議の中身が基本的に会議委員と役所の対決だからだ。岩盤規制と呼ばれるような難題では、多くの場合、会議委員と官僚との議論だけでは決着しない。議論の状況を総理大臣、大臣などの政治レベルに報告し、判断を求める。委員側の主張に分があれば、こんな規制はさすがに理が通らないと政治レベルでも関係者への説得がなされ、改革が進む。逆に、役所側の主張に分があると判断されたらそこでストップだ。だから、会議での議論はいつもガチンコ討議だ。予定調和とは正反対で、真剣勝負を繰り返しているわけだ。
 以上、引用を終わります。このように、国家戦略特区ワーキンググループは、規制改革を求める会議委員側と規制を担当する役所側が対決するガチンコ討議であると書かれております。
 そこで、国家戦略特区を担当されておられる内閣府の方にお聞きします。現在でも、この国家戦略特区ワーキンググループはガチンコ討議、真剣勝負がなされておりますでしょうか、見解を伺います。
138 村上敬亮
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○政府参考人(村上敬亮君) お答え申し上げます。
 特区ワーキンググループは、国家戦略特区担当大臣の下で、規制の特例措置の実現に向け、その論点や対応を整理し、担当大臣に報告する役割を担ってございます。規制・制度改革が困難な場合、閣議決定によります特区基本方針の定めるところによりまして、民間有識者や規制所管省庁に対しその理由について適切な説明を求めるという場になりますので、時にそのできない理由について説明を求めるという場でございますので、時に激しい議論に及ぶことがあるということは現在でも変わってございません。
139 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 時に激しい議論であること確認できました。非常に興味深いと思います。
 ここでさらに、質問というか提案です。この真剣勝負である会議の様子を録画、撮影した上で、公開してみてはいかがでしょうか。あるいは、既にそういった試みがなされているのであれば教えてください。
140 村上敬亮
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○政府参考人(村上敬亮君) お答え申し上げます。
 ワーキンググループの議事要旨につきましては、ルールの定めるところに従いまして公開をするということでやらせていただいてございます。映像等で公開をしたことはございませんが、議事の内容についてはできるだけ透明性を確保できるよう、引き続き努めてまいりたいと思ってございます。
141 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 既に議事公開されているということなんですが、是非とも録画の方も進めてもらえればと思います。改革が進んで、会議の公開、透明化が進むことを要望しております。
 今回の法案では附帯決議が予定されておりますが、そこには決定に至る過程の透明性の確保や議事内容の速やかな公表という内容も盛り込まれておりまして、会議撮影したものの公表というのは、この附帯決議を担保する意味で非常に意義があるのではないかと考えております。
 また、参議院議員会館の私の事務所には、様々な一般市民の方が意見を書いたファクスを送ってこられることがあります。特に、今回の法案に関しては反対する意見のファクスが多いように思いまして、ここにおられる委員の方、皆様も同様にファクスを受け取っておられるんじゃないかと思います。法案の重要性は認めるところですが、反対される方が少しでも納得されるよう、決定過程の透明化、進めていただくことを要望させていただきます。
 さて、書籍の著者の原英史さん、会議を担当することについての苦労についてこのようにおっしゃっております。再度引用させていただきます。こうした会議の委員をやっていると、役所の官僚から恨みを買うこともある、ともかくやっていて労力とストレスの掛かる会議だ、それでもこれは誰かがやらないといけないということで、規制改革担当されている会議委員の方々の苦労には本当に敬意を表したいと思います。岩盤規制を改革していくために、今後も規制改革の求める会議委員の方々にはガチンコで闘っていただくことを期待しておりますし、もちろん、壊していくべき規制については私も協力していきたい旨を付け加えさせていただきます。
 先ほど、国家戦略特区、いきなり全国で規制改革を実現するのが難しい場合に、まず地域限定で規制改革をやってみる仕組みであることを確認させていただきました。今から、その趣旨にのっとって、国家戦略特区制度を利用して導入してもらいたいこと、二つほど提案させてもらいます。
 一つは、NHKのスクランブル化を地域限定で導入、検討してみてはどうかということです。全国一斉にNHKのスクランブル化をすることは難しいとしても、地域限定であれば不可能ではないと思うわけであります。
 そこで、内閣府の方に質問です。国家戦略特区制度を利用してNHKのスクランブル化を地域限定で導入することに関して見解を聞かせてください。
142 村上敬亮
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○政府参考人(村上敬亮君) お答え申し上げます。
 国家戦略特区は、地域からの様々な御提案やニーズに基づき、国、自治体、民間事業者が一体となって地方創生に資する規制改革を実現する制度でございますが、御指摘のNHKのスクランブル化の関連につきまして、現時点では、恐縮でございますが、具体的な提案がございませんので、ちょっと、ない提案についてコメントすることは、恐縮でございますが、差し控えさせていただきたいと思います。
143 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 地域限定とはいえ、NHKスクランブル化なんてことをNHKが自ら進んでやりたがるわけはないでしょうし、難しい点は承知しております。
 ただ、公共放送や国営放送などのスクランブル化は、他国でも導入の可能性が話題となっております。今回の配付資料で、イギリスの国営放送、BBCの記事を用意させていただきました。先般、イギリス政府は、BBCにおいて受信料に相当するテレビライセンス料を廃止し、希望者のみが視聴料を払う課金制の導入を視野に入れた見直し作業を進める、作業を始める意向という報道がありました。今後、イギリスの状況に注目しつつ、国内でもNHKスクランブル化の方法を引き続き考えていきたいと思います。
 引き続き、国家戦略特区を利用して導入してもらいたいことの二つ目を申し上げます。それは、選挙でのインターネット投票でございます。
 現在、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため、投票所でいわゆる三密を避けるための様々な工夫がなされておりますが、インターネット投票であれば、その心配はありません。また、外出自粛のため投票率が下がっている中、より多くの方が投票する、投票に行く起爆剤になる可能性があります。
 インターネット投票に関して海外事例を紹介させていただきますと、エストニアの事例が有名だと思います。この国では、国政選挙でインターネット投票が可能となっており、パソコンだけでなく、スマートフォンからも投票が可能なようです。投票所に行っての投票も可能でありまして、国民が投票所での投票であったりインターネットでの投票を、両者を選べるようになっています。また、国内では、昨年、つくば市で社会事業の最終審査でインターネット投票が行われております。エストニアの件、つくば市の件に関して、配付資料として用意させていただきました。
 ここで、内閣府の方に質問です。国家戦略特区制度を利用してインターネット投票を地域限定で導入するという提案に関して見解を聞かせてください。
144 村上敬亮
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○政府参考人(村上敬亮君) お答え申し上げます。
 今ちらっと出ておりましたが、スーパーシティ構想についてアイデア公募をした中で、検討中のアイデアということで、インターネット投票について御検討されている方がいるという話は承知をしておりまして、それらの方々の御議論を伺っておりますと、コロナウイルス対策での外出自粛が要請される状況下で有効ではないか、若しくは周辺部の高齢者で投票所まで行く方の対応に重要ではないかといったようなお話はございました。
 ただ、恐縮でございますが、まだこれらも正式な提案としては頂戴をしていないという状況でございますので、具体的にコメントすることは差し控えをさせていただきたいと思います。
145 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。地域によっては積極的な声が聞こえているということ、うれしく思います。
 エストニアの国政選挙でインターネット投票が導入された際には、選挙結果が大きく変わったという報告があります。こういうことから、導入には大きな抵抗があることは覚悟して進めていく必要があると考えております。
 先日、インターネット投票を法案として進めてみようと思いまして、参議院の法制局に骨子の作成を依頼してみました。その際に法制局から教えていただいたのですが、過去にこの参議院でもインターネット投票の法案が複数回提出されていたとのことでした。第百八十回と百八十二回の国会ではみんなの党が提出しており、百九十二回と百九十三回の国会では維新の会が提出されていたとのことであります。いろいろと抵抗勢力はあると思いますけど、法案提出されているということは賛同する方も多いということだと思いますし、少しずつ世論の後押しをいただきながら進めていきたいと思います。
 さて、次に、少し話変わりまして、情報セキュリティーと業務効率向上に関して、ネットワーク端末利用時のログイン方法に関して総務省と厚生労働省の方に質問させていただきます。
 お手元の資料に、総務省のウエブサイトにある国民のための情報セキュリティサイトの一部を用意させていただきました。ここにはパスワード管理の注意点が幾つか書かれておりまして、今回はパスワードの定期的な変更に関する記述に注目をしていきたいと思います。
 資料最後のところに次のような記載があります。読み上げます。
 これまでは、パスワードの定期的な変更が推奨されていましたが、二〇一七年に、米国国立標準技術研究所からガイドラインとして、サービスを提供する側がパスワードの定期的な変更を要求すべきではない旨が示されたところです。また、日本においても、内閣サイバーセキュリティセンターから、パスワードを定期変更する必要はなく、流出時に速やかに変更する旨が示されていますとありますように、パスワードの定期的な変更は、かつては推奨されていたんですが、その後、変更は要求すべきでないというように変遷したとの記載があります。
 そこで、総務省に確認というか、質問です。企業、組織でネットワークに接続した端末を使う際、現在もパスワードの定期変更は推奨されていないという認識でよろしいでしょうか。
146 二宮清治
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○政府参考人(二宮清治君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、総務省のウエブサイト上におきまして、パスワードの流出等がない限りはパスワードの定期的な変更は不要である旨を周知をしているところでございます。これは、定期的な変更を行うことで、パスワードの作り方がパターン化して簡単なものになることや使い回しをするようになることが問題となるためでございます。そのため、定期的な変更よりも機器やサービスの間で使い回すことのない固有のパスワード設定を求めているところでございます。
147 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 引き続き、総務省にお聞きします。御参考までに、総務省内で職員の方がネットワークに接続した端末を使う際のシステムはどのようになっているか、教えてもらえますでしょうか。
148 岡崎毅
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○政府参考人(岡崎毅君) お答え申し上げます。
 総務省におきましては、LAN端末のログイン認証には原則として指紋認証を用いております。指紋認証を利用できない場合に限りパスワードによるログインを併用しておりますけれども、この際に用いるパスワードは、十分な文字数等を確保した上でパスワードの定期変更を求めないということとしております。
149 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 さすがはこのような国民のための情報セキュリティサイトを公表している総務省だけあって参考になる話だと思います。最近ですと、生体認証や顔認証もありますし、スマートフォン端末などを利用しての二段階認証などもあります。施設ごとに積極的に導入を進めていけばいいのではないかと思います。
 ここで、先ほどと同じ質問を厚生労働省の方にお聞きします。厚生労働省内で職員の方がネットワークに接続した端末を使う際のシステムはどのようになっていますか、教えてもらえますでしょうか。
150 椿泰文
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○政府参考人(椿泰文君) 厚生労働省LANシステムにおきましては、ログイン時のパスワードについて定期的に変更しなければシステムを継続して利用できない仕組みとしております。
151 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 今回、厚生労働省の方にこの質問をしたのは理由があります。それは、全国の病院で使われている電子カルテサービスで、端末にログインする際にいまだにパスワードの定期変更を要求されるところがあるからです。
 幾つかの病院の状況を聞いてみますと、いまだに電子カルテ端末にログインする際のパスワードの定期変更が要求されております。先ほど御答弁いただきましたように、厚生労働省においてパスワードの定期変更が要求されているようだと致し方ないなと思うわけですが、業務効率改善のために、現在その効果が否定されているパスワードの定期変更というやり方は改善していくべきではないかと思います。
 そこで、厚生労働省の方に質問というか提案です。日本各地の病院で電子カルテサービスにログインする際にパスワードの定期変更が要求される現状なのですが、電子カルテサービスの企業などにパスワードの定期変更要求を廃止するような働きかけを厚生労働省からできませんでしょうか。
152 椿泰文
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○政府参考人(椿泰文君) 厚生労働省で定めております医療情報システムの安全管理に関するガイドラインにおきまして、患者情報を取り扱う医療情報システムの性格に鑑みまして、容易に類推できないパスワードを使用しつつ、定期的なパスワード変更を行うことを求めております。
 ただ、定期的な変更は、パスワードの作り方がパターン化して簡単なものになったりパスワードの使い回しをするといった課題があることも認識しております。一方で、定期的なパスワード変更を不要とすることは、医療情報システムの改修を伴うといった課題もあると認識しております。
 現在、厚生労働省ではガイドラインの改定を検討しておりまして、有識者の御意見をお伺いしながら、高いセキュリティーが求められる医療情報システムへのログイン認証の適切な在り方について検討することとしております。
153 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。いろいろと検討をされていることを報告をいただきましてありがとうございます。
 内閣サイバーセキュリティセンターであったり総務省が定期変更の必要なしとの方針を打ち出してもなかなか進まないところには、縦割り行政の弊害のようなものを感じております。今回は医療の分野でお話しさせていただきましたが、これはこの分野に限らない話だと思います。
 例えば、私、ネット銀行のサービスを使っておりますが、それ自体すごく重宝しておるわけなんですが、残念ながら、このネット銀行、いまだにログイン時のパスワードの定期変更が求められておりまして、今後、金融庁に相談させてもらう必要があると考えております。縦割り行政の弊害については従来から言われていたことでありまして、なかなか改善するものではないと思いますが、少なくともこの委員会におきまして共有させていただきたいと思い、今回取り上げさせていただきました。
 最後に、規制改革が必要な理由に関して、今回書籍で紹介させていただいた原英史さんの見解を踏まえて御意見を申し上げさせていただきます。質問ではありません。
 規制改革が必要な理由は、単に現状の規制がばかばかしいからではありませんし、利便性が損なわれているという程度の問題でもありません。本質的な理由は、こうした規制が日本の経済成長を阻んできたこと、そしてこれから更に日本を貧しくしかねないことであります。
 日本で岩盤規制と呼ばれるものの多くは、世界では前世紀に解決した言わば過去の課題となってきております。典型的な一例を申し上げますと電波オークションでして、世界の先進国では大体九〇年代に導入されております。一方、日本では電波オークションに関してはいまだに検討中であります。それ以外にも、もう二十年ぐらい同じような議論をしている課題が幾つかあるのではないかと思います。
 規制改革に苦しんで出遅れつつある日本でございますが、遅れてきたからこその大逆転もあると思います。そうなることを願いつつ、私としても今後規制改革に協力していくことを宣言させていただきまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。

第201回国会 参議院 行政監視委員会国と地方の行政の役割分担に関する小委員会 第2号 令和2年5月25日
088 浜田聡
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○浜田聡君 浜田聡です。所属政党はNHKから国民を守る党、参議院会派はみんなの党です。よろしくお願いいたします。
 委員の皆様には、少数会派にも御配慮いただき、質問時間いただきましたことを大変感謝しております。
 我々NHKから国民を守る党は、有権者の方々の声に応えるため、様々なNHKに関する問題の解決に向けて日々活動しております。我が党の最終目標と言える政策は、NHKのスクランブル化でございます。WOWOWやスカパーのように、受信料を払う人だけがNHKの放送を見ることができるようにする、受信料を払わない人には放送電波に暗号処理を加えるなどしてNHKの放送を見ることができないようにするということでございます。地上デジタル放送への移行が完了した今となっては技術的に十分可能となっておりまして、あとは政治的な問題だけと言えるわけです。
 このスクランブル放送というのは、対価を払ってサービスを受ける、払わない場合にはサービスを受けることができないという至って当然の話とも言えるわけですが、しかし、このNHKの受信料制度というものは、数十年もの長きにわたって継続しておりまして、また様々な利権も絡んでいることから、すぐに改革、スクランブル化の実現をすることが難しいというのが実情です。
 そういった事情は重々承知しておりますが、我が党が国会で議席を得たということは、NHKのスクランブル化を望む声が相応にあるということのあかしでありまして、その実現は少しずつ近づいているということも意味していると思います。スクランブル化を実現するため今後も国会で繰り返し提言させていただきますが、どうぞ御容赦ください。
 前置きが少し長くなりましたが、質問に入ります。
 今回の委員会では、まず政府・与党の国会議員の方にNHKのスクランブル化の是非についてお聞きしたいと思います。現状の受信料制度では、見たくもないのに受信料を払っている者がばかを、失礼、見たくもないのに受信料を払わされている人がいる一方、見ているのに受信料を払っていない人もいます。正直に受信料を払っている者がばかを見る状況と言えます。スクランブル化をすればそういった問題はすっきり解決することにつながると思うわけです。
 そこで、木村弥生総務大臣政務官に質問です。
 NHKのスクランブル化を将来的に導入すべきか否かについて意見を聞かせてもらえますでしょうか。
089 木村弥生
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○大臣政務官(木村弥生君) NHKは、放送法上、あまねく全国で受信できるように措置すること、そして豊かで良い番組を放送し、地方向け番組も提供することなどが求められております。料金を支払う方のみが受信できることとなるスクランブル化は、広く国民・視聴者を対象とする公共放送の役割になじまないものと考えております。
 なお、主要国の公共放送機関につきましてもスクランブル放送を行うものは承知しておりません。
 以上でございます。
090 浜田聡
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○浜田聡君 木村政務官の見解をお話しいただき、ありがとうございました。
 NHKのスクランブル化をすべきであるというのは我が党の意見だけではございません。一例を申し上げますと、昨年の参議院議員選挙では、維新の会さんもNHK改革を公約の一つとしております。防災情報などの公共性の高い分野は無料化、そして、有料部分は放送のスクランブル化を掲げておられまして、我が党の主張と何ら矛盾することでもございませんので、もろ手を挙げて応援したいところでございます。今後、より多くの国会議員の先生方の同意を得られますよう、今後も引き続き努力していきたいと思います。
 さて、今回の委員会では、国と地方の行政の役割分担に関する小委員会でありまして、そこで、地方行政とNHKの関係について見過ごせないことがありまして、総務省に質問させていただきます。
 NHKが第三者請求に基づいて住民票の写しを取得していることに関して、地方自治体の対応に関する質問でございます。
 NHKと契約をしている者が引っ越し、転居した場合に、NHKは、その転居した者が引き続き契約に至るよう、その住民票を取得、住民票の写しを取得することが可能です。もちろん、放送法によって、テレビなどを所持している世帯はNHKと契約の義務がありますので、その義務を遂行させるためにNHKが住民票の写しを取得すること自体は問題がございません。ただし、その際に要する手続が余りに簡素過ぎるのではないかと思って問題提起させていただきます。
 通常、第三者の住民票を取得する際には、裁判所の判決文のような債務名義を示すもの、督促状、債権債務の分かるもの、契約書の写しなどの疎明資料が必要です。一方、NHKが転出者の住民票を取得する際には、比較的簡単にそれらを取得することができるようになっておりまして、これが問題ではないかと思うわけです。
 現に、目黒区議会や船橋市議会での議事録によりますと、契約書の写しや債権債務の分かるような疎明資料がなくてもNHKは住民票の写しを取得できることが確認されております。現時点では、自治体ごとの多少の違いはあると思いますが、恐らく多くの自治体でNHKの特権が認められておりまして、NHKの職員証を見せれば住民票を通常より簡潔な手続で取得できるようになっていることが予想されます。
 そこで、総務省に提案、質問でございます。
 全ての自治体に、NHKが住民票を取得する際には、最低限契約書の写しなどを提出させるように、国が主体となって制度変更すべきではないかと思うんですが、政府の見解をお聞かせください。
091 高原剛
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○政府参考人(高原剛君) 御答弁申し上げます。
 市町村長は、住民基本台帳法第十二条の三第一項の規定により、住民票の記載事項を利用する正当な理由がある者から住民票の写しが必要である旨の申出があり、かつ当該申出を相当と認めるときは、当該申出をする者に当該住民票の写しを交付することができることとされております。
 また、住民票の写しの交付等に関する省令第十条第一項後段の規定により、市町村長は、必要と認めるときは、当該申出をする者に対し、住民票の写しの利用の目的を証する書類の提示又は提出を求めるものとされております。
 総務省としては、住民基本台帳法第十二条の三第一項の規定により、市町村長が住民票の写しを交付することができる場合として、従来、都道府県を通じて、市町村に対し、日本放送協会の役員又は職員がその法人の法令による事務を円滑に遂行するために関係者の住民票の写しを取得する場合を例示しております。
 一方で、当該申出を受けた市町村長が、省令第十条第一項後段の規定に基づき、どのような書類の提示又は提出を求めるかについては、市区町村長において個別具体の事案に即して判断いただくべきものというふうに考えております。
 以上でございます。
092 浜田聡
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○浜田聡君 個別具体的、まあ個別に判断せよという答弁であったと思います。
 これまで長い慣習となっていたこの制度なんですが、恐らく変更することはなかなか難しいと感じております。ただ、この件に関して自分なりに分かりやすく整理して意見申し上げますと、NHKを性善説で見るか性悪説で見るかという考え方の違いだと思います。
 NHKというのは公共放送でありますから、住民票で個人情報を渡しても問題がない、そういう考え方が長年まかり通ってきたからこその現状であると思っております。しかし、現実はそう甘くはありません。NHKの不祥事が多いというのは、皆様御周知のとおりです。一部ではありますが、NHK委託業者が悪質な行為を働くということは多くの人々が周知するところでございます。
 今回提案させていただいたことは、NHKが転居者と再契約をするために住民票の写しを取るのであれば、以前の契約書ぐらいは準備させてくださいということなんですから、至って当たり前のことではないかと考えております。
 NHK委託業者による詐欺が巧妙化しているケースも見受けられまして、そういう事情を鑑みますと、ここで地方行政にお任せするのではなく、日本政府が適切に御対処いただくかどうかによって被害に遭う人が一人でも減ることにつながりますし、そうすべきであろうと思います。
 最後に付け加えさせていただきますと、冒頭申し上げたNHKのスクランブル化をすれば、そもそもこういった議論は不要でございます。今後も引き続き国会内外で提言させていただくことを誓いまして、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。

第201回国会 参議院 国民生活・経済に関する調査会 第3号 令和2年5月27日
012 浜田聡
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○浜田聡君 浜田聡です。所属政党はNHKから国民を守る党、参議院会派はみんなの党です。よろしくお願いいたします。
 少数会派に意見表明の場を設けていただけることに感謝いたします。
 この調査会のテーマを再確認してみますと、三年間を通じた調査テーマが「誰もが安心できる社会の実現」、その中で一年目の調査テーマが「困難を抱える人々の現状」となっております。今国会での調査会では二回参考人質疑が行われており、それぞれ、子どもをめぐる諸問題、外国人をめぐる諸問題についてお話を聞かせていただきました。
 そこで、今回はこの二点、子供、外国人に関して、自分の所属する政党の主張を踏まえてお話をさせていただきます。
 NHKから国民を守る党は、御支援をいただいている方々の声に応えるため、様々なNHKに関する問題の解決に向けて日々活動しております。数あるNHKに関する問題の中で、多くの国民に影響を与えるのが悪質なNHK訪問員の問題でございます。
 NHKの訪問員は受信契約をしていない世帯を回って契約や受信料の支払を要求するわけですが、その際に、時に強引なやり方をする者がおり、住民との間でトラブルが生じることがございます。最近の参議院の各種委員会において明らかになったこととしまして、消費生活センターへの相談においてNHKに関する不満が非常に多いことが度々取り上げられております。
 そういったNHK訪問員から国民を守るために、我が党では、各地方議員がお困りの方から電話相談を受け付けておりますし、また、昨年よりコールセンターも開設して相談に乗っております。
 NHK訪問員により困った方々から多くの相談を受けるに当たり、悪質な訪問員に共通する特徴があります。それは社会的弱者を狙っているということです。訪問先が屈強な男性の場合などすぐに諦めるのに対し、相手が一人暮らしの女性や高齢者の場合、インターホン越しで対応するとドアをたたいたり大声を出したりなど嫌がらせをして契約を迫る行為が多数確認されております。最近はNHK訪問員による行為が動画撮影され多数拡散されており、本調査会の先生方にも是非一度ユーチューブなど動画サイトでNHK訪問員で検索いただければと思います。
 そこで、まず、子供についての事例をお話しします。
 NHK訪問員が、親が不在時で子供が対応した際に、子供に詰め寄るという報告が確認されております。親がいつ帰ってくるのかを何度も聞いてドアを閉めさせないなどの行為が確認されております。子供は非常に怖い思いをしており、後で帰宅して子供から報告を聞いた親が相談電話をして教えてくれました。シングルマザー世帯であったり共働きで両親不在が多い世帯が多くて、受信料を払う余裕のない世帯の子供が被害に遭うことが多いように思います。
 次に、外国人についての事例をお話しします。私が把握している例の報告です。
 外国人技能実習生のアパートにNHK北海道中央営業センターの受託業者が来て、意思の疎通がないまま、名前と住所を書いてと言われて契約をさせられました。しかも、引き落とし口座はその実習生の大事な口座です。お金を払わなくていいからと言われたとのことですが、しかし、契約書の控えには支払は二か月払いと書かれていたとのことです。実習生は怖かったようで、テレビ契約したとしか分かっていません。
 支払はその契約行為に至るまでが正当であれば何も言いませんが、経過が大問題で、その実習生を雇っている会社の社長さんが感情が高ぶって報告してこられました。社長さんは外国人技能実習生にはこのNHKの行為を母国にも拡散しなさいと指示しているとのことで、NHKの行為が国益を毀損していると言えます。
 また、昨年は、愛知県でベトナム人の方がNHK訪問員とトラブルになって消火器噴射してニュースになりましたので御存じの方がいるかもしれません。
 以上、今回は、困難を抱える人々の現状として、NHK訪問員による子供や外国人が受ける被害、NHK訪問員が社会的弱者を狙っている現状についてお話しさせていただきました。委員の皆様に御共有いただきたく思います。
 以上で私の意見表明を終わります。ありがとうございました。

第201回国会 参議院 地方創生及び消費者問題に関する特別委員会 第8号 令和2年5月29日
104 浜田聡
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○浜田聡君 浜田聡です。所属政党はNHKから国民を守る党、参議院会派はみんなの党です。よろしくお願いいたします。
 委員の皆様には、少数会派にも御配慮いただき、質問時間いただきましたことを大変感謝しております。
 今回の委員会は、地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律案の審議ということで、地方分権改革中心に質問させていただこうと思います。
 あらかじめいただきました法案説明の資料を拝見しますと、地方分権改革が本格的に始まったのは、平成五年の衆参両院における地方分権の推進に関する決議辺りからではないかと理解しております。それから現在に至るまで様々な取組がなされてきて、今後も進められていくものと考えております。
 地方分権と対になる言葉として中央集権という言葉があります。これらの言葉に関連して歴史を簡単に振り返ってみますと、我が国では明治時代にいわゆる中央集権型行政システムが確立されました。このシステムは第二次世界大戦後も形を変えながら維持され、我が国が戦後に急速な復興、経済成長を果たす上で大いに役立ちました。
 一方で、国民が経済的に豊かになるにつれて、ニーズは多様化し、従来の中央集権型行政システムでは的確に対応することが困難な課題が生じてきました。例えば、東京の一極集中の是正、個性豊かな地域社会の形成の必要性、少子高齢化への対応などです。このため、中央集権型行政システムから地方分権型行政システムへ転換を図り、地域のことは地域で決める、地域のことは地域住民が決めることができるようにすることが必要となってきたものと理解をしております。
 さて、地方分権と関連する言葉として、補完性原則という言葉があります。今回、この言葉に関して北村担当大臣に質問させていただきます。
 補完性原則は何かというと、自治体でできる基礎的なことは全部そこでやる、そこでできないことを国が補完してするという原則のことであります。最近の政府による地方分権改革において、この補完性原則という言葉はどういった位置付けとなっておりますでしょうか。
105 北村誠吾
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○国務大臣(北村誠吾君) 補完性の原則は、住民に身近な行政はできる限り地方公共団体に委ねることを基本とし、委員御指摘のとおりでありまして、基礎自治体が広く事務事業を担い、基礎自治体が担えない事務事業は広域自治体が担うこととし、国は広域自治体が担うことができない事務事業を担うこととすると、このことによってそれぞれ本来果たすべき役割を重点的に担っていくという考え方であると認識をいたしております。
 また、地方分権改革は、個性を生かし自立した地方をつくるために、委員御指摘のまさに補完の原則に基づき権限移譲や規制緩和等を推進いたすことで、国が本来果たすべき役割を重点的に担うとともに、住民に身近な行政はでき得る限り地方公共団体が担えるようにする取組であるし、平成二十六年六月の地方分権改革有識者会議の報告書でも同様の見解が示されたところでございます。
 現在の提案募集方式による取組におきましても、補完性の原則、この考え方を基本といたしておりますし、地方分権改革において重要な考え方であると認識いたしておるところです。
106 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。大臣と考えが一致するということが確認できました。
 この補完性原則という言葉は、EUの地方自治憲章の条文に盛り込まれている言葉であります。それによると、欧州統合に際して、EUと各国政府の関係を整理するためのよりどころとされたものであるが、一国内の中央政府、自治体、NPOの役割分担にも援用できるとのことです。もちろん、中央集権から始まって地方分権を進めている我が国と、元々個々の国があってそれらが統合したEUとは話の前提が異なるのは確かですが、地方分権を進める上で重要な原則ではないかと考えて、今回取り上げさせていただきました。
 さて、地方分権を本格的に進めていくとなると、少し極端かもしれませんが、幾つかの中央省庁はなくなる可能性を指摘する意見もあります。元財務官僚で嘉悦大学教授の高橋洋一先生は、洋一先生の著書によりますと、地方分権が進んでいくと、最後に残るのは国の財政を担う財務省であったり防衛を担う防衛省、あと法務省、外務省ぐらいでは、残るのはそういった省庁ぐらいではないかとのことです。もちろん、どこまで地方分権が進むかにもよりますので、本当に省庁がなくなるかどうかは分かりませんが、地方分権が進むことでお金も権限も地方に渡っていくことは避けられないのではないかと思います。
 ここで問題になってくることは、そうなっていく場合の霞が関の中央省庁による反発であります。霞が関の各中央省庁はお金や権限を地方に渡すことを嫌がる、地方分権を嫌がるという見解は先ほど紹介した高橋洋一先生がおっしゃっていることではありますが、ほかの方による同じような意見も拝見することがあります。
 そこで、地方分権を進めている内閣府に質問です。
 他の省庁による地方分権への反発と感じることはありますでしょうか。そして、あるとすれば、そのような状況で地方分権を進めるために大事なことは何であると考えられますでしょうか。
107 宮地俊明
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○政府参考人(宮地俊明君) お答え申し上げます。
 地方分権改革の推進は、総理を本部長として全閣僚により構成される地方分権改革推進本部を設置し、政府一体となって取り組んでいるところであります。
 提案募集方式の取組におきましても、各府省において提案のあった事項について、地方の抱える課題の解消に向け真摯に検討いただいているものと考えております。その結果、平成二十六年の提案募集方式の導入以降、地方からいただいた提案のうち、内閣府が関係府省と調整を行った案件の約四分の三につきまして、提案の趣旨を踏まえた対応などを行ってきたところであります。
 今後とも、地方からの提案をいかに実現するかという基本姿勢に立ち、政府一体となって取り組んでまいりたいと考えているところであります。
 以上でございます。
108 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 先週のこの委員会で、私、国家戦略特区ワーキンググループや規制改革推進ワーキンググループでは、既得権益を守る側と切り崩していく側とのガチンコの闘いが行われているということを話題にさせていただきました。地方分権においても、各省庁の反発が予想される中、改革を進めていくというのは本当に大変だと思いますが、そんな困難な状況を切り開いていこうとする努力に敬意を表します。
 地方分権は進めるべきかどうかというのは国の在り方をどうするかという問題でもありまして、有権者の意思が大事になってきます。そういう意味では、この国会での議論が極めて大事になっていきますので、今後も真摯に取り組んでいきたいと思います。
 次に、地方分権に関して財務省に質問させていただきます。
 先ほど紹介させていただいた元財務官僚の高橋洋一さんによりますと、財務省は大きな政府は好きで地方分権は嫌いという記載がありました。財務省内にもいろんな方が、考え方の方がおられると思いますので、これが事実かどうかはさておいて、地方分権と関連して、財源の一つである税源についてお話を聞きたいと思います。
 国と地方の税源というと、シンプルに考えれば国税と地方税という分類があるかと思いますが、地方分権を進めていくと、国税から地方税への税源移譲という話が出てくる可能性があるのではないかと思います。
 そこで、質問です。国税から地方税への税源移譲を進めるべきか否かについて、財務省としての見解をお聞きしたいと思います。
109 小野平八郎
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○政府参考人(小野平八郎君) お答え申し上げます。
 まず、地方分権につきましては、先ほど内閣府からも答弁がありましたように、全閣僚メンバーの本部にて推進をしているということで、財務省としても政府の一員としてしっかり取り組んでまいりたいと思っております。
 財務省、当然財政、税制を所管しておりますので、私どもの仕事といたしましては、地方公共団体が地域の実情に応じた重要な課題にしっかりと取り組むことができるように、安定的な財政運営を行うことができるよう必要な財源を確保するということであると考えております。その手段としては、当然地方税が主幹でありますけれども、地方交付税あるいは補助金といった様々な国の予算措置も含めて総合的に対応していく必要があるものと考えております。
 なお、御質問の税源移譲でございます。これにつきましては幾つか問題があると思っておりまして、一つは、単純にその一つの税源を国から地方に移すとした場合に、これ、地方によっては税源の力に非常に格差が大きくなりますので、地方間の財政力格差が現状よりも広がってしまう可能性がないわけではないということが一つございます。それから、地方総体の財政状況と国の財政状況を比べた場合に、国の財政状況が御案内のように非常に厳しい状況にあるということもございます。
 そうしたことも踏まえますと、国から地方への税源移譲ということについては極めて慎重な検討が必要であるものと考えております。
110 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。財務省としての御見解、参考にさせていただきます。
 さて、ここで、地方公共団体の税以外の財源を確保する方法として、この委員会でもほかの委員の先生方のお話でも出てきましたが、地方債を考えてみたいと思います。都道府県や市区町村といった地方公共団体が必要な資金を調達するために発行する債券でございます。昨今の新型コロナウイルス感染症の経済対策等で地方の財源が問題となっている現状では重要な話と考えて、今回取り上げさせていただきました。
 そんな中、私が最近拝見する提案の一つに、日本銀行がこの地方債を買入れしてみてはどうかというお話がございます。この新型コロナウイルス感染症を受けて、日本銀行は先月辺りから様々な追加緩和政策の方針を出してきています。国債の買入れ上限撤廃であったり企業金融支援策の拡充などが発表されています。その流れで地方債を買入れ対象にしても不思議ではないと思うのですが、最近の黒田総裁の意見表明では、地方債の買入れについては現時点では慎重な姿勢とのことでした。これに関しては配付資料に用意させていただきました。ただし、まだまだ新型コロナウイルス感染症の対策を継続していく必要があると考えるならば、当然地方の財源の問題は続くと思いますので、日本銀行も考えを改めていく必要があるとは思います。
 他国の例にはなりますが、アメリカですと、FRBが人口二十万以上の市であったり五十万以上の郡の地方債を買入れしているという報告があります。
 もし日本銀行が地方債買入れ方針を出すとすれば、地方公共団体としても地方債をより出しやすくなるということがあるのではないかと思います。ただし、日本銀行が地方債を買い入れることについて調べてみましたところ、いろいろと話がややこしくて、いろいろな障害があると思いました。ですが、検討する価値は大いにあると思いますので、今回は総務省に幾つか質問させていただこうと思います。
 まず、通告しておいた一番と二番の質問をまとめて聞きます。地方債の残高は幾らでしょうかということと、また、その中で市場に出てくる公募の地方債の残高は幾らか、教えてもらえますでしょうか。
111 谷史郎
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○政府参考人(谷史郎君) お答え申し上げます。
 平成三十年度末現在の地方債の残高は約百八十四兆円となっております。
 地方公共団体が市場から直接調達する市場公募地方債につきましては、平成三十年度末現在で五十一兆円となっておりますが、証券発行による地方債といたしましては、そのほか、銀行等が調達する銀行等引受債のうち証券発行分がございまして、十四兆円でございます。合計では六十五兆円となっております。
 以上でございます。
112 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。日銀がその気になれば公募の地方債も買いオペ対象にできるのではと考えています。
 次の質問、順番を入れ替えまして、四番目の質問になります。
 地方公共団体が地方債を発行してそれを日銀が買うとなった場合に、総務省の所管する法令などで地方公共団体を制限するルールなどはありますでしょうか。
113 谷史郎
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○政府参考人(谷史郎君) お答えいたします。
 地方債を買入れの対象とするか否かにつきましては、日銀において金融政策として決定されるものと考えておりますけれども、地方財政法におきましては、日本銀行が地方債を購入することは妨げられておりません。
114 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。この後、日銀にも別の委員会で聞いてみようと思います。
 三番目の質問になります。
 地方自治体が発行した地方債を買ってもらった場合、まず問題となるのが利払い費、利子ですね、だと思います。ただ、買手が日銀というやや特殊な状況ですので、例えば利子なしの地方債を発行することが可能であったり、あるいはやはり利払い費は払う必要がありますでしょうか。
115 谷史郎
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○政府参考人(谷史郎君) 御指摘のように、日本銀行が地方債を買入れ対象とする場合には、国債、社債が買入れ額の増加に伴いまして金利が低下していることを見ますと、同様に、将来的に地方債の金利が低下する可能性もあるものと考えられますけれども、日本銀行が地方債を買入れ対象とするか否かにつきましては、日本銀行において金融政策として決定されるものと考えております。
 なお、買入れ対象となる場合には、地方債の利子は発行体の地方団体から地方債を保有する日銀に、日本銀行に対しまして支払うこととなるものと考えております。
116 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 やはり地方公共団体と日銀とのやり取りですと利払い費を払う必要があるということを確認させてもらいました。これが日本政府と日銀とのやり取りですと、国債の利払い費は納付金として財務省に戻るので、利払い費の心配はほぼしなくていいという、その点では大きく違うのではないかと思います。というわけで、この利払い費の問題のように、地方公共団体と日銀の直接のやり取りにはいろいろと難しい点があるのではないかと思いました。
 ただ、地方公共団体と日銀との間に日本政府を介入させることで利払い費や償還の問題を解決する方法もあると承知しております。これに関しては、後日、別の委員会で質問させていただくことにしようと思います。総務省の方、確認させていただいてありがとうございました。
 最後、残った時間を使いまして、最近の新型コロナウイルス感染症の消毒液に関して厚生労働省に質問させていただきます。
 新型コロナウイルス感染拡大防止について、手指のアルコール消毒が有効であるというのは皆さん御承知のとおりです。ところが、消毒用アルコールが品薄になってきたため、高濃度アルコール製品や次亜塩素酸を入れた水を使い始めていることが報告されています。最近の情報によると、次亜塩素酸ナトリウムや次亜塩素酸水を空間に噴霧している施設があるとのことです。
 今回質問させていただきたいのは、この空間噴霧についてでございます。消毒液を人のいる空間に噴霧するというのは、WHOの暫定指針では推奨されていないと承知しております。今回配付させていただいた資料記載のとおりです。
 そこで、確認したいことは二点です。質問まとめさせていただきます。
 次亜塩素酸ナトリウムや次亜塩素酸水、いずれにしても、これらを空間に噴霧することはよろしくないのではないかということが一点。
 もう一点は、そういうことを、まず、それがよろしくないのであれば、そういうことをしていることに関しては注意喚起をすべきなのではないかというのが二点目ですが、厚生労働省としての見解を教えてください。
117 吉永和生
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○政府参考人(吉永和生君) お答え申し上げます。
 委員から御配付いただいている資料にもございますとおり、WHOが本年五月の十五日に公表しておりますCOVID―19に係る環境表面の洗浄、消毒におきまして、屋内空間では噴霧等による消毒剤の使用は推奨しないということが言及されております。消毒剤一般に関する評価といたしまして、厚生労働省も同様の見解を持っているところでございます。
 そのうち次亜塩素酸ナトリウムについてでございますけれども、次亜塩素酸ナトリウムにつきましては、新型コロナウイルスの消毒には有効でございます。ドアノブなどの身近なものの清拭として消毒できるものとして有効でございます。ただ一方、吸引すると有害でございまして、かつ効果が不確実ということがございますので、噴霧を行わないことが適当である旨を四月七日付けの事務連絡等で通知をし、周知しているところでございます。
 一方で、次亜塩素酸水についてでございますが、現在、経済産業省の所管でございますが、独立行政法人の製品評価技術基盤機構におきまして有効性の評価を行っているところでございますが、本日、経済産業省から報道発表がなされておりますが、次亜塩素酸水の空間噴霧につきまして、次亜塩素酸水の噴霧が換気によるウイルスの排出や三密回避による感染防御よりも有効とする分析は発見されていないということ、また、消費者からの事故情報データバンクにおきましては、次亜塩素酸水の空間噴霧による健康被害とも捉えられる報告が届いているということが示されているところでございます。
 次亜塩素酸水につきましては、なお現時点で有効性が示されているものではございませんで、引き続き独立行政法人製品評価技術基盤機構において検証がなされていくものと承知してございますが、その評価、有効性の評価を踏まえながら適切に対応してまいりたいと考えております。
118 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。次亜塩素酸ナトリウムと次亜塩素酸水の違いまで説明していただいてありがとうございます。
 消毒液の空間噴霧については、それやっている施設としては善かれと思ってやっているとは思いますが、むしろ健康被害の原因になり得ると、なり得る行為ということもありますので、その点、注意喚起をしていただければと思います。
 というわけで、以上で私の質疑を終わります。ありがとうございました。

第201回国会 参議院 地方創生及び消費者問題に関する特別委員会 第9号 令和2年6月3日
066 浜田聡
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○浜田聡君 浜田聡です。所属政党はNHKから国民を守る党、参議院会派はみんなの党です。よろしくお願いいたします。
 参考人の皆様には、お忙しい中お越しいただき、本当にありがとうございました。そして、委員の皆様にも、少数会派にも御配慮いただき、参考人質疑の機会設けていただきましたことを感謝しております。
 三名の参考人の方々に、いずれの方にも質問させていただこうと思います。順番としては、濱田参考人、拝師参考人、田中参考人の順番に質問させていただこうと思います。
 質問に先立ちまして、本法案に関連することとして、我が党NHKから国民を守る党の党首である立花孝志の過去を少し紹介させていただこうと思います。
 二〇〇四年にこの公益通報者保護法が成立しました。その翌年である二〇〇五年の春に、NHK職員であった立花孝志がNHKの裏金作りに関して週刊文春に内部告発をしたという過去があります。彼は、当時、NHKの編成局の経理職員でありまして、NHK職員の不正な行為を内部調査しているうちに、余りに腐り切ったNHK職員の実態を知るに至って、どうしても黙っていることができなくなったとのことです。
 その後、労働組合と相談するなどNHK内部で改革を訴えながらもそれはかなわず、二〇〇五年の七月に退職に追い込まれました。彼は心の病を患いまして、一時は自殺も考えたとのことなんですが、しかし、腐り切ったNHKを外部から改革することを心に誓って行動を開始しました。政治団体を立ち上げ、地方選挙からこつこつ挑戦をしまして、その執念が実って、昨年、参議院議員選挙で議席を獲得したという経緯があります。正直者がばかを見ない世の中にしたいというのが彼の口癖でして、今回の法案は、その実現のため非常に重要なものと位置付けております。
 前置き長くなり、失礼しました。
 参考人の方に質問させていただきます。まずは、濱田参考人に質問です。
 まず、内部通報訴訟経験者として本当に大変な思いをされたこと、敬意を表します。
 質問内容としましては、産業医に関してなんですね。あらかじめいただいた資料を見ますと、濱田さんが産業医からも不利益取扱いを受けたというふうに承知しております。勝手に変な診断をされて、労働安全衛生法で休職に追い込んで、しかも許可がないと復職できないという措置を受けたとのことで、産業医が会社側に付いて不利益取扱いをするということに関して問題があると感じました。
 こういったこの産業医に関する問題について、改善案など御意見いただければと思います。
067 濱田正晴
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○参考人(濱田正晴君) まず、この産業医に関しましては、様々な、いわゆるインターネットを含めてですね、事実と異なる部分が流れているというのがあります。ということで、産業医そのものが無理やり私をちょっと問題があるというふうにした事実はございません。
 ただ、産業医の診断を受けるようにというのが、あの当時の、人事の方からも含めて、余りにそこにフォーカスしたので、ちょっとその部分に関してやっぱり私なりに勉強したところ、就業規則も見直してですね、そうすると、従業員を退職させるということでは、やはり心の病といいますか、そのところで休職の命令、それで、戻ってくるときには産業医の許可が要るという、このいわゆる全体的な、内部通報とか公益通報の関係だけじゃなくて、いろんな案件の中で、やっぱり企業に雇われている産業医ということで、英語で言うと、これ別にドクターというのは付かないんですよね、英語ではね。別のネーミングがありまして、そういう意味で、やっぱり産業医そのものの在り方の問題と、あとは就業規則というところを問題にする。しかし、今おっしゃるように、何かあったときですね、あったときに、可能性として、産業医の診断が利用されるということは否定はできないというのがあります。
 ですから、ここは私としては、やはり今後の、企業だけじゃなくて、いろいろな行政組織も含めてですね、そこら辺の課題であるというふうに思っています。ただ、いろいろなそれにまつわる問題が発生しているということは耳にしますけど、私のところで具体的に私が産業医から何か受けたという事実はありませんので、そういうことで、課題ということだと思います。
 以上です。
068 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 それでは、拝師参考人にお聞きしたいと思います。
 参考人の肩書を見せていただきますと、全国消費者行政ウォッチねっとの事務局長、あと弁護士をされているとあります。通報当事者の相談を数多く受けられてきたんじゃないかなと思うんですが、その中で最も印象に残っている事例、是非、この皆さんで共有したい事例というのがあればですね、守秘義務に反しない程度で教えていただければと思いますが、いかがでしょうか。
069 拝師徳彦
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○参考人(拝師徳彦君) 詳細にお話しすると、多分事業分野、事業者名とかなり特定されてきますので、あくまでぼかした形で申し上げさせていただきますけれども、メーカーの、何と申しますか、国の基幹産業を担っているような大手のメーカーの下請の方の御相談で、本来の規格、上から発注されてくる規格と違う規格で製品を作って、要するに手抜きをして、それをそのまま上げて、どうも上も気付いているようなんだけど何も言わないんだと。そういう、メーカーですから、いろんな製品にその部品が使われて、何かあったらどうしようという深刻な御相談です。
 それで、その方、いろいろ悩まれて、周りの人たち、上司ではなくて周りの方々とか、あるいは御家族にも相談されて、どうしようかということで弁護士のところに相談に来られたということでした。それで、既にかなりいろいろと御夫婦でも御家族でも御相談をされて、やっぱり報復が怖いなという前提で来られていましたので、いろんな制度等についても調べられて来られていたと思います。
 先ほど申し上げたように、私としては、非常に重要な問題だし、本来であればきちんと内部告発であったり行政の方に伝えるべきだろうということでお話はしましたが、ただ、恐らく、下請ですので、そんなに大きな企業ではないので、仮に行政通報した場合であっても、ひょっとすると誰が通報したかがばれるかもしれないというリスクはやっぱりありますよ、その場合に、仮に解雇されるとかその他の不利益措置を受けた場合には苦労される可能性もありますよというふうに申し上げました。
 最悪は、知っている調査報道等得意な記者の方もいらっしゃるので、そちらの方も紹介しましょうかということでやりましたけれども、最終的には、ですから、その後、もし告発をするとか続けられるということであれば再度来てくださいねということでお話をしましたが、その後、その方は私の方には連絡は取られませんでした。という案件です。
070 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございました。
 答えにくいところを工夫しながらお答えいただき、どうもありがとうございます。
 あと、田中参考人にお聞きします。
 先ほども申したんですが、二〇〇四年にこの公益通報者保護法が成立しました。その翌年に立花が内部告発をしたわけなんですが、その立花が言うには、内部告発した当時、この法律が全く役に立たなかったと言っております。それから十六年たちまして、今回ようやく改正となりました。
 参考人からは、今回、先ほどの話で、今回の法改正に対して評価をされる面であったり、今後の法案審議に期待することをお話お聞かせいただきました。
 一方で、ここではほかの法律にも目を向けたいと思うんですね。今回の法案の趣旨である公益通報者の保護をするために、この法律以外の法律、例えば先生御専門の商法であったり会社法などの改正をする必要があるかどうかなどについて御意見いただければと思います。
071 田中亘
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○参考人(田中亘君) そうですね、まず基本的に、会社法では取締役その他の役員は法令を遵守して会社の経営をする義務を負っています。ですので、この法律で一定の会社に内部通報体制の整備が義務付けられた場合、それは、そのまま当てはまる会社の取締役は、内部通報体制の整備を義務付けられます。そして、そのような整備義務を怠ったことで会社に損害が生じた場合、それは多くの場合、取締役の義務違反に直結してくるということになります。ですので、そういう会社法の立て付けをみんな理解していることが重要です。役員の責任にかなりダイレクトにつながってくるものです。
 もちろん、事業者に対して責任を負わせるということも重要ではありますけれども、会社というのは究極的には箱ですので、会社に責任を負わせれば、それは株主ですとか株主以外のステークホルダーの不利益になるわけですね。ですから、極端に言えば、それだけでは問題の解決になっていないということもあります。
 やはり、直接、例えば不利益取扱いをした役員とか、そもそもの話、法令違反について責任を負っている役員がいるとすれば、その人たちの責任が追及されるようにしなければなりません。現在の会社法は、そういうような形で責任を追及できるような形になっています。この法律がもっと使われるようになるということも重要ではないかと思います。
072 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 以上で終わります。

第201回国会 参議院 財政金融委員会 第15号 令和2年6月4日
128 浜田聡
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○浜田聡君 浜田聡です。所属政党はNHKから国民を守る党、参議院会派はみんなの党です。よろしくお願いいたします。
 本日は六月四日でして、六月四日といえば六四天安門事件を思い浮かべます。今回の委員会の冒頭で自由についての言及がありましたこと、感銘を受けるとともに、自由な質疑ができる雰囲気をつくっていただいたことを感謝いたします。
 さて、この新型コロナウイルス感染症の影響により経済的に苦しい状況になり、借金等の返済を続けていくことが難しくなった方が増えたことは容易に想像されます。政府としましては、これらに対応するため様々なローンの支援措置がなされていると承知しております。今回は、その中でも多くの金融機関が取り扱っており利用者も多いと思われる住宅ローンについて、幾つか確認させていただこうと思います。
 日本では、持家の購入費用というのは、条件によって異なるでしょうが、平均年収を大幅に超えるものが普通ではないかと思います。住宅ローンはその購入資金を対象に融資を行う商品であり、金利は低く抑えられ、返済期間の多くは三十五年までと長いのが特徴であると言われます。返済期間を長期とすることで毎月の返済額を低減し、三十歳前後のサラリーマン世帯において、定年退職時まで月収の範囲内で返済を続けていくことで高額な持家の取得が容易となっていると思います。
 金利が低く抑えられた住宅ローンではありますが、今般の新型コロナウイルス感染症の影響で経済的に苦しくなって、住宅ローンの月々の返済が苦しくなる、場合によっては延滞する世帯も出てくるのではないかと想像します。こういった情勢なので致し方ないという考えがある一方で、住宅ローンの延滞をすることでその後の状況が急激に悪化する可能性があると言われております。
 住宅ローンに限らず、ローンの返済を延滞することによって様々なまずい状況に陥ると考えられるわけですが、特に住宅ローンの延滞による悪影響として代表と思われることを二つ挙げさせていただきます。
 一つは、住宅ローンの特徴である低く抑えられている優遇金利というものが延滞することで取消しとなって、金利が急激にアップするということ。二つ目は、延滞情報が個人信用情報に記録され、その結果、新たなローン審査が通らなくなるというものであります。
 そこで、金融庁にお聞きします。
 全国数多くの金融機関による住宅ローンの商品がありまして一概に述べるのは難しいかもしれませんが、新型コロナウイルス感染症の影響で大変な状況とはいえ、住宅ローンの延滞をするとこのようなまずい状況になる可能性はありますでしょうか。
129 栗田照久
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○政府参考人(栗田照久君) お答え申し上げます。
 住宅ローンにつきまして、条件変更などが行われずに延滞となりました場合につきましては、その取扱いは金融機関によって異なってくるわけでございまして、一概には申し上げられませんけれども、多くのケースについて申し上げますと、優遇金利の変更はしないということで、優遇金利はそのまま適用される、けれども、延滞情報は個人信用情報に登録されるという取扱いが多いというふうに聞いております。
 金融庁におきましては、できるだけ事前に条件変更をしていただくように周知に努めているところでございます。
130 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございました。
 こんな状況とはいえ、住宅ローンの延滞は優遇金利に関しては維持されるということだったんですけど、延滞は避けるべきであると考えますし、そういう世帯が増えないようになればいいなと思っております。
 本日は六月に入って四日目となります。六月といえばボーナス期ではありますが、このボーナス月に他の月よりも多くの返済額を設定している住宅ローンもそれなりにあるのではないかと予想しまして、返済困難者が生じる可能性も考えております。
 そこで、金融庁にお聞きします。
 六月ボーナス月の返済困難者を支援する対策というものは何かありますでしょうか。
131 栗田照久
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○政府参考人(栗田照久君) お答え申し上げます。
 金融庁におきましては、今回の新型コロナウイルスの影響によりまして住宅ローンの支払が困難になった個人の方を支援するため、金融機関に対しまして、住宅ローンに関してお客様の状況等を十分に勘案すること、条件変更等について迅速かつ柔軟な対応に努めること、お客様から支払猶予等の申出を受け一定期間猶予した場合には信用情報機関に延滞情報として登録しないことなど、これまで繰り返し要請してきたところでございます。
 また、六月になりますと、住宅ローンのボーナス支払を設定している個人の方の支払が厳しくなるということも想定されますことから、金融機関との意見交換会におきまして、十分な期間の元本据置きなどのお客様のニーズに応じた返済猶予等の条件変更の速やかな実施、条件変更時の手数料の無料化、お客様が相談しやすいように、住宅ローンに係る相談ダイヤルですとか、休日を含めた相談窓口の積極的な周知などに努めるように要請しておりまして、その内容につきましては、ホームページにおいても公表しているところでございます。
 さらに、住宅ローンに関しましては、リーフレットを作成し、あるいは政府広報によるCMなどによって周知に努めているところでございます。
132 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。それなりに手厚い支援をいただいているということで、私の方からも感謝いたします。
 さて次に、少し話は変わりまして、情報セキュリティーや業務効率向上等に関して、ネットワーク端末利用時のログイン方法に関して引き続き金融庁の方に質問させていただきます。
 実は、この同様の質問を先日、五月二十日の地方創生及び消費者問題に関する特別委員会で総務省と厚生労働省の方に質問させていただいておりまして、今回は金融庁の方へも同様の質問となります。
 お手元の資料に、総務省のウエブサイト上にある国民のための情報セキュリティサイトの一部を用意させていただきました。ここにはパスワード管理の注意点が幾つか書かれておりまして、今回はパスワードの定期的な変更に関する記述に注目していきたいと思います。
 資料最後のところに次のような記載がありまして、読み上げます。
 これまでは、パスワードの定期的な変更が推奨されていましたが、二〇一七年に、米国国立標準技術研究所からガイドラインとして、サービスを提供する側がパスワードの定期的な変更を要求すべきではない旨が示されたところです。また、日本においても、内閣サイバーセキュリティセンターから、パスワードを定期変更する必要はなく、流出時に速やかに変更する旨が示されているとありますように、パスワードの定期的な変更は、かつては推奨されていたんですが、その後、変更は要求すべきではないというふうに変遷してきたとの記載があります。
 そこで、金融庁にお聞きします。
 金融庁内で職員がネットワークに接続した端末を使う際のシステムはどのようになっているか、教えてもらえますでしょうか。最近は生体認証など様々な方法がありますが、ここでは特にパスワードを利用している場合において、定期変更を要求するか否かについてお答えいただきたく思います。
133 白川俊介
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○政府参考人(白川俊介君) お答え申し上げます。
 金融庁では、職員がパソコンを利用する際の認証方式として、先生も御指摘のあった生体認証を使うものと、それからパスワードを使うものと二種類が存在しておりまして、そのうちパスワードを使う場合においては定期的なパスワード変更は求めておりません。
134 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 今回、金融庁の方にこの質問をしたのは理由がありまして、それは、最近すっかり定着して便利なサービスであるネット銀行あるいはネット証券のサービスに関する話です。これらのサービスに接続する際にパスワード入力をすることがあるのですが、その際にパスワードの定期変更を要求されるところがあるからです。実際に私が利用しているネット銀行においても、数か月ごとにパスワードの定期変更の要求が来るわけであります。
 金融庁としては、パスワードの定期変更はされていないとのことなんですが、現在その効果が否定されている定期変更というやり方は改善していくべきだと考えて、金融庁の方に質問というか、提案でございます。
 パスワードの定期変更を要求している点に関して、金融庁から各ネット銀行、証券会社に定期変更は不要であるとの指導をしてみてはいかがでしょうか。
135 栗田照久
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○政府参考人(栗田照久君) お答え申し上げます。
 一般に、インターネットバンキングなど非対面の取引を行う場合には、各銀行におきまして、パスワードを盗み取る等の犯罪手口に対しまして、例えば、一定時間のみ有効なワンタイムパスワードなどの認証方法を導入するとか、取引に使用しているパソコンとは別のスマホなどの機器を用いた複数経路による取引認証の導入など、それぞれの金融機関のお客様の特性あるいはシステムの特性に応じて適切な対策を講じていっていただいているというふうに考えておりまして、その手法を一律に定めているものではございません。
 内閣サイバーセキュリティセンター、NISCにおきましては、インターネットを利用した取引において、十分に複雑で使い回しをしていないパスワードを設定し、実際にパスワードを破られてアカウントを乗っ取られるなどの被害が生じていない場合には、パスワードを定期的に変更する必要はないという考えが示されておりますけれども、一部の銀行におきましては、まだお客様が分かりやすいパスワードを設定されているとか使い回しをされているとかという実態があるというようなことも踏まえて、定期的にパスワードを変更するよう通知を行っている事例もまだあるというふうには聞いておりますけれども、金融庁といたしましては、効果的な利用者保護ということが重要だと考えておりますので、どういうセキュリティー方法がいいのかということにつきましては今後ともよくモニタリングをしていきたいというふうに考えております。
136 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。安全性に関してはいろいろと難しい点はあると思いますので、今後も議論していただければと思います。
 次に、地方公共団体に目を向けたいと思います。
 新型コロナウイルス感染症における経済を始めとする対策に苦心しているのは、国だけでなく地方も同様であります。国と地方が様々な対策をするに当たって、置かれた状況は様々な点で異なるわけですが、一つ注目したいのは通貨発行権の有無でございます。日本政府は日銀を子会社と考えると通貨を発行できるわけですが、地方の場合はそうもいきません。通貨発行権をどのように考えるかについては様々な意見があるのは承知しておりますが、財源の選択肢という視点からは、国の方が自由度や柔軟性が高いと考えてもいいのではないかと思います。
 さて、ここで、地方公共団体が財源を確保する方法として、地方債というものがあります。都道府県や市区町村といった地方公共団体が必要な資金を調達するために発行する債券であります。地方債を発行することで地方が使えるお金を増やしますが、ただ、借金という性格上、利子や元本返済の問題が生じてきます。ただ、昨今の新型コロナウイルス感染症の経済対策等で地方の財源が問題となっている現状では重要な話と考えます。
 そんな中、最近見聞きする提案の一つに、日本銀行がこの地方債を買入れしてみてはどうかという話があります。この新型コロナウイルス感染症を受けて、日本銀行は先月辺りから様々な追加緩和政策の方針を出してきておりまして、国債の買入れ上限撤廃であったり、企業金融支援策の拡充などが発表されております。地方債の買入れについても対象にしても不思議ではないと思うのですが、そういう話は今のところ私は把握できておりません。ただし、まだまだ新型コロナウイルス感染症の対策を継続していく必要があると考えるならば、当然地方の財源の問題は続くと思われますので、様々な選択肢を考慮していく必要があると思います。
 ただし、日銀が地方債を買い入れることについて調べてみましたところ、私の主観ではありますが、簡単な話ではないと感じました。言うはやすく行うは難しと感じるのが正直なところです。ただ、アメリカではFRBが地方債を買入れしていることからもありますように、他国では実施されておりまして、検討する価値はあるのではないかと思いました。
 そこで、今回は日本銀行と財務省の方に幾つか質問させていただこうと思います。
 日本銀行の黒田総裁に対して、地方債の日銀による買入れについて、先月国会で質疑応答がありました。衆議院の財務金融委員会では、黒田総裁は地方債の買入れには慎重な態度だったとのことであります。
 そこで、日本銀行の方にお聞きします。
 日銀による地方債の買入れについて、現在も慎重な姿勢は変わりないでしょうか。その他、地方債買入れについての日銀の見解も、もしあれば御答弁いただければと思います。
137 加藤毅
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○参考人(加藤毅君) お答えいたします。
 委員の御指摘のとおり、先月の衆議院の財務金融委員会で、総裁の黒田の方から、今の時点で地方債の買入れを行う必要性があるとは考えていないという形でお答えをさせていただきました。
 これにつきましては二つ背景がございまして、日本銀行は資金供給を金融市場に行っているわけですけれども、この際には国債等の買入れで十分潤沢な資金供給ができているということが一つ理由でございまして、もう一つは、日本の場合、地方債の市場ですけれども、アメリカとは異なりまして、例えば国債との金利差は非常に安定していて、地方債の市場が安定して推移しているという状況が今続いております。
 そうしたことを踏まえまして、こうした見方、それから考え方には総裁が答弁したときとは大きな変更はございません。
 以上でございます。
138 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 もし日銀が地方債を買う場合に、日銀法の制限が掛かる可能性についてお聞きしたいと思います。
 私が見聞きする指摘の一つが日銀法の四十三条です。これは、日本銀行は、日銀法の規定により日本銀行の業務とされた業務以外を行ってはならない。ただし、この法律に規定する日本銀行の目的達成上必要がある場合において、財務大臣及び内閣総理大臣の認可を受けたときは、この限りでないという条文です。
 そこで、日本銀行の方にお聞きします。
 日本銀行が仮に地方債の買入れを検討する場合、この日銀法四十三条による制限を考慮する必要はありますでしょうか。
139 加藤毅
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○参考人(加藤毅君) お答えいたします。
 今、地方債を買い入れた場合という御質問でございますけれども、この債券方式で発行される地方債ということであれば、この四十三条の認可は必要ないと考えておりまして、通常業務である日銀法の三十三条の形で買い入れることができるとは考えております。
140 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございました。
 五月二十九日の参議院の地方創生及び消費者問題に関する特別委員会でも、日銀による地方債の買入れについて総務省に幾つか質問させていただきました。
 ここでその一つを紹介させていただきます。
 地方債の買入れをする場合に、買手が日銀であった場合でも、その買手の日銀には利払い費を払う必要があるかどうかという質問であります。その際の政府答弁に、総務省ですね、によりますと、地方債の買手が日銀であっても、買手である日銀には利払い費を払う必要があるとのことでございました。仮に地方債がマイナス金利であればいいのですが、残念ながらそういううまい話もないと思います。実は、質問通告時の財務省の方とのやり取りで過去の地方債の金利調べていただきまして、地方債のマイナス金利というのは確認されていないとのことでした。ありがとうございました。
 その他、償還の必要性も考慮すると、単純に日銀が地方債を買うだけでは地方にとって打ち出の小づちのようなうまみはないとも感じました。そういう意味で、日銀が地方債を買い入れることについて、先ほども言いましたが、言うはやすし行うは難しと表現させていただきました。
 地方の財源を増やすという目的において、地方債から少し離れまして、一つのアイデアをある方からいただきましたので、紹介します。
 ちょっと複雑なんですが、まず、地方公共団体が財務省から借入れをします。その財務省は、その財源として財投債を発行します。この発行された財投債を日銀が買いオペするという方法でございます。この場合、財投債の利払い費は日銀に払う必要がありますが、政府、財務省と日銀との利払い費のやり取りなので、この利払い費で日銀に払った分は納付金で財務省に戻ります。この方法ですと、地方公共団体が利払い費の負担は回避できるのではないかと考えました。
 また、財投債の償還についてなんですが、それを日銀乗換えにします。日銀乗換えとは、日銀の保有する国債が償還期限を迎える際に、日銀が現金償還を行わずに国の発行する新たな国債を引き受けることでございます。
 財政法で少し、いろいろと規定があるのですが、ここでは詳細は省かせていただきます。
 この日銀の乗換えにより、財投債の償還負担はなくなります。若干ややこしい話となり恐縮ですが、現行制度で地方公共団体が借入れをする際に元利償還負担をなしにする方法でして、言い換えると、通貨発行益を利用する方法と言えると思います。
 このスキームについて、財務省と日銀にそれぞれお聞きします。まず、財務省にお聞きします。
 財投債を発行して地方に貸付けをすることは可能でしょうか。あるいはもう既に行われているというのであれば、その旨をお聞きしたいと思います。
141 可部哲生
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○政府参考人(可部哲生君) お答えいたします。
 令和二年度におきましては、財投債を発行して調達した資金などを財源といたしまして、財政投融資特別会計から地方公共団体に三兆円の貸付けを実際に行っております。また、その財投債については、国債の一部として発行されておりますので、現状においても日本銀行による国債の買入れ、いわゆる買いオペの対象となっております。
142 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 日銀にも同じ質問をしたかったのですが、先ほど答えていただきましたので、ここは省略することにします。
 地方それぞれが通貨発行益を利用して財源を捻出する方法として先ほどのようなアイデアをいただきましたので、当委員会で紹介、確認させていただきました。今回の方法が実行に移るかどうかは分からないですが、一つの選択肢として可能性を提示させていただきましたので、御検討いただければと思います。
 次に、話はがらっと変わりまして、税制の基本原則についてお聞きしたいと思います。
 新型コロナウイルスにより社会が変わっている中、税制についても変化する可能性がある中で、少し基本に立ち返ってみたいと思います。
 先日、少し古い資料を拝見しました。平成十二年七月に作られた資料で、内閣府のウエブサイトにおいて、我が国税制の現状と課題、二十一世紀に向けた国民の参加と選択というものでございます。このサイトの記載を見ると、次のような記述があります。租税原則は結局、公平、中立、簡素の三つに集約することができますとあります。
 そこで、財務省にお聞きします。
 今回紹介したのは内閣府の資料でありますが、財務省としても、この租税原則、公平、中立、簡素を重視していますでしょうか。見解をお聞かせください。
143 矢野康治
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○政府参考人(矢野康治君) お答えいたします。
 税制の在り方を考えるに当たりましては、まず公共サービスの資金を調達するという財源調達機能ですとか、あるいは所得や資産の再分配を行うという所得再分配機能といった租税の基本的な役割というのを、まあ大原則といいますか、踏まえる必要があると存じます。その上で、今委員が御指摘されましたように、納税者の担税力に応じて負担を分かち合うという意味での公平性、それから、税制ができるだけ個人や企業の経済活動における選択をゆがめることがないようにするという意味の中立性、そして、税制の仕組みをできるだけ簡素なものとし、納税者が理解しやすいものとするという意味の簡素性、この三つが税制の基本原則に挙げられることが多うございます。
 少子高齢化、グローバル化の進展といった経済、社会の構造変化ですとか財政の状況などを踏まえまして、個別の税制に加えまして税制全体の在り方を検討するに当たりましては、こうした租税の基本的な役割や基本原則を踏まえていく必要があると考えております。
144 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 引き続き、この内閣府の資料を見ますと、この原則、公平、中立、簡素について更に記述があります。この三つ、「「公平・中立・簡素」は、常にすべてが同時に満たされるものではなく、一つの原則を重視すれば他の原則をある程度損なうことにならざるを得ないというトレード・オフの関係に立つ場合もあります。」と書いてありまして、つまり、公平、中立、簡素、三つが全て満たすというのは難しいこともあるとのことです。
 昨年十月に消費税率が一〇%に上がりました。それと同時に、軽減税率というものが導入されております。税制改革法で簡素化を目的に導入されたのが消費税法と承知しておりますが、軽減税率によって簡素化が放棄されたように思います。
 そこで、財務省にお聞きします。
 軽減税率によって簡素という点が毀損されているという認識はありますでしょうか。また、この軽減税率に限らない話で結構ですが、今後の税制の方向性について、簡素という点を重視する方向にかじ取りをするつもりはありますでしょうか。よろしくお願いします。
145 矢野康治
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○政府参考人(矢野康治君) お答えを申し上げます。
 公平、中立、簡素の三原則は、常に全てが同時に満たされるものではなく、一つの原則を重視すれば他の原則をある程度損なうことにならざるを得ないという、今委員が御指摘されましたトレードオフの関係に立つ場合もございますけれども、税制全体として、公平、中立、簡素の基本原則に則しているかどうかということが大変重要であると思っております。
 なかんずく、公平、中立、簡素といいましても、第一は公平が重要でございます。その公平が一番大事だと思っておりますけれども、公平でない税制ということはもうあり得ないと思っておりますけれども、しかしながら、公平を追求する余りに簡素性が踏みにじられるということはあってはならないというふうに思っております。
146 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 ちょっと時間の都合上、一つ質問を飛ばさせていただきます。
 矢野主税局長、どうもありがとうございました。以前、税制の在り方についてこの委員会でお話を聞かせていただきました。その際に印象に残っておりますのは、税金をどうするかというのは国民の総意と御答弁いただいたことであります。私の意見としてはですが、国民に理解しやすくするためにも簡素という点は大事にしていただきたいという思いを伝えさせていただいて、次の質問に移ります。
 次に、五月二十七日にあった報道について質問をさせていただきます。前沢友作さんという有名人の申告漏れの報道でありまして、今回、資料として用意させていただきました。
 何かと話題になる方だとは思うのですが、個人的に印象に残っておりますのは、百万円を千人にプレゼントしますというキャンペーンをツイッターで開催されまして、このキャンペーンをベーシックインカムについての調査、実験を兼ねているとしていたことであります。
 まあ、この話は主眼ではないので、申告漏れが指摘されたことについてお話を戻しますと、御自身が所有されているプライベートジェット利用料の観点から国税局と意見の相違があったと私はこの記事から理解しました。
 ここで気になることを財務省にお聞きします。
 申告漏れが指摘されたという情報なのですが、誰が報道各社に伝えたのかという点が疑問であります。財務省はこの情報を報道各社などの外部に漏らした可能性はありますでしょうか。
147 田島淳志
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○政府参考人(田島淳志君) お答え申し上げます。
 御指摘の報道は承知してございますが、個別にわたる事柄につきましては、守秘義務が課されております関係上、調査があったかどうかも含めまして、具体的にお答えすることは差し控えさせていただきます。
 その上で、一般論として申し上げますと、今申し上げた守秘義務に関しまして、税務職員には、国家公務員法上の守秘義務とともに、国税通則法という法律がございまして、ここでは国家公務員法よりも更に重い守秘義務、罰則が科されております。その趣旨につきましては割愛させていただきますけれども、こうした法律の下、当局では、この秘密保持の徹底につきまして常日頃から厳格かつ万全の注意を払っているところでございまして、万々が一、職員の守秘義務違反が発生した場合には、法令違反でございます、として厳正に対処しているところでございます。
148 浜田聡
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○浜田聡君 済みません、ちょっと再確認させていただきたいんですが、財務省としては、漏らしているかいないかというのはここでは答えられないということでしょうか。
149 田島淳志
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○政府参考人(田島淳志君) 先ほども申し上げましたとおり、御指摘の件につきまして、この調査があったかどうかも含めて、丸ごとお答えは差し控えるということでございます。
150 浜田聡
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○浜田聡君 分かりました。
 恐らく最後の質問になると思います。ここで、国家公務員法百条というものを考えてみたいと思います。この条文は、「職員は、職務上知ることのできた秘密を漏らしてはならない。」というものであります。
 この法律を管轄している内閣、人事院にお聞きします。
 今回の件で、仮に、もし財務省あるいはその他省庁が今回の情報を漏らしたとすれば、百条違反に該当しますでしょうか。
151 藤田穣
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○政府参考人(藤田穣君) お答え申し上げます。
 国家公務員法第百条におきまして、「職員は、職務上知ることのできた秘密を漏らしてはならない。」と規定をされてございます。当該規定による秘密につきましては、最高裁の判例によりますれば、一般に知られていない事実であって、実質的にもそれを秘密として保護するに値すると認められるものをいうとされているところでございます。
 その上で、委員からお話のありましたような場合を含めまして、個々具体の行為がこのような秘密を漏らしたことに当たるのか否かにつきましては、具体的な事実に基づき個別に判断されるものでありますことから、当局といたしましてはお答えする立場にはございませんことを御理解いただきたく存じます。
 以上でございます。
152 中西祐介
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○委員長(中西祐介君) 時間が来ました。
153 浜田聡
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○浜田聡君 終わります。ありがとうございました。

第201回国会 参議院 地方創生及び消費者問題に関する特別委員会 第10号 令和2年6月5日
185 浜田聡
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○浜田聡君 浜田聡です。所属政党はNHKから国民を守る党、参議院会派はみんなの党です。よろしくお願いいたします。
 委員の皆様には、少数会派にも御配慮いただき、参考人質疑に引き続いて今回の政府質疑にもたくさんの質問時間いただきましたことを大変感謝しております。
 本日、午前中に二時間を超える本会議がありまして、午後には今回四時間を超えるこの委員会があって、皆様お疲れのことと思いますが、最後の質疑ということでお付き合いいただければと思います。
 公益通報者保護法の一部を改正する法律案に関して質疑に入らせていただきます。
 まず、衛藤晟一消費者担当大臣に質問です。
 本法案提出者である消費者庁における公益通報者保護法体制整備の現状を御説明いただけますでしょうか。
186 衛藤晟一
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○国務大臣(衛藤晟一君) 消費者庁においても、現行の公益通報者保護法や国の行政機関向けガイドラインに沿って、消費者庁設置後の平成二十一年より内部通報体制を設けております。
 具体的には、消費者庁及び消費者庁職員についての法令違反行為等に関し、通報、相談をした消費者庁職員の保護を図り、消費者庁の法令遵守を実効的に確保するため、通報等の受付、調査及び必要な措置を行う組織として法令等遵守調査室を設置し、内部通報・相談窓口を開いているところであります。
187 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 先日の参議院本会議において、今隣におられます大門先生の質疑で言及されていたことなんですが、数年前に悪質マルチ商法、ジャパンライフ事件が取り上げられるようになったきっかけというのが、消費者庁内部からの告発がきっかけであったとのことです。勇気を出して告発された方に敬意を表します。一方で、この告発に関して消費者庁内部で外部への通報者は誰かという調査が行われたという指摘もありまして、そういった当時の反省をした上で、今後も引き続き整備されることを求めます。
 引き続き、大臣に伺います。
 この公益通報者保護体制というのは、今後、より多くの企業や組織で整備されていくことを望みますが、ここではまず霞が関の省庁で整備されることを特に望みます。そのために、消費者庁がリーダーシップを発揮して霞が関の他の省庁に体制整備を促してほしいと考えていますが、その意気込みを伺いたく思います。
188 衛藤晟一
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○国務大臣(衛藤晟一君) 行政機関においても通報者に対する不利益取扱いを未然に防止し、内部通報に適切に対応できるようにすることは、公益通報者保護制度の実効性を確保する観点から極めて重要であります。
 こうした観点から、現行法においても、行政機関向けガイドラインの策定などを通じ行政機関における内部通報体制の整備を促しており、各府省庁において内部通報窓口は設置されていると承知しております。
 今般の改正法案においては、行政機関を含めた事業者に内部通報体制の整備を義務付けることといたしておりまして、内部通報体制の更なる充実とその実効性の向上が今後の課題であると認識をいたしております。
 このため、改正法成立後、内部通報体制の適切な運用を確保するため、義務の具体的な内容を指針にまとめることで内部通報制度が実効的に機能するよう検討を進めてまいります。また、関係省庁による連絡会議の場も活用しつつ、改めて公益通報者保護制度の重要性や法改正の内容を周知し、国の行政機関における内部通報制度の実効性確保に向けた取組を促してまいります。
189 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 消費者庁のリーダーシップに期待するところでもありますけど、今回の法改正をきっかけに、他の省庁それぞれも独自に主体的に体制整備が進むことを求めておきます。
 次に用意していた質問なんですが、個別の企業についてのものであります。
 今回は、保険不適切販売で問題になったかんぽ生命における公益通報者保護体制整備の現状についてお聞きしようと試みたんですが、ただ、これに関しては、当事者であるかんぽ生命の方を参考人で呼ぶというのはいろいろな制限があるということで厳しいとのことで、今回は断念するに至りました。
 衆議院の総務委員会では、郵政事業に関する調査としてかんぽ生命保険代表執行役社長が参考人として参加する機会があると承知しております。例えばそういった機会にかんぽ生命における公益通報者保護体制についての質問がなされることを望みます。
 次に、かんぽ生命に引き続いてNHKにおける公益通報者保護体制整備の現状についてもお聞きする予定でしたが、先ほどと同様、NHK関係者を参考人で呼ぶことを断念しました。NHKに関しても、総務委員会でNHKを参考人として呼んでいただいて、公益通報者保護体制についての質問がなされることを望みます。
 我々NHKから国民を守る党が総務委員会で議席を持って、そこで我々がNHKに質問すればいいのではないかという意見があるとは思いますが、議席数が少ない関係で、希望する委員会へ所属することが難しいという事情もあることから、今回ひとまずここにおられる皆様へのお願いとさせていただきます。
 次に、通告では後ろの方に記載していたグループ企業の場合の質問をさせていただきます。
 先ほど言及させていただいたかんぽ生命は、本社とあと全国八支店があると承知、あっ、全国八十二支店ですね、があるのを承知しております。また、かんぽ生命なんですが、日本郵便、あと、ゆうちょ銀行と併せて日本郵政グループとなっております。NHKに関しては、NHK本部、あと全国各地に支部がありますし、あと主要子会社などがたくさんありまして、グループ企業と考えられます。
 このように、グループ企業の場合に内部通報体制整備義務の法的義務が発生するかどうかについてお聞きするんですが、グループ全体で見るのか、それとも法人格単位で見るのかということを教えてもらえますでしょうか。
190 坂田進
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○政府参考人(坂田進君) お答え申し上げます。
 一般論として、権利義務は各法人格に帰属するところであり、この法律においても、独立した法人格を有する事業者の単位で義務を課しております。そのため、会社についての内部通報体制の整備義務はその法人格ごとに負うことになります。
 ただし、例えば、グループ会社全体としての体制整備の一環として子会社が自らの内規において定めた上で通報窓口を親会社に委託して設置し、従業員に周知している場合などには、それによって子会社が体制整備義務を履行していると評価することも可能であると考えられます。
191 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 次に、我が党が関連する個別事例についての質問です。
 NHKから国民を守る党の党首である立花孝志は、NHK職員だったときにNHKを内部告発したという過去があります。二〇〇五年の春に、当時NHK職員であった彼はNHKの裏金作りに関して週刊文春に内部告発をしました。彼は、当時NHKの編成局の経理職員でありまして、NHK職員の不正な行為を内部調査しているうちに、余りに腐り切ったNHK職員の実態を知るに至って、どうしても黙っていることができなくなったとのことです。内部告発時の記事の一部を今回、配付資料として用意させていただきました。
 この内部告発の経験から、彼がこの法案について最重要視していることがあります。それは何かというと、通報者の録音や録画の権利を認めることであります。彼は、NHK内部で自身による内部告発が問題となった後、様々な会議に出席を求められ、発言を求められたとのことですが、その際に録音を認められずに、会議などで録音記録などを後々証拠として使うことができなかったと言っております。結果として、彼に証拠がないのをいいことに多くの罪がなすりつけられたという過去があるわけですね。
 これを踏まえて確認させていただきます。二点同時に質問させていただきます。
 通報者が通報内容に関連する内容を録音する権利を会社が阻害できない条文や規定などが今回ありますでしょうかということと、もしそういう条文、規定がない場合、会社側が録音を禁止していたとしても、通報者側がこっそり録音をすると、そういった場合に録音禁止の規定を破ったことに関して罰則を科さない仕組みが今回の改正案の内容にありますでしょうか。
192 坂田進
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○政府参考人(坂田進君) お答え申し上げます。
 まず第一点目からでございますが、今般の改正法案が成立した場合の公益通報者保護法には、公益通報者の保護として公益通報者に対する不利益取扱いの禁止や公益通報対応業務従事者に対する守秘義務が定められますが、御指摘のような通報者の録音を事業者が妨げられない旨は定められるわけではございません。
 ただし、公益通報者保護法上の保護要件に該当しない通報者に対して、ほかの法律による保護も与えられなくなるわけでは必ずしもございません。したがって、一般法理などによって御指摘のような録音が保護される場合もあり得ると考えられます。
 それから二点目でございますが、今般の改正法案が成立した場合の公益通報者保護法には、公益通報者の保護として公益通報者に対する不利益取扱いの禁止や公益通報対応業務従事者に対する守秘義務が定められるわけですが、御指摘のような録音禁止を破ったことについて保護を与える旨は定められるわけではございません。
 ただし、公益通報者保護法上の保護要件に該当しない通報者に対して、ほかの法律による保護も与えられなくなるわけでは必ずしもございません。
 一般的に、労働者を懲戒するには、その根拠規定が存在し、労働者の行為が懲戒事由に該当するとともに、懲戒の内容が労働者の行為の性質及び態様その他の事情に照らして客観的に合理的な理由を有し、社会通念上相当であると認められるものである必要があるとされているところでございます。こうした労働法や一般法理などによって、御指摘のような録音禁止を破った場合に免責される場合もあり得ると考えられます。
193 浜田聡
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○浜田聡君 御解説ありがとうございました。
 公益通報者に、録音、録画の権利が適用されることを強く望みまして、次の質問に移ります。
 次に、法案十一条四項の必要な指針に関する質問です。
 内部通報体制整備義務の具体的内容について、法案の十一条四項では必要な指針を定めるとしておりますが、ここで、新たに指針を策定するのか、あるいは既存のガイドラインを改定するのか、教えてもらえますでしょうか。
194 坂田進
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○政府参考人(坂田進君) お答え申し上げます。
 既存の各ガイドラインは、この法律を踏まえて各事業者が取り組むことが推奨される事項を具体化、明確化するなどの観点から定められたものでございます。他方、改正法案においては、事業者の体制整備の内容について指針を策定することとしており、指針でその詳細を定めることを想定しております。
 今回の改正法案が成立した後、改正内容を踏まえ、事業者にとっての明確性等の観点から既存のガイドラインと指針の在り方を検討してまいりたいと考えております。
195 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 次に、民間事業者ガイドラインを効果的にするための指針について質問をします。
 現行法上も民間事業者ガイドラインというものが定められておりますが、今般の企業不祥事多発の現状を見ますと、ガイドラインの周知も遵守も不十分であると言わざるを得ません。したがって、そこに新たな指針を加えても実効性が疑わしいのではないかと思います。
 指針を定めるに当たって重要かつ最低限守られるべき点はどのような点とお考えでしょうか。
196 坂田進
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○政府参考人(坂田進君) お答え申し上げます。
 指針に定める体制整備のうち、重要かつ最低限守られるべき点として、通報窓口の整備を求めるほか、通報者が安心して通報することができるよう、通報者に対する不利益取扱いや通報者に関する情報漏えいの禁止を社内規程に定め、その規程に基づき適切に運用するよう求めることを想定しているところでございます。
 もっとも、違法行為を是正し、法令遵守を促進するためには調査を適切に実施する必要があり、実際に指針を定める際には、通報者の保護の観点のみならず、法令遵守の促進の観点からも通報制度が実効的に機能するようにする必要があると考えております。こうした観点から、指針の具体的な内容については、消費者委員会を始め関係者の御意見を踏まえて検討してまいります。
 また、指針を遵守した体制の整備がされるよう、政府としては、指針の策定後、速やかに指針の内容を事業者に周知してまいりたいと考えております。
197 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 次に、通報窓口、相談窓口の信頼性向上に関する質問になります。
 通報窓口、相談窓口の設置は現行ガイドラインに規定されておりますが、労働者の信頼が必ずしも得られていないために、形だけ設置して機能していないと指摘されても仕方ないのではないかと思います。
 信頼できる窓口にするためには何が必要でしょうか、指針ではこの点何を書こうとしているのでしょうか、教えてください。
198 坂田進
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○政府参考人(坂田進君) 不正行為を知った労働者等が安心して通報するためには、事業者が通報窓口、相談窓口を形だけ設置するだけでは足りず、窓口が労働者等の信頼を得ることが必要でございます。
 指針においては、通報者に対する不利益取扱いや通報者に関する情報漏えいの禁止を社内規程に定めることを求めるだけではなく、その規程に基づき適切に運用することまでを求めることを想定しております。このような指針の実効性を確保するため、消費者庁において、指針に沿った対応をしていない事業者に対して助言、指導等の措置を行うことを予定しております。
 これにより、形だけではなく実際にも労働者等が不利益を受けることを防ぎ、労働者が安心して通報できる窓口が整備されるよう努めてまいりたいと考えております。
199 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 次に、通報者にとってなんですけど、匿名性がどの程度、通報したときに匿名性がどの程度保障されるのか、あと、相談内容が今後どういった範囲の人たちに共有されることになるのか、通報者の方は気になることと思います。これに関する質問です。
 指針では、守秘義務、個人情報の保護に関連して、匿名性の保障、事案内容が調査に際して共有される範囲などを事前に通報者に説明することも明記すべきと思われますが、書き込む予定はありますでしょうか。
200 坂田進
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○政府参考人(坂田進君) 公益通報者保護制度の実効性を向上するに当たり、制度への信頼を高めるとともに、不利益取扱いの抑止を図る観点からは、公益通報者の匿名性を確保することが重要であり、指針に明記することを考えております。また、紛争の未然防止の観点からは、御指摘のような説明を事業者が自主的にすることは望ましいものと考えられます。
 他方で、指針は通報に関する情報の管理への取組に影響を与えると考えられます。御指摘いただいた点も踏まえて、関係者の御意見も聞いた上で、指針の内容を検討してまいりたいと考えております。
201 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 次に、公益通報制度整備の客観的な評価、点検に関する質問になります。
 組織の自浄作用を向上させコンプライアンス経営を推進するには、通報対応の仕組みを整備するだけでは十分ではなく、制度の実効性を向上させていくことが重要であると考えます。このため、制度の整備、運用状況や実績などについて客観的な評価、点検を定期的に実施し、制度を継続的に改善していくことを明記する必要があると考えますが、これに関してお考えをお聞かせください。
202 坂田進
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○政府参考人(坂田進君) お答え申し上げます。
 通報対応の仕組みの整備、運用状況や実績等について客観的な評価、点検を定期的に実施していくことは、内部通報制度の実効性向上の観点から有用であると考えられ、現行の民間事業者向けガイドラインにおいても窓口の整備、運用の状況、実績について評価、点検することを推奨しているところでございます。
 現在、ガイドラインにおいて推奨されている事項については、各事業者の実態等を踏まえた対応が望ましいものもあることから、指針の内容とすべきかについては改めて検討する必要がありますが、今般の改正法案が成立した暁には、委員御指摘の点も踏まえて関係者の御意見を聞きながら検討してまいりたいと考えております。
203 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 次に、事業者側が収集した情報の保存義務に関しての質問です。
 今後の法改正に備えた情報収集のためにも、事業者に収集した情報の保存義務を課すことが必要ではないかと思われますが、これを指針に書き込む予定はありますでしょうか。
204 坂田進
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○政府参考人(坂田進君) 民間事業者向けガイドラインにおいても窓口の整備、運用の状況、実績について評価、点検することを推奨しているところであり、評価等の過程では記録に基づいて運用状況等の検証も行われることになると考えております。他方、記録、保管が伴うことによって事業者に負担が生じ、特に重大な事案に係る通報への対応も含め、通報対応が滞ることのないよう、その義務付けについては慎重に検討する必要があると考えられます。
 委員御指摘のような改正法の施行状況の把握については、事業者に対し定期的に実施している調査を活用するほか、必要に応じて事業者にヒアリングを行うなどによっても行い得ることから、こうした手法も活用し、事業者における通報制度の運用状況等を把握してまいりたいと考えております。
205 浜田聡
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○浜田聡君 次に、事業者側ではなく行政側が設置する通報相談窓口に関する質問です。
 事業者内部ではうまく機能しない場合に備えて、行政に信頼できる総合的な通報相談窓口が存在し、周知されていくことが重要であると思いますが、いかがお考えでしょうか。
206 高田潔
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○政府参考人(高田潔君) お答えいたします。
 行政における一元的相談窓口については、消費者委員会の答申において、権限を有する行政機関の通報窓口を補完するものとして、公益通報者保護制度相談ダイヤルにおける対応の充実、不利益取扱いを受けた者に対する情報提供や相談体制の充実など消費者庁の既存の機能の強化を図るとともに、新たな機能として、権限を有する行政機関の特定が通報者にとって難しい通報事案について通報者に教示することや、行政機関の不適切な対応について注意喚起するなどして適切な対応を求めることが提言されたところでございます。
 一元的相談窓口については、消費者委員会の答申において提言された機能を担えるよう、消費者庁において体制の整備を進め、令和二年度内の設置を目指してまいります。なお、通報者を支援する観点から、一元的相談窓口を周知する取組についても進めてまいります。
207 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 次に用意していた質問は先ほどお答えになったので、飛ばさせていただきます。
 最後の質問に移ります。二〇〇四年に本法案が成立して、今回、久しぶりに改正となりました。今回の改正によって大きな進歩が期待される一方、まだまだ課題は数多く残っていると言えます。
 そこで、質問です。引き続き検討すべきとされた論点については、今後、検討の予定はどうなっていますでしょうか。
208 坂田進
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○政府参考人(坂田進君) お答え申し上げます。
 附則第五条の趣旨を踏まえ、まずは、消費者庁において施行後の状況についてしっかりと把握、分析していくことが必要であると考えております。それらの分析結果等も踏まえ、不利益取扱いに対する行政措置や刑事罰、立証責任の転換など、検討すべき論点についてどのような対応が可能か、関係者の意見も聞きながら検討してまいりたいと考えております。
209 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 以上で質問が終わりになりますけど、最後に、今回の法案審議に関連して、内部告発経験者である、とあるテレビ局、元テレビ局職員の経験を共有させていただきたく思います。
 番組制作の現場で働いていた方の声なんですが、今からお話しする件はBPOの審議となっておりまして、審議結果が出ていないこともありまして、情報源特定につながるような情報は伏せさせていただきます。
 この番組制作現場にいた元職員の方が、その職務において、番組制作現場において問題視していたことが多数あるということなんですけど、その中でも特に二点重視されておりました。
 一つは仕込みです。視聴者にとっては偶然取材対象がいたように見えますが、実態は仕込まれているというものが一点。二点目は、取材対象の意見をねじ曲げるということが行われていること、取材対象者が伝えたいことを無視して局に都合の良い内容に改変してしまうことです。
 この二点、仕込みとねじ曲げを、上司の指示とはいえ自分が行っていることに滞りを感じて、それに耐え切れず内部告発をしたそうです。内部告発をしたことで職場にいづらくなり退社することになりましたが、ここでさらに問題が起こります。
 告発内容に従って処理をしていたテレビ局なんですが、仕込みやねじ曲げの責任をよりによってその告発者に全てなすりつけたというものなんですね。テレビ局の仕事というものは世論形成に大きな影響を持つものでありまして、そういったところでこのようなことが行われていることは大いに問題と考えるわけで、今回、共有させていただきました。
 今回の法案審議におきまして、通報をした者、あるいはしようと試みた者の心の葛藤を知ることになりました。こういった正義感を持った人の行為が報われる世の中にするために、今回の法律改正は非常に重要ですし、今後も改善が続くことが望まれます。正直者がばかを見ない世の中に少しでも近づくことを願いまして、今回、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。

第203回国会 参議院 行政監視委員会国と地方の行政の役割分担に関する小委員会 第1号 令和2年11月30日
088 浜田聡
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○浜田聡君 浜田聡です。所属政党はNHKから国民を守る党、参議院会派みんなの党です。委員長、そして御答弁いただく総務省の皆様、よろしくお願いいたします。
 今年の九月に安倍政権から菅政権に替わりました。この菅政権、規制改革を重要な政策の柱としているようで、国民大いに期待していると思います。我々NHKから国民を守る党としても、これまで長きにわたって続いてきたNHK、特に受信料制度という岩盤規制をあるべき方向に改革できるものと期待しているとともに、できる限りの協力をさせていただきたいと思っております。
 これまでの武田良太総務大臣の会見などを見ていますと、政府、総務省がNHKに対する世間の厳しい目を敏感に感じ取って、NHKに対して対決姿勢を取っているように思えます。この対決姿勢というものは、我が党としてはもちろん喜ばしいことですし、多くの国民の皆様にとっても大変意義のあることだと思います。
 今回、NHK受信料関連で質問させていただきますが、よろしくお願いいたします。
 先に申し上げておきますと、本来であればNHKに尋ねるべき質問ですが、様々な制約により、今回無理を承知の上で総務省に質問させていただくわけでございまして、総務省として踏み込めない限界があることは承知の上で尋ねさせていただきます。
 さて、NHKの受信料制度というものは、昭和二十五年、西暦だと一九五〇年に制定された放送法を基につくられたものでございます。今から七十年前につくられた制度です。設立当初であれば、当時、時代背景を考えると大いに意義のあるものだったと思いますが、七十年経過すると時代も変わりますし、制度が時代に合わなくなるという点が出てもおかしくはありません。時代に合わなくなっている点は幾つもあると思いますが、ここではまず、NHK委託業者の訪問員が各家庭を戸別訪問するときのやり取りを取り上げます。
 訪問員が放送受信契約をしていない家庭を訪問し、その際に契約をお願いしているところを御想像いただければと思います。契約をしていない家庭にも様々ありまして、最近引っ越したことで契約していないという方もいらっしゃれば、数年間契約しないままの方なども様々です。ここで、訪問員が数年間契約をしていない家庭を訪問して、その家の方とお話しする場面を考えてほしいのです。
 訪問員としては、数多く契約を取ることで自身の仕事の成果としてもらえる報酬が上がるわけでもありますので、何とか契約を取ろうとします。しかし、この場合、放送法で問題が生じるわけです。放送受信料というものは、放送法六十四条第二項において、契約を締結した者から徴収する受信料を免除してはならないと規定されており、放送受信機設置時に遡って払わないといけないというのが最高裁でも言われたわけです。これらの規定に忠実に従うと、この場合、契約してください、そして過去払っていなかった数年分の受信料も払ってくださいとなるわけです。
 訪問員の立場を考えると、こういう状況でよほどのことがない限り契約を取れるわけがありません。でも、契約は欲しい。そこで、こういうことを言う訪問員がいるわけです。これまでの受信料はいいです、今月からでいいから契約をお願いします。このような訪問員が出てきてもおかしくありません。
 そこで、質問です。事実関係はひとまずさておき、NHK委託業者の訪問員が戸別訪問時に放送受信機設置月から訪問時までの受信料債権を免除する行為がなされているとすれば、真面目に受信料を払い続けている人のことを考えると不適切だと思うんですが、総務省の見解を教えてください。
089 秋本芳徳
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○政府参考人(秋本芳徳君) お答えいたします。
 浜田委員御指摘の点について、総務省として事実関係を承知しておりませんため、コメントは差し控えさせていただきたいと存じます。
090 浜田聡
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○浜田聡君 分かりました。ここではひとまず問題提起ということで質問の方をさせていただきました。
 先ほどの質問に関連して、今回、NHKの内部資料を手に入れまして、配付資料として提示させていただきます。これはNHKの営業部が委託業者に配っている資料の一部です。NHK内部にも問題だらけのNHKを何とかしたいという正社員の方がおりまして、その方からの正義の内部告発として資料提供いただいたものです。
 我々NHKから国民を守る党、昨年の参議院議員選挙で議席を獲得しました。そのすぐ後に作られた、二〇一九年八月に作られたと思われるものでございます。各地でNHK委託業者訪問員が放送法六十四条二項違反、つまり勝手に受信料を免除して契約を取る行為が横行しておりまして、それを指摘されるとまずいとNHK側が感じてそれに対応している様子が分かるような資料ですが、何かと問題があるように思います。
 資料下の受信機設置日と契約締結日の留意点というところを見てもらえればと思います。
 まず一つ目、お客様から受信機設置日について尋ねられた場合は、放送受信料は受信機の設置の月からお支払いいただく必要があることを説明しますとありますが、ただ、ここですね、お客様から受信機設置日について尋ねられた場合はではなくて、NHK側が受信機設置の有無を確認した上で受信機設置日を確認しに行くべきだと考えております。
 そして二つ目、設置日、設置月を覚えていない、分からないと言われた場合は、確実に受信機があった月の末日を申し出ていただきますとあります。ここですね、うがった見方をすれば、訪問先の人の裁量によって設置日、設置月を最近の月に設定できてしまい、法律違反につながるというのが一つの問題として挙げられるのではないかと思います。
 さらに三つ目、更に詳しく聞かれた場合は、契約書の設置日欄を指さし、こちらに書いてあるとおりですと案内しますとありますが、この案内された指さし先が非常に小さな文字でも書かれておりますし、改めて、今月からで結構ですなどのように法律違反に何とかならないようにしている様子がうかがえるわけであります。
 この資料については、NHKに問いただして本当にNHKが作った資料かと聞きたいところでありますが、ここは総務委員会ではないので控えます。
 これ、総務省にお聞きします。総務省の立場としてはこの資料の真偽については何とも言いようがないでしょうからこれはさておき、設置月が分からないと言われたときの対応について、総務省としてのお考えをお聞かせください。
091 秋本芳徳
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○政府参考人(秋本芳徳君) お答えいたします。
 NHKの放送受信規約の第三条の第一項におきまして、NHKのテレビジョン放送を受信することのできる受信設備を設置した方は、遅滞なく、受信設備の設置の日を記載した放送受信契約書をNHKに提出しなければならないという旨が規定されております。
 浜田委員御指摘の点は、NHKが定めた放送受信規約の運用に関するものでございますので、NHKにおいて適切に整理、判断されるべきものと考えております。
092 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 機会があれば、是非、私自ら総務委員会でNHKに問いただしたいところでございます。
 最後の質問ですが、時間の都合上省略させていただきます。
 冒頭にも申し上げましたが、菅政権になり、武田良太総務大臣、そして総務省がNHKへの対決姿勢を打ち出しているというのは本当に喜ばしい限りです。今後更にNHK改革が進むことを期待しつつ、我々NHKから国民を守る党としても政府、総務省と協力してNHK改革を進めていくことを誓いまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。

第203回国会 参議院 財政金融委員会 第4号 令和2年12月1日
130 浜田聡
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○浜田聡君 浜田聡です。所属政党はNHKから国民を守る党、参議院会派はみんなの党です。新内閣の皆様、今後ともよろしくお願いいたします。
 新型コロナウイルス感染症、ようやくワクチン開発の情報など出てきつつありますが、今なお収束の気配がありません。経済状況は厳しさを増しているのは御周知のところだと思います。
 先日、十一月二十五日、内閣府月例経済報告によると、このような記載がありました。「景気は、新型コロナウイルス感染症の影響により、依然として厳しい状況にあるが、持ち直しの動きがみられる。」。ということで、一時期に比べると持ち直したという記載があるとはいえ、第三波が指摘されている中、経済状況はやはり厳しいと言うべきだと思います。
 残念ながら倒産が増えていくというものは、容易に想像できるのではないかと思います。そのような厳しい状況の中で、いろいろな批判はあるでしょうが、政府が様々な施策を考えて講じていることに敬意を表します。
 さて、このような厳しい状況の中、全ての企業を救うことはできないということは想像に難くありません。そこで、麻生大臣にお聞きしたいのですが、酷な質問かもしれませんが、救うべき企業と残念ながら救うことを諦めざるを得ない企業を分ける基準のようなものがあれば教えてもらえますでしょうか。
131 麻生太郎
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○国務大臣(麻生太郎君) 救うべき企業とそうでない企業を分ける基準を統一しようと思えば、まあ全体主義か社会主義か計画経済かやらぬとね。そういうことは我々やっておりませんので、自由主義経済体制というものでやらせていただいておりますので、基本としては、我々は、雇用の維持とか事業の継続を支えつつも、これはもう産業の新陳代謝を促すということは大事なことだと思っておりますよ。その上で、新型コロナにより大きな影響を受けた日本経済全体というものを回復するということを考えないかぬわけですけれども、政府としては、これ二度補正予算を図らせていただきましたし、いろいろ企業の資金繰りとか、そういったような、いわゆるフローの話を支援策として講じてきたところです。
 また、十一月十日の閣議におきましても、ポストコロナに向けて民需主導というものの成長軌道を戻していくために、経済政策というものを策定するように指示もありました。したがいまして、経済構造の変化への対応とか生産性の向上とか、いろいろな前向きに取り組んでいる企業というのがありますので、そういったものを後押しをして、しっかりさせていかないかぬと思っているんですが、先ほど大門先生の中の質問にもありましたけれども、足下の倒産件数を見てみますと、リーマン・ショックのときには、あのときは九月、十月でしたけれども、あの頃、千四百件とか千三百件とか、大体それぐらいのオーダーでずっと倒産件数が進んだんですけれども、今回の場合は、激しかった六月、七月見ましても、六月七百八十件、七月七百八十九件と、桁、オーダーは少し、大分違う、下になってきておりますのを見ても分かりますように、半分以下の倒産件数で推移しているというのが事実でありますので、フロー、フローって、その資金繰り支援というものをやらせていただいた成果がそれなりのものに出てきているんだと思いますけれども。
 いずれにしても、そういったようなものはある一定のものでやっていかないと、これはいわゆる公平不公平が出ますので、そういったものをやりながら頑張っていただく、そうじゃないところは残念ながらという、それに運もありましょうし、その事情もありましょうけれども、それは自由が基本にやっていただかないとどうにもならぬと思っております。
132 浜田聡
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○浜田聡君 参考になる考え、ありがとうございました。
 さて、菅義偉総理大臣の新政権が発足して数か月が経過しました。この新政権の目玉として、規制改革があると承知しています。規制改革というと、規制を強める、逆に規制を緩和するなどがあると思われますが、特に規制緩和について菅政権には期待をしています。
 今回、配付資料として、総務省行政評価局が作成した資料から、許認可等の根拠条項等数の推移を掲載させてもらいました。平成十四年には一万六百二十一件だったのが平成二十九年には一万五千四百七十五件に増えております。時の経過に従い増えることはあれど、減ることはない、そんな傾向が分かると思います。許認可を減らす、規制を緩和するというのが困難だと分かることが感じられるグラフだと思います。
 元通産省の官僚で、安倍、福田内閣において、現在隣におられます渡辺喜美行政改革担当大臣のときに補佐官を務められ、規制改革に長年関わってこられた原英史さんが、その著書の中で次のように述べておられます。
 規制改革が必要な理由は、単に現状の規制がばかばかしいからだけではない、ちょっと利便性が損なわれているという程度の問題でもない。もっと本質的な理由は、こうした規制が日本の経済成長を阻んできたこと、そしてこれから更に日本を貧しくしかねないことだとのことです。規制改革に尽力してこられた方の言葉として、また菅政権への期待を込めまして、共有させていただきました。
 経済成長のための規制緩和について、海外に目を向けると、興味深い事例があります。
 例えばアメリカ。アメリカでは、トランプ大統領が大統領令として出した二対一ルールというものがあります。一個の規制をつくったら二つの規制を緩和しろ、これを厳密にルール化したものです。このルールが優れていると思うのは、明確な数字を出しているということです。また、ルールを守らせるために、守らない場合はペナルティーを科しているという脅しまで付いているとのことです。アメリカでは、トランプ大統領によってどんどん規制が緩和されていきました。
 また、似たようなルールとして、カナダではワン・フォー・ワン・ルールというのがあります。今回の配付資料にあります平成二十八年度産業経済研究委託事業と書いてある資料は、規制・行政手続コスト削減の取組の経緯をまとめた資料でして、経済産業省が関与していると考えております。これによれば、カナダはこういったルールを法制化した初めての国であるとのことです。
 今回の配付資料として、また、総務省が作ったカナダにおける規制の政策評価に関する調査研究というものも掲載させていただきました。このように、経済産業省そして総務省、恐らく規制緩和を進めたいという意思があるからこそ、このような資料を作って公表しているのだと思います。
 そこで、政府にお聞きします。政府として、今後更に規制緩和を進めていくことで、例えばアメリカのような二対一ルール、カナダのようなワン・フォー・ワン・ルールなど、規制緩和のルール導入を検討する方針はありますでしょうか。
133 彦谷直克
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○政府参考人(彦谷直克君) お答え申し上げます。
 規制改革は経済を活性化し、デジタル化を進めていくために重要な取組でございます。
 最近では、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を踏まえ、オンライン診療やオンライン教育の活用、書面、押印、対面規制の見直しなど、デジタル化に向けた規制改革に積極的に取り組んでおります。
 引き続き、国民の側、社会の側から見て、価値をつくり出す規制改革を積極的に推進していく必要があると考えております。
 また、菅総理が、本年十月の規制改革推進会議議長・座長会合でおっしゃっておりますように、行政の縦割り、既得権益、あしき前例主義を打ち破って、規制改革を全力で進めるために、各省庁が自ら規制改革を進めることが必要でございます。
 内閣府としては、各規制所管省庁ともよく連携しつつ、規制改革推進会議における民間有識者の省庁の枠にとらわれない御意見を踏まえることなどにより、スピード感を持って大胆な規制改革を進めていきたいと考えております。
 また、御指摘のアメリカやカナダのルールなどは、行政手続のコストを削減するための手法でございます。我が国でも、本年三月までの三年間で行政手続コストの二〇%削減を目標とした取組を進めており、その目標を達成したところでございます。民間の行政手続コストを削減することは重要であり、引き続き、どのような取組が必要か、しっかりと検討してまいりたいと考えております。
134 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 今回、他国の事例を紹介させていただきました。他国の事例をすぐに導入というわけにはいかないでしょうが、参考になるとは思いましたのでここで紹介をさせていただきました。
 さて、この後、少し話は変わりまして、公的機関による債権回収のお話をさせていただこうと思います。
 まず、日本年金機構についてのお話です。
 日本年金機構の情報によりますと、年金納付率は昨年度が六九・三%とのことです。督促など未納者への対策を強化したことで、八年連続で前の年度を上回っているとのことです。年金制度を維持していくために納付率がより高くなることを望みますが、今回は、年金機構が年金を払わない人々に対してどのように債権回収をしているのかということについて幾つか質問をさせていただきます。
 日本年金機構は、以前、委託業者を使って戸別訪問、債権収納業務をさせていたと承知しています。今回、配付資料として日本年金機構ウエブサイトのQアンドAを用意させていただきました。これによると、平成二十九年七月十三日以降、委託業者の訪問員による収納業務を中止していることから現金をお預かりすることはありませんと書いております。
 そこで、厚生労働省にお聞きします。現在の日本年金機構の委託業者の業務の概要を教えてもらえますでしょうか。
135 日原知己
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○政府参考人(日原知己君) 国民年金保険料の収納につきましては、保険料を納めやすい環境の整備の推進などによりまして、納付率の向上に努めているところでございます。
 この一環といたしまして、競争の導入による公共サービスの改革に関する法律に基づきまして、現在、民間事業者に、滞納者に対する電話、戸別訪問及び文書による国民年金保険料の納付督励業務、免除等申請手続の勧奨業務を委託しております。
 他方、被保険者の方の委託を受けまして委託事業者の訪問員が保険料をお預かりする業務につきましては、御指摘のとおり、平成二十九年七月十三日以降は実施していないところでございます。
136 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 先ほどの質問と関連する質問です。
 競争の導入による公共サービスの改革に関する法律というものがあります。日本年金機構はこの法律の特例で委託している業務があると承知しておりますが、業務を特例として定めた背景を教えてもらえますでしょうか。
137 日原知己
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○政府参考人(日原知己君) 国民年金保険料の収納事業に関しましては、平成十七年に閣議決定されました規制改革・民間開放推進三か年計画におきまして、包括的に市場化テストの対象とするとされたところでございます。
 この計画などを踏まえまして、民間事業者の創意工夫を反映することにより、公共サービスの質の維持向上などを図る観点から、先ほどお答え申し上げました国民年金保険料の納付勧奨業務などが競争の導入による公共サービスの改革に関する法律において規定されたものでございます。
138 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 先ほども申しましたが、日本年金機構は、平成二十九年七月十三日以降、委託業者の訪問員による収納業務を中止しております。その背景として、その前日、七月十二日に訪問員の逮捕事案というものがございます。日本年金機構は、この訪問員の逮捕事案の翌日に委託業者の訪問員による収納業務の中止措置を講じ、民間委託業者の立入検査の実施もしていると承知しております。
 次に、日本年金機構と同様に、ある意味公的機関であり、債権回収をしているNHKの事例を紹介させていただきます。
 NHKは、以前の日本年金機構と同様、現在も委託業者を利用して訪問員が戸別訪問をして、契約の請求、そして受信料支払という債権回収をしております。その委託業者が全国各地で強引な手法で契約を迫ったり、債権回収を行っていることが問題となっており、国民の不満が高まっております。どの程度の不満が高まっているのかといいますと、我がNHKから国民を守る党が国会で議席を置くくらいの不満と考えると、その不満の大きさが分かるのではないでしょうか。
 それだけではありません。NHKは、昨年、委託業者による詐欺事件を引き起こしたのは記憶に新しいところです。昨年九月に愛知県の名古屋市や春日井市でNHKから受信料の集金業務を委託されていた業者により引き起こされた悪質な事件がありました。七十代から八十代の女性三人が現金約二百五十万円の被害を受けておられます。この事件で、当該業者は高齢者を狙い、巧妙な手口を使って犯行に及んでおります。
 このように、日本年金機構は、詐欺事件、逮捕事案を起こした後に委託業者による訪問員による債権回収を中止している。しかし、NHKは、詐欺事件が起こった、そして逮捕事案が発生した後も引き続き債権回収を委託業者に委託しているということでございます。
 そこで、管轄外で恐縮ですが、それを承知で麻生大臣にお聞きします。
 NHKが相変わらず委託業者に債権回収をさせており、戸別訪問時に問題を起こしております。昨年の詐欺事件後も一向に変わる気配がありません。元総務大臣として、NHKの債権回収方法が相変わらず続いていることについての御意見をお聞かせいただければと思います。
139 麻生太郎
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○国務大臣(麻生太郎君) 質問しておられる内容、よく分かっておられるでしょうが、私、今財務大臣をやっておりますので、総務大臣しておりましたのはもう十五年ぐらい前の話で、ちょっと所管外でもありますし、元総務大臣と言われても、お答えのしようがありません。
140 浜田聡
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○浜田聡君 想定内の回答でございましたので、問題ないです。
 さて、ここで、我々NHKから国民を守る党が着目している法律の条文があり、それを紹介させていただきます。それは弁護士法第七十二条です。この条文を今回の配付資料に掲載させていただきました。弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件、非訴訟事件及び審査請求、異議申立て、再審査請求、行政庁に対する不服申立て事件その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、またこれらの周旋をすることでなりわいをすることができないというものです。分かりやすく言いますと、弁護士の資格を持たない者が報酬を得る目的で弁護士業務を反復継続の意思を持って行うことを禁止するということです。
 昭和三十七年と少し古いですが、これに関する判例を紹介させていただきます。事件番号、昭和三十六(あ)二八八三、裁判年月日、昭和三十七年十月四日、法廷名、最高裁判所第一小法廷、判示事項として弁護士法第七十二条に当たるとされた事例です。
 裁判要旨として、次のようにあります。弁護士でない者が報酬を得る目的で、原判示の事情の下で債権者から債権の取立ての委任を受けて、その取立てのため請求、弁済の受領、債務の免除等の諸種の行為をすることは、弁護士法第七十二条の、その他一般の法律事件に関して、その他の法律事務を取り扱った場合に該当するとのことです。現在のNHK委託業者が行っている行為そのものではないかと思うわけです。
 そこで、法務省にお聞きします。
 NHKが委託業者を使って債権回収をさせていることは、弁護士法第七十二条に抵触する可能性があると考えます。我々NHKから国民を守る党は、現在、NHKやその委託業者を相手にこの弁護士法第七十二条違反として複数の訴訟を起こしており、今後も提起していく予定でございます。法務省として、NHKの債権回収形態と弁護士法七十二条との関係についてお聞きしたいと思います。
141 金子修
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○政府参考人(金子修君) お答えいたします。
 一般論として申し上げますと、弁護士又は弁護士法人以外の者が、法律に別段の定めがある場合を除き、報酬を得る目的で業として他人の債権の管理回収業務を行うことは、弁護士法第七十二条によって禁止されております。
 しかしながら、法務省として個別の事案について弁護士法に違反するかどうかをお答えすることが困難でございます。この点、御了解いただければと思います。
142 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。行政府が裁判の判決に影響を避けるべしという立場、ある程度理解できます。
 ただし、このNHKと弁護士法第七十二条の関係については、法務大臣の意見が重要になってくる可能性が今後あります。それは、法務大臣権限法というものがあるからです。最近ですと、二〇一七年十二月に、NHK受信料について最高裁判決の際に、先立って、法務大臣の意見を求める法務大臣権限法に基づく措置がありました。戦後二例目とのことです。今回の配付資料に当該記事を掲載させていただきました。
 そこで、法務省にお聞きします。
 今後、弁護士法第七十二条違反に関する裁判の際に、法務大臣権限法に基づく措置により最高裁判決の際に法務大臣の意見書提出がなされる可能性について、見解をお聞きしたいと思います。
143 福原道雄
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○政府参考人(福原道雄君) お答えします。
 お尋ねは仮定の御質問であり、お答えを差し控えさせていただきたいのですが、一般論として申し上げますと、法務省としては、裁判所からの求めがあった場合には、法務大臣権限法第四条の趣旨、目的に照らして意見陳述をすべきか否かについて慎重に判断するなど、適切に対処したいというふうに考えております。
144 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 ここでNHKから国民を守る党という党名を考えてほしいと思います。国民を守るというのはどういうことかといいますと、NHKを見ていないのだから受信料を払いたくない人の権利を守るということです。この権利を脅かすのは誰かというと、NHKですが、より詳細に申し上げますと、NHK委託業者の訪問員であるわけです。各家庭を戸別訪問して、たちの悪いことに、お年寄りや女性など相手が弱いと見ると高圧的な訪問員による悪質な行為が報告されています。
 二〇一七年十二月の最高裁判決では、契約の義務は認めたものの、双方合意がない場合は、NHKは裁判をして回収するべきとなったと承知しています。しかし、NHKはごく一部で裁判をするものの、相変わらず数多くの悪質な訪問員を各家庭によこし続けているということです。このような状況を変えるため、我々NHKから国民を守る党は、国会で議席を取って、放送法を変えてNHKをスクランブル放送にするまで頑張ろうというのが従来の考えだったわけです。
 しかし、法律を変える前に、現行法で悪質な訪問員の問題が何とかなるかもしれないということで注目し出したのが弁護士法七十二条であるわけです。最終的なスクランブル化までは時間が掛かるかもしれませんが、悪質な委託業者の訪問員から国民を守るということは、この弁護士法七十二条によってNHKと委託業者が裁かれて達成できるかもしれないということでございます。
 全国に数多くあるNHK委託業者に関係するこの弁護士法七十二条に関係する裁判、弁護士法七十二条の趣旨を考えると、NHK側が敗訴する可能性は高いと考えております。そして、最高裁でNHKが敗訴となった場合に社会に及ぼす影響は極めて大きいということを皆様には是非知っていただきたいと思います。
 残りの時間を使いまして、新型コロナウイルス感染症とその対策についていろいろ質問させていただこうと思います。
 今後の新型コロナウイルス感染症に対する政府の方針についての質問です。様々なところで政府方針は見聞きしていますが、例えば十月三十日参議院本会議、片山虎之助議員の質問に対して菅義偉総理大臣はこのように答弁されておられます。新型コロナウイルスの爆発的な感染は絶対に防ぎ、国民の命と健康を守ります、その上で、社会経済活動を再開して経済を回復していくというのが基本方針ですとあり、同様の方針は様々な場面で見聞きしています。
 ここで確認させていただきたいのですが、これは、いわゆる新型コロナウイルス感染症の封じ込め、中国や台湾がやっているような封じ込めは諦めた上で、ある程度の感染を想定した上で感染者が増え過ぎないようバランスを取りながら対応していく方針と捉えてよいでしょうか。
145 梶尾雅宏
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○政府参考人(梶尾雅宏君) お答え申し上げます。
 社会経済活動との両立のためには感染対策をしっかり行うということが大前提でありまして、すなわち、感染が拡大をしますと、より強い対策を講じなければならなくなりまして、経済活動にも大きな影響が出ることになるというふうに考えております。
 足下の新規陽性者数の増加傾向が強まっている中、新型コロナウイルス感染症対策分科会からは、都道府県内の一部の地域では既にステージ三相当の強い対策が必要に達したと考えられる地域も存在すると指摘されておりまして、ステージ三に近づく段階からより強い対策を講じております。
 具体的には、地方創生臨時交付金の協力要請推進枠五百億円を活用しました営業時間の短縮要請等の推進ですとか、高齢者施設での重点検査など戦略的、重点的検査の拡充、また業種別ガイドラインの改定によります飲食店などの店舗での感染対策の強化や、職場における感染対策強化の経済界への呼びかけなどに取り組んでございます。
 引き続き、国民の命と暮らしを守るために、感染拡大の防止と社会経済活動の両立に向けまして、全力で取り組んでいきたいというふうに考えております。
146 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。政府の方針を確認させていただくために質問させていただきました。
 私の知り合いに名の知れた感染症専門医の先生がおりまして、そちらの方の意見も私と同意見でした。その方が言うには、新型コロナウイルス感染症の流行は年単位で続きます。重要なのは、息切れしない、十年後も続けられるような感染対策です。その方が病院の職員向けに作られた資料が優れていると思い、今回配付資料として配ろうと思ったのですが、民間病院内の資料ということで控えさせていただきました。
 ここで、内容を一部共有させていただきます。
 まず、次の五つをしっかり守ってくださいということで、一、一メートル以上、できれば二メートル以上の距離を取る。二、距離を確保できない場合はマスク着用。三、三密対策として、換気、集まらない、距離を取る。四、体調不良があれば絶対に出勤しない。五、食事は黙々と、談笑はマスクを着けて食後に。この五つだけしっかり守ってくださいとのことです。この五つが守れていれば、感染のリスクを最大限に減らすことができます。
 今までさんざん自粛してきて、感染が増えてきたので自粛を継続しろと言われても無理な話です。適度に息抜きをしましょう。リスクが高いのはマスクを外す食事の場面です。この場面において最大限の注意を払いましょうとのことで、このように正しく恐れた上で、疲れないような感染対策、こういう発想も重要かと思い、ここで共有させていただきました。
 さて、自粛疲れ対策ということで、全国のイベント開催についてお聞きしたいと思います。イベント開催は自粛疲れ対策として重要であると考えます。
 そこで、政府参考人の方にお聞きします。現在のイベント開催の在り方に係る規制、イベント開催制限に対する見解を教えてもらえますでしょうか。
147 梶尾雅宏
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○政府参考人(梶尾雅宏君) 現在、いろいろ各地のコンサートなどイベントが開催されております。その際には、イベント開催に関するガイドライン、業種別のガイドラインというのを定めておりまして、マスクの着用ですとか飲食の制限、あるいは入退場とかエリアでの行動管理などのガイドラインを定めております。そういったことを遵守する御努力をいただきながら、そういったクラスターなどが発生させることなくイベントなどが開催されているという実態もあると思っております。
 一方で、業種別ガイドライン、このガイドラインを遵守していないケースなどにおきまして、イベントの演者の間、あるいは演者と観客の間でのクラスターが発生したというケースもございます。安全なイベント開催を実現するためには、足下の感染状況も踏まえながら、イベント開催の感染防止策をより一層強化しなければならない状況でもあるというふうに考えておりまして、まずこうしたことも踏まえまして、まずはイベント等での業種別ガイドラインの遵守の徹底強化を行いまして、感染防止策というのをしっかり徹底しながらイベント等が行われるようにしていくということが大変重要だというふうに考えております。
148 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 先ほど紹介しました感染症専門医の先生の御意見をもう一度紹介します。
 飛沫の出ない観劇、そして映画、クラシックコンサートなどはリスクが少ないとのことです。イベント開催も、適切な感染対策をして積極的に開催してもいいのではないかと思います。各地のコンサートで感染者数ゼロを達成したという報告が多数あります。報道などでは不安をあおりがちですが、このように適切に対処することでイベント開催は可能であることを積極的に周知していってもいいのではないかと考えます。
 次に、GoToキャンペーンについて、麻生大臣の御意見を伺いたく思います。
 GoToキャンペーン、いろいろと批判はあるものの、お金を直接配るのではなく税金でアシストする、それによって、その支出よりはるかに多くのお金を人々に使わせたという点で評価できるのではないかと私は思います。
 麻生大臣のGoToキャンペーンに関する見解をお聞きしたいと思います。
149 麻生太郎
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○国務大臣(麻生太郎君) これも所管は基本的には国土交通省と農林水産省かな、に聞いていただきたいところなんですが、その上で、あえて申し上げさせていただければ、このGoToキャンペーンというものは、これは地域経済というものを全体で下支えを行うものなのであって、いろいろ専門家とか現場の方の御意見等々伺いながら、これは引き続き感染防止策というのを徹底した上で、徹底した上で、環境、感染状況等踏まえながらやらぬとどうにもなりませんから、こういう形を踏まえた上で適切に運営してもらえれば、引きこもりがちだった方々を外に出すというのは、これは精神衛生上も極めて有効なものになり得ると思っていますので、そういったもののやり方というものについては、利用を控えたりやったり、いろいろやり方はあろうと思いますけど、有効に活用していただければ極めて効果の高いものかなとは思っております。
150 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 このGoToキャンペーンについて一つ批判があるところとして、業界が限定されるという批判がありまして、それはごもっともだと思うところでございます。
 そこで、業界を制限せずに消費を喚起できる政策があり、政府は既に実施しております。それは、マイナポイント事業です。
 現在、今年の九月から今年度末を事業期間として、キャッシュレス決済を対象に、還元率二五%と設定していると承知しております。キャッシュレス決済推進やマイナンバーカード普及を図る目的のほか、当然、消費を喚起することは明らかです。GoToと異なって、業界の制限なく消費を喚起できるという点で、公平性でも評価し得ると考えますが。
 ただ、一つ欠点がありまして、ポイントの付与上限五千円という点でございます。二万円買物をすれば、その二五%、五千円ということで、それで終わりということになります。
 消費を喚起するのであれば、この上限を撤廃するという考えはないでしょうか。
151 黒瀬敏文
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○政府参考人(黒瀬敏文君) お答えいたします。
 マイナポイントの付与上限撤廃についてお尋ねをいただきました。
 マイナポイント事業は、御指摘のように、個人消費の下支えですとか、キャッシュレス決済の普及促進を図りつつ、マイナンバーカードの普及を進めることを目的としている事業でございます。そのため、本事業につきましては、一人当たりのポイント付与の上限を設定することで、一定の予算の中で、できる限り多くの方々にマイナポイントを御利用いただけるようにし、マイナンバーカードの取得の促進を図る仕組みとしております。
 また、本事業のメリットが一部の高所得者に集中しないようにすることにも留意が必要と考えております。そのため、現行のマイナポイント事業について付与上限額を撤廃することは課題が多いものと考えております。
152 浜田聡
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○浜田聡君 総務省の考え方、承知しました。
 ただ、大量の予備費があるということなので、こういうところで使えばいいと思うわけですが、予算委員会ではありませんのでこれ以上は申し上げませんが、今後の本予算でも検討いただければと思います。
 さて、話をGoToキャンペーンに戻します。
 新型コロナウイルス感染症の特徴として、年齢別の重症化、死亡リスクに大きな違いがあります。一般的には、高年齢層の重症化、死亡リスクが高く、若年層はそれほどでもないことが明らかになっています。
 そこで、一つの提案ですが、GoToキャンペーン、この重症化、死亡化リスクの高い高年齢層への配慮として、そういった高年齢層の方を対象外にするという提案はいかがでしょうか。
153 松浦克巳
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○政府参考人(松浦克巳君) お答えいたします。
 GoToキャンペーン事業につきましては、事業者、利用者双方における感染防止対策を徹底した上で事業をしているところでございまして、こうした対策を徹底すれば、旅行や飲食による感染リスクを低減することは可能と考えております。
 このため、御指摘の高年齢層の方々を一律に事業の対象外とすることは考えておりませんが、現在感染の広がっている地域がある中で、御指摘の高年齢の方々を含めて、利用者の皆様に対しては、マスク、消毒、手洗い、三密の回避といった感染防止対策の徹底を重ねてお願いしているところでございます。
154 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 高年齢層の方に比べて若年層は比較的リスクが低いと承知しております。
 先日、文部科学大臣より、緊急事態宣言が出ても全国一斉の休校は要請せずとの発表がありました。子供たちの重症化リスクが低いことを考えれば妥当だと考えます。
 今後も生徒に対する過剰な外出抑制は避けるべきと考えておりますが、厚生労働省の意見をお聞きしたいと思います。
155 佐原康之
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○政府参考人(佐原康之君) お答えいたします。
 新型コロナウイルス感染症は、これまで得られた知見によりますと、重症化する割合や死亡する割合は年齢が高いほど高くなっているが、その割合は以前と比較して低下しているといったことが分かっております。また、例えば二十歳未満の重症化率は極めて低い水準となっております。
 学校における対応につきましては、文部科学省の所管であるためお答えは差し控えたいと思いますけれども、感染拡大の状況が続く中で、子供たちも含めて、マスクの着用や手洗い、三密の回避といった基本的な感染防止対策の徹底をお願いしてまいりたいと考えております。
156 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 先ほども申しましたが、持続可能で息切れしない、十年後も続けられるような感染対策として、今後も子供たちのことを考えて提言させていただきたいと思います。
 さて、新型コロナウイルス感染症で大変な状況ではありますが、残念ながら日本は災害大国です。外国に比べて、台風、大雨、大雪、洪水、土砂災害、地震、津波、火山噴火などの自然災害が発生しやすい国土です。
 余り想像したくはありませんが、現在このコロナ禍で、南海トラフ地震や首都直下型地震あるいは富士山噴火など大災害が起こった場合、対策本部の立ち上げ準備などどうなっているか、教えてもらえますでしょうか。
157 村手聡
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○政府参考人(村手聡君) お答え申し上げます。
 大規模災害発生時においては、直ちに官邸に内閣危機管理監始め緊急参集チームが参集いたします。必要に応じて内閣総理大臣や防災担当大臣などが政府としての基本的対処方針等について協議し、緊急災害対策本部や非常災害対策本部を設置するなど、政府一体となった対応を取ることとしてございます。
 新型コロナウイルス感染症が発生している状況下でも、マスク等の着用や手洗い、消毒など、基本的な予防措置の徹底に加え、参集メンバーがいわゆる三密を避けるための室内の環境を工夫するなど、適切に予防措置を行いつつ対応することとしてございます。
 引き続き、コロナ禍においても災害応急対策が迅速かつ的確に行われるよう、関係省庁や地方自治体と連携しつつ対応してまいります。
158 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 先ほどの質問と関連しまして、大規模自然災害の際に、ふだんの住居に住めなくなった人々のために、ひとまずやり過ごすための住居として避難所を開設するというのがよく知られていると思います。ただ、一方では、最近ではホテルや旅館を利用するという施策も準備していると承知しております。
 新型コロナウイルス感染症で感染が問題となる中、避難所ですと大部屋に多くの方が一斉に会するということで感染リスク高いと思うんですが、旅館やホテルであれば感染リスクは下がるというのは容易なところでございます。
 政府としまして、このように大規模災害が起こったときのひとまずの住まいとして、避難所ではなくホテル、旅館を利用する、そういった施策を進めておりますでしょうか。
159 村手聡
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○政府参考人(村手聡君) お答え申し上げます。
 新型コロナウイルス感染症対応や大規模災害の際には、多くの避難者を受け入れ、多数の避難所が必要となります。事前にそうした事態を想定いたしまして、ホテル、旅館等を避難所として活用することも含め、可能な限り多くの避難所を開設し、準備に努めることが必要だと考えてございます。
 今回の新型コロナウイルス感染症対応に当たっても、ホテル、旅館等の活用を促進するため必要となる経費について、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の活用が可能であることを自治体に周知するとともに、厚生労働省や観光庁と連携して、宿泊団体にも協力を依頼して、協力可能との回答を得た全国の千二百を超える宿泊施設の情報を自治体に提供してございます。
 自治体においては、新型コロナウイルス感染症対応や大規模災害の際に避難に支障が生じないように、事前にホテル、旅館等と協定を結ぶなど避難所確保の取組を進めていただくよう、内閣府としても自治体の取組を支援してまいります。
160 浜田聡
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○浜田聡君 終わります。ありがとうございました。

第204回国会 参議院 国民生活・経済に関する調査会 第1号 令和3年2月10日
089 浜田聡
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○浜田聡君 浜田聡です。所属政党はNHK党、参議院会派はみんなの党です。よろしくお願いいたします。
 参考人の先生方には、お忙しいところお越しいただき、そして貴重な御意見お聞かせいただき、大変ありがとうございます。
 まずは染矢参考人にお聞きしたいと思います。いわゆる民間の自立支援施設について起こっている可能性のある問題についてです。
 例えば、ここ数年の間に引きこもり自立支援施設でずさんな管理がされていて、支援が必要にもかかわらず、そういった方が放置されていて餓死したなどの事例が、報道がありました。このように、内情がめちゃくちゃなのに外見上は優良施設として取り上げられているようなところを問題視しております。
 私の元に来た相談を一つ紹介させていただきます。
 現在成人女性の方でして、十年以上前、十七歳のときに少年少女の更生施設に入所させられていた方なんですね。施設から一歩も出ることができない日々が続いて非常に怖い思いをしていたそうです。指導員から暴力を受けることが多々あったとのことなんですが、それだけではなく、男性指導員からいわゆる卑わいな行為をされていたとのことでもありました。親に報告しようにも、外部との連絡が遮断されていてなかなか難しかったとのことでした。さらに、相談者の方によると、十数年たった今ですので、その施設に対して民事訴訟を検討しているとのことですが、証拠がないので難しいと、苦労しているとお聞きしております。
 こういったことが起こっている可能性を踏まえた上でお聞きしたいんですが、このような少年少女施設、更生施設にいる、あるいはいた方からの相談があるのかどうか、あと、その他、このような少年少女の更生施設での問題について御見解をお聞かせいただければと思います。
090 染矢明日香
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○参考人(染矢明日香君) 御質問いただいてありがとうございます。相談者の方も非常に大変な思いをしてこられたということが伝わってまいりました。
 私どもが行っている少年少女の支援の施設、更生施設における取組なんですけれども、率直に申し上げて、今のところ特にそういった方からの相談と分かるような事例というのはないように思っております。ただ、やはり、こういった問題行動と言われるものの背景に、その子が置かれている社会的な状況であったりとか支援の少なさというところが陥ってしまう要因としても挙げられると思います。
 非行、悪いことをしてしまったという子に対して、やはり罰を与えるのではなくて、そこから、じゃ、どのような行動が望ましいのかというふうにきちんと教育の機会として充実をさせていくことが必要だとは思うんですけれども、ここにおいてもその包括的な性教育の視点というのがまだまだ足りていないのではと思っております。
091 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございました。
 民間の自立支援施設であったり少年少女の更生施設で起こっているかもしれない問題について、委員の方々、皆様とともにこの機会で共有をさせていただきたいと思いまして、質問の方をさせていただきました。
 次に、山中参考人にお聞きします。
 特別支援学校について、障害者権利条約を踏まえた上での見解をお聞きしたいと思います。
 障害者権利条約が二〇〇七年、国連で署名されたと認識しております。日本でもこれ批准しておりまして、二〇一四年の二月十九日、国内法的効力が生じていると思います。この障害者権利条約に従いますと、特別支援学級、学校というのは障害のある子と障害のない子を分離するものであって、縮小化すべきものであるのではないかという意見が寄せられていたんですね。
 裁判事例を一つ紹介させていただきます。報道によって多くの方御存じかもしれませんが、川崎市の事例になります。
 医療的ケアが必要な小学校三年生になる男の子が通常小学校に入学を希望していました。ただ、ケアが必要なので御両親が付き添うと言っていた上で希望されたのですが、結局、通常小学校への入学を拒否されて、特別支援学校へ入学すべきとされました。この件については、現在、東京高裁で控訴審中だと承知しております。
 このように、入学拒否というのは障害者権利条約の理念に反するのではないかという意見について耳を傾けるべきではないかと考えます。もちろん、現場のことを考えますと、理想と現実との間で難しい問題だとは思いますが、このように特別支援学校を縮小していくべきだという意見に対して御見解をお聞かせいただければと思います。
092 山中ともえ
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○参考人(山中ともえ君) 先ほど、ちょっと私の最初のところでも申し上げたんですが、特別支援学校とか特別支援学級とか、やっぱり多様な学びの場としてそれぞれ機能して、その子のためにある、その子の力を一番伸ばしていくのはどこかということになるので、より専門性の高いところですとか特別な教育課程を受けられるところの場としては、より充実していく必要はあると思います。
 ただ、そこに就学するに当たって相談が十分でなくて、保護者、当事者、本人が同意、合意形成できていないのにそこに行かねばならないというふうな状況になることが良くないことだと思うんですね。就学相談については、そこに専門的な人を配置するとか、それから、入ったらそこで、その入るときにはそこの状況が一番いいんだけれども、何年後かには変わるかもしれないというときに、転学なり、その学びの場を変えるということがやっぱり柔軟にできていくということが必要なんだろうと思います。そこのところがやっぱり問題になっているのかな。
 それから、医療的ケアのことなどもありましたけれども、確かに命に関わることなので、普通の小中学校で三十人近くの一クラス持っているところではなかなか命に関わることを預かるのは難しいというふうな判断だったのかなというふうに思いますけれども、医療的ケアについても、現実、医療的ケアが必要な子の一割ぐらい小中学校に入っている現状があるんですね。そこにやっぱり看護師を配置するとか、その看護師のためのマニュアル、どういった活動をするかというマニュアルも今作成、もう出たと思うんですけれども、そういった体制も進みつつあるので、そういった支援体制だとか人材というのをきちんと予算化して配置していって、そういう配慮の必要な子供たちも小中学校で学んでいける。そして、そこが強制ではなくて、逆に特別支援学校、特別支援学級を選択して行く人もいるので、それはそれで大事にしなければいけないことなのだなというふうに思います。
093 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございました。
 難しい問題だとは思いますが、障害者権利条約の中にあらゆる場面における差別禁止という考え方がありまして、このような考え方を改めて委員の皆様とも共有をさせていただきたいと思いました。
 本日は貴重な意見をいただきありがとうございました。いただいた御意見を参考に、今後の議員活動に生かしていきたいと思います。
 以上で終わります。

第204回国会 参議院 国民生活・経済に関する調査会 第2号 令和3年2月17日
079 浜田聡
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○浜田聡君 浜田聡です。所属政党NHK党、参議院の所属会派みんなの党です。よろしくお願いいたします。
 参考人の先生方、本当に貴重な御意見お聞かせいただき、ありがとうございました。私の方から、時間の許す範囲でいずれの先生にも質問させていただこうと思います。
 まず、鳥井参考人にお聞きしたいと思います。
 日本在住の外国人の方が国内で触れる日本語についてお聞きしたいと思うんですね。日本における外国人の方が、日本語ができなくて厳しい状況に置かれている方が、まあそれなりにいるとは思います。そういった問題への対処として、最近幾つかの自治体ではいわゆるやさしい日本語による情報展開がされています。例えば、漢字交じりの日本語より簡単で、日本語能力が十分でない外国人にも分かりやすいような配慮した日本語を使うということを推奨しているものだと承知しております。
 現場で外国人の方々に触れ合ってこられた鳥井先生から見て、このやさしい日本語の政策としての評価、あるいは外国人の方向けのその他の日本語の関する政策でも結構ですので、御意見お聞かせいただければと思います。
080 鳥井一平
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○参考人(鳥井一平君) 御質問ありがとうございます。
 非常にピンポイントで、私にとっては答えたい質問だというふうに思います。やさしい日本語は、私としてはいい進歩かなというふうに思っています。
 実は、私はローマ字というのも推奨しています。実は、ローマ字というのは日本語として理解している、英語圏の人たちだけじゃないんですね。だから、日本語として、言葉として、耳から入っている言葉で理解している人は結構職場では多いんですね。そうすると、ローマ字表記というのは非常に有効。
 そして、やさしい日本語というのは、仕事をする上では非常に大切なポイントだと思います。仕事上では仕事に合った言葉というのもありますね。ただ、やはりやさしい日本語によっていろんな情報が吸収されやすい。災害時の場合の緊急避難の情報伝達についても、やはりやさしい日本語でないと分からない。多言語も大切ですけれども、日本で長く生活している人は、先ほど申し上げましたように、読み書きはできないけれども聞いたりしゃべったりすることは何かしらできるという人たちも結構いますので、それは大切だと思います。
 そしてもう一つは、日本語をスキルとして考えてもらいたい。これはもう私は一九九三年に初めて政府との交渉をやらせていただいたときから言っていることなんですけれども、職業訓練校で日本語というのを入れてほしいと。その答えはいつも、いや、それは文科省の範囲だからという答えだったんですね。しかし、働く上での日本語というのもあるわけですから、スキルとしての日本語という考え方、これは非常に大切なことじゃないかなというふうに思っております。
081 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 今後、鳥井先生の意見など参考にして、日本に住まれる外国人の方が、より良い、住みやすい社会となることを期待するとともに、私も応援させていただきます。
 次に、田中参考人にお聞きしたいと思います。
 外国人の子供に関わる活動をされてきたと承知しております。そのときに、子供が生まれたときに取得するものとして国籍があります。日本国籍ですね。日本国籍に限らず国籍があります。そこで、先生には国籍取得の考え方について御意見をお聞きしたいと思うんですね。
 釈迦に説法だと思うんですけれど、国籍取得というのは出生地主義と血統主義に大きく分けることができます。出生地主義というのは、両親の国籍に関係なく、生まれたときの場所、国の国籍を取得できるという考え方で、例えばアメリカやカナダが採用していると。一方、血統主義というのは、出生地主義とは違って、生まれた国に関係なく父母から受け継いだ血縁関係で国籍を取得するという考え方です。
 日本はこの血統主義を採用している国なので、例えば両親が外国人の場合で、その夫婦の間に子供が生まれたとき、それが日本で生まれたとしても、日本国籍を取得できないということがあります。ただ、こういったときに、このように日本で生まれた子供には、その本人が希望すれば国籍取得の道を開くという柔軟性があってもいいんではないかという意見を耳にして、一理あると思ったんですね。
 国籍取得の考え方について、田中参考人の御自由な意見をお聞かせいただければと思います。
082 田中宝紀
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○参考人(田中宝紀君) 非常に個人的な意見になってしまいますが、グローバルスタンダードを考えれば、二重国籍というものは認められるべきというふうに考えています。
 また、例えば現場とかですと、お父さんとお母さんが日本以外のそれぞれ異なる国の出身者で、日本で出会って、日本語を家庭内言語として、日本で生まれた子供を育てるみたいなことはあるんですね。
 そういうことを考えると、ルーツ、アイデンティティーとしては三つないし四つ以上というようなマルチカルチャーの子供たちというのは多数おりまして、そこに、例えばそういった子供たちが自分らしく生きていける、あるいは日本の社会の中で生きていくことを誇りに思うというようなことを実現していくためには、国籍自体は選択の余地があってもいいのではないかというふうに思います。
 一方で、日本に長く暮らしたいんだったら日本国籍を必ず取るべきというような考え方に陥ってしまうとかなり偏ってきてしまいますので、あくまでも個人の選択の範囲を広げていく。それに伴って、いかなる選択をしようとも、きちんと権利が保障されているような状態をつくっていくことが望ましいというふうに考えています。
083 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。慎重に考えるべき問題かもしれませんが、時代に合わせた制度となっていくよう、私もいただいた意見参考にして、今後の議員活動に生かしていきたいと思います。
 最後に、指宿参考人にお聞きしたいと思います。
 指宿参考人、法律の専門家ということもあって、今回のテーマから少し離れるかもしれないので恐縮なんですけど、多文化共生、多民族共生社会について話をするときに、時折話題となります外国人参政権について御意見をお聞きしたいと思うんですね。
 過去の国会で、外国人に参政権を付与する旨の法案が何度か出されていると承知しておりまして、ここにおられる委員の皆様も各々の御意見があろうかと思います。恐縮ながら私の意見を申し上げさせていただきますと、外国人参政権を認めるというのは、ある方々への差別につながるので認めるべきではないと考えております。誰に対する差別かというと、帰化して日本国籍を取得した元外国人の方に対する差別ではないかということです。参政権欲しいのであれば日本国籍取得すればいいと考えているわけなんですけど。
 ただ、私の意見はさておき、法律家としての指宿参考人の外国人参政権についての忌憚のない御意見、教えていただければと思います。
084 指宿昭一
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○参考人(指宿昭一君) 私、この点については余りしっかりとしたお答えのできる見識がありませんので、私の分かる範囲でお答えをさせていただきたいと思います。
 参政権と申しましても、国政の参政権と地方参政権では若干事情が異なるのではないかと思います。私は、外国人住民が地方自治体の政治において意思決定ないしリーダーの選出において参政権を有していくという法制は十分に考え得るし、私の意見としては、好ましい、望ましいことではないかと思います。
 国政については、また少し違う議論も出てくると思いますので、ここではちょっと意見を差し控えさせていただきたいと思います。
 以上です。
085 浜田聡
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○浜田聡君 ちょっと、貴重な御意見ありがとうございました。少々今回のテーマからは外れて答えにくかったところもあろうかと思いますが、大変ありがとうございます。参考にさせていただきます。
 最後に、日本におられる外国人をめぐる課題というのが今回のテーマだったんですけど、そのテーマの、我々、我がNHK党が考える問題としましては、NHK委託業者の訪問員による問題があることを最後に挙げさせていただきます。
 昨年の調査会で私、既に取り上げていましたので、ここでは簡単にとどめますけど、日本語に不自由な外国人の方々をNHK委託業者が訪問する際に、外国人の方だと日本語がよく分からないということもあって度々トラブルになっているという情報があります。二〇一九年八月には、ベトナム人の方がNHK訪問員とトラブルになって消火器噴射したという事件もありました。
 改めまして、日本におられる外国人をめぐる課題の一つとして、NHK党の国会議員として、委託業者訪問員の問題を最後に共有させていただきたいと思います。
 私の質問、以上です。ありがとうございました。
086 芝博一
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○会長(芝博一君) 今のは答弁はよろしいですか。
087 浜田聡
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○浜田聡君 はい、結構です。

第204回国会 参議院 国民生活・経済に関する調査会 第3号 令和3年2月24日
078 浜田聡
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○浜田聡君 浜田聡です。所属政党がNHK党で、参議院の所属会派はみんなの党です。よろしくお願いします。
 参考人の先生方、本日は大変貴重な意見、ありがとうございました。私の方から、いずれの参考人の先生方にも質問させていただこうと思います。
 まず、山田参考人に、商店街の将来像についてお聞きしたいと思うんですね。
 昨今のコロナ禍で、各業界厳しい状況にあります。商店街も当然例外ではありません。ただ、商店街が厳しいというのはコロナ禍以前からある話だと思います。シャッター商店街という言葉は、これ地方だと一九八〇年代後半から指摘されていると聞いたことがあります。商店街の衰退、崩壊スピードというのが結構急速で全国的に問題となったということで、二〇〇五年に大規模小売店舗法再見直しが行われたと承知しております。
 最近だと、やっぱりインターネットの発達でオンラインの買物普及して、実店舗での売上げに影響を与えているのは明らかだと思います。そこでこのコロナ禍が訪れたということで、もちろんピンチだとは思うんですが、ただ逆に、様々な社会の変化が起こる中、その流れに乗って大きな変革を起こすチャンスでもあるとは思うんですね。
 そういった中、山田参考人の、将来の商店街をどうしていくべきかなどの将来像ありましたら、自由な見解お聞きしたいと思います。
079 山田昇
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○参考人(山田昇君) ありがとうございます。
 将来像というのは非常に厳しい御質問だと思いますが、やはり我々生き残るためには何らかの形の努力をしていかなきゃいけないというのも事実でございます。
 先ほどお話ありましたように、我々商店街の仲間ではキャッシュレスというのはなかなか厳しくて、皆さんに聞くと、うちはキャッシュですという人が多いんですね、残念ながら。しかしながら、この状況下においてやはり何かやらなきゃいけないということで、先ほど僕がお話ししましたような形の電子マネー、それもまず、話がダブりますが、端末がない、手数料が安い、お金がすぐ入ってくる、この三つのところをいろいろ精査してやったわけでございますが、今までデジタル化と言いつつなかなか商店街というのは腰が重かったんですが、逆に言うと、このコロナの後押しという、ちょっと言い方が良くないんですけれど、コロナ禍におきましてそういう状況が出てきている。
 それと、何でしょうか、宅配ですか、宅配、あとはテークアウト、そういうものも非常に盛んになってまいりまして、ただ、これが全部救えるかというと、そうは僕は思わないんです。ただ、やはりやる気があって商店街で生き残ろうという人たちに関しましては、結構大きな動きになっていることは事実です。ですので、こういう形でやはり地域の人に喜んでいただけるような場をつくるというのは我々の責任であるかなという感じがします。
 あともう一点は、このコロナ禍で余り大きな、ダイナミックに動けないということがございますよね。そうするとどうするかというと、やっぱり地域で調達するということが多くなります。やはりその辺もある意味での我々の追い風と考えて、皆さんと一緒に商店街の仲間たちといろいろ相談しつつ、足りないものはみんなの知恵で何とかする、そういうような形で、今後、未来、みんなと頑張ってこの地域の商店街を継続させようと、そういう流れが出てきているのも事実でございますので、満更全く暗い話ばかりではないのかなという、そういう感じがいたします。
080 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 おっしゃるとおり、商店街には商店街の良さは間違いなくあると思います。時代の流れに合わせて良き変化できていけばいいと思います。私も応援させていただきます。
 次に、平田参考人にお聞きしたいと思います。
 日本でのフリーランス、個人事業主などですね、自律した働き方をしている、あるいはしようとしている人々にとって、そういった環境、特にセーフティーネットの評価についてお聞きしたいと思います。
 ちょっと自党の話で恐縮なんですが、私の所属政党、NHK党の党首立花孝志なんですけれど、その話をさせてください。彼、元NHK職員で、高卒でNHKに入ったんですけれど、順調に出世して、NHK会長の側近になるまで出世しました。順調なキャリアを積みながら、ただ、NHKで行われている不正を目の当たりにして、それを見て見ぬふりできなくなってその不正を週刊文春に告発、内部告発をしたという経緯があります。その後、退社を余儀なくされて、その後、フリージャーナリストであったりパチプロとして生計を立てつつ、二〇一三年にNHKから国民を守る党という政治団体立ち上げて、地方選挙からこつこつと議席を積み上げて、二〇一九年の参議院選挙で議席を獲得して国会議員にまで上り詰めました。現在、その議席は党の事情から私に引き継がれているわけなんですが、現在も、立花孝志、我が党の党首として日本に九つしかない公党の党首という立場にあります。
 この立花が行動開始となる内部告発のときに話を戻しますと、いろいろとリスクはあった上での行動で、本人相当悩んだと言っております。もちろんだと思います。ただ、その際に、立花が言うには、日本には生活保護というセーフティーネットがあるからこそ、そういう安心感があるからこそ行動を起こすことができたと言っておりまして、妙に私も納得した記憶があります。
 ここでお聞きしたいのが、参考人が考える、日本でフリーランスとして、個人事業主として自律した働き方をしていく人にとっての環境、評価についてお聞きしたいと思います。
081 平田麻莉
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○参考人(平田麻莉君) ありがとうございます。
 そうですね、私たちの協会では、ビジョンに掲げているのが誰もが自律的なキャリアを築ける世の中へということですので、基本的には、自律的にキャリアを築いていく、お仕事をしたいと考えている方がフリーランスの中にも多いのかなと思います。なので、生活保護ですとかベーシックインカムとかはその最低限の生活を保障する上で必要なものだとは思いますけれども、今回のコロナの影響を受けた方々のお話を聞いていても、給付金をもらえてラッキー、働かなくてよかったと思っている人は本当に少なくて、やっぱり皆さん働きたいという思いが強いんですよね。
 なので、しっかりと自分の専門性ですとかこれまでの経験というのを世の中に価値として提供したいというふうに考えている方が多いんじゃないかなと思います。所得とか収入というのはありがとうの対価だと思いますので、やっぱり誰かの役に立って喜ばれて、それで収入が得られるというところがやっぱり生きていく上での喜びにもなると思いますし、実際、コロナ禍とかそれ以前からも、ニーズがなくなった、商売がうまくいかなくなったときにはビジネスモデルをピボットするとか、皆さんやっぱり世の中の役に立つようにいろいろと工夫をしながら働いているということだと思います。
 なので、生活保護があればいいというよりかは、生活保護も大事なんですけれども、やっぱり挑戦したいと思った人が挑戦できる、そういうセーフティーネットですとか、若しくは、挑戦したいんだけれども、病気だったり出産だったり介護だったり、誰もが背負い得るライフリスクによって働けないときにそこを一部補填するような、そういうセーフティーネットの在り方が望ましいんじゃないかなと思っています。
 先ほど、国保の問題についてお話しさせていただいたときに時間の関係で触れなかったんですけれども、もう一つ加えますと、出産手当金というのも国保の場合は給付義務ではなく任意になってしまっているので、傷病手当金と同じく給付している自治体は一つもない状況なんですね。その結果、私たちの調査によると、女性の経営者、フリーランスの方で産後二か月以内に復帰している方が六割いらっしゃるんですね。一か月以内に復帰している方でも四四・八%いらっしゃいます。これは会社員であれば母体保護の関係で必ず休まなければならないとなっている産休の期間ですけれども、そういったセーフティーネットがないことで二人目を諦めたとかそういう方もたくさんいるので、仕事をする上での挑戦ということもそうですし、家族を増やすとか親のケアをするとか、そういった意味での挑戦も妨げない、そういったセーフティーネットが必要なのかなというふうに思っております。
082 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 フリーランスなど自立した生き方というのは、そういう生き方される方が多くなれば私はもう国力増強につながると思っております。
 今後ますますの活躍期待するとともに、応援させていただきます。
 最後に井上参考人に、黒田日銀総裁へのメッセージをあればお聞きしたいと思います。
 私は、この参議院では、渡辺喜美議員と会派みんなの党を組ませていただいております。二人とも常任委員会としては財政金融委員会に所属しております。
 昨年三月に参議院財政金融委員会において、渡辺喜美議員が井上参考人の著書、AI時代の新・ベーシックインカムという著書を取り上げて黒田総裁にベーシックインカムについての見解を聞いているんですね。時間の制限がありますので、ここでその詳細は省いて要旨を簡潔に取り上げますと、ベーシックインカムを実施する際の財源の中で、いろいろとお話ありましたけど、その中でも日銀がお金をつくる、いわゆる通貨発行益が考えられると。渡辺議員は、これを使えば、先ほど話にありましたけど、変動ベーシックインカムの財源としては十分可能ではないかということを黒田総裁に見解を聞いたんですね。その問いに対して黒田総裁は、通貨発行益があるから実現可能などというのはやや短絡的ではないかと、ちょっと否定的なコメントをされていたわけなんです。
 ただ、私は、この通貨発行益という言葉はベーシックインカム導入に向けて一つの本質をついた言葉だとは思うんですが、参考人がもし黒田総裁に何かメッセージをあるとしたらお聞きしたいと思います。
083 井上智洋
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○参考人(井上智洋君) 黒田総裁もお立場があろうかと思いますので、たとえもし私のその変動ベーシックインカムの案に賛成だったとしても、なかなかそれは言えない状況かなというふうには思っております。
 ただ、恐らく変動ベーシックインカムに何の興味も持たなかったのかなというふうには思っているんですけれども、まさに日銀が黒田総裁の下で二%のインフレ率目標を掲げて、いまだに実現できていないんですけれども、実現できていない理由がまさにこの私が言うような変動ベーシックインカムのようなインフレ率目標を達成する手段を持っていらっしゃらないからだということで、今更有効なそのインフレ率目標を達成する手段がありませんとはなかなかこれも言い出しにくいかとは思うんですけれども、是非、総裁のこの任期を全うされた後には、ちょっと私の言うようなお話にも耳を傾けていただければ幸いというふうに思っております。
 以上です。
084 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 数あるベーシックインカムの話の中で先生のおっしゃる話はバランス取れていて、私、個人的にはしっくりきます。
 ベーシックインカムについては、複数の政党が最近はもう公約に掲げつつありますので、私も渡辺喜美議員と協力しつつ、今後、議員活動尽力していこうと思います。
 私の質問、以上です。

第204回国会 参議院 財政金融委員会 第4号 令和3年3月22日
261 浜田聡
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○浜田聡君 浜田聡です。所属政党はNHK党、参議院での所属会派はみんなの党です。本日最後の質問、よろしくお願いいたします。
 まず、他党さんを批判することになるかもしれず恐縮なんですけれど、参議院としての在り方を考える上で重要だと思う件について質問させていただきます。
 先日の予算委員会の件で、議院運営委員会の事務局の方にお聞きします。
 三月十日の参議院予算委員会、田島麻衣子委員の質問時間において、平井大臣へ質問通告した、しないで与野党理事がもめている最中に、小西洋之議員が質問席の後ろから田島委員に話しかけるシーンがありました。その際に、うそでいいから口頭で言ったってなどと、うそを促しているやり取りのように思われたんですね。
 この件について、参議院の議院運営委員会で話し合われたのかどうか、話し合われたのであれば、その概要を教えてください。
262 金澤真志
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○参事(金澤真志君) お答え申し上げます。
 御指摘の件につきましては、議院運営委員会及び同理事会におきまして協議されてはおりません。
 以上でございます。
263 浜田聡
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○浜田聡君 話し合われていないということで、少し残念に思います。
 この小西委員のうそでいいからの発言については、その後の予算委員会で取り上げられたと承知しております。もちろん、正式な発言というわけではなくて、恐らく意図せずマイクで拾われてしまった発言ということで、その扱いについては慎重であるべきとは思います。野党として、政府を追及する立場というのは理解しますけど、どんなことをやってもいいというものではありません。これ、下手をすれば何の罪もない官僚の方に処分が下されるというとんでもないことになりかねないわけですね。
 その後の委員会でこの件が取り上げられた際に、委員会中に不規則発言が応酬して速記が度々止まるような事態になったわけですね。そうであれば、参議院として一度議院運営委員会でも取り上げられてもよかったのではないかと、個人的にはそう思うわけであります。
 残念ながら私の立場では議院運営委員会で直接発言できる立場にありませんし、正式に議運に要望を行うというものではなく、あくまで自主性にお任せしたいと思いますが、重要な問題であると考えて今回事務局の方に質問させていただきました。
 さて、今回は、所得税法改正案の審議ということで、税金、税制について政府の方々にお聞きしてお話しできればと思います。
 今、確定申告のシーズンでありますけれど、確定申告なさらない給与所得者の方、かなりいらっしゃいます。日本では、皆さん御存じのとおり、源泉徴収という仕組みがあります。これは、年間の所得に係る税金をあらかじめ事業者が給与から差し引くことであります。事業者が源泉徴収を行うことで、多くの従業員は確定申告を行う必要がなくなっていると承知しておりまして、この制度自体はいいところも多々あると思います。ただ、納税しているという実感が湧きにくくて、納税意識の低下にこうした制度が貢献している点もあるかと思います。
 また一方で、教育の面に目を向けますと、日本では税金に関して学ぶ機会がなかなか少ないのではなかったかと思います。私が義務教育や高校で勉強したときの記憶をたどりますと、税金や税制についてその重要性について必ずしも十分な教育カリキュラムであったかと思うと、そうではなかったように思います。最近の状況を調べてみますと、日本の学校教育の現場では金融教育が少しずつ推進されているようで、その際に税金のことも少しは学ぶでしょうから全くないというわけではないでしょうけど、まあ十分なものになるにはまだまだ時間が掛かるのではないかと推測しているところです。
 ここで麻生大臣に、納税者としての意識と国についてお聞きしたいと思います。納税者としての意識という漠然とした言葉ですので、その点御容赦いただきたく思います。
 国民が自分の納める税金を自ら計算するなど、納税者としての意識を高めることは政治参加意欲の点で重要であると私は考えます。多くの国民が納税者としての意識を高めるということは国にとって望ましいと考えるのかどうか、大臣の意見を伺いたく思います。
264 麻生太郎
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○国務大臣(麻生太郎君) これはすごく大事なところですよ、はい。
 基本的に、納税者の自覚を持つということは、納税の仕組み、そしてその納税した税の使い道、またこれを決定するには誰が決定しているのという政治に対する仕組みが、結果的に政治に参加する意欲というようなものが求められて、結果、それが選挙の投票率の向上につながる等々、いろんなので望ましい方向に行くだろうということは想像付きますけど。
 そういった意味では、今いろんなところで納税、何というのかな、学生を対象に置いた租税教室と、これは国税庁が今やっておりますけど、そういうのをやったり、講演会や説明会を実施したり、またいろんな説明しているところなんですが、税の意識を持たせるには餓鬼のときからの方がいいと、子供のときからがいいって。
 アメリカに行ったことがあるでしょうから、アメリカに行くと子供のゲームなんかで税金のゲームがいっぱいありますから、そういったものもありますし、今、そうですね、子供さんがいるならキッザニアという場所知っておられるかと思いますが、キッザニアで、いろんな消防士とかいろんな仕事をキッザニアで教えてくれるんですよ。物すごくはやっているの。
 残念ながら、役所の仕事はないんですよ。子供にどう考えても説明のしようがないものだから、分からないものだから。大蔵省なんかどうやっているか全然理解ができないところでしょう、何をしているか分からぬところですから、ということになっちゃう。そこで、やってもらいたいって頼み込んで、国税庁の税を取るという仕事をキッザニアで始めたんですよ。知らないだろう。どうしてこういうの、現場をみんな知らぬのかね。俺みたいな方が知らなくてもおかしくないのにこっちがよっぽど詳しいんですけど、現場をみんな知らな過ぎるんですよ。これ、教えているの、今。
 ただ、これをやると、先生、みんなやればいいだろうかとお思いでしょうけれども、少なくとも今、そうですね、働いている人、六千数百万人おられますけれども、その方々がみんな毎年個別に全部税務申告をすると、源泉徴収なしにするって、やってごらんって。できるやつはほとんどいませんよ、悪いけど。
 サラリーマンやっていたことがあるから分かりますけれども、あの頃の納税、三月十五日なんというので、商売している相手の人は知っていましたよ、みんな。しかし、私どもの社員で、まずほとんど源泉徴収だけで終わっていますから、それによって国税庁の職員も少なくて済んでいますから、これを全部一人一人青色申告しろと言ったら、それは納税意識は高まりますよ。しかし、その社会コストはすごいことになるという感じがすると。
 これ、ちょっといろいろ考えた上でやらぬといかぬところかなと思いますけど、今の御指摘の点は正しいと思います。
265 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。納税者としての意識を高めることの重要性については共有できてうれしく思います。
 納税者の意識と密接に関連するものとして、次に租税の原則というものについてお聞きしたいと思います。
 租税の原則といいましてもいろいろなものがありまして、ここでは内閣府が発表しているものを引用させていただきます。内閣府のウエブサイトに、租税原則の記載があります。公平、中立、簡素の三つに集約することができると書かれております。ここでの記述を紹介させていただきます。公平、中立、簡素は、常に全てが同時に満たされるものではなく、一つの原則を重視すれば他の原則をある程度損なうことにならざるを得ないというトレードオフの関係に立つ場合もあります。例えば、個人所得課税において、公平の観点から個人の担税力を調整するものとして、各種控除などによって個々の納税者に対するきめ細かい配慮を行うことが可能ですが、他方、制度の簡素性が損なわれることになりかねませんなどの記述があります。
 昨年六月の財政金融委員会において、私、当時の矢野主税局長に、この公平、中立、簡素、三つのうちどれを重視すべきかと質問させていただいたことがあります。その際の返答は、公平を重視するとのことでありました。まあいろいろと意見はあると思いますが、前回は事務方への質問だったんですけれど、今回は大臣にも同じ質問をしたいと考えております。
 私の意見としては、国民が税制への理解をしやすくするために、簡素を重視すべきだと考えます。つまり、税制の仕組みをできるだけ簡素なものとして、納税者が理解しやすいものとすることで納税者としての意識を高めることにつながるのではないかということを考えているんですが、麻生大臣の租税の原則に関する考え方、特に、三つのうちどれを重視すべきかということについて伺いたいと思います。
266 麻生太郎
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○国務大臣(麻生太郎君) この税というのを考えるに当たりまして、何といっても、公共サービスというものをいろいろやっていくに当たって、これは防衛、国防含めてですよ、資金を調達するという、いわゆる財源を調達するという調達機能とか、また、入ってきた所得を、いかに所得がない方をどうすると、こうするという所得再分配機能とか、いろんなものがこの中には入っているんですけれども、基本的な役割というものをまずは踏まえておかにゃいかぬ。
 何でこれが、税があるのかという基本的な役割を踏まえた上で、その上でどのような原則にのっとっていわゆる税制を構築するのがいいのかという話をせにゃいかぬのだけど、世の中でよく言われるのが、今言われた公平、中立、簡素という話なんだと思いますが、その重点の置き方の話を聞いておられるんだと思うんですが、これは、それぞれの負担能力に応じて分かち合うという意味なら、それは公平というのは間違いなく原則としては大事だと思いますが、中立とか、また、何ですかね、今の簡素ですかね、そういったこともこれは欠かすことができない話なので。
 簡素というんだったら、たしかイギリスの哲学者だったハイエクでしたかね、ハイエクで、一律一〇%にしてくれと、何でもいいと、全部一〇%だと。それでいけば払っていないという人はいなくなるわけですね。なんで、ちょっと待って、生活保護もらっている人はどうするんだって、生活保護一〇%上げて一〇%税払ってもらうんだと、そういうようにすればいいんだという話を聞いて、まだ学生の頃で、今から五十年ぐらい前の学生のときにその話を聞いて、へえと思って感心した記憶があるんですけれども、もしそれが完璧にできたら、一〇%も要りません、七%ぐらいで大体全部賄えますと、当時の予算はそんなものだったと言われたので、非常に記憶しているんですけれども。
 なかなかこれ、どれが一番かと言われても、その場、その事情によってなかなかなので、一つ取った場合残りの部分がある程度こうというのはおっしゃるとおりだと思います。
267 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 おっしゃるとおり、トレードオフということで、一つ重視するとほかが立たないということで、まあ難しい問題だと思います。
 やはり私は、やはり簡素を重視すべきだとは思います。税制が簡素で分かりやすいということは自己の税負担の計算が容易である、また、納税者にとって納税コストが安価であることは国民が自由な経済を行う上で重要だと思います。
 簡素というのは納税者のみならず執行側のコストも安価になり得る点というのも重要だと思います。官僚機構にとっては、その扱う構造が複雑で一般の人々にとって分かりにくければ分かりにくいほど、官僚による裁量、さじ加減の幅が大きくなって、自らの権力の源泉になると言えるんじゃないかと思います。
 したがって、官僚の方々が税において簡素性を犠牲にしても公平性が重要だという、例えば昨年の矢野主税局長の意見というのはもっともなことだと思いますが、ただ、一般国民からすると、そんなものはたまったものではないということで、私は官僚の立場ではなく一般国民の立場から簡素性が重要であると引き続き訴えていきたいと思います。
 次に、国の税制がどのように決まっていくのかについて話題にしたいと思います。
 もちろん、最終的にはこの国会の場で決まるというのは当然であります。ただ、現状では、それ、あくまでも形式上国会で決まるにすぎない、それが現実ではないかと思います。何が言いたいかといいますと、現状では国の税制というものが与党自民党の税制調査会で決まるというのが現実だと思います。もちろん、国民の投票で選ばれた与党で話し合われて決まった税制ですので、それはそれで民主的であるとは思います。
 ただ、ここで一つ問題提起させていただきますと、この税制調査会の議事録というのが公開されていないんじゃないかと思います。税制というのが国民全員に関わる問題であって、自民党関係者だけの問題ではないので、この税制調査会の議事録というのは公開してもいいのではないかと思いまして、そこで、麻生大臣に提案というか、質問です。
 この自民党税制調査会の議事録、公開していただけないでしょうかということです。
268 麻生太郎
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○国務大臣(麻生太郎君) 曲がりなりにも政党ですから、私どもも、大蔵大臣が自由民主党の税制調査会の運営等々の細目について、議事録の作成しろとかするなとか、公開しろとかしないとか、これは全て、御党なら御党でやられるだろうし、自民党は自民党でやりますので、それを政府として出せとか出すなとか公開しろとか言うのは、ちょっと私どもとしては、共産主義やら統制経済とか、そういうのをやっているんじゃありませんので、自由主義経済を曲がりなりにもやっております、そういうつもりでおりますので、なかなかさようなことはいたしかねるということだと思っておりますが。
269 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 まあいろいろな方針というものがあるでしょうから、まあそれはそれとして尊重します。ただ、一方、与党であるからこそ、国の税制が実質的に決まるこの会の透明化を推進する意味でも、議事録公開やっていただきたいと思います。
 公表された自民党の税制改正の大綱を見ると、消費税の減税についての言及がなされていなかったと承知しております。私、昨年の財政金融委員会で、自民党の若手有志の方が消費税減税を要求して記者会見開いたことに関して批判的なコメントさせていただきました。記者会見以外にもやることがあるという批判をさせていただきましたと思います。
 このように、自民党の税制調査会の議事録が非公開のままだと、果たしてこの消費税減税求めた若手の自民党有志の方がこの税調の方でどの程度存在感を示したというのが全く分からないことなんですね。有権者の投票行動の基準として非常に大事なことであると思いますので、他党の立場でありますが、一意見としてお聞きいただければと思います。
 次に、個別の税について政府の方にお聞きしたいと思います。ガソリン税の二重課税の可能性についてお伺いしたいと思います。
 ガソリンに係る消費税についての問題提起なんですが、ガソリンというのはガソリンの原価に対してガソリン税と石油税が賦課されます。さらに、ガソリンの場合はその総額に対して消費税が加算されるのではないかと承知しております。一方で、軽油には軽油取引税が賦課されるんですけど、軽油に関する消費税についてはその軽油取引税とはまた別で、別といいますか、軽油そのものに消費税が掛かるだけで、税に税が課されるということはないと承知しております。
 このように、ガソリンに対する消費税と軽油に対する消費税の掛かり方が違うわけなんですけど、これ、ガソリンに対する消費税については軽油と同様に本体価格のみに課すべきではないかと思うんですけど、財務省の意見をお聞かせください。
270 住澤整
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○政府参考人(住澤整君) お答え申し上げます。
 御指摘のように、軽油引取税の場合は特にその消費税の課税ベースの中に引取税が入ってこないということでございますが、これは、ガソリン税と違いまして、軽油引取税の場合は、ガソリンスタンドで軽油を入れられる方、ドライバーの方が納税義務者ということになっておりまして、リッター当たり三十二円十銭という軽油引取税を納税義務者としてドライバーが負担されるという位置付けでございます。で、ガソリンスタンドの方は特別徴収義務者としてそれを預かって地方に納税をするという位置付けになっているためでございます。
 これに対しまして、ガソリン税ですとか酒税ですとかたばこ税のような庫出課税を行っております個別間接税におきましては、この個別間接税が実際に消費者に販売されるときの価格の原価としてその販売価格の中に溶け込んでいるという関係にございます。こういった庫出課税をされるような個別間接税につきましては、消費税ですとか付加価値税の課税標準である価格に含めて取り扱うということがEU諸国を始めとする国際的な付加価値税の共通のルールになってございますので、このこと自体に特段の問題があるとは考えておりません。
271 浜田聡
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○浜田聡君 いろいろと御理由がある上でのガソリンと軽油に関する税の違いということなのだと思います。
 ガソリン税については、税の上に更に税が掛かる制度というのは、やはり二重課税ということで大いに違和感があるところです。ガソリンも軽油と同様な税制にしてもいいのではないかと申し添えさせていただいて、次の話題に移りたいと思います。
 次に、新聞について幾つかお聞きしたいと思います。
 新聞業界というものはもちろん社会に大きな影響力を持っているわけですが、この影響力には次第に陰りがあるというのも事実だと思います。
 日本新聞協会のデータによりますと、二〇一九年の発行部数が三千七百八十万部、二〇一八年と比べて約五%減少しています。五%を超える減少が二年連続で、十年前からは千二百万部下落とのことです。
 このように、新聞業界、将来の見通しが余り芳しくないと思われるわけなんですけど、この業界が勝手に落ちぶれていくというのであれば、それはそれで好きにしろというところなのです。ただ、問題は、このような落ち目にありつつも、まだまだ力のある業界がもがくことで多くの人に迷惑を掛けている問題がありますので、ここで取り上げさせていただきます。
 新聞業界が世間に掛けている迷惑というのは、捏造記事など問題が多くあるわけなんですけど、ここでは新聞営業による問題を取り上げます。
 これに関して、消費生活センターに多数の苦情が寄せられているという記事が先月ありました。ワセダクロニクルという雑誌で、新聞営業の闇と言っていいような記事が出ました。ここでは、そのとき掲載された三つの記事タイトルを紹介させていただきます。
 一、認知症まで標的に、家族や介護者、月百件超の相談、二、新聞協会の抵抗、三、新聞協会、押売を消費者とのトラブルとごまかして回答などと、タイトルのみからも新聞営業において大きな問題が発生していることが推測されます。
 今回、消費者庁の方にお越しいただきまして、この件に関して聞いていきたいと思います。
 新聞勧誘に関して消費生活センターへの相談が来ていると思いますが、その概要、例えば件数の推移など、教えてください。
272 坂田進
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○政府参考人(坂田進君) お答え申し上げます。
 全国消費生活情報ネットワークシステム、これを私ども通称PIO―NETシステムと申し上げておりますが、このシステムに登録された新聞の訪問販売に関する相談は、二〇一〇年度から見てみると、年間で約六千三百件から一万一千件を下回る水準で推移しております。直近では減少傾向にございますが、二〇二〇年度については三月十八日までに登録された分で四千七百件弱となっております。
 相談内容としては、例えば、新聞の勧誘がしつこく、断っても訪問されるので何とかしてほしいとの相談ですとか、独り暮らしで認知症のある祖母が新聞購読契約をしていた、解約したいと伝えたが断られてしまったとの相談などが寄せられております。
273 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 どうやら以前から問題は大きかったように思います。
 私は、NHK党の議員として、NHK訪問員による訪問営業の問題について今国会で度々指摘させていただいております。今回、新聞の件を通じて、新聞の問題も似たようなものであると思います。いずれの訪問員にも共通するのは、端的に言って弱い者いじめをしているということだと思います。
 ここで、消費税の軽減税率を取り上げたいと思います。この軽減税率については、税制の簡素化という観点からは廃止すべきと私は考えておりますが、すぐに廃止というわけにはいかないでしょうから、今後の課題としておきます。
 ここでは軽減税率の対象について考えてほしいと思います。何を軽減税率の対象にするのかについて、様々な業界の思惑で政治的なパワーが働いて決定されたのだと思います。そして、この新聞というのも軽減税率の対象になっていると承知しています。ただ、対象の決定当時から、この新聞を軽減税率の対象とすることについて多くの反発があったとも聞いております。新聞を軽減税率の対象にすることについておかしいという意見は至極真っ当な意見だと思います。
 今回、新聞営業の闇を紹介させていただきました。新聞営業で大きな問題が起こっている中、こんな新聞に対して軽減税率で保護する必要があるのかということについて改めて検討する時期ではないかと思いますので、その点について麻生大臣の御意見をお聞きしたいと思います。
274 麻生太郎
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○国務大臣(麻生太郎君) 導入する最初から騒ぎでしたな、これは、今思い返しましても。
 ただ、先生、これOECD三十五、今三十六か、三十五か国のうち、新聞を軽減税率の対象にしているのは実は三十か国なんです。だから、ほとんどの国は、これは新聞を軽減税率の対象にしているのが三十四分の三、今三十五かな、うん、三十五だ、OECD三十五か国のうち三十か国は新聞の軽減税率をしておるということをまずちょっと全体として、それぞれの社会でいろいろ駆け引きがあったという前提に置かれてもちっとも構いませんけど、現実としてそういうことになっておるのを一つ置いておいていただければと思います。
 その上で、いわゆる日常生活における媒体といたしまして、少なくとも新聞、全国紙等々、あまねく幅広い層において均質な情報というのを提供して、幅広い層に日々読まれているということが一つ。その結果、新聞の購読料に係ります消費税というものは、これはもう逆進性になりますということはもう事実でありますから、そういう事情を勘案して軽減税率の適用対象としたというのがこの経緯でありまして、今言われました新聞の勧誘の話等々、これはちょっと国税庁の話よりは消費者庁の話かなというように伺っておりましたけれども、いずれにしても、今これを消費税率等々から改めると、軽減税率から外すということを今考えているわけではございません。
275 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 麻生大臣の本音はどうなのかなというところはあります。麻生大臣の過去の発言を振り返ってみますと、いろいろと興味深いものがあるわけです。新聞を読まない人は全部自民党支持だ、金を払って読んでいる人の気が知れないなど、結構業界に対して厳しい発言をされておりまして、私も大いに賛同するところであります。
 ここで改めて申し上げたいことは、新聞に対する軽減税率を推し進めた与党の方におかれましては、新聞業界が弱い者いじめをしているということを改めて御確認いただき、果たしてこのまま軽減税率継続してもいいのかということを考えていただきたいと思います。
 いじめられている弱い者が発する声というのは、余り大きくならず、小さな声となるわけですが、そういった小さな声を聞く力というものを私も改めて重要視していきたいと思います。
 さて、次に、新聞と同じく、各世帯を戸別訪問して営業して多くの人々に迷惑を掛けているNHKに対する苦情について、引き続き消費者庁の方にお聞きしたいと思います。
 NHKに関しては、消費生活センターへ多くの相談が寄せられていると思います。この相談について、概要、例えば件数の推移などを教えてください。
276 坂田進
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○政府参考人(坂田進君) お答え申し上げます。
 PIO―NETシステムに登録されましたNHKに関連すると思われる消費生活相談は、二〇一〇年度以降では、年間で約四千八百件から一万一千件を下回る水準で推移しております。直近では減少傾向にございまして、二〇二〇年度については、三月十八日までに登録された分で二千八百件強となっております。
 相談内容といたしましては、例えば受信料の支払に関するものとして、独り暮らしの学生である知人が勧誘員から公共放送の受信契約は皆がしていると言われ、テレビがないのに契約をしてしまったとの相談ですとか、訪問員の勧誘、徴収方法に関するものとしては、地域で公共放送の受信料の訪問が問題になっている、夜間訪問や居座り行為などをしないように申し入れてほしいとの相談などが寄せられております。
277 浜田聡
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○浜田聡君 御報告ありがとうございます。
 相変わらずNHKに関する相談件数は多いのではないかと思います。
 我々NHK党は、国政政党になる前から、現在党首の立花孝志を中心に、NHK訪問員による苦情を受け付けておりました。それは各議員であったりが自主的にやっていたわけなんですが、国政政党になってからは、その苦情受付のサービスを大幅に拡大して行っております。
 具体的には、複数の相談員が電話相談に対応するコールセンターというものを運営しております。このコールセンターに係る経費というものは、主に国政政党に与えられる政党助成金によって賄われております。我々としては、NHKの放送をスクランブル放送にしていただいて、訪問員というのが必要なくなればこのようなことは必要なくなるわけです。現状の受信料制度ははっきり言って無駄以外の何物でもないわけですが、存在している以上対処せざるを得ないわけでございます。
 少し話はそれましたが、我々のコールセンターによる協力もあって、少しは消費生活センターの方に掛かる負担を少なくしているという自負はあります。改めて、消費生活センターの方々には、志を同じくする者として感謝申し上げたいと思います。
 引き続き、消費者庁の方にお聞きしたいと思います。
 このように消費者からは苦情が多く寄せられているわけなんですが、このような苦情を、苦情の原因をつくった者にフィードバックしているのでしょうかということをお聞きしたいと思います。
 例えばこの場合ですと、新聞業界、新聞とかNHKから苦情がたくさん来ます。そういったことを、こんな苦情が来ていますよということを、新聞業界、新聞業者やNHKにお伝えしているのですかということをお聞きしたいと思います。
278 片岡進
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○政府参考人(片岡進君) お答え申し上げます。
 消費生活センター等では、消費生活相談員が解決に向けた助言や専門機関の紹介を行っているほか、消費者から聞き取った内容や相談者の状況に応じて関係法令に照らして消費者と事業者との交渉のお手伝いをするあっせんなどの業務を行ってございます。
 したがいまして、事業者に対して直接コンタクトをするということもございます。
279 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 事業者に直接コンタクトを取っているということで、そういう報告をいただきました。
 更にお聞きしたいんですけど、事業者にフィードバックしているのであれば、その苦情の解決又は問題の終了に至るまで後追いというのは行っておられますでしょうか。
280 片岡進
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○政府参考人(片岡進君) お答え申し上げます。
 解決に向けた助言、それから専門機関の紹介を行う場合のほかに、先ほど申し上げましたように、事業者に直接コンタクトをしておりまして、最終的な解決に至る事案もございます。
281 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 解決に至る事案もありながらも、やはり相変わらずNHK、新聞業界の問題があるということで、この辺、今回国会で共有させていただいて、意義があることだったのではないかと思います。
 不招請勧誘という言葉をちょっと紹介させてもらいたいと思います。招請というのは頼んで来てもらう意味でありまして、招は招くという漢字を書いて、招請の請の方は要請の請の漢字を使います。不招請勧誘というのは、顧客あるいは潜在的顧客の同意、要請、依頼を受けていない状況で行われる勧誘全般のことをいいます。
 この不招請勧誘ですが、世界的にも国内でも規制が進んでいると承知しておりまして、私、当然だと思います。しかし、残念ながら、政治的な立場を利用してなかなかこういった制度をかいくぐっている新聞業界、NHKに関しては、そろそろ自らの存在が多くの人の迷惑になっているということ、そして国の成長を妨げているという自覚も促したいと思います。
 次に、NHKの訪問員について、NHKの監督官庁である総務省にお聞きしたいと思います。
 NHKの訪問営業に関して我が党の関係者などに寄せられる相談内容として、訪問営業してくる者の服装がまちまちで、とても公共放送の人間とは思えない服装で来る者がいるというものがあります。この服装に関する問題は、NHKの社員ではなく、恐らくNHK委託業者によるものだと思われます。NHK委託業者の訪問員はこの場合、制服を着るべきではないかと思うんですが、それができていないのが現状です。
 それができていないのであれば、NHK自身が自ら変わるということが期待できないので、総務省がそうするように指導すべきではないかと思うんですけど、総務省の見解をお聞かせください。
282 藤野克
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○政府参考人(藤野克君) お答えいたします。
 御指摘いただいておりますようなNHKの訪問営業活動でございますけれども、訪問員がどういった服装かということでございましたが、制服にするかどうか、これはいろんなやり方あるかもしれませんが、制服にするかどうかについてはNHKにおいて適正に判断いただくべきことであるかと思いますけれども、いずれにしましても、NHK、これは国民・視聴者からの受信料に支えられているものでございます。ですので、こういったことを十分に踏まえまして、その訪問営業活動についても国民・視聴者の十分な理解が得られるように努めていただきたいと、そのように考えてございます。
283 浜田聡
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○浜田聡君 NHK任せにすると適切な方向には進まないというのがこれまでの現状ではないかと思います。
 ここで、委員の皆様、そしてこの審議を御覧になられていたり、議事録を読まれている国民の皆様にお伝えしたいことがあります。
 NHKの委託業者の訪問員というのは、服装の指導をしなければならないほどのレベルであるということです。服装に関する苦情は我々だけに寄せられているのではなく、恐らく消費生活センターにも寄せられていると思います。仕事をする際の服装がおろそかであると、それは仕事をする際の心構えもいいかげんになることにつながると思います。全国でNHK委託業者による訪問員が数多く苦情の原因となる行為をしていることはこの国会の場で度々申し上げていることですが、服装だけでも正してくれれば幾分ましになるのではないかと思って皆様にお伝えさせていただきます。
 あと、総務省の方にも、苦言になって恐縮ですが、お伝えさせていただきたいこととしては、NHKの監督官庁としてももう少し責任感を持ってもらいたいということです。NHKがいろいろとおかしくなっているのは、監督官庁の監督機能が低下していることも要因があると思います。監督官庁としてNHKが手に余るようでしたら、その権限手放して別の官庁に引き渡すか、あるいは新たな監督官庁をつくるなりするのもいいかと思います。
 現在、いろいろとたたかれております武田良太総務大臣ですが、私、ひそかに期待しております。武田大臣、とある講演会で、NHK委託業者による訪問員が高利貸しの取立てのようなやからがいて問題となっている旨をおっしゃっておりました。武田大臣は問題の本質を理解されていると思いますので、期待している旨をお伝えいただければと思います。
 幾つか質問の方、残りましたが、引き続きあした質問させていただきたいと思います。
 時間になりましたので、終わります。ありがとうございました。

第204回国会 参議院 財政金融委員会 第5号 令和3年3月23日
225 浜田聡
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○浜田聡君 浜田聡です。所属政党はNHK党、参議院の所属会派はみんなの党です。最後の質問、よろしくお願いいたします。
 今回、公債特例法の改正案、審議対象となっており、まず、これについてお話ししたいと思います。といいましても、この法案そのものというよりは、平成二十四年にこの法律によって起こった問題を教訓として、今後の方向性の話としたいと思います。更に踏み込んで申し上げますと、憲法と絡めて話してみてもいいのではないかと思います。
 まず、先に私の考えを申し上げますと、政局などによって国家予算の執行ができなくなるような事態を防ぐ規定を憲法に盛り込んでもいいのではないかと、憲法改正時にはそのような点も改正点の一つとして検討してもいいのではないかということです。
 昨日の委員会から何度も話題に出ていて恐縮ですが、この公債特例法が政局で問題になった平成二十四年を少し振り返ってみたいと思います。
 この年は、国会で行われていったことを考えると、いろいろな意味で悪夢の年だったと思います。八か月も国会が開いていたにもかかわらず、通常国会で決まったのが増税だけ。当時ねじれ国会であったこともあり、この年の公債特例法案、成立せずに流れてしまいました。国家予算は半分が公債で賄われており、国家が借金をする際には法律を通す必要があり、その法律がこの公債特例法です。会計年度が始まる四月から予算は消化されるんですが、この年の通常国会はこの法案を通さずに閉幕してしまいました。十月近くになってもこの法案が通らないために、全国各地で予算の使用を控えることになります。
 今回、当時の記事を配付資料として用意させていただきました。これほどの規模で予算の執行がままならないというのは前代未聞の状況であり、日本が崩壊しかかっていたと言っても過言ではありません。十一月に臨時国会が開かれて、与野党駆け引きの結果、衆議院の解散を条件にこの公債特例法が単年でなく三年間有効な形で成立したと承知しております。三年間の間、公債特例法案を政争の具にしないという意味だったと思います。
 さて、ここで、予算が成立しないときの規定として憲法六十条というのがあります。詳細はここでは省きますが、衆議院の優越によって最終的に衆議院の議決が国会の議決となるものです。ただし、この条文では、公債特例法が政争の具になることを想定されておりません。予算のことしか書かれていないこの憲法六十条では公債特例法が成立しない事態に対応できず、前述のような予算が執行できなくなる問題が発生したと言えます。
 あくまで私見ではあるんですけど、政局によって予算の執行ができずに、国が崩壊に近づくようなことを防ぐような規定を憲法に盛り込むべきではないかと考えております。
 具体的にどうだと言われるとなかなか難しいんですけれど、一例として、帝国憲法、この七十一条を挙げてみたいと思います。条文を読み上げます。帝国議会において予算を議定せず又は予算成立に至らざるときは政府は前年度の予算を執行すべきという条文です。条文には前年度の予算の執行とありますので、それが執行される際には自動的に予算関連法案も付随して延長されることになります。公債特例法のような政局での争いで予算執行ができなくなるという最悪の事態は防ぐことができると思います。帝国憲法については様々な御意見があろうかと思いますが、この七十一条については先人の知恵のようなものを感じるところでありまして、憲法改正時には参考にしてもいいのではないかと考える次第であります。
 少し前置きが長くなったんですが、かつて御自身が総理だったときにねじれ国会に苦労した麻生大臣に質問させていただきます。
 国家予算の執行ができなくなるような事態を防ぐような規定を憲法に盛り込んでもいいのではないかと考えるんですが、そのような改正点について、麻生大臣の見解をお聞きしたいと思います。
226 麻生太郎
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○国務大臣(麻生太郎君) 憲法改正がここで出てくるというのはなかなか面白いなと思って拝聴していたんですけれども、憲法改正というと九条ばっかりの話しか出てきませんから、最近国会では。ほかにいろいろあるんだと思いますけれども。
 いずれにしても、この場でちょっと財務大臣としてこの憲法改正についてお答えするのはちょっと難しいんですけれども、今言われたように、特例公債法の出てきた話というのは、今配られたこの資料にも書いてありましたけれども、あの年はたしか十月まで予算が通らないで、地方交付税二兆円だか二兆二、三千億あったと思いますけど、それが払えないということになって、分割払、考えられませんけど、とにかく分割払ということで話ができて、七千億最初だったか九千億だったか最初に払って、あとは分割で払うんだという話を、そうですね、七千億ぐらいですから三、七、二兆、そんなもんだと思いますが、七千億分割払ということでやってごたごたして、結果的に十一月にあれは通ったんだと思いますけど。地方はそれ払えなかった、小さな市町村が一千何百ありますので。そういった中で払えないところは全額自分で払ったりいろいろ騒ぎになったのは、もうちょっと正直、今考えてみりゃ、ようあんな騒ぎになったなと思うほどすごいことになりました、正直なこと申し上げると。
 したがいまして、特例公債法というのは成立しないとえらいことになるんだということで、当時の民主党、自民党、それから公明党ですか、三党で合意をさせていただいて、複数年度にわたって特例公債ができるという、発行可能という仕組みができたということがあのときの背景で、ちょっと正直今じゃ考えられませんけれども、そういうことが起きました。
 現実問題としてほかの国がどうだねと言われると、アメリカなんかでこういうようなことが起きたのは、上院が否決へ回ってこんなことになったのが何回かありまして、アメリカのワシントンに行ったら、スミソニアン博物館閉鎖、国立公園全て閉鎖なんというんで、次いでお巡りさん、消防士の給料も払えないという一歩手前のところまで行きましたから。ほかの国でも、その後いろいろ法律を改正しておられますけれども。
 今回の法案で、私どもはそういったあれを、特例公債を発行せざるを得ないという状況がしばらく今の状況では続くという前提で、私どもとしては安定的な財政運営というのを確保すると、これが第一です。何といったって財政が安定しないと迷惑を受けるのは国民ということになりますので、政争なんかでこういったことをやるのはいかがなものかということで、前回三党でお決めいただきましたあの法案というか現行法というか、そういったものと同様に今後五年間の特例公債発行する根拠とさせていただいたんですけれども。
 いずれにいたしましても、今こういったものを憲法にするべきかどうか、いろいろ御議論が出てくるところだとは思いますけれども、極めて重要な法案であることは確かでありまして、自由党と民主党と合併したあの年は予算が提出できなくて、自由党と民主党の合併する直前の話ですけど、面倒くさいから二つ法案を合わせて半分に二等分する、むちゃくちゃな予算編成をしたのが昭和二十二年かだと思いますけど、そんな時代もありましたので。
 いろいろ過去紆余曲折あって予算というのができ上がってきておりますけれども、今回もコロナのおかげで少なくとも国債を大幅に増発せざるを得ないという状況に至っておりますので、そういったことを考えて何が起きるかということを考えますと、きちんとした対策を練っておく必要があろう、私どもはそう思っております。
227 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 現在は憲法審査会が積極的に開かれているとは言い難い状況なんですけど、日本の将来考えた上では、改憲賛成派の方も反対派の方もとにかく議論ができる場を設けていただくことを切に願うとともに、憲法審査会開かれた際には、改憲ポイントの一つとして、アイデアとして御参考にいただければと思います。
 さて、引き続き、昨日できなかった質問について、消費者庁の方にお聞きします。NHK訪問員、集金人についての話でございます。
 何度も繰り返しとなり恐縮でございますが、我々NHK党は、NHK委託業者による訪問員、集金人による悪質な行為を問題視しております。NHK委託業者の訪問員が各家庭を訪問して、時には強引な方法で受信契約や受信料を迫る手法を問題としております。そういった訪問員は、当然ながら、弁護士資格がないにもかかわらず法律行為を行っているという点から、弁護士法七十二条に抵触する可能性について国会で度々指摘させていただいております。
 我々NHK党は、委託業者の訪問員とは度々衝突しておりまして、我々は彼らを敵としてみなしてきた経緯がありまして、現実そうなんですけれど、ただ一方で、最近、そういった委託業者の集金人の方々に対して我々の味方にならないかという呼びかけも行っておりまして、最近少しずつ味方になってくださる方が増えています。委託業者がその従業員である集金人に対して、弁護士法七十二条に抵触する、つまり違法行為を促しているということを我々がインターネット上で発信していて、そのことで不安になった集金人の方が我々の主張に耳を傾けていただいて、正しさを認めてくださって、我々に協力してくださります。
 ここで、個別の企業名出して恐縮なんですけど、NHK委託業者の中で最大規模で、大きな問題を引き起こしている企業を紹介します。それはエヌリンクスという会社でございます。これは東証二部上場企業で、ゲーム業界など幅広い業務を行っているわけなんですけど、NHKからの委託を受けて契約や集金業務も行っている会社になります。
 我々に御協力いただいている元NHK集金人の一人に、元エヌリンクスの社員の方がいます。この彼によりますと、エヌリンクスにおいていろいろと内部の事情をお話ししてくれるんですけど、どうやらセクハラやパワハラなどがまかり通って放置されていたり、また弁護士法七十二条に抵触するような違法行為を社員にするように指導しているとのことでした。つまり、エヌリンクス内部には放置することが望ましくない様々な問題があると推察されます。この元エヌリンクスの彼自身も、最近ユーチューブやSNSなどでそういった情報発信を積極的にしていまして、こういった彼の行為は内部告発、言い換えれば公益通報であると考えます。
 ここで、その公益通報というある意味正義の行為について、その行為を保護する法律として、公益通報者保護法を取り上げたいと思います。
 この法律は、過去何度か改正しておりまして、昨年も改正しております。昨年の改正では、通報者の保護を手厚くしたと承知しております。
 ここで消費者庁の方にお聞きします。昨年の改正について、通報者の保護の観点での改正内容など、改めて確認させていただきたく、その概要を教えてもらえますでしょうか。
228 坂田進
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○政府参考人(坂田進君) お答え申し上げます。
 昨年の通常国会で成立し、昨年六月十二日に公布された公益通報者保護法の一部を改正する法律においては、公益通報者がより保護されやすくする観点から、退職後一年以内の退職者及び役員を保護の対象者として追加すること、行政罰の対象となる法令違反行為の通報を保護される通報として追加すること、通報に伴う損害賠償責任の免除を保護の内容として追加することといった改正項目が含まれております。
 また、行政機関等への通報を行いやすくする観点から、権限を有する行政機関等に対する通報及び報道機関等に対する通報の保護要件を追加することとされております。
 このほか、内部通報に関する改正事項として、事業者に対して内部通報を適切に対応するために必要な体制の整備を義務付けるほか、担当者に対する刑事罰付きの守秘義務を設けることとされたところでございます。
 以上でございます。
229 浜田聡
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○浜田聡君 御説明ありがとうございました。
 さらに、この公益通報者保護法改正について消費者庁の方にお聞きしたいと思います。
 この公益通報者保護法の改正、昨年成立したわけですが、施行についてはいつからになりますでしょうか。また、前述のエヌリンクス、元エヌリンクスの社員の方が保護対象になるのかどうか。ここは法廷ではありませんので、可能な範囲でお答えいただければと思います。
230 坂田進
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○政府参考人(坂田進君) お答え申し上げます。
 公益通報者保護法の一部を改正する法律の施行日については、公布の日から起算して二年を超えない範囲内とされております。現時点においては令和四年頃の施行を予定しておりますが、事業者における相応の準備期間を確保する必要があることから、事業者における準備状況等を踏まえながら判断してまいりたいと考えております。
 御指摘の社員だった方が公益通報者保護の対象になり得るかという点につきましては、改正法の施行後にされる公益通報については、退職後一年以内の退職者も保護の対象となり得ます。
 御指摘の事案が公益通報者保護法による保護対象になり得るかという点に関しましては、御指摘の行為が公益通報としての保護要件を満たすか否かによりますが、第一に、通報者が法第二条第二項の公益通報者に該当するか、第二に、通報先が法第三条第三号のその者に対し当該通報対象事実を通報することがその発生又はこれによる被害の拡大を防止するために必要であると認められる者に該当するか、第三に、通報内容が法第二条第三項の通報対象事実に該当するかなどによるものと考えます。
231 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 元エヌリンクス社員の方が適用できるかどうか、我々の方で検討していきたいと思います。
 NHK委託業者の集金の問題に取り組む我がNHK党にとっては、消費者庁の全国消費生活センターのしておられる業務というのが非常に重要になります。ここで、消費生活センターに寄せられた相談内容を集めておくデータベースについてお聞きしたいと思います。
 全国の消費生活センターをオンラインネットワークで結んだ情報ネットワーク、PIO―NETというシステムがあると承知しておりまして、昨日の委員会の消費者庁の答弁でも度々この言葉が出てきました。このシステムについて概要を教えてもらえますでしょうか。
232 片岡進
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○政府参考人(片岡進君) お答え申し上げます。
 PIO―NETにつきましては、今先生から御説明ありましたとおり、国民生活センターと全国各地域の消費生活センターとをオンラインネットワークで結んだシステムでございまして、消費者からの消費生活相談に関する内容や消費生活センターにおける対応などの情報を集約、共有しているものでございます。
 また、PIO―NETに集約をされました情報につきましては、現場の消費生活相談員が相談業務を行う際に活用されるほか、国の行政機関や地方公共団体において、政策の企画立案、住民への注意喚起などの消費者被害の防止に資するように利用されているものでございます。
233 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 国民生活において困った人の声を集める、整理するといった、こういったシステム、非常に重要で、もっと多くの人に周知すべきと考えて、今回確認させていただきました。
 引き続き、PIO―NETについてお聞きしたいと思います。
 ここに蓄積されている相談内容などのデータなんですけど、これを閲覧できるのはどなたになるでしょうか。
234 片岡進
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○政府参考人(片岡進君) お答え申し上げます。
 PIO―NET情報の利用につきましては、法令の執行又は消費者政策の企画立案、実施のために、あらかじめ登録された消費者庁を始めとする国の行政機関の職員、地方公共団体の職員及び消費生活相談員などが閲覧することができることになってございます。
235 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 このPIO―NETに寄せられる相談内容なんですけれど、ある意味世相を反映したものだと思うんですね。そういった声というのは国会議員が閲覧できるようにというのが非常に重要ではないかなと思ったんですけれど、国会議員というのは、この相談内容のデータというのは閲覧することができるんでしょうか。
236 片岡進
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○政府参考人(片岡進君) お答えいたします。
 PIO―NETに登録されました相談情報につきましては、国会、それから各省庁、関係団体などからの提供依頼があれば国民生活センターから情報提供をさせていただいているところでございます。
 なお、PIO―NETに登録されました相談情報については、地方公共団体の職員が精査、決裁をした上で登録されているものでございますので、一定の信頼性を有するというふうには考えておりますが、相談者からの申出情報を基に作成されているものでございますので、個人の特定につながらないか、あるいは誤解を招くことがないかなど、一度情報を確認をした上で提供させていただいているものでございます。
237 浜田聡
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○浜田聡君 分かりました。いろんな事情があっての現状の制度だと思いますので、今後もし検討いただければと思います。
 最後に、PIO―NET、もう一つ御提案させていただきたいんですけど、PIO―NET、長い歴史を持っていると承知しております。運用の中で少しずつ改善を繰り返しておりまして、改善を続けていることから、データシステムとして高く評価していいのではないかと思います。
 一方で、新たに運用したデータシステムというのはどうしてもその立ち上げ時につまずくことが多いと思います。例に挙げてちょっと恐縮なんですけれど、新型コロナウイルス感染症でのHER―SYSなどのデータシステムだと、多くの問題が発生しているという報道があります。
 そこで、質問というか提案なのですが、PIO―NET運用者がHER―SYS担当者に何か助言をするとすれば何があるでしょうか。
238 片岡進
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○政府参考人(片岡進君) お答え申し上げます。
 PIO―NETにつきまして、先生から高く評価をいただきまして、ありがとうございます。
 御指摘のHER―SYSのシステムにつきましては、詳細を承知しているわけではございませんので一概に比較してお答えするのは大変難しいところではございますけれども、先ほど先生からお話ありましたように、一九八四年に運用を開始して、これまで長期にわたって入力マニュアルの作成や入力する現場の相談員の方々への研修、そしてシステムの改修を重ねて現在に至っているということでございます。
239 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 長年のノウハウが蓄積されたそういった優れたシステムというのは国民全員の財産と言っていいと思います。そういったシステムのノウハウを様々な分野に広げていってほしいと思って今回取り上げさせていただきました。今後、省庁間でうまく連携を取っていただいて、より良いシステム構築につながることを願うとともに、私も応援させていただきます。
 この後しばらく、新型コロナウイルス感染症について厚生労働省の方を中心にいろいろとお聞きしたいと思います。
 まず、このウイルス感染症に関する病名やウイルス名といった名前に関して問題提起をさせていただきます。
 このウイルス感染症は、二〇一九年から中国湖北省武漢で流行し、その後、全世界に広がりパンデミックとなりました。現在大きな問題を引き起こしているわけであります。武漢市の流行に注目して、その名前を武漢肺炎であったりチャイナ・ウイルスなどといった呼び名もあったと思います。ただしかし、そういった声に対してWHOが、特定の地域を名前に付けるのはよくないなどという理由で、正式名称がCOVID―19となりました。
 ただ、その後、問題だと思うんですけれど、その後出現して現在問題となっている変異株については、イギリス型とか南アフリカ型などと平気で付けられております。これは先日のWHOの指摘に対して矛盾しているのではないかと感じるところなんですけど、この命名について厚生労働省の見解を教えてほしいと思います。
240 宮崎敦文
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○政府参考人(宮崎敦文君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、この新型コロナウイルスに関連いたしまして、特定の地名を名称とすることで当該地域の差別や偏見につながりかねないという御指摘、WHO等も指摘しているということを承知しております。
 変異株に関しまして、厚生労働省としては、分かりやすさなどの観点から、英国において報告された変異株といった表現を用いているところでございます。また、基本的対処方針の中では、テクニカルな用語と併記する形で、英国で確認された変異株(VOC202012/01)というような併記、あるいは南アフリカで確認された変異株(501Y.V2)というような記載をしているところでございます。
 今後、委員の御指摘も踏まえまして、適切な呼称、どういう形がいいのかについては引き続き検討してまいりたいと考えております。
241 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 中国は、現在問題となっている感染症の起源の可能性が指摘されながらも、それをうまく回避して、今やマスクやワクチンを世界に送る救世主として振る舞っているわけなんですね。今回指摘した命名に関する問題一つ取っても、中国による外交の巧みさというか、うまさのようなものを感じます。
 仮に同じ状況が日本で起こった場合を想定してみます。もちろん、仮の話なので、可能性も低いと思いますし、ないとは思いますが、仮に日本発の世界規模の伝染病が発生したらどうなるのか。恐らく世界中から袋だたきにされるのではないか、あるいは多額の賠償金を払えと言われる可能性はあると思います。そういったときに、中国のように突っぱねることができるのでしょうかということについては甚だ疑問です。今すぐどうこうという問題ではないですけど、このコロナ禍を契機に、国際社会を賢く生き抜いていくことについて改めて意識したいと思います。
 続きまして、このコロナウイルス感染症が発生したと推測される中国ですが、中国の人々の食習慣と感染症について確認させていただきたいと思います。
 中国においては、人々が多くの種類の野生動物を食べる習慣があります。他の国では食べないような食べ物を、動物を食べていたり、また、その管理状況も十分ではないと指摘されております。今回のコロナウイルス感染症は、一説によると、コウモリを食べた武漢市民が発症のきっかけになったという説があります。また、以前流行したSARSに目を向けますと、こちらはハクビシンから広がったという説があります。
 中国の食習慣などの習慣がすぐに変わることは予想しにくいと考えますと、今後も中国発祥の動物由来の感染症、発生する可能性があると思うんですが、これについて厚生労働省の見解を教えてください。
242 宮崎敦文
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○政府参考人(宮崎敦文君) お答え申し上げます。
 今のこの新型コロナウイルスの起源について、WHOの調査団の報告自体まだ出ておりませんので確たるところを申し上げることできませんけれども、委員御紹介いただきましたように、これまでにもSARSですとか鳥インフルエンザですとか動物を起源とすると考えられる感染症、世界中で起きております。こうした感染症に対しましては、厚生労働省からもWHOに職員を派遣するなど、各国際機関あるいは各国政府と連携した形で情報収集に努めまして、必要な対応を行ってきたところでございます。
 今後も、御質問ございました中国に限らず、世界中で野生動物等を介して動物に由来する新興感染症が新たな脅威として発生する可能性は十分に考えられると思っておりますので、今回の経験も踏まえまして、今後とも、各国政府あるいはWHOとよく連携をして情報収集に努め、必要に応じて専門家の意見も聞きながら適切に対応していくことが必要だと考えているところでございます。
243 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 世界各国でそれぞれの食文化があって、それに対してどうこう言うべきではないのかもしれませんが、ただ、今回の感染症の問題というのは、一国のみならず世界が関わる問題でございます。感染症がその発祥国で蔓延することについては、少し酷な言い方かもしれませんが、自業自得と言えます。ただ、それが世界に感染拡大するのはその国だけの問題にとどまりません。
 先ほど申し上げたSARSのときを振り返りますと、中国は野生動物の食肉に関して見直しと禁止を世界に約束したのに、結果的に何も禁止ができておらず、現在に至るのではないかと思います。今後も、中国内の動物由来の感染症の発症が続くことに関して警戒を訴えていきたいと思います。
 さて、国際社会で日本の地位向上を考えていく上で、国際機関に目を向けたいと思います。
 感染症が問題となっている現状においては、やはりWHOが大変重要です。WHOに対しては様々な関わり方があって、現在厚生労働省においても御尽力いただいていると思います。その中で、特に目に見えやすいものとして事務局長の選挙があると思い、昨年この委員会で取り上げさせていただきました。
 今回改めて取り上げさせていただきます。再度お聞きするのも恐縮なのですが、二点ほど確認させていただきたいと思います。
 政府としてはこの事務局長の選挙重要視しているとのことで、今後もその方針は続くものと思います。私もその方針に賛成です。
 そこで、少し蒸し返すようになるようで恐縮なんですけれど、前回の選挙、日本の挑戦は残念ながら敗れてしまいました。このときの反省点などありましたら教えていただきたく思います。
244 井内雅明
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○政府参考人(井内雅明君) お答えいたします。
 御指摘のとおり、二〇〇六年に行われたWHO事務局長選挙において、我が国からの候補である尾身茂氏は当選しませんでした。二〇〇六年のWHO事務局長選挙は第六代事務局長が急逝された中で急遽行われた選挙ではありましたが、我が国からの候補が当選しなかった要因について一概に申し上げることは困難でございます。
 なお、WHOについては、二〇一八年に、我が国から推薦した葛西健氏が、選挙の結果、WHO西太平洋地域事務局長に選出されております。
 厚生労働省としましては、国際保健分野において主導的な役割を果たせる人材の育成に努めておりまして、今後とも事務局長候補となり得るような日本人幹部職員の増加に努めてまいりたいと考えております。
245 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 現在、新型コロナウイルスで政府で中心となっておられる尾身先生が前回の候補者であったということで、もしそのときに尾身先生が事務局長になられたとしたら現在の世界の状況は全く違ったものになっているのではないかと想像されるわけですけど、仮の話をしても意味がありません。尾身先生には、現状大変お忙しいとは思いますが、前回の選挙時の経験を是非とも次回挑戦の際に伝えていってほしいと願います。
 さて次に、外国人入国者に関する新型コロナウイルス感染症の問題について一つ確認させていただきたいと思います。
 国外から入国される外国人による感染の問題は様々な問題があると思うんですけど、ここでは外国人患者さんに係る医療費について取り上げたいと思います。
 この医療費を確認したときに、多額の公費が使われたことに問題があると考えます。ダイヤモンド・プリンセス号で外国人患者さん三百四十二名の保険診療対象費用に二億七千八百万円ほど掛かったと聞いておりますが、そのほとんどが公費で使われたと聞いております。
 以前の予算委員会で、外国人入国者に民間医療保険の加入を義務化してはどうかという提言があったのですが、この提言、現状どうなっているのか、厚生労働省に確認させていただきたいと思います。
246 宮崎敦文
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○政府参考人(宮崎敦文君) お答え申し上げます。
 現在の感染症法上の入院医療費についてはいわゆる公的医療保険と公費負担によって賄われておりますけれども、訪日外国人、公的医療保険の対象じゃない方が来られた場合には、この負担、公的医療保険部分がございませんので公費負担によって対応しているという形になります。
 本人の加入する民間保険からの支払とすることなどによりまして本人に負担を求める対応が考えられないかという論点につきましては、これまで御議論ございまして、昨年十二月の感染症部会におきまして、この問題提起いたしまして、議論を開始したところでございます。
247 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 非常に重要なことだと思いますので、今回改めて進捗状況を確認させていただきました。引き続き、しっかりとした制度になるよう見守っていきたいと思います。
 さて、ようやく国内でもコロナワクチンの接種が始まりました。この後、ワクチンについて幾つか聞いてみたいと思います。
 ワクチンについては、私、医師の立場としてその効果は認めるところであり、一刻も早く多くの人々が接種進むことを望んでおります。
 ただ、医療においては常に注意を払うべきこととして有害事象というものがあり、現在、接種が進んでいるワクチンには副反応の問題がどうしても出てくることになります。これは、多くの人々の接種が進む上で避けることができません。本当に残念なことなんですが、重篤な副反応に苦しむ人が出てくることはある程度仕方ないと思います。ただ、重篤な副反応に苦しむ方々に対しては、もちろん十分な被害者救済策はあるべきと考えます。
 厚生労働省にお聞きしたいんですが、現状そういった救済策、国内で整備されていると私もちろん承知しておりますが、改めて確認したいと思いますので、教えていただきたく思います。
248 宮崎敦文
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○政府参考人(宮崎敦文君) お答え申し上げます。
 法に基づく予防接種、これ社会防衛上行われる重要な予防措置でございますけれども、やはり、極めてまれではございますけれども、健康被害が起こり得るということで、法律に基づいて、この健康被害を受けた方に対する特別な配慮を用意させてございます。新型コロナワクチンの接種による健康被害が生じた場合に関しましても、他の予防接種と同様に、予防接種法に基づく健康被害救済制度の対象となることになっております。
 具体的には、健康被害が生じた住民の方からの申請を受けまして、専門家により構成される疾病・障害認定審査会において審査が行われまして、審査を踏まえて厚生労働大臣が認定したときに市町村より給付を行うこととなります。
 給付水準につきましては、風疹等のA類疾病の定期接種と同様の高い水準とするとともに、給付について特例的に国が全額負担という形を制度として用意しているということでございます。
249 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 ワクチンについては、各種の報告見ておりますと、良好な結果を期待していいのではないかと思います。明らかなメリットがある一方で、数多くの接種によって副反応というデメリットがあるのも必然であり、ゼロリスクというのはありません。あり得ないながらも、やはり重篤な副反応に苦しまれる方々に対してはしっかり救済していただきたいと思います。私の方からもよろしくお願いしたいと思います。
 次に、メディアの報道と、それに対する中央省庁の対応についてお聞きしたいと思います。
 特に、ワクチン接種が始まっている現状ではこのワクチンに関する報道しばらく続くと思いますので、ここで厚生労働省にお聞きしたいと思います。お聞きしたい内容は記事解説というものになります。
 中央省庁では、所管事項がニュースになると問合せが多数殺到することもあって、それに備えるため、真偽を解説する記事解説を作成することがあると承知しております。例えば、実はこの記事内容は誤り、実際はどうだとか、おおむね正しいが一部は誤りなどという解説などです。
 厚生労働省ではこのような記事解説作成しているのかどうか、教えてもらえればと思います。
250 山田雅彦
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○政府参考人(山田雅彦君) お答えします。
 厚生労働省では、新聞等の報道のうち重要と考えられるものについて、事実関係を整理するとともに、対外的な説明に備える観点から、省内での情報共有を図るために記事解説を作成しております。
251 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 私がいただいた情報によりますと、この記事解説は、残念ながら、各報道記事が正しいとするものよりも、記事の誤りを指摘するものが多いと聞いております。私自身も特に医療記事については首をかしげるものが多くて、その状況については納得するところであります。そういった状況から、厚生労働省もメディアの誤報には苦労しているのではないかと推察します。今後、メディアによるコロナワクチンに対するネガティブキャンペーンなど行われる可能性があることも予想されます。
 そこで、提案なんですけど、この記事解説というものを作成しているのであれば、国民の正確な情報入手とメディアの誤報抑制のため、公表してみてはいかがでしょうか。
252 山田雅彦
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○政府参考人(山田雅彦君) お答えします。
 記事解説は、記事の真偽にかかわらず、重要と考えられる報道について対外的な説明に備える観点から、あくまでも省内での情報共有を目的として作成しているものであるので、これを公表することは考えておりません。
 なお、厚生労働省では、報道の内容に明らかな事実誤認があった場合等については、報道したメディアに対する訂正記事の依頼、あるいはホームページやツイッター等のSNSなどを通じた関連する正確な情報の発信などの対応を行っております。
 今後とも、引き続き国民及びメディアへの正確な情報発信には努めてまいりたいと思っております。
253 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 残念ながら、国内メディア、例えば新聞など、良い記事を載せれば売上げが上がるという当たり前と思われる原理が働きにくいんだと思うんですね。どちらかというと人々をあおるような記事がお金になるところに問題があると思います。様々な背景からそういった現状があって、また表現の自由も尊重しなければいけないことで、中央省庁が報道に対して苦労する現状については今すぐの解消は難しいと思います。
 ただ一方で、先ほど記事解説は公表しないということだったんですけれど、中央省庁の方からも積極的に発信することで、SNSなどでその拡散を応援する人の力を頼りにしてもいいのではないかと思います。そういった力をうまく利用することを当然想定されているとは思いますが、私の方からも応援させていただきたいと思い、今回提言させていただきました。
 さて、コロナワクチンの接種が開始されました。このコロナワクチンの接種が開始された頃、私、その接種している場面についてある点を注目しておりました。それは、ワクチンの注射の針の入っていく角度です。角度が垂直に近い角度で針が入っていきまして、肩に注射されているのを見たことがあるかと思います。筋肉注射が行われていることを確認しました。
 予防接種の注射方法について簡単に紹介させていただきますと、筋肉注射と皮下注射に大きく分かれます。皮膚の下には皮下組織があって、その更に奥に筋肉があるわけです。筋肉の層に薬剤を注入するのが筋肉注射、今回の新型コロナウイルスで行われているものになります。垂直に刺すので針を奥まで届けさせることができます。一方、皮下注射というのは、皮下組織に注入する、筋肉までは行かない、浅いところに注入するので角度を付けて注入することになります。
 このように二種類あるんですけど、免疫の付き方や腫れ方などの反応が違って一長一短あると思いますが、ワクチンごとに接種対象者などに応じて使い分けていくことが求められます。ただ、多くの場合、その効果とか免疫の付き方、接種後の腫れや痛みなどの関係で、どちらかというと筋肉注射の方が望ましいとされております。
 日本国内で行われているコロナ以外のワクチンにおいては、世界各国で筋肉注射が主流となっているにもかかわらず、国内では依然として皮下注射で行われているものが多く、是正していくべきと考えます。このコロナワクチン接種が筋肉注射で行われている今がチャンスだと思いますが、この件について厚生労働省の見解を教えていただきたく思います。
254 宮崎敦文
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○政府参考人(宮崎敦文君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、ワクチンの接種方法につきましては、これは臨床試験等を通じましてどのように接種するかが検討されまして、薬事承認の際にそれぞれのワクチンごとに定められることになっております。
 海外で筋肉内注射で接種されているワクチンであって我が国では皮下注射で接種することとされているワクチン、こうした中でございます。例えばインフルエンザワクチン、四種混合ワクチン等が該当するものでございます。
 仮に、これらのワクチンについて筋肉内注射に変更するという場合には、医薬品医療機器等法に基づいて、メーカーの側から薬事承認事項の一部変更承認申請を行っていただいた上で、その一部変更承認を前提として関係省令等の改正を行うというような形が必要となってまいります。
 御紹介いただきましたように、このワクチン接種に関しまして、例えば二〇一九年七月に日本小児科学会がまとめた文言の中で見ますと、日本のワクチン接種については原則皮下接種であるということについて、一九七〇年代に解熱薬や抗菌薬の筋肉内注射によって筋拘縮症の報告があったということが背景となりまして、筋肉内注射による医薬品投与を避けられる傾向にあって、それが影響しているというような指摘もございます。一方で、先ほど委員御紹介がございましたように、海外においては原則筋肉内接種で行われておりまして、その理由としては、筋肉内接種が皮下接種に比べて局所の反応が少なくて、また免疫原性は同等かそれ以上であることが知られているからという御指摘もございます。
 こうしたことを踏まえまして、委員の御指摘も踏まえて、必要に応じて製造販売業者あるいは関係学会等、関係者の方々とともにこの問題は検討していく必要があるというふうに考えているところでございます。
255 浜田聡
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○浜田聡君 各種学会においては予防接種の方法はもう筋肉注射を推奨しておりまして、それ常識となっております。これについてなかなか改善が進まないことに関して批判的な意見を持っている医者が多いと思います。ちょっと厳しい言い方になると思うんですが、これ厚生労働省の不作為の罪とする声もありまして、是非とも改善に向けて積極的な議論が進むことを期待しております。
 さきの質問でも取り上げましたが、今後も新型感染症が、新興感染症が発生して国内で問題になるということはあると思います。現状、政府としてはコロナ対応に注力すべきと考えますが、長期的な視点での対策も立てていくべきと考えます。
 その一つとして、昨年も委員会で提案させていただきましたが、日本版CDCの設立を提案させていただきます。世界各国においてその国の感染症対応の中心となる機関になります。
 このコロナ禍において日本版CDCの設立への提言についての見解又は設立の動きなどありましたら、厚生労働省にお聞きしたいと思います。
256 宮崎敦文
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○政府参考人(宮崎敦文君) お答え申し上げます。
 御指摘のとおり、この感染症への対応は、安全保障上の脅威としても、平時よりその感染症に対する危機管理体制を構築していくことは大変重要であると考えているところでございます。
 この新型コロナウイルス感染症の対応も含めまして、感染症危機管理体制の強化を図るために、現在、国立感染症研究所と国立国際医療研究センターの連携を更に深めていくとともに、同研究所の体制強化を図る必要があるということで今動いているところでございます。
 厚生労働省といたしましては、この両機関が有するそれぞれの専門性を踏まえて、患者の臨床情報や検体等を国立感染症研究所と国立国際医療研究センター等にて収集、解析をし、その検体やデータを治療法やワクチン等を開発する研究機関に提供する体制を整えるための事業を進めているところでございます。
 また、体制という面でいいますと、危機管理体制の更なる強化ということで、国立感染症研究所の体制につきましては、定員を、令和三年度において三百六十一名の増員要求を行っております。倍にするということでございまして、定員は七百十六名となる予定でございます。
 こうした思い切った措置も含めまして体制の強化に取り組んでいるところでございまして、こうしたことを通じまして、感染症危機管理体制の強化、努めてまいりたいと考えているところでございます。
257 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。多くの国民が期待していると思いますので、頑張ってほしいと思います。
 次に、ナースプラクティショナー制度について提案をさせていただきます。
 国内の医療については、このコロナだけでなく多くの問題があることは皆さん御承知のとおりです。少子高齢化や医師の偏在、あるいは医師の過度な負担や医療崩壊のリスクへの懸念など、様々あります。多くの国民が安心して医療を受けられるような社会を維持していくために、法令とか制度を時代に合わせて適時適切に見直していく必要があると考えます。
 今回提案させていただくナースプラクティショナーというのは、医師の指示を受けずに一定レベルの診断や治療などを行うことができる看護の資格のことで、アメリカ等の諸外国で制度として導入されております。
 このコロナ禍を契機にナースプラクティショナー制度の推進を考えてもいいのではないかと思うんですけれども、厚生労働省においてナースプラクティショナー制度に関して現状を教えてほしいと思います。
258 間隆一郎
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○政府参考人(間隆一郎君) お答えいたします。
 ナースプラクティショナーにつきましては、厚生労働省で開催し、昨年議論を取りまとめられました医師の働き方改革を進めるためのタスク・シフト/シェアの推進に関する検討会におきまして、一方で、そのナースプラクティショナーのような新たな職種の創設を長期的に検討してほしいという御意見がありました。また一方で、まずは特定行為研修制度を推進し、問題点を洗い出してから議論すべきだという御意見もございました。
 厚生労働省といたしましては、先ほど申し上げました特定行為研修制度、これは医師の判断を待たずに手順書により一定の診療の補助を行う看護師を養成するものでございますが、この特定行為研修制度を推進することといたしております。その上で、更なるタスクシフト・シェアについては、御指摘のような御意見があることも承知しており、今後の医師の働き方改革の進捗状況を踏まえ、全ての医療専門職種それぞれが自らの能力を生かし、より能動的に対応できるような観点から、引き続き検討を進めていきたいと、このように考えてございます。
259 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 このナースプラクティショナー制度は看護師業界からの導入が望まれておりまして、医師からすると、どちらかというと反発のようなものがあると思います。ただ、私がここで申し上げたいのは、医師にとってもメリットがあるということです。私自身、この提言をいただいたのは開業医の先生からなんですね。
 ここでいろいろとそのメリットを申し上げても仕方ないので、ポイント絞って、二つ提示させていただきます。一つは、地方で医師不足に苦しんでいるところでニーズがあるのではないかということです。もう一つは、医療費の削減につながる可能性についてでございます。
 諸外国においては、ナースプラクティショナーの裁量が更に拡大されるなど、看護師が自身の判断と責任で医療を提供する仕組みを導入、発展させている状況にあります。
 国内での政党に目を向けますと、旧みんなの党のアジェンダに、このナースプラクティショナー制度の導入、既に言及されております。導入するとなると様々な反発があってまだまだ障壁は大きいと思いますが、少しずつ周知を図っていくことで可能性は見えてくるとも思います。
 さて、新型コロナウイルス感染症について、一日でも早く収束することは全国民の切実な願いなのではないかと思います。ここでは、いつ頃収束するのかについてお聞きしたいと思います。
 御存じのとおり、ワクチン接種が開始となりまして、少しずつ国内での接種者増えております。ワクチン接種率が世界一のイスラエルにおいて感染者数が順調に減っている状況などを見ますと、日本でもワクチン接種者が増えてくることで収束が見えてくるのではないかと思います。
 アメリカに目を向けますと、七月四日、独立記念日までに収束宣言の目標を出しました。アメリカといいますと、一日当たりの新規感染者数が数万人というレベルで、日本の約千人と比べて段違いのレベルになります。このように、アメリカは、日本よりはるかに感染者数、死者数が多くても、収束宣言の目標設定をしたわけです。となると、日本はアメリカの目標とする七月四日より前に収束宣言の目標を設定することは不可能ではないのではと思うわけです。
 先日、オリンピックの際に海外からの観客を受け入れない方針を確認しました。これは、そうしてでも日本でオリンピックをやるんだという強い決意の表れではないかと思います。そうであれば、なおさらアメリカの目標より早い日時で収束宣言出すような目標設定をしてみてはいかがでしょうか。内閣官房にお聞きします。
260 梶尾雅宏
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○政府参考人(梶尾雅宏君) お答え申し上げます。
 アメリカのバイデン大統領は、三月十一日に国民向け演説を行われました。その中で、国民が全員で取り組めば、七月四日の独立記念日には、少人数ではあるけれども、家族、友人が集い、祝うことができるであろうといった趣旨の発言を行って、七月四日に言及しつつ、感染対策への協力を呼びかけたというふうに承知しております。
 これのことを今収束宣言と表現されたと思っておりますけれども、収束の定義というのは、国内外における感染状況ですとか、病原体の性質、社会情勢等の具体的な状況に即して判断されるものと考えられ、一概に定義することは難しいと思っておりますけれども、その上で、新型コロナというのはゼロにすることは困難な感染症でございまして、今後も流行の波というのは確実に発生すると考えられますけれども、大事なことは、それを大きな流行にしないということで、医療や保健所に支障を来さないように、ステージ3のこのレベル以下でしっかりと抑えていくということだと思っております。
 三月二十一日をもちまして緊急事態措置を終了いたしましたけれども、引き続き警戒感を持っての解除ということを念頭に、先週十八日に五本柱、五つの総合対策を取りまとめましたけれども、飲食店の対策、モニタリングやサーベイランス、またワクチンの接種、医療提供体制の整備など、こういった対策をしっかりと講じていきたいというふうに考えております。
261 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 このコロナに限らない話なんですけど、政府がリーダーシップを取っていく際に重要な要素として、具体的な数値目標あるいは日程目標を出していくことが挙げられると思います。全くないわけではないとは思うんですけれど、これまでの政府の取組を見てみますと、もう少しこの点重視してもいいのではないかと思って提言をさせていただきました。
 あと二つほど質問を残していたわけなんですけれど、ちょっとじっくり扱いたい内容にもなりますので、次回に回させていただきたいと思います。
 これで、私の質問を終わります。ありがとうございました。

第204回国会 参議院 財政金融委員会 第6号 令和3年3月25日
066 浜田聡
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○浜田聡君 浜田聡です。所属政党はNHK党、参議院での所属会派はみんなの党です。最後の質問、よろしくお願いします。
 まず、税に関して質問させていただきます。
 日本には約五十種類の税があるといいますが、今回、そのうちの一つ、ゴルフ場利用税を取り上げます。これは地方税の一種で、ゴルフ場を利用するゴルファーが都道府県に支払う税金です。このゴルフ場利用税、ゴルフ関係の各種団体から廃止の要望があるのは当然だと思いますが、最近では文部科学省が廃止の要望を出していたり、また国会の議論でも度々廃止を求める声が出ているように思います。
 過去の経緯を振り返ってみますと、昭和二十九年に創設された娯楽施設利用税の対象施設としてゴルフは課税されていました。この娯楽施設利用税の課税対象は、舞踏場、ゴルフ場、ボウリング場、パチンコ、射的、マージャン、玉突き、ゴルフ練習場などです。昭和六十三年の税制の抜本改正において消費税が創設されましたが、ゴルフ場以外は全て非課税となったにもかかわらず、ゴルフ場だけがゴルフ場利用税として名称を変えて存続されました。
 平成二十三年にスポーツ基本法が制定され、国及び地方自治体、スポーツ団体は、国民へのスポーツ普及促進の努力をし、必要な措置を講じることが定められましたが、ゴルフ場利用税はこの法の趣旨に反するものだと言えます。二〇一六年からはオリンピック正式競技として実施される競技でもあります、このゴルフは。こういったスポーツであるゴルフに課税を行うとはとんでもないとの声もありまして、私も賛同するところです。
 そこで、麻生大臣にお聞きします。管轄外であることを承知の上で恐縮ですが、このゴルフ場利用税に関する御見解、お聞かせいただきたく思います。
067 麻生太郎
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○国務大臣(麻生太郎君) これは、今御存じのようにこれは地方税の話で、ちょっと国税の話じゃありませんのでちょっと管轄外なんですけれども、少なくともオリンピック種目に税金掛けているのは日本ぐらいですな。それだけは確かだと思いますよ。そこのところは言えるんだと思いますけれども。当然、だから廃止だというゴルフ場関係者もおられるんですが。
 傍ら、財源確保としましては、税源のほとんど、極めて少ない市町村、地方の中で、そのゴルフ場の納めてくれる地方税というものがその一町村の収入の何割というようなところになってきますと、これは物すごくでかい税財源になりますので、いろいろ与党の税制調査会でもこれ長いこと議論がなされてきたところでありますので、今、税制改正の中でいろいろまだ検討されているところだと思いますので、今、私どもとしては、こういったちょっと地方税でちょっと直接関係しているわけじゃありませんので、これ以上のことは、ちょっと発言は差し控えておいた方がよかろうと思います。
068 浜田聡
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○浜田聡君 管轄外の質問お答えいただき、ありがとうございます。
 私、以前、このゴルフ場利用税廃止を目指している超党派の議員連盟、加入させていただきました。この議員連盟からいただいた資料でこの議員連盟のメンバーを見ますと、数多くの大臣であったり大臣経験者などそうそうたるメンバーそろっていて、びっくりしたのを覚えております。これだけのメンバーがいればこの税の廃止は近いのかなと期待抱きつつも、逆に、これだけのメンバーがいるにもかかわらずこの税が依然として残っている現実も突き付けられて、複雑な気持ち抱いたことを思い出しました。嘆いていても仕方がありませんので、私もこの議員連盟の一員として、ゴルフ場利用税廃止を求める人々の声、届けていきたいと思います。
 次に、今国会で数多くの時間が割かれている総務省の接待問題に話を移したいと思います。これまで国会で多くの議論がされてきましたが、私の方からも取り上げさせていただきます。
 東北新社から総務省幹部に対する繰り返しの接待が明らかになりました。東北新社のみならず、NTT、NHKなどによる接待も指摘されています。
 この件については、公務員倫理に関する問題点などの追及がなされているように思いますが、背景にある構造的な問題にも目を向ける必要があると思います。それは、国民の共有財産である電波の割当てについて総務省幹部が不透明な裁量権を握っているところにあろうかと思います。
 電波の帯域は有限でありまして、使い勝手のいい帯域は非常に貴重なものとなっています。放送・通信事業者にとっては、この使い勝手のいい帯域を確保できるかどうかが死活問題となり、激しい争奪戦を繰り返すことになります。この争奪戦、現状のような総務官僚の裁量次第ということが続くようであれば、今後も同じような接待などの問題が起こることになります。
 一方、この争奪戦が、例えば電波オークションのようなルールに基づいた透明性のあるものであれば、同様の問題は起きにくいと言えるのではないでしょうか。
 安倍政権になってから、電波行政については、新規参入促進など自由化を進めてこようとしたと承知しております。菅政権になって、それがよりはっきりと打ち出された形だと思います。そんな中起こったこの接待問題、接待されていた総務省の姿勢というのは、政府が取ってきた新規参入や自由化の方針とは真逆で、電波利権維持目的と言えるのではないかと思います。
 問題が起こったことは極めて残念なんですが、見方を変えると、今こそ電波オークションなどを導入するチャンスとも言えると思います。総務省の置かれた状況を考えますと、総務省が主体となって電波オークションを推進するかどうかは極めて怪しいのではないかと推察します。
 そこで、規制改革を推進する立場の内閣府にお聞きします。この機会に電波オークションを導入することに関して御見解をいただきたいと思います。
069 黒田岳士
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○政府参考人(黒田岳士君) お答え申し上げます。
 規制改革の推進機関である規制改革推進会議は、ソサエティー五・〇の実現に向けて、そのインフラである電波を有効に活用するために改革が必要であるとの観点から、かねてより様々な提言を行ってきております。
 本推進会議の提言を受けまして、委員御指摘の入札価格の競り上げにより電波を割り当てる、割当てを受ける者を決定するオークション制度につきましては、総務省において、そのメリットやデメリット、導入した各国における様々な課題も踏まえ、引き続き検討を継続することが規制改革実施計画として閣議決定されております。
 引き続き、本計画の進捗管理などを通じ、規制改革の着実な推進を図ってまいります。
070 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。私も応援しております。
 この件に関する報道を見ていますと、放送制度改革や電波オークションなど、根本的な解決となるような重要な部分がなかなか伝えられないように思います。報道するマスコミ側自身が国民の共有財産である電波の恩恵にあずかっているので、これは仕方ないのかなと思います。マスコミ報道によって問題解決から目をそらされないように気を付ける必要があると思います。
 電波オークションについては、世界の先進国では大体九〇年代に導入されたと承知しております。一方、日本でも同じ頃に議論はスタートしたものの、いまだに検討中となっております。導入した各国においては、紆余曲折があって必ずしも順調に導入されたわけではないとのことですが、一方で、電波オークションを導入した国の中で以前の割当て制度などに戻した国はないと承知しています。この電波オークション導入というのは、先進諸国では前世紀に解決した、言わば過去の課題です。現時点で国内でいまだに残っているこの時代遅れの電波の制度、これをいい機会として改善、推進していってほしいと思います。
 先日の予算委員会で、ある野党議員の方の質問時の発言で感心したものがありました。それはこのようなものです。私は、本当はコロナをやりたくて準備し、東日本大震災から十年だから、そのこともやりたくて準備したが、接待問題のせいで質問ができないということです。
 接待問題が二度と起こらないようにすれば、ほかの重要な問題に時間を割くことができます。繰り返しになりますが、この総務省の官僚が握っている電波利権の問題を放置しておきますと、再度同じような問題が起こることは容易に予想できます。電波オークション導入などによって、官僚の方の裁量を排して皆が納得できる制度を導入することが、今回のような問題が再度起こることを防ぐ根本的な解決だと思います。是非とも多くの政党がこの件について根本的な解決図るように動いていただきたいと切に願います。
 次に、各省庁内におります記者の方々の問題についてお聞きしたいと思います。
 行政とメディアの結び付きという点では、先ほど取り上げた総務省の接待問題と相通ずるところがあるのではないかと思います。なかなか国会では指摘されにくいように思いますが、記者クラブというものに大きな問題があると思います。
 この記者クラブ、公的機関や業界団体などの各組織の継続取材を目的とするために、大手メディアが中心となって構成されている任意組織であります。各省庁には大抵の場合記者クラブがありまして、その部屋の割当てがあると承知しています。そして、その記者の方々は、各省庁内を歩き回って執務室に出入りしている可能性が指摘されています。
 今回、朝日新聞の記事を配付資料として用意させていただきました。記事の内容は、経済産業省におきまして数年前から執務室を施錠するようになったことで記者の方々が執務室に入れなくなって、そのことに苦言を呈するというものです。朝日新聞社には朝日新聞社の意見があろうかと思いますが、私としては、執務室に外部の人間が入れる方が問題ではないかと思います。
 霞が関の各省庁にある記者クラブ、私自身は廃止すべきだと思いますが、少なくとも経済産業省のように執務室は施錠すべきと考えております。このような提案に関して、財務省の事務の方、そして大臣の御見解、順にお聞きしたいと思います。
071 茶谷栄治
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○政府参考人(茶谷栄治君) お答え申し上げます。
 記者クラブは、公的機関などを継続的に取材するジャーナリストの人たちによって構成され、公権力の行使を監視するとともに、公的機関に情報公開を求めていく社会的責務を負った存在であると承知しております。この記者クラブに所属する記者の人たちに作業室、いわゆる記者クラブ室を提供することは、国民に対する広報を迅速かつ効率的に実施できるようにするために行っているものでございます。
 また、お尋ねのございました執務室の施錠等の庁舎管理につきましては、各省庁が担う行政の状況に応じ、それぞれの立場で実施しているものと承知しておりますが、財務省におきましても情報管理の重要性は十分認識しておりまして、執務室内の情報管理の徹底、入庁目的の確認や一部執務室での施錠等の対応を実施しているところでございます。
072 浜田聡
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○浜田聡君 麻生大臣にもこれに関して御意見をお聞きしたいんですけど、いかがでしょうか。
073 麻生太郎
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○国務大臣(麻生太郎君) 今、茶谷の方から御答弁させていただきましたけど、一番古いのは黒潮会ですかね、これ。海軍省にあった黒潮会、これが一番古い記者クラブだと思います。その次が財研、その次が霞クラブですかね。大体そんな順番で、この記者クラブというのは一斉にせえのでできたわけではありませんから、結構歴史がある話なんだと思うんですが。
 今言いましたように、公的機関における真の情報公開というのを努めていく社会的責任を負っているんだと思いますけれども、当該記者クラブに所属する記者にいわゆる記者クラブという名の作業室ですな、作業室を提供するということによって、国民に対する広報というものを効率的とか迅速にとかにできるというようになることの一助にはなっていると思うんですね、それの一助にはなっておると。
 弊害もありますよ、言っておきますけど。あの執務室、したがいまして、勝手に書類が見られるとか、だだ漏れのところもあるんじゃないかと。これ、役所によって違いますので。そういった意味では、今、経産の話が出ていましたけど、経産は施錠したんですかね。あそこはたしか、世耕のときだったか何かに施錠したんだと記憶していますけれども。
 執務室の情報管理というのは、私どものところはいわゆる為替なんかやっておりますので、そういったところの部屋なんかは当然のこととして施錠するということになりますし、私でもなかなか入れませんし、そういったところをやっておりますので、運用を見直すというのは、私どもとして今直ちにその運用を見直すということを考えているわけではございません。
074 浜田聡
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○浜田聡君 財務省の御意見、ありがとうございます。
 私、国会に来て一年足らずたちますが、いろいろと日々驚きがあります。その中の一つに壁耳というものがあります。
 今回の配付資料として、他の議員さんがSNS上にアップされていた写真を拝借させてもらいました。会議をしている部屋の壁に耳を当てて会議の内容を聞き取ろうというものです。記者の方々の持つ職業に懸けるプロ魂というと聞こえいいかもしれませんが、一般の人からすると少し感覚が異なるのではないかと思います。こういうことをしてまで情報を仕入れようとする方々が建物内自由に移動できる状況というのは少し気を付けるべきではないかと思いまして、今後の推移見守りたいと思います。
 次に、引き続き、前回に引き続いて、厚生労働省の方にお聞きしたいと思います。
 ただ、質問の前に、前回の委員会で、私の方から補足説明させていただきたいことが一点あります。それは予防接種の筋肉注射推奨の話です。
 現在、日本では多くの予防接種は皮下注射で行われているのですが、海外では筋肉注射が多く行われております。予防接種の効果であったり、その接種後の部位の腫れや痛みを考えると、筋肉注射の方が望ましいとされておりまして、国内でも筋肉注射に切り替えていくべきではないかというお話をさせていただきました。日本では一九六〇年代から七〇年代に、解熱薬や抗菌薬を筋肉注射して大腿四頭筋拘縮症の患者が問題となった苦い経験というのがありまして、多くの予防接種が皮下注射となったということ、答弁いただきました。そのとおりだと思います。
 ここからが今回私の補足でございまして、筋肉注射をするワクチンというのは、以前問題になったものとは比べ物にならなくて、注射針の大きさも投与量も全然違います。全然、小さいですし、量も低い。ということで、筋肉注射の安全性というのは数々のデータが示されています。過去のトラウマで何となく恐ろしいといった非合理的、非科学的な根拠に基づいたやり方を改めて、これを機会に、より効果的で安全、副作用の少ないワクチン接種方法となるよう、私も引き続き訴えていきたいと思います。この点、前回の補足とさせていただきます。
 さて、世界の主要国では、感染症の対策の中心となる機関としてCDCというものがあります。前回お伝えさせていただいたとおりです。これはセンター・フォー・ディジーズ・コントロール・アンド・プリベンションの略です。
 前回、日本版CDC設立についてお聞きしたところ、国立感染症研究所においては人員を大幅に増やしているとのことでした。
 それを受けまして今回提案させていただきたいのですが、新たにCDCを設立するよりも、いっそのこと、この国立感染症研究所を、名前を変えて日本版CDCとしてみてはどうかということです。日本語の名称は検討の余地があるとは思いますが、英語表記は、冒頭にジャパニーズを付けてジャパニーズ・センター・フォー・ディジーズ・コントロール・アンド・プリベンション、日本版CDCとすればいいと思います。
 このように、まず名前を変えてしまって、曲がりなりにも国内でCDCを設立してしまうという提案なんですけど、厚生労働省の御意見伺いたいと思います。
075 宮崎敦文
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○政府参考人(宮崎敦文君) 御答弁申し上げます。
 国立感染症研究所につきましては、一九四七年に国立予防衛生研究所という名称で設立をされまして、一九九七年に現在の名称、国立感染症研究所に改名されて今に至っております。
 御指摘の名称変更でございますけれども、米国のCDCにつきましては、これ感染症に限らず、先生御案内のように、生活習慣病や環境保健、あるいは労働安全衛生、外傷などかなり幅広い政策をカバーをする形になっているのに対しまして、国立感染症研究所は主として感染症に焦点を当てた研究、科学的知見の収集を担っているところでございます。その意味で、ちょっとその両者の機能、役割、異なる点がございますので、名称から入る形でも、同じ名称とするということが適切かという点についてはかなり慎重な検討が必要ではないかというふうに考えております。
 いずれにしても、この間ずっと御議論いただいておりますように、感染症対応の中心となる機関としてふさわしい体制を築いていくということがまず大事だと考えておりまして、この感染症危機管理体制の強化、努めてまいりたいと考えているところでございます。
076 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 各国のCDCが持つ役割というのは全然違いまして、日本でもこのような観点からまず名前を変えてしまうというアイデア、御提言させていただきました。もちろん、そう簡単にはいかないと思います。ただ、やはり重要なのは、名前を変えるアイデアを選択肢として持っておくことだと思います。
 現状、コロナ対策に御尽力いただければと思いますが、コロナ禍が落ち着いた後から、このコロナ対応の経験をしっかり生かして、今後必ずやってくるであろう感染症に強い意思で立ち向かう国家の意思を示すためにも、日本版CDCを設立する、そのまず第一歩として感染症研究所あるいは国立国際医療センターなど既存の組織を名前を変えてCDCにするというアイデア、どうぞ田村厚生労働大臣にお伝えいただければと思います。
 さきの質問でも取り上げさせていただきましたが、現在、総務省の接待問題によって国会内外で大きく騒ぎとなっております。
 この接待問題、大きな裁量を持つ総務省幹部の責任問題となっているのはもちろんですが、この先の再発予防策として、先ほど申しましたように電波オークションなど抜本的な改革をすべきと考えますが、現在の総務省が持っている権限を幾つか取り上げてしまって組織そのものを分けてしまうなどの構造改革も検討していいのではないかと思います。
 ここで、財務省に目を向けたいと思います。
 かつて、財務省の前身として大蔵省がありました。大蔵官僚への過剰接待など不祥事が問題となったりして世論の大きな反発を生み、二〇〇一年の省庁再編において、律令時代から使用されている伝統ある名前、大蔵省は財務省へと省名変更されてしまいました。
 ここ二十年から三十年間の日本経済の低迷を表現する言葉として、失われた二十年、失われた三十年というものがあります。様々な要因が原因でありまして、一つのものを悪者としてたたくことはできないとは思いますが、財務省もその責任の大きなところがあるのではないかと思います。
 そこで、再び名前変更の提案なんですが、現在の財務省という省名、いっそのこと思い切ってかつての伝統ある名前、大蔵省に再度省名変更してみることを検討してみてはいかがでしょうか。こちらの提案について、財務省の事務の方と大臣の御両者から御意見いただきたいと思います。
077 茶谷栄治
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○政府参考人(茶谷栄治君) お答え申し上げます。
 現在の財務省という省名につきましては、中央省庁再編の過程におきまして、中央省庁等改革基本法という法律ございまして、その規定の趣旨に従い、当時の小渕内閣総理大臣が決定されたものでございまして、自らの組織の名称をどうするかということについては私自身お答えする立場にはないと考えておりますが、いずれにせよ、省名が財務省であるか大蔵省であるかに関係なく、財務省設置法に規定されている任務をしっかりと果たすべく、引き続き努力を重ねてまいりたいと思っているところでございます。
078 麻生太郎
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○国務大臣(麻生太郎君) これは、たしか橋本行革というほど、たしか橋本内閣のときにこの話が始まったんだと思いますけれども、当時は銀行局やら何やら全部、証券局等々大蔵省の中にあったのを、財金分離だとか訳の分からぬことを、余りよく意味が分かっておられるかどうか知りませんけど、その当時分けられた。私、反対したので、そういう記憶あるんですけれども。
 そういった経緯でこれ分かれられたんですけれども、今現在、世界中、金融と財政ってほとんど一緒になっている中で、日本だけ分かれたと。先ほどの大門先生の話というか、世界の潮流と全く逆をやったと、日本は。それははっきりしていますよ、あのときは。今、財金で、世界中で金融庁を兼務していない大蔵大臣って私だけなんですけど、たまたま今一緒になっておりますから、兼務しておりますから、今そういったことになっておりますので、私は、そういった意味では、いろんな機能やら何やらも一緒にやらないかぬのであって、財務省に限らず、ほかのところ、やったところがよいところいっぱいあるような気がしますけどね。
 したがって、どうせやられるんだったら、これだけじゃなくて、もっといろんなものも併せて考えられると、そういったアイデアを考えた方がよろしいかと思いますが。
079 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。財務省の意見、ありがとうございました。
 憲政史家の倉山満さんの著書によりますと、大蔵省というところは元々増税をするような官庁ではなかった、増税は大蔵省百五十年の伝統に反する行為だとの記述がありました。大蔵省は、明治以来、日本の近代化を支えて、間違った時流にあらがい、敗戦から高度成長の繁栄へと導いてきた組織です。
 財務省の省名変更が、当時、大蔵省の省名存続に向けて様々な動きがあったと承知しています。財務省にいる現役官僚の方々のみならずOBの方々も、愛着を持った名前の復活、望んでおられる方が多いのではないかと推察します。数か月前のこの財政金融委員会では、財務省は万死に値するとの表現をされた委員の先生もおられますので、立法府の方でも御賛同される方いるのではないかと思います。
 大蔵省への省名変更、少し乱暴だとは思いますが、低迷する日本経済を復活させる一つのアイデアとして共有させていただきたいと思い、今回取り上げさせていただきました。
 幾つかあと質問を残していたんですが、ちょっと時間がありませんので、ここで終わらせていただきたいと思います。御清聴ありがとうございました。

第204回国会 参議院 財政金融委員会 第8号 令和3年3月30日
052 浜田聡
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○浜田聡君 浜田聡です。所属政党はNHK党、参議院での所属会派はみんなの党です。最後の質問、よろしくお願いいたします。
 今回、関税定率法改正案に関する審議ということで、まずは輸入品に係る税に関して質問させていただきます。その中で、今回、関税と消費税について取り上げてみたいと思います。
 前々回の委員会におきまして、私、ガソリンに係る消費税と軽油に係る消費税の違いについて質問させていただきました。そのときのことを少し振り返ってみます。
 ガソリンについては、ガソリンの原価に対してガソリン税と石油税が掛かります。その総額に対して消費税が加算されるということなんですね。一方、軽油については、軽油引取税が賦課されるんですけれど、軽油に対する消費税としては軽油本体価格のみを対象として賦課されて、引取税に消費税が掛かるということはありませんということです。つまり、軽油には税に税が課されるということはないということです。ガソリンの場合を振り返りますと、ガソリンの場合は税に税が課されて二重課税の指摘があるというのは、多くの方御承知のことと思います。
 ここで輸入品について目を向けますと、輸入品に係る関税と消費税については、ガソリンのような消費税の掛かり方となります。つまり、輸入品にはまず関税が賦課される、その総額に対して消費税が掛かるということですね。輸入品に係る税については、ガソリンと同様に税に税が掛かるということで二重課税との指摘があって、重税感がのしかかってくるわけです。
 一方で、輸入品に係る税については、国内産業保護の観点考慮しますと、重税感が必ずしも悪というわけではないという考え方がありまして、その考え方には一理あるとは思います。また、輸入については他国とのやり取りですので、世界各国で輸入品に係る関税と消費税がどのようになっているのかについても目を向ける必要はあろうかと思います。
 そこで、まず財務省の事務方にお聞きします。輸入品に係る関税と消費税なんですけど、二重課税の是非はここではひとまずさておいて、国際標準としてはどうなっているのか教えてもらえますでしょうか。
053 住澤整
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○政府参考人(住澤整君) お答え申し上げます。
 御指摘の消費税の課税標準における関税の取扱いでございますけれども、例えばEU諸国につきましては、EUにおける付加価値税の共通システムに関するEU理事会指令におきまして、付加価値税の課税標準には関税が含まれるというふうな規定がございます。これを踏まえまして、EU諸国の付加価値税においては我が国と同様の取扱いをしているということでございます。
 また、カナダや韓国など付加価値税を導入している諸外国におきましても同様の取扱いとなっておりまして、こうした取扱いは、付加価値税を導入している国々における国際的に確立した標準的な取扱いということでございます。
054 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 このように、輸入品に関税とその総額に対して消費税が掛かるということに関しては、必ずしも国際標準を考えると望ましくないというわけではないのかなと思います。
 引き続き、輸入品に係る税について、その利害調整について、その方針について麻生大臣にお聞きしたいと思います。
 この関税と消費税のように輸入品に税を課すということは、国内産業の観点から、事業者にとっては喜ばしいことであると思います。一方で、購入する消費者にとっては輸入品に税が課されることでその価格が上がってしまうことになってしまって、消費者にとっては喜ばしいことではないと思います。つまり、関税や消費税といった輸入品への課税というのは、国内事業者にとってはうれしい一方で、消費者にとってはうれしくない点があると思います。
 いろいろと調整が必要だとは思うんですけど、このように輸入品への課税について利害調整していく上で財務大臣として心掛けているようなことがあれば教えてもらえますでしょうか。
055 麻生太郎
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○国務大臣(麻生太郎君) これはもう誠に浜田先生いい御指摘なので。
 基本的に、日本に同じような産業があると、例えばお米というのを例に引きますと、お米というのは多く作られておりますので、そういったお米に対して、我々としては耕地面積、一人当たりの、耕地面積当たりが格段に違いますので、これは競争条件の絶対条件の前提が違っておりますから、というのを名目にして、国内の米を生産している業者保護のために関税を掛けております。極めて高い関税を掛けておるのです。
 傍ら、それは日本のお米の値段が非常に高いものにしているというのも事実でありますが、傍ら、入ってくる方は関税をゼロにしたら一挙にどおんとなりますので、まず米はかなり業者としては倒れることになると思いますが、入ってくる米はうまいかという話は別の話です。長粒種やら短粒種やらいろんな話がありまして、したがって、その分に関してはまずいから食わないということになったので、やっぱり日本の米は高くても売れる。だったら、それでちゃんと採算が合うじゃないかというバランスの取り方等々は、これはなかなか難しいところでありまして、私どもはその対外的影響というのを常に考え、そのバランスをどうやって取っていくか、難しいところですけれども。
 もう一点、最近難しくなりましたのは、国際性、国際的な関税によります差別、障壁。関税に関しましては、これは極めて、国際ルールとしてはなるべくなしにしろという方向になっておりますのと、その三つ考えないといかぬところが難しいところなんだと思っておりますので、私どもはいろいろ、外国為替等審議会関税分科会というのがあるんですけれども、そこにおいて幅広い点で御議論をいただいて、与党税制調査会等々においても議論をいただいて、改正案というものを最終的に実施するんですけれども、これは日々変わっておりますので、状況が。
 したがいまして、確実に毎年変わっておるという状況を踏まえまして、私どもとしては、様々な観点から法案改正とか法令改正というようなものを毎国会提出させていただくということになる。そういった、商品によっては物が違ったり、時の情勢でごろっと変わったりしますので、そういったことを考えて提出させて、極めて悩ましい点であります。
056 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 状況が変化していくので、それに対応して日々考えていかなければいけないなと思いました。今後の参考にさせていただこうと思います。
 次に、話題を変わります。
 前回の委員会では立て続けに組織の名前変更についてお話しさせていただきました。例えば、国立感染症研究所を日本版CDCに改名してはどうかであったり、また財務省という省名、三十年間経済不調だったのだから、呪われた省名として継続していくよりも伝統のある省名、高度経済成長、所得倍増計画を実現した大蔵省へと改名してはどうかといった提案をさせていただきました。組織の名前を変更するというのは、もちろんその決定には慎重であるべきですが、そのインパクトの大きさを考えると選択肢として持っておいても悪くはないと思い、提案させていただきました。
 今回は、我が党の党名変更に関する話題をさせていただこうと思います。
 我が党の目標は、NHKに関する問題を解消すること、特に最優先の課題は集金人の問題です。まるで暴力団のような悪質な集金人が各世帯を回って法律違反の可能性がある行為をしていることを我々としては見過ごすわけにはいかないということで、国会でも何度も指摘させていただいております。狙いとする政策は他の政党に比べて非常に狭い、また将来的な目標として政権を取ることを掲げておりません。
 各政党におかれましては、有権者の皆様からその政策への支持を得ることはもちろんですが、その政党名を定着させることも重要であるため、党名変更というのはなかなかないとは思います。
 一方、我々、政権取ることを目的でありませんので、我が党は違って、我が党の存在そのものを有権者に知ってもらうために、そして我が党の狙いを知ってもらうためにも、頻回の党名変更をさせていただくつもりです。現に、ここ数か月で何度か党名変更させていただいておりまして、現在の政党名は、NHK受信料を支払わない方法を教える党にしておりまして、略称はNHK党でございます。正式名称を頻回に変更させてもらう代わりに、略称のNHK党については固定の方針です。そういうわけで、場合によっては皆様にお手数をお掛けするとは思いますが、御了承いただきたく思います。
 さて、党名変更、あと略称の変更手続の際に、中央選挙管理委員会の方とやり取りさせてもらうことがありました。その際にあったもろもろの問題について総務省にお聞きしたいと思います。経緯としてはそこそこ長くて、過去にもいろいろあったわけなんですけど、ここでは対象を絞ってお話しさせていただきます。
 昨年十二月二十二日、我が党の党首立花孝志が政党略称変更の届出をしに中央選挙管理委員会に行った際にトラブルがありました。受付の方が届出の書類を受け取ってくれないという対応があったんですね。その際に立花孝志が激しく抗議をして、その過程を録画し出してからようやく受け取っていただくということになりました。このやり取り、ユーチューブ上にアップされておりまして、今でも見ることができます。
 そこで、中央選挙管理委員会を管理する総務省にお聞きします。
 この際、受付の者が届出の書類をすぐに受け取らず、立花孝志が厳しく抗議して、録画開始してからようやく受け取った理由について教えてもらえますでしょうか。
057 森源二
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○政府参考人(森源二君) お答えを申し上げます。
 通常、公職選挙法に基づきます名称及び略称の届出に当たりましては、書類の不備などをできる限り減らすとともに、届出が受理され得るかなどの法的な見解について政党等とやり取りをさせていただくことで手続を円滑に進めるために、あらかじめ事前審査への御協力をお願いをしているところでございます。
 お尋ねの昨年、令和二年十二月二十二日付けの公職選挙法に基づく略称をNHKとする届出書につきましては、事前審査を経ずに十二月二十二日に直接お持ちいただいたところでございますので、担当者から、まずは事前審査をお願いしたい旨お伝えをしたものでございます。しかしながら、当該届出につきまして、事前審査を経ずに届出書を提出したいという意向が引き続き示されましたので、同日、届出書をお受けしたものと承知をしております。
058 浜田聡
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○浜田聡君 その件に関しては私の方からも説明させてもらいますと、略称のNHKについては、二〇一三年、我が党の設立当時から中央選挙管理委員会には要望していたと承知しております。ただ、その返事がずっといただけなかったということもあって、今回そのような立花孝志の対応になったことは付け加えさせていただきます。
 以前の委員会で、私、総務省の官僚の方が握っている電波利権の裁量の大きさ、問題視させていただきました。今回の件でも、官僚の方が過度の裁量を行使することを問題視しています。
 我々の用意した書類には不備はなかったと思います。受け取っていただいた後に理由を付けて党名変更や略称変更を認めないというのであれば、その後の裁判などで抗議することができるんですけど、受付対応をする者が書類受け取らないということをされると、その後の抗議ができなくて、大きな問題ではないかと思います。窓口で受付の者が受け取らないという判断はやはり、まあ総務省の言い分は分かりますけど、過度な裁量権の行使であるということをこの場を借りて抗議させていただきます。
 現在、我々おかげさまで公党になっているからか、このように抗議によってある程度受け入れていただいておりますが、もしそうでない弱い立場の者が選挙に関して抗議した場合に、泣き寝入りする羽目になりません。民主主義の根幹である選挙において、官僚の方の過度の裁量権行使によって少数意見が抑え付けられる可能性があることは不適切と考えます。
 総務省においては、以前、ふるさと納税に関して恣意的に判断をして裁判に負けた例がありますように、法律を逸脱して過度の裁量権行使しようとする風土が定着しているようであれば改めた方がいいことを僣越ながら忠告させていただきます。
 次に、ちょっと時間の関係で一つ質問を飛ばさせていただきます。
 今国会でも既に何度も取り上げられているLINEに関して質問の方をさせていただこうと思います。通信アプリのLINEが利用者の個人情報などを中国からアクセスできる状態にしていたり、韓国で管理していたりとしたことが判明した問題です。
 まず、LINEに関して、ここ数年の経緯を簡単に振り返ってみようと思います。
 LINEというのは元々韓国の情報機関の関係者が重要部分を開発したと承知しております。その後、二〇一四年、韓国政府がLINEに対して情報収集を指示したということがありまして、LINEというのは韓国政府との密着な関係があるように思います。
 その同じく二〇一四年なんですけれど、中国がLINEに対して遮断をしたという対応されました。中国がこれ、LINEに対して警戒感を示したものであると思います。この後、さすが中国だなと思った対応がありまして、それは、この後、中国はLINEを自らのために利用し出したということです。つまり、中国がLINEを使って他国の情報を引き抜こうとしている動きをしたと思います。二〇一四年に、LINEの情報が中国側に漏れているという報道が日韓においてあったと思います。
 このように、LINEというのは以前からセキュリティーに不安がありますので、国内でも幾つかの企業では以前から業務の使用を禁止していたようであります。そういうわけで、LINEの問題というのは今に始まったことではないと思うんですが、今回、これまで指摘されていた問題が一気に噴出したような感じかと思います。
 今回の問題、改めて整理します。
 日本人がLINEで利用した様々な情報が韓国のサーバーに収集されていたことが判明しました。そこで、LINE社の対応に大きな問題があるかと思います。このとき、LINEの説明としては、日本のあらゆる業界に対して説明していたことなんですけど、情報は日本で保存していて海外に出していないと言っておりましたが、これ、虚偽報告と言ってもいいのではないかと思います。更なる問題としては、LINEが収集した情報は全て中国でも抜けるようになっていたのではないかということです。
 この点について、LINE社が、違法に中国に漏れたということはないという否定をしているんですけど、私、この説明について大きな問題があると考えるんですね。それは、中国の法律、国家情報法からすれば、これ合法なんですね。だから、LINE社が言う違法に情報が漏れたということは認めていないというのは、中国に情報が漏れた可能性について否定していないわけであるので大きな問題であると考えます。
 このように、LINEについては日本人の情報を他の国に流している可能性があるという問題、その点に関してLINE社の報告において虚偽報告とおぼしき報告が相次いでいたのではないかという問題があろうかと思います。
 そこで、総務省にお聞きします。
 私は、LINE、国内での営業、このまま継続させることについては大きな問題があるんではないかと思います。LINEに対して営業停止処分をすることも選択肢ではないかと思うんですけど、総務省の見解をお聞きします。
059 今川拓郎
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○政府参考人(今川拓郎君) お答え申し上げます。
 御指摘の点につきまして、三月十六日火曜日に、LINEの親会社でございますZホールディングス株式会社から、今般の事案につきまして任意の報告を受けております。これを踏まえまして、総務省といたしましては、電気通信事業法に基づき、三月十九日の金曜日、LINE株式会社に対し報告徴収を行っております。
 この報告徴収におきましては、LINE株式会社は電気通信事業者でございまして、電気通信役務の円滑な提供の確保及び電気通信役務の利用者の利益を確保する観点から、今回事案の経緯及び詳細、個人情報及び通信の秘密の保護などに係る支障の発生の有無、個人情報及び通信の秘密の保護などのために必要な体制の確保状況などにつきまして報告を求めているところでございます。
 同社に対しましては四月十九日までに報告することを求めておりまして、総務省として、同社からの報告内容も踏まえ、関係行政機関とも連携しながら必要な対応を速やかに検討してまいりたいと考えております。
060 浜田聡
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○浜田聡君 時間が来たので終わりますが、次回以降、また残った質問させていただきます。
 ありがとうございました。

第204回国会 参議院 行政監視委員会 第1号 令和3年4月7日
159 浜田聡
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○浜田聡君 浜田聡です。所属政党はNHK党、参議院での所属会派はみんなの党です。最後の質問です。委員長、武田総務大臣、そして総務省の皆様、よろしくお願いいたします。
 この参議院の行政監視委員会ですが、審議内容の一つとして総務省の行政評価等プログラムがあると承知しております。この委員会の冒頭にも御説明いただきましたが、令和三年度行政評価等プログラムは現在既に公表されており、私も拝見させていただきました。その中に、令和三年度の行政評価局調査予定テーマとして、十三テーマというのがあります。
 ここで、その中のテーマのうち二つ取り上げたいと思います。それは、独り暮らしの高齢者に対する見守り活動、もう一つが外国人の日本語教育というものでございます。
 この二つ、私の所属政党であるNHK党にとって極めて重要だと考えます。それ、なぜかといいますと、NHK委託業者による訪問員、集金人が、独り暮らしの高齢者あるいは日本語の不自由な日本在住の外国人に問題ある行動をしているからでございます。要は、NHK委託業者による訪問員や集金人というのは、社会的弱者を狙う、つまり弱い者いじめをしているということでございます。
 二〇一九年に我々NHK党が参議院に議席をいただきまして、国会でさんざんNHK委託業者による訪問員、集金人の問題を訴えてきましたが、少しずつ前進はあるとは思いますが、なかなか解決する様子ありませんので、今後も粘り強く訴えさせていただき、委員の皆様にもその深刻さをお伝えしていきたいと思います。
 今回、配付資料として、二〇二〇年の朝日新聞の記事を用意させていただきました。NHK委託業者による訪問員、集金人が詐欺を行って、高齢女性数名から数百万円のお金をだまし取ったという愛知県の事件に関する記事でございます。また、NHK、失礼、外国人とNHKとのトラブルに関しましては、数年前に、外国人の方に訪問してきたNHK訪問員の方とトラブルとなって、その外国人の方がNHK訪問員に消火器を噴射したという事件があったと思います。こういうトラブルは氷山の一角だと私思います。
 このNHK委託業者による訪問員、集金人について、まず武田総務大臣にお聞きしたいと思います。
 NHK委託業者による訪問員、集金人が各世帯の訪問時に問題行動を度々起こしており、我が党として大きく問題視しております。非常に悪質で、暴力団と言っても過言ではないような取立てをする集金人もおります。最近、このような集金人の問題行為はユーチューブを始めとする動画サイトなどで見ることができますので、委員の皆様ももしよろしければ一度御確認いただければと思います。暴力団という表現が決して大げさな表現ではないことが分かるかと思います。
 さて、先ほど取り上げた二つのテーマ、老人、高齢者の方と外国人と関連することとして、認知症など判断能力の落ちた高齢者の独居世帯や日本語の理解が十分でない在住外国人の世帯に訪問して、不必要な契約を結ばせたり住民とトラブルになったりなどしており、我が党NHK党としてはNHK委託業者の訪問員の問題を放置しておくわけにはいきません。
 武田総務大臣にお聞きします。
 NHKを管理する総務省としまして、NHK委託業者の訪問員による問題に対処していく心構えをお聞きしたいと思います。
160 武田良太
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○国務大臣(武田良太君) NHKは、国民・視聴者からの受信料によって支えられておりまして、その訪問営業活動についても国民・視聴者の理解を十分得ていくことが求められてまいります。
 こうした観点から、令和三年度NHK予算に付した総務大臣意見において、国民生活センター等に寄せられた苦情を踏まえ、委託先の業務の実態を適切に把握し、受信契約の勧奨業務の適正性を確保すること等について指摘をしております。
 引き続き、NHKに関する苦情等の内容やそれに対するNHKの対応状況について注視してまいりたいと考えております。
161 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 数か月前に、武田良太総務大臣があるテレビ番組でお話しされている場面、私、インターネット上の動画サイトで拝見しました。恐らく、地元九州のテレビ局の番組ではないかと推測しております。その中で、武田大臣、NHK委託業者による訪問員、集金人が高利貸しのような問題ある取立てを行っていることを問題視していると発言されておりまして、私、それを見まして、我が党の訴える、NHK党、NHKに関する問題の本質、武田大臣分かっていらっしゃると理解しました。まあ国会の場ということで、先ほどの答弁はちょっと後ろ向きといいますか、積極的ではなかったですけど、その武田大臣の姿勢は高く評価しております。
 昨年十二月、NHKの前田会長が戸別訪問による営業を抜本的に見直すと表明しており、我が党としては応援したいと思っております。武田大臣も、NHK委託業者の訪問員に困っておられる方々の気持ちに寄り添って、NHKを管理する総務省の大臣として良い仕事をされることを期待しております。
 一年前のこの行政監視委員会におきまして、私、当時の高市早苗総務大臣に、NHK委託業者による訪問員、集金人による訪問時の問題点指摘したところ、訪問員や集金人がどのような文言で契約を要求しているかについては総務省としては承知していないなどと無責任な発言されておりましたのでちょっと失望したんですけど、武田大臣には大きく期待していることをお伝えして、次の質問に移ります。
 委託業者による悪質な訪問員、集金人の問題の解決につながるかもしれない政策を、武田大臣、昨年十二月に発表されております。NHKの受信料の徴収において郵便局の活用をする方針を出されたと承知しております。
 現状のNHK委託業者の訪問員の行動を問題視している我が党としては、理想としてはスクランブル化、NHKのスクランブル化をベストと思いますが、ただ、ベターな選択肢として郵便局利用の選択もあるかと思います。
 この武田大臣のアイデアに敬意を表しますとともに、ここでお聞きしたいのは、この件に関して方針変更の有無あるいは進捗状況などを教えてもらえればと思います。事務方の方で結構です。
162 吉田博史
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○政府参考人(吉田博史君) お答えをいたします。
 御指摘の郵便局の活用につきましては、NHKによる営業活動の一層の合理化、効率化に向けて郵便局のネットワークが活用できないかという点につきまして、昨年秋からNHKと日本郵便との間で研究を進めていただいているものでございます。日本郵便との連携により効率的な営業活動が実現すれば、NHKのコスト削減が見込まれるものと考えております。
 NHK及び日本郵便におきましては、引き続き検討を進めていただき、目に見える成果を上げていただくことを期待したいところと考えております。
163 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。私の方としても、今後の進捗状況を注視させていただきたいと思います。
 NHKの委託業者に関しましては、昨年の、先ほども申しましたが、前田会長が抜本的に見直すとおっしゃっておりましたので、その方向を私も支持したいと思いますし、郵便局の活用など積極的に行っていただいて、今ある現状の委託業者を、悪質な業者は特に一掃していただければと思います。
 菅総理、菅政権になりまして、国民のために働く内閣とおっしゃっております。この国民のために働く内閣の一員として、武田大臣の御活躍、期待をしております。あと、行政評価プログラムに取り組まれる皆様におかれましても、ここで取り上げましたNHK委託業者による、高齢者であったり在住外国人の方々がNHK委託業者の訪問員によって被害を受けておられることも御周知いただければと思います。
 次に、政治家と官僚の役割の違いについて、総務省にその姿勢をお聞きしたいと思って質問させていただきます。
 先月、東北新社の接待問題がありました。総務省としては国会でいろいろと追及されたことかと思います。私がここで取り上げさせていただくのは、これまでさんざん国会でなされたスキャンダル追及の類いの話ではありません。政治家の姿勢についての話になります。
 東北新社の接待問題で、週刊文春の記事について高市早苗前総務大臣がブログで記載している内容についてここで取り上げさせていただきます。今回、配付資料として高市早苗前総務大臣の当該記事を用意させていただきました。注目したいところを読み上げさせていただきます。このブログ記事の中央辺りから後半にかけての部分になります。
 大臣も副大臣も通信事業の許認可に直接関わることなどありません。そもそも、私たちは決裁をしていないのですから。NHK、あっ、失礼、NTT法や電気通信事業法に基づく認可の中で、事業に係るものの最終決裁をするのは大臣や副大臣ではなく局長です。上記の所管法令に基づく定常的な認可以外の個別案件に係る軽微な認可についても全て局長以下の職員が最終決裁者であり、大臣や副大臣は決裁者でなく、案件の説明すら受けていませんという記載でございます。
 私は、この内容を読んだときに、前総務大臣が書いていることについて大きな違和感があると思いました。通信事業の許認可というのは、国にとって非常に影響の、影響力の大きなものであると考えます。それをどのように調整していくか、利害調整していくか、誰がすべきかということについてはいろいろなやり方があるとは思います。現時点で、オークションなど、入札など、誰もが納得できる透明性のある制度になっていない現状では、国民から民主的手続で選ばれた政治家が行うべきではないかと思います。この高市早苗前総務大臣の記載内容だと、そういった重要な許認可の権限を大臣が放棄して、選挙で選ばれていない官僚の方が決めているというふうに思えてなりません。
 そこで、武田総務大臣に質問したいと思います。
 総務省が通信事業の許認可を行うと承知しておりますが、その最終決定者は誰なのかということです。私は、大臣を始めとする政治家が責任を持って決裁すべきと考えますが、武田大臣の見解をお聞きしたいと思います。
164 武田良太
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○国務大臣(武田良太君) 総務省では、総務省行政文書取扱規則において、決裁を要する文書に応じて最終決裁権者等を定めております。
 通信事業の許認可については、例えば、NTTの取締役及び監査役の選任及び解任の決議の認可など特に重要なものは大臣を最終決裁権者とし、NTTの事業計画の認可や電気通信事業の登録などの定常的なものは局長や地方支分部局の長に決裁を委ねるなど、許認可の性質等に応じて最終決裁権者を定め、事務の適正かつ効率的な運営を図っております。
 総務省としては、引き続き、決裁に関するルールに従って適切に対応してまいりたいと考えております。
165 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 事実関係はどうであれ、前総務大臣がこのように考えていたということは重く受け止めるべきではないかと思い、質問させていただきました。
 大臣、武田大臣はそうではないと思うんですけれど、大臣が重要な決定は官僚に丸投げという考え方をしているように思われましたので、総務省の官僚の皆様もそのような高市早苗前総務大臣の意図を知った上で悪用するような雰囲気があるとすれば問題だと思いましたので、私の質問の意図を理解いただけると幸いです。
 最後、残った時間を使わせていただきまして、恐縮ですが、接待問題のお話をさせていただきます。総務大臣に来ていただきますので、私なりの考え方を訴えさせていただきます。これ、別の委員会でも訴えさせてもらったんですけど、ちょっと時間の方を使わせていただこうと思います。
 令和二年の九月十六日に菅内閣が発足して半年以上経過しました。国民のために働く内閣として日夜御尽力されていると思います。
 政策の目玉として、規制改革があると思います。菅政権の前の政権である安倍政権になってから、電波行政について新規参入促進など自由化を進めようとしてきたと承知しております。菅総理になってからは、その方針がよりはっきりと打ち出された形だと思います。
 そんな中起こったこの接待問題については、接待されていた総務省の姿勢というのが政府が取ってきた新規参入や自由化の方針とは真逆で、電波利権維持目的と考えます。問題が起こったこと自体は極めて残念ですが、見方を変えると、今こそ多くの人が納得できる透明化された制度、例えば電波オークションなどを導入するチャンスとも言えるかと思います。
 この件に関する報道を見ていますと、根本的な解決となる放送制度改革、電波オークションなど、根本的な解決となるような重要な部分がなかなか伝えられないように思います。報道するマスコミ自身が国民の共有財産である電波の恩恵にあずかっているので仕方がないかと思います。マスコミ報道によって問題解決から目をそらされないように気を付ける必要があると思います。
 電波オークションにお話しさせてもらいますと、この電波オークションというのは世界の先進国では大体九〇年代に導入されたと承知しております。一方、日本でも同じ頃に議論スタートしたものの、いまだに検討中となっております。導入した各国においては紆余曲折があって必ずしも順調に導入されたわけではないとのことですが、一方で、電波オークションを導入した国の中で以前の割当て制度などに戻した国はないと承知しております。この電波オークション導入は先進諸国では前世紀に解決した言わば過去の課題でございます。現時点で国内でいまだに残っているこの時代遅れの電波の制度については、これをいい機会として改善推進していってほしいと思います。
 武田大臣には、このように多くの国民が待ち望んでいるにもかかわらず、なかなか実現してこなかった新たな制度を確立していただくことを期待しておりまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。

第204回国会 参議院 行政監視委員会国と地方の行政の役割分担に関する小委員会 第1号 令和3年4月12日
117 浜田聡
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○浜田聡君 浜田聡です。所属政党NHK党、参議院での所属会派はみんなの党です。最後の質問、よろしくお願いいたします。
 まず、コンビニエンスストア等での証明書等の自動交付についての質問をさせていただきます。
 このコンビニエンスストア等での自動交付のサービスは、マイナンバーカードあるいは住民基本台帳カードを利用して、市区町村が発行する証明書、例えば住民票の写しであったり印鑑登録証明書などが全国のコンビニエンスストアのマルチコピー機から取得できるサービスです。
 このコンビニエンスストア等での交付サービスですが、二〇一〇年から始まったと承知しておりまして、今年で十一年目ということになります。このサービス、全国どこの市区町村が発行する証明書も取得できるわけではありません。というのは、このサービス、各自治体がそのシステム導入するなどしてサービスに対応している必要があるんですね。二〇一〇年から始まって、それなりの年月が経過しており、この対応可能な自治体、順調に増えていると思います。このサービスを利用可能な人々、増えていると思いますが、自治体の数からいうと、半分近くの自治体がまだ未導入ということでございます。
 今回、配付資料で、このサービスを既に導入されている市区町村一覧、用意させていただきました。御覧のとおり、既に多くの市区町村でこのサービス導入進んでいるわけですが、そうでないところも数多く残っているわけであります。
 そこで、まず総務省の事務方にお聞きします。
 この当該サービス実施の市区町村の数に関して、現状についての見解をお聞かせいただきたく思います。
118 高原剛
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○政府参考人(高原剛君) 御答弁申し上げます。
 マイナンバーカードを活用したコンビニ交付サービスについては、実施する市区町村の拡大に取り組んできたところであり、令和三年四月一日現在、都市部を中心に八百四十六の市区町村で実施され、実施市区町村の人口の合計は一億人を超えております。利用件数もマイナンバーカードの交付の増と相まって年々増加しており、令和二年度においては、住民票の写しが前年度比約七二%増の約四百十万通、印鑑登録証明書が前年度比約六〇%増の約二百九十八万通といずれも大きく増加しております。
 コンビニ交付サービスは、マイナンバーカードの利活用方法の一つとして住民にとって利便性の高いサービスでございますので、更にその普及を図ってまいります。
 以上でございます。
119 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。今後の、ますます進んでいきますよう、応援しております。
 ここにおられます小委員の皆様が必ず利用するであろう証明書を一つ例に挙げさせていただきます。それは戸籍に関する証明書です。選挙に挑戦する際に必要とされるからなんですね。選挙に出る際の手続においては、戸籍証明書、必要となります。このコンビニエンスストア等での証明書の発行サービス、戸籍証明書も発行可能であります。ただ、このサービス自体を導入している市区町村の中でも、市区町村によって取得できる証明書が異なるということは補足させていただきます。
 恐縮ながら私の事例を申し上げますと、私、住民票は岡山県倉敷市にあります。ただ、本籍地が京都府の宇治市にあります。倉敷市はこのサービス導入しておりますので、東京のコンビニで、例えば私、衆参の議員会館のコンビニでもマイナンバーカードを使って自分の倉敷市の住民票を取得することができます。一方、残念ながら京都府宇治市はこのサービス対応しておりません。ですので、私、選挙のときに戸籍証明書を宇治市に申請する際には、宇治市役所に行くか、あるいは郵便での手続が必要になります。
 このとき、申請書をまず書いて、返信用封筒を用意して、あと本人確認のための証明書のコピーを用意して、あと郵便局に行って定額小為替を購入してなど、郵送でも細々とした作業が多数必要になるわけです。コンビニ交付に対応していれば、これ、コンビニに行ってボタン押せば済むのに比べると、その作業量が大きく違いが出てくるわけです。
 私、京都府宇治市には高校のときに引っ越して、それ以来、本籍地あります。愛着のある宇治市には何とか頑張ってほしいと思って宇治市役所の方々にお願いを伝えてはおりますが、なかなか動かないようであります。
 このように、コンビニ交付のサービスは、まず各自治体が頑張って導入するということも一理あると思うんですが、実際にそういった自治体増えていると思いますが、一方で、国の方からも目標を立ててみて推進してみてはどうかと思うんですね。
 そこで、本日、総務省から宮路大臣政務官お越しいただいております。御意見をいただきたいと思うんですが、このサービス、実施の市区町村の数を増やしていくに当たって数値目標などありますでしょうか。あるいは、もしないなら設定してみてはいかがと思うんですが、御意見聞かせていただきたく思います。
120 宮路拓馬
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○大臣政務官(宮路拓馬君) まず、コンビニ交付サービスの普及拡大、応援していただけるということで、大変心強く感じております。感謝申し上げます。
 委員御指摘のように、まず、マイナンバーカードを活用したコンビニ交付サービスは、全国のコンビニにあるキオスク端末で住民票の写しなどの各種証明書を手軽に取得できるサービスであり、平日、休日を問わず早朝から深夜まで利用することができ、住民の利便性の向上や行政コストの削減にも資するものであると考えております。私もよく利用させていただいております。
 御指摘の数値目標等についてでございますが、まずもって、マイナンバーカードについて、令和四年度末にはほとんどの住民が保有することを目指して政府全体で現在取組を進めているところでございます。それを踏まえて、これと併せ、コンビニ交付サービスについてもほとんどの住民が利用できる環境を整備するということで、世界最先端デジタル国家創造宣言・官民データ活用推進基本計画、閣議決定物でございますが、この中でも言及させていただいているところでございます。
 総務省としましても、システム構築等に要する経費について特別交付税措置を講ずるなどして、確実にその環境が整備できるように取り組んでまいりたいと考えております。
121 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 このサービスなんですけど、対象人口が一億人を超えているわけなんですけど、ただ、導入自治体がまだ半分を見ていないということなので、どちらかというと人口過疎地域の導入が遅いのかなと思いますので、そういうところを推進していければと思います。
 ここにおられます委員の皆様、各市区町村の地方選挙の応援される機会、多々あろうかと思います。そのような各地方選挙に、首長選挙、議員選挙におかれまして、皆さんが応援する候補者の方々に、このような証明書のコンビニ交付サービス、導入していない自治体の市区町村であればそれを導入するような公約、進言していただけますと今後の導入スピードアップになると思いますので、御検討いただければと思います。
 あと、この件について質問するに先立ちまして、私、支援者の方々から御意見いただきました。その中で印象に残ったものを一つ紹介させていただきますと、それは、そもそも手続に紙が必要なのを何とかしてほしいということだったんですね。今回の件では戸籍謄本や住民票を手数料を払って購入するというものなんですけど、それをいかに便利にするかという話だったんですけど、情報化の進んだ現代社会においては、そもそも紙の書類を必要とすることに対して疑問に思っていないのかというお叱りのような御意見いただきました。まあもっともだと思いましたので、デジタル化を推進する菅政権にとりまして参考になるかもしれないと思って、この場で共有させていただきたく思います。
 次に、話変わりまして、四国は愛媛県松山空港の話題を取り上げさせていただきたく思います。
 ここで話題になりますのは、松山空港とアメリカ海兵隊岩国基地との関係による問題です。
 松山空港は、愛媛県松山市の瀬戸内海沿いに位置しております。この瀬戸内海を挟んで松山空港の北西の本州側に米軍の岩国基地があるわけです。自衛隊や米軍が利用している空港を除きますと、この松山空港というのは、国内の空港で唯一米軍が航空機の管制権を持っているところであると承知しております。
 航空機の管制権と、まあ口で話すだけですと誤解生じかねませんので、漢字を説明しますと、カンは管理の管、セイは制限の制、ケンは権利の権という漢字使います。
 この国内の空港での管制権ですが、過去には沖縄県の那覇空港においても同様に米軍が管制権を持っていたという状況でしたが、二〇一〇年には日本に返還されたと承知しております。
 愛媛県議会でこの問題に取り組んでおられる石井智恵さんという方が、愛媛県議会でこの件で討論されております。この討論が参考になると思いましたので、ここで一部紹介させていただきます。
 愛媛県でも約五十年前から、当時の白石知事、伊賀知事など国に対して働きかけを行い、現在も中村知事始め愛媛県の市長会長、町村会長の連名で毎年国交省に松山空港の管制権返還を強く求めておりますが、一向に進んでおりません。日本の中で松山空港だけが米軍の管制下にある状況が続いています。そして、愛媛県は更に深刻な状況です。松山空港の管制を行っている岩国基地は、在日米軍再編によって、今、沖縄を超えて東アジア最大級の米軍基地となりました。岩国基地には軍用機が百二十機以上と倍増し、そのため愛媛県内では米軍低空飛行が急増しており、今年度、過去最多である二百五十件以上の超低空飛行の目撃情報が愛媛県庁に寄せられています。
 オスプレイの軍事訓練、オレンジルートは今治、西条を含み、特に最近は南予地域の低空飛行が多く目撃され、かつて伊方原子力発電所から八百メートルの位置で墜落事故が起きたこともあり、万が一原発敷地内に墜落事故が起きれば大惨事になることが懸念されるため、今年二月に中村知事から防衛省、外務省に向けて要請書を提出したばかりでありますということですね。
 このように、愛媛県議会でも取り上げられて、愛媛県民の方々にとって懸念になっていることが分かります。基地問題というのは、日米地位協定の見直しなども関わってくる問題でありまして、地方自治体、地方議会だけで何とかできる問題ではありません。国会で責任を持って取り扱うべきと考えて、今回取り上げさせていただきました。
 そこで、国土交通省の方にお聞きします。
 この松山空港の進入管制空域の返還についての取組、教えてもらえますでしょうか。
122 柏木隆久
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○政府参考人(柏木隆久君) お答え申し上げます。
 委員御指摘の松山空港の進入管制業務は、日米地位協定第六条に基づく日米合同委員会における航空交通管制合意に基づきまして、米軍の岩国飛行場で実施しております。米軍の岩国飛行場が進入管制業務を行う岩国進入管制空域については、民間航空の効率的な飛行経路の設定などの観点から、これまで段階的に削減を実施してきております。
 相手国との関係もあり、日米間のやり取りの詳細についてお話しすることは差し控えさせていただきますが、現状においては、米軍の運用上の必要性に鑑み、岩国飛行場周辺空域の進入管制業務の全面的な返還は困難だというのが米軍の、米側のスタンスであると認識しております。
 そのような状況ではありますが、引き続き、関係省庁としっかり協力をしながら、米軍と調整をしてまいります。
123 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 この件について更に補足させていただきますと、管制権が返還されるだけでは問題は解決できないと思います。那覇空港では管制権返還されたものの、嘉手納基地、普天間飛行場と隣接しているため、今でも米軍が優先的に運航し、民間航空機がリスクを背負いながら狭い経路で運航している問題が続いているとのことです。
 これまで長い期間継続してきたことでもありますし、外交防衛上の重要な案件であることから、ここで訴えてもすぐに何とかなるものではないと重々承知はしておりますが、今回、国と地方の行政の役割分担に関する小委員会ということで、今回、愛媛県の皆様の声をお伝えさせていただきました。
 私、全国比例選出の参議院議員として、当然、選挙公約であったNHKの問題については取り組んでおりますが、このような地方から出てくる問題で困っておられる方々の声も可能な限り酌み取って、国会の場でお伝えさせていただくことを誓いまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。

第204回国会 参議院 国民生活・経済に関する調査会 第4号 令和3年4月14日
080 浜田聡
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○浜田聡君 浜田聡です。所属政党NHK党、参議院の所属会派はみんなの党です。
 三人の先生方、本日は貴重な御意見いただき、ありがとうございました。
 せっかくなので、三人の先生方にお聞きしたいと思います。
 まず、藤原先生にお聞きしたいんですね。
 今後の健康寿命延伸の可能性についてお聞きしたいと思います。
 今から六十年前、一九四七年には平均寿命が五十歳だったとどこかの発表でもあったと思います。現在では、日本では、男女差はあるものの、大体平均寿命が八十歳、健康寿命が七十歳ということで、大幅に進歩していると言えると思います。
 私、現在、医師としても活動しているんですけれど、十数年前に病院で臨床実習が始まりました。その頃に上の指導医の先生から聞いた言葉として七十歳はまだまだ若いというのがあって、その当時は大変新鮮味を感じたんですが、その後の医師としての研修であったり労働する中で、その言葉の意味は大いに実感するところでございます。
 健康寿命延伸には、先生、多大に貢献されていると思います。その貢献をされている先生にお聞きしたいのは、今後更に健康寿命どれぐらい延びていくのかという、その可能性について御見解をお聞きしたいと思います。
081 藤原佳典
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○参考人(藤原佳典君) 非常に難しい御質問なんですけれども、確かに最近の研究なんかでも、疫学研究なんかでも、この過去十年間、あるいはその前後と比較しまして高齢者の方の心身の機能が更に十歳若返っているというようなデータなんかもできておりまして、そういう意味では、今の高齢者の世代の方はまあまあ、でももう少し延びる可能性はあるんではないかと。
 ただ、何といいますか、やはりこれからの若い世代、あるいは今、中年に差しかかった世代の方なんかですと、ある栄養学の専門の先生なんかからいいますと、割とたんぱく質の摂取が案外この見かけよりも低くて、今の若い世代ですね、将来、今の高齢者が健康寿命が延びたほど今後ちょっと延びれるかどうかは分からないといった、栄養面からの心配を指摘されている声も聞こえております。
 ですので、やはり基本的に栄養と運動といったような現役世代の健康課題を、いかにこの生活習慣病のコントロールなんかをうまくしながら、その六十五歳以降は認知症、フレイル対策という具合にギアチェンジをしていけるかというところだと思うんですけれども。
 その入口のところの、まだ六十五歳以上になってからもずっと生活習慣病だけにシフトしていったりとか、あるいは健康の課題を整理せずにそのまま、若い世代の頃から栄養状態が余り良くないまま高齢に入っていくというようなことのアンバランスがあると、もう余り健康寿命の延長というのは期待できないんではないかなと思いますので、いずれにしても、その中年ぐらいでギアチェンジする、生活習慣病対策から介護予防、フレイル予防の対策にギアチェンジしていけるかどうかというのが大きな節目になるんじゃないかなと思います。
082 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。今後の可能性についてはいろいろあると思いますけど、健康寿命延伸という社会変化に合わせた政策考えていけるよう心掛けていきたいと思います。
 次に、池上先生にお聞きしたいと思います。
 いわゆる引きこもり状態にある方々の地域差についてお聞きできればと思います。
 先生のいただいた資料にありますとおり、引きこもり状態になる要因には各人様々であると記載がありまして、そのとおりだと思いました。その中で、住んでいる人の環境というのが大きな要因になるのではないかなと想像しているんですね。池上先生、千人超の引きこもり状態にある方々にインタビューされた、ことでして、現場をよく御存じだと思います。
 そこでお聞きしたいんですけど、肌感覚で結構ですので、引きこもり状態になりやすい地域差、例えば都市部であったり、あるいはいわゆる過疎が進みつつある地域、あるいは離島など、引きこもり状態へのなりやすさ、あるいはなった人々の特徴の違いなど、地域によって違いあるようでしたら、その見解をお聞きしたいと思います。
083 池上正樹
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○参考人(池上正樹君) ありがとうございます。
 基本的には地域差というのはなく、もう全国どこに行っても引きこもりの当事者の方っていらっしゃるというのがもう前提としてあるかなと思っています。
 その上でなんですけれども、これは本当に肌感覚の話ですけれども、やはり都会と違って、都会だとまだ、コンビニ行ったりとか、歩くこと、歩いても余り人目に知られないで済むんですけれども、過疎地なんか、過疎地とか離島とかは特にそうなんですけれども、やはり外に出ただけでもう周囲からそういう目で見られるというんですかね、あれ、今日はどうしたのみたいな感じで、そういう、責められてしまうという、あるいは行くところがない、特に離島なんかですとそういう居場所も支援の場もないみたいなことで、非常にもう、もう本当に家から一歩も出れないような状態に追い詰められているという、そういう相談というのは実際に来ていますので、そういうやっぱり受けられるサービスなり支援の差みたいなこともあるのかなと思います。
084 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 どの地域でも引きこもりになりやすい、なる可能性はあるということをお聞きしつつも、やはり地域ごとに違いがあるということを分かりました。地域ごとに合わせた政策など考えていけるよう心掛けていきたいと思います。
 最後に、澁谷先生にお聞きしたいと思います。
 日本においてのヤングケアラーという言葉についての是非をお聞きしたいんですね。
 つい先日、政府の実態調査の結果が出ました。中学生だと十七人に一人がヤングケアラーだということで、その重大性に驚いております。この重大性を私としてはできるだけ多くの人に共有していきたいなとは思っているんですけど、一方で、このヤングケアラーという言葉だと、その重大性がなかなか伝わりにくいんじゃないかなという感じもするんですね。別に横文字が駄目と言っているわけではなくて、世界に先駆けて英国が対策をしてきたと。その言葉をそのまま伝えても、国民への伝わりやすさというのが日本と英国では違いが出るんじゃないかなと思うんですね。例えば、このヤングケアラーという言葉をその実態を考慮して命名してみると、ちょっと極端なんですけど、若者介護奴隷などですね、表現する方が重大性としては伝わりやすいんじゃないかなと思うんですね。
 そこでお聞きしたいのは、このヤングケアラーが日本に定着した経緯であったり、その言葉の是非について御見解をお聞きしたいと思います。
085 澁谷智子
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○参考人(澁谷智子君) 澁谷です。
 まず、ヤングケアラーという横文字で日本に入ってきたのは二〇一〇年代になってからかなという気がしますけれども、二〇〇〇年代には在宅介護を担う児童という言葉で紹介されていたんですけれども、何かぴんとこなくて、何かそのままにスルーされてしまった。それが時代を経たときにヤングケアラーと横文字になって、割とメディアの方々がそれは何だろうと思ってくださったというところがあるかと思います。
 それから、若者介護奴隷でしたっけ、やはり私、ヤングケアラーという言葉を考えていくときには、当事者が自分を表す言葉としてちゅうちょするような言葉ってあってほしくないなと思うんですね。ヤングケアラーというイメージも、過酷とか、かわいそうとか、大変とか、苦労というだけですと、自分がヤングケアラーと言ったら家族に悪いなとかですね、そういうイメージになってしまう人も多いわけですね。自分がヤングケアラーと言ったら周りの大人が責められるんじゃないかとか、うちの家族が問題抱えているように見られるんではないかというふうになってしまうことは嫌だなと私自身思っています。
 そういう意味で、言葉は大事なんですけれども、やはり当事者にとって使いやすいものであること、あるいは当事者が使うか使わないかを選択できるものであることが大事だと思っていますし、やはりツールであるべきだなと思います。
086 浜田聡
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○浜田聡君 貴重な意見ありがとうございました。
 いろいろと私の提案の意見、いろんな意見があると思います。先生の書かれた「ヤングケアラー」という本ですね、私のアマゾン・キンドルの方にも入っておりまして、今読ませていただいております。今後、先生が出す書籍のタイトルに先ほどの言葉もひとつ検討していただければと思います。
 私の方からは以上でございます。ありがとうございました。

第204回国会 参議院 行政監視委員会 第2号 令和3年4月19日
102 浜田聡
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○浜田聡君 浜田聡です。所属政党はNHK党で、参議院の所属会派はみんなの党です。最後の質問、よろしくお願いいたします。
 参考人の先生方には、皆様大変お忙しい中お越しくださいまして、本当にありがとうございます。せっかくの機会ですので、私の方からは三人の先生方一人一人に質問させていただこうと思います。
 まず、金井参考人にお聞きしたいと思います。中央省庁を単位とした利益共同体、特に官報複合体についての御見解をお聞きしたいと思うんですね。
 先生が書かれた著書「行政学講義」を拝読させていただきました。この中で省庁共同体という言葉が出てきまして、大変興味深く思います。私なりに恐縮ながら紹介させていただきますと、これは政と官が中央省庁を単位として関係業界と利益共同体を形成するというものでございます。政官業、ここでは政は政治家で、官は行政で、業は各種団体の間に密接なネットワークが形成されて、政官業の鉄の三角形と呼ばれているものがあります。
 実際の政策過程ですと、この三つに加えて更に三つ加わる。報道言論界、あと学者、専門家などの学界、あと自治体などの関係者、地方界も加わって、政官業に加えて報学地も合わせた政官業報学地の六角形が形成されていて、この六角形が省庁共同体と命名されているということなんですね。その中で、更に踏み込んであったのが、マスコミと省庁がいわゆる記者クラブによって日常的に密接な関係構築して、官報複合体と呼ばれるものがあるということだったんですね。
 私は、やっぱりこの記者クラブによる官報複合体を問題視しております。マスコミの本来の役割としての重要なものとしてやっぱり行政監視というのがあるんですが、このように官報複合体となって、官と報がつながって、国民の利益を考えずにそれぞれ官と報のお互いの利益のみ追求するような行動をし出すと問題だと思うんですけれども、先生の官報複合体に関する是非など、御見解お聞かせいただければと思います。
103 金井利之
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○参考人(金井利之君) 私の拙い本を読んでいただき、ありがとうございます。
 官報複合体というのは私の言葉ではなくて、ほかの方からいただいた言葉ではあると思うんですけれども、マスコミないし報道というのはその六つのアクターのうちの一つであって、業界を更に監視する役割も持っていると。
 政治を監視し行政を監視し、そして各企業や業界もチェックしなければならないという言わば第四の権力と言われているわけですけれども、そういう意味で非常に重要な役割を持っているのですが、同時に、マスコミ自体も一つの業界であって、言わば中立的公器としての報道の側面と、所詮企業としての自らの利益を追求していくというその二面性をどうしても持っているというところが、その報道ないしテレビ局とか新聞社とかいろいろありますけれども、そういうところの更に非常に難しいところでありまして、実際、問題はその各業界、様々な産業分野と同じように、やっぱり経営体として成り立たなきゃいけないので、しかも許認可を受けたりするということがあります。
 まあ、ここから先はむしろ私が述べなくても皆さん御存じだと思いますが、様々な、報道界と行政、政治との関係というのは非常に難しい問題が含まれていると思いまして、そこはやっぱり政治家の自制というのは非常に今求められているというところだろうとは思っています。
 ただ一方で、マスコミが政治に対して勝手な批判をして非常に腹が立つということもあろうかと思います。間違っている報道をする場合には当然正していかなければならないということもあろうと思いますけれども、そこら辺の、その社会の公器としての六番目の、六つの役割とともに、同時に企業体でもあるというところも非常に問題点というのを持っている。
 じゃ、一方で、企業体でないNHKは大丈夫なのかというと、これはまた別の問題ですね。非常に難しい問題を抱えておりまして、経営体でなかったら、今度は一方で政治との関係というのは非常に難しい問題なので、この領域は、やっぱり内閣主導を構築する中でマスコミの独立性とチェックというものがどれだけ役に立つか。しかも、ネットの拡大の中で旧来型のメディアはだんだん影響力を落としているわけでありまして、その中でネットでトレンドになっているのを後追いするような報道機関では非常に困るんですけれども、そこら辺の在り方というのは非常に重要なんですね。ただ、政治や行政の方から働きかけるというのは、また非常に難しいという領域だと思います。
104 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 私自身は、やっぱり記者クラブについては、もう極端ですけど廃止すべきだとも思っているぐらいなんですけれども、まあいろんな御意見あると思いますので、金井参考人の御意見、参考にさせていただきたいと思います。
 次に、鈴木参考人にお聞きしたいと思います。
 ここでは、いわゆる社会的弱者の方々を緊急時、具体的には災害時に備えてどうすべきかということについてお聞きしたいと思います。
 先生最初の説明にもあったんですけど、要配慮者の方のための福祉避難所の設置ですね、レジュメにもあったんですけど、ここにおいて、先生の説明によると、大いに問題があるとのことだと承知しております。
 ここにおける問題をどのように解決していくべきかについて御意見をお聞きしたいと思います。最初の説明のときに時間の都合上ではしょった部分ももしかしたらあったかもしれないですので、その点も併せて御説明いただければと思います。
105 鈴木秀洋
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○参考人(鈴木秀洋君) 災害対応に関してですが、レジュメだと五ページのところに書かせていただきました。
 現在ですと、法律、政令は当然あるわけですけど、その中にも福祉避難所と明記されているわけではない形になっています。いわゆる福祉避難所というものに対してどのような法制度設計をするのか。今までの震災を含めて、ガイドラインというのはもう定まっていると。この定まっているガイドラインを見ますと、どうなっているかというと、五ページの五のイのところに、二次避難所的に扱いますよと、二次避難所ですよという取扱いをして、①、②、③というふうにあるんですが、一般避難所にまず行ってそこで申出をすると、二番目としては、そこの中で福祉、保健師のスクリーニングを掛けていく、三番目に移送を掛けていくというような形の制度設計になっているんですね。
 ここについて、ただ、十分議論がされていない。なぜかというと、そこのところの、それぞれがボトルネックになってしまって福祉避難所が機能をしていないということは現実に起きているからです。福祉避難所を知らなければ避難所に行っても申出ができないということになりますし、二番目のところでいうと、保健師とかも避難所に行けないということになればスクリーニングを掛けられないということになります。移送といっても、原則は本人ないし親族が連れていくというようなことになっているわけですね。
 だとすると、一般避難所に行って、それから福祉避難所に、例えば台風です、豪雨ですとかといったときに、そこで移動できるのかというと、ほとんどできない。そのときに、トラック協会とかいろんなところと協定を結んでいますよといっても、じゃ、実際そこに動くのかといった場合、動かないわけなんですよね。だから、これは厳しい言い方をすれば、ここ、形はつくられているけどそのとおり動きませんねというのが現実としてずっと重なっていると。
 だとしたら、やらなきゃいけないのは何かというと、自治体現場でそれに気付いて改善しているところは幾つかあるんですけど、基本的にはこのガイドラインが変わらなければ、いや、そのとおりにやっていますよということが繰り返されていますので、私としては、このガイドライン、二次避難所ではなくて最初から福祉、配慮が必要な方たちが行けるような避難所を制度設計をしていくということが必要なんではないのかという御提案をさせていただいております。
 以上になります。
106 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 日本は災害大国でございますので、災害が起こったときに多くの人がどこに避難すべきかということについては非常に重要だと思います。
 最近ですと、いわゆる体育館などの避難所に加えて、ホテルとか旅館などを避難所として使うという政策が実施されたりしております。コロナ禍でもありますので、感染対策も考えれば合理的かなと思います。
 ただ、このホテルとか旅館の避難所なんですけれど、これ健常者から見た視点だと思うので、先ほど言われました福祉避難所については、社会的弱者の方がしっかりと避難できるようにするのはもう政治の役割だと思いますので、先生からいただいたもの、指摘いただいた問題点はしっかりとかみしめていきたいと思います。
 ありがとうございました。
 最後に、田渕参考人にお聞きしたいと思います。
 先生には、政策評価の対象についてお聞きしたいと思うんですね。ここではその中で、規制を新設あるいは改廃する際の事前評価について、どれが対象になっているのかについてお聞きしたいと思います。
 行政機関が行う政策の評価に関する法律施行令の第三条というのがあるんですけれど、それを見ますと、事前評価の対象となる規制というのが法律と政令に限定していると承知しているんですね。つまり、省令とか告示あるいは議員立法というのはこの規制の対象外となっておりまして、ただ、規制を細目決定する際には、こういう省令とか告示というのが非常に重要になってくるんではないかと思います。
 そういうことで、私としては、規制新設、改廃する際の事前評価についてはこのような省令とか告示も加えていくべきではないかなと思うんですけれど、その辺りに関して先生の御見解いただければと思います。
107 田渕雪子
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○参考人(田渕雪子君) おっしゃるとおりの点、御指摘ごもっともというふうに私は思っております。ただ、それをどこまで深く見ていくかというところだろうというふうに思うんですね。
 非常に、規制に関するその事前評価に関しても、評価をしようとすると、非常に、何ですかね、多岐にわたった視点が必要になってくるわけで、そうしたときに、その同じやり方をするのではなくて、規制、法律、法律と制令に関しては今のやり方で、省令とか、もう少しレベルが下がったものに関してはまた違うやり方というものがあろうかと思いますので、そうした観点で、その設置されている法律、対象がどういう形なものなのかというものを整理した上でやはり実施の方法は検討していくべきものだろうというふうに思います。
 ただ、そういった視点というのはやはり必要だろうというふうには思います。
 以上です。
108 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。今後の参考にしていきたいと思います。
 もう一つ田渕参考人にお聞きしたいんですが、行政評価、政策評価を行うための専門人材について、国内における現状についてお聞きしたいと思います。
 行政評価、政策評価をしっかりして、それを国民にしっかりと提示して、選挙のときなどのように判断材料としていくことは極めて重要ではないかなと思います。そういうことを、行政評価、政策評価をしっかり行う人材の、そういうことをしっかり行える専門の人材が必要だと思うんですけれど、それを代表する一人が田渕参考人だと思います。
 そこでお聞きしたいのが、国内でそういう評価を行える専門人材というのは十分いるのかどうか、あるいは今後育てていくべきではないかということに関して、御見解をお聞きできればと思います。
109 田渕雪子
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○参考人(田渕雪子君) ありがとうございます。
 専門人材、政策評価なんですけれども、一九九〇年代の後半から動き始めたという話をさせていただきました。もうそのときには全く政策評価というものがなかったので、人材も何もないんですね。私も一九九〇年代後半、専門家ではなかったわけで、民間で研究をしていたというところですので、その中で、地方自治体の皆さんと一緒に議論しながら積み上げてきたものが今の私になっているんですね。
 ですので、専門人材に関しては元々あったわけではなくて、あと、大学で教えるに当たっても、政策評価論という形で講義の枠というのはあるんですけれども、専門学的な、何とか学ではなくて、論なんですね、政策評価に関しては。ですので、論なので、それぞれの専門といいますか政策評価を実施されている方々は、それぞれの思いの中で論じているわけです。
 ですので、専門人材に関して今後どう育てていくかといったところに関しては、私は、育てなければいけないものではなくて、やっていくうちに育っていくものだろうというふうに思います。その方が画一的な形にならなくていいのではないかというふうに私としては思っています。私、たたき上げですので、専門人材として育てられた者ではないという中で、皆さん民間の力ある方々が多いので、そうした中でその行政の方たちと問題意識を共有しながら一緒にやっていくうちに、専門人材ちゃんと多分育っていくというふうには私は思っています。
 以上です。
110 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 私も、やっぱり政策行うに当たって、いろんな評価あると思うんですけど、やっぱり重要なのは定量評価だと思うんですね。私自身はそういうことがもっとそういうのが主流になっていくといいなと思っております。今後の活動に生かしていきたいと思います。
 三人の先生方、ありがとうございました。私の質問、終わります。

第204回国会 参議院 国民生活・経済に関する調査会 第5号 令和3年4月21日
057 浜田聡
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○浜田聡君 浜田聡です。所属政党NHK党で、参議院の所属会派はみんなの党です。よろしくお願いいたします。
 三人の先生方、本日、ありがとうございました。私の方からは、時間も限られていますけど、せっかくの機会ですので三人ともに質問させていただきたいと思います。
 まず、大沢参考人にお聞きしたいんですね。男女の機会の不平等を解消することで、その波及効果として生じる社会の変化についてお聞きしたいと思います。
 あらかじめいただいた資料に、拝見したところ、少子化対策についての記載が目に留まりました。柔軟に働ける社会を実現するということが少子化対策にとって重要ということで、このように男女の機会の不平等を解消することが、不平等の解消そのもののみならずほかの好影響も生じ得るという観点というのは非常に重要だと思うんですね。
 そこで、お聞きしたいんですけれど、一つは、柔軟に働ける社会を推進することで少子化対策になるということについてその根拠と、もう一つは、ほかに波及効果が、少子化対策以外にも波及効果があるようでしたら、またお聞かせいただきたく思います。
058 大沢真知子
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○参考人(大沢真知子君) 分かりました。
 柔軟な働き方が少子化対策になるというのは、例えばオランダですとか、それからデンマークですとか、あるいはドイツですとか、海外の事例で、特にグローバル化が進展した中で経済が発展して、かつ出生率も回復している国というところの鍵を見たときに、一つは、所定内労働時間が短いと。ですので、正社員の労働時間、例えば週三十七時間で残業がないので、お父さん、お母さんも帰ってきて、時差通勤すれば非常に子育ての時間が確保できるという、そういうデンマークの例とか、それからオランダは、お父さんもお母さんもパートタイムで働くとか、これ正社員のパートタイムですけれど、そういったところ。それからドイツは、管理職の人たちの短時間勤務が進んだという、それによって介護とか育児とか、それも、育児をする人たちは、生きるというのは仕事をするということと、それからケアをするとか、そういうことがありますから、そういうケアをするということは私たちの権利で、例えばお父さんでも親タイムというのを持つことが重要だという、そういうような考え方で、パートタイム、なるべくその働き方を柔軟にして、かつ働く側がそれを選べるような法律を作るというのが二〇〇一年ぐらいにドイツで起きましたが。
 そういった効果が少子化にプラスに働いているというエビデンスを見まして、実際にその国を訪ねて、ああ、何かそういう、やっぱり私たちは今何のために働くのかということを考える転換点にあって、やっぱり幸せに生きるというか、ケアをしたり、子供を育てたり、やっぱりそういうそれぞれの人が幸せに生きるというために働いているので、そのためにいかに労働時間を短くして効果がある働き方をするのかという、そういうことを考える時期に来ている。そういうようなダイアログが、会話が社会の中でなされて、その結果、働き方を変えようというコンセンサスが社会でつくられて、結果的にみんなが働きやすくなったという、そういうことがありました。ですので、日本でも同じように、そういった何のために働くのかというところを問い直していき、その延長線上でやはり働き方を変えるということは重要な点ではないかというふうに思いました。ということです。
 で、それ、どういう効果があるかというと、何かそれがやっぱり経済に資するというか、雇用を、もっといい雇用を生み出すことで社会が発展するんですね。それがやっぱり国際会議でみんなで話し合ったときに出てきた結論なんですね。ですので、それが一番大きいと思います。何のために働くか。やっぱり、それぞれが自分なりの幸せを求めて生きる社会をつくる、そのときに、労働時間というのがやっぱり短い、短い中で効果を上げることがいい、それが生産性を上げていく、イノベーションをつくっていくという、そういう面で、少子化対策として考えるよりは、やはり今の日本の機能不全で生産性が低い社会から、もうちょっと私たちが生きやすい社会をつくるときに働き方改革は非常に有効なのではないかというふうに考えております。
 以上です。
059 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。今後の日本社会の目指すところを示唆いただきましたようで、大変ありがとうございます。
 次に、清水参考人にお聞きしたいと思います。
 自殺リスクのある人が他人に相談するという行為について、その男女差についてお聞きしたいんですね。
 自殺対策として今後取るべきことを本日大変詳しく御説明いただきまして、ありがとうございました。自殺者数を減らす対策として、自殺リスクのある人が相談できる体制を整備するというのが重要であるというのは疑いのないところだと思います。自殺した人の、もう調べてみると、その三分の二が相談をしていなかったというデータを聞いたことがあります。そういった方々があらかじめ相談するという行動を取れていれば救えた命はあるんじゃないかなと思います。
 で、自殺者数の男女の違いに目を向けますと、最近、コロナの関係もありまして女性の数が増えているものの、ただ、やっぱり男性の方が女性より二倍ほど多いという傾向があると承知しております。先生の方から今回提示された資料を見ますと、SNS相談に関するものがあって、それ見てみますと、男性の相談件数が女性に比べて少ないということがありまして、こういったことから、男性の自殺者数の方が多いということもつじつまが合うかなと思います。
 そこでお聞きしたいのが、このように男性の相談が女性より少ないことの背景であったり、あるいは男性をより相談に向かわせる方策などありましたら、その御見解をお聞きしたいと思います。
060 清水康之
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○参考人(清水康之君) 御質問ありがとうございます。
 まさに御指摘のとおり、自殺で亡くなる人の男女比は七対三の比率で男性が多い。コロナ禍において女性の自殺が増えたといっても、依然として男性が二倍を超える自殺で亡くなっている方が多いという状況です。
 それで、男性がなぜ相談少ないのかということですけど、これ幾つかあると思いますが、やはり一つは、先ほど来の話とも通底する部分かなと思うんですけど、やはり男は強くなければならないとか弱音を吐いてはいけないというような中で、とりわけ中高年の男性がなかなか相談に来られないという現状があります。まさにこれも、中高年の男性が日本では自殺が最も多い属性の人たち、先ほどもお話ししましたけれども、三分の一が中高年の男性ということですので、そういう、相談する人間は弱い人間だ、で、弱い人間は駄目な人間だといったような価値観が根っこにあることが、なかなか相談の機会を奪っているというか相談しづらい状況にしてしまっているんだろうというふうに思います。
 ですので、そうした状況に対して、短期的なことでいうと、窓口で、男性外来で男性向けにターゲットを絞ってやっているよということであれば男性が来やすいというようなこともありますので、これを相談窓口として掲げているところもあって、そこはやはり男性が比較的来るような状況になっているということなので、できるだけそういうふうに、短期的なことでいうと、あなたが来ていいんですよという、男性が相談に行くことに対して心理的なハードルを下げるような、そういう看板あるいはそういう啓発を通じて相談に誘導するということが短期的には考えられるんだと思います。
 あと、長期的にいうと、これも先ほど触れさせていただいたんですが、相談していいんだよということを、もう小さい頃からそれは、具体的にこういうところに、ああいうところに相談窓口もあるし、こういうふうに相談していいんだよというようなことをもう本当に子供たちに教えてあげないといけないような、そういう状況になっているんだろうと思います。
 これはすぐに効果が出るものではないかもしれませんが、ただ、今後、この社会の中でできるだけ相談してもらえるような、そういう状況をつくっていくためには、やはり教育の段階から、命、暮らしの危機に直面したら相談していいんだよと、これだけいろんな相談窓口があって、こういうふうに相談対応してくれて問題が解決に至る場合もあるんだよということをしっかりと小さい頃から伝えていくことも大事かなと思います。
061 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございました。大きなヒントをいただいたように思いますので、今後に生かしていきたいと思います。
 最後に、棚村参考人にお聞きしたいと思います。
 つい先日なんですけど、上川法務大臣が今後離婚届をちょっと変更するということについてお聞きしたいと思います。
 先生からあらかじめいただいた資料見ますと、やっぱり養育費の問題というのは、子供の育成支援になる、未来の主権者の保護育成ということで、国として最優先、重要な政策課題と書いてありまして、私も大いに賛同するところでございます。
 この問題に頭を悩ませているというのは、もちろん日本のみではありません。世界各国で様々な施策が講じられておりますが、どの国も完全に成功しているわけではないということでした。日本としては、各国の制度を参考にしつつ、着実に対策進めていくべきなのかなと思います。
 冒頭の話に戻りますが、先日、上川法務大臣が、離婚届に子供の養育費の取決めで公正証書を使っているか尋ねるチェック欄を設けること、そういう方針を表明されました。この問題については、養育費の問題というのは容易に解決できるものではないですが、ただ私としては、離婚の手続時に一つ対策を追加するというのは大きな意義があるんじゃないかと思います。
 そこでお聞きしたいのは、この施策に対する先生の見解、また次に取るべき対策などあればお聞かせいただきたく思います。
062 棚村政行
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○参考人(棚村政行君) どうもありがとうございました。
 養育費の問題についてはやはりいろんな段階で支援とか手当てが必要だということで、先ほども言いましたけれども、取決めが率がやっぱり少ないものですから、どうやって話合いや取決めを促進するかというのと、取り決めたり決まったことを守らない人がいるので、どうやって確実にそれを取り立てるかと、大きく分けるとその二つに分かれてきます。
 民法が改正されたのが二〇一二年の四月で、面会交流と養育費が初めて明文で入りました。子供の最善の利益を最優先にするという規定も入って、その考え方はいいんですけれども、そこでやっぱり協議離婚のときに合意をきちっとさせてはどうかという提案はちょっと見送りになって、その代わり、離婚届の用紙の右の下の方に、養育費、面会交流はお子さんのために大事ですと。で、取決めをしましたかというので、面会交流、取決めした、しない、欄を作ったのが二〇一二年の四月で、六割、七割弱ぐらいは取決めをしたにしているんですけれども、どんな取決めをして、その後どうなったかというのは全く把握できない状態になっていました。
 今回、上川大臣は、公正証書で決めたか決めないかということをチェックさせることで、強制執行、ハードルがあるんですけれども、それにつなげたいという御意向が多分あったと思います。僕、それ自体は否定しません。離婚届でも何でもやっぱり子供にとってちゃんと責任のある話合いをして、それなりのものがあるかどうか。あった場合には、そこで例えばQRコードを付けて、強制執行はどんなふうにできるというユーチューブとかDVDとか見れるという発想なんですけど、それもいいとは思うんですけれども、やはり今私が一番懸念しているのは、日本はそういう細かいいろんなことでの、何というんですか、支援とか手だてはいいんですけれども、本当に、何というか、払おうと思って払えない人たちが二割ぐらいいるんですね。そういう人にどういう基準や方法で子供にお金を届けるかということと、それからもう一つの問題は、やっぱり取決めをしても、やっぱりしたくないと、DVとかストーカー対策もこれ本当にやらないと、ほかの国は家庭裁判所がまさに養育費とか離婚の問題もやれるんですけど、DV、ストーカー、ハラスメントの手だてをやる場所でもあるんですね。そうすると、そういう主張が出ると必ず、何というか、対応できると。
 だから、やっぱり取決め促進、お金を確実に回収するという、そのことのほかに、安全、安心、しかも手間が余り掛からないように応援するという総合的な支援が必要だと私は考えております。
063 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございました。質問を終わります。

第204回国会 参議院 行政監視委員会国と地方の行政の役割分担に関する小委員会 第2号 令和3年4月26日
080 浜田聡
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○浜田聡君 浜田聡です。所属政党はNHK党、参議院での所属会派はみんなの党です。質問の機会いただきまして、ありがとうございます。
 昨日、二十五日より、新型コロナウイルス感染症対策として四都府県で三度目の緊急事態宣言発出となりました。今回、新型コロナウイルス感染症対策に関する質問させていただきます。内閣官房、厚労省の皆様、副大臣、よろしくお願いいたします。
 緊急事態宣言が出ている中で、もうすぐ連休が始まります。この連休を迎えるに当たって、多くの方が楽しみにされていると思うとともに、行政府の立場としては感染拡大いかに抑えるかということについて頭を悩ませていると思います。多くの意見がある中で、それら吟味して調整しながら日夜御尽力されていることと思います。長時間の残業を強いられている官僚の方々も多数いると思います。日夜懸命に取り組んでおられる皆様に敬意を表します。
 今回、新型コロナウイルス感染症対策についてお話しさせていただきたいんですが、私は、目先の対策というよりは長期的な視点に立った上でお話しさせていただきたいと思います。目の前の感染について必死になって対策されている立場の皆様にとってはもしかすると違和感あるかもしれませんが、その辺りは立場の違いとして御考慮いただければと思います。
 まず、ワクチン接種について質問、提案させていただきます。
 ようやく国内でも新型コロナのワクチン接種が始まっており、医療従事者を始め接種完了者が少しずつ増えていると承知しております。早くワクチン接種したくて心待ちにしておられる方も多いのではないかと思います。
 日経新聞のウエブサイトに、世界各国で百人当たりの接種回数の一覧表というのがありました。それ見てみますと、イスラエルやUAEといった国は百回を超えておりまして、一人当たり一回以上接種が進んでいる計算になります。また、イギリスとかアメリカを見ますと六十五回という数字がありました。一方で、日本に目を向けますと、日本はまだ二回という結果が出ております。
 政府として懸命に取り組んでおられるとは思いますが、まだまだ時間が掛かるのではないかと思います。多くの人が待ち望んでいるワクチン接種、少しでも早く進めていただきたい、そう思っております。
 今回ワクチン接種をする際に、その通知、案内について取り上げたいと思います。
 イギリスにおいては、このワクチン接種の案内がスマートフォンに来ると、届くというFNNの記事が先日ありました。この記事によりますと、イギリスでは全ての市民に原則無料で医療サービスを提供する国民保険サービスという制度が取られておりまして、このサービスによって、全国での新型コロナウイルスの検査や治療、そしてワクチン接種まで一元管理しているとのことでした。イギリスに在住資格のある外国人も加入可能でございまして、ロンドン市内に暮らす日本人の方によりますと、スマートフォンを通じてワクチン接種にあなたは招待されましたというメッセージが届いて、指定のサイトにアクセスをしますと、必要事項を入力して二、三分程度で作業が完了して、四日後に接種の予約が取れて、場所と時間が指定されるとのことです。他国のことではございますが、イギリスの医療にまつわるオンライン化の状況については参考になるところが多いのではないかと思って紹介させてもらいました。
 翻って日本の状況を見てみます。このワクチン接種の案内なんですが、調べたところ、国内でも地域によってはオンラインでの案内がなされているところもあるようです。例えば、東京都の羽村市が挙げられます。羽村市といいますと、東京で、東京都で最も人口の少ない市でございます。人口が少ないからこそできる施策なのかもしれませんが、それでも、こういう自治体の姿勢というものは見習うべきではないかと思いました。
 このように、羽村市のような取組もありながらも、ただ、多くの場合はこの接種の案内というのが紙でなされているのではないかと思います。
 今回、副大臣に御提案させていただこうと思うんですけど、ワクチン接種に限らないことではあるんですが、各種の案内を国民の皆様にする際に、紙で案内となりますと、案内用紙であったり記入用紙、封筒など、紙を使います。また、それらを封筒に詰める作業など手作業も多く必要となります。これをオンライン化してしまえば業務効率大幅にアップしますし、また、最近、環境問題でも問題となっておりますように、紙の消費量も大幅に減らすことができます。イギリスや羽村市の事例のように、デジタル化すれば省略できる作業については省略、将来的になくしていくべきと考えます。
 そこで、副大臣に提案です。例えば、英国のようにスマートフォンでワクチン接種の案内をするサービスの導入も検討してみてはいかがでしょうか。ワクチン接種、各地方で頑張っておりまして、オンラインでの案内も進めている自治体もありますが、政府としてDX化を進めていくんだと、国が方針を打ち出していくことも重要と思いますので、提案させていただきます。御見解をお願いします。
081 三原じゅん子
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○副大臣(三原じゅん子君) 政府全体でデジタル化改革を推進する中、行政分野におきましても、予防接種に限らず、行政手続のオンライン化というのは、委員と同じようにとても重要な課題だと認識しているところでございます。
 今回の新型コロナワクチンの接種におきましては、高齢者を含む全ての接種対象者に迅速に接種を実施するために、予防接種法に基づく実施主体である自治体が、これ既に保有する住民基本台帳の情報を利用し、住民に対して接種券を送付することとしたところでございます。
 今委員御指摘のイギリスにおきましては、NHSに個人のメールアドレスを登録しておりまして、これは新型コロナワクチン接種だけではなくて、通常の予防接種とか健診等、そういう案内もメールで送付されることになっております。また、イギリスではこのNHSを利用するための資格証というのも配付されておりまして、個人単位の番号が付与されております。日本でも接種券を送付せずに予防接種の管理を行うためには、これ国民共通の番号を付与した上でシステム構築するというような、そういう必要がございます。
 コロナワクチン接種を効率的に実施するためには、厚労省におきましては、新型コロナワクチン接種総合案内サイト、コロナワクチンナビを開設して、ワクチン接種を受けられる医療機関やその予約の受付状況等をオンラインで案内しているほか、一部の自治体におきましても、オンラインで接種の予約ができるシステムを導入しているというふうに承知しております。
 厚労省としても、引き続き、このワクチン接種の効率的な実施に向けて取り組んでまいりたいと思っております。
082 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。今後の進展に期待をしております。
 次に、緊急事態宣言やまん延防止重点措置などに伴い、各施設の営業制限、自粛などについてお話しさせていただきます。
 新型インフルエンザ特別措置法に伴う緊急事態宣言、まん延防止重点措置などで、各施設の営業時間短縮など、営業を制限するような施策がなされております。この営業制限なんですけれど、例えば飲食店を例に取りますと、以前から指摘のありますように、一律の営業制限がなされている点が問題として挙げられるのではないかと思います。
 飲食店の一律の営業制限と申しましても、飲食店といいましても、小さな店も大きな店も同様の制限されておりまして、自粛した店の補償も一律という状況ではないかと思います。この新型コロナウイルス感染症が問題となり出した当初は致し方ない面もあろうとは思いますが、現在、新型コロナについてたくさんのことが分かってきております。飲食店にも様々な営業形態、規模がございまして、それらに合わせて対策を取っていくことが大事ではないかと思います。
 先日、千葉県知事選挙があり、熊谷俊人さんが当選されました。早速仕事をされておりまして、その内容に感心したので紹介させてもらいますと、それは、各店舗一つ一つチェックして、感染対策がしっかりしている店については自粛しなくてもいいような許可を出すというものでございます。
 様々なアイデア挙げ出すと切りがありませんので、ここで一つだけ提案させていただきます。
 最近はやりの単身者用の飲食店です。一人焼き肉という言葉がありますけど、町を歩いていますと、その一人焼き肉ができる焼き肉チェーン店も増えているように感じます。また、多くのファミリーレストランなんですけど、まあファミリーという名前は付いておりながらも、単身用の席を充実しているところもあります。このような場合、お客さん、基本的に会話しませんし、他人との距離も十分取れているわけでございます。感染が広がるクラスターとなる可能性は、そういった店では低いのではないかと思います。
 そこで、政府参考人の方に質問です。
 このような店については、営業自粛、制限などの対象から外してみるというのもいかがでしょうか。これ、こういったことについては地方自治体で制限行われていると承知しておりますが、政府が主体となって行う必要があると考えますので、提案させていただきます。御答弁よろしくお願いします。
083 梶尾雅宏
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○政府参考人(梶尾雅宏君) 御指摘の単身用の飲食店では、アクリル板のパーテーションが設置されるなど、飛沫感染対策としても有用であると思っておりまして、政府としましても、クラスターの発生を防ぐためにガイドラインの遵守徹底というのをお願いしておりまして、特にアクリル板の設置、座席の間隔の確保、手指の消毒の徹底、食事中のマスク着用、換気の徹底などについてはコロナの分科会でも指摘されており、これまでもあらゆる場面で周知を行っているというところでございます。
 ただ、その上で、基本的対処方針におきまして感染リスクが高いと指摘されている飲食の場を避けるという観点から、緊急事態措置区域やまん延防止等重点措置の区域では営業時間短縮の要請を行っておるわけですけれども、これらの地域は感染が拡大している地域であって、併せて不要不急の外出の自粛というのを要請してございます。そもそも、人出を抑制して感染拡大を抑える必要があると。
 また、これまでの経験やデータの分析から、飲食店の営業時間短縮要請で人出を抑え、感染拡大を減少させるということができるというのは分かっておるというところでございまして、そのため、また単身用あるいは家族用の飲食店にかかわらず、また感染対策をしっかり講じている飲食店、これも今、一店一店の見回り、働きかけも行っているわけですけれども、営業時間短縮要請の対象というふうにやっているところでございます。
 仮に単身用の店舗等を短縮の要請の対象外とする場合は、それをどう確認し運用していくのか、実務的な論点などもあろうと思いますけれども、引き続き、対策の効果も検証、研究しながら、感染拡大を抑えるべく取り組んでまいりたいと思っています。
 あと、済みません、協力金の関係、事業規模に応じた形で支援できるような形で最近見直しておりますので、そこはちょっと付言させていただきます。
084 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 緊急事態宣言が出されて、これまで多くの国民が外出自粛など我慢してきた中で、再度、緊急事態宣言なんですね。またかという失望の声は多いのではないかと思います。
 この感染症との闘いにおいては、確かにある程度国民が我慢すべきところはあると思いますが、我慢には限界があります。先ほども申したように、コロナとの闘いというのは長期的な目で見ていくべきではないかなと思います。コロナに対してどのような心掛けを持って対応すべきかについては様々な意見あると思いますが、私としてはやはり息切れしない持続可能な対策が必要ではないかと思います。
 我慢ばかりで疲れ過ぎないようにするためには、やはり適度な息抜きというのが必要であるというのは皆さん納得いただけるのではないかと思います。様々な息抜きの方法があろうとは思いますが、この新型コロナウイルス感染症の感染確率が比較的低いと思われるような娯楽について今後より注目していくべきではないかと考えます。どういったものが低いのか、ちょっと調査結果とか、必要に応じて調べていくべきだとは思いますが、例えばゴルフであったり屋外キャンプ、思い付きではあるんですが、そういったものが感染確率低いのではないかと思うんですね。
 そこで、政府参考人の方にお聞きします。
 先ほど例に挙げましたゴルフや屋外キャンプ、感染の可能性低い娯楽と位置付けられるのではないかということについて御見解いただきたく思います。
085 宮崎敦文
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○政府参考人(宮崎敦文君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のゴルフや屋外キャンプにつきまして、それが行われる状況によって感染リスク異なりますので、一概に申し上げることはなかなか難しい面ございますが、一般的に、屋外での活動ですとか人との接触が少ない活動をすることについては総体的に見て感染リスクが低い行動となるというふうに考えております。
 ただ、その一方、例えばゴルフをされる場合でも会食を伴う場合ですとか、キャンプ中であっても会食やあるいは複数の人がテント内で集まるとか、そういったそのいろいろなシチュエーション考えられますので、そういう場合ではリスクの高い場面というものも想定し得るものはあろうかと思います。
 いずれにしましても、厚生労働省ではそういう感染リスクが高まる場面というのはこういう場合だということも併せて注意喚起をしております。そういう状況でございます。
086 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。適宜進めていただければと思います。
 最後なんですけど、やはり人間、無理な我慢を長続きさせるのには限界があると思います。この新型コロナウイルス感染症、早期収束すればいいんですが、そうでない可能性も考えられると思います。自粛の繰り返しだとどうしても疲れてきますし、適度な息抜きするべきではないかというのは、そういう考えは重要ではないかと思います。
 最後に、副大臣に質問というか提案なのですが、コロナ禍で推奨可能な例えば娯楽について政府の方から今後積極的に推奨、発信してみてはどうかと思うのですが、いかがでしょうか。御見解お願いします。
087 三原じゅん子
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○副大臣(三原じゅん子君) 委員御指摘の長期的な観点に立つと、そうしたその心身の健康に与える影響というのは無視できないなというのは共通の意識でもあります。
 例えば、感染リスクに十分留意した上でであれば、委員御指摘のゴルフなどは、飲食をしないで、そのまま車から、ゴルフを、ゴルフして、コースへ出て、そのまま車にお戻りになってというような、十分に留意した上では私も個人的には理解ができるような、気持ちは分かるというふうにも思っております。
 しかしながら、今、二十三日に四都府県に緊急事態宣言が発出されたところでございますので、今御指摘のような情報発信を今行うことについてというのは、この人流の抑制が求められている、不要不急の外出を控えることが呼びかけている現下の状況では正直難しいタイミングかなというふうに考えております。
 いずれにしても、科学的知見に基づいた適切な情報発信に取り組んでまいりたいと思っております。
088 西田実仁
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○小委員長(西田実仁君) 時間になりました。
089 浜田聡
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○浜田聡君 時間になりましたので、終わります。ありがとうございました。

第204回国会 参議院 政治倫理の確立及び選挙制度に関する特別委員会 第2号 令和3年5月12日
140 浜田聡
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○浜田聡君 浜田聡です。所属政党NHK党、参議院の所属会派はみんなの党です。最後の質問です。質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。
 今回、提出法案に関連する条文の誤り等についてはこれまで多くの議論がなされました。私は、少数派を代表する国会議員として、少数派も国政に参加可能な選挙制度確立に向けて時間を使わせていただきたく思います。今回、公職選挙法と関連することについて、総務省の方と発議者の先生に幾つかお聞きしたいと思います。よろしくお願いいたします。
 我々NHK党は、その名のとおり、NHKに関する様々な問題、中でも、特にNHK委託業者の訪問員による強引な営業行為の問題解決を最重要課題としておりますが、一方で、民主主義の根幹を成す選挙制度に関しても大きな関心を持って制度改革に取り組んでおります。その中でも、特に若者の選挙参加を促すための被選挙権の年齢引下げは非常に重要であると考えております。
 その活動の一環として、我々はこれまで幾つかの選挙や裁判に挑戦してきました。本来ですと被選挙権のない二十五歳未満の若者を市議会議員選挙、市長選挙に届出してもらい、届出が受理されないことに対しては、憲法で定める国民の公務員選定権や立候補の自由、職業選択の自由に反するとして裁判を闘ってきました。この挑戦に対しては様々な意見をいただきましたが、若者の政治参加を促すことについて一石を投じることができたと考えております。
 ここで、まず、公職選挙法について二つの言葉を取り上げたいと思います。それは、被選挙権と公職の候補者となる権利という二つの言葉です。私なりにこの言葉を分かりやすい説明をさせていただきますと、被選挙権というのは、選挙に立候補して一定の得票を得た場合に当選者となる権利でございます。一方、公職の候補者となる権利というのは、年齢や居住要件がたとえ満たさない場合でも、選挙に立候補して候補者が選挙運動で自らの主張を訴える権利という理解もし得ると考えております。
 最終的な法解釈は裁判所の判断に委ねるところと思いますが、ここでは、選挙をつかさどる総務省にお聞きしたいと思います。
 公職選挙法上、被選挙権と公職の候補者となる権利の違いというものはありますでしょうか。御見解をお聞きしたいと思います。
141 森源二
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○政府参考人(森源二君) お答えをいたします。
 公職選挙法上、被選挙権につきましては、同法第十条におきまして、例えば参議院議員はこれこれというように、各選挙に係る被選挙権、これは国籍、年齢、住所でございます、こういったものについて規定をいたしますとともに、同法第十一条、第十一条の二、第二百五十二条及び政治資金規正法第二十八条におきまして、一般犯罪、公職にある間に犯した選挙犯罪等により刑に処せられた者については、これは全ての選挙について一定期間、被選挙権を有しない旨が規定をされております。こちらの方が被選挙権の関係の規定でございます。
 そして、この被選挙権を有しておりますと一般的には公職の候補者となり得るものでございますけれども、一方で、公職選挙法では、特定の選挙につきまして、例えば、衆議院選挙の重複立候補を除く重複立候補の禁止、衆議院議員や参議院議員を辞職したことに伴う補欠選挙への立候補制限、選挙事務関係者の関係区域内における立候補制限、公務員の立候補制限と立候補した場合の公務員の退職、連座制による当該選挙に係る選挙区の立候補制限といった、特定の選挙について公職の候補者となることができない場合が規定をされておるものでございます。
142 浜田聡
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○浜田聡君 我が党としては、今後も選挙制度改革に向けて様々な取組をしていこうと思います。総務省の方々とはできれば対立より協力して改革していけるよう心掛けますので、よろしくお願いいたします。
 次に、先ほどの件と関連して、被選挙権年齢引下げについて、法案提出者の先生方にお聞きしたいと思います。
 以前から、複数の政党で被選挙権の年齢引下げが議論されていると承知しております。被選挙権の年齢引下げについては、各党各会派において議論すべき事柄でありますが、二〇一九年の参議院選挙では多くの政党がこの点に言及していたかと思います。若者の政治の関心を高めるため、この被選挙権年齢の引下げは早期に実現すべきと考えます。
 そこで、発議者の先生に質問です。
 議員所属の党におけます被選挙権年齢の引下げに向けての進捗状況を教えてもらえますでしょうか。
143 堀井巌
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○委員以外の議員(堀井巌君) 被選挙権年齢の引下げについてでありますけれども、自由民主党におきましては、党本部の中に設置をされております選挙制度調査会というところで今議論が行われているところでございます。
 まだ党として結論が出ておりませんので、私は今日は公職選挙法の発議者ということで、立場で今答弁しておりますので、まだ結論が出ていない内容について、まだ御紹介をしたりするということはちょっと差し控えさせていただきたいと存じます。
144 浜田聡
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○浜田聡君 今回法案、今回関連する法案と関連の薄い内容でありながらも御答弁いただき、ありがとうございます。検討されているというのは若者にとって希望の光だと思います。
 ここで、若者が被選挙権年齢引下げを強く要求していることを私が感じた事例を紹介させていただきます。それは、今年二月に大阪市の常翔学園中学校というところで行われた模擬選挙という授業でございます。各国政政党の代表が中学生の前でその主義主張、公約を訴えて、実際に中学生にどの政党を支持するか投票いただくというイベントでございました。結果は、自民党が最も多くの票を集めました。このとき、自民党の原田亮大阪府議が参加されたんですけれど、このとき、自民党のマニフェストとして掲げられたものとしてそれを前面に押し出されたのが被選挙権年齢の引下げというものでございました。
 若者にとって自分と同じ年代の者が立候補できるとなれば、若者がより政治に興味を持つことは間違いないと思います。常翔学園中学校の生徒の皆様を始め次の世代を担う若い世代が期待しておりますので、是非この被選挙権年齢の引下げ、早期に実現いただきたいと思います。
 次に、国会議員の定数についてお聞きしたいと思います。
 国会の衆参それぞれの定数をどの程度にすべきかというのは様々な意見があろうかと思います。二〇二一年現在は、衆議院が四百六十五人、参議院が二百四十五人と規定されており、合計七百十人でございます。これは、人口十万人当たりの総国会議員定数となると、〇・五七人となります。これ、OECDの加盟国三十四か国の順位を見ますと三十三位という順位となっておりまして、国際的に見れば日本は国会議員が少ないと考えることができるのではないかと思います。
 私は、多様な意見を国政に反映するためには国会議員の定数はあえて増やすべきではないかとも考えております。
 まず、定数について、公職選挙法上の定数、特に上限あるいは下限について総務省にお聞きしたいと思います。
 地方議会に目を向けますと、かつては地方自治法で地方議会の定数の上限というものがあったと承知しておりますが、改正によってその上限枠は撤廃されたと聞いております。
 念のため、総務省にお聞きします。公職選挙法では国会議員の定数の上限、下限というものは定められておりますでしょうか。
145 森源二
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○政府参考人(森源二君) お答えいたします。
 衆議院及び参議院の定数につきましては、憲法第四十三条第二項におきまして「両議院の議員の定数は、法律でこれを定める。」とされておりまして、これを受けての公職選挙法第四条本則でございますが、衆議院議員定数四百六十五、参議院定数二百四十八と定められておりますけれども、上限や下限という形では定められていないところでございます。
146 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 上限はないということを確認しました。今後、より多くの国民の意見を反映できるような制度へと取り組んでいきたいと思います。
 さて、国政において多様な意見を反映するための選挙制度を考える際には、特に比例代表制度の定員が非常に重要と考えております。過去、国会内外において比例代表制が少数意見の反映に大きな役割を果たすことがその議論の中で認識されております。我々NHK党のようなシングルイシュー政党が参議院議員選挙におきまして、その全国比例の下において四十六位の順位で当選させていただいたこと、そして、現在、国会に議席を置かせていただいたことはその証拠となるかと思います。
 参議院比例代表の定数増減についての見解を、法案提出者の先生にお聞きしたいと思います。
 先ほどから繰り返し述べているわけですが、比例代表での定数削減をしますと少数派の政治団体の候補者が当選しにくくなることは想像に難くありません。逆に、比例代表の定数を増やして少数派の政治団体の候補者の国会への門戸を広げることは、多様な意見を反映する意味で望ましいと考えます。
 国会では多種多様な意見が反映されるべきとの考えについて、発議者の先生の見解を聞かせてください。
147 堀井巌
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○委員以外の議員(堀井巌君) まず、平成三十年の公職選挙法の改正におきまして、御案内のとおり、選挙区、比例区合わせまして六人の増員をお願いすることとなりました。令和元年の選挙で、令和元年で三名、そして令和四年で三名と、改選ごとに三人ずつ増えるという形でございます。
 このときに、まず選挙区選挙については、平成二十九年最高裁判決の趣旨を踏まえ、一票の較差が以前のように大きくならないように、最大較差を縮小させるために定数二の増としたわけでございます。
 同時に、比例選挙についてでありますけれども、選挙区選挙との定数のバランスを考慮しつつ、御指摘にもありましたように、少数意見の代表者などの国政参加を可能とし、参議院における多様な民意の反映と参議院の役割、機能の発揮にとって極めて重要なものであると、そのような認識の下に定数を四増やすということとしたところでございます。
148 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 先ほどもおっしゃっておられますように、参議院における多元的な民意の反映というものについては、特に、比例代表について、比例代表の定数については非常に重要と考えます。少数派として国会に議席を置く者として、今後、より参議院において多様な意見が反映されることを願います。
 そして、今後の国政選挙におきましては、今後、より多様な意見を国政に送り込めるように、我が党も選挙で尽力していくことを誓いまして、私の質問を終わります。
 御清聴ありがとうございました。

第204回国会 参議院 国民生活・経済に関する調査会 第6号 令和3年5月12日
014 浜田聡
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○浜田聡君 浜田聡です。所属政党はNHK党、参議院所属会派はみんなの党です。よろしくお願いいたします。
 少数会派にも意見表明の場を設けていただけることに感謝します。
 この調査会のテーマを再確認してみますと、三年間を通じた調査テーマが「誰もが安心できる社会の実現」、その中で二年目の調査テーマが「困難を抱える人々への対応」となっております。今国会で調査会では五回参考人質疑行われており、それぞれ、子供、外国人、コロナウイルス感染症による影響、社会的孤立、生活基盤の安定に向けた課題についてお話を聞かせていただきました。
 一年前を振り返りますと、一年前の調査会のテーマ、「困難を抱える人々の現状」でした。一年前のこの調査会においても総括として意見表明の機会をいただきまして、その際、私は、所属政党の主張を踏まえて、NHK訪問員による子供や外国人が受ける被害、NHK訪問員が社会的弱者を狙っている現状についてお話しさせていただきました。
 我々NHK党が国会で議席をいただき、そして国政政党となって一年九か月となりました。この間、私は、NHK党の国会議員として、この調査会を含む国会の場で、NHKが引き起こす様々な問題のうち最大の問題、委託業者による営業訪問員の問題について何度も取り上げさせていただきました。おかげさまで、国会の内外でこの問題が大きく周知されることになったと自負しております。
 昨年末にNHKで大きな動きがありました。前田晃伸会長が、NHK訪問員による戸別訪問を抜本的に見直すという発言がされたことです。それを反映してか、NHKの今年度の収支予算と事業計画では、委託法人手数料が二百五十二億から百六十三億へと減額となっており、八十九億円、約三割もの大幅減となっております。
 NHKは、訪問によらない営業方針を打ち出しております。今後、訪問員によるトラブルがなくなるかどうかに注目しております。NHKに関するこれら一連の動きというものは、一昨年に我々NHK党が民意によって国会で議席をいただいたことに影響していることは間違いありません。
 この調査会の今年のテーマを改めて確認してみますと、「困難を抱える人々への対応」というものでした。今国会の調査会で取り上げられた子供や外国人、社会的に孤立しつつある方々というのは、我々が問題視するNHK訪問員の被害に遭いやすい方であります。
 先ほど申しましたように、NHKは営業の問題を反省し、その営業の方針を変化させていることで少しずつ改善に向かっているのではないかと思います。こういった変化については、もちろん我々NHK党の力のみならず、与野党含めました多くの皆様の御協力によるものと思います。そして、何より有権者の皆様の力がその最たるものでございます。この場をお借りして感謝申し上げたいと思います。
 ところで、NHK訪問員の問題を何度も取り上げさせていただいておりますが、営業訪問員の問題というのはNHKだけではありません。どういうことかというと、NHK以外にも各家庭を戸別訪問する営業の訪問員がおりまして、調査会で取り上げられた子供や外国人、社会的に孤立しつつある方々というのは、このような営業訪問員によって被害を受ける可能性があります。
 具体的なものとして、その最たるものが新聞販売の訪問営業が挙げられます。御存じのとおり、各種新聞は販売部数が年々急速に減少しております。様々な社会の変遷により新聞業界は凋落傾向にあると言っていいと思いますが、そのような業界がその凋落に対応し切れず、NHKに勝るとも劣らない強引な訪問営業などで多くの問題を引き起こすわけですが、その際にまず影響を受けるのは、この調査会で取り上げたようないわゆる社会的弱者の方々であることは間違いありません。
 NHKも新聞も、大きなメディアでありながら自らの問題の報道には消極的だからこそ、情報収集が重要です。私は、今後も国会でこのような訪問営業の方による人的な被害というものを取り上げて、少しでも改善していけるよう心掛けていきたいと思います。
 この調査会、三年間を通じたテーマが「誰もが安心できる社会の実現」です。実現には大変な困難が伴いますが、我々NHK党としては、せめてNHK訪問員が来ることをおびえる必要のないという意味で、安心できる社会は実現したいと考えております。この実現に向けて今後も邁進していくことを誓いまして、私の意見表明とさせていただきます。
 御清聴ありがとうございました。

第204回国会 参議院 財政金融委員会 第11号 令和3年5月18日
115 浜田聡
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○浜田聡君 参議院みんなの党会派所属、浜田聡です。最後の質問、よろしくお願いします。
 昨日、私の所属する政党では党名変更を行いました。二〇一九年の参議院選挙でNHKから国民を守る党として議席をいただきましたが、その後、党名変更を繰り返させていただきまして、新しい党名は古い政党から国民を守る党でございます。
 これまでの衆参の国政選挙におきましては、既成政党の方が非常に有利な制度になっておりまして、新たに国政に挑戦しようとするいわゆる諸派と言われる方にとってはハードルが高い状況でございます。そういった諸派の皆様の力を結集して、我が党が持つ国政政党としての選挙上のメリットも利用して、何とか国会で影響力を増していけるよう目指していきたいと思い、今回、党名変更もさせていただきました。今後ともよろしくお願いいたします。
 今回の審議対象となる法案について幾つかお聞きしていきたいと思います。
 まず、先ほど上田委員の指摘もありましたが、法案の名前についての質問をさせていただきます。
 この法案の名前ですが、新型コロナウイルス感染症等の影響による社会経済情勢の変化に対応して金融の機能の強化及び安定の確保を図るための銀行法等の一部を改正する法律案というものでございます。まず感じることなんですけど、法案の名前がいささか長過ぎるのではないかと思いました。
 今回の法案の内容については、第二次安倍政権時の日本経済再生本部の産業競争力会議によって提案されてきたものを、二〇二〇年の菅政権も成長戦略会議において継続して提起されてきた事項ではないかと思います。仮にコロナ禍にならなくても、今回の改正案の内容というのは導入予定で、ある意味、既定路線であったんではないかと推察します。コロナ禍というのは確かに大変なんですけど、一方で、この法案内容、これまでの経緯を考えると、あえてコロナ禍に絡める必要もないようにも思いました。
 今回法案提出された金融庁の麻生大臣にお聞きします。
 今回のように長い法案名でなく、ただ単純に銀行法等を改正する法律案でもよかったのではないかと思ったのですが、このような法案になった理由を教えてもらえますでしょうか。
116 麻生太郎
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○国務大臣(麻生太郎君) 法案の名前が長いって、別にこの法案に限らずほかの法案も長いのがいっぱいあるのは確かなんですが、今おっしゃるようなところ分からぬわけではありませんけれども。
 金融制度審議会のワーキング・グループにおいて検討の場がありまして、私の方から昨年の九月にこれ諮問を、九月だったかな、諮問を行ったんですが、新型コロナウイルス感染症の影響によって、このデジタル化とか地方創生とかいう話がこれからやらにゃいかぬという、地方経済を活性化するためにやらにゃいかぬ大事なところなんですが、その際に、いろんな変化が生じているということに対応して、地方の金融機関が特に社会経済において発揮する機能というものをこれ強化をしていかないと、デジタル化とか地方創生等やるときには企業の、銀行の方も体質がないとかいろんな、力がないとかいうことになりかねません。
 金融システムの安定の確保を図るための改正というのを提案するものなので、こうした考え方を明らかにするので、長過ぎて不適切という、説明がそこまでする必要がないとかいろんな理由は考えられるとは思いますけれども、不適切という考えではなくて、長過ぎるというのは分からぬことはありませんけれども、不適切と考えているわけではございません。
117 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 名前を長くすることで、説明が加わって分かりやすくなる場合もあると思いますが、余計な文言が入ってかえって分かりにくくなる場合もあると思います。今回の法案名についてはちょっと後者のように感じたため、質問させていただきました。
 続きまして、法案内容を提案してきたと思われる成長戦略会議について質問させていただこうと思います。
 この成長戦略会議の議員のメンバーであるデービッド・アトキンソン氏について二つほど質問させていただきたいと思います。
 この方は、日本に愛着を持っておられるようで、茶道など造詣が深いと聞いております。日本の文化財であったり観光政策に関する提言を積極的にされておりまして、実績を買われて現在の立場におられることと思います。
 この方がおっしゃる意見の中で次のようなものがあります。大企業の生産性が次第に向上している一方、中小企業の生産性は長年低迷しており、成長や再編によって大きくなれない中小企業は消えてもらうしかないというものでございます。規模の経済であったりスケールメリットという言葉がありますので、この方の言うように、企業統合で生産性が向上するという主張についてはある意味一般的な考え方と言えるかと思います。個人的には、生産性向上を目指すことについては賛同いたします。
 一方で、多くの中小企業というのは得意な分野があるいはニッチな分野でその才能を発揮しているとも言えます。したがって、経営統合を行ったからといって簡単にシナジー効果が生まれるほど単純でないケースもあると思います。それどころか、統合に伴うコストであったりリスクの方が経営にダメージを与える可能性もあると思います。生産性の低い中小企業を淘汰していくべしという旨の意見に不安視する声が多くあるのではないかと思います。
 そこで、中小企業庁の方にお聞きします。
 このようなデービッド・アトキンソン氏の主張を不安視する意見に対する反論があれば教えていただきたく思います。
118 飯田健太
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○政府参考人(飯田健太君) お答えいたします。
 ちょっと特定の個人の方々、御本人がいらしているわけでもございませんので、ちょっと特定の個人の御見解ということでなく、一般論として申し上げたいと思います。
 中小企業の数が多過ぎるために合併や淘汰を進めるべきというふうには考えてございません。もちろん、その中小企業の生産性を向上させるという部分でございます足腰を強くしていくという、ここの部分の施策はやっぱり推進していくということが政府の役割だと思っております。今委員から御指摘ありましたように、中小企業・小規模事業者の役割も多種多様だと思っております。
 例えば、海外で競争を目指すという中小企業の方もいらっしゃいます。こういった方々については、中堅企業への成長を支援していくということが大事だと思っておりまして、経済産業省、関連する法案を今国会に提出をしております。
 また、地域の経済や雇用を支える中小・小規模事業者につきましては、持続的に発展できるようにするということを大事だと思っておりまして、地方自治体とも連携して、地域課題の解決とビジネスの両立を図ると、こういったような事業も応援してまいりたいと思います。
 それから、休廃業を検討せざるを得ない方々もいらっしゃると思いますけれども、これによって地域の貴重な経営資源が散逸するということを回避する必要がございまして、むしろ生産性向上を図るとの観点も含めて、希望する方々にはMアンドAによる経営資源の集約化も支援してまいりたいと思っております。
 引き続き、中小企業の役割に応じてきめ細かく支援を行ってまいります。
119 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 賛否両論あるとは思いますけど、個人的には、この方によって、国家の成長戦略会議など国の方針を位置付ける、方向付ける会合がこの方を通じて注目が集まるというのは非常に望ましいことであるとは思います。
 もう一つ、アトキンソン氏についてお聞きしたいと思います。それは、日光東照宮についての件でございます。
 この方が社長を務める小西美術工藝社が、以前に日光東照宮の陽明門修復手掛けたと聞いております。その修復された姿が、問題が指摘されておりまして、あちこちの塗装が剥げたりカビが繁殖したりということで、見るも無残な姿というような指摘もあります。
 こういった指摘について、文化庁の見解をお聞かせいただければと思います。
120 榎本剛
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○政府参考人(榎本剛君) お答えいたします。
 東照宮陽明門の塗装修理は、平成二十五年度から二十八年度の四年間、公益財団法人日光社寺文化財保存会及びデービッド・アトキンソン氏が代表取締役社長である株式会社小西美術工藝社の施工により実施されました。
 その際、陽明門の修理は、門の中央を通れるように通路両側にアクリル板による養生を行ったことなどによりまして、湿度が高い環境での施工となりました。修理は主任技術者の監督の下に施工されまして完了しておりますが、施工後、高温、高湿度の状況が続きまして、修理に天然素材を用いたこともありまして、陽明門の唐獅子の胡粉塗りの一部にカビの発生と塗装の剥離、また金剛柵の胡粉塗りの一部に塗装剥離が生じました。
 カビの発生及び塗装の剥離が事業後すぐに生じたのは残念であり、文化庁からは、設計監理を行った日光社寺文化財保存会に対して、カビの除去と部分再塗装の実施を指導し、これまで施工業者がカビの除去を行っております。塗装が剥離した箇所につきましては、施工方法を検討の上、閑散期である本年冬頃に修理することとしております。
121 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 報道されている記事の写真見ておりますと、確かに塗装が剥げているものが目立つようで、今回文化庁の見解を聞かせていただきました。
 この方の主張の是非はさておいて、生産性を重視するというのであれば、せめて自身の手掛ける仕事の質というのは優れたものを発揮していただきたいと思うのは私だけではないと思います。
 続きまして、法案の内容についてお聞きしたいと思います。
 法案の出資規制についてでございます。
 これまでは、法案の詳細にまで踏み込むのはちょっと控えますが、事業会社に出資する場合は五〇%まで制限されていたところですが、今回の法改正で、その対象が非上場企業であれば一〇〇%まで拡大されるとのことです。
 銀行が一〇〇%の議決権を持つ形で出資も可能になるということで、その際に銀行が優越的な地位を濫用したり、利益相反になる取引を強いたりしないように、投資専門会社がコンサルティング業務を負うことを内閣府令事項で明確にする案となっていると承知しております。そのような案の場合、心配点として指摘されることとして、投資専門会社のコンサルティングが出資の前提となるような場合、出融資先の顧客企業が投資専門会社の顔色をうかがうようにならないでしょうかということが挙げられます。
 そこで、政府参考人の方にお聞きします。
 出資も融資も投資専門会社次第だという概念が顧客企業に生まれると、健全な事業活動や正確な事業判断を阻害するおそれもあるのではないでしょうか。この懸念についての見解を伺いたく思います。
122 古澤知之
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○政府参考人(古澤知之君) お答え申し上げます。
 銀行による出資の件でございますけれども、現行制度では、銀行が一般事業会社の議決権を五%を超えて取得、保有することは原則禁止ということになってございまして、その例外といたしまして、事業再生会社ですとか事業承継の場合、そしてベンチャーといった例外がございます。その枠組み自体は今回の法案でも堅持するということでございます。
 その中で、先生の御指摘がございました投資専門会社のコンサルティング業務の件でございます。これにつきましては、銀行グループは従来、出資、融資とそれに附帯する業務のみを行ってきたということでございまして、投資専門会社もそういう枠組みの中にあったわけでございますけれども、単にお金を出すというだけではなくて、必要に応じて出資先の地域企業に寄り添って経営相談などに応ずることができるという趣旨で今回コンサルティング業務を行うというものを追加するという形にしているところでございます。先生の御指摘のように、コンサルティング業務が出資の前提となるという枠組みではないというものでございます。
 同時に、御指摘のとおり、銀行業の優越的地位の濫用とか、それから利益相反、体制の懸念というものは存在してございます。そういったことがないように、制度改正後も金融庁といたしまして銀行による体制整備といった点についてしっかりとモニタリングをしてまいりたいというふうに考えてございます。
123 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 引き続き、一〇〇%出資が可能になったことについてお聞きします。
 議決権一〇〇%の出資が可能となったことで、そうなった場合、融資の取引のある銀行が経営権を持つことで、出資された会社において銀行の債権回収が優先される可能性が挙げられます。
 そこでお聞きします。このように債権回収が優先されるような状況になると正常な事業活動ができなくなるおそれがあるのではないかという懸念についての御見解を伺いたく思います。
124 古澤知之
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○政府参考人(古澤知之君) お答え申し上げます。
 先ほども申し上げましたとおり、出資と、一〇〇%の出資というものはあくまで例外という枠組みでございまして、事業再生会社、事業承継の場合、ベンチャーの場合といった枠組みになっている、そこは今回も変わらないわけでございます。
 その上で、先生から御質問ございました銀行の債権回収が優先されて事業に、事業活動に問題が生じないかという点でございます。
 例えば、今例外と申し上げました事業再生会社のケースでございますけれども、例えば、典型的には、地域企業が過剰な債務を負っていて、それを削減するという中で一定の計画に従って貸付けの一部を出資に転換する、デット・エクイティー・スワップなどと申しますけれども、そうやって出資をしているという枠組みがございます。そういった場合、例えば念頭に置いていただきますと、銀行はその計画に従って地域企業の事業の再建を通じて、そして残っている債権の健全化を図ろうとするのが基本でございまして、そういった場合につきましては、必ずしも出資とそれからその債権者としての立場についての利益相反ということではございませんで、どうやって事業を再生していくかということに注力するものと考えてございます。
 他方、でも、そういう場合も含めまして、銀行業につきまして優越的地位の濫用、それから利益相反取引の懸念というのはあるところでございまして、そういった点につきましては、銀行による体制整備などしっかりとモニタリングしてまいりたいというふうに考えてございます。
125 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 この法案について、最後に麻生大臣にお聞きしたいと思います。
 銀行というのは、本来その業務として、預金であったり融資を中心に事業展開するのが本分ではないかと思います。今回の法案というのは銀行の業務内容を拡大するものと承知しております。銀行が拡大した業務権限をうまく利用できるかについては個人的には懐疑的なところもあります。
 法改正によって、今後、中小企業淘汰につながるような可能性もあるのではないかと思いまして、この法律施行後、果たして銀行が拡大した権限を適切に行使して経済発展に貢献できるのかどうか、麻生大臣に見解を伺いたく思います。
126 麻生太郎
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○国務大臣(麻生太郎君) これはもう浜田先生おっしゃるとおりでして、いろんな業務はできるようになる。それは、本来の目的は地域を活性化させるためとかデジタライゼーションを更に促進させるため等々、いろんな理由によって積極的な関与が求められる業務というものを銀行に認めるという話なんですけれども、今後も、本来の本業というものは、融資とか、いろんな意味での資金の融通とか、いろんな預金のサービス等々いろいろありますけれども、そういったものをやっていただく必要があるのはこれは当たり前の話なので、そこはやっていただくんですが、いずれにとっても、これは、規制の緩和というのは銀行にとっても預金者にとっても借りている企業にとってみましても、皆それぞれプラスのものになるためにやっていかにゃいかぬわけですけれども、一般企業においてもこれは大きな損失を被って、預金者などに、影響ですかね、深刻な影響を与えたり、また、銀行が優越的な地位というものを利用して一般企業者の事業の機会を取っちゃう、そういったような事態が生じるということは、これはないわけじゃありませんよ。これは十分にあり得る話なんであって、そういった意味では、制度を改正後もこういったようなことがないように、これ、いわゆるモニタリングとかいろんなことを我々金融庁としてはやっていかにゃいかぬところだと思いますので、私どもとしては、銀行ぐらいの大きなところがITのシステムを開発されると、一般の企業にこれやっていいよと、これ使ったらどうというような話のサービスの拡大とかマーケティングをとか、そういったようなことの貢献ができることを期待していますけれども。
 いずれにしても、銀行自らの収益改善というものと持続可能なビジネスというのを両方やって、かつ、いわゆる事業のチャンスというものを占有的な力を利用して取っちゃうというようなことは我々としてはモニタリングしていかねばいかぬという大事なところだと思っております。御指摘は正しいと思います。
127 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 今回の法案については規制緩和の観点から賛成する方針ですが、世間の声聞いてみると、賛成意見のみならず、反対意見が結構多いようでしたので、今回調べた懸念点を挙げさせていただきました。そのような点に注目し、今後の推移を見守っていきたいと思います。
 次に、銀行法改正案に引き続きまして、銀行についての話です。
 LINEとみずほのスマホ銀行設立について金融庁にお聞きしたいと思います。
 今年の二月に、LINE Financialとみずほ銀行が両社共同出資によるスマホ銀行提供に向けたLINE Bank設立準備会社への追加投資と経営体制変更を発表しました。二〇二二年度中の新銀行設立を目指すとのことです。これについて、大きな期待があるとともに、一方でLINEもみずほも最近問題を起こしていることで、両社が協力しての新銀行設立には不安があるところでございます。
 金融庁にお聞きしたいと思います。
 LINEは先般、個人情報に関して問題、その取扱いについて問題が明らかになりました。また、みずほ銀行は、これまでシステム障害を繰り返しているところでございます。両者による銀行設立をこのまま認めていいと考えるのかどうか、不安視する声に対する金融庁の見解をお聞きしたいと思います。
128 栗田照久
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○政府参考人(栗田照久君) お答え申し上げます。
 LINE社の子会社でありますLINE Financial及びみずほ銀行において、二〇二二年度中に共同出資によるスマートフォンを顧客チャンネルとする銀行の設立に向けた準備が行われていると承知しております。
 今御指摘ありましたように、LINE社につきましては、先般、個人情報管理に不十分な点があったとして個人情報保護委員会や総務省から指導を受けており、また、LINE社の各金融子会社においても同様に不十分な点があった旨を公表し、現在、各社において改善策を鋭意検討中と承知しております。
 金融庁におきましても、LINE社の各金融子会社において、個人情報保護法等を遵守し、情報の適切な管理が図られるよう適切に対処をしてまいりたいというふうに考えております。
 また、みずほ銀行のシステム障害につきましては、社会の重要なインフラである金融機関の信頼を大きく損なうものであり、誠に遺憾であって、今回の一連のシステム障害に係る顧客対応、原因究明及び再発防止策について現在集中的にフォローアップを進めているところでございます。
 こうした状況の下で新銀行の免許申請がなされた場合には、当然のことながら、こうした情報管理、システムリスク管理の適切性の観点も含めまして、銀行法に規定されている審査基準に照らして、厳正に審査をしてまいりたいというふうに考えております。
129 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 LINEもみずほ銀行も大きな企業でございまして、それだけに社会的責任も大きいと思います。今後しっかりとその運営がなされるかチェックしていきたいと思いますが、金融庁としてもチェックの方よろしくお願いいたします。
 次に、党関係、NHKの話に移らせてもらいます。
 NHKから国民を守る党として、我が党は二〇一九年の参院選で議席をいただいて、また国政政党にさせていただきました。NHKを見ていないから受信料を支払わないといったNHKを見ない方の権利を守っております。
 ただ、一方ですね、現在の受信料制度ですと、NHKを見ているのに受信料を払わない方が非常に多い状況でもあります。我々としては、NHK見ているのであれば受信料を払うべきと考えておりまして、そういう観点からは、NHKの掲げる受信料の公平負担の原則には賛同できるところでございます。我々としては、NHK、スクランブル放送をすればいいと常々訴えておりますが、それがすぐにはかなわない現状においては、本来払うべき者がしっかり払えば、今の受信料高いと指摘されておりますが、受信料は安くなるはずでございます。
 今回、NHKがその受信料を徴収する場合の問題について、会計検査院にお伺いしたいと思います。
 本来払うべき者がNHK受信料支払滞った場合には、ちょっと細かい話になるんですけど、滞った場合には、本来の受信料の支払額より高い額として、例えば延滞利息、あるいは割増金払うということが、放送法施行規則第二十三条であったり、日本放送協会放送受信規約第十二条などで定められております。ただ、NHKはこういった延滞利息、割増金については裁判以外は請求していないと我々承知しております。もしそれが事実である場合は、公平負担の原則からは問題があると考えるわけですが、会計検査院としてこの件に関する見解を教えていただきたく思います。
130 原田祐平
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○説明員(原田祐平君) お答え申し上げます。
 会計検査院は、これまでNHKが実施している業務等について合規性、経済性等の観点から検査を実施しており、その結果、不適切な事態があれば検査報告に掲記するなどしているところでございます。
 一般論で申し上げれば、NHKの受信料の徴収業務は法令等の規定に従って適切に行われる必要があるというふうに考えておりますが、委員お尋ねの点につきましては、検査結果に基づかずに会計検査院としての見解を申し上げることは困難であることを御理解いただきたいと存じます。
 いずれにいたしましても、会計検査院としては、国会での御議論等を踏まえて、受信料の徴収を含むNHKの会計経理について引き続き適切に検査を実施してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
131 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 現在のNHK受信料制度には様々な問題がありますが、その受信料が高いと指摘されているのも問題の一つだと思います。会計検査院の方には今回我々の問題意識を共有していただきたく思いまして、質問させていただきました。
 数年前に会計検査院がNHKに対して調査した際に、その報告書には様々なNHKの問題が指摘されていたと思います。現在、我々はNHKと多くの裁判を闘っております。今後、NHKが弁護士法七十二条違反に関する裁判など敗訴した際など、再度会計検査院の調査が必要な機会もあると思います。そういった際には、是非とも会計検査院の方で多くの問題を抱えるNHKを徹底的な調査していただくよう、よろしくお願いいたします。
 次に、ちょっと時間も少なくなってきましたが、三月下旬に中国の巨大IT企業であるテンセントが楽天に出資をして、テンセントが三%ほどの楽天の大株主となる件について発表がありました。
 この件について、安全保障の観点からお聞きしたいと思います。
 テンセントは楽天への経営参画の意図がないとして、外為法で定める事前審査が免除されていたと承知しております。ただ、テンセントが楽天への経営に口出ししない、出資者として口出ししないなどというのはちょっと考えにくいと思いますし、また、さらには、テンセントのバックには中国共産党が控えておりまして、楽天にその影響力を行使することも十分に考えられると思います。
 楽天の持つ情報が中国共産党に筒抜けになる可能性もある中で、こういった懸念について、政府の見解をお聞きしたいと思います。
132 神田眞人
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○政府参考人(神田眞人君) お答え申し上げます。
 個別の事案に関わることの言及は差し控えさせていただきますけれども、一般論として申し上げますと、外国投資家が指定業種を営む上場会社の株式を一%以上取得する場合は原則として事前届出を行う必要があり、この際、役員に就任しない、非公開の技術関連情報にアクセスしないといった基準を遵守する場合には事前届出免除制度の利用が可能となっております。
 しかし、免除されれば野放しということでは、先生、ございません。外国投資家は、事前届出免除制度を利用する場合、株式を取得した日から四十五日以内に報告書を当局に提出するのみならず、免除基準を遵守し続ける必要がございます。
 当局は、基準の遵守状況について任意の聴取や外為法に基づく報告徴求を通じて確認を行うことが可能でございますし、もしこれを遵守しない場合には、当局は外国投資家に対して遵守勧告及び命令を行い、従わない場合には株式売却を含む措置命令を行うことが可能でございまして、これらの措置を通じて国の安全等への影響が生じないよう対応することとされてございます。
133 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 ちょっと時間の関係で質問一つ飛ばします。
 楽天がテンセントから出資を受けたことで、今後楽天の信頼を損なう可能性について、最後お聞きしたいと思います。それは、米国政府の5Gクリーンネットワーク構想と楽天の関係でございます。
 この5Gクリーンネットワーク構想というのは、米国が対中政策の一環として発表したものでございます。安全保障を守るため、信頼性に問題のある中国をネットから排除していこうというものと承知しております。
 楽天はこの5Gクリーンネットワークに入っているわけですが、今回テンセントから出資を受けたことで、楽天がアメリカの5Gクリーンネットワーク構想から外される可能性について懸念があると思います。この懸念についての見解を伺いたく思います。
134 渡辺健
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○政府参考人(渡辺健君) 委員御指摘の米国のクリーンネットワーク構想は、二〇二〇年八月に、前トランプ政権が提唱した米国の通信ネットワークの安全性を確保するための包括的な構想と承知しております。
 他国政府の方針や個別事案に対するコメントは控えさせていただきますが、一般論として申し上げれば、総務省として、5Gを始めとする通信ネットワークの安全性は重要と考えておりまして、国内通信ネットワークにおけるサイバーセキュリティー対策や、米国等の同志国と連携した5Gのオープン化のための国際的な働きかけを通じてその確保を図っているところでございます。
 先日の日米首脳会談の成果文書におきましても安全でオープンな5Gの推進等について一致をしておりまして、総務省としては、今後とも米国等とも連携をして通信ネットワークの安全性の確保に向けた施策を国内外で推進してまいりたいと考えております。
135 浜田聡
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○浜田聡君 楽天モバイル、第四のキャリアとしてサービス開始しておりまして、多くの利用者がいることと思います。今後どうなるか、注意深く見守っていきたいと思います。
 質問を終わります。ありがとうございました。

第204回国会 参議院 行政監視委員会 閉会後第1号 令和3年6月21日
133 浜田聡
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○浜田聡君 浜田聡です。所属政党は、先般、党名変更いたしまして、古い政党から国民を守る党、参議院での所属会派はみんなの党です。
 最後の質問、よろしくお願いいたします。少数会派にも御配慮いただいて、人数配分以上の質問時間いただきましたこと、ありがとうございます。
 私の所属政党は、様々な戦略上の事情で現在党名変更しておりますが、かつてはNHKから国民を守る党という党名でした。二〇一九年の参議院選挙で主にNHK問題の解決を公約として一人の当選者を出し、また、全国で二%を超える得票率を達成したことから国政政党の条件も満たすこととなりました。
 数あるNHKに関する問題の中で最も重要なものは、受信契約や受信料の支払を迫って各家庭を訪問するNHK集金人、訪問員の中に非常に悪質な者がおり、弱い者いじめをしていることであると考えております。党名変更をしても、この有権者から託された公約については我々しっかり取り組んでいこうと思います。
 これまで私は、国会において各委員会で度々、NHK集金人、訪問員の問題を取り上げさせていただきましたが、今回も同様にその質問をさせていただきますが、今回は特定商取引法に焦点を当てて、消費者庁、総務省、そして内閣府の方に質問させていただきます。今回の質問を通じて、今後の各行政機関における政策評価につなげていただきたく思います。よろしくお願いいたします。
 我々の政党は、国政政党になる前から党首の立花孝志を中心に、NHK訪問員に悩まされている方々の相談を電話などで受けてきており、国政政党になってきてからは、その苦情受付のサービスを拡大して行っております。具体的には、複数の相談員が電話相談に対応するコールセンターを運営しております。このコールセンターに係る経費は、主に国政政党に与えられる政党助成金によって賄われております。我々としては、NHKの放送をスクランブル放送、つまり、受信料を支払わないのであればNHKの放送を見られなくする制度、これを導入していただいて、訪問員が必要なくなれば、このようなことは必要なくなるわけであります。現在の受信料制度、はっきり言って無駄以外の何物でもないと考えているわけですが、存在している以上、対処せざるを得ないわけであります。
 さて、ここで、我々と同じようにNHK訪問員にお困りの方に電話などで相談に乗っておられる方に、消費者庁、消費生活センターが挙げられると思います。もちろん、消費生活センターにおかれましては、NHKに限らず多数の相談が寄せられることとは思いますが、NHK訪問員に関する相談も少なくないと承知しております。
 そこで、まず今回は、消費者庁の方にお聞きします。全国の消費生活センターに寄せられるNHK訪問員による苦情の概要を教えてください。
134 坂田進
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○政府参考人(坂田進君) お答え申し上げます。
 全国消費生活情報ネットワークシステム、PIO―NETに登録されたNHKに関連すると思われる消費生活相談のうち販売購入形態が訪問販売となっているものの件数は、二〇一一年度以降の十年間を見てみますと、年間約一千二百件から七千件を下回る水準で推移しております。直近では減少傾向にございますが、二〇二〇年度につきましては約千二百件となっております。
 相談内容といたしましては、例えば受信料の支払に関するものとして、独り暮らしの学生である知人が勧誘員から公共放送の受信契約は皆がしていると言われ、テレビがないのに契約をしてしまったとの相談、また、訪問員の勧誘、徴収方法に関するものとしては、地域で公共放送の受信料の訪問が問題になっている、夜間訪問や居座り行為などをしないように申し入れてほしいとの相談などが寄せられているところでございます。
135 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。我々の運営するコールセンターにも同様の質問、相談が寄せられております。
 NHK委託業者の集金人の問題に取り組む我が党にとって、消費者庁や全国の消費生活センターのしておられる業務は非常に重要です。NHKの訪問員にお困りの方の力になるという点においては我々と志を同じくするものとして、消費者庁、消費生活センターの皆様の日頃の活動にはここで改めて敬意を表し、感謝申し上げます。
 さて、NHK訪問員のように各家庭を戸別訪問して取引する訪問販売という取引類型は消費者トラブルが生じやすいことは、多くの方、納得するところではないでしょうか。
 このように、訪問販売や通信販売等の消費者トラブルが生じやすい取引類型を対象に事業者が守るべきルールと消費者を守るルール等を定めている法律として特定商取引法があると承知しております。この特定商取引法ですが、インターネット上で検索しますと、特定商取引法ガイドというウエブサイトが出てきます。このウエブサイトの各ページの下の方に消費者庁や消費生活センターのロゴが貼っておりまして、消費者庁の方でこのウエブサイトが作られ、管理されているものと承知しております。
 ある一つの法律についてこのように公的機関によるウエブサイトがあるというのは私にとって非常に新鮮ですが、消費者保護のことを考えると、多くの方がこの法律についてもっと知るべきであると考えますので、このようなウエブサイトが存在しているというのは大変意義深いことであると思います。法律というものは条文を読んでいるだけではなかなか理解がし難いものですが、このウエブサイトでは、イラストなども交えて、分かりやすくなるような工夫がなされておりまして、このような法律理解を促進するような試みは今後も頑張っていただきたいと思います。
 さて、このウエブサイトなんですが、特定商取引法について次のような記述がございます。特定商取引法は、事業者による違法な、悪質な勧誘行為等を防止し、消費者の利益を守ることを目的とする法律ですとあります。先ほどから何度も繰り返して恐縮ですが、NHK訪問員の中には違法、悪質な勧誘行為を行っている者がいるため、消費者の利益を守るためには、この法律、それなりの役割を果たすべきではないかと考えております。ただ、この法律、適用除外の規定もあると承知しております。
 そこで、この法律を所管している消費者庁の方にお聞きします。
 NHK訪問員が各世帯を訪問し、その訪問先との間でトラブルになるようなケースは特定商取引法の適用となり得るのでしょうか、それとも適用除外となるのでしょうか。教えていただきたく思います。
136 片桐一幸
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○政府参考人(片桐一幸君) お答えいたします。
 NHK訪問員が各世帯を訪問し、その訪問先の者との間でトラブルになるようなケースについては、特定商取引法やその関連規定から、特定商取引法の訪問販売の規定は適用されないということでございます。
137 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 適用されないということですので、恐らく、私の調べたところでは、放送法がその適用されないものをカバーすると承知しております。
 そこで、総務省にお聞きします。
 NHK訪問員が各世帯を訪問し、訪問先との間でトラブルになるようなケースは、それ放送法がカバーするという理解でよろしいでしょうか。
138 吉田博史
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○政府参考人(吉田博史君) お答えいたします。
 放送法第二十七条の規定によりまして、NHKは、その業務に関して申出のあった苦情や意見について、適切かつ迅速にこれを処理しなければならないとされております。NHKにおきましては、寄せられた苦情等を踏まえまして、訪問員に関する苦情でありますれば、その苦情の原因となった訪問員や法人事業者への直接指導を行うとともに、講習会や研修を実施して周知啓発を行っていると承知しております。
 総務省といたしましては、令和三年度NHK予算に付しました総務大臣意見において、寄せられた苦情等も踏まえ、委託先の業務の実態を適切に把握し、受信契約の勧奨業務の適正性を確保することなどを求めているところでございます。
 NHKにおきましては、こうした放送法の規定や総務大臣意見を十分に踏まえ、国民・視聴者から負担いただく受信料で支えられる公共放送として、適切な訪問営業活動に努めていただくものと考えております。
139 浜田聡
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○浜田聡君 特定商取引法の適用除外になるのか、あるいはその適用除外のカバーをしているのかということに関してはしっかり御答弁いただきたく思いましたが、まあ仕方ないとは思います。
 NHK訪問員によるトラブルが実際に起こっておりまして、こういった訪問行為から消費者を守る法律がある。しかし、このNHKを始めとする放送事業者については適用除外の規定があって、その理由となっているのが放送法で規定されていると承知しております。であれば、放送法の適用をしっかりすべきで、その運用をするのは総務省がしっかり管理すべきだと思います。更に言うと、総務省がこれをしっかりしていない状態だからこそトラブルが防止できていないのではないかと考えております。
 このことについては、我々の方で、当該資料の方、調べさせていただきました。今回配付資料として用意しておらず大変恐縮ですが、平成二十三年に総務省が作った資料で、放送法等に係る特定商取引に係る法律の適用除外のための政令改正についてというものです。これは、当時、放送法が改正された際に、その改正内容に合わせて特定商取引法の除外規定も整合性が取れるように省令改正に関する資料だと承知しております。その資料に次のように書いてありましたので、それを読み上げます。
 放送事業者の行う放送、電気通信事業者の行う電気通信事業について特定商取引法の適用除外とすることが適切な理由とありまして、その後に、放送事業者、電気通信事業者についても、不当な勧誘や広告が行われた場合には、利用者の利益の保護の観点から、約款の変更命令、業務改善命令、登録の取消し等の措置を引き続き規定しているとあります。
 この文面からは、特定地上基幹放送事業者であるNHKが不当な勧誘をした際には、放送法の規定によると、約款の変更命令、有料放送に係る是正命令のほか、より強いものとして、無線局運用停止命令、認定の取消しもできるように読み取れます。NHKが現に問題ある現状を鑑みれば、総務省がその管理権限をしっかり行使してNHKを取り締まっていただきたいと思います。
 さて、次に内閣府の方にお聞きします。
 この特定商取引法については、内閣府の消費者委員会、特にその中の特定商取引法専門調査会がその運用などについてチェックをしていると承知しております。
 そこで内閣府の方にお聞きします。二つ質問用意していたのですが、まとめてお聞きします。
 NHK訪問員の問題に関して、内閣府の消費者委員会、特定商取引法専門調査会などにおいて、この問題というのは指摘されているのか否か教えていただきたいということが一つ。もう一つは、それが指摘されているのであれば、その委員会や調査会から何らかの提言が出ているのであればそれも教えていただきたく思います。
140 加納克利
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○政府参考人(加納克利君) お答え申し上げます。
 消費者委員会では、二〇一五年でございますが、内閣総理大臣から諮問があった特定商取引法の規律の在り方について調査審議を行うため、特定商取引法専門調査会を開催いたしました。その専門調査会では、審議の中で、消費者庁から、過去五年間の苦情相談上位二十件の商品、役務別の苦情相談件数の推移というものについての資料の提出がございました。
 その中の商品、役務の一つとしてテレビ放送サービスというものがあり、その中にはNHKが含まれるという旨の説明もあったところでございますが、当時の委員から特段の御指摘等はなく、その専門調査会が取りまとめた中間整理や報告書にも特段の指摘はなかったと。また、消費者委員会からも特段の提言等は行われていないものと承知をしております。
141 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 今回取り上げさせていただいた特定商取引法は、その本来の目的考えると、NHKの訪問員、集金人のような、訪問してきてトラブルを起こすような事例についてしっかりと消費者を守ることができるようにするようにすべきと考えております。
 繰り返しになって恐縮ですが、現在は適用除外の規定がありまして、その除外規定で本来NHKを監視すべき総務省の管理が行き届いていないためにトラブルが頻発し、結果として我々のような政党が国会に出てくるような状況につながっていると思います。法律は、条文だけでなく、その運用が重要だと思います。法律本来の目的を踏まえた上で、総務省の方々には、やはりNHKのチェックをしっかりしていただきたく思います。
 また、特定商取引法の目的を考えますと、NHK訪問員のトラブルは消費者保護の観点から重要な問題です。ですので、内閣府の消費者委員会、そして特定商取引法専門調査会の委員会の方々には、改めてこのNHK訪問員の問題については問題意識しっかり持っていただきたいと思います。今後、このような観点を踏まえた上で、この特定商取引法を改正していくことを、私自身、立法府の一員として取り組んでいきたいと考えておりますが、是非とも閣法としても提案いただきたいんですね。ですので、消費者庁、あるいは内閣府消費者委員会、特定商取引法専門調査会、そして総務省の方々におかれましては、時代に合った改正案を提案していただくことを切に願います。
 私からの質問、以上です。終わります。ありがとうございました。

第208回国会 参議院 国民生活・経済に関する調査会 第1号 令和4年2月2日
094 浜田聡
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○浜田聡君 NHK党所属、参議院会派みんなの党所属、浜田聡でございます。よろしくお願いいたします。
 委員の皆様には、少数会派にもかかわらず、大会派と同じ質問時間いただきまして大変感謝しております。
 あと、参考人の先生方、大変お忙しい中お越しいただき、貴重な御意見お聞かせいただき、ありがとうございました。
 私の方からは、是非皆様にお聞きしていきたいと思います。
 まず、上鹿渡参考人にお聞きしたいと思います。
 養子縁組を経ていない里親についてお聞きしたいんですね。少し各論になるかもしれません。
 養子縁組というのが、民法に基づいて法的な親子関係成立させる制度だと承知しております。ということは、養子縁組経ていない里親というのが実態として、まあ実態として親子関係はあるのかもしれないですけれど、法的には親子関係がないということになります。例として、連れ子さんのおられる再婚事例などでそういうことがあるのかなと思います。
 そこで、可能な範囲で教えていただきたいことがありまして、二点ですね。一点目は、養子縁組経ていない里親が遭遇する何か不便なことがあれば教えていただきたくて、あともう一点としては、そういう養子縁組を経ていない里親に不便なことがあるとすれば、それに対する具体的な対策、こういう法令改正するべきだみたいなことがありましたら教えていただきたく思います。
095 上鹿渡和宏
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○参考人(上鹿渡和宏君) 済みません、ちょっと今理解がちょっとできなかったんですが、養子縁組を経ていない里親というのはどういう、養子縁組と里親、そもそも別なもので、里親は、もちろん親子関係がない状態で養育者として親と一緒に育てていくというものなんですが。
096 浜田聡
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○浜田聡君 済みません、説明がちょっと私も不十分で申し訳ありませんでした。
 そうですね、ちょっと私も説明がちょっとうまくできるか分からないんですけれど、法的に親子関係にあるかどうかというのが重要なんじゃないかと思いまして、もし法的にないとすれば、やはりそこで不便なところがあるんじゃないかと思うんですね。そこについてお聞きしたいと思います。
097 上鹿渡和宏
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○参考人(上鹿渡和宏君) 分かりました。
 今いただいた、ちょっと、じゃ整理させていただいて、その養子縁組も特別養子縁組というところで考えた方がいいかと思います。そちらはもう法的に親子関係があるという状態で、里親養育は基本的に親子関係はないんですよね、親、里親って付いているので誤解されたりいろいろあるところなんですが、これはあくまで養育者ですね。英語だとケアラーということで、フォスターペアレントじゃなくてフォスターケアラーという言い方をするとより分かりやすいかと思うんですが、というところです。
 その違いですね、としては、やっぱり、パーマネンシーという言葉があるんですけど、ずっと、何かあってもずっと一緒にいる人であるのが特別養子縁組ですね。通常の家庭もそうですけど、その子が非行したり、何かいろんなことがあっても、もう嫌になってしまってもそこは切れないというのが親子関係。特別養子縁組も、そのなった方がいろいろ虐待的な行為があったり何だということで、全くないわけではないですが、ほぼない、切れるということはなくて、何かあっても子供は、親の都合でとか、もう嫌だからということで親子関係を切られないというところでは、非常に子供としては安定した関係が持てるというところがあります。
 里親の方はそこはないので、里親さんでの不調ということがこれは起こり得るわけです。それは懸念されていることですし、各国でも里親委託率が増えるとそこの問題は出てきます。ただ、そこは、これも今日ずっと言っているようなフォスタリング機関、一緒に見ていくと、そうなるのは里親さんだけのせいではなくて、チームとして子供と一緒にいられるようにできなかったということになってきますので、そこはそういう補う方法があるという中でやっていくということですね。
098 浜田聡
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○浜田聡君 どうもありがとうございました。
 次に、青砥参考人にお聞きしたいと思います。
 義務教育の次の高校について、高校の学費無償化と高等学校就学支援金制度についての御意見をお聞きしたいと思います。
 現代社会いろいろと動いておりまして、どのように働いて生きていくかというのは様々な価値観、やり方があるとはいえ、一方で、高校卒業というのがある意味普通となっている時代ですと、高校中退というのが就職に大きな影響があるのではと推察をしております。先生の書かれた「ドキュメント高校中退」で、高校中退された方の様々な事例、大変印象的だと思います。中退の原因として家庭の貧困が、いわゆるお金が挙げられるとすれば、もう高校の学費無償化という政策、意義があるんじゃないかなと思います。
 そういう背景から、現在、高等学校就学支援金制度があると承知しているんですけれど、それがあるにもかかわらず中退が起こるとすれば、この制度、何か改善点があるのではと思うわけなんですけれど、この制度について、あるいは高校無償化について何か御意見いただければと思います。
099 青砥恭
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○参考人(青砥恭君) 僕の本、読んでいただいてありがとうございます。
 基本的には、やはり先ほどからお話が出ているように、決してお金の、学費の問題だけではなくて、今九百六十万円と大体最高限度が決まっていて、それ以下は無償だということになるんですけど。ただ、やっぱり高校というのは、これは中学も高校もそうですけど、学校外教育、要するに、つまり学校外費用、つまり授業料以外のお金がやっぱり相当数掛かるわけですね。修学旅行へ行くのだって七、八万円から十万円ぐらい掛かりますし、私立の学校なんかは何十万円掛けて修学旅行へ行っておりますし、部活動はお金掛かりますし、だから、授業料は無償にしても、やはりそれは相当数お金掛かりますよと。あとは、中学受験する場合だったら当然小学校の頃から塾に行くわけですから、そこで非常にお金も掛かる。だから、今、子供の頃から、要するに、意欲の問題が出てきましたが、親の収入や、親の文化資源といいますけれども、文化資本といいますけれども、そこの質、量によって子供たちの学習、学力の、学習意欲、それから修学意欲はすごく大きな差があると、これはもうはっきり言っていろんなデータがございます。僕もそういう調査はしたことございます。
 ですので、必ずしも授業料の多寡によって中退が増える、減るということはないと思いますけど、特に今は中途退学というのは分からなくなってきた。つまり、今までですと、全国で一番中退者が多いのは定時制が一番です。それですけれども、そのほかに、要するにいわゆる学力が低い子供たちが集中する高校があります。そこでは、中途退学する場合には退学届というのを出していたんですけど、今は授業料がほとんどありませんので授業料のところで引っかかることがなくて、もう要するにフェードアウトしていくというような現象がやっぱりあるんですね。
 ですので、結論的に言うと、授業料の問題でこの問題が解決するということはなかろうというのが今の僕の判断です。
100 浜田聡
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○浜田聡君 参考になる意見ありがとうございました。今後の政策立案につなげていきたいと思います。
 最後に、松岡参考人にお聞きしたいと思います。
 数十年間代わり映えがないと思われる義務教育の内容について、御意見、御提言いただければと思います。
 先生の著書ですね、「教育格差」、アマゾン・キンドルで興味深く見させていただきました。しっかりと客観的なデータから教育格差に関する分析されておりまして、感心させていただくとともに、その際に、他の先進国の教育についても多くの知見御存じなのではないかなと思います。もしかすると、日本の常識では懸け離れているけれど興味深い教育方法などあるのかもしれないと推察をしております。他国と比べて、日本の義務教育の在り方についてお聞きしたいと思います。
 もちろん、私が考えて述べていることというのは、先生が御指摘する自分の経験に基づいての自説であることは認めた上でなんですけれど、社会が様々に変わっていく中、複雑化していく中、特に科学技術がすごく進歩している中で、日本の義務教育の内容というのが余り大きく代わり映えがないように感じられるわけでございます。
 先生が他の先進国との相違などを踏まえた上で、日本の義務教育の在り方について、御意見、御提言いただければと思います。
101 芝博一
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○会長(芝博一君) 恐れ入ります。予定の時刻迫っていますので、ひとつ簡潔によろしくどうぞお願いします。
102 松岡亮二
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○参考人(松岡亮二君) はい。ありがとうございます。
 義務教育の内容自体は、これはもう恐らく評価する人によっては結構変わって、まあ学習指導要領というものがありますので、変わってきてはいるんですけど、根本的な基礎学力に関するようなところは変わってきていないですね。それは、国際学力調査なんかで、ある種グローバリゼーションの圧力もありまして、こういうことをやりますよねということが、TIMSSとかPISAを通してカリキュラムが世界的に標準化してくるみたいな話があるんですね。なので、変わっているといえば変わっていますけど、でも、基礎項目だから変わっていないという見方もあります。
 私は、個人的には、内容が何であれ、内容を変えても多分格差も変わらないんですね。要するに、こういうものが高学力だと定義されたら、それを得ればいわゆるいい大学、いわゆるいい高校に行けるというふうにみんなが理解するので、塾とかも対応しますし、学習塾とか予備校というのは世界的にはシャドーエデュケーションと言われていまして、影の教育というんですけど、それは陰にあるという意味ではなくて、教育システムが変わると学習塾も一緒に移動するということですね、影が付いてくるということです。なので、例えば、一つ事例を申し上げますと、学習塾とかは中国が今禁止しましたけど、上海で、何か高校受験で体育の成績の比率を上げたらしいんですね。そうしたら、今体育塾みたいなのがはやっているみたいな感じなんです。
 なので、評価基準を変えるとそれについて付いてくるので、社会が変わるから教育内容を変えたら何かすごく新しくいろんなものが変わるように思えるんですけど、格差の観点では多分恐らく何も変わらないだろうなというふうに思います。基礎学力がずっと何年も変わってきていない、低学歴、低学力層が一定数いて、それが全然変わらないみたいなところに私としては皆さんに注目していただきたいかなと思います。
103 浜田聡
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○浜田聡君 終わります。ありがとうございました。

第208回国会 参議院 国民生活・経済に関する調査会 第2号 令和4年2月9日
071 浜田聡
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○浜田聡君 NHK党、そして参議院みんなの党会派所属、浜田聡でございます。
 参考人の先生方、本日はどうも貴重な御意見ありがとうございました。
 せっかくの機会ですので、三人の先生方いずれにも質問させていただきたいと思います。
 まず、加山参考人には、少し漠然とした質問となって恐縮なのですが、前の総理大臣、菅さんが掲げた政策理念、自助、共助、公助について御意見を伺いたいと思います。
 この自助、共助、公助という言葉、災害のときのみならず、あるいは社会保障の話など、生活全般について応用可能な言葉だと考えております。
 菅政権発足時にこの言葉についていろいろな意見が上げられました。国会では、野党の方から、まず自助というのは政府の役割を放棄しているみたいな意見もあって、個人的には、まず自助というのはそのとおりだなと思う一方、野党の方の意見も一理あるとは思います。
 そこで、先生がこの言葉について、自助、共助、公助という言葉についての御自由な御意見、あと菅政権のこの言葉に関する評価など、御意見いただければと思います。
072 加山弾
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○参考人(加山弾君) 御質問ありがとうございます。
 自助、共助、公助というのは、私ども地域福祉を学び実践する者にとっては一番常日頃からいつも考えていることですので、とても大事なところをお聞きくださったかなというふうに思います。
 地域福祉の活動というのは、やはりこの三つ、三分類でいうとこの共助に当たるところだと思います。自助と公助に関しては、やはり人口減少とか高齢化とか自治体の財政縮小とかということを考えると、公助は広げていくよりむしろスリムになっていく、いかざるを得ないんではないかと。さりとて、でも、やっぱり孤立者の問題とか排除の問題とかという難解な問題というのは増加している。だけれども、その公助というので何でも昔のようにこの福祉は行政でしょうというようなことはやっぱり言えなくなってきているので、公助はより、まあスリムになってほしくはないんですが、効率化は避けられないだろうと。
 自助の部分ですけれども、これ、自助をどう捉えるかということもありますけれども、家族とかそれから親戚、友人の近しい関係の中でお互いにカバーし合うようなものを自助だというふうに私は捉えておりますけれども、そこもやっぱり弱くなってきている。昔と違ってやっぱりその家族成員がすごくやっぱり当然少なくなってきていますので、子供が三、四人いて、その親の老後を見れるとかという状況では今とてもありませんので、その家族内での親の扶養あるいはその子育ての機能というのが低下して久しいと。
 しかも、親戚付き合いとかそれから友人付き合いとかというのもすごく希薄になっていて、近所の友達というよりはもうSNSで遠方の人との交流ということになると、いざやっぱり何かその身近で困り事が起きたときに近所の友人が助けてくれるとかという機会というのはどんどん減ってきていますので。
 となると、この共助というのが私の立場としては一番期待される部分であって、さりとて、その共助さえも、地域離れという中で、お互いやっぱり関わりたくないと、表札も上げないとか町内会入らないとか、そういうふうに共助も実は弱ってきている中でどうやってこの共助を強化するのかというのが私の悩みどころでもあり、研究分野でもあるんですけれども。
 冒頭私も申し上げましたが、地縁によるこの共助というのもどんどん今忌避される傾向にありますけれども、それに代わるやはり新しいつながり方、子育て、ごめんなさい、子供食堂もそうですし、そういったような新しい地域の中でのこの共助というのは生まれてきていますので、やっぱり時代とともに形を変えながら、今の心地よいつながり方に合わせたこの共助というのはまだまだ開拓の余地というのは、先ほどもありましたけれども、企業、地元の企業とか学校とかと、あるいは病院とコラボレーションすることでどんどん新しい取組も生まれてきていますので、共助のところというのはまだまだ希望が持てるし、そこを拡張していかなきゃいけないというのが私の立場です。
 前政権でその自助の、私がどう評価するということは余りないんですけれども、ですので、この自助、共助、公助、それぞれやっぱりなくすことはできません。やっぱり自助が代われない情緒的なこの安心感とかという部分というのもあるわけですので、財政が厳しくなってもやっぱり公助もなくならないわけですから、やっぱり公助の権限とか責任ということでやってほしいところもありますので、やっぱりこの自助、共助、公助、この三つのバランスということを考えながら、それぞれについて議論していく必要があるんではないかなと、そういったようなことで考えております。
 以上です。
073 浜田聡
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○浜田聡君 大変参考になる御意見ありがとうございます。
 次に、生水参考人にお聞きしたいんですけど、消費生活相談に関わってこられた経験を踏まえまして、ちょっとNHKの訪問員、集金人についてお聞きしたいと思います。
 私がやっぱり現在ここに座って質問させてもらえるというのは、二〇一九年の参議院選挙の結果でございます。そのときに公約として最重要視したのが、NHKの訪問員、集金人が強引な取立てをして困っている人が多い、それを我々が何とかしたいということを訴えたおかげであります。我々、今国政政党にもさせていただいて、議席もいただいておりますので、それだけNHKの訪問員に関する問題というのは関心が高いと考えております。
 そこで、生水先生にお聞きしたいこととして、消費生活相談でNHKに関する相談というのが御自身でどのくらいあったのかということと、あともう一つ、あらかじめいただいていた資料の方に、訪問販売の問題を野洲市で解決するために訪問販売登録制というのをされているというのを承知しました。この訪問販売登録制、NHKが登録されているのかということなどお聞きできればと思います。
074 生水裕美
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○参考人(生水裕美君) 消費生活相談の業務の中で今回御質問を受けまして、私の中で分かる範囲でお答えさせていただきます。
 実際、NHKの集金に関する御相談というのを受けております。ただし、この登録に、訪問販売登録制度につきましては、今回のNHKというのは放送法に基づいて位置付けられているものですので、野洲市の訪問販売登録の制度には対象外となっております。よって、登録はされておりません。
 現場におきましては、御相談を受ける中で放送法の規定を御説明させていただくと同時に、やはり私自身も、判例ですね、裁判の行方というのを注視しているところでございます。
 以上です。
075 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 やっぱり、本日先生の言われた、滞納は困っている人のSOSであるというのが非常に重要で、私どもとしてはNHKの訪問員にその言葉を教えたいと思っております。
 最後に、駒崎参考人にお聞きしたいと思います。
 現在、国会で話題になっております離婚後の親権についてちょっとお聞きしたいと思っております。
 現在の民法は、離婚後は父、母、どちらかを親権者とする単独親権を採用しております。ただ、親権を失った親が、現状の単独親権だと養育に関わりにくくなったり、あるいは子供との交流を絶たれるということがあって、そういう問題があるからこそ、離婚後の共同親権を立法化進めてみようではないかという声がここ数年あろうかと思います。
 私の緩やかな意見としては、現時点で共同親権に移してしまうと、ちょっといろいろとそういうことに対する反発はあってしかるべきということもあって、そうであれば、現在問題となっている子供との面会交流をさせないであったり、養育費を不払などに対して罰則導入することで単独親権における問題を解決するなど進めるのがいいかなと思います。ただ、今後いろいろと議論が進む中で、単独親権のままなのか、あるいは共同親権に進むにせよ、いろんな議論があると思います。
 その中で、先生がここだけはどうしても国会で何とかしてほしい、国会議員に伝えたいということをお聞かせいただければと思います。
076 駒崎弘樹
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○参考人(駒崎弘樹君) 御質問、誠にありがとうございます。
 ちょうど昨夜、その話を梅村議員とインターネットテレビでしたところだったので、大変関心が強いんだなということを再確認いたしました。御質問ありがとうございます。
 まず、離婚後の共同親権については私は大反対の立場を取っております。
 理由を御説明します。
 皆さん、御案内の方もいらっしゃるかもしれませんけれども、結婚している間は基本的には夫婦で共同親権ですね。で、離婚後はどちらかの親、主には子供と住む同居親が親権を持つという単独親権になっています。これが今の日本の制度です。それを、離婚後も、別居している親も、子供を育てていない親も親権を持とうというのが、これが共同親権というような発想でございます。
 この親権というのは二つの概念が合わさっていて、というか、監護する、子供と一緒にいるということと、重要事項決定権というものを持ちます。この親権が重要事項決定権を持つというのがポイントでして、共同親権にした場合、離婚後も別れた夫、今便宜的に夫と言います、夫が重要事項決定権を持ち続けてしまうというのが問題です。これができると、すなわち別れた後も、どこの学校に行くのか、病気でどんな治療をするのか、どこに住むのかということを別れた夫が干渉できる、意思決定できるようになってしまうということがあります。
 そうすると、干渉し続けることができることになりますので、その余り良くない夫の場合はその拒否権を発動して、常にその別れた妻と子供に対して嫌がらせやストーカー、そうしたことができる、法的に合理的に、合法的にできてしまうようになるということがこれはとても問題です。
 よってもって、この共同親権については、もちろん、そうじゃない、とても良い、仲の良い別れたカップルですね、離婚しても仲の良いカップルにとっては何の問題もないですけれども、仲の悪い高葛藤な場合においてはとても厳しい状況になりますし、更に言うと、夫がDVをしているような場合においては地獄が別れた後も続くという状況になりますので、大変危険なものになってしまいます。よってもって、この共同親権というのは、我々DV被害者支援をしている立場にとってみては、絶対に導入してはいけないというふうに思っております。
 一方で、この面会交流、別れた後、その両親が友好的な状況であれば子供に会わせるというこの面会交流というものは是非どんどんしていけばいいというふうに思うわけなんですね。なんですけれども、この面会交流というのがなかなか難しい日本の環境ありまして、例えば安全に面会交流できるような場所が少なかったりだとか、それをあっせんしてくれるような機関というものが少なかったりということで、そうした面会交流の環境が整っていないというところがございます。そこにおいてはしっかりと国が予算を立てて面会交流を支援していくべきだというふうに思います。
 また、会えない、その子供と会いたいけど会えない、自分は何もしていないのにというような親御さんも時にいらっしゃいます。そうしたときは面会交流の調停の申立てということをしていくというべきなんですけれども、家庭裁判所がなかなか忙しかったりであるとかマンパワーが不足していて、一件一件丁寧にケースを判断できないというような状況がございます。
 ですので、そうした場合においては、家庭裁判所のマンパワーの強化ということがこの会えないという問題についてはとても重要だなというふうに思いますので、面会交流を後押ししていくためにきちんと環境を整え、そして家庭裁判所を強化していくということが真っ当な道であって、共同親権を導入するというのはいささか方向性としては違うというふうに言わざるを得ないかなというふうに思います。
 以上です。
077 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 特にDV親の問題については、私自身は慎重に議論していくべきかなと思います。
 本日はどうもありがとうございました。

第208回国会 参議院 行政監視委員会 第1号 令和4年2月14日
086 浜田聡
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○浜田聡君 NHK党、参議院はみんなの党会派所属、浜田聡でございます。
 委員の皆様には、少数会派である我々にも大会派と同じ質問時間いただきまして、誠にありがとうございます。
 あと、参考人の先生方、本当にお忙しい中、貴重な御意見お聞かせいただきまして、ありがとうございます。
 せっかくの機会ですので、私から三人の先生方に質問させていただこうと思います。
 まず、土山先生にお聞きしたいと思います。
 先生自身が特に尊敬する議員についてお聞きしたいと思います。
 先生のいただいた資料には、議員の政策力、政治力などの記述もありまして、あと、先生、学術活動と併せて政党のブレーンとしても活動されているのではと思います。これまで数多くの議員と接してこられて、数多くの選挙も見てきたのではないかと思います。
 そこでお伺いしたいのですが、個別の名前については挙げなくて、まあ挙げても挙げなくても構わないんですけれど、先生が尊敬する議員についてその理由と、あともう一つ、議員になるためのたった一つの条件、選挙に通ることなんですけれど、その議員が行っている特徴的な選挙の手法、ここで共有しておく、この場で共有して是非多くの候補者がやるべきだと思う選挙手法などあれば、御教示いただきたいと思います。
087 土山希美枝
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○参考人(土山希美枝君) ありがとうございます。
 そうですね、尊敬する議員の方というのはすごくたくさんおります。
 特に、私、いろいろな議員の方とのお出会いでは、前任校の龍谷大学のときにしておりました自治体議会の一般質問に関する研修、そうなると、党派を超えて我が町を良くしたいというお気持ちの方はたくさんおられるわけですね。それぞれ、それがお上手な方も余りお上手でない方もおられますが、そこでは、やはり我が町を良くしたいという気持ちが感じられるところがあると。
 なので、時々、議員になりたくて議員になられるのかなという方との出会いもあったりしますが、そうではなく、議員になるということは、やはり我が町の、あるいは我が県の、我が国のこの課題に対応したい、こういう困り事に直面している人のために何かをしたいという気持ちがある。そのことはまず動機としてあります。地方自治法には政治家として議員はどう動くかということは書いていないわけですけれども、しかし、現場のところでは、政策課題に対応するということを目的にして上がってこられる方が多い。
 同時に、それと同時にですね、やはり今の私たちの社会の前提として、その人が良き市民であるという市民性を持っているかというところに多くなると思います。なぜ、議員や、いろんなことの、例えばこのコロナに関しても、入院をめぐって任意の配慮がされたのではないかという議論があることがあります。なぜ問題になるか。それは市民性を持っているか。
 市民性というのは何かというと、目の前にやってくる何かよく分からない感じの人と自分がどちらが市民として偉いかということは意味がないわけですね。あなたも私も同じ市民ですよねというところになるわけです。そうした権力を持つ立場や何かの権限を行使するという立場にありながらも、その市民性、あなたと私、世の中にいるいろんな人と自分は同じ存在であるというその市民性を忘れずに、しかし、その困り事に寄り添うという活動をしておられる方を私は尊敬しておりますというところだと思います。
 また一方で、やっぱりその政策課題を目指してこられるのであるので、先ほどのEBPMでもないですが、様々なデータやファクトに応じて政策を分析して問題提起をするということが議員の方にどなたにも必要なのではないか、その問題提起で社会をつないでいく、そこに公共というものが現れるのではないかと思っております。
 ありがとうございました。
088 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございました。今後の参考にさせていただきます。
 次に、稲継参考人にお聞きしたいと思います。
 危機管理時の対応で、特に大規模自然災害時の危機管理能力の強化についてお聞きしたいと思います。
 あらかじめいただいた資料には、広域連携による改革の推進についての記述がありました。大規模災害というのは、その名のとおり大規模で被害をもたらしますので、広域連携というのはやはり意義があって、その効果として災害時の危機管理能力高めるというのは御指摘どおりだと思います。
 ただ、今後、このような観点から長期的に適切な改革が進むことは望むとともに、一方で、大規模自然災害というのは突然やってくるわけですね。不吉な言い方かもしれませんが、今日明日にでも南海トラフ巨大地震などが発生する可能性もあるわけでございます。
 そこで先生にお聞きしたいのが、先生、DX会議委員などを各自治体で務められたと聞いておりますし、あと、いろんな自治体見てこられたと思います。先生が見てこられた自治体で、この点は大規模自然災害へ備えた対応として評価できる、是非ここで共有しておきたいポイントなどありましたら教えていただきたく思います。
089 稲継裕昭
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○参考人(稲継裕昭君) 御質問ありがとうございました。
 先ほど稲城市長から御紹介ありました大規模災害時の応援職員の確保システム、これを作成するときの総務省の研究会の座長をさせていただいてもおりました。
 当時は、東日本大震災発生以降、どのように人を融通するのかということがとても大きな課題になった。姉妹都市で派遣するということがあっても、全国市長会あるいは全国町村会を通じて、あるいは全国知事会を通じてどのようにやるのかということがまだ確定していなかった時期でございます。それを踏まえて、熊本地震のときにある程度、熊本県内の自治体から派遣するということ、あっ、失礼、九州域内の自治体から派遣するということ、それから全国知事会、全国市町村会の、全国市長会のスキームで派遣するということはあったのですけれども、しかしながら、それでもまだリーダー的な役割をする人たちの部分が欠けていたということで、先ほど申し上げた応援職員確保システムを検討する研究会が設けられました。この熊本地震の教訓を踏まえて、その後、都道府県と都道府県内の市町村がセットになって派遣される、つまり、四十七の部隊とそれから政令市二十の部隊、六十七のチームをつくって、そして緊急時にそれを派遣すると、そういう仕組みが今はもうでき上がっております。
 そこも踏まえて、様々な検討で、やはり熊本県は相当議論を進められたというふうに私は承知しております。今の蒲島知事もそうですし、その部下の様々な、危機管理監がいらっしゃいますけれども、相当頑張っておられるし、熊本県の政令市である熊本市も相当その部分について議論を積み重ねてこられました。熊本地震のときの様々な記録を相当綿密に、相当緻密に残しておられますので、それは今でも皆さん活用できると思います。
 さらに、熊本地震のときにはDXが既に始まっております。これは、独立行政法人の、ツイッターが様々飛び交うときのその情報を集めて、どうやって緊急援助隊にあるいは自衛隊に情報を渡すのかという、そういう仕組みをそのときに初めてつくられ、そして実用化されています。
 そういったことも含めて、熊本地震の教訓というのは様々な自治体が活用できるものだというふうに考えております。
 ありがとうございました。
090 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 熊本の事例であったり今後のSNSに関するお話など、今後の参考にさせていただきたいと思います。
 最後に、高橋稲城市長に、稲城市における、先ほどの話と引き続いてなんですけれど、大規模自然災害時に備えた準備についてお聞きしたいと思います。
 現在三期目ということで、これまで数多く達成できたことがあるとともに、一方で、まだ整備を進めたいと思っていることもあるんではないかなと思います。
 先ほどの意見表明では、大規模災害においては広域支援の有効性について言及がありました。繰り返しになりますけど、私も同意して応援したいと思っております。長期的な視点ではそういう準備を進めていく必要があるとともに、やっぱり突然訪れますので、現時点で進めておられる対策というのもあると思います。
 そこで、是非お伺いしたいこととしては、稲城市における大規模自然災害対策として既に行っていることと、あと今後行いたいことなど、ここで共有していただければと思います。
091 高橋勝浩
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○参考人(高橋勝浩君) 私も市長になって十一年でございますけれども、当初の選挙公約でも一番大きな柱としては、東日本大震災の発災直後でありましたから、大規模災害対策ということでありまして、これまで、人口規模九万ちょっとの市でありますけれども、消防本部を単独でやっていると。その単独でやっていることについての賛否、いろんな意見もありましたけれども、やはり即応性、そして指揮を執れば一瞬で動いてくれるものを、その単独で市の消防本部を持っているという優位性はあるんだろうと思いますので、これを進めるために、第一期目の選挙公約としては、その分署、出張所、もし仮に、消防本部は一個ですけれども、消防署自体が潰れちゃった場合、バックアップがなくなってしまうということでありまして、我々の人口規模ではなかなかその出張所までは持っているところは厳しいのかもしれませんけれども、あえて二か所目の消防署を出張所として立ち上げて、まあ出張所といってもかなりの規模で、本署が潰れた場合にバックアップになるような指揮台を入れたものをつくって、これで備えたというのが一つの準備であります。
 また、消防本部の中に、これまで防災課というのは各市ではほとんど総務部とかそういうところにあるものでありますけれども、稲城市は、この消防本部を単独で持っているということの優位性を活用するために、稲城市の防災課というのは消防本部に置いております。したがって、二十四時間三百六十五日必ず人が張り付いているということであります。大規模災害が発生したとき、あるいは台風災害とかで急に参集が必要なとき、おおむね私から指示をすれば五分後には災害対策本部がひけるような状況になっています。
 この辺はかなり単独で持っている優位性なのかなと思っておりますが、さらに、広域での相互応援協定ですね、災害時の相互応援協定を増やしております。これまでは、稲城市の姉妹都市というのは北海道の大空町、女満別空港があるところなんですが、ここと広域支援ということで災害時の応援協定を結んでおりました。
 私自身は、かつては広域支援というのは余り、疑問だったわけですね。余りに遠いと大規模災害のときに果たして駆け付けられるのかどうかということがありましたが、阪神・淡路大震災あるいは東日本大震災、こういったものを経験すると、近隣では、大規模災害の場合近隣は全部潰れちゃうんですね。ですから、被害のない広域、遠いところから支援を受けた方がむしろ有効だということが気付きまして、その後、姉妹都市、友好都市、それを増やすとともに、広域支援のところを、例えば長野県の野沢温泉村であるとか福島県の相馬市、あるいは、そういうところを増やして、最近では岡山県の総社市とも応援協定を結びましたけれども、この広域で相対で支援をしようという約束をするところを少しでも増やすということ。
 さらには、これは全国市長会での取組ですけれども、対口支援、広域支援ができるようなネットワークをつくっていく、ありとあらゆるルートをつくって、受援訓練も備えております。応援するだけじゃなくて、救助隊ですね、それを受け入れる訓練などもして備えているというようなことが対応しているところであります。
092 浜田聡
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○浜田聡君 大変参考になりました。消防本部単独の話であったり防災課の話、そして広域支援の意義について、私も改めて大変勉強になりました。
 どうもありがとうございました。これで質問の方を終わります。

第208回国会 参議院 国民生活・経済に関する調査会 第3号 令和4年2月16日
098 浜田聡
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○浜田聡君 NHK党、参議院みんなの党会派所属、浜田聡でございます。
 三人の参考人の先生方、本日、どうも大変貴重な意見ありがとうございました。
 せっかくの機会ですので、私の方から三人の先生方、いずれにも質問させていただこうと思います。
 まず、今村先生にお聞きしたいと思います。不登校と家庭の因果関係についてお聞きできればと思います。
 先生の子供のことを考えての活動に感謝と敬意を表します。数多くの子供、そして家庭を見られてきたのではないかと思います。そういった経験を踏まえて、不登校が家庭の貧困につながるという点についてもう少しお聞きできればと思います。
 鶏が先か卵が先かという話になるかもしれませんが、不登校が貧困につながるとあったんですけれど、もしかするとそれよりは全ての原因が貧困なのではないかという視点についてお考えをお聞きしたいと思います。ちょっと誤解を恐れずに言えば、解決すべきというのは不登校ではなく貧困であるという視点の是非についてお聞きできればと思います。
099 今村久美
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○参考人(今村久美君) まだ不登校の、なぜ不登校に、人は不登校になるのかということの原因分析にきちんとしたものが実はないというのが現状です。何か文部科学省のアンケートも、いつも何でこんな設問項目なのかなみたいなものも含めてばらばらっとやられているものもあって、余り何が原因なのかが一概に言えないというのが現状です。
 そんな中で、先ほどお示しした二つのエビデンスでいうと、不登校が原因で貧困に陥る方も大変多いですし、一人親世帯の方が十分な支援が得られないことで子供が不登校になるというケースもあるんですけれども、一方、全部が貧困とリンクしているかというとそうでもないということも言えています。
 これも一概に言えないんですけれども、発達障害の子供の数が爆増しているということが、これも一つの原因かと思っています。発達障害というのは社会的に認知をされてきたのでその認定が進んでいるという面もあるんですけれども、負の側面としては、これも仮説程度の研究しか発見できなかったんですけれども、晩婚化といいますか、二十八歳から三十二歳の、二十八歳と三十二歳の初めて子供を産む御家庭の差が、三倍から五倍ぐらい発達障害のお子さんの割合が多くなっているんです。この二十年で四歳程度初婚、あっ、初産の年齢が今引き上がっている中で、もしかすると、私も三十四歳で初めて子供を産んだんですけれども、晩婚化と、初めて子供を産む、働いている女性たちがそのタイミングが遅いというのももしかしたら発達障害の子が増えている原因かもしれないと言われていて、それが一つの原因で不登校が増えているのであれば今後はもっと増えるだろうということが予想できるので、経済的支援以外にも観点は必要かなと思っています。
100 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 次に、原田参考人にお聞きしたいと思います。
 このコロナ禍が今後更に続いた場合の長期的な社会的孤立などの対策についてお聞きしたいと思います。
 二〇二〇年からコロナが問題となって、まあ二年以上になるわけですね。このコロナというのは人から人へと伝播する感染症ということで、感染を防ぐためには人と離れている必要があるわけで、社会的孤立というのがこの感染症によって問題が更に加速される一面があるんじゃないかなと思っております。
 コロナ前に問題となった新型インフルとかSARSとかMERSというのは幸いにも終息したんですけれど、このコロナはいまだに終息しておりません。既に二年超えて長期となっているわけですが、もしかすると、今後十年、二十年と続くかもしれないと思うわけですね。私は、このコロナ禍というのは本当に超長期的な視点が必要だと考えているわけでございます。
 先生、各種の会で有識者としていろいろと関わってきておられる中で、肌感覚でいいのでお聞きしたいんですけれど、各会で議論されていることについて、このコロナ禍が、まあ大げさに言えば永遠に続くような長期的な視点からなされているのかということについてお聞きできればと思います。もう少し分かりやすく言えば、先生の問題意識の中にコロナ禍がもう何十年も続くという視点についての是非についてお聞きできればと思います。
101 原田正樹
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○参考人(原田正樹君) ありがとうございます。
 地域福祉の視点というところに限って言いますれば、多分経済的な対策と感染対策の二者択一というよりは、今議員からの御質問もあったように、社会的孤立という、コロナ禍でのつながりの喪失というのが非常に大きな課題でもあり、テーマでもあると思っております。
 この社会的孤立というのをコロナ禍でどう防いでいくか。実は、コロナ禍での生活困窮というのは非常に今議論になっていますけれども、もう一方で、コロナ禍における社会的つながりが喪失しているというところへの施策というのが十分にまだ展開されていない。そういう意味では、地域活動であるとかいろんなボランティア活動そのものも全て止まってしまった中で、じゃ、どういう、そういう支援ができるのかというところは併せて考えていくことがこれから中長期でコロナがもし継続したときに考えていかざるを得ないテーマになるかなと思っております。
102 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 コロナに関係なく、社会的孤立というのは問題になっていくと思いますので、今後の活動、期待をしております。
 最後に、朝比奈参考人にお聞きしたいと思います。
 先生が支援に関わってこられた中で、特に印象に残っている、もしあれば、支援して本当に良かった、明るい気持ちになれるような事例をお聞きしたいと思うんですね。
 少し恐縮ながら、我々の話をさせていただきますと、我々、NHK党ということで、NHKの名前があるわけです。NHKの問題をもちろん最重要として考えているわけなんですけれど、社会のセーフティーネットについても非常に重要視しているわけでございます。
 それは、ちょっとこれまでの党の経緯と深いつながりがあるわけなんですが、我々、二〇一九年の参院選で国政政党にしていただきました。おかげさまで、それでここで質問させていただいているわけでございます。その中心となったのが党首の立花孝志という者なんですね。彼、元NHK職員で、高卒入社ながらNHK会長の側近になるほど出世しました。順風満帆な一方で、NHK内部の腐敗に我慢できず、内部告発をして、その後退職して、地方で政治団体立ち上げて、数年後、国政政党を達成したということでございます。
 彼いわく、社会のセーフティーネットがあるからこそ、NHKの身分を捨ててという、捨てるというリスクが取ることができた、そういう原動力となったと話しているわけでございます。セーフティーネットが起業の際の原動力となるかどうかについては、まあ一般的とは言い難いかもしれませんが、我々は、セーフティーネット、そういう一面はあるのではないかと考えております。
 こういうのはちょっと極端なのかもしれませんが、朝比奈参考人がこれまで支援に関わってきた中で、支援して本当に良かった印象的な事例が教えていただければと思います。
103 朝比奈ミカ
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○参考人(朝比奈ミカ君) 御質問ありがとうございます。
 今のお話の中で、いわゆる制度としてのセーフティーネットということをおっしゃられましたので、一方で、私たち、社会的孤立という文脈で今強調されている人のセーフティーネットということでお話をさせていただこうと思います。
 中核センター事業が始まった当初、御家族を不幸なことにいろいろなアクシデントに見舞われて次々と亡くされた十九歳の女性と出会いました。御親族の関係でも、遠縁の親戚の人たちが十代の子が一人残されたということで集まってきたんですが、不幸なことに経済的な課題を抱えた身内の方が多かったので、彼女のところに残された財産を狙われるなどして、公的な立場としては、そこも含めて守っていかなければならないという状況でした。
 ただ、過酷な状況の中で、その方の主治医の先生からは回復には十年掛かると思ってくださいというふうに言われて、その十年、断続的につながり続けたんですけれども、途中で思い詰めて自殺を図ろうとしたりですとか、それから仲よしのお友達ができたら別れたりですとか、様々な出会いと別れ、それからまたいろんなアクシデント、ライフステージに伴うものもありました。
 確かに、振り返ったら、十年たったら落ち着いたなというふうに思いましたのと、少しずつ彼女自身が信頼できるかもしれないという関係を周りに築くことができて、本当にささいなことだったんですけれども、飼っている犬のペット仲間、お散歩仲間だったり、そんなところから少しずつ人への信頼ということを回復していって、今、様々な出会いの中で、自分の家族を築くに至っています。
 今は細々と、時々元気かどうかというぐらいの連絡は取り合っていますけれども、やっぱり、様々な人との出会いの中で生きていこうという意思を持っていただくというのが、一番私は印象に残っている相談事例になります。
 ありがとうございます。
104 浜田聡
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○浜田聡君 大変貴重な事例教えていただきまして、ありがとうございます。
 三人の先生方、どうもありがとうございました。私からの質問、以上になります。

第208回国会 参議院 北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会 第3号 令和4年3月11日
174 浜田聡
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○浜田聡君 NHK党、参議院会派みんなの党、浜田聡です。
 十一年前の三月十一日、東日本大震災で亡くなられた方々の御冥福をお祈り申し上げますとともに、御家族の方々に心よりお悔やみ申し上げます。
 そして、北朝鮮によって拉致された方々が一刻も早く帰国できますよう、私自身、尽力していくつもりです。委員の皆様、そして政府の皆様、どうぞよろしくお願いいたします。
 先日の委員会での松野担当大臣の御発言の中に、拉致問題解決のために若い世代への啓発活動が重要である旨の御発言がありました。私もその旨には大いに賛同するところでありまして、今回、拉致問題に関する若い世代への啓発、特にその啓発内容について提案する形で質問させていただきたいと考えております。
 さて、この拉致問題について、過去を少し振り返ってみます。
 一九七〇年代から一九八〇年代にかけ、多くの日本人が不自然な形で行方不明となりました。日本の当局による捜査や亡命北朝鮮工作員の証言により、これらの事件の多くは北朝鮮による拉致の疑いが濃厚であることが明らかになりました。一九九一年以来、政府は機会あるごとに北朝鮮に対して拉致問題を提起しましたが、北朝鮮側はかたくなに否定し続けました。しかし、北朝鮮は二〇〇二年九月の第一回日朝首脳会談においてようやく初めて拉致を認め、謝罪、再発防止を約束し、同年十月には五人の拉致被害者が二十四年ぶりに帰国することとなりました。
 ここで第一回日朝首脳会談で拉致問題が存在することが確定し、国民の知るところとなったわけですが、その前について目を向けてみますと、あっ、失礼、それまでは多くの日本人にとっては拉致問題の存在ははっきりしていなかったと思われます。
 そんな中での国内政治について目を向けてみますと、いわゆる五五年体制で長らく野党第一党であった社会党が一九九六年に社会民主党へと党名変更をしたと承知しております。その翌年、一九九七年に、社会民主党の機関誌である月刊社会民主七月号には日本人として理解し難い記載があり、それをここで共有するために読み上げます。
 二十年前に少女が行方不明になったのは紛れもない事実である。しかし、それが北朝鮮の犯行とする少女拉致疑惑事件は新しく創作された事件というほかない。拉致疑惑事件は、日本政府に北朝鮮への食料支援をさせないことを狙いとして、最近になって考え出された、発表された事件なのである。
 このように、一九九〇年代後半において、当時の社民党はその機関誌の中で、機関誌などで拉致問題は存在しない旨の見解を示したと考えられます。
 そこで、松野大臣にお聞きします。国政政党がこのような見解を示したことに関する御意見を聞かせていただきたく思います。
175 松野博一
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○国務大臣(松野博一君) お答えをさせていただきます。
 過去、ある政党から示された見解について、政府としてコメントをすることは差し控えさせていただきたいと思います。
 日本政府としては、一九九一年以来、機会あるごとに北朝鮮に対して拉致問題を提起をいたしましたが、北朝鮮側はかたくなに否定し続けました。しかし、北朝鮮は二〇〇二年九月の第一回日朝首脳会談においてようやく初めて拉致を認め、謝罪し、再発防止を約束をしました。しかしながら、二〇〇二年に五人の拉致被害者が帰国されて以来、一人の拉致被害者の帰国も実現をしていません。
 政府としては、認定の有無にかかわらず、全ての拉致被害者の一日も早い帰国の実現に向け、あらゆるチャンスを逃すことなく、全力で取り組んでいく所存でございます。
176 浜田聡
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○浜田聡君 政府におかれましては、拉致問題に関して様々な啓発活動に御尽力いただいていることと存じ上げております。ウエブサイトやパンフレット、またアニメなどについて私も拝見させていただいております。
 いずれも力を入れて作っていただいていることは分かりますが、その内容について私から提案させていただきたく思います。こういった啓発活動の内容に、先ほど申し上げたように、拉致問題は存在しないなどの見解を示す国政政党が存在していたことを盛り込むべきと考えます。
 そこで、松野担当大臣にお聞きします。拉致問題は存在しないという見解を示す国政政党の存在を啓発内容に盛り込むという提案について、大臣の見解をお聞きしたいと思います。
177 松野博一
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○国務大臣(松野博一君) お答えをさせていただきます。
 繰り返しになりますけれども、過去、ある政党が示された見解について、政府としてコメントすることは差し控えさせていただきたいと思います。
 拉致問題の解決のためには、日本国民が心を一つにして、全ての拉致被害者の一日も早い帰国実現への強い意思を示すことが重要であり、政府としては拉致問題に関する啓発活動に力を入れて取り組んでいるところであります。このような視点から、ウエブサイトや映画等の内容は、国民の皆様に拉致問題への理解を深めていただくとともに、拉致被害者御家族の切実な思いを共有していただくようなものとしています。
 引き続き、拉致問題に関する理解と支援を得るために、拉致問題に関する啓発活動に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
178 浜田聡
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○浜田聡君 前回の委員会で大臣がおっしゃられましたように、これまで拉致問題に触れる機会の少なかった若い世代への啓発活動、重要と私考えます。若い世代が知っておくべき重要事項としてこういった内容を啓発すべきであると改めて申し上げまして、次の質問に移ります。
 次に、全国各地にある朝鮮学校の教育内容に関する話題となります。
 二〇一六年九月に、東京都の小池百合子知事が、朝鮮学校が朝鮮総連の強い影響下にあると結論付けた平成二十五年の都調査報告書をウエブサイトに再掲載しました。この報告書は現在もインターネット上で見ることができまして、是非とも多くの国民に見てもらいたいと私は考えております。
 この報告書内に、朝鮮学校内において拉致問題に関する教育内容について推察される部分がありましたので、その部分を読み上げます。
 二〇〇二年九月、朝日平壌宣言発表以後、日本当局は拉致問題を極大化し、反共和国、反総連、反朝鮮人騒動を大々的に繰り広げることによって、日本社会には極端な民族排他主義的な雰囲気が醸成されていった。
 このように、日本が拉致問題を極大化という記述が高校三年生の現代朝鮮歴史の教科書に記載されていたとのことです。
 拉致問題に関してこのような内容を日本国内の学校で教えるということについて、私は理解し難いものがあります。今回紹介した報告書を小池都知事が再掲載したことは、拉致問題解決に向けた自治体からの働きかけとして私は高く評価したいと思います。
 ここでさらに、各自治体による各種学校への助成金について取り上げたいと思います。
 今回の報告書にあるような内容の教育を生徒にしている可能性のある朝鮮学校には各地の自治体において助成金が出ておりますが、その助成はそもそも適切なのか、助成そのものを見直すべきなのか、私は考えております。
 本日、この報告書、そして朝鮮学校について質問させていただくために、鰐淵文部科学大臣政務官にお越しいただいております。二点お聞きしたいと思います。
 一つは、この報告書の内容について、政務官の見解を教えていただきたく思います。
 二点目として、朝鮮学校への助成についての見解について教えていただきたいと思います。
179 鰐淵洋子
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○大臣政務官(鰐淵洋子君) お答えいたします。
 まず、東京都が公表しました調査報告書に対しての見解についてお答えさせていただきます。
 朝鮮学校を含む各種学校の教育内容につきましては、各学校の自主性に任されておりまして、都道府県がその認可を行っております。このため、文部科学省としましては、朝鮮学校における教育内容についてお答えする立場になく、御指摘の調査報告書の内容について見解を述べることは差し控えさせていただきます。
 次に、朝鮮学校への助成について御質問いただきました。お答えさせていただきます。
 文部科学省としましては、原則として朝鮮学校への補助金の交付は行っておりません。ただし、新型コロナウイルス感染症の感染を防止する子供への人道的な観点及び国民の安全を守る保健衛生の観点から、朝鮮学校を含む外国人学校に対して感染症対策のための補助金の交付を行っております。一方、地方自治体では、その判断と責任において朝鮮学校に対する補助金の交付が実施をされていると承知をしております。
 文部科学省におきましては、平成二十八年三月に、朝鮮学校に係る補助金の交付に関しまして、朝鮮学校の持つ特性も考慮の上、補助金の公益性、教育振興上の効果等に関する十分な検討、また、補助金の趣旨、目的に沿った適正かつ透明性のある執行の確保、また、補助金の趣旨、目的に関する住民への情報提供の適切な実施、このようなことにつきまして御留意いただきたい旨の通知を朝鮮学校の各種学校認可を行っている都道府県の知事宛てに発出をさせていただいております。
 地方自治体におきましては、引き続き補助金の適正かつ透明性のある執行の確保等に取り組んでいただきたいと考えております。
180 浜田聡
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○浜田聡君 各議員、各政党で様々な考え方があるのは当然であると考えます。私は、日本の国会議員として、日本の国内の学校において拉致問題に関して日本として看過できない内容の教育が行われている可能性について、いま一度皆様に御確認いただきたいと思い、今回取り上げさせていただきました。
 今回の質問では、拉致問題解決に向けて、国内の政党の出した見解、そして朝鮮学校について取り上げさせていただきました。両者に共通することは、国内のことであるということです。
 北朝鮮に対して直接働きかけることについてはもちろん努力すべきと考えますが、一方で、海を隔てている他国でありますので、なかなか難しい側面もあると思います。しかし、今回指摘したような国内の問題であれば、積極的に取り組むことは十分可能であると考えます。
 そこで、最後に松野大臣に、これまでの議論を踏まえた上で、拉致問題解決への意気込みを聞かせていただきたいと思います。
181 松野博一
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○国務大臣(松野博一君) お答えさせていただきます。
 委員から御指摘がありました朝鮮学校に関わる補助金交付の件につきましては、各地方公共団体において、学校運営の状況等を踏まえつつ、当該補助金の趣旨、目的に沿って適切に対応されるものと考えています。
 拉致問題は岸田内閣の最重要課題であります。私自身、内閣の重要政策の総合調整を担う内閣官房長官と拉致問題担当大臣を兼ねる立場として、全ての拉致被害者の一日も早い帰国を実現すべく、政府一丸となって拉致問題に取り組んでまいりたいと考えております。
182 浜田聡
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○浜田聡君 今後も拉致問題解決に向けて国民の皆様とともに尽力していくことを誓いまして、私の質問を終わります。
 御清聴ありがとうございました。

第208回国会 参議院 財政金融委員会 第3号 令和4年3月15日
153 浜田聡
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○浜田聡君 所属政党NHK党、参議院会派みんなの党、浜田聡でございます。
 参議院財政金融委員会、私の質問は恐らく昨年五月以来でございます。委員長、委員の皆様、そして鈴木大臣、政府の皆様、よろしくお願いいたします。
 まず、この委員会で他の委員も取り上げておられましたが、昨年十月に文芸春秋に掲載された論文について取り上げたいと思います。「財務次官、モノ申す「このままでは国家財政は破綻する」」というタイトルで、財務省矢野康治事務次官が書かれたものでございます。内容はともかく、現役の官僚中の官僚である財務省の事務次官が書いた論文ですから、国民の影響が大きいことは容易に想像できます。
 国家公務員法第百二条というものがあり、その条文を読み上げます。
 職員は、政党又は政治的目的のために、寄附金その他利益を求め、若しくは受領し、また何らの方法をもってするを問わず、これらの行為に関与し、あるいは選挙権の行使を除くほか、人事院規則で定める政治的行為をしてはならないとあります。
 この国家公務員法百二条について人事院が解説した資料を見ますと、政治的目的を有する文書の発行が制限される行為として挙げられております。しかも、刑事罰まで規定されております。
 この論文には、繰り返し、官僚は政治家に物言う犬でなければならないと自身のポリシーを述べられております。その上で、意に沿わない政治家の施策を非難し、国民を不安におとしめる財政論を展開しております。これは典型的な政治的な行為であり、職名、職権の影響力を利用した行為であると考えます。鈴木大臣は、職務上必要な手続を取っており問題のない行為だとしておりますが、法律の条文上においては看過される行為ではないと考えます。
 官僚とは、国民の税金を預かり管理する人です。使い道を決めるのは、国民の代表である我々政治家です。その政治家の決め方に異論があるということで雑誌で堂々と物申したということなので、その気概があるなら議会に出てきて説明、答弁すべきと考えまして、今回、矢野康治財務事務次官にこの委員会での質問を通告させていただきました。
 ただ、財務事務次官が国会で答弁することについて、前例から懸け離れているということのようですので、ひとまず、本日の質問において矢野次官への質問を強引に行うことは現実的ではないと判断しました。
 この関係で、まず財務省に幾つかお聞きしたいと思います。
 過去の国会におきまして、財務事務次官が国会に招集されて実際に答弁する事例があったか否かについて教えていただきたいと思います。
154 新川浩嗣
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○政府参考人(新川浩嗣君) お答え申し上げます。
 平成十三年に財務省が発足いたしましたが、それ以降、財務事務次官が国会で答弁を行った事例は把握している限りございません。
155 浜田聡
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○浜田聡君 前例がないということを確認いたしました。
 ただ、前例がないといっても、やはり、やるべきときというのは、やるべきことはしっかりとやっていくべきだと我々は考えております。
 矢野次官についてお聞きしたいと思います。
 今回の質問通告での質問内容に対して、矢野次官自身は国会で答弁をしたがっているのか、あるいは嫌がっているのか、御本人の意思を教えていただきたいと思います。
156 新川浩嗣
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○政府参考人(新川浩嗣君) お答え申し上げます。
 私どもは事務方でございますので、国会におきまして自らの個人的な意見を申し上げる立場にはございませんが、財務省といたしましては、政府参考人あるいは参考人の招致については国会の運営に関することであり、国会がお決めになることと理解しております。
157 浜田聡
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○浜田聡君 本日の委員会の前に行われました理事会で、私は、あしたの委員会での私の質問の際に事務次官に答弁をお願いすることを希望として出させていただきました。この希望に対して、他の理事の先生方から御賛同いただくこともありました。ただ、基本的には前例を踏襲するということとなり、矢野次官への、矢野次官がここに来ていただくことは実現なりませんでした。少し残念でございます。
 したがって、あしたの委員会、矢野次官に質問予定であった質問については、矢野次官の意思を確認した上で他の方に御答弁いただくことで妥協しました。あと、この件に関していろいろと各方面で御調整いただきました皆様に感謝を申し上げます。特に、本日とあしたの質問の大部分を双方チェンジすることになりましたので、本日の質問内容が前日になってしまったことをおわび申し上げます。
 次に、現在、ロシアのウクライナ侵略が問題となっておりまして、多くの国民にとって最大の関心事と言っていいのではないかと思います。そのロシアについて、ロシアが現在不法占拠している北方領土について取り上げたいと思います。
 現在、ロシアが不法占拠している北方領土については、全ての閣僚や全ての国会議員が問題意識を持っているべきという考えの下、私は財務大臣に伺っていこうと思います。
 北方領土をどうやって取り戻すかということに関して様々な考え方があるとは思いますが、私としては、ロシア国内が様々な要因で大混乱に陥った際に、そのチャンスを逃さずに取り戻すべきだと考えております。これまでにロシア国内が大混乱に陥った機会といえば、ソビエト連邦崩壊時が挙げられると思います。ソビエト連邦崩壊時は日本が北方領土を取り戻すチャンスであったにもかかわらず、それができなかったことを反省すべきではないかと思います。
 現在、ロシアがウクライナ侵略中ですが、ウクライナの抵抗、そして世界各国によるウクライナへの支援によって、ロシアによるウクライナの早期占領はかなっていない状況です。今後の状況に予断は許さないものの、戦闘が長期化する可能性はあろうかと思います。そうなった場合、ロシアが、世界各国による経済制裁によるその影響などが徐々に出てくることになります。そういったことから、今後、ロシア国内が大混乱に陥り、国として崩壊する可能性もあるのではないかと思います。仮にロシアが国として崩壊した場合、日本が北方領土を取り戻す大きなチャンスが訪れる可能性があり、私はそのチャンスを逃すべきではないと考えます。
 これに関連して、鈴木大臣に二点お聞きします。二点まとめてお聞きします。
 一点目は、一九九一年十二月、ソビエト連邦崩壊時、調べたところ、鈴木大臣は衆議院議員一期目、一九九〇年二月初当選だったと承知しております。当時、ソ連崩壊を契機に北方領土を取り戻そうという考えといいますか、国会の中での雰囲気といいますか、そういうのがあったのか、お聞きしたいと思います。
 もう一点は、仮にロシア崩壊時にはそのチャンスを逃さず北方領土を取り戻そうという考えについて、財務大臣の御意見を聞きたいと思います。
158 鈴木俊一
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○国務大臣(鈴木俊一君) この問題につきましては、所管外でありますので、財務大臣という立場でのお答えはできないわけでありますが、随分昔のことになり、記憶も定かではありませんが、あの当時、ソ連が崩壊したときに、私を含め私の周りで、この機会に北方領土を取り戻そうという、そういう議論が行われていたということは記憶にはございません。恐らく自民党の外交部会等でも、まあ一部にはあったかもしれませんけれども、そう大きな議論にはならなかったのではないかと、そういうふうに思います。
 それから、これから先どうなるのか、混乱した際にそれに乗じてというお話ございましたが、それは先生の御意見だということでお聞きをさせていただくところであります。
159 浜田聡
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○浜田聡君 北方領土をどうすべきかについては、大臣おっしゃるとおり様々な考え方があるとは思いますが、ロシアのこれまでの歴史を鑑みれば、話合いで北方領土が返ってくることはあり得ないと思います。だとすれば、私は、そのチャンスが訪れることを待ちつつ、チャンスを物にできるよう準備を進めるべきであると考えます。今後も引き続きこの旨を訴えて、国民の理解を深めていこうと思います。
 次に、日本の非核三原則について話を移します。
 ロシアのウクライナ侵略を背景に、日本でも国防や核保有に関する国民の意識が高まりつつあるのではないかと思います。今月上旬には自民党の安倍晋三元首相が、テレビの番組において、米国の核兵器の核共有政策について日本でも議論すべきだと考えを示したとされています。
 そこで、日本における核を議論する際に避けて通れない非核三原則について、政府、そして参議院事務局の方にお伺いしたいと思います。
 この非核三原則について、行政側、立法側双方の位置付けを考えてみるために、その経緯を簡単にたどってみたいと思います。
 まず、一九六七年、昭和四十二年に佐藤栄作首相によって、この非核三原則、表明されました。その後、沖縄返還を控えた一九七一年十一月に非核三原則を守るべきとする衆議院の決議が採択されました。その後、内閣はその立場を表向き堅持していると理解をしております。以上、かなり簡潔ですが、このような流れになるのではないかと思いました。
 そこで、まず外務省の方にお聞きします。
 非核三原則の経緯については、先ほど述べたような流れでよろしいのでしょうか。訂正箇所などあれば、また補足事項などあれば指摘いただきたいと思います。
160 有馬裕
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○政府参考人(有馬裕君) お答え申し上げます。
 非核三原則の経緯でございますが、委員が述べられた最初の点でございますけれども、一九六七年十二月に佐藤栄作総理が、核は保有しない、核は製造もしない、核を持ち込まない旨を表明され、一九七一年十一月に非核三原則を守るべきとする衆議院決議が採択されたと承知しております。
 政府としては非核三原則を堅持してきております。
161 浜田聡
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○浜田聡君 衆議院では非核三原則を守るべきとする決議はなされましたが、参議院ではどうなったのかというのをお聞きしたいと思います。
 参議院事務局の方にお聞きしたいんですが、参議院では非核三原則を守るべきとする決議はされたのでしょうか、教えていただきたいと思います。
162 金子真実
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○参事(金子真実君) お答えいたします。
 一九七一年十一月二十四日の衆議院本会議において非核兵器ならびに沖縄米軍基地縮小に関する決議が行われましたが、本院ではそれと同趣旨の本会議決議は行われておりません。
 なお、非核三原則に触れた参議院の本会議決議は、一九七八年の国際連合軍縮特別総会に関する決議等三件ございます。
163 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 ここで少し架空の話を想定してみます。
 参議院で例えば非核三原則とはコンセプトの異なる日本における核に関する原則というものが新たに決議されたとします。その場合、衆議院の、衆議院で決議されている非核三原則を厳守するべきという決議とどちらが優越するのでしょうか。いわゆる衆議院の優越というのはあるのでしょうか、教えてください。
164 金子真実
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○参事(金子真実君) お答えいたします。
 決議につきましては、議院の意思を表明するものとして一院限りで行われるものであり、いわゆる衆議院の優越はございません。
165 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 日本国内で核について世論がどういう方向、方針を望むようになるのかというのは、現時点では分かりません。ただ、将来的には非核三原則に代わるものが参議院で決議されることもあると思って、今回、非核三原則について幾つか質問させていただきました。
 日本の核に関する政策については、当然拒絶反応を起こす方もいることは承知しておりますが、それでも日本が今後文明国として生き残るためには必要な議論であると考えます。私の所属するNHK党は、核抑止力の観点から核共有や核保有の議論を進めていくべきであるという考えをお伝えした上で、次の質問に移ります。
 さて、日本国内において核共有や核保有の議論を進める際に、日本にとって最も連携が必要な国はもちろんアメリカであるというのは疑いの余地はないのではないかと考えます。その場合、日米における各々の国防に関する方針、計画など確認しておくことは重要であると考えます。
 そこで、ここでは日米それぞれの国家安全保障戦略について、外務省と内閣官房の方に質問させていただきたいと思います。
 日本の隣国には複数の核保有国があります。中国、ロシア、北朝鮮です。これら三国は、いずれも民主主義が機能しているとは言い難いところであります。簡単な言葉で言い換えれば、独裁と言っていい状態です。民主主義でない独裁の国であり、かつ核保有国であるという点からは、この三国は脅威となる隣国であると考えます。
 ここで、内閣官房にお聞きしたいと思います。
 日本の国家安全保障戦略において、この三国についてどのように位置付けているのか、つまり、敵か味方か、三国それぞれについて教えていただきたいと思います。
166 加野幸司
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○政府参考人(加野幸司君) お答え申し上げます。
 お尋ねの国・地域につきまして、平成二十五年に策定されました現行の国家安全保障戦略における位置付け、申し上げさせていただきます。
 まず、中国につきましては、その対外姿勢、軍事動向等は、軍事、安全保障政策に関する透明性の不足と相まって、我が国を含む国際社会の懸念事項となっており、中国の動向について慎重に注視していく必要があるという旨を記載してございます。
 次にロシアでございますけれども、安全保障及びエネルギー分野を始めあらゆる分野で協力を進め、日ロ関係を全体として高めていくことは我が国の安全保障を確保する上で極めて重要であるという旨を記載してございます。
 最後に北朝鮮でございますけれども、核・ミサイル開発問題は、国際社会全体の平和と安定に対する重大な脅威であるという旨を記載してございます。
 その上で、国家安全保障戦略におきましては、特定の国や地域を敵、味方というふうに位置付けることはしておりませんで、あくまでそれぞれの国や地域に関する安全保障環境上の情勢や認識等について記載をしているということでございます。
 年末に向けまして、新たな国家安全保障戦略の策定に際しましては、この八年間の様々な安全保障環境上の変化を踏まえまして、それぞれの国・地域についてどのように記載していくのかを含め議論してまいる考えでございます。
167 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 私の考えとしては、繰り返しになりますが、やはり脅威となる国、言い換えれば、脅威となる国についてはやっぱりほぼほぼ敵国と捉えております。もちろんそうでないという考え方も理解は示しますが、とはいえ、中国であっても、やはり、慎重という言葉があって、確かにそのとおりだと思いますが、パートナーなどと表現することについては注意が必要なのではないかと考えております。
 次に、米国の国家安全保障戦略におけるこの三国の位置付けについて外務省にお聞きしたいと思います。米国は大統領選挙の結果いかんで方針が大きく変わる可能性があるので注意が必要だと思って、この場で確認していこうと思います。
 米国の国家安全保障戦略において、中国、ロシア、北朝鮮をどう捉えているのかについて、政府の把握しているところを教えていただきたく思います。
168 有馬裕
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○政府参考人(有馬裕君) お答え申し上げます。
 二〇二一年三月三日にバイデン大統領が発表した国家安全保障戦略暫定指針において、中国は、安定して開かれた国際システムに深刻な挑戦を呈し得る経済、外交、軍事、技術力を有する唯一の競争相手である旨記述しております。
 また、ロシアは、引き続きグローバルな影響力を増進させ、国際社会において混乱をもたらす役割を果たす意思を有している旨記述しております。
 北朝鮮については、米国の同盟国及びパートナーを脅かし、地域の安定に挑戦している旨記述しております。
169 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 今後も日米同盟によって日本の安全を保持していくためには、日本の国家安全保障戦略における三国の位置付けについては米国のものと合わせるべきではないかと考えております。
 日本の方では中国について余り敵視するような表現ではなかったと思いますが、一方アメリカは、それなりに敵視している、中国を敵視しているような表現も見受けられます。
 そこで、先ほど、もう繰り返しになりますが、日本の国家安全保障戦略における三国の扱いについて米国のものと合わせるべきではないかと考えるんですが、これについて政府の見解を教えていただきたく思います。
170 加野幸司
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○政府参考人(加野幸司君) お答えを申し上げます。
 新たな国家安全保障戦略の記載内容につきましては、現在検討中でございますので、予断をするということについては差し控えさせていただきます。
 その上で、日米間におきましては、本年一月の2プラス2、その共同発表におきまして、日米の戦略を完全に整合させ、共に目標を優先付けることによって、同盟を絶えず現代化し、共同の能力を強化する決意を表明したところでございます。こちらにつきましては、三国間についてだけということではございませんけれども、いずれにつきましても、もとより日米間では平素から様々なやり取りを行っているところでございまして、新たな国家安全保障戦略の策定につきましても、日米2プラス2の共同発表も踏まえて議論をしてまいりたいというふうに考えております。
171 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 アメリカ議会では、バンデンバーグ決議というものが採択されていると承知しております。この中に含まれている内容の一つとして、アメリカは自国防衛に尽力しない国の援助はしないというものがあり、日米安保条約にも関係していると承知をしております。したがって、日本の国防をアメリカに頼りきりというのはあり得ないことであり、日本は自衛力をしっかりと高める必要があると考えます。国民それぞれが、自分の国は自分で守るという意識を高めていくことが重要であることを付け加えさせていただきまして、次の質問に移ります。
 次に、岸田政権の掲げる新しい資本主義と関連することについてお伺いしたいと思います。とはいえ、新しい資本主義がどうこうというよりも、これと関連してよく言われるキーワードに新自由主義からの脱却という言葉が度々使われており、ここではこちらを取り上げたいと思います。
 新自由主義の定義についてはここではどうこう言うつもりはありませんが、私はこの新自由主義からの脱却という言葉がおかしいのではないかと思っております。
 どういうことかといいますと、いわゆるこの三十年、失われた三十年と言われまして、経済成長はほとんどしなかったわけです。その間、税金や社会保険料の負担は上がる一方です。国民負担率が右肩上がりで、国民の自由に使えるお金がどんどん減っていると言えます。そして、国民の経済活動を縛る原因となる規制がどんどん増えております。
 一年以上前の財政金融委員会で私が取り上げたことなのですが、総務省の行政評価局の公表している資料に、許認可等の根拠条項等数の推移というものがあります。それによると、平成十四年に一万個ほどだったものですが、平成二十九年には一万五千まで許認可等の根拠条項等数が増えております。つまり、一日一個ぐらいのペースで国民の自由を縛る規制がつくられていると言えるのではないかと思います。
 このように、国民の金銭的な負担や経済活動を縛る規制が増える一方で、国民の自由がどんどん奪われているわけだと考えます。このように、自由が奪われている中で新自由主義からの脱却というのが大きな違和感があるということでございます。
 そこで、財務大臣にお聞きします。
 この数十年間政府がしていること、国民負担率を増加させたり規制を増加させたりということについて、国民の自由を奪っているという認識があるのかどうか、教えていただきたいと思います。
172 鈴木俊一
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○国務大臣(鈴木俊一君) 浜田先生御指摘のような、負担率や規制の増加によりまして国民の自由を奪ってきているかどうかにつきましては一概には評価しづらいと認識をしておりますが、まず負担率につきましては、確かに社会保障負担や租税負担の増加により国民負担率の上昇が生じていることは、これは事実でありますが、これは高齢化の進展等を背景とした社会保障給付の増大等を反映しているものであり、負担率の増加は国民に恩恵のある社会保障給付の増大と一体となっていることと併せて評価されるべきであると思っております。
 また、規制に関しましては、そもそも規制とは一般に国や地方公共団体が国民や企業の活動に対して特定の政策目的のために関与、介入するものを指すと考えられますが、その多くは国民や企業の権利を保護することを目的とするものであることに鑑みれば、規制の数のみを捉えて国民の自由を奪っているとの評価は必ずしも適当ではないのかと考えております。
 その上で、岸田政権では、新自由主義的な考え方が主流となって、それが世界経済の成長の原動力となった反面、格差や貧困が拡大するなど様々な弊害を生んだとの認識の下、新しい資本主義の実現を目指し、社会課題を解決しながら持続可能な経済社会を実現していきたいと、そのように考えております。
173 浜田聡
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○浜田聡君 新自由主義という言葉については、小泉、竹中というキーワードが出されて、批判の対象になることもあって、私も新自由主義に戻せとは言いません。ただ、少なくともこの三十年間、少なくとも金銭的な自由は失われていると考えますので、自由を尊重するような考え方、自由主義は大事にしていくべきであるということを申し上げて、次の質問に移ります。
 次に、日本が経済成長をするために重要なこととして、政府の数値目標について、その考え方について大臣にお聞きしたいと思います。
 日本国の経済成長のためには、国民のいわゆるマインド、言い換えると期待感というものが重要であるというのは多くの方に御理解いただけるのではないかと思います。
 例えば、第二次安倍政権では、アベノミクスということで年率二%のインフレ目標を示しました。年率二%という具体的な数値目標と言えます。このように、具体的な数値目標があるからこそ、当時デフレと言っていいような状況で苦しんでいた国民が期待を持つことができ、結果として経済が上向いたのではないかと思います。もちろん、この年率二%の目標は達成がなかなか難しい状況であるというのも事実です。ですが、数値目標があるからこそ、達成できないのはなぜなのかということで、様々な対策を考える契機にもなるという側面があると思います。
 そこで、財務大臣にお聞きします。
 政府が経済に関して数値目標を打ち出して国民に期待を持たせることの是非について、お聞きしたいと思います。
174 鈴木俊一
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○国務大臣(鈴木俊一君) 御指摘のとおり、経済に関しましては、実体経済の状況に加えて、企業や家計の経済活動に対するマインド、期待感、これも重要であると考えております。
 その上で、骨太の方針二〇二一では、デフレ脱却、経済再生に取り組み、実質二%程度、名目三%程度を上回る成長、名目GDP六百兆円経済の早期実現を目指すことを数字としても掲げているところでございます。
 まずは、我が国経済をコロナ前の水準に戻すよう立て直していくことに専念しなければならないと考えておりまして、新型コロナウイルス感染症対策に万全を期しつつ、感染症による危機を乗り越えて、新しい資本主義に向けて成長と分配の好循環を実現してまいりたいと思っております。
175 浜田聡
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○浜田聡君 大臣のおっしゃるように、政府の立てている数値目標に対してはしっかりとやって、取り組んでいただきたいとは思っております。
 一方で、数値目標が重要であるという考えの下、私からも国民負担率に関して数値目標の御提案をさせていただきたいと思います。
 各種資料によりますと、二〇二一年度の国民負担率は四八・〇%、前年度から〇・一%増とのことです。国民からすると稼ぎの約半分が国に持っていかれる状況でありまして、こんな状況で消費も投資もやる気が出ないのではないかと思います。経済成長しないというのは当然であると考えます。
 ここで高度経済成長期に目を向けたいと思います。一九六〇年代は日本の経済成長率が年平均一〇%を超えて、諸外国にもなかなか例を見ない急速な成長を遂げました。この時期の国民負担率は現在の半分程度であったと承知をしております。
 そこで、突然ですが、一つ提案させていただきます。
 現在四八%という高水準の国民負担率を半減する目標として、国民負担率半減計画などを出してみてはいかがでしょうか。仮に国民負担率が半減すれば、国民の可処分所得は大幅に増えて、消費や投資も増えて経済活性化が期待できるのではないかと思います。大臣、お願いします。
176 鈴木俊一
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○国務大臣(鈴木俊一君) 国民負担率の水準と経済に与える影響につきまして、これを一概に申し上げることは困難であると考えます。仮に御指摘のように国民負担率を半減したとしても、それがどのような経済効果をもたらすかについて確たることは申し上げることができないところです。
 その上で、国民負担率の水準につきましては、国民が望む社会保障給付や行政サービスの水準に応じて決まっていくものでありますので、現状、あっ、決まっていくものでありますが、現状、日本は給付に見合う負担を現在世代で確保できておらず、赤字国債を通じて現在世代への給付に必要な経費の負担を将来世代に先送りしている状況となっております。こうした中、給付等の水準を維持しつつ国民負担のみを半減したとしても、財政の持続可能性に対する懸念を一層増大させることになると考えます。
 次の世代に未来をつないでいくため、社会保障の持続可能性を高める改革など、今後も歳出歳入両面の改革の取組を続け、経済再生と財政健全化をしっかりと進めていくことが重要であると、そのように考えております。
177 浜田聡
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○浜田聡君 まあ何となく予想どおりの答弁ではありますが、ただ、私としては、現状の日本の国民負担率は異常に高い、高過ぎるということを申し上げた上で、次の質問に移ります。
 次は、税の、いわゆる税の基本原則、公平、中立、簡素についてお聞きしたいと思います。
 この税の基本原則については、内閣府、財務省、いずれのウエブサイトにも掲載されており、私、確認の方させていただきました。そこの解説に次のような記載があります。公平、中立、簡素、三つを同時に成立させるのは難しいということであります。そうであれば、どれかポイントを絞って重視すると、すべきという考え方もできるんではないかと思います。
 そこで、まず財務省にお聞きします。この税の基本原則、公平、中立、簡素のうち、この三つのうち財務省が最も重視するものはどれでしょうか。
178 住澤整
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○政府参考人(住澤整君) お答え申し上げます。
 内閣府のウエブサイトに掲載されております平成十二年七月の政府税制調査会の答申の御指摘だと思いますけれども、この中では確かに、公平、中立、簡素のこの三つの原則については、常に全てが同時に満たされるものではなく、ある程度トレードオフの関係に立つ場合もあるという記述があるのは事実でございます。ですので、全ての場合において排他的であるということではないと受け止めております。
 この重点の置き方という御質問でございますが、やはり様々な状況にある人々がそれぞれの負担能力に応じて分かち合うという意味で公平の原則が税制の基本原則の中でも最も大切なものであるというふうには考えてございますが、中立性でありますとか委員御指摘の簡素性といった視点も欠かすことのできない重要な原則であるというふうに認識をいたしております。
179 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 先日の参議院本会議で、ここにおられます浅田委員がこの税の基本原則について取り上げておられました。この浅田委員がおっしゃられたことについては注目していきたいと思うんですね。
 浅田委員が本会議で言われたことについては、この順番が注目すべきと思います。内閣府とか財務省では、公平、中立、簡素と、そういう順番なんですけれど、浅田委員は、簡素、公平、中立と指摘をされたんですね。私も浅田委員の考えに同意するところなんでございますが、どういうことかといいますと、やはり私は簡素を最も重視すべきだと考えます。税は簡素で理解しやすいものでなければ、公平であるか、あるいは中立か、中立なのかどうかという判断が難しいのではないかと思います。
 したがって、税の基本原則としては、やはりその順序を簡素を第一に持ってきて、簡素、公平、中立とすべきではないかと考えるんですが、この考えについて財務省の考え、聞かせていただきたいと思います。
180 住澤整
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○政府参考人(住澤整君) 委員御指摘のとおり、税制を簡素で分かりやすいものとすべきという考え方につきましては、税制の在り方を考える上で重要な考え方の一つであるというふうに受け止めてございます。このため、税制の公平性を確保する上であっても、その必要性の限度を超えて過度な複雑なものとなるような税制を構築することは避けるべきというふうに考えております。
 一方で、先ほど申し上げましたとおり、公平性の原則は税制の基本原則の中でも最も大切なものだと考えておりますので、簡素性を優先する余り公平性が著しく損なわれるということは適当ではないと考えております。
 いずれにしても、分かりやすくこの税制の仕組み、内容を国民の皆様に説明をし、御理解いただくことは重要であるというふうに考えております。
181 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 様々な考えがある中、やはり私は簡素が重要であると考えております。簡素でないことによって様々な日本国内における弊害が出ているのではないかと思っております。
 改めまして、この三原則については、簡素、公平、中立の順番にすべきであると申し上げて、今回の質問については終わらせていただきます。
 引き続き質問を、所得税法改正案について質問があったのですが、切りのいいところでございますので、続きはあしたさせていただきたいと思います。
 御清聴ありがとうございました。

第208回国会 参議院 財政金融委員会 第4号 令和4年3月16日
250 浜田聡
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○浜田聡君 NHK党、参議院会派みんなの党、浜田聡でございます。昨日に引き続き、質問の方をよろしくお願いいたします。
 質問に先立ちまして、昨日、私、委員会で、税制は簡素にすべしと申し上げました。この点に関して主税局の方から、税制の簡素さの重要性、御理解いただく御答弁いただき、感謝申し上げます。
 複雑な税制というのは、各事業者が対応を迫られること自体ですね、それ自体、何か生産するものではありません。それに対応が必要ということで、生産性を低下させる要因になっております。また、複雑な税制というのは腐敗の温床にもなり得ると思いますので、本日の委員会でも、そして、それ以降でも、私、繰り返し、税制を簡素にすべしということをしつこく訴えていくかと思いますが、御容赦いただきたいと思います。
 では、質問の方、入っていこうと思います。
 まず、今回の改正案の中の住宅ローン減税の控除率引下げについてお聞きしたいと思います。
 今回の税制改正においては、住宅ローン減税控除率を、いわゆる逆ざや対策として、一%から〇・七%に引き下げられることになっていると承知しております。この控除率引下げは、実質増税に該当するかと思います。一方で、この控除の期間については延長がなされるとのことで、こちらは減税に該当すると言えるんじゃないかと思います。
 このように、増税と減税を組み合わせる形でバランスを取られているようには思うんですが、私としては、どうしても控除率引下げに目を奪われて、住宅販売など影響が懸念されるんではないかと感じるところでございます。
 そこで、財務省にお聞きします。
 この控除率引下げについて、住宅販売業界などからは御意見伺っているのかどうか、伺っている場合、どういう意見があったのかについて教えていただきたく思います。
251 住澤整
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○政府参考人(住澤整君) お答え申し上げます。
 この住宅ローン控除の見直しに当たりましては、国土交通省におきまして、業界等からの声について丁寧にお聞き取りいただいた上で、私どもも国土交通省と相談をさせていただいたところでございます。
 今般の改正に当たりまして、昨年の令和三年度与党税制改正大綱におきまして、いわゆるその逆ざや問題に対する会計検査院の指摘を踏まえて、控除額や控除率の在り方を見直すという方針が示されていたわけでございますが、夏の段階で、昨年夏の段階で、例えば住宅生産団体連合会においては、幅広い所得層が公平に税制措置を享受できるよう控除期間に重点を置いた制度とするといったことを御要望されており、また、省エネ性能の高い住宅へのインセンティブを強化すること、こういった要望もされていたというふうにお聞きしております。
 今回の見直しにおきましては、こういった御要望も踏まえて、控除率を引き下げる一方で控除期間を延長することなどを措置しておりまして、従来の制度では満額控除できていなかった中所得者層以下の納税者の方々にとって、結果として総控除額が増えるといったような見直しにもなっておりますので、買い控えが生じないような配慮もなされているということで、業界からも一定の御理解をいただいているものと聞いております。
252 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 次に、この住宅ローン減税に関する今回の政策について、政策評価についてお聞きしたいと思います。
 この住宅ローン減税に関する政策評価、例えば行政事業レビューなどの形で今後なされる予定というのはありますでしょうか。
253 住澤整
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○政府参考人(住澤整君) お答え申し上げます。
 この租税特別措置に関する政策評価に関しましては、法人税に関する租特につきましてはこれ制度上義務化をされておりますけれども、この住宅ローン減税のように法人税関係以外の租税特別措置については制度上の義務とはなっておりません。要望官庁において義務的に政策評価を行うのは法人税に関するものということでございます。
 他方、この住宅ローン控除制度につきましては、衆議院の御審議においても様々な御指摘ございましたけれども、効果検証を行っていくということは非常に重要であるというふうに考えておりますので、今後、国交省あるいは政策評価を所掌する総務省ともよく相談して対応については考えていきたいと考えております。
254 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。法人税の方は義務化されているという御答弁ありましたので、後に回しております質問の方を一つ飛ばさせていただこうと思います。
 行政評価についてこだわる理由としては、やはりこのように控除率引下げという、増税と控除期間延長という減税組み合わせることについて、わざわざそれをする意味があるのかにこだわっているということでございます。このように制度を変えると各方面で対応が迫られる必要があって、それだけで生じるコストというのがあると思います。そのコストというのは小さくないと考えます。
 コストを費やして変化して、そのコストを上回るだけの見返りがあるのかどうかという評価はしっかりすべきだと考えて、政策評価に関する質問させていただきました。今後も政策評価に関しては事あるごとにこだわっていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 次に、今回の改正案の中で、法人税に関するいわゆる賃上げ促進税制、所得拡大促進税制についてお聞きしたいと思います。
 今回の案の内容の中で最もマスコミ報道がなされていた印象のある部分だと思います。企業の人件費の増加額に応じた税額控除が、大企業だと最大三〇%、中小企業で四〇%へ引き上げるとされています。減税を推進してほしい私の立場としては、控除率の拡大、大いに歓迎したいと思います。ただ、これには様々な制約があることで幾つか気になっておりますので、質問させていただきます。
 財務省にお聞きします。
 中小企業の人件費の増加額に応じた税額控除が最大四〇%とされているんですが、その上限として法人税額の二〇%としているために、税額控除が四〇%に上げられても恩恵受けるケースというのがまれなんじゃないかと思うんですけど、いかがでしょうか。
255 住澤整
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○政府参考人(住澤整君) お答え申し上げます。
 今般の税制改正におきましては、成長と分配の好循環の実現に向けまして税額控除率を大幅に引き上げることといたしておりますが、この引き上げた税額控除率の適用を受けることができる企業については相当の賃金の引上げを行うという状況でございますので、一定の所得を上げているというふうに考えられますので、控除される法人税額が増加することにより、三〇%、四〇%といったこの税額控除率で本税制の適用を受けられるケースというのは一定程度あるものと考えております。
 また、法人税を納めていない赤字企業でありますとかあるいは法人税の少ない企業につきましても、公的価格の引上げでありますとか補助金による中小企業の生産性向上のための支援について、賃上げを行う企業に対して一定の配慮を行うでありますとか、下請対策の強化、最低賃金の見直しなど、様々な施策を講ずることとしているところでございます。
256 浜田聡
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○浜田聡君 次に、昨日ほかの委員からも御指摘があったと思うんですけれど、社会保険料負担との兼ね合いについてお聞きします。
 人件費を企業増加させると企業の負担する社会保険料も増加するんですが、今回の控除率引上げは社会保険料負担増額も考慮されて設定しているのでしょうか。
257 住澤整
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○政府参考人(住澤整君) お答え申し上げます。
 今般の改正における賃上げ税制の税額控除率については、社会保険料の負担が増えるという点を直接勘案して設定したものではございませんが、元々企業が従業員に支払う賃金については損金算入が行われる上に、賃金の引上げに伴うこの社会保険料の増加分というのが、今般のこの税制措置の適用によるメリットを上回るようなものにはならないと、そういった水準になっていると理解しておりますので、今般の税額控除率の引上げは賃上げ判断を後押しするものとして機能するのではないかと考えております。
258 浜田聡
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○浜田聡君 引き続きお聞きしていきたいんですけれど、今回の控除率引上げについては、繰り返しになるんですけど、恩恵受ける企業が少ないように思えるんですね。したがって、控除率をもっと思い切って引き上げるべきではないかと思ったんですけど、今回の控除率に、引上げとどめたといいますか、制限付けたことについて、理由を教えていただきたいと思います。
259 住澤整
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○政府参考人(住澤整君) お答え申し上げます。
 先ほども若干申し上げましたとおり、企業が従業員に支払います賃金については元々損金算入ができることになっておりますので、支払った賃金の額の、国、地方含めますと約三割はその負担が、税金が減る格好で戻ってくるということになるわけでございます。それに加えまして、この賃上げ税制による法人税の優遇措置として、この更なる税額控除が受けられるという仕組みでございます。
 こういった全体を見ますと、今般の税制改正で、大企業については最大三〇%、中小企業については最大四〇%まで税額控除率を大幅に引き上げたことによりまして、先ほどの損金算入の効果を含めて考えますと、賃上げに係る追加費用の最大で六割から七割を税金の形で優遇するという結果になりますので、かなりの措置が講じられているものと認識しております。
260 浜田聡
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○浜田聡君 分かりました。ちょっとあとの質問については多分似たような答弁が返ってくると思いましたので、省略の方をさせていただきます。
 繰り返しになるんですけれど、今回の改正で税額控除四〇%に引き上げられても、恩恵を被れるコースがやっぱりまれなんじゃないかと思っております。控除率引上げをうたいながらも、各種制限、特に法人税率の二〇%上限のために恩恵受けられないようにするといった、まあちょっと言葉悪いですけど、からくりが仕込んでいるような気がします。財務省の巧妙でこそくなところだと感じてしまうわけなんですね。
 まあちょっと厳しいことを申し上げましたけれど、実際にやってみて効果があるならばそれはすばらしいことだと思いますので、先ほども申しましたが、政策評価、こだわっていきたいと思います。今後、この政策の効果、注目していきたいと思います。
 次に、高騰する原油価格の価格対策の必要が迫っている中で、先般、ついに動き出しそうなトリガー条項凍結解除について、財務大臣にお聞きしたいと思います。
 レギュラーガソリンの店頭価格が百七十円突破し、また、ウクライナ情勢の動向によって更なる価格高騰も考えられます。岸田首相はあらゆる選択肢を排除しないという方針とのことで、政府は、石油元売会社に支給する補助金の上限額引き上げました。
 先日、公明党の山口代表が、補助金に加え、ガソリン税などを一時的に引き下げるトリガー条項凍結解除を検討する発言されました。減税を推進する立場から大いに歓迎するところなのですが、私が問題としたいのは、当初の対策が補助金であったということでございます。最初からトリガー条項凍結解除などの減税策であれば、補助金のような配る手間が掛からない分、そちらの方が政策的に優れているのではないかと考えるわけですが、あえて手間の掛かる補助金を政策として選択する理由を教えていただきたいと思います。
261 鈴木俊一
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○国務大臣(鈴木俊一君) 浜田先生御指摘の燃油、燃料油価格の激変緩和事業についてでありますが、これは重油や灯油についても対象となっておりまして、トリガー条項より広範囲に影響を緩和できる、そして原油価格の高騰が現に生じている中で、ガソリン価格などの急激な上昇の抑制のために機動的な対応が可能であるといった、トリガー条項の凍結解除にはないメリットがあると考えております。
 また、トリガー条項の凍結解除を行った場合、本来納税義務者ではない個々のガソリンスタンドが発動時は還付事務を、解除時には納税義務を新たに負うことになり、多大な事務負担が発生をいたしまして、トリガー条項が手間の掛からないものではないということも申し上げたいと思います。
 こうしたことも踏まえまして、三月四日の関係閣僚会議において、ウクライナ情勢を踏まえた燃油価格高騰対策の一つとして、激変緩和事業を拡充し、元売事業者に対する支給の上限を一リットル当たり二十五円に大幅に引き上げることを決定したものであります。
262 浜田聡
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○浜田聡君 補助金も政策として必要であるとは思いますので、選択肢としてはありだと思います。ただ、配るための手間が掛かるというデメリットについては繰り返し申し上げておきたいと思います。
 次に、ガソリン価格高騰に対応するため幾つかの選択肢が存在する中、このトリガー条項凍結解除という選択肢に対して、政府・与党、先ほども御答弁ありましたが、いろいろな理由によって及び腰のような感じがしております。選択肢としてトリガー条項凍結解除を取りたくないということ自体は様々な考えがあるから仕方ないとは思います。ただ、名指しをするのはちょっと避けますが、一部与党の議員からSNS上などで、やらない言い訳として、トリガー条項凍結解除には法改正が必要で時間が掛かるという理由でガソリン減税行わないという旨の表明については、ちょっと気になりました。
 そこで、大臣にお聞きします。
 法改正が必要だからという理由でガソリン減税行わないというのは、ちょっと立法府の議員として、しかも法改正が可能な与党の議員としては少しふさわしくないんじゃないかと思うんですが、大臣の意見教えていただきたいと思います。
263 鈴木俊一
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○国務大臣(鈴木俊一君) 手続の面から申し上げますと、トリガー条項の凍結解除については法改正が必要であるということは、これは事実であります。そして、こういう発言をされた方の個々の議員の言動については、私からコメントするのはふさわしくないと思います。
264 浜田聡
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○浜田聡君 分かりました。
 次に、今回話題になっているトリガー条項というものがそもそも存在する原因になっている当分の間税率、いわゆる暫定税率について質問、提案をしていきたいと思います。
 トリガー条項は、ガソリン価格がある一定の値段を超えるくらい値上がりした場合、ガソリン税の半分ほどをストップさせる決まりのことを指していると思います。現在、ガソリン税、一リットル当たり約五十円となっているんですが、本来約二十五円で、残りの約二十五円は特別上乗せ分とされております。トリガー条項が出ると、この特別上乗せ分がストップされるということでございます。ただ、現在トリガー条項は御存じのとおり凍結されており、現在その解除に向けてけんけんがくがくやっているところでございます。
 この特別上乗せ分ですが、一九七〇年代に道路を造るための財源として設定されて、期間限定ということで当分の間税率と名付けられていると承知しております。期間限定ながらも、長年、現在に至るまで更新が繰り返されております。トリガー条項凍結解除はこの際必ず進めていただきたいとは思いますが、このトリガー条項がそもそも存在する原因となっている当分の間税率、これを廃止するという選択肢、重要ではないかと思います。
 そこで、大臣にお聞きします。
 ウクライナ情勢などで、今後のガソリン価格高騰について多くの国民の不安を払拭するため、この当分の間税率廃止することについて、御意見いただきたいと思います。
265 鈴木俊一
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○国務大臣(鈴木俊一君) 揮発油税等の燃料課税につきましては、先生御指摘のように、昭和四十九年度以来、暫定措置として本則よりも高い税率が設定されてきたところでありますが、平成二十一年の道路特定財源の廃止を踏まえ、民主党政権下において検討が行われた結果、地球温暖化対策の観点や厳しい財政事情を踏まえて、それまでの税率が維持され、当分の間税率とされたと承知をいたしております。
 地球温暖化対策の必要性や厳しい財政事情といった状況は、現在、より深刻となっていることに加えまして、仮に燃料課税の当分の間税率を廃止した場合、国、地方で年間約一・六兆円の大幅な減収となることも踏まえますと、廃止することについては慎重であるべきであると考えております。
266 浜田聡
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○浜田聡君 分かりました。
 そもそもこのトリガー条項というのが何なのかということについて、国民の皆様、知らない方が多いのではないかと思うんですね。この国民の理解が進めば、当分の間税率廃止を求める声が多く出てくるのではないかと思います。政府におかれましては、そういった声に耳を傾けていただきたいと思っております。
 次に、日本自動車会議所やJAFによる税制改正要望について大臣にお聞きしたいと思います。
 先ほどまで何度も口にしてきた当分の間税率は、ガソリン税への上乗せだけではありません。自動車重量税にも同じように当分の間税率の上乗せがあります。現在、この税率の意義について、私は、いろんな意見ある中、疑問を持っております。また、昨年の委員会で私が取り上げたことですが、ガソリンに掛かっている税金では、ガソリン税のみならず消費税も掛かっており、二重課税となっている不可解な状況です。そのほかにも、自動車の利用者には様々な税負担がのしかかっております。このような負担を解決すべく、日本自動車会議所やJAFによる税制改正要望は毎年出されていると承知をしております。
 そこで、大臣にお聞きします。これらの要望に対して、財務大臣から今後の方針を教えていただきたいと思います。
267 鈴木俊一
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○国務大臣(鈴木俊一君) 自動車に関する税制については、当分の間税率の廃止を含め、様々な税制改正要望をいただいているところでございます。
 当分の間税率については先ほど申し上げたとおりでございますが、今後の車体課税の在り方については、与党税制改正大綱におきまして、カーボンニュートラル目標の実現への貢献、自動車を取り巻く環境変化の動向、インフラの維持管理の必要性、国、地方を通じた財源の安定的な確保、受益と負担の関係等を踏まえつつ、中長期的な視点に立って検討を行うこととされておりまして、政府といたしましても、これを踏まえて検討を行う必要があると考えております。
268 浜田聡
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○浜田聡君 これまで何度も粘り強い要望がされてきた中、なかなか前進しない状況、もどかしく思いますが、私自身、今後も自動車ユーザーの皆様の声を国会で伝えていきたいと思います。
 次に、昨日予告しましたように、二〇二一年秋に文芸春秋に論文を掲載した矢野康治財務事務次官について、向けてですね、幾つか質問をしたいと思います。
 残念ながら、昨日、本人不在であることが決まりましたが、できれば、本人の意思を可能な範囲で反映した上で、財務省の事務方の考えをお聞きできればと思います。本人不在の中で次官の御意思を伺うわけですので、当然かみ合わない、あと、ぎくしゃくすることもあるかと思いますが、ある程度は致し方なしとして進めていきたいと思います。
 まず、文芸春秋への論文掲載というのが、これ時期が問題だと思うんです。衆議院選挙前という形であったと思います。現職の財務事務次官が選挙前に国の予算について意見を述べた論文を発表するというのは選挙に影響を及ぼすこと、容易に想像できると思うんですね。
 そこで、お聞きしたいんですけれど、選挙に影響を及ぼす意図があったか否かというのを教えていただきたいと思います。
269 新川浩嗣
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○政府参考人(新川浩嗣君) お答えいたします。
 御指摘の寄稿につきましては、財政健全化に向けた一般的な政策論として矢野財務事務次官個人の意見を述べたものであると考えております。
 その上で、私ども事務方でございますので、国会において自らの個人的な内心の意図を申し上げる立場にはございませんので、この場でのお答えをすることは差し控えさせていただきます。
270 浜田聡
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○浜田聡君 今回、まあ当然ですね、今回の質問について、はい、そうですとお答えすることはないのは百も承知なんですけれど、やはり私としては大きく問題視しておりますし、他の方々も問題視していると思います。この場で再度強調しておきたいと思います。
 次に、文芸春秋の論文の内容に少し触れていきたいと思います。
 論文内では、ばらまき政策を批判している内容が掲載されております。私自身、補助金や給付金全てを否定するわけではありません。ただ、過度のばらまきには多くの弊害があると思われ、矢野次官のばらまき批判については私も同意するところがございます。
 ばらまきの弊害の一つとして、その財源を確保するという理由で増税がなされることにつながり得ることが考えられます。ばらまきが増税の原因になるのか、増税するからばらまきするのか、まあ鶏か卵かという問題に似て、原因はっきり分からないものの、私としては、ばらまきと増税、強く関係があると思われます。私は余計なばらまきを抑えるために増税をやめて、むしろ減税すべきだと考えます。
 そこで、お聞きします。ばらまきを抑えるために減税するという考え方について、御意見を教えていただきたいと思います。
271 住澤整
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○政府参考人(住澤整君) お答え申し上げます。
 まず、歳出につきましては、この予算編成過程におきまして、その必要性などを十分に精査した上で真に必要な予算を措置していくということが重要と考えております。
 他方、少子高齢化等を背景に社会保障関係費が増大するなど、厳しい財政状況の中で減税を行うことについては慎重な検討が必要と考えております。
272 浜田聡
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○浜田聡君 分かりました。
 次に、以前、矢野次官は主税局長であったときに国会の答弁で、税金の在り方は国民の代表である国会で議論すべきと考えると言われていたように思うんですが、その考えは今も変わらないでしょうか。税金の在り方について考えることがあれば伺いたいと思います。
273 住澤整
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○政府参考人(住澤整君) お答え申し上げます。
 税制は国民に広く御負担をお願いするものであり、最終的に国民の代表である国会において御審議いただき、法律として決定していただくことが必要であると認識しております。
274 浜田聡
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○浜田聡君 では、税に引き続いて予算について考え方をお聞きしたいと思います。
 国家予算の在り方は、国民の代表である国会で議論すべきというのが一般的な考えだと思われます。官僚が予算について影響力を及ぼすべきか否かについて考えをお伺いしたいと思います。また、予算の決定方法に関して考えることがあれば伺いたいと思います。
275 奥達雄
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○政府参考人(奥達雄君) お答え申し上げます。
 国の予算は、法令にのっとり毎会計年度内閣が作成をいたしまして国会に提出することとなっておりますが、その過程におきましては、予算編成に携わる各省各庁の職員がその職責の中で予算の要求やその調整などの業務を執り行っているところでございます。
 この内閣が作成をし、国会に提出をいたしました予算につきましては、憲法第八十六条の規定に基づき、国会における御審議を受け議決をいただくものでありまして、最終的には国会において御判断されるものと承知をいたしております。
276 浜田聡
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○浜田聡君 分かりました。
 次に、昨日の繰り返しになって恐縮なのですが、租税の原則、簡素、公平、中立について伺いたいと思います。
 租税の原則、簡素、公平、中立、財務省、次官としては、いずれを重視すべきと考えますでしょうか。教えていただきたく思います。
277 住澤整
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○政府参考人(住澤整君) お答え申し上げます。
 昨日の繰り返しになって恐縮でございますが、公平、中立、簡素といった税制の基本原則の中での重点の置き方につきましては、様々な状況にある人々がそれぞれの負担能力に応じて分かち合うという意味で、公平性の原則が税制の基本原則の中でも最も大切なものと認識しておりますが、中立性や、委員御指摘の簡素性といった視点も欠かすことのできない重要な原則であると認識しております。
278 浜田聡
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○浜田聡君 税制の簡素性の重要性、再び触れていただいて、どうもありがとうございます。
 次ですね、税制が複雑であることについて伺いたいと思います。
 過去の国会でも、税制が複雑であってその弊害について取り上げられることがあったと思います。例えば、立憲民主党の落合衆議院議員は、固定資産税について国会で次のように指摘をしております。固定資産税の課税ミスというのが発覚しただけで三十九万件あると、また、複雑な計算方法にそれは問題があるんではないか、さらに、税を簡潔にするということは、行政改革、税制改革の点で非常に大事であるということで、私も賛同するところでございます。
 そこでお聞きします。このように、税制を簡潔にすべきという考え方について、繰り返しになるかもしれませんが、御意見いただきたいと思います。
279 住澤整
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○政府参考人(住澤整君) お答え申し上げます。
 固定資産税について述べられました点につきましては、所管外の事項でございますのでお答えは差し控えさせていただきます。
 一般論として申し上げますと、委員御指摘のとおり、税制を簡素にすべきとの考え方については税制の在り方を考える上で重要な原則の一つであるというふうに考えております。
280 浜田聡
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○浜田聡君 分かりました。
 私は、この国会の場で取り上げる話題については様々なところから情報収集をしておりますが、その中でも重要なものとして民間シンクタンクの意見があります。ここで、その事例を一つ取り上げさせていただきます。
 今回取り上げたいのは、日本の防衛産業からの要望でございます。防衛産業によって構成された一般社団法人日本防衛装備工業会が与党・自民党への税制改正要望を提出、毎年しております。詳細はここでは省きますが、話をまとめますと、税制を簡素にしてほしいということでございます。
 日本企業の生産性の低さの要因の一つが、複雑な税制と、それに伴う企業の納税事務負担であると言えます。よって、生産性向上を進めるためには、複雑な税制とそれに伴う、それに対応する納税事務の負担を減らすべく簡素な税制にしていくべきだと考えます。
 今回紹介した防衛産業は、納税事務に伴う規制緩和、つまり簡素な税制にしてほしいと毎年与党に懇願しているとのことですが、なかなか実現しないために、防衛産業、やる気を失って防衛装備品の造りをやめつつあるという報告があります。複雑な税制が日本の防衛産業を衰退させ、結果として中国などを利することになっていることについては、ここで指摘をさせていただきたいと思います。
 次に、先般、国民負担率が四八%という報道があったように、現状の日本の国民負担率は深刻であると私考えます。これまで日本政府により様々な税率が次第に引き上げられ、基本的には増税傾向が続いていたのではないかと言えると思います。行政府としては、当然、税率が高ければ、それだけお金もたくさんあって、仕事がしやすいということは想像され、基本的には増税を希望する傾向があると考えられると思います。
 ここで、政府として税率を引き上げる秘訣として私の仮説があり、提示させていただきます。それは、野党が選挙公約で掲げたり国会で取り上げている増税案については政府・与党として積極的に取り上げる方針になっているんではないかということでございます。
 例えば、現在、ほぼ全ての野党が消費税減税要望しておりますが、逆に、消費税増税を要望している野党というのはありません。全ての野党が反対している増税案というのは、政府・与党としては、たとえ希望しても実現難しくて、すぐには取りかからないと想像しております。
 一方、各野党においては、様々な増税案提案されております。ここに関して、批判をする意図ではありませんが、例えば最近ですと、金融資産の所得や、金融所得であったり資産の課税、増税、あるいはコロナ復興増税、あとは内部留保税など掲げている政党があります。
 政府・与党は、この中から実現できそうな増税案のみ採用して、増税案を提示している野党が同時に提案している減税案は採用せず、結局、増税案のみつまみ食いして、結局トータルで増税となる結果に至っているのではないかと思います。
 そこで、お答えづらいことを承知で伺います。政府・与党にとって、増税を繰り返し国民負担率を上げ続ける方法として、野党が掲げている増税案を前向きに取り入れようと考えているのか否か、教えていただきたいと思います。
281 住澤整
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○政府参考人(住澤整君) お答え申し上げます。
 税制は、公共サービスの資金を調達する財源調達機能といった基本的な役割を担っておりますので、経済社会の構造変化を踏まえながら、負担の在り方を広く御議論いただくことは重要と考えております。
 他方、この今後の税制の在り方につきましては、この財源調達機能の点のみならず、人口減少、少子高齢化、働き方の多様化など様々な社会の構造変化を踏まえて、広く国民的に御議論をいただくことが重要と考えております。
282 浜田聡
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○浜田聡君 分かりました。
 大変恐縮ながら、各野党におかれましては、現実的に国民負担率が上がり続けていることを御留意いただきたいと思います。
 次に、矢野次官の論文で批判されている、いわゆるばらまき政策の話に移ります。
 矢野次官は、あっ、矢野次官がお持ちの、ばらまき政策、ばらまきに批判的であることについては私も同意するところでございます。ここで、ばらまきの何が悪いのかについて、矢野次官の考えをお伺いしたいと思います。御答弁お願いします。
283 奥達雄
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○政府参考人(奥達雄君) お答え申し上げます。
 何をもってばらまきと考えるかという点につきましては、立場や状況によりまして見解が異なると考えられますので、一概に申し上げることは難しいと考えますけれども、一般論として申し上げますと、例えば予算編成に当たりましては、経済財政状況などを踏まえつつ、一つ一つの政策について、行政として実施する必要性があるのか、費用に対して最大の効果を発揮できるのか、受益と負担の在り方が公平かなどの観点から十分に精査をし、真に必要な措置とすることが重要であると考えております。
 仮にこういった点を十分に満たさない予算措置を行った場合には、納税者である国民からの予算に対する幅広い理解や支持を得ることが非常に難しくなるといったことが考えられます。そうした事態は厳に避けなければならず、政府としては、予算編成に当たりまして、財政支出の内容を十分に精査しなくてはならないというふうに考えております。
284 浜田聡
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○浜田聡君 時間が来ましたのでまとめていきたいと思いますけれど、私としては、繰り返しになりますけど、補助金配るというのは一つの政策だと思いますが、やっぱり、取って配ることが非効率。最初から取ることやめて減税した方が効率的だと考えております。
 昨日、与党幹部の方が岸田首相に、年金受給者へ五千円給付を要望した旨の報道がありました。この給付政策の是非はさておき、これについて矢野次官がどう考えられるのかというのは少し気になるところでございます。
 ところで、私は、国会に来させていただいて二年以上が経過しました。最近、補助金、給付金、そして減税、それのための財源について気付いたことがあります。それは、補助金や給付金をばらまく際には財源がなぜか存在して、減税を議論するときには財源がなぜかなくなるということでございます。
 まだまだ分からないことはありますが、私は私として地道に、減税を求める方々の意見をこの国会で伝えていこうと思います。
 私の質問終わります。御清聴ありがとうございました。

第208回国会 参議院 財政金融委員会 第5号 令和4年3月17日
055 浜田聡
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○浜田聡君 NHK党、参議院会派みんなの党、浜田聡でございます。一昨日、昨日に引き続き、よろしくお願いいたします。
 私は、連日、この委員会において、税制は簡素であるべきと何度も訴えさせていただきました。税制が複雑であると、それに対応する企業の納税事務負担が重くなりますが、その事務負担自体が何かを生み出すわけではありません。複雑な税制は日本企業の生産性の低さの原因となります。
 さて、複雑な税制の一つの例として、二〇一九年十月に消費税が八%から一〇%に引き上げられたのに伴い導入された消費税の軽減税率が挙げられると思います。
 軽減税率の対象として、大きく分けて飲食料品と新聞の二つが挙げられます。飲食料品といっても一筋縄ではいかず、例えば、オロナミンCは飲食料品として軽減税率が適用となり八%ですが、それと似たような茶褐色の飲物であるリポビタンDは医薬部外品ということで軽減税率が適用とならず一〇%となります。
 このように、消費者にとって軽減税率は分かりにくい制度でありますが、もちろん、その影響は消費者だけではなく、事業者にとっても余計な納税事務負担が掛かることに改めて御留意いただきたいと思います。
 さて、もう一つの軽減税率の対象である新聞に目を向けたいと思います。
 なぜ新聞が軽減税率の対象なのかについては個人的に大いに疑問があるところなのですが、ひとまずいろいろな政治的な駆け引きによってそういう状況なのでしょう。
 ここで、新聞が軽減税率の対象であるのであれば、当然軽減税率の対象であってもおかしくないものを挙げさせてもらいます。それは、NHKの受信料です。新聞もNHKも同じ報道媒体として共通していると思われ、新聞が軽減税率対象であれば、NHK受信料もその対象であってもおかしくないという考えは出てきて当然だと思うのですが、現状そうはなっておりません。
 そこで、財務省にお聞きします。新聞とNHKで軽減税率の適用が違うことについて御説明いただきたいと思います。
056 住澤整
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○政府参考人(住澤整君) お答え申し上げます。
 新聞につきましては、日常生活における情報の媒体として全国あまねく均質に情報を提供し、幅広い層に日々読まれていること、この結果、新聞の購読料に係る消費税負担についてはいわゆる逆進性があるということなどの事情を総合的に勘案して軽減税率の適用対象とされたものでございます。
 他方、NHKの受信料を軽減税率の対象とすることにつきましては、例えばケーブルテレビの接続料といった代替品、類似品との競合関係をどう整理するかなどの課題がございまして、こうした代替品との関係のゆがみを回避しようとすれば、際限なく軽減税率の対象が広がって、社会保障財源の減少につながるおそれがある等の問題があるので、慎重に検討されるべきものと整理されているものと考えております。
 なお、NHK受信料につきましては、低所得者向けの料金の減免制度がございますので、消費税のこの低所得者に対する対策として講じられたこの軽減税率との関係では、そういった料金減免制度があるということもしんしゃくする必要があると考えております。
057 浜田聡
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○浜田聡君 この軽減税率という制度自体、複雑なので導入すべきでなかったと考えますが、既に存在しているものは仕方がありません。ただ、この軽減税率でも簡素にすることは可能です。先ほど御答弁の内容にありましたように、際限なく軽減税率の対象にすればいいわけでございます。つまり、全品目軽減税率の対象とすることです。
 現在、多くの野党が消費税減税を政策に掲げていると承知しておりますが、政府が仮にその声に応えて消費税減税を行う方法を検討する際には、全品目軽減税率という、軽減税率適用という方法もあります。NHK党としては、全品目軽減税率適用とするにせよ、消費税率そのものを下げるにせよ、いずれの方法でもいいので消費税減税に、減税を政府に求めることをここでお伝えさせていただきます。
 次に、NHKに対する税制措置について話を移します。
 NHKに対しては、その公共性に鑑み、各種の税制上の特例措置が講じられております。インターネット上でもその一覧を確認できるものとして総務省情報通信ビジネスハンドブックがあり、多くの皆様に一度御覧いただきたいと思っております。
 そこから一部を取り上げますと、NHKの優遇措置として、国税としては、所得税、法人税、地価税などが非課税となっており、地方税としては、道府県民税、事業税、市町村民税、事業所税などが非課税、固定資産税や都市計画税は課税標準の二分の一となっております。ほかにも幾つか税制措置はありまして、かなり優遇されていることが分かります。公共性に鑑みてこういった税制上の特例措置とのことですが、その中で法人税が非課税であることについては問題があるのではないかということを問題提起させていただきます。
 NHKの法人税非課税のどこが問題なのかと端的に申し上げますと、NHKは、法人税が免除されているがゆえに、一般企業であれば当然やっているであろう法人税額の算出をするための会計作業をしていないのではないかということです。上場企業であれ非上場企業であれ、恐らくほぼ全ての企業が財務諸表を作っていると承知しております。当然、上場企業であれば、株主や借入先に企業の現状の経営状態や今後の展望などをしっかりと説明するために、財務諸表作成や公開は義務付けられております。先ほど、NHKはその公共性に鑑み税制の優遇がされていると申しましたが、公共性をうたうのであれば、ある意味上場企業以上に厳格な財務諸表が作成されるべきと考えます。
 我々NHK党が事あるごとに訴えてきていることですが、NHKの受信料制度は極めて不公平な制度です。本来であれば受信料を払うべきなのに、払わないでいることが可能な状態です。この不公平な状態など各種NHKに関する諸問題は、受信料を払っている世帯のみにNHKの電波を届けるスクランブル放送を導入すれば一発で解決です。二〇一九年の参議院選挙では、我々NHK党は、スクランブル放送の導入に向けて尽力していることを公約に掲げて、参議院選、参議院での議席のみならず、国政政党の要件も満たしました。関係者の皆様にはこの民意を重く受け止めていただきたいと思います。
 スクランブル放送が導入されていない現状においては、受信料を払うべきなのに払わないことが可能であります。真面目に受信料を払っている人には、払わない人がいるせいでその分の負担がのしかかっていることが想像できます。払うべき人が払えば、真面目に受信料を払っている人の不満も解消できるはずです。
 NHK法人税非課税に関する話に戻しますと、法人税を算出するための会計作業では、本来NHKに払われるべき受信料の総額は財務諸表などにしっかりと記載されるべきですが、法人税が非課税のためにそれがなされているか甚だ疑問であります。公共性を鑑みたNHKの税制優遇と言いながら、真面目に受信料を払っている人にとって損をするような優遇、税制優遇であれば大きな問題であると考えます。
 そこで、まず会計検査院にお聞きします。
 これまで話してきたように、NHKはいわゆる取りっぱぐれの受信料に関する意識が低いように思うのですが、NHKの毎年提出している財務諸表は適切であると考えておられますでしょうか。
058 宮川尚博
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○説明員(宮川尚博君) お答えいたします。
 会計検査院は、会計検査院法及び放送法の規定によりましてNHKの会計について検査を行っており、不適切な事態等があった場合には検査報告に掲記するなどして御報告しているところでございます。
 お尋ねのありましたNHKの財務諸表につきまして、不適切であるなどとして、これまでに不当事項等として検査報告に掲記した事項はございません。
 なお、会計検査院は、NHKの会計について検査を行った結果、昨年十一月に内閣から国会に提出されました令和二年度決算検査報告に、不当事項として、職員の不正行為による損害が生じたもの、本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項として、複写機の調達に当たり、複写機本体等の台数及び使用枚数の調達予定数量を算出した上で、これらの必要事項を記載した適切な仕様書等を提示して、一般競争入札を実施することにより、透明性及び競争性を確保し、経済的な価格により契約を締結するよう改善させたものを掲記しているところでございます。
059 浜田聡
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○浜田聡君 先般、我々の党の幹部がNHKの経営企画局の方々からNHK予算案について話を伺ってきました。このやり取りは、インターネット上のユーチューブでアップして公開しております。その際に、我々とNHKの経営企画局の方で話がところどころかみ合わないのを感じたわけですが、その根本の原因はやはり法人税の非課税措置にあるのではないかということを改めてお伝えするとともに、会計検査院、先ほど御答弁ありましたが、是非真面目に受信料を払っている人が損をしないようなことを目指して各種チェックしていただきたいということを改めてお伝えさせていただきます。
 あと、しつこいようですが、スクランブル放送を導入すれば、こういったある意味無駄なチェック作業、かなり削減されることは言うまでもありません。
 次に、政府、総務省にお聞きしたいと思います。
 先ほどまで申し上げてきたように、NHKは法人税免除があるがゆえにNHKは会計などに関する意識がやはり低いのではないかという指摘に関して、御意見をいただきたいと思います。
060 藤野克
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○政府参考人(藤野克君) お答えいたします。
 法人税の納税義務、このいかんにかかわらず、放送法第七十四条第一項の規定によりまして、NHKは、毎事業年度の財務諸表を適正に作成し、総務大臣に提出しなければならないものと承知してございます。また、同じこの放送法の第七十五条の規定でございます。こちらにおいては、NHKは、財務諸表について、監査委員会の監査のほか、会計監査人の監査を受けなければならないとされてございます。また、ただいま会計検査院の方からも御答弁ございましたけれども、同じ放送法の第七十九条の規定におきまして、協会の会計については会計検査院が検査するものとされているところでございます。
 これらの規定によりまして、NHKには厳格な会計処理が求められると、そういうふうに理解してございます。
061 浜田聡
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○浜田聡君 ちょっとかみ合わないようですが、しつこく続けさせていただきます。
 このNHKの法人税免除に関して、各種問題を挙げさせていただきました。これら問題については、しつこいようですが、NHKスクランブル放送を導入すればほぼ全て解決しますし、問題解決のみならず、生産性の大きな向上が期待できることでもございますので、是非踏み込むべきだと思います。
 ただ、現状そうではないということを受け入れた上で、最後、大臣に提案をさせていただきます。
 このNHKの法人税免除の優遇措置は、結局回り回って真面目に受信料を払っている人が損をするという観点から、この優遇措置を改めてほしいのですが、大臣の御意見教えていただきたいと思います。
062 鈴木俊一
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○国務大臣(鈴木俊一君) NHKにつきましては、放送法において、配当による利益処分が予定されていないこと、解散時の残余財産が国に帰属するとされていることが担保された組織形態であることなどから、法人税法上、公共法人に区分され、法人税を課税しないこととなっております。
 そのため、NHKのこれからの在り方に変更がない中で、先生御指摘のような観点から課税上の取扱いを改めることは適当でないと考えております。
063 浜田聡
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○浜田聡君 まあNHKの各種税制の優遇というのは長年継続してきたものでございますので、突然それを見直すことについては戸惑いがあるのは当然だと思います。しかし、先ほどから申し上げてきたように、公共性を鑑みての優遇措置によって、真面目に受信料を払っている者が割を食らう、正直者がばかを見る現状について、多くの皆様に御理解いただきたいと思います。
 また、昨今、テレビ離れがどんどん進んでいることは皆様御周知のことと思います。テレビを離れた方々のそれなりの割合がインターネットに移っていると言えます。この流れは今後ますます進んでいくのではないかと思われます。そういったところに目を付けて、現在テレビ設置世帯のみに義務付けられているNHKの受信契約ですが、インターネット利用者にNHKの受信契約を義務付けるような方向に進まないよう、改めて確認させていただきます。
 地上波や衛星放送のインフラ整備はNHKがそれなりに貢献してきたのに対し、インターネットのインフラ整備にNHKがどれだけ貢献してきたのかということについては、改めて考えていただきたいと思います。貢献していないのであれば、NHKがインターネットで受信契約を義務付けることは納得しない方が多いと思われることを申し添えておきます。
 次に移ります。
 これまで、日本の税制について私なりに様々問題提起をさせていただきました。税制は国の在り方、方向性を決める非常に重要なものですので、それに関する議論についてはでき得る限り公にされるべきと考えます。
 各団体、政党、政府、数多くの税制調査会があると思いますが、その中でも国の税制の決定において最も影響があるものとして、やはり自民党の税制調査会が挙げられると思います。国の税制が実質この場で決定付け、決定されているように思われ、そうであれば、ここでの議論内容は広く公開されるべきと思います。
 その点を踏まえて、大臣に提案です。昨年に引き続いての同じ提案となり恐縮ですが、自民党税制調査会の議事録を公開してもらえないでしょうか。
064 鈴木俊一
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○国務大臣(鈴木俊一君) 自民党税制調査会の運営につきましては、お尋ねの議論内容の公開も含めまして、党として、党において決定をされたものであると理解をしております。
 したがいまして、政府という私の立場からお答えする立場にはないということでございます。
065 浜田聡
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○浜田聡君 まあ自民党独自の政調なので、その扱いは自民党で決めるべきという主張はもっともだと思います。
 一方で、もしその税調に財務省の方々が関わっておられるのであれば、ある程度は税金が投入されているということもありますので、公開されるべきであることをお伝えさせていただきます。
 最後の質問に移ります。
 次に、政府や各省庁が掲げる数値目標について、質問、提案させていただきます。前々回の委員会でも似たようなお話をさせていただいており、重なる部分があれば恐縮です。ここでは財務省が掲げる数値目標、特に経済指標に関する数値目標について、御意見伺いたいと思います。
 その是非はさておき、財務省の実施する政策が日本経済に与える影響が大きいことは疑いようのない事実でございます。であれば、財務省は日本の経済成長率について数値目標を掲げるべきと考えます。
 そこで、財務省の事務方、そして大臣にまとめてお尋ねします。
 財務省が日本の経済成長率に関する数値目標を掲げることに関して、御意見いただきたいと思います。
066 大家敏志
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○副大臣(大家敏志君) お答えします。
 政府として、骨太の方針二〇二一において、デフレ脱却、経済再生に取り組み、実質二%程度、名目三%程度を上回る成長、名目GDP六百兆円経済の早期実現を目指すことを掲げているところであり、総理の御発言どおり、まずは、我が国経済をコロナ前の水準に戻るよう立て直していくことに専念しなければならないと考えています。
067 豊田俊郎
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○委員長(豊田俊郎君) 時間が参りました。
068 浜田聡
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○浜田聡君 はい。
 是非、財務省の方でも数値目標、掲げていただきたいということを申し添えて、私の質問を終わります。
 御清聴、ありがとうございました。

第208回国会 参議院 財政金融委員会 第7号 令和4年3月24日
054 浜田聡
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○浜田聡君 NHK党、参議院会派みんなの党、浜田聡でございます。
 今回は、関税定率法等の一部を改正する法律案の審議ということで、まずは法律、法案と関連する質問をさせていただこうと思います。
 私は、二年前、二〇二〇年三月二十六日の財政金融委員会において、札幌地裁でのある判決を取り上げさせていただきました。今回、繰り返しになって恐縮ですが、今回の法案とも少し関連することがあるかと思い、再度取り上げさせていただきます。
 今回、配付資料で当時の産経新聞の記事を準備させていただきました。二〇一九年十二月十三日の記事でございまして、見出しが「外国人男性に無罪判決 覚醒剤持ち込み、札幌地裁」という記事でございます。記事内では覚醒剤の持込みについて言及されておりますが、少し私の方で補足させていただきます。
 この件は、覚醒剤を持ち込もうとした外国人の方が、偽ブランド品の密輸を手伝ってという依頼を受けて今回スーツケースを持ち込んだところ、その中から覚醒剤が見付かったということでございます。この外国人の方が、依頼者との事前のやり取りで今回日本に持ち込むものが違法薬物でないことを確認しており、それが無罪判決の決め手となっているのではないかと私は推察しました。
 二年前は、個人がこのブランド品のコピーを、コピー商品を持ち込む際の水際での取締りの方針がさほど強くなかったのではと推察しているのですが、それが今回の法改正案においてはいろいろと変化があるのではないかと思います。
 そこで、まず財務省の方にお聞きします。
 ブランド品のコピー商品の水際での取締りに関して、今回の改正案によって見込まれる効果を御説明いただきたいと思います。
055 阪田渉
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○政府参考人(阪田渉君) お答え申し上げます。
 今般の関税法改正におきましては、昨年五月の商標法等の改正を受けて、海外の事業者が輸送等、郵送等により日本国内に持ち込む模倣品について、関税法の輸入してはならない貨物として規定するなどの措置を講ずることとしております。これによって、従来は税関による取締りの対象となっていなかった個人使用目的で輸入される模倣品であっても、海外の事業者から送付されたものであれば税関による取締りの対象となり、模倣品の日本国内への流入防止対応が強化されます。
 こうした税関による模倣品の取締りは、国民経済の健全な発展や消費者の健康や安全の確保に資すると考えております。今後とも、税関においては、適切な執行体制を確保し、模倣品の取締りに万全を期してまいりたいと考えております。
056 浜田聡
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○浜田聡君 御答弁ありがとうございました。
 御答弁にありましたように、模倣品をしっかりと取り締まることで日本の国益にも資すると思いますので、是非よろしくお願いいたします。
 次に、それと関連することで、今回取り上げました判決内容において気になることを政府に質問します。こちらも二年前の繰り返しとなって恐縮でございますが、改めて質問させていただきます。
 今回、覚醒剤を持ち込もうとした外国人男性が無罪判決となっております。先ほども申し上げましたが、この男性は依頼者との事前のやり取りで今回持ち込むものが、持ち込むスーツケースが違法薬物でないことを確認しておりまして、それが無罪判決の決め手となったのではないかということです。
 今回のように、あらかじめアリバイづくりの会話をインターネット上で行っておけば日本への運び屋が無罪となれる可能性、こちらを懸念しているのですが、これに関して、政府の御見解、あと、もし対策などあれば教えていただきたいと思います。
057 阪田渉
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○政府参考人(阪田渉君) お答え申し上げます。
 御指摘の事案でございますが、この御指摘のSNSでの関係者とのやり取りだけでなく、当該事案において証拠上認められた様々な事実関係を考慮した上で、当該事案においては被告人に覚醒剤密輸人の、密輸入の故意があったと認定するには合理的疑いが残ると判断され、無罪が言い渡されたものと承知しておりまして、SNS等のやり取りによって無罪判決となるという直接のその可能性や因果関係についてどう評価するかといいますと、なかなか財務省としてもお答えすることが困難ではあるところでございます。
 一方、対策でございますね、そうした事案を含めてでございますけれども、税関における犯則調査及び犯則処分の在り方について、一般論として申し上げることとなりますが、不正薬物の密輸入事案にあっては、水際における厳格な検査と証拠収集、さらに、それを踏まえた的確な犯則調査が重要であり、警察等の関係機関とも連携し、今後もこれらをしっかりと行っていくということに尽きると考えております。よろしくお願いします。
058 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 今回の件に限らないことではありますが、悪知恵を働かせて悪事を働こうとする者を取り締まる側と、取り締まる側のイタチごっことなっているんではないかと思います。
 とはいえ、引き続き努力はお願いしたいとともに、税関を始めとする関係者各位の皆様に感謝申し上げるとともに、今後も適切に御対処いただくことを願いまして、次の質問に移ります。
 次に、先ほど模倣品に関して取り上げましたが、次にインターネット上のある意味模倣品というか、コピー商品と言ってもよい、いわゆる海賊版サイトについて取り上げたいと思います。
 数年前にこの海賊版サイトとして代表的なものとして漫画村というものがありました。漫画村は、著者、出版社の了承を得ずにサイト上で漫画を無料公開しており、大規模な著作権侵害を行ってきた海賊版サイトでございます。最盛期には月に一億アクセスを超えていたとされておりまして、海賊版サイトの存在を多くの人に認知させる一端となったこの漫画村は、結局二〇一八年に関係者の努力によって運営者が逮捕され、サイトは取りあえず消滅することになりました。
 ただ、問題は尾を引いておりまして、その後も巨大な後継サイトが誕生していると承知しております。コロナ禍によって巣ごもり需要も後押しして、かなりの量の漫画が現在もただ読みされているという試算結果もあると承知しております。こういった海賊版サイトを放置するということは、漫画を作っている関係者にとって、自分の作品に対して対価をもらえないことを意味していると思います。
 そこで、まず政府、内閣府の方にお聞きします。このいわゆる海賊版サイトに関する問題の現状を教えていただきたいと思います。
059 澤川和宏
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○政府参考人(澤川和宏君) お答えいたします。
 我が国の漫画、アニメ、映画等のコンテンツに対するインターネット上の海賊版の被害が拡大しており、とりわけ近年では、運営者の特定が困難な海外の大規模サイトによる被害が深刻化しているものと認識しております。
 また、近年では、コロナ禍により人々が自宅で過ごす時間が増えており、漫画等の海賊版サイトへのアクセスは約四年前の漫画村の最盛期を超えて急増しております。一般社団法人ABJによりますと、本年二月における漫画等の海賊版上位十サイトへの合計のアクセス数は、月間約三億八千万件に及ぶと推計されるとのことでございます。
 こうした被害の拡大は、我が国のコンテンツ産業とクリエーターの利益を著しく侵害するものであり、重大な問題と受け止めております。
060 浜田聡
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○浜田聡君 御答弁には、四年前を超えているということで、海賊版のサイトの問題がかなり深刻であると認識をしました。この対策については、一朝一夕で行うというのは、完全にするということは難しいとは思いますが、やっぱり粘り強くしっかりとやっていくべきだと思っております。
 この対策について、いろいろと方法があると思うんですが、私が対策についてどういうものがあるのか調べてみました。その中で一つ目を引いたのが、海賊版サイトへの資金源となる広告出稿について対策するというものでございます。
 海賊版サイトの運営者を特定するのは大変難しいとは思いますが、広告出稿者であれば、その広告、出ている商品が売れないと広告を出している意味がないことなどから、比較的広告出稿者を特定することはやりやすいんではないかと想像しております。そうであれば、より特定しやすい広告出稿者に向けて対策とするというのはリーズナブルではないかと思います。私なりに調べてみたところ、政府の方は既に広告出稿に対する対策もされているということを承知しております。
 そこで、経済産業省の方にお聞きします。海賊版サイトへの広告出稿の対策について、現状を教えていただきたく思います。
061 藤田清太郎
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○政府参考人(藤田清太郎君) お答えいたします。
 海賊版による著作権侵害の被害を効果的に防ぐべく、経済産業省としては、関係省庁と連名で、インターネット上の海賊版に対する総合的な対策メニュー及び工程表を策定、公開しており、様々な対策を講じてきているところでございます。
 委員から御指摘ございました広告出稿の抑制につきましては、経済産業省から一般社団法人コンテンツ海外流通促進機構、CODAに委託して、悪質な著作権侵害リストをリスト化した要警戒リストを作成し、同リストを日本インタラクティブ広告協会を始めとする広告関連の三団体に提供する取組を進めています。これにより、団体の会員各社において、自社の広告が不法、違法なサイトに掲載されないよう、自主的な抑制を促しているところでございます。
 昨年は、広告三団体に所属する広告事業者から同リストに掲載されている海賊版サイトへの広告掲載は確認されていないなど、着実に成果は上がっているところでございます。また、同リストを世界知的所有権機構、WIPOへ共有しており、WIPOから各国の広告事業者への周知を通じて、海外の広告業界に対しても海賊版サイトに対する広告出稿の抑制を働きかけております。
 他方、広告三団体に属していない広告事業者への対応、要警戒リストの有効性を維持するため、海賊版サイトを特定する調査を海外サーバーを含み継続的に行う必要があることなど、そういった課題もございます。経済産業省としては、こういった課題に対して関係省庁及び民間事業者とも密に連携しながら、今後とも積極的に取り組んでまいります。
062 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございました。
 広告出稿への対策として世界と連携しているということが分かりました。ただ、それでもまだまだ課題があると思いますので、引き続き状況に合わせて対策を進めていただければと思います。
 次に、この海賊版サイトへの対策として、先ほども御指摘あったんですけれど、やはり総合的に対策していくことが重要であると思います。広告出稿以外の対策も含めて、政府全体としての対策方針など教えていただければと思います。
063 澤川和宏
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○政府参考人(澤川和宏君) お答えいたします。
 海賊版対策に政府一丸となって取り組むため、二〇一九年十月にインターネット上の海賊版に対する総合的対策メニューを取りまとめ、さらに、その後の進捗を踏まえ、昨年四月にこれを更新したところでございます。
 この総合的な対策メニューの更新に際しましては、これまでの施策に加え、改正著作権法に基づく悪質なリーチサイトの取締り、海外の海賊版サイトの運営者を摘発するための国際連携、国際執行の強化、セキュリティー対策ソフトにおけるアクセス抑止機能の導入促進等の施策を新たに盛り込んだところでございます。
 引き続き、対策メニューの各施策について民間の取組を支援しつつ、また、関係省庁が一体となって実効性のある取組を進めてまいりたいと考えております。
064 浜田聡
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○浜田聡君 是非御尽力いただくことをお願いするとともに、私もできる支援はしていきたいと思います。引き続きよろしくお願いいたします。
 次に、あしたの参議院本会議で採決対象となる国会同意人事案件の一部についてお伺いしていこうと思います。
 この同意人事、いずれも重要であるのはもちろんなのですが、日本の金融政策の方向を決定付ける日本銀行の審議委員の人事はかなり注目しております。日本の金融政策が決められる年八回の金融政策決定会合は、日銀総裁、副総裁、そして審議委員、合わせて九人でその方針が決定付けられます。この九名で日本の金融政策が決まる、言い換えれば、日本の経済政策が決まると言っても過言ではないと思います。今回、九人中二名が改選となっておりまして、現状の片岡委員、鈴木委員に代わって、高田氏、田村氏が候補となっております。
 今回、この日銀審議委員の人事に関する産経新聞の記事を配付資料として準備させていただきました。記事内には、市場では大胆な金融緩和によって物価上昇を目指すリフレ派色が薄まるとの見方が出ているとあります。今回の新たな候補である高田、田村、そのいずれの候補もいわゆるリフレ派ではない人選であるということがうかがえると思います。
 そこで、政府にお聞きします。今回の人事からうかがえるメッセージとして、これまで継続してきたリフレ派、まあリフレ派、いわゆる日銀の大規模な金融政策、金融緩和を今回の人事によって終えんさせる方向への意図があるのかどうかということについてお伺いしたいと思います。特に、高田氏の方はいわゆるリフレ派ではなく、リフレ派どころか反リフレ派であると承知しておりまして、人選理由についてお伺いしたいと思います。
065 松田浩樹
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○政府参考人(松田浩樹君) お答えいたします。
 大前提といたしまして、岸田内閣におきましては、昨年、鈴木大臣、山際大臣、そして黒田日銀総裁の三者の間で、平成二十五年の政府、日銀の共同声明について再確認が行われまして、デフレ脱却と持続的な経済成長の実現に向けて今後とも緊密に連携して取り組んでいくこととしております。そして、この共同声明の考え方に沿いまして、日銀には、引き続き、経済、物価、金融情勢を踏まえつつ、二%の物価安定目標の実現に向けた努力を期待するというのが現内閣の立場であるというふうに承知しております。
 その上で、本年七月二十三日に任期満了となります二名の日銀審議委員の後任につきまして、人物本位で選考を行い、経済金融分野で高い識見を有する人物として、高田創氏と田村直樹氏を提示させていただいたところでございます。なお、このお二方とも、私どもとして日銀が金融緩和を推進していることについて親和的な考え方をお持ちであると受け止めておりまして、日銀の今取り組んでいる姿勢についてしっかりコミットする決意も示されておりますので、日銀審議委員にふさわしい人物であると考えております。
066 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 先ほどの御答弁には金融緩和に親和的という候補だという答弁ありましたけれど、ただやはり先ほども申しましたように、高田氏については反リフレ色が強いということについて懸念を申し上げておきます。
 アベノミクスの象徴と言ってもいい大胆な金融緩和政策で景気が上向いたこと、そしてこの金融緩和政策を仮にやめるようなことがあれば景気の悪化が懸念されることを申し述べておきます。
 最後ですね、原子力規制委員長の委員会の人事についてもお聞きしたいと思っていたんですけど、時間が来ましたので、ちょっと、あしたの採決の後にはなりますが、やはり重要なことですので、引き続き次回の委員会でもお聞きしたいと思います。
 今回の質問終わります。御清聴ありがとうございました。

第208回国会 参議院 財政金融委員会 第8号 令和4年3月29日
060 浜田聡
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○浜田聡君 NHK党、参議院会派みんなの党、浜田聡でございます。
 今回は、国際開発協会、IDAに関連する法律の改正案の審議ということで、質問時間の前半はこちらに関する質問をさせていただきます。
 今回の法案名にもあります国際開発協会、IDAについて簡単に説明を私の方でさせていただきますと、このIDAは、世界銀行の関連団体で、主に低所得国向けに超長期で低利融資若しくは助成金などを提供している機関です。同様の機関として国際復興開発銀行、IBRDというものがありますが、そちらは中所得国を対象として長期融資を提供しております。
 戦後の日本政府も、新幹線網や高速道路網の整備のためにIBRDの融資を受けたことがあります。それらの社会インフラ整備が進むことによって、日本経済は高度経済成長を遂げました。目覚ましい経済発展を遂げた日本は、巨額の借入国から世界有数の資金供与国となっております。IBRDに対して今回のIDAは、第二世界銀行と言われ、最貧国を始めとした発展途上国の社会資本への長期融資を行っております。
 今回のIDAに関する改正案は、IDAの増資に対して政府が約四千二百六億円の追加出資を行うことを規定する法案でございます。過去、日本が世界銀行などから受けた融資により日本が大きく発展したことを考えれば、同じような支援を日本が低所得国に行うということは当然でございまして、その重要性は当然私も理解しております。
 とはいうものの、国民の皆様から集めた税金で行うことであるがゆえに、今回の出資に関して国民の皆様から御理解をいただく必要があると考えております。
 そこで、財務省国際局にお聞きします。今回のようなIDAなどへの途上国への出資をする理由、出資によって将来得られるものなどについて御説明いただきたいと思います。
061 三村淳
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○政府参考人(三村淳君) お答え申し上げます。
 今般のIDA増資、日本国として出資をする意義ということかと存じますけれども、まずは、何といっても今、足下、コロナに世界中見舞われてございます。やはり、途上国を含めまして世界全体でコロナを封じ込めませんと、当然変異株の連鎖といったことは防げませんし、あるいはサプライチェーンの影響、そういったものも防げませんので、これ世界経済全体の回復、そして日本経済の回復、経済社会活動や人流の復帰、そういうことのためにも、まずは途上国も含めてコロナにしっかりと対応しないといけないという状況かと思います。
 また、それ以外の様々重要な、日本としても重要な開発政策課題ございます。これをやります際に、まさにIDAのようなこの国際開発金融機関の、おいてしっかりと日本がプレゼンスを発揮をしまして、日本が重視するこの開発課題をしっかりとこのIDAのような開発金融機関の優先分野として反映をさせる、そういうことができますれば、まさしく日本のお金だけではなくて、こういった国際開発機関のネットワークですとかリソース、ノウハウ、ひいてはそこに集まってくるほかの国の資金も使いながら効率的、効果的に我々の追求するべき開発政策課題もできるということかと存じております。
 そういう観点で今回の増資交渉にも臨みまして、今回、国際保健ですとか防災ですとか質の高いインフラ、債務問題といった日本の重視する開発課題もかなり反映されてございますので、こういった形でIDAを支援していくこと、日本国にとっても大変重要ということで私どもとしては認識をしている次第でございます。
062 浜田聡
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○浜田聡君 詳細な御説明ありがとうございます。
 今回の増資の計画とその枠組みづくりなどを日本が担ったと承知をしております。国際社会の中で日本の存在感を今後もより一層高めていけるよう、国際局のますますの御活躍を期待しております。
 引き続き、法案と関連して質問させていただきますと、今回のIDAの増資というのは第二十次の増資でございます。過去の増資において主要国の負担比率をちょっとここで注目してみたいと思います。
 例えば、前回、第十九次の増資時、主要国の負担比率見てみますと、筆頭は英国で一二%、続いて日本が一〇%、アメリカが九・三一、ドイツが五・六二、フランス五・〇六、中国が三・七二%、カナダが三・四五%など続いていきます。名目GDPを参考にした比率からすると、アメリカが少し物足りないような気がして、逆にイギリスはGDP比でいうと圧倒的に大きな負担をしております。ただ、今回の出資割合として、今回、第二十次だと、出資割合としてアメリカが大幅に増やしてイギリスは減らしたと承知をしております。
 ここで、ある国の出資比率について注目しておきたいことがありまして、それは中国になります。中国は、日本の約三倍のGDPを誇りながら、出資比率としては日本の約三分の一であることについて、物足りないように感じます。
 そこで、国際局にお聞きします。中国の出資比率が小さいことについて、御見解をお聞かせいただきたいと思います。
063 三村淳
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○政府参考人(三村淳君) お答え申し上げます。
 まず初めに、このIDAのそれぞれの拠出、どういう形で決まるのかということでございますけれども、IDAの場合には特に経済規模等々に基づいてあらかじめ割り当てられる比率というものがあるわけではございませんで、各国が任意にそういう意味では出資額を決定できる、そういう機関でございます。したがって、実態としては各国がそれぞれその全体の増資規模の中で、それぞれ自分の国の過去の出資の実績等も勘案しながら貢献額を決めるというのが一般的であろうと思います。
 その上で、ちょっとお尋ねの中国の出資比率がなぜ相対的に少ないのかといったこと、これ、他国のことでございますので、ちょっと日本政府としてお答えする立場にはございませんけれども、日本としては、先ほど申し上げたような観点で、IDA非常に重要だという観点で、今回もアメリカに次ぐ第二位というようなことで出資をさせていただきたいと考えておる次第でございます。
064 浜田聡
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○浜田聡君 答えられる範囲はちょっと限界があるということは承知をしております。
 私の把握した、いるところでは、中国はIDAとは別に独自に低所得国向けに融資を行っていると承知をしております。これは、中国に都合の良い発展途上国を選別して単独で融資を選択しているということが想像されます。中国の低所得国への融資残高をちょっと調べてみたところ、中国が一国での融資残高というのが結構ずば抜けているということでございます。IMF、世界銀行、国連などとちょっと離れて、ある意味覇権主義的な外交政策取っている側面は否めないところでございまして、今後もこういった中国の他国支援の方針というのは注目していきたいとは思っております。
 次に、IDAから関連して、国際関係について二点ほど大臣にお聞きしたいと思います。
 まずは、日韓通貨スワップ協定についてお聞きしたいと思います。
 先日、韓国大統領選挙が行われて尹錫悦氏が当選しました。報道によると、尹氏は、まずバイデン大統領に会って、そして次に岸田総理に会いたいと言ったとのことで、対日関係を改善したい意図がうかがえます。
 今、韓国ウォンは対ドルでウォン安が進んでいる中で、このアメリカ、FRBは更なる利上げを確実視されております。また、エネルギーとか穀物など各種商品が高騰化しておりまして、そういった中で更にウォン安が進んで、今後、韓国とアメリカの間で通貨スワップの可能性はあると考えております。これは韓国、アメリカの間のことですが、韓国とすれば、日本にも今後通貨の関係でいろいろと求めてくる可能性はそれなりにあるのではないかと考えております。
 そこで、大臣にお聞きします。このような状況の中で、日韓の通貨スワップ協定について大臣はどう考えておられますか、御所見を伺いたいと思います。
065 鈴木俊一
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○国務大臣(鈴木俊一君) まず、事実関係からお話をさせていただきますが、日韓通貨スワップにつきましては、二〇一五年二月に日韓両国が延長は必要ないとの見解を共有したため、予定どおり終了をいたしました。その後、二〇一六年八月に韓国側の要請によりまして通貨スワップ締結に向けた協議を開始しましたが、二〇一七年一月に協議を中断しており、それ以来、状況は変わってございません。
 今後のことは、先方から要請がないうちから予断を持って何か申し上げることは控えたいと思います。
066 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 今後の状況でいろいろあるとは思いますが、私としては、やはり国民感情などをしっかりと考えた上で、もし仮に検討する際には、国民感情などしっかりと考えた上で慎重に御検討いただければと思います。麻生前大臣に関してはこの点についてはかなり強い姿勢で臨まれておりまして、私はその姿勢を全面的に支持していることはお伝えさせていただきます。
 次に、ロシアに対する姿勢について大臣にお伺いしたいと思います。
 現在のウクライナ情勢において、日本はウクライナを支持し、ロシアを非難していることはこの国会でもほぼ共通の認識だと思われます。そして、日本は今後、今後もG7各国と足並みを合わせてロシアに対して強い経済制裁を取っていくところでございます。今後のロシア国内の状況悪化が見込まれる中で、数多くの日本企業がロシアから撤退をしている状況だと思います。
 昨今、脱炭素という言葉があります。二〇二〇年十月に、政府は二〇五〇年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにすることを目指すことを宣言しました。この脱炭素という言葉は政府の目標にもなっているわけでございますが、この脱炭素の炭素の部分をロシアへ換えて、脱ロシアという言葉も昨今見かけるようになりつつあると思います。
 これまで外交面で様々嫌な仕打ちを日本にしてきたロシアでございます。最近ですと、ロシア、戦略核の使用もにおわせるようなことで日本を核攻撃の対象にするようなこともにおわせている、そんなロシアでございます。今後、日本としてはロシアを経済制裁するところでもありまして、今後、日本政府としては、ロシアとできるだけ関わらないようにするという方針転換が必要なのではないかと私は考えております。
 そこで、大臣にお聞きします。今後、日本政府は、先ほどの言葉で言えば、脱ロシアという方針、これを掲げるべきではないかと考えるわけですが、この脱ロシアという方針について、大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
067 鈴木俊一
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○国務大臣(鈴木俊一君) 今回のロシアによるウクライナへの侵略、これは力による一方的な現状変更の試みでありまして、国際秩序の根幹を揺るがす行為であります。
 国際秩序の根幹を守り抜くためにも、断固として行動して、ロシアの暴挙には高い代償が伴うことを示していく必要があると思います。このため経済制裁をいたしているところでございますが、G7を始めとする国際社会と緊密に連携をして、その実効性の確保に努めていく方針でございます。
 ロシアのこの暴挙を前にして、今までのように何事もなかったかのように付き合う、振る舞うことはもはやできないんだと思います。ロシアとの経済分野の協力に関する政府事業につきましては、当面見合わせることといたしております。
068 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 これまでのような外交はできないという御答弁いただきました。私もそのとおりだと思います。ロシアという国、私は基本的にはもう全く信用に値しない国であると考えておりますので、先ほどお伝えした脱ロシアという方針、御検討いただければと思います。
 次に、国会同意人事についてお伺いしたいと思います。
 これから扱います国会同意人事については、先般の参議院本会議で既に採決がなされたものでございます。前回の委員会で私の時間切れで質問できなかったわけですが、今後の国内において重要な課題と関連することでもありますので、あえて確認のために質問していきたいと思います。
 今回お聞きしたい国会同意人事は、原子力規制委員会の人事でございます。先般、電力需給が逼迫し、国民が節電を余儀なくされました。その数日前の東北の地震で火力発電所が稼働を停止した上に、急に気温が低くなり、さらに、まん延防止等重点措置、いわゆるまん防が解除された日でもあります。科学技術の発達した、進歩した時代において国民が停電を恐れて節電をする必要があるというのは、先進国としては、先進国とは言い難いと思います。
 電力が足りない大きな理由の一つが、安全性の確認された原子力発電所の再稼働ができていないことですね。多くの方が御指摘されております。そういった中、昨今、原子力発電所の再稼働を求める声が上がっていることは想像されるところでございます。この原発再稼働についてこの原子力規制委員会がどう判断するかについては非常に重要であると考え、その人事について、新たに選出された方の原発再稼働に対する考えは当然重要であると考えます。
 そこで、政府参考人の方にお聞きします。今回の国会同意人事の原子力規制委員会の人選については、委員から委員長へとスライドされた、スライド予定の山中伸介さん、そして新たな委員予定の杉山智之さん両氏がおられます。このお二方のそれぞれ原発再稼働に対する姿勢、考え方についてお伺いできればと思います。
069 片山啓
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○政府参考人(片山啓君) お答え申し上げます。
 原子力規制委員会は、東京電力福島第一原子力発電所事故の反省と教訓を踏まえ、原子力の規制を担う行政機関と利用を担う行政機関を分離するという観点から設置された組織でございます。このため、原子力発電所の再稼働の是非といった事柄については、原子力の利用の問題であり、お答えする立場にないというのが原子力規制委員会の一貫した姿勢となっております。
 なお、三月四日の参議院議院運営委員会におきまして山中委員長候補の所信聴取が行われましたが、その中で原子力発電所の再稼働について御質問がありまして、お答えする立場にないとの回答をされていると承知しております。
070 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。お答えする立場にないとのことですが、恐らく影響力はそれなりにあるのではないかと思います。
 今回の原子力規制委員会の同意人事を見ていますと、衆参本会議の採決結果を見ていますと、これまでどちらかというと原発再稼働に否定的な考えを示している政党の方々が反対されていることなど考えると、新たな人事ではある程度柔軟な考え方が期待できるのではないかと思いました。
 これまでの委員長でありました更田豊志さんの各種会見での発言内容を見ていますと、ちょっと言い方は悪いかもしれないんですけれど、いろいろな理由を付けて何としてでも原発再稼働をしたくないような考え方をされているように思いましたが、新たな人事には期待したいと思います。
 ここで、そもそもの原子力規制委員会についてお伺いしたいと思います。
 この委員会は、東日本大震災の原発事故を契機に、原発の安全性を審議するところとして、先ほども御答弁いただきましたように、設置されたと承知しております。ただ、ちょっと言い方は悪いですけど、私から見ると、この委員会、日本において原子力発電所の再稼働阻止が目的化しているように思えるわけです。
 そこで、引き続き政府参考人の方にお聞きします。この原子力規制委員会、安全面の審査などいろいろな理由から設置されていると理解しておりますが、原発再稼働阻止が目的化しているようであれば、この規制委員会そのものを見直す時期ではないかと考えるわけですが、この見直しについて政府の見解を教えていただきたいと思います。
071 片山啓
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○政府参考人(片山啓君) お答え申し上げます。
 原子力規制委員会は、東京電力福島第一原子力発電所事故の教訓とIAEAの国際基準などを踏まえ策定した新しい規制基準に基づきまして、科学的、技術的見地から原子力発電所の基準適合性について厳格に審査を行っているところでございます。これまでに十一の事業者から二十七基の原子炉に関わる申請がなされておりまして、このうち十七基に対して設置変更許可を行っているところでございます。
 原子力規制委員会といたしましては、原子力施設の継続的な安全性向上に向けて、最新の科学的、技術的知見、国際基準の動向、規制経験などを踏まえ、初心を忘れず、原子力規制の継続的な改善に取り組むことが重要であると考えておりまして、規制委員会制度そのものを見直すことは考えておりません。
072 豊田俊郎
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○委員長(豊田俊郎君) 時間です。
073 浜田聡
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○浜田聡君 次回も引き続き原子力発電所について質問の方はさせていただきたいと思います。
 終わります。御清聴ありがとうございました。

第208回国会 参議院 財政金融委員会 第9号 令和4年3月31日
070 浜田聡
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○浜田聡君 NHK党、参議院会派みんなの党、浜田聡でございます。
 今回は、保険業法の一部を改正する法律案の審議ということで、前半の方、法案に関する質問をさせていただきます。
 冒頭、簡単に関連事項を紹介させていただきます。
 まず、生命保険契約者保護機構というものがあります。これは、生命保険会社の保険契約者のための相互援助制度として、万一生命保険会社が破綻した場合には、破綻保険会社の保険契約の移転等における資金援助、補償対象保険金の支払に係る資金援助等を行う機関です。生命保険会社の各社が既に販売してきた保険商品の支払負担のリスクを考えると、巨額の補償財源が必要となります。そこで、先ほどの生命保険契約者保護機構のような生命保険会社の互助会のような機関がつくられました。
 ただし、その財源を各生命保険会社だけで負担すると、生命保険会社の財務状況が著しく悪化することが予想されます。そこで、政府が応分の借入保証と生命保険契約者保護機構の補償財源を超える場合の負担を行うという時限措置を保険業法に規定し、必要に応じて延長してきました。
 今回の法改正は、生命保険契約者を保護するための補償財源として政府補助を約定する規定を五年間延長する案であり、これまでも繰り返し延長されてきた事案です。
 今回の改正案である五年間の政府補助を約す規定の延長は差し当たり必要な措置だと考えます。もし、保険会社が経営破綻した場合でも、その保険会社の責任準備金の九〇%までは生命保険契約者保護機構と政府が保護、補償してくれるということで、国民の保険業に対する信頼につながっていると考えられるからです。国民生活と金融市場の安定と信用の維持のためにも政府の補償と補助は継続するべきだと考えております。
 ここで、相互援助制度を維持するための各保険、生命保険会社の立場となってその負担を考えてみます。各保険会社は、保険業法の規定で定められた責任準備金を毎年計上しています。それに加えて、生命保険契約者保護機構の積立金を捻出する必要があります。保険会社にとって、こういった積立金を捻出することが過度な負担になっている可能性があるのではないかと想像するわけですが、そこで各保険会社の積立金に関する意見というものは尊重すべきと考えます。
 そこで、金融庁の参考人の方にお聞きします。
 各保険会社から生命保険契約者保護機構の積立金捻出への意見をもし聴取していれば伺いたいと思います。
071 古澤知之
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○政府参考人(古澤知之君) お答え申し上げます。
 御指摘の生命保険契約者保護機構の業界負担による事前積立てにつきましては、保険業法におきまして、機構の資金援助等業務に要する費用の予想額に照らし十分な額として定款で定めるところにより算定した額を積み立てるとされているところでございます。
 この規定に基づきまして、機構の定款におきまして、積立限度額は現在四千億とされているわけでございますけれども、これは全ての生命保険会社を会員といたしますこの機構において定められたものでございます。また、この事前積立ては、今年度その四千億にちょうど達したところでございまして、現段階でこの限度額を上回る積立てを行うということは予定していないというふうに承知してございます。
 こういった中で、金融庁では、本改正案の検討に当たりまして、生命保険会社を含む関係者と協議を実施いたしました。この中で、この積立額四千億に関し、特段の意見は聞かれなかったところでございます。
 こうした中で、金融庁といたしましては、生命保険契約者保護機構による資金援助は、業界負担を原則とするということ、それから、過去の資金援助の実績に鑑みまして、業界による負担金額が事前積立ての必要な水準に照らして過大なものになっているというものではないというふうに考えているところでございます。
072 浜田聡
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○浜田聡君 まあ特段の意見はなかったということで、業界の方もある程度納得されているんじゃないかなと承知しました。ただ、各生命保険会社とすれば、自由に使える資金が多いほど事業はやりやすくなるものと想像しています。
 そこで、金融庁の参考人の方に提案させていただいて、その提案に関する御意見を伺いたいと思います。
 提案としては、金融庁の各生命保険会社への監督が機能していて、保険金の支払能力、支払余力が十分に担保された状況を金融庁の方で確認できれば、事前積立ての負担を必要としないように事後拠出を中心とする制度に変更することでございます。この案への御意見を金融庁として伺いたいと思います。
073 古澤知之
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○政府参考人(古澤知之君) お答え申し上げます。
 先生の御指摘のとおり、まず、生命保険各社がそれぞれのその健全性維持向上に努めるということで破綻を未然に防ぐということが保険契約者の保護の観点から何より肝要というふうに認識しているところでございます。
 ただ、その上ででございますけれども、万一破綻が起こった場合であっても保険契約者の保護を的確に行うということが不可欠というふうに考えてございまして、その観点から、機構におきまして事前の積立てを行うことによって備えを十分に確保しておくということが重要と考えてございます。
 先生の御指摘の中で、事前ではなくて事後に拠出するという御指摘があったかと存じます。平常時におきまして生命保険会社の積立負担がなくて、そして各社において効率的な資金活用に資するという意味で、先生の御指摘の事後拠出のメリットというものがあろうかと思いますけれども、もう一方で、破綻生命保険会社に関して拠出を求められない、つまり、破綻拠出会社も、破綻する前の段階で、事前であればそれに対する応分の負担があったということがあるわけですが、事後だとそれがなくなりますので、保険会社間の負担の公平が図られないのではないかということがございます。
 また、保険会社の破綻が生じるような場合というのは通常厳しい市場環境ということでございますので、そういった中で他の生命保険会社に相当規模の拠出を求めるということになるおそれもあろうかというふうに考えてございます。
 いずれにいたしましても、業界の負担の在り方につきましては、それぞれの仕組みのメリット、デメリットに留意しながら、事前の拠出と事後の拠出というものを適切に組み合わせることということが重要であると考えてございまして、現行制度もそういったことを踏まえた仕組みになっているものと認識しているところでございます。
074 浜田聡
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○浜田聡君 丁寧な御答弁ありがとうございます。適宜、各保険会社の意向に応じて制度を柔軟に組み立て直していくのも一案であると思います。
 次に、日本国内で経営破綻した生命保険会社のほとんどが外資系企業に買われていることについて、金融担当大臣の御意見を伺いたいと思います。
 破綻した生命保険会社のうち、保険業法による手続で処理したのが日産生命、東邦生命、第百生命、大正生命の四社あります。生命保険契約者保護機構などから四社に対する資金援助額が計七千五百三十億円ありまして、そのうち千三百六十億円が政府保証付借入れによって賄われているとのことでございます。
 そして、四社とも外資系保険会社が受皿会社となっております。結果として、外資系保険会社のための生命保険契約者保護機構になってしまっているのではないかということです。これが一概に悪いとは言いませんし、何か明確な答えがあるかはちょっと分からないんですが、ただ、このことに関する大臣の御意見は伺っておきたいと思います。
 ということで、日本の生命保険会社の破綻が外資系保険会社の日本進出の足掛かりとなっていることについて、大臣の御意見を伺いたいと思います。
075 鈴木俊一
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○国務大臣(鈴木俊一君) 生命保険契約者保護機構の制度でありますが、これは我が国の保険契約者等の保護や保険業に対する信頼性の確保などを目的としているものであります。過去の破綻処理におきましては、それにより、我が国の保険契約者等の的確な保護はもとより、日本の金融システムの安定等にも貢献してきたものと考えております。
 破綻した保険会社の保険契約については、外資系保険会社を中心に引受けが行われたことは御指摘のとおりでございますが、これは保険業法の要件に照らして適格性が認定された結果としてそうなったものでありまして、外資系保険会社であったことが問題とは考えておりません。
 日本の保険会社であるか外資系であるかにかかわらず、様々な保険会社が日本の市場に参入して競争することは、顧客ニーズに応じた質の高い多様な保険サービスの提供につながるものと考えておりまして、日本の保険契約者にとって望ましいことでもあると考えております。
076 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 私も大臣の意見と同様で、日本企業も外資系企業と適切な競争でいいサービスが提供できればいい、望ましいと思っております。
 ということを申し上げて、次の質問に移ります。
 次に、ロシアとJT、日本たばこ産業株式会社についてお聞きしたいと思います。
 JTの持ち株比率を見てみますと、財務大臣が三三・三五%の株式を保有しております。つまり、三分の一を辛うじて超える持ち株比率でありまして、特別決議を否決することができるぐらいには財務大臣がJTをコントロールできるのではないかということです。
 そして、JTは、子会社である日本たばこインターナショナル、JTIを通じてロシア国内に四つの工場を持っていると承知をしております。また、ロシアでは成人の三人に一人が喫煙者とされ、たばこ産業にとっては有望な市場であると承知をしております。
 ただ、皆様御承知のとおり、ロシアに対しては、我が国含め世界各国が経済制裁を行っているところでございます。そういった状況の下で、先日の報道によると、JTは、ロシアでの新規投資、マーケティング活動を一時停止するとのことでした。まあ状況を考えると致し方ないのかなと思います。
 そこで、財務省参考人の方にお聞きします。
 JTはロシアでの新規投資はしないとのことですが、既存の投資はそのままにするのでしょうかということです。例えば、既存の製造業の事業などは続けるのでしょうかということでございます。
 また、恐縮ですが、もう一つまとめてお聞きしたいのですが、既存の投資をする場合、今後の回収の見込みはいかがでしょうか。ロシアは、非友好国に対する天然ガス供給をめぐって、支払を自国通貨ルーブルのみにすると述べているわけなのですが、この場合の日本、非友好国であるがゆえに、最終利益から生じる配当などはルーブル払いになるのか、それとも凍結されるのか、教えていただきたいと思います。
077 角田隆
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○政府参考人(角田隆君) お答え申し上げます。
 JTグループは、現時点では、既存の事業、つまりロシア国内でのたばこの製造販売を行っておりますが、既存の事業そのものは継続をしておるところでございます。
 ただし、今般の情勢に鑑みまして、三月十日にプレスリリースしておりますけれども、ロシア国内の事業環境が大幅に改善しない場合、同国内市場におけるたばこ製造を一時的に停止する可能性についても言及しておるところでございます。
 また、将来のことはともかく、資金決済の関係ですけれども、将来のことはともかくとして、少なくとも現時点におきましては、JTグループのロシア現地法人における海外資金決済は実施できているというふうに伺っております。
078 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 繰り返しになりますが、現在、ロシアに対しては、我が国を含め世界各国が経済制裁を行っているところでございます。
 また、前回、当委員会において、私が今後の日本の方針を脱ロシアということで提案して、それについて大臣の見解をお聞きしたところ、前向きなニュアンスで御答弁をいただき、私は好感を持っております。
 そこで、このJTも仮に脱ロシアの方針を取るとした場合に、参考人の方にお聞きします。
 JTが仮にロシアから撤退する場合、JTがロシアに持っている工場などの財産というのはロシアに国営化されて没収されるのでしょうか。ちょっと答えにくければ、JTに限らない一般的な話でも結構でございます。よろしくお願いします。
079 角田隆
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○政府参考人(角田隆君) お答えを申し上げます。
 まさにその点に関しますロシアの政府の動向につきまして様々な報道、臆測もあるところでございますけれども、現時点で確たる情報があるわけでもございませんので、予断を持ってお答えすることは差し控えたいと思います。
080 浜田聡
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○浜田聡君 予断を持った答弁できないことは理解いたしました。
 脱ロシアに方針転換する場合は、ある程度損切りせざるを得ないというのは致し方ないとは思います。ロシアを始めとして、信用できない国への投資はリスクが大きいことを考慮した上で、今後の投資の判断をしていくことの重要性が広がることを願いまして、次の質問に移っていきます。
 次は、前回の委員会に引き続いて恐縮ですが、日本のエネルギー政策、特に原子力発電所に関する政策について伺っていきたいと思います。
 先日、電力需給が逼迫して多くの国民が節電を余儀なくされました。その数日前の東北地方の地震で火力発電所が稼働を停止した上に、急に気温が低くなって多くの電力が必要となる事態と重なりました。国民が停電を恐れて節電をする必要があるという状況を遷延させてはいけないと思います。
 そういった電力不足の問題を解決する方法の一つとして、安全性の確認された原子力発電所の再稼働が重要でありまして、既に国会においては、国政政党の幾つかが積極的に再稼働を推進していると承知をしております。
 まず、火力発電所の現状について確認をしていきたいと思います。
 先般の電力需給が逼迫した原因として、三月十六日に福島県沖で起きた最大震度六強、マグニチュード七・四の地震で、福島県浜通り地方に立地する火力発電所などが相次いで被災して稼働を停止したことが挙げられると思います。
 その後の報道によりますと、復旧に時間が掛かりそうという情報、あるいは思ったより早く復旧するとの情報が混ざっているところだと思います。
 そこで、政府参考人の方にお聞きします。
 現状、これら福島浜通り地方の火力発電所、あと、それ以外の東北地方の火力発電所も可能な範囲で結構ですので、復旧状況どうなっているのか、教えていただきたいと思います。
081 松山泰浩
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○政府参考人(松山泰浩君) お答え申し上げます。
 三月十六日の福島県沖の地震の影響によりまして、東京・東北エリアで計十四基の火力発電所が停止いたしました。その後、東京・東北エリアでの電力需給逼迫警報を発令したわけでございますが、この二十二日の時点ではそのうち六基が継続して停止していたところでございます。
 また、この地震直後に十四基が停止したわけでございますけれども、この地震の後、二十二日までの間に東京エリアにて追加で故障等のため三基が停止になっております。
 この全体についての復旧状況及び見通しについての御質問でございますが、この停止しておりました合計九基のうち四基が復旧済みでございます。三基、この三基が委員御質問の浜通りに立地しております原町、広野、相馬の各火力発電所でございますが、こちらの方は四月上旬から五月半ばに復旧予定と承知しております。
 残りが二基ございまして、二基のうち一つが新地の発電所、もう一基が磯子の方の発電所でございますが、こちらの方は設備の損傷が厳しくございまして、現時点では復旧のめどが、見込み、時期がまだ未定の状況というふうに承知しております。
082 豊田俊郎
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○委員長(豊田俊郎君) 質疑時間が参りましたので、質疑をおまとめください。
083 浜田聡
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○浜田聡君 時間が来たので終わりますが、日本のエネルギー事情、非常に重要だと思いますので、今後も注視していきたいと思います。
 御清聴ありがとうございました。

第208回国会 参議院 行政監視委員会 第2号 令和4年4月4日
149 浜田聡
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○浜田聡君 NHK党、参議院会派みんなの党、浜田聡でございます。
 まず、委員の皆様には、少数会派に配慮して人数配分より多めの質問時間いただきまして、大変感謝しております。
 私たちNHK党は、二〇一九年の参院選において、不公平なNHK受信料制度改革のみを公約として掲げて選挙を戦い、国政政党にしていただきました。ただ、我々、総務委員会の議席を持つことができないため、この行政監視委員会、NHKの監督官庁である総務省の大臣、総務大臣に質問できる貴重な機会でございます。例年、この行政監視委員会で総務大臣、総務省にNHKのことについて質問させていただいております。金子総務大臣、よろしくお願いいたします。
 今回、ちょっと伝えたいことが本当にたくさんありまして、本当に重要なことを確実にお伝えするために、私、冒頭十分ほどお話しさせていただこうと思います。あらかじめ御容赦いただきたいと思います。
 我々が国会に来て二年以上が過ぎました。その間、この受信料制度の問題、大きな進展を遂げております。二年間にわたって私がこの参議院の各種委員会で度々問題として取り上げていたNHK委託業者による悪質な集金人による問題発生件数、大幅に減っております。
 二〇二〇年十二月初めに、NHK前田会長が今後は戸別訪問による営業をやめる方針を打ち出しており、それが現実に形となっているところだと思います。我々NHK党はNHK受信料の相談に乗るコールセンターを運営しているのですが、そちらに寄せられる御相談についても、悪質な集金人による被害者からの相談件数、実際に大幅に減っております。有言実行の前田会長にはこの場で感謝申し上げたいと思いますし、また、私の参議院での各種委員会での訴えに耳を傾けてくださった議員の皆様を始めとする多くの関係者の方々にも申し上げます。そのほかにも、ほかの議員の方でNHKの受信料問題取り上げてくださった方おります。私から感謝を申し上げます。
 とはいえ、不公平なNHK受信料制度の問題、解決したわけではありませんので、引き続き尽力していこうと思います。
 さて、今回、質問に先立ちまして、NHKの番組に出演されている方に関して総務省の方々へ情報提供させていただこうと思います。NHK連続テレビ小説に出演されている俳優の方が賭博行為や詐欺事件への関与を指摘されている件でございます。ただ、確定しているわけではありません。情報の吟味は慎重にしつつ、ここでは俳優の方の名前を伏せさせていただきます。
 今回、賭博行為や詐欺事件への関与に関する情報源として、昨今インターネット上で話題になっている芸能人暴露系ユーチューバー、ガーシーチャンネルというものを紹介させていただきます。このガーシーチャンネルは、東谷義和さんという方が芸能人関連の不祥事を次々と暴露していくスタイルの動画をアップされているというものでございます。この方、芸能人の身の回りの様々なお世話をかなりされてきたようで、どういったお世話かといいますと、芸能人、例えば芸能人の方がお望みになる、いわゆる異性の、異性などのパートナーを紹介したり、不祥事のもみ消しをしたりということを数々されてきたようです。仕事ぶりから各芸能人の方々の信頼も相当なものであったとのことでございます。
 そういったことから、この方、数多くの秘密を知っておられてですね、様々な経緯から、そういった秘密について、御自身の動画内において証拠となる写真などと併せて紹介しておられるわけですが、いずれの動画も数十万再生から、中には三百万回超える再生回数出しておられます。このチャンネル開設一か月足らずで、チャンネル登録者数が百万人に達しそうな勢いでございます。
 今回、そういった動画の中に、現在、NHK連続テレビ小説に御出演の俳優の方が賭博行為や詐欺事件への関与を指摘するものがあるということです。もちろん、真偽のほどは現時点で確定できるものではありませんが、仮に真実であった場合に、皆様の受信料で成り立っているNHKの番組にそういった過去のある方が、出演させたことの道義的責任が追及される可能性があるかもしれません。そのため、この場で、NHKを管理監督する総務省にあらかじめお伝えさせていただくものでございます。
 ちなみに、こういった東谷さんの行為については様々な意見があるとは思いますが、私は、ある意味正義の行為として評価をしております。なぜなら、国民の共有財産である公共の電波を使った番組に出演されている方々には、そういう、それ相応の知る権利の対象となる、なり得ると考えているからです。今後も引き続き注視していこうと思います。
 それでは、本題に戻ります。
 NHK受信料制度の問題点、特にこれに関する法整備の不備についてお話しさせていただきます。
 この不備があるがゆえに、NHK受信料に関する裁判で法解釈が様々に考えられるために、裁判を争う我々やNHK関係者のみならず、判決を下す裁判所の方々も困っているのではないかと推察されます。今回、そのことについて、大臣始め総務省の皆様と問題共有させていただこうと思います。
 時間も限られておりますので、何が問題なのか、どこが法整備の不備なのか、できるだけ端的にお伝えさせていただきます。
 まず、テレビなど放送受信設備を設置した者が支払うとされるNHK受信料ですが、テレビの普及状況を考えると、極めて多くの方が受信料を支払うこととなっており、現に多くの方が支払っていることは皆様御周知のとおりです。それゆえに、この受信料制度、多くの方々に影響を及ぼすということでございます。
 受信料を支払うこととなる個々の置かれた状況がそれぞれ異なるとはいえ、最終的に幾らの受信料を支払わなければいけないのか、法令上でしっかりと決まっている必要があります。法解釈によって同じ個人が支払う受信料の額が異なるということはできるだけ避けるべきと考えます。
 しかし、現状は、法解釈で異なってくるという状況が生じているために様々な問題が起こっているということです。特に、我々NHK党は、NHKに受信料の裁判をされている方をサポートしている関係で、この問題にしばしば遭遇するというわけです。
 では、具体的にどういう場面で問題が発生するか、説明していきます。
 まず、どれだけの受信料を支払わなければならないのかということが裁判で往々にして問題となるケースとして、NHK受信料をこれまで払ってこなかったということが挙げられます。つまり、受信料の不払です。
 そして、ここで注意してほしいと思うのですが、受信料の不払に大きく分けて二パターンあります。一つは、NHKと放送受信契約をしないで、そもそも、しないで不払というものが一つ。もう一つが、NHKと放送受信契約をした上での不払がもう一つとなります。法整備の不備というのが、このNHK放送受信契約をしない状態での不払の際、最終的に幾ら払わなければいけないのということがしっかり決まっていないのではないかと思います。
 法整備の不備を指摘させていただくに当たり、最低限の法令の条文をここで三つ紹介させていただきます。
 今回の配付資料にありますように、まず、放送法第六十四条、次に放送法施行規則第二十三条、そして日本放送協会放送受信規約第十二条になります。
 放送法はこの国会で決められる法律でございます。そして、放送法施行規則は総務省令でありまして、総務大臣が制定をします。そして、日本放送協会放送受信規約は日本放送協会、NHKが決めますが、ただし、そのNHKが作った規約案は総務大臣の承認が必要でございます。
 さて、順番に簡潔に説明をしていくんですが、まず、放送法第六十四条の第一項で、放送受信設備、つまりテレビなどを設置した者はNHKと契約しなければならない旨が定められております。そして、その第三項では、その契約の条項について総務大臣の許可が要るとされています。
 次に、どういう条項があるのかについては放送法施行規則第二十三条に記載されています。ここの第七、七を見てください。ここに先ほど取り上げた受信料不払の際の追徴方法と記載されております。この文章、途中で及びという接続詞がありますので、それを踏まえて二つの文章に分けてみます、分けることができます。つまり、二つの場合の受信料の追徴方法を定める必要があることになります。
 一つは、先ほど申しましたように、受信契約の締結を怠った場合、そしてもう一つが受信料の支払を延滞した場合、それぞれ受信料の追徴方法を定める必要があるということです。これは、前者は契約しない状態での不払であり、後者は契約をした状態での不払ということになろうかと思います。
 では、この前者の場合と後者の場合の追徴方法が果たして定められているのかという疑問を持ちつつ、次の日本放送協会放送受信規約第十二条を見ていきます。すると、十二条の二に次のように書かれております。放送受信契約者が放送受信料の支払を三期以上延滞したときは、所定の受信料と延滞利息を支払わなければならないと記載されています。
 というわけで、後者の場合、つまり契約して不払の場合の追徴方法は定められていることが分かります。では、前者の場合の追徴方法、つまり受信契約を怠った場合、していない場合の追徴方法は定められているのかですが、私が確認した範囲では、定められているのかどうかはっきりしません。今回紹介した放送法、放送法施行規則、日本放送協会放送受信規約のいずれにも規定されていないように思われます。少なくとも、条文、見出しにはそういったことが明示されておりません。NHKと契約をしないで未払のケースというのは山ほどあります。そして、それに関してNHKから裁判される方もたくさんあり、我々がそういった方のサポートをする上で何度も問題になっているわけでございます。
 そこで、総務省参考人の方に質問、提案させていただきます。
 まず、放送法施行規則第二十三条七での受信契約の締結を怠った場合における受信料の追徴方法に関する法解釈が定まっていないと思われることに関して、問題意識をお持ちなのかどうかというのがお聞きしたいことの一つ目、もう一つは、また、問題意識をお持ちであるならば、法解釈がはっきりするような法令改正をするつもりがあるのかどうか、教えていただきたいと思います。
150 吉田博史
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○政府参考人(吉田博史君) お答えいたします。
 お尋ねのありました放送法施行規則第二十三条第七号の受信契約の締結を怠った場合における受信料の追徴方法につきましては、日本放送協会放送受信規約第五条、この第五条は放送受信料支払の義務という条項でございますが、この第五条に定められていると考えております。
 本件に関しまして、放送法施行規則を改正する必要はないものと考えております。
151 浜田聡
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○浜田聡君 我々、総務省と何度も何度もやり取りを、この件に関してやり取りをしているわけですが、法解釈が、先ほど指摘された放送受信規約の五条であったり十二条であったり、ちょっところころと移っているわけで、我々当惑しているわけでございます。是非とも、今後、私の指摘を前向きに捉えていただきたいと思います。
 我々NHK党は、NHKの放送を見ていないのであれば受信料は支払わなくていいということで、見ていない人については受信料不払を勧めていますが、その際には契約をした上での不払を勧めております。テレビを設置している者が受信契約をすることは放送法第六十四条で義務付けられており、最高裁でも判決が決まったものでありますので、我々はそれを踏まえた上で不払を勧めているわけです。さらに、契約せずに不払ですと、先ほど申し上げましたように、その法的解釈が定まっていないように思われることから、裁判時の双方の事務的負担も尋常でないこともあります。そういったことから、やはり契約しての不払をお勧めしているわけでございます。さらに、契約せずに不払だと時効の援用もできません。契約しての不払だと五年間の時効の援用もできるわけでございます。改めて、ここでお伝えさせていただきます。
 この一連のNHK受信料に関する法令については、NHK党の立花孝志党首がその問題点を指摘し始めました。総務省の方にも、この問題点、二年前からお伝えをしております。立花孝志党首、この一連の法令については日本で最も熟知していると言っても過言ではないと思います。問題解決のための法令改正、総務省の方で考える際にも、もしこちらに御相談いただければ喜んでお手伝いいたしますので、御遠慮なく相談いただければと思います。
 我々NHK党は、NHK見ていなければ受信料は払わなくていいという方針ですが、逆にですね、NHK見ているならば当然受信料は払うべきという方針でございます。ただ、現状の受信料制度は、たとえNHKを見ていても受信料を払わないでいることが可能な状況でありまして、その結果として、受信料を真面目に払っている者が損をする状態でございます。
 この問題を解決するため、我々NHK党は三つの提案をしておりまして、ここで紹介させていただきます。
 一つは、まずNHKの放送をスクランブル化するというものでございます。これが一番すっきりしますし、お勧めします。二つ目は、テレビ購入時に契約を義務付けるというものでございます。これはイギリスで実施されております。あと、三つ目は、未払者全員にNHKが裁判をするというものでございます。
 そこで、金子大臣に質問と提案を申し上げます。
 現状の受信料制度が、NHK見ていても受信料を払わないでいることが可能な状況でありまして、その結果として、受信料を真面目に払っている者が損をする状況であることについて問題意識を持っているのか、お聞きしたいということ。もし問題意識がお持ちであるならば、先ほどの提案について、あるいはその他の方法で受信料制度改革するつもりがあるのかどうか、お聞きしたいと思います。
152 金子恭之
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○国務大臣(金子恭之君) 受信料は、NHKが公共放送としての社会的使命を果たすために必要な費用を広く国民・視聴者に公平に御負担いただくものでございます。したがって、受信料の支払率を向上させ、公平な負担を徹底することは重要な課題であると認識しており、まずはNHKにおいて受信契約の締結や受信料の支払について国民・視聴者の皆様の御理解を得られるよう、丁寧な説明に努めるとともに、未契約者及び未払者対策を着実に実施していただきたいと考えております。
 なお、料金を支払う方のみが受信できることとなるスクランブル化は、広く国民・視聴者を対象とする公共放送の役割になじまないと認識しております。
 また、お触れになられましたイギリスの通知義務については、二〇一三年六月二十五日にこの通知義務は廃止されております。
 いずれにしても、今後の受信料の在り方については、幅広く国民・視聴者の皆様からの十分な御理解を得ながら、多角的な議論を進めることが必要であると考えております。
153 浜田聡
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○浜田聡君 終わります。

第208回国会 参議院 憲法審査会 第2号 令和4年4月6日
063 浜田聡
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○浜田聡君 NHK党、参議院会派みんなの党、浜田聡でございます。
 本日、お二人の参考人の先生方、どうも勉強になりました。ありがとうございました。
 私の方からは、両参考人の先生方に共通の質問、二つさせていただきたいと思っております。まず、こちらで質問を二つ申し上げまして、御答弁の時間配分についてはお二人にお任せしたいと思います。
 今回の回の議論の中心が憲法第五十六条第一項の出席に関するものでありますから、それと密接に関連するものとして、緊急事態の対処方法、そして現行憲法の前の憲法である大日本帝国憲法について両先生の御意見をお聞きしたいと思います。
 時間も限られておりますので、端的に私の意見を申し上げますと、緊急事態への対処については大日本帝国憲法がよく制度設計されていたのではないかと考えております。現行憲法が未来永劫危機が訪れないことを前提にしているように思われます。だからこそ、緊急事態条項が話題となって注目されるのではないかと思われます。一方で、帝国憲法は、危機の想定について憲法の秩序そのものが崩壊するような危機のことを想定しているように思われます。
 では、帝国憲法について具体的にどのように制度設計されているのかについて端的に申し上げますと、議会が開けなくても内閣と枢密院という天皇の顧問機関がありました。議会が開けないと本来は法律が作れないんですが、そんなときこそ法律を作らなければいけないときがあります。そこで、緊急勅令という制度がありました。これは内閣と枢密院だけで作ることができました。さらに、その内閣と枢密院も機能しないときは、最後の手段として天皇自らが緊急勅令を出すということも可能であったわけでございます。このように、様々なレベルの危機に備えて何段構えにもなっていました。
 ただし、この緊急勅令、議会の許可なく国民の権利を制限するものであることが、できるものでありますので、緊急事態であろうとも政府が勝手に国民の権利を侵害してはならないと考えられましたので条件が付けられていました。それは一時的であることでございます。次に議会を開くまでの暫定措置という条件が付いておりました。
 様々な意見があるとは思いますが、私はこのような帝国憲法の制度設計は優れたものではないかと考えております。もちろん、現行制度では枢密院はありませんし、天皇に対する考え方についても国民の意見は明治時代とは異なっていることを考えられますので、これをそのまま今後の制度設計することは難しいと思いますが、緊急事態への対処という意味では大いに参考にすべき点はあるのではないかと考えております。
 そこで、両参考人に二点お伺いしたいこととして、一点目が、このような帝国憲法の、究極的には憲法秩序そのものが崩壊するような危機も含めて、様々な危機に対して何段構えにもなっている制度設計、そして緊急時にできた権利制限が暫定的とされている制度設計について御意見をお聞きしたいということが一つ。
 もう一点が、憲法というのはその国の歴史、文化、伝統そのものと言っていいものでありますから、仮に憲法改正草案を作る際には帝国憲法も大いに参考にすべきではないかと私は考えているのですが、仮に憲法改正草案作る際には帝国憲法を参考にすべきという意見についての御意見をお伺いしたいと思います。
 時間も限られておりますので、一点、二点のうち一点のみでも構いません。赤坂先生、長谷部先生の順番でよろしくお願いします。
064 赤坂幸一
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○参考人(赤坂幸一君) かなり広範な御質問をいただいたように思いますけれども、そのうち引っかかった一点だけお答えしますと、特に緊急事態というのは、その執行部の力ないし動きというのは強くなる時間なんですね、ときなんですね。そういうときこそそれを抑制する組織というものが必要で、執行部というものは特定の目的に向かって資力を総動員して、リソースを総動員して目的を達成する傾向があると。それに対して、それを常に検証し、批判し、オルタナティブを提示する組織というものがやはり必要であると。
 緊急勅令というものは、その観点からすると議会ではなく執行部の手段ですので、私の観点から、それを緊急時においてこそ統制、更に別の観点から統制する議会的組織を確保するということの視点がやはり更に重要なのではないかと考えます。
 私の方からは以上で。
065 長谷部恭男
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○参考人(長谷部恭男君) まず、緊急勅令との関係です。
 これ、歴史的な事実をちょっと申し上げますが、現在の日本国憲法の制定の過程におきまして、実は総司令部案を受け取った日本政府側は、この緊急勅令に当たる条項を新しい日本国憲法の中に取り込めないかということを総司令部との間の折衝の場に持ち出したんですが、そうすると総司令部の側はどう答えたかと、必要ないだろうと。現在、憲法七十三条になりますが、内閣は法律の委任を受けて政令を制定することができるので、緊急事態に対応するような法律を作っておいて、その法律で政府に対しある程度広範な権限を与えておけばそれで十分対処はできるはずだというのが総司令部の考えで、だとすると、これは日本政府の側ですが、政令でもちゃんと刑罰を科することができるように、そういうことにしてもらいたいということで、それは明文で、現在七十三条で法律の委任を受けて刑罰を規定することができるという、そういう罰則を規定することができるという、そういう仕組みになっております。
 この考え方自体については、第九十回の帝国議会においての日本側の政府の説明も変わっているところはないと、特に緊急事態を設ける必要はないのではないかということであったというふうに考えております。
 以上でございます、取りあえず。
066 浜田聡
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○浜田聡君 大変参考になる御意見、ありがとうございました。
 私から質問の方、終わります。

第208回国会 参議院 行政監視委員会国と地方の行政の役割分担に関する小委員会 第1号 令和4年4月11日
098 浜田聡
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○浜田聡君 NHK党、参議院会派みんなの党、浜田聡でございます。
 国と地方の行政の役割分担に関することとして、今回は国土交通省の方に、道路整備に関する財源、そしてシェアサイクルについてお聞きしていきたいと思います。
 約二か月前の二月中旬に、令和三年度の国民負担率を財務省が発表し、それに関して各種報道がされました。国民の所得に占める税金や社会保険料などの負担割合を示す国民負担率は、令和三年度は前の年度を僅かに上回って四八%と、これまでで最大となる見込みという内容でした。
 日本国民の、日本の国民負担率は、五十年余り前、高度経済成長期の昭和四十五年度には現在の約半分の二四・三%でしたが、その後は上昇傾向が続いて現在に至ります。国民が頑張って得た稼ぎの約半分を国や地方政府に持っていかれるという状況については、私は国民の自由を束縛する方向として危機感を抱いております。
 岸田政権が発足してそれなりの時間が経過しました。この間、国民負担率を下げて国民を自由にしようという意図は感じられません。それどころか、今後増税を進めて、より国民の自由を束縛していこうという意図が見え隠れしております。
 岸田政権が打ち出している新しい資本主義という経済政策があります。私は、政権が国民負担を増やして国による国民統制を進めていることを考えると、新しい資本主義よりは古い社会主義が実情ではないかと思っております。国の経済を活性化させるため、そういった方向に進まないことを願うとともに、私自身、国会内外でしっかりと活動していこうと思っております。
 さて、今回は、そういった国民の税負担を少しでも下げることに貢献できればと思い、アメリカの民間企業が行っておりますユニークな道路整備の取組を紹介するとともに、それを日本国内で普及できればと思い、その必要な準備として国土交通省の方に質問させていただきます。
 今回紹介しますのは、アメリカのドミノ・ピザが行っているペービング・フォー・ピザ・キャンペーンというものであります。ドミノ・ピザは、日本にも数多くの店舗があることから御存じの方も多いかもしれませんが、宅配ピザのチェーン店です。ピザを運ぶ際に道路が凸凹だと、そのせいで宅配途中のピザが被害を受けることにドミノ・ピザは課題として考えておりました。そういった課題に対して、ドミノ・ピザが道路の舗装に乗り出したというものでございます。
 このキャンペーンの仕組みとしてはシンプルで、次のとおりです。それは、ドミノ・ピザが道路の補修代を負担します。その代わりに、その舗装した道路の表面にドミノ・ピザの広告表示を認めるというものでございます。今回の配付資料では、そういった補修された道路に表示されたドミノ・ピザのマークの写真を掲載させていただきました。
 このように、米国では、民間企業であるドミノ・ピザが行政と連携してアメリカ中の道路を補修しているようです。この場合、道路補修の財源としては、税金ではなく民間企業による広告費と言えるようなものになります。したがって、この取組によって、住民にとっては税負担が減り、企業にとってはPRにもなります。こういったものは新しい形の屋外広告として注目に値するのではないかと考えます。このドミノ・ピザのキャンペーンはアメリカの一部の州で始まった試みですが、現在拡大しており、一部の州のみならず数多くの州で広がっていると承知をしております。
 こういった試みが、日本でも同様のことが行われるのが望ましいのではないかと思い、質問の方させていただきます。質問の時間の都合上、通告しておりました二つの質問、まとめてお聞きしたいと思います。
 一つ目は、日本国内で、このように道路を補修、整備の負担をする代わりに民間企業が道路に広告掲載をすることを認めている事例があれば教えていただきたいと思います。もう一つは、そういった事例がないものとして、日本国内でこのように道路の補修、整備代を負担する代わりに企業が道路に広告掲載することを、現状可能か否か、仮に何か行った際にですね、行った際に何らかの法律に抵触するか否かを教えていただきたいと思います。
099 倉野泰行
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○政府参考人(倉野泰行君) お答え申し上げます。
 まず一点目でございますけれども、委員御指摘の米国におけますキャンペーンにつきましては、民間企業が道路の陥没ですとかひび割れの修繕に要する費用を負担した上で、その修繕がなされた路面に企業のロゴマーク等をペイントするという取組であると承知しております。
 我が国におきまして、道路の修繕等に要する費用に充当することを目的としまして道路に広告物を設置するという取組につきましては、制度としましては道路管理者の裁量の範囲内で認められ得るものと考えております。ただし、御指摘の事例のように、道路の修繕等に要する費用に充当することを目的としまして道路の路面に民間企業のロゴマーク等を表示するという実際の事例は承知しておりません。
 二点目でございますけれども、道路に広告物を設けようとします場合には、道路法に基づく道路管理者による占用許可という行政処分が必要となります。そのためには、道路本来の目的であります一般交通に支障を生じさせることのないよう、道路占用許可の基準に適合することが必要となります。
 民間企業等が道路維持管理への協力として道路の清掃や美化活動等を行い、その見返りとして道路に広告物を設けることにつきましては、占用許可基準の範囲内であれば認められ得るものと考えております。ただし、広告物の占用基準におきましては、その大きさや表示方法等に一定の制約がございます。例えば、仮に民間企業等が、自らが負担した道路の補修ですとか整備の費用に相当する収益につきまして、それを得られるだけの広告物を占用しようとする場合、その大きさや表示方法等がこの占用基準を上回ることが大きいものと予想されますので、実現には課題が多いというふうに認識しておるところでございます。
 また、道路に広告物を設けるに当たりましては、道路交通法や、地方公共団体によりましては屋外広告物条例といった、他の法令にも適合している必要があると承知しております。
 国土交通省といたしましては、それぞれ現地の状況に応じまして、占用許可基準や他の関連する法令の範囲内におきまして、民間の活力を生かした道路の維持管理がそれぞれの地域において行われているものと認識しておるところでございます。
100 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございました。現状そのまま適用するわけにはいきませんが、いろいろと工夫をすればできるような感じはいたしました。
 私が少し調べましたところでは、今回紹介した取組が行われたところの一つとして、アメリカのウェストバージニア州にあるパーカーズバーグという町があります。パーカーズバーグ市議会は、今回の取組を可能とするために、その法案を二〇一八年に通して実現したと承知しております。
 現在、アメリカはバイデン政権となっておりますが、その前のトランプ政権では次のような方針が打ち出されました。アメリカ国内経済の再活性化のために、連邦、州及び地方政府は、民間部門と協力して、空港、道路、鉄道等の交通システム及び電気通信等のインフラ整備を進めるというものです。アメリカでは、政府、官僚がインフラ整備をすればお役所仕事になって、非効率的でサービスも悪くなると考えているわけでございます。よって、民間部門と協力してインフラ整備を進めるとしているわけであり、この取組はその一環であると考えられます。
 こういった方針をすぐに日本で導入することは難しいのかもしれませんが、参考にできるところはあると思い、今回取り上げさせていただきました。
 次に、全国各地で広がっているシェアサイクルについてお話ししていきたいと思います。
 シェアサイクルは、他の人と自転車をシェアできるサービスです。必要なタイミングで借りたり返したりすることができて、使う分だけ料金を支払えば使えます。コミュニティーサイクルや自転車シェアリング、サイクルシェアなどと呼ばれることもあります。
 自転車を各地で借りるサービスとしては、以前からレンタサイクルがあります。ただ、レンタサイクルは、店舗の営業時間にしか借りれない、借りた店舗に返却しなければいけないなどの制限がありますが、シェアサイクルは、一定のエリアにサイクルポートと呼ばれる駐輪場が幾つもあって、二十四時間いつでも好きなポートで自転車を借りることができます。
 数年前から注目されているこのシェアサイクルは、公共の施設や駅など利用しやすい場所に設置されておりまして、ポートの数も年々増えております。東京都を始めとして各地方自治体は、公共交通機関の一つとしてシェアサイクルの活用を推進していると承知をしております。
 この東京都千代田区にももちろんこのシェアサイクルのサービスがありまして、サイクルポートに並んでいる赤い自転車、見た方も多いのではないかと思います。これは、ドコモのバイクシェアサービスというところが提供しているサービスでございます。このドコモ・バイクシェアサービスは、利用者登録をしていると、東京のみならずほかの都市によっても利用することができるというものであります。
 で、非常に便利なものであるんですが、一方、このシェアサイクルのサービスはドコモ・バイクシェアサービス以外にも様々な企業が全国展開しておりまして、それぞれのサービスに登録しないと利用することができません。
 そこで、時間もありませんので、最後一つ提案させていただきます。登録手続の一元化の提案でございます。
 シェアサイクルのユーザーとしては、登録手続を全国で一元化してもらえれば利便性は向上するのではないかと考えるわけですが、この全国のシェアサイクルですね、登録一元化について、この要望について政府の見解を、現時点での、教えていただきたいと思います。
101 北村経夫
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○小委員長(北村経夫君) 時間が過ぎておりますので、簡潔にお答えください。
102 倉野泰行
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○政府参考人(倉野泰行君) はい。
 委員御指摘のように、シェアサイクルの一層の普及を促進しますためには、利用者にとっての利便性の向上を図ることが重要であると認識しております。
 シェアサイクルサービスの利用者登録を複数事業者間で共通化するということにつきましては、今年の三月二十九日から、複数の交通手段を対象としましたJR東日本のアプリケーションにおきまして、利用者が本アプリケーションに登録を行えばドコモ・バイクシェアとハローサイクリング双方のシェアサイクルを利用できるサービスが開始されるなど、民間事業者におきまして既にその取組が始まっているところです。また、現在、シェアサイクル利用者の利便性向上につながるような複数事業者間で連携したシステムの構築、こういったものに活用可能な支援措置も講じているところでございます。
 自転車活用推進本部事務局を預かります国土交通省といたしましては、引き続き、このような支援措置も活用しつつ、関係府省庁などと連携しながらシェアサイクルの利用環境の向上に努めてまいりたいと考えております。
103 浜田聡
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○浜田聡君 終わります。

第208回国会 参議院 国民生活・経済に関する調査会 第4号 令和4年4月13日
015 浜田聡
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○浜田聡君 NHK党、参議院会派みんなの党、浜田聡でございます。
 今国会の当調査会において、「困難に寄り添う支援の構築」を共通のテーマとして三回の参考人質疑が行われました。この三回の調査会の内容と現在の岸田政権の方針を踏まえて意見表明をさせていただきます。
 今から二か月ほど前に、財務省より国民負担率の発表がありました。国民負担率というのは、国民全体の所得に占める税金や社会保険料負担の割合を示すものです。令和三年度の国民負担率は四八%で史上最大とのことです。今から約五十年前、日本は高度経済成長期にありました。そのとき、昭和四十五年度の国民負担率は二三%であり、現在の約半分でございました。国民負担率はその後、時間の経過とともに上昇を続けており現在に至ります。
 国民負担率四八%というのは国民が頑張って得た稼ぎの半分を政府に持っていかれる状況でありまして、私はゆゆしき問題であると考えます。国民負担率の上昇は国民の経済活動の自由を阻害するものであります。多くの国民にとって経済活動の自由が損なわれている現状に危機感を抱くとともに、岸田政権に対して、そういった現状を改善するため、国民負担率を下げる方向にかじ取りするよう求めます。
 岸田政権による意見表明で度々聞かれる言葉として、新自由主義からの脱却というものがあります。私は、この言葉を聞くたびに違和感を覚えます。これまで申し上げてきたように、国民負担率が上昇傾向であり、国民の自由が阻害されてきているわけでありますから、いわゆる自由主義とは逆の政策が行われてきているわけでございます。そういうわけで、自由主義とは言い難い状況であるにもかかわらず、そこからの脱却というのは不自然であると考えるわけでございます。したがって、国が目指すべきは、そこからの脱却よりも、むしろ今や自由主義を追求すべきであると考えます。
 岸田政権の政策を示す言葉としてもう一つ紹介させていただくと、新しい資本主義というものがあります。これまでの政権運営を見ておりますと、岸田政権は、国民負担率を下げようという方針は見えず、むしろ増税を示唆する動きも見られます。経済活動の自由を今後も縛っていこうとするのであれば、それは岸田政権は、新しい資本主義というよりも、むしろ古い社会主義と表現した方がよさそうです。現在、新しい資本主義に関して政府の各会議においてその方針が議論されていると承知しておりますが、今後は経済活動の自由を重視するような方向に進むことを求めます。
 さて、今国会の調査会で何度か聞かれたこととして、公務員を増やすべきという提言がありました。私は、この提言については慎重になるべきと考えます。公務員を増やすということは、シンプルに考えればその人件費が増えることとなり、国民の税負担上昇の可能性があるからです。もちろん、厳しい労働環境下に置かれている公務員の皆様への配慮は必要です。しかし、その対策を安易に人を増やすことのみで考えるべきではありません。最優先で考えるべきは、そもそも公務員の仕事を減らすこと、そして業務効率を上げることであると考えます。
 二〇二〇年、OECD公表のデータによると、日本の時間当たり労働生産性はOECD三十八か国中二十三位とのことでございます。公務員を増やすかどうかと御議論する際には、日本の国民負担率が高くなっている現状、そして日本の労働生産性が高くないことを踏まえるべきであると申し上げたいと思います。
 以上、岸田政権や調査会の内容を踏まえて私見を申し上げました。
 これまで申し上げてきたように、国民負担率は上昇の一方にあり、現状の岸田政権の方向性には危機感を抱いています。みんなの党会派は、そういった状況を打破し、国民の自由をより尊重し経済成長する社会となるよう今後も尽力していくことを誓いまして、私の意見表明とさせていただきます。
 御清聴ありがとうございました。

第208回国会 参議院 財政金融委員会 第10号 令和4年4月14日
092 浜田聡
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○浜田聡君 NHK党、参議院会派みんなの党、浜田聡でございます。
 今回は、鈴木財務大臣、総務省統計局の参考人の方、そして日本銀行若田部副総裁に質問させていただきます。よろしくお願いいたします。
 今回は、日本が長らく苦しんできた、そして今なおも脱却し切れないでいるのではないかと思われるデフレ、そしてそのデフレ脱却のための重要な施策の一つである金融政策などについてお伺いしていきたいと思います。
 というわけで、まずデフレを話題としたいんですけれど、まずデフレの定義を確認しておきたいと思います。
 IMFや内閣府は、デフレの定義として、物価下落が二年以上継続している状態と記載をしております。この定義の文の中で重要なポイント、二つあると思います。一つは、継続という部分でございまして、一時的な物価の下落はデフレではありません。そしてもう一つは、個別の商品価格ではなく、物価の下落を指しています。いわゆる物全体の価格のことです。つまり、デフレというのは、その定義からは物やサービスの全体の価格が下がり続けることが蔓延している状態と言えます。
 価格が下がり続けるというのは、消費者からすると良い思いの方もいるかもしれませんが、物やサービスを提供する事業者側からするとたまったものではありません。売る量を増やし続けなければ、売上げを維持できないことになるわけです。この状態に耐えられる事業者はいるのかもしれませんが、耐え切れずに倒産する事業者が増えるのは容易に想像できます。倒産が起これば、リストラも起こります。従業員の新規採用や給料も減ります。すると、消費者は消費を控えるようになります。さらに、企業が物の価格を下げていきます。このように、物価の下落が不況を招き、更に物価が下落するという悪循環、デフレスパイラルといいます。
 何が言いたいかと申し上げますと、デフレというのは、その定義を考えると、その国にとっては倒産、リストラ、減給、不景気などつながり、良いことは全くないということでございます。
 そこで、デフレ脱却担当大臣でもある鈴木財務大臣にお伺いします。
 通告のとおり、三点、恐縮ですが、まとめてお伺いしたいと思います。一つ目は、大臣のデフレに対する考えを教えていただきたいということ、二つ目は、現状がデフレか否か、その判断を教えていただきたいということ、三つ目は、デフレ脱却すべきと考えるのであれば、その決意を聞かせていただきたいと思います。よろしくお願いします。
093 鈴木俊一
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○国務大臣(鈴木俊一君) 三点についてお尋ねがございました。
 まず、デフレの下では、企業は投資や賃金を抑制して、消費者も将来への不安から消費を減らさざるを得ず、その結果、需要が低迷するという悪循環が生ずるものと考えております。
 二〇一二年十二月の政権交代後、デフレ脱却に向けまして金融政策、財政政策、成長戦略を一体として進めた結果、もはやデフレではないという状況をつくり出しました。ただし、デフレを脱却したという状況には至っていない、そのように認識をいたしております。
 昨年十月の所信表明演説で岸田総理が述べているとおり、岸田政権のマクロ経済運営において、デフレからの脱却、これは最大の目標であります。今後とも、日銀と緊密に連携しながら、あらゆる政策を動員して、デフレ脱却、そして成長と分配の好循環を実現する、そして持続可能な経済成長、これを目指していきたいと考えております。
094 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 デフレではないけどデフレを脱却できているとは言えないということで、今後も御尽力いただきたいと思います。私としても、デフレの完全脱却という同じ方向に向かって共に頑張っていければと思います。
 ここで、甚だ僣越ながらデフレ対策に関して注意を申し上げさせていただきますと、それは、デフレになってもその痛みを感じない人がそれなりにいるということだと思います。そういった方々の一部として例を挙げさせていただきますと、自身の、自身の所属組織の業績が良かろうが悪かろうが首にならない、いわゆる公務員の方々が挙げられると思います。もちろん、公務員の方々を目の敵にする意図は私としてないのですけれど、デフレへの危機感を感じにくい方々と一緒に仕事をしていくということについては、デフレ脱却についてうまくいくかどうかについては疑いを持つことは必要なのではないかと甚だ僣越ながら申し上げさせていただきます。
 次に、デフレ脱却において非常に重要な指標である物価をですね、物価の変化を測る物差しである消費者物価指数について話を移していきたいと思います。
 英語で申し上げますと、コンシューマー・プライス・インデックス、略してCPIと呼ばせていただきます。このCPIは経済政策を語る上で必要な数字です。測定方法などの限界などから様々な問題はありながらも使わざるを得ないのがこのCPIであり、世界各国、中央銀行もほぼほぼこのCPIを重視していると承知をしております。
 このCPIを扱う際にはいろいろと注意が必要とのことで、それらについて総務省統計局の参考人の方にお尋ねしていこうと思います。よろしくお願いします。
 CPIの問題の一つとして、その誤差が挙げられると思います。考えてみれば当たり前のことなんですが、世の中に存在する全ての物やサービスの値段を全て記録してその平均を求めるというのはほぼ不可能です。そこで、全てではなく、一部をサンプル調査してCPIを算出していると思うのですが、その過程で誤差が出てくることは当然想定されると思います。
 そこで、参考人の方にお聞きします。CPIは五年ごとに基準改定というのがありまして、その基準となる年から時間がたつにつれて数値が大きめに表示されるとのことですが、こういった誤差について御説明いただきたいと思います。
095 岩佐哲也
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○政府参考人(岩佐哲也君) お答えいたします。
 我が国の消費者物価指数でございますが、ILO決議に基づき作成された国際的なマニュアルに沿って作成をいたしております。主要国と同様でございますが、ラスパイレス式の算式を採用してございます。
 このラスパイレス式でございますけれども、その性質上、基準改定の年から離れるほど上方バイアス、委員おっしゃったような上方バイアスがあるというふうにされているところでございます。
096 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 引き続きお伺いしていきたいんですけれど、そういった誤差に関して、誤差を減らす工夫などの取組があれば教えていただきたいと思います。また、総務省統計局の予算を増やすと、こういった誤差の是正効果というのは上がるのでしょうか、お聞きしたいと思います。
097 岩佐哲也
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○政府参考人(岩佐哲也君) お答えいたします。
 我が国の消費者物価指数の基準改定、先ほど委員からもお話ございましたけれども、統計法に基づく統計基準定められておりまして、それに従って五年ごとに行っている、これによっても誤差を減らしてございます。
 また、毎年の消費構造の変化を反映させるということで、ウエートを基準年で固定するのでなくて、毎年ウエートを更新して算出をいたす連鎖基準方式という指数がございまして、そちらの方も参考指数として別途作成しているところでございます。
 今後ともこういった取組を続けてまいりたいというふうに考えております。
098 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 重要な指標ですので、これは多少お金を掛けてでもしっかりと出していくべきではないかなと思います。これによって政策判断が誤る可能性というのは多々あるわけですので、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。
 次に、CPIについては引き続きお伺いしていきたいんですけれど、このCPIは三種類の指数があると承知しておりまして、それについてまた引き続きお伺いしていきたいと思います。
 その三種類を紹介させていただきますと、総合指数としてのCPI、次に、生鮮食品を除く総合指数としてのコアCPI、次に、食料及びエネルギーを除く総合指数としてコアコアCPI、この三つがあります。除外される項目によって呼び方が変わってくるということでございます。価格変動の激しい食料であったりエネルギーを、そういった品目を除外した指数があるというのはもっともだとは思います。
 ただ、こちら、日本での呼び方なんですね、コアCPI、コアコアCPIというのが。で、海外の基準とは変わってくるところがあります。日本と海外で用いられている基準の違いが少しややこしくて恐縮なのですが、日本で先ほど申し上げましたコアコアCPIとされている数値が海外ではコアCPIと呼ばれているとのことであり、また、日本でコアCPIとされている数値は海外では一般的には使われていないのではないかと承知しております。
 そこで、一つ提案をさせていただきたいのですが、日本の消費者物価指数については、海外に合わせて、消費者物価指数と先ほど申し上げましたコアコアCPI、食料及びエネルギーを除く総合指数の二つに絞ってもいいのではないかと思うんですけれど、参考人の御意見をいただきたいと思います。
099 岩佐哲也
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○政府参考人(岩佐哲也君) お答えいたします。
 生鮮食品を除く総合指数でございますけれども、我が国におきましては、主要な報道でございますとか、例えば物価連動国債とか、そういったものにも用いられていると承知をいたしております、についてはやはり提供していくことは必要だというふうに考えております。
 CPIのデータについては、この三種類以外にも様々なデータ提供しておりまして、利用者のニーズに応じてそれぞれの指数、適切に活用していただきたいというふうに考えております。
 また、我々も引き続き、各指数の、例えばいろいろな対応状況とか、そういうものについては分かりやすい説明、引き続き努めていきたいというふうに考えております。
100 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 私の問題意識としては、それを積極的になくせというよりは、コアCPIの基準が日本と海外で違うことについては混乱を生む原因になると思いますので、その辺の対策をしてみてはということで、引き続き訴えさせていただこうと思います。
 このように、CPIという数値については、誤差が存在していたり、消費者物価指数、種類によって日本と海外で違いがあったりなど、その数値を見る際にはいろいろとその特徴を知った上で見ることが重要であると思います。
 今回、日本銀行の方から若田部副総裁にお越しいただいております。よろしくお願いします。
 ふだんから副総裁は様々な経済データに触れておられるのではないかと想像しているわけなのですが、副総裁のCPIに関する御意見を賜れればと思います。
101 若田部昌澄
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○参考人(若田部昌澄君) お答え申し上げます。
 消費者物価指数につきましては、先ほど政府参考人からお話がありましたように、統計作成上、その方法的な問題から様々な誤差が出てくるというのは私どもも認識しております。例えば、基準年からの支出構造の変化あるいは新製品の取り込みに遅れが出るというようなことでございます。
 ただ、このような一定の誤差は生じておりますけれども、先ほど政府参考人からもお話がありましたように、我が国を含めて各国の統計作成当局はこうした誤差をできるだけ少なくするように様々な工夫をしており、例えば代替的な参考情報を提供する、先ほどお話があったような連鎖基準方式の指数であったり、あるいは新製品の取り込みについても、五年ごとの改定だけではなくて三年目で見直すというようなことを行っているということでございます。
 その上で、日本銀行を含む主要国の中央銀行が参考にしているのは、何といっても、金融政策上、人々の生計費を包括的にカバーする消費者物価指数でございますけれども、これにつきましては、やはり一時的な要因を取り除いて、その物価の基調的な変動を的確に見極める必要があると考えております。その際、各国の中央銀行は、それぞれの経済、消費構造の違いに応じて、生鮮食品を除く指数、先ほどのお話があったようなコアと言われるもの、あるいは生鮮食品とエネルギーを除く指数、コアコアと呼ばれるもの、さらには食料とエネルギーを除く指数などなど、様々な物価指数を、動きを点検しております。
 また、中央銀行としましては、こうした様々な物価指数を、指標を点検することに加えて、物価の基調、その一時的な要因を除いた物価の基調を規定する要因である需給ギャップ、つまり経済に失業者であるとか遊休設備であるとか、そういったスラックがどれぐらい存在しているのかというようなことや、その人々、家計や企業の予想物価上昇率の動向など、あるいはその背景にある構造の変化などについて留意していきたいというふうに考えております。
102 浜田聡
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○浜田聡君 どうもありがとうございます。
 引き続き若田部副総裁に、CPIに関して、実際のデータを踏まえてお聞きしていきたいと思います。
 先ほど出てきましたコアコアCPIなのですが、総務省統計局のデータを見たところ、令和四年二月は前年同月比マイナス一・〇%となっております。これをどのように評価されているのか、お伺いしたいと思います。
103 若田部昌澄
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○参考人(若田部昌澄君) 委員御指摘のとおり、我が国の生鮮食品とエネルギーを除く消費者物価の前年比は二月にマイナス一・〇%と、やや大きめのマイナスとなっております。ただ、これは、委員も御承知のとおり、昨年春以降に実施された携帯電話通信料の引下げが、除く生鮮食品、エネルギーの前年比に対してはマイナス一・七%程度の下押し要因になっているということの影響が大きいです。
 こうした一時的な要因を除いて見たときにベースの物価上昇率がどれぐらいになるかと計算しますと、プラスの〇・七%になります。ただ、これもやはり、まだプラスの〇・七%ですので、日本銀行が目標としている二%の物価安定の目標の達成にはなお距離があるというふうに評価しております。
104 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 引き続き、二%の目標をしっかりと取り組んでいただきたいと思います。
 少し、一つ問題を、あっ、質問を飛ばさせていただきます。次は、円安と指摘されている現状の円相場についての御意見をいただきたいと思います。
 昨日、円相場、一ドル百二十六円台まで値下がりしまして、約二十年ぶりの円安水準とのことでした。この最近の円相場について、副総裁の御意見をお聞きしたいと思います。
105 若田部昌澄
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○参考人(若田部昌澄君) 為替相場について具体的にコメントすることは差し控えさせていただきたいと思います。
 日本銀行としては、為替相場は経済、金融のファンダメンタルズを反映して安定的に推移することが望ましいと考えております。
106 浜田聡
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○浜田聡君 御立場の方、御理解をさせていただきました。
 私の考えを申し上げさせていただきますと、円・ドルに限らず、いろんな為替相場というのは様々な要因で増減するものとは思うんですけれど、一番重要な決定要因としては、それぞれの通貨供給量のバランスだと思うんですね。例えば、仮にドルが二倍供給されたとすると、まあそんなことないとは思うんですけれど、そうなると円は、それに応じて円は二倍高くなるということになります。そういった感じで、円・ドルに限らず、為替相場というのは、それぞれの通貨供給量のバランスを考えた上で、それとどれほど乖離しているのかということを考えるべきだと思います。
 まあロシアのルーブルについてはそれが大きく乖離している可能性があると思いますので、現状、日本の円安については悪い円安論というのがあると思いますので、そういったこと、だまされないようにしっかりと判断していきたいと思いますし、日銀に対しては、そういう通貨供給量のデータを出した上で説明していくというのは一つの手なんじゃないかなと思いまして、提案の方をさせていただきます。
 次に、副総裁も大いに尽力してきたアベノミクスについてお伺いしていきたいと思います。
 ここでアベノミクスについて、その概要を簡単に振り返っています。首相官邸でのウエブサイト、アベノミクス三本の矢を解説したページの記載を少し紹介させていただきますと、どれだけ真面目に働いても暮らしが良くならないという日本経済の課題を克服するため、安倍政権はデフレからの脱却と富の拡大を目指しています、これらを実現する経済政策がアベノミクス三本の矢です。で、三本の矢として、第一の矢として大規模な金融政策、第二の矢として機動的な財政政策、第三の矢として民間投資を喚起する成長戦略が挙げられております。
 ここでデフレの原因について少し述べさせていただきますと、様々なデフレの要因というのはあると思いますが、その一つとして、世の中全体の物やサービスの量と流通しているお金の量のバランスによるものがあると思います。世の中全体に出回るお金の量が足りなければ、デフレになるのは当然と言えます。第二次安倍政権発足時以降、アベノミクス第一の矢として、異次元の金融緩和によって日銀は御尽力されたと思いますし、また、現在も引き続いて、今後も異次元の金融緩和は続いていくものだと思います。
 ここで、私のアベノミクスに関する評価、三本の矢を踏まえて簡単に申し上げさせてもらいますと、第一の矢はしっかりと飛んだと思います。引き続き御尽力をいただきたいと思います。問題は第二、第三の矢だと思います。特に、第二の矢として機動的な財政政策とうたいながら、消費に悪影響を及ぼす二度の消費増税というのが最大の問題だと思います。第一の矢の効果を帳消しにするほどのものであったと思います。過去の財政金融委員会でも他の委員からこれに対する強い非難を出されており、私もそれに同調するところでございます。第三の矢についても飛んだとは言い難く、規制緩和よりも現在、むしろ規制強化が進んでいるのではないかと思います。
 そこで、若田部副総裁にアベノミクスについて、その総合的な評価をお伺いできればと思います。
107 若田部昌澄
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○参考人(若田部昌澄君) 委員から御指摘のとおり、二〇一三年以来、政府と日本銀行は政策連携に関する共同声明に沿って必要な政策を実施してまいりました。
 その下で、我が国の経済情勢は、最近でこそ感染症という逆風に直面しておりますけれども、やや長い目で見れば着実な成果を上げてきたというふうに考えております。すなわち、企業収益は過去最高水準まで増加し、労働需給が引き締まる下で就業者数が増加しました。賃金は、デフレ期には見られなかったベースアップの実現を含め、緩やかながらも上昇傾向をたどってまいりました。物価面でも、先ほど鈴木大臣からお話がありましたように、物価が持続的に下落するという意味でのデフレではなくなったというふうに考えられます。
 例えば、一九九〇年から、九九年から一二年度までの平均的な、その先ほどのコアコアのCPIの数字を見ますと、これはマイナス〇・四%でございました。それが、一三年から一九年度までのコアコアのCPIはプラスの〇・五%ということになってまいります。デフレからの完全脱却というのはまだ実現されていないかと思いますが、デフレではない状況になってきたと言えます。この間、労働需給の改善が進む下で政府が推進してきた働き方改革などの雇用関連施策により、女性や高齢者の労働参加が増加するなど、日本経済の中長期的な課題についても前向きな動きが着実に進んできたと考えております。
 現状で二%の物価目標の安定的な実現には至っておりませんが、生産性が向上する下で物価と賃金が共に上昇する好循環の形成に向けて、政府と日本銀行の政策連携は着実に成果を上げてきていると考えております。
108 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 アベノミクスについて私の方で更に追加させていただきますと、やっぱりアベノミクスというのは第一、第二、第三の矢、全てをしっかり飛ばしてこそしっかりとした効果を発揮すると私は考えます。第一の矢はしっかり飛んでいるのですが、第二の矢、第三の矢がやはり問題があったかと思います。今からでも遅くはありません。第二の矢、第三の矢をしっかりと飛ばしていただきたいと思います。特に消費税については減税をしていただきたいと思いますし、第三の矢、規制緩和については私、この委員会でも二対一ルールなど提案の方させていただきます。適宜、取り入れていただきたいと思います。
 時間が迫ってまいりましたので質問飛ばしまして、最後の質問にさせていただきます。来年決まる日銀の総裁人事についてでございます。
 恐縮ながら、私の方で予想をさせていただきますと、現状、二人副総裁がおられまして、そのどちらかが就任するのではないかと考えております。このどちらが就任するかによって日本の運命が大きく変わるのではないかと思います。若田部副総裁は、その御自身の発表、公表しているものでは、異次元の金融緩和といいますか、黒田総裁の流れを引き継いでいると思うんですけれど、一方で、雨宮副総裁はちょっとそれが分からないところがありまして、そういったところについてちょっと懸念をしているところでございます。
 そこでお聞きしたいんですけれど、次期日銀総裁について、現時点で若田部副総裁の御意見いただければと思います。御自身が後継者として名のりを上げてもいいのではないかと思います。よろしくお願いします。
109 豊田俊郎
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○委員長(豊田俊郎君) 時間ですので、お答えの方は簡潔にお願いをいたします。
110 若田部昌澄
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○参考人(若田部昌澄君) 総裁人事につきましては、日本銀行法第二十三条第一項に基づきまして、衆参両議院の同意を経て内閣が任命することになっておりまして、私の立場からコメントすることは差し控えさせていただきます。
111 浜田聡
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○浜田聡君 終わります。

第208回国会 参議院 行政監視委員会国と地方の行政の役割分担に関する小委員会 第2号 令和4年4月25日
113 浜田聡
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○浜田聡君 NHK党、参議院会派みんなの党、浜田聡でございます。
 今回は、総務省の方に、地方交付税交付金、そして地方自治体の事務事業評価表についてお聞きしていきたいと思います。
 二週間前の前回のこの小委員会の冒頭で私は日本の国民負担率の話をしました。国民の所得に占める税金や社会保険料などの負担の割合を示す国民負担率は、これまでほぼ右肩上がりで増加し続けており、令和三年度は四八%で、これまでで最大となるとのことです。
 国民が頑張って得た稼ぎの約半分を国や地方政府に持っていかれるという状況について、私はその負担が高過ぎると思いますし、同じように思っている国民は多いと思います。国民に納めていただいた税金がどのように使われているのか、行政監視については、地方、国政問わず、いずれも国民から選ばれた議員の大きな役目であると考えます。今回は、政府の税金の使い道の順位では社会保障費に次いで二位となる地方交付税交付金についてまず取り上げます。
 配付資料二枚目に、渡瀬裕哉さんという方の著書、無駄をやめたらいいことだらけという記載の一部を紹介させていただきました。渡瀬さんはアメリカの政治の専門家であり、二〇一六年のアメリカ大統領選挙ではトランプ当選を事前に予想して公表し、それが的中したことから注目を集めた方です。菅政権時代は菅前総理に首相官邸に何度か招かれて意見交換をされた方でもあり、御存じの方もいるかもしれません。この方、地方自治体の政治についても調査研究の経歴のある方でありますし、かつては自民党の都議会議員、国会議員の事務所で選挙などのお手伝いもされていたことがあると聞いております。今後、行政監視委員会など、参考人としてお招きする価値のある方であると考えております。
 それはさておき、今回配付資料の内容に、地方交付税交付金の算出式についての記載があります。そこで指摘されている問題をかいつまんで言うと、その分配の算出根拠がブラックボックス化しているとのことでございます。
 時間が限られておりますので、詳細は配付資料に任せるとして、早速質問させていただきます。今回、参考人の方と、あと田畑総務副大臣、それぞれ質問させていただきますが、まとめて質問させていただきます。
 まず、参考人の方への質問としては、地方交付税の分配の算出根拠は誰にもすぐに分からず、分配がブラックボックス化しているという指摘がありまして、それに対する何か反論があれば教えていただきたいと思います。
 田畑総務副大臣には、地方交付税の分配の算出根拠が多くの方に確認可能となるよう制度変更すべきと考えるわけですが、それに対する見解を教えていただきたいと思います。
114 前田一浩
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○政府参考人(前田一浩君) 前段の御質問について、私の方からお答えさせていただきます。
 地方交付税の算定に当たりましては、算定の基本的な主要事項を地方交付税法に定めておりまして、基準財政需要額の算定要素となる単位費用の金額、測定単位の種類、各算定項目に適用すべき補正の種類、そして基準財政収入額における対象税目やその算定に用いるための納税義務者数や課税実績等の基礎的な指標の種類等について規定しております。
 その上で、算定技術上の具体的細目事項であります測定単位や基準税額の具体的な算定方法、補正係数の具体的内容につきましては、地方交付税法の委任を受けた総務省令で定めております。
 地方交付税法につきましては、毎年度、単位費用の改正等を内容とした法律改正を行っておりまして、また、毎年度定めております補正係数等につきましては、各団体の交付税額が定まる段階におきまして、全て法律の範囲内において省令に規定することとしているため、対外的にも明らかにしているものでございます。
 その上で、改正法案に合わせて国会に提出しております地方交付税関係参考資料や各行政項目別単位費用算定基礎を総務省のホームページにも掲載するほか、制度の概要をまとめました地方交付税関係資料を作成するなど、算定方法をできる限り分かりやすい形で示しておりまして、ブラックボックス化しているとの指摘は当たらないものと考えております。
115 田畑裕明
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○副大臣(田畑裕明君) 今ほど自治財政局長から答弁したとおり、地方交付税の算定方式に、方法につきましては、法律及び省令等により対外的に明らかにしているものでございます。
 交付税の算定に当たりましては、社会保障、教育など国の定める法令等に基づく事務事業につきまして、当該法令等の定める行政水準が各地方団体において確保できるよう、精緻な算定を行うことにより、的確に財源保障する必要があるというふうに考えております。
 その一方で、地方交付税の算定ができる限り多くの方に分かりやすいものとなるよう、算定の簡素化の観点も大変重要というふうに考えております。これまでも、補正係数の削減や人口と面積を基本とした簡素な算定方式の導入など、簡素化に取り組んでおります。
 このように、交付税の算定に当たりまして、各経費の性質等に応じて精緻な算定と簡素化のバランスを保ちつつ、適切に算定を行うことが必要だというふうに考えております。
116 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。簡素な算定方法への適切な処置の方、期待をしております。
 この算定方法の式なんですけれど、聞くところによると、遡ると帝国議会のときにできたと聞いております。そのときから抜本的な改正はされていないと聞いております。まあ小さな、微妙な改正は、先ほど答弁いただきましたように改正されているとは思いますけど、やはり時代に合わせて、先ほどいただいたように、簡素な、誰もが納得できる制度にしていただきたいということを求めまして、次のテーマである事務事業評価に話を移したいと思います。
 日本政府においては総務省が中心となってその行政評価の各種取組をされておられまして、今後もその取組を進めていただくことを期待しております。一方、各地方自治体においても、その仕事の評価をする事務事業評価の取組が進んでおります。こういった取組は、二十年ほど前に各自治体でやる気のある有志の職員の方々が始めたと聞いております。現在はそれなりに多くの自治体がこの取組をしており、インターネットでも確認できる状況でございます。国民に納めていただいた税金の使い道の評価を確認するために、この事務事業評価は極めて重要です。
 先ほどお話しした渡瀬裕哉さん、これまで五千もの事務事業評価をチェックしてきたとのことです。その方が、各自治体の事務事業評価について、その良しあしについてSNS上で興味深いコメントをされておりましたので、今回、配付資料に共有させていただきました。評価最低のレベル一から最高のレベル五までランク設定されておられます。レベル一は、そもそもこの事務事業評価の公開がなく、腐敗と表現をされておられます。レベルが上がるに従って良い仕事となっていくわけですが、その中でも重要なことは、各事業の成果指標がしっかり示されているかであると考えます。こういった地方の取組については、日本政府、特に総務省は関心を持っていただいていると思います。
 そこで、各地方自治体の事務事業評価について、参考人の方と田畑総務副大臣に、それぞれ再度まとめて質問させていただきます。
 参考人の方への質問としては、各地方自治体の事務事業評価表の公開状況がどうなっているのか、教えていただきたいと思います。できれば公開していない自治体についても教えていただきたいと思います。
 田畑総務副大臣には、自治体の事務事業評価に対する御評価、御見解を教えていただきたいと思います。一般論でも結構ですし、先生の地元の自治体についてのお話でも結構です。よろしくお願いします。
117 吉川浩民
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○政府参考人(吉川浩民君) お答えいたします。
 地方公共団体の行政評価のうち事務事業に係る評価結果の公開状況についてです。平成二十八年十月時点の調査結果でございますが、都道府県では三十五団体、市区町村では七百二十団体で公表されているという状況でございます。
118 田畑裕明
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○副大臣(田畑裕明君) お答え申し上げます。
 私の今の副大臣の立場で、地元を含めて個別の自治体の取組の是非についてお答えは差し控えさせていただきたいと思いますが、地方自治体の事務事業評価等の行政評価につきましては、住民に対する説明責任の確保など行政運営の質の向上を図るため、自主的、主体的に取り組まれているものというふうに認識をしております。
 今後も各自治体におきまして、地域の実情に応じて行政評価の結果等を活用しつつ、事業の廃止ですとか見直しを行うなど、自主的、主体的な業務改革を進めることが重要というふうに考えております。
119 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 先ほど来何度も話に出しております渡瀬さんですが、五千もの事務事業評価表をチェックして、地方ではいかに税金が無駄遣いされているか実感したとのことです。
 昨今、国も地方も事あるごとに財源が足りないとのことで増税が繰り返されておりますが、その悪い流れを食い止めて減税を可能とする上で、この地方での取組が前進していくこと、極めて重要と考えます。
 無駄遣いの一つの事例として、今回、配付資料に西日本新聞二〇二〇年十一月十四日の記事を共有させていただきました。福岡市が学校給食の購入においてそれまでのいわゆる天下り職員による業者の仲介をやめたら、五千五百万円経費削減できたとのことで、同じような事例は全国に山ほどあると想像されます。
 このような税金の無駄遣いをしっかり正していくために各地で事務事業評価の取組がしっかり進んでいくよう、私も関心を持って取り組んでいくことを申し上げまして、今回の質問を終わらせていただきます。
 どうもありがとうございました。

第208回国会 参議院 財政金融委員会 第13号 令和4年5月10日
113 浜田聡
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○浜田聡君 NHK党、参議院会派みんなの党、浜田聡でございます。
 今回は、公認会計士法及び金融商品取引法の一部を改正する法律案の審議ということで、まず法案に関する質問をさせていただきます。
 今回の法改正と関連することとして、まず株式市場の上場直後の企業の業績修正が頻発していることを話題として取り上げたいと思います。
 幾つか具体例を挙げていきます。スマホゲーム開発のワンダープラネットがマザーズに上場後、僅か二か月で業績を大幅に下方修正して、信頼、信用を落としています。パーソナルトレーニングを提供するトゥエンティーフォーセブンも、上場後一か月で業績を下方修正したことによって株価が三分の一になるまで下落を招きました。ゲーム開発のgumiも、上場から三か月で業績の下方修正を行っております。
 個々のケースでそれぞれまずい点というのが異なるとは思いますが、それでも、上場前の監査に問題があるのではないかというのは、多くの方、問題点として抱くのではないかと思います。これらのケースはいずれも監査事故と言ってもいいのではないかと考えております。
 こういう状況ですので、少し大ざっぱな議論かもしれませんが、今回の法改正の内容についてはこういった問題解決、監査事故の解決に寄与するのかどうか、大変気になるところでございます。
 そこで、金融庁の方にお聞きします。
 今回の法改正では監査事故を予防することに寄与することにつながるのか否か、教えていただきたいと思います。
114 古澤知之
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○政府参考人(古澤知之君) お答え申し上げます。
 まず、御指摘の点は業績予想の方の数値の変更ということでございまして、決算自体の数値の変更ということではございませんので、業績予想の方は監査の対象では必ずしもございませんのでちょっと対象が違うというところはございますけれども、当然、先生の御指摘に絡んでまいりますけれども、過去の実績である決算数値というものが業績予想の非常に大事な前提ということでございます。その観点からも、監査法人による財務諸表に対する監査というものは重要であると考えてございます。
 その上ででございますけれども、御指摘の企業の上場直後の業績予想の修正の新規公開をめぐる問題への対応につきましては、日本取引所グループも二〇一五年に新規上場企業に対しまして、上場時に公表される業績予想について、前提条件、その根拠の適切な開示というものを要請してございますし、あわせて、こうした日本取引所グループによる対応について、監査法人、証券界など関係界に対しても協力要請を行っているところでございます。こうした動きを受けまして、同じ年の四月でございますけれども、日本公認会計士協会が監査法人に対しまして適切な監査の実施といった対応を要請しているところでございます。
 当局といたしましては、監査法人の関係者が、監査法人などの関係者が引き続きこうした対応にしっかり取り組んでいくことが重要であるというふうに考えてございます。
 その上で今回の法案ということでございますけれども、適切な監査の実施という観点から上場会社監査事務所に対する登録制度の導入というものを盛り込まさせていただいてございまして、そういったものを通じまして監査品質の一層の向上を図ってまいりたいと考えてございます。
115 浜田聡
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○浜田聡君 私の指摘の補足もいただきまして、どうもありがとうございます。今回の改正案が、御答弁いただきましたように、しっかりと機能して監査事故が発生しないよう、今後の推移を見守っていこうと思っております。
 次に、今回の法改正の内容の中で、公認会計士・監査審査会によるモニタリングに関することについてお聞きしていきたいと思います。
 今回の法律による制度変更後は、公認会計士・監査審査会の立入検査等において、監査法人等の業務運営に加え、虚偽証明等の検証も行えることとするとのことであります。これまでこういった検証には金融庁が関わってきたと承知をしておりますが、制度変更後は、金融庁の指摘を得ることなく公認会計士の監査審査会が行うことができる権限が与えられると承知をしております。
 この制度変更について、私の知り合いから次のような指摘をいただきました。監査法人を金融庁が関与せずに公認会計士審査会が検証することについて、その中立性は保たれているのかという指摘でございます。
 そこで、金融庁の方に引き続きお聞きします。このような指摘について、御説明というか見解を教えていただきたいと思います。
116 田原泰雅
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○政府参考人(田原泰雅君) お答え申し上げます。
 公認会計士・監査審査会でございますけれども、公認会計士法及び金融庁設置法に基づきまして金融庁に設置された合議制の行政機関ということでございます。
 審査会の会長と委員でございますけれども、公認会計士に関する事項につきまして理解と識見を有する者を両議院の同意をいただきまして内閣総理大臣が任命するということとされておりまして、任命に当たりましては、恣意性を排除して公共性、中立性を確保する観点から、関係する幅広い分野から公正かつ均衡の取れた構成とするということとされているところでございます。したがいまして、現在、審査会の会長、委員は、学識経験者、市場関係者、公認会計士、弁護士などから構成されているということでございます。
 公認会計士法の規定によりまして、審査会の会長と委員は独立して職権を行うこととされておりますし、自己に関係のある議事については議決に加わることができないといった措置も講じられておりまして、審査会の運営につきましては中立性がしっかり確保されているものと考えております。
117 浜田聡
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○浜田聡君 説明いただきましたように、それなりに中立性については保たれているものと判断をしました。
 次に、日本国内のいわゆる四大監査法人に関する状況について、少し気になることがありましたので、それについてお話ししたいと思います。今から述べることは決して法律違反ではないのですが、それでいいのかどうか少し気になるということでございます。
 四大大手監査法人による監査なのですが、それぞれの監査法人が監査する企業がその企業のメーンバンクによって固定しているように思われることでございます。例えば、三菱系金融機関がメーンバンクの企業はデロイトトーマツに依頼することが多くて、あと、住友系金融機関がメーンバンクの企業はPwC、あずさに依頼することが多いのではということでございます。繰り返しになりますけど、このことはもちろん法令上全く問題ないと思うわけですが、監査の中立性という点で何となく気になるわけでございます。
 私自身はこの業界について詳しいわけではありませんので仕方ないのかもしれませんが、門外漢からすると、見えない不文律のようなものがあるように感じております。ひねくれた見方かもしれませんが、監査法人が監査している企業の不利益な指摘もすべきだと思うんですけど、このように監査法人が系列や関連企業のような状況になってしまうと、正確に監査できるのかどうかというのが疑問として生じるわけでございます。
 現状、監査法人が系列や関連企業のような状況になっていることについて御見解をいただければと思います。
118 古澤知之
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○政府参考人(古澤知之君) お答え申し上げます。
 会計監査を適切に実施していくためには、監査人が企業からきちんと独立しているということが非常に重要であると考えてございます。
 御指摘の監査法人が系列や関連企業のような状況になっているのではないかということは、御指摘いただきましたので、またそういった報道も我々承知してございますので、改めまして、時価総額上位三十社ということで、当該企業の監査人とそれからメーンバンクの監査人といったものがどういうふうに重複しているかといった点も点検いたしましたところ、必ずしも上場企業の監査人がメーンバンクの監査人という形には偏っている状況にはなかったということでございます。
 先生の御指摘の監査人の独立性ということは、日本公認会計士協会の倫理規則におきましても、依頼した依頼人からの独立した立場を保持し、他の者からの不当な影響を受けず、外観的な独立性も保持するということが規定されているところでございます。
 監査法人におきましては、こうした規定も踏まえて、引き続き独立性の確保に努めつつ、適正な監査を実施していただきたいと考えてございます。
119 浜田聡
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○浜田聡君 御答弁ありがとうございます。
 各企業が持つ経営倫理に頼ることなく監査の中立性が確保できるような規定を今後研究していってもいいのかなということを申し上げて、次の質問に移りたいと思います。
 次に、参議院の本会議、そして各委員会の理事会の在り方についてのお話になります。支援者の方々からいただいた意見を基に、参議院はこうすべきではないかと思ったことについて事務局の方に二点伺いたいと思います。
 もちろん、会派みんなの党は参議院改革協議会に参加させてもらっておりますので、その場で訴えるべきことであるとは重々承知しておりますが、一方で国民の皆様にも是非とも周知したい内容でありますので、今回委員会で取り上げることを御容赦いただきたいと思います。
 まず、参議院本会議の押しボタン式投票についてでございます。
 二〇二〇年四月から、コロナ禍におきまして、参議院本会議において大幅な座席変更が行われました。本会議場では、各議員が一席ずつ間隔を空けて着席するようになりました。採決は、押しボタン式の投票装置がない席も利用したため、従来の押しボタン方式ではなく、起立方式で行われるようになりました。押しボタン式投票であったときは、議案に対する議員個々の賛否を明らかにすることで議員の政治責任をより一層に明確にできることや、情報公開及び表決の迅速化が可能でありました。ただ、それが変更された現時点ではそれがかなわない状況であると思います。
 押しボタン式投票というのは衆議院にない制度であると承知をしております。衆議院でも是非とも導入すべきと考えますが、ひとまずは参議院でもこれを再開すべきではないかと考えるわけで、少し私の方から提案の方をさせていただきたいと思います。
 現在のように本会議場で一席ずつ間隔を空けての着席を今後も続けていくべきではないかと思うわけでございます。それを前提として、押しボタン投票装置を各席に設置してみてはということでございます。
 これについて議院事務局にお聞きしたいんですけれど、こういったことを実現することは事務局の権限でできるのかどうかということを教えていただきたいと思います。また、できないのであれば、実現するためにどういった手続があるのか、教えていただきたいと思います。
120 小林史武
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○参事(小林史武君) お答えいたします。
 間隔を空けた議席配置につきましては、新型コロナウイルス感染症対策といたしまして、第二百一回国会、令和二年四月九日の議院運営委員会理事会において御決定をいただきまして、引き続きその後も継続することにつきまして同理事会等の場で御確認をいただいた上で、今国会においても継続されているところでございます。
 したがいまして、御提案のございました間隔を空けた議席配置を今後も継続した上で押しボタン式投票装置を移設する御提案等につきましては、同じく議院運営委員会の理事会で御協議をいただくべきものと考えております。
 以上でございます。
121 浜田聡
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○浜田聡君 分かりました。今後、議院運営委員会、事務局などで扱われることを希望した上で、次の質問に移りたいと思います。
 一つ付け加えさせていただきますと、やっぱり各議員がどういった投票行動をしたかについては当然国民の皆様が容易に確認できる形にするというのは当然であると私は考えております。
 次、参議院本会議の投票結果に引き続きまして、次は参議院の各委員会の理事会についての話になります。
 最近こちらも支援者の方からいただいた意見なんですけれど、参議院各委員会の理事会の議事録が公表されないのはなぜか、公表すべきではないかという御意見をいただきました。もちろん、理事会の議事録を全て公表すべきかということについては、私もそこまで必要性を感じるかどうかについてはちょっと疑問があるところなんですけれど、ただ、その支援者の方が特に問題とされているのは請願についてでございます。請願の採択なんですけど、請願が採択されない経緯が明らかではないということでございます。請願採択について、その採択に反対した議員の名前が公表されないのはおかしいということでございまして、私もこの意見については同意するところでございます。
 そこで、次の提案をしたいと思います。理事会において請願の採択者の賛成、反対者を、せめてこれを公表するように制度変更できないでしょうかということでございます。これを実現することが事務局権限でできるかどうかというのを教えていただきたいと思いますし、できないのであれば、それを実現するための手続を教えていただければと思います。
122 小林史武
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○参事(小林史武君) お答え申し上げます。
 委員会の運営につきましては、原則、委員長の権限で行うものと承知しております。委員長は、必要に応じまして、委員会の運営に関し理事と御協議をいただくために理事会を開き、様々御協議をなされているところでございます。
 また、理事会は、打合せ、御協議の場でございますので、採決を行ったり、あるいは個々の委員が賛否を表明するということになれば、これはあくまで委員会の場ということになるかと存じます。
 いずれにつきましても、どのような請願審査を行うかにつきましては、一義的には当該委員会の理事会においてまず御協議いただくべきものと考えております。
 以上でございます。
123 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 ただ、請願の中には、万単位で多くの署名がありのものがございます。そういった請願が理事会でのたった一人の反対で採択されないということについては、請願署名をした方、多くの方々や請願提出者の気持ちを考えると、それでいいのかという疑問があるわけでございまして、一応この場で意見の方を伝えさせていただきます。
 次に、最近話題のユーチューバーについての話題を取り上げさせていただきます。
 ユーチューバーという名称、まあ職業と言ってもいいかもしれないですが、そういった言葉が定着はしてきたとはいえ、この国会で取り上げることは、取り上げられることは少ないとは思いますが、我々NHK党は、このユーチューブを始めとする動画サイトが多くの国民の目に触れるような社会状況へと変化してきたからこそ、地方議会のみならず国会でも議席をいただくことになったことは間違いありません。そういうわけでユーチューバーに関する話題について特に強い関心を持っておりますゆえ、その話題を扱うことを御容赦いただきたいと思います。
 今回取り上げますユーチューバーは、暴露系ユーチューバーとして話題になっている方でございます。昨今、芸能界の様々な暴露話をユーチューブなどの動画サイトで公開し、動画再生回数やチャンネル登録者数の伸びが著しいガーシーチャンネルというものでございます。今回、このユーチューバーの方について、警察庁の方に伺っていきたいと思います。
 さて、このチャンネル主のガーシーこと東谷義和氏は、かつて芸能人の様々な世話をしてきており、その仕事ぶりなどから各芸能人の信頼は高かったと想像されます。それに合わせて、各芸能人の様々な秘密を知っているようです。様々な経緯がありまして、現在、そういった秘密話をこの方はインターネット上で暴露を続けておりまして、大きな話題となっているように思われます。
 この方は、二月下旬に動画サイト、ユーチューブでチャンネルを開設した後、二週間ほどでチャンネル登録者数が十万人を突破し、四月上旬にはチャンネル登録者数が早くも百万人を突破しております。また、先日、ライブ配信を行っておりまして、同時接続者数二十四万人となるなど、驚くべき数字をたたき出しておられます。ネットでは話題であるわけですが、テレビや新聞ではなぜかほとんど扱われていないように思われまして、個人的な意見ではありますが、不自然な気がしないでもありません。
 最近、この東谷義和氏と警察との間で一悶着があるようです。今回、東谷義和氏を現在サポートしている立場である弁護士の方の証言を基に、警察庁に幾つかお伺いしていきたいと思います。
 今回質問させていただくに当たって、東谷氏と警察とのやり取りの経緯を紹介させていただきます。理解の補助になるものとして、今回の配付資料にある弁護士の方のユーチューブ動画のサムネイルとスクリーンショットを抜粋して掲載させていただきました。ちなみに、この弁護士の方は高橋裕樹という弁護士の方で、刑事裁判の無罪請負人と呼ばれているほどの方でございます。
 今回の話の中心としては、この東谷氏による詐欺と思われることが挙げられます。詐欺については東谷自身もその非を認めており、被害者への謝罪と弁済をするつもりでありまして、実際にその弁済準備が整っております。その経緯を紹介します。
 まず、どんな詐欺であるかについてですが、東谷氏が韓国の男性アイドルグループ、BTSに会わせるという誘い文句で二十人を超える女性からお金をだまし取るということがあったとのことです。この詐欺の背景には、東谷氏がギャンブル依存症によるギャンブルによって大きな借金を背負っていたことがあるようです。その後、これまでの自身の動画での発信などでそういった事情を説明した結果、弁済金を立て替えることを申し出た人が現れました。美容外科をされている方で、この方も御自身で動画などでインターネット上での発信をされております。この美容外科の方と先ほど紹介した弁護士の方と東谷氏が協力して、被害者の方への弁済が始まりました。被害者の方の約七割と、七割で返済や示談に向けた交渉が進んでいたのでございますが、その最中に警察が介入してきたとのことでございます。今回配付資料として掲載した動画内で高橋弁護士がその経緯を説明しております。
 この介入とされている部分の前後については、弁護士の方が被害者との話の中で得た情報を基に、時系列に沿って話をさせていただきます。
 まず、昨年、BTS被害者が、BTS詐欺被害者が警察に詐欺の相談に行った際にはほとんど対応してくれませんでしたということでございます。しかし、その後、詐欺被害に対する弁済のめどが付いた四月二十一日、先月ですね、高橋弁護士が東谷義和氏より弁護士依頼を受けてBTS関連の返金を行いますというタイトルの動画をアップした途端に、警察の方から被害者の方へ多くの連絡が入ったとのことです。警察による介入としては、せっかく弁済手続が進んでいるのに、その弁済を受け取ったり示談をしたりすることを踏みとどめさせるような内容があったとのことです。
 ここまでの経緯を踏まえて質問させていただきます。
 ここまで警察と何度も口にしてきましたが、この件で出てくる警察は警視庁に当たります。そういうことなので、本来であれば警視庁に直接尋ねるのがいいのかもしれませんが、一応、今回は監督官庁の警察庁の方に、国会であるということで質問をさせていただきます。こちらの指摘に対して事実関係の食い違いなどあれば、適宜補足していただいても構いません。
 まず最初の質問は、被害者の方が昨年の段階で相談し出した当初から警察として誠実に対応すべきではなかったということについてでございます。警視庁が被害者の方に対して、当初は誠実に対応していなかったのではないかという指摘について、御見解を教えていただきたいと思います。
124 鎌田徹郎
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○政府参考人(鎌田徹郎君) お答えいたします。
 お尋ねの件につきましては、警視庁や大阪府警察におきまして、被害に遭われたという方から、被害に遭われたという複数の方から相談を受けていると報告を受けております。
 個別の案件に関することについてでありますので、お答えは差し控えさせていただきますが、一般論として申し上げるのであれば、各都道府県警察においては、被害者の立場に配意しつつ、刑事事件として取り上げるべきものがあれば、法と証拠に基づき適切に対処するものと承知しております。
125 浜田聡
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○浜田聡君 被害者の方の気持ちをちょっと理解をしていただきたいんですね。被害者の方の気持ちとしては、警察が後から連絡をしてきたことによって、何を今更という感じみたいです。そういった不信感については改めて御留意いただきたいと思います。
 次の質問のポイントとしては、高橋弁護士いわく、警察から被害者に対して、返金の手続を今は止めるように依頼しているケースがあるとのことでございます。被害者からすると、警察のこのような介入によって返金が滞ることにつながるのではないかと思います。そういったことが被害者のためにならないのではないかと考えるわけですが、なぜ被害者のためにならないことをするのか、その理由を教えていただきたいと思います。
126 鎌田徹郎
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○政府参考人(鎌田徹郎君) お尋ねの件につきましては、個別の案件に関することでありまして、お答えを差し控えさせていただきます。
 警察では、被害の相談を受けた際には被害者の立場に立って誠実に対応することといたしておりまして、警察庁としては、引き続き都道府県警察を指導してまいりたいと考えております。
127 浜田聡
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○浜田聡君 御答弁の内容にありましたように、被害者のことを第一に考えていただきたいということを改めてお伝えさせていただきます。
 警察庁への質問としては最後の質問になります。
 高橋弁護士いわく、介入があった背景について説明がありました。場合によっては政治家や芸能事務所などからのプレッシャーがあったのかもしれないということをおっしゃっております。被害者に対して返金手続を今は止めるように依頼した背景として、政治家や芸能事務所などからのプレッシャーというものがあったのかどうかというのを教えていただきたいと思います。
128 鎌田徹郎
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○政府参考人(鎌田徹郎君) 個別の案件に関することについてはお答えを差し控えさせていただきますが、警察では、被害の相談を受けた際には被害者の立場に立って誠実に対応することとしておりまして、その上で、刑事事件として取り上げるべきものがあれば、法と証拠に基づき適切に対処するものでございます。
129 浜田聡
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○浜田聡君 先ほどの質問をさせていただいた背景としては、二つの疑問があります。その私の抱いた二つの疑問を申し上げさせていただきますと、一つは、これ突然警察が動き出したということに対する疑問でございます。もう一つは、それと関連することなんですけれど、そもそも警察が独自でこういう動きをするのかという疑問なんですね。言い換えれば、先ほど申し上げたように、政治家や芸能事務所からのプレッシャーによって動いたことが疑われる状況のように思えるわけでございます。
 私としては、国民、特に今回の場合は被害者の方をしっかり、に対してしっかりと向き合っていただきたいということを警察庁、警視庁の方にお願いを申し上げまして、次の質問に移りたいと思います。
 次は、国の予算で社会保障費に続いて大きな支出割合を占める地方交付税交付金について、総務省の方に伺っていきたいと思います。
 先日、四月二十五日の参議院国と地方の行政の役割分担に関する小委員会において、私は地方交付税交付金の算出式についての質問をさせていただきました。そのときのやり取りをかいつまんで申し上げますと、地方交付税交付金の算出式がブラックボックス化しているのではないかと私が指摘したわけでございますが、その指摘に対して、総務省の答弁としてはブラックボックス化していることを否定する内容でありました。
 総務省がそういう立場であるのも理解しますが、しかし、やはり算出式などについては相当改善の余地があるのではないかと考えているわけでございます。
 今回、算出式の一例として、地域の元気創造事業費の算出方法を配付資料に用意させていただきました。この算出式はインターネット上にも公表されているものでございます。
 こういった算出式については、その存在は認めますが、ただ一方で、こういった算出式は科学的に導かれるものであるのかというと、そうではないように思われるわけでございます。どなたかが恣意的に決定したような印象があるわけでございますが、そうでなければそれはおっしゃってもらって結構なんですけれど、この算出式である必然性が私には全く分からないところでございます。複雑化し過ぎて説明不可能な状態になっているのではないか、複雑化し過ぎて総務官僚のさじ加減で思いどおりに交付額を決定できる状況ではないかという問題意識を持っております。
 そこで、総務省の方にお聞きします。こういった指摘に対する説明を教えていただきたいと思います。
130 豊田俊郎
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○委員長(豊田俊郎君) 総務省官房審議官池田達雄君。
 なお、時間が参っておりますので、答弁の方は簡潔にお願いをいたします。
131 池田達雄
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○政府参考人(池田達雄君) お答えいたします。
 まず、例示で挙げられました地域の元気創造事業費につきましては、当分の間の臨時的な費目といたしまして、地域産業の振興や雇用の創出など地方創生に取り組むための財政需要について、人口を基本とした上で、この資料にございますとおりに、各地方団体の行革努力や地域経済活性化の取組の成果を反映し、算定を行っております。
 これは、各地方団体が行革により捻出した財源を活用して地域経済活性化の取組を行っていると考えられること、また、地域経済の活性化に積極的に取り組み、成果を上げた団体では全国標準以上の経費が生じていると考えられることを踏まえまして、全国的かつ客観的な統計データで地方団体ごとのデータが存在する指標を用いまして、地方団体の取組を多面的に、一つの単一の指標ではなく多面的に反映しているものでございます。
 その上で、先日も御答弁させていただいたとおり、地方交付税の算定に当たりましては、算定の基本的な主要事項を地方交付税法に、算定技術上の具体的細目事項については地方交付税法の委任を受けた総務省令で定めておりまして、その上で総務省のホームページに関係資料を掲載するなど、算定方法をできる限り分かりやすい形で示しております。
 また、地方交付税法の規定に基づきまして、地方交付税の算定方法について地方団体は意見を申し出ることができる制度となっております。毎年、地方団体から多数の意見をいただいておりまして、地方交付税のこの算定方法、算定に反映するとともに、その結果について公表も行っております。
 今後とも、地方団体の意見を踏まえて地方交付税の適切な算定に努めてまいります。
132 浜田聡
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○浜田聡君 もう時間なんで終わりますが、引き続きこのテーマを扱っていきたいと思います。
 御清聴ありがとうございました。

第208回国会 参議院 財政金融委員会 第15号 令和4年6月2日
106 浜田聡
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○浜田聡君 NHK党、参議院会派みんなの党、浜田聡でございます。
 今回、資金決済法等改正案の審議ということで、まず法案に関する質問をさせていただきます。
 今回の法改正に当たって、関連分野については、キャッチアップに苦労しながら自分なりにいろいろと調べております。まあ正直不慣れなところではあるんですけれど、自分なりに意識していることとしては、自分で使ってみることが大事だと思っております。
 昨年は、私、ビットフライヤーで口座の方を開設させていただいて、幾つか購入の方をさせて、保有とか、ビットコインやイーサリアムなど保有をしておるところでございますし、最近ですと、シンボルというブロックチェーンを使ってウオレットを作るなどしております。最近ですと、自民党さんの方で岸田トークンを発行されたり、そういう取組があるわけですが、我が党でもトークンの方を発行するなど予定をしておりまして、いろいろとキャッチアップの方をしていこうと思っております。
 それはさておき、これまでの質疑で指摘されておりますように、今回の法案のカバーする範囲というのは今後ますます進んでいく分野であり、日本が世界で置き去りにされることなく、逆に日本が世界を引っ張れるようになるかもしれない分野であると考えております。
 今回の法改正が必要とされる背景として、マネロン対策など世界各国で法整備をしていきましょうという流れの中で、ステーブルコインの法整備など、業界からいろいろと文句言われながらも、苦労しながら道筋をつくろうとしているものと認識をしております。FATFであったりFSBのロードマップなどを考慮しつつ、業界と板挟みになりながらバランスを大事にされているとは思います。
 今回通告させていただいた質問については、多少言葉がきつい表現になっているかもしれませんが、攻撃することが目的ではなく、より良い制度をつくっていただくことが目的ですので、御容赦いただきたいと思います。
 最初の質問なんですけれど、今回の改正案の条文第二条五項についてです。今回その条文を配付資料として準備させていただきました。
 第二条第五項では、電子決済手段の定義がなされております。一号から四号まで羅列されておりまして、ここで取り上げたい文言として、内閣府令で定めるものというのがあります。この内閣府令で定めるものというのは、一号と四号にその記載があるわけでございます。この法案成立後に、我々国会議員の目の届きにくいところ、霞が関の省庁において、その内閣府令で定めるものとしてその詳細の内容が決まっていくわけですが、それについて業界の方から懸念が寄せられていると思っております。
 懸念の内容としては、この四号の文言から、ほとんど何でも電子決済手段に指定できることにより、その内容によっては強過ぎる規制になり得るわけで、そういったおそれから、イノベーションが萎縮するのではないかという懸念であったり、適法に流通している前払式支払手段や無償ポイント、地域通貨などが突然内閣府令で電子決済手段に当たるとなった場合に国民生活に混乱が生じることにならないのかといったものでございます。
 そこで、参考人の方にお聞きします。
 業界の方が懸念するような規制を政府がつくることによって関連企業の経済活動に大きな支障を来すことは望ましくないと考えるわけですが、こういった懸念に対する政府の見解を教えていただきたいと思います。
107 古澤知之
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○政府参考人(古澤知之君) お答え申し上げます。
 御指摘の資金決済法改正案の第二条第五項第四号ということでございますが、これ電子決済手段の定義を定めている条文でございまして、前三号に掲げるものに準ずるものとして内閣府令で定めるものというふうに規定しているところでございます。例えば特定信託受益権に準じるようなもの、それから、先生の資料にもございます通貨建てのステーブルコインに準じるようなものと、こういったものにつきまして、内閣府令で定めた上で電子決済手段に係る規律を適用するというものでございます。
 電子決済手段でございますけれども、これは銀行などが発行いたします既存のデジタルマネーと同様に、ポイントを送金・決済手段として社会で幅広く使用されることが考えられるということで、暗号資産とは区別いたしまして、登録制の導入、それから、先ほど来ございます金銭の預託の原則禁止、顧客との契約締結義務というものを課しているところでございます。一方、暗号資産型につきましては、現時点ではそういう事情にはないということでございますので、現行の暗号資産交換業としての規律と、こういう規律が分かれているという状況でございます。
 こういった中、暗号資産、電子決済手段、御議論もございましたとおり、技術革新によるサービス提供の形態のスピードが非常に速いという事情がございます。そういった中で、同一の機能、サービス、例えば決済・送金サービスでございますが、こういった同一の機能、サービスについては同一のルールを適用するという考え方に基づきまして、例えば暗号資産型のステーブルコインでございましても、将来的に広く送金・決済手段として利用されるという場合におきましては、その幅広く使われる送金・決済手段という機能を果たすことに着目いたしまして、機動的に同一の規律を及ぼすことができるようにするというのが先生の御指摘の府令の趣旨でございます。
 先ほど申し上げましたとおり、第四号の規定は、前三号に準じるものというものに限定した上で内閣府令で定めるということとさせていただいてございまして、イノベーションが萎縮するということではないかと思っています。現在流通してございます前払式支払手段につきまして、金融審議会の報告書で枠組みについてのお答えがございますけれども、例外的に送金・決済手段としての機能が強いというものといたしましては、例えば、発行者がパーミッションレス型の分散台帳で不特定の者に対して流通可能な仕様で発行し、発行者や加盟店以外の不特定の者に対する送金・決済手段として利用できるものについては、電子的支払手段に該当し得るといったこととされてございまして、現在の前払式支払手段のサービス提供の実態を踏まえますと、電子決済手段に該当するものというものは極めて限られるというふうに考えてございます。
 いずれにいたしましても、内閣府令で定めるに当たっては、サービス提供の実態を十分に踏まえて検討するとともに、民間事業者の方々とも十分に意見交換をすることによって、御指摘のような様々なイノベーションの取組に悪影響が出ないように検討してまいりたいと考えてございます。
108 浜田聡
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○浜田聡君 詳細な御答弁、ありがとうございます。答弁にありましたように、イノベーションが萎縮しないような配慮をいただきたいと思います。
 業界の方からは、やっぱり資金決済ワーキング・グループの報告書で、広範囲に電子決済手段に当たり得るという脚注が付いたことで、先ほど御指摘したように、今までの前払式支払手段やポイントなどが内閣府令を見ないとどうなるか分からないということで、民間事業者のビジネスが内閣府令が公開されるまでの間ストップするという指摘があります。
 どういった内容に決定するのか心配で、決まらないと動けないといった声もありますので、今回、配付資料に、一般社団法人DeFi協会と一般社団法人ブロックチェーン推進協会からの提言も掲載させていただきました。御存じかもしれませんが、その辺りの配慮、私の方からもよろしくお願い申し上げたいと思います。
 次に、日本国内における法定通貨と連動させるステーブルコイン、DCJPYについての話をさせていただきます。
 今回、配付資料に、そのDCJPYの紹介をしている東洋経済二〇二〇年一月二十九日付けの記事を準備させていただきました。
 日本では、メガバンク三社を含む国内主要七十四社が参画するDCJPYというステーブルコインの取組が進んでいるものと認識をしております。銀行預金と連動するなどユニークな試みでありまして、評価に値する取組であるとは思います。
 ただ、不可解な点もあるわけで、というのは、日本国内では通貨建て資産に該当するステーブルコインの事業者としてJPY社というのがあります。そこのステーブルコイン、社名と同じなんですけど、JPYCというのがあります。JPYC社は、いろいろと各方面と調整をしつつ整備を進めて、かなりのスピードでその普及が進んでいる印象を持っております。
 何が言いたいかというと、日本国内の代表的なステーブルコインとしては、これを使えばいいのではないという中で、これがあるのにあえて銀行主導でDCJPYの取組がなされるのかという点がやや不可解なところでございます。
 JPYC社の岡部社長によりますと、この両者について、JPYCはオープンプロトコルでパブリックチェーン、DCJPYはクローズドループでプライベートチェーンという違いがあって、補完関係だと思いますとのことでしたが、本心は、社長本心としては複雑な気持ちなのではないかと想像をしております。また、他の方の意見として、スタートアップのJPYCを潰して、銀行によるDCJPYを国のお墨付きで布教させるのではという指摘も見られました。
 そういった意見を踏まえて、以下の二点、まとめて質問させていただきます。
 一つは、DCJPYがJPYCを潰そうとしているのではないかという懸念について見解を教えてほしいと思います。もう一つは、DCJPYとJPYCが今後も共存は可能なのかどうかということについて見解を教えてほしいと思います。
109 古澤知之
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○政府参考人(古澤知之君) お答え申し上げます。
 個別の事業者の方々が提供しておられるサービスに関するコメントというものは差し控えさせていただければと思います。
 その上で、一般論ということでございますけれども、現在、銀行などが提供してございますいわゆるデジタルマネーサービスというものは、現行制度に基づいてサービス提供が行われてございまして、今回の制度改正とは直接関係しないというふうに考えてございます。
 それから、前払式支払手段を用いたデジタルマネーサービスにつきましては、先ほども御紹介させていただきましたけども、金融審議会の報告書におきまして、原則電子決済手段には該当しないということでございますが、パーミッションレス型の分散台帳で不特定の者に対して流通可能な仕様で発行され、発行者や加盟店以外の不特定の者に対する送金・決済手段として利用される蓋然性があるというようなものについては電子決済手段に該当し得ると考えられるというふうにされているところでございます。
 また、前払式支払手段を用いたデジタルマネーサービスにつきましては、発行者から利用者に対する償還が制限されてございますし、また、発行者に対して利用者資産の全額保全義務というものが課されているわけではないということでございまして、いわゆる電子決済手段として流通するということにつきましては利用者保護の観点から問題があると考えられるとされているところでございます。
 今後、こういった金融審議会の報告の趣旨を踏まえまして、内閣府令の策定などを含め、施行に向けた準備を適切に進めてまいりたいと考えてございます。
110 浜田聡
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○浜田聡君 追加の説明も、どうもありがとうございました。
 DCJPYの取組自体を否定するものではないですし、ある程度競争原理を働いた方がいいと思いますが、こういう意見があることを知っていただきたいですし、当然、出るくいを打って可能性のある試みを潰すというのは望ましくないと思いますので、その点を強調させていただきまして、次の質問に移ります。
 次に、ウクライナ情勢によって国民の国防に関する意識が変わりつつ状況において、日本の国防費に関する話をさせていただきたいと思います。
 今年の二月には、「ドイツ、国防費をGDP比二%超へ ロシア侵攻で方針転換」というタイトルの報道がありました。また、スウェーデンでも三月、それに続いて同様の国防費増を発表したと承知しております。
 先般、自民党内で防衛費をGDP比で一%程度だった目安を二%以上に引き上げるべきだという提言が出されたと承知しております。防衛費をどうするかについては、当然、反対意見も含めていろいろあるとは思いますが、昨今のウクライナ情勢を踏まえてか、四月末の日経新聞の世論調査では、防衛費を上げることに賛成が五五%、反対が三三%で、賛成が上回ったとのことであります。多くの国民がしっかりとした国防を今求めているんじゃないかと考えております。
 日本の隣国を見回してみると、独裁体制と言っても過言ではない政治体制を取っておりつつ、核保有国というのがあるわけでございます。中国、ロシア、北朝鮮があるわけです。我が党は、政府に求める方針としても、国への現実的な対応として、国防費GDP比二%の、ある意味、国際標準くらいには引上げを望むところでございます。
 そこで、防衛省にお聞きしたいと思います。ロシア、ウクライナ情勢を受けて世論が防衛費の増額を望む声が強くなっている状態で、防衛費としては、あっ、防衛省としては防衛費を増やす機会であると考えるわけでございます。防衛費を増額することを国民が望んでいることについて、防衛省の認識であったり、今後の方針を教えてほしいと思います。
111 川嶋貴樹
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○政府参考人(川嶋貴樹君) 防衛省でございます。お答えを申し上げます。
 現在、政府の中で新たな国家安全保障戦略等の策定に現在取り組んでいるところでございまして、あらゆる選択肢を排除せず、現実的に検討し、防衛力を抜本的に強化してまいりたいというふうに考えてございます。
 また、このような中、先般の日米首脳会談におきまして、総理は、防衛費の相当な増額を確保すると決意を述べられてございます。防衛省といたしましては、総理の決意を重く受け止めまして、一層厳しさを増す安全保障環境の下で、我が国を守っていくために必要な経費について国民の皆様の御理解を得られるよう十分に説明を行うとともに、防衛力を抜本的に強化するために必要な予算をしっかりと確保してまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
112 浜田聡
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○浜田聡君 こういうのはすごくタイミングが重要だと思うわけでございます。言い方が悪いかもしれませんが、防衛省一丸となって予算を分捕ってくるぐらいの気合がほしいかなと思っております。その意気込みは先ほどの答弁で感じられました。
 次に、防衛と関連する科学技術予算の所管に関する話をしたいと思います。
 二〇二〇年四月の日経新聞にあった記事なんですが、国家安全保障局次長であった兼原信克さんという方が、日本政府の研究予算四兆円のうち、防衛省に割り当てられる予算が千三百億円にすぎないことを問題視しております。私も同様の意見でありまして、四兆円の科学技術予算が安全保障分野とはほぼ完全に切り離されているのは問題ではないかと思うわけでございます。少々乱暴な言い方かもしれませんけれど、国防についての国民の意識が高まっているこの機会に、科学技術予算の所管を文部科学省から防衛省に変更することも考えていいんじゃないかなと思うわけなんですね。
 そこで、政府参考人の方にお聞きします。科学技術予算の所管を防衛省に変更することについて、御見解を教えていただきたいと思います。
113 堀江和宏
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○政府参考人(堀江和宏君) お答え申し上げます。
 量子技術あるいはAIといった急速に進展する民生の先端技術が将来の戦闘様相を一変させ得ると考えられておるところでございます。
 こうした中、将来にわたりまして我が国の防衛を全うする観点から、防衛省といたしましては、令和四年度予算におきましては契約ベースで二千九百十一億円の研究開発費を計上しておりますが、こうした防衛省の取組のみならず、政府において推進しております研究開発事業の成果、これを防衛分野で活用していくことが重要だと考えております。
 こうした考えの下、内閣府を始めといたします科学技術の関係府省とは、科学技術政策に関する戦略文書の策定、見直し等への参画、定期的な意見交換や個別プロジェクトへの協力など、平素から連携をしておるところでございます。
 我が国の技術力を結集し、優れた防衛上の機能を実現するため、関係府省との連携を一層強化していくことが不可欠でございます。科学技術予算による研究開発プロジェクト等への参画も含めまして、その連携や在り方につきましては、関係府省と相談させていただきながら、防衛省としてもしっかりと検討してまいります。
114 浜田聡
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○浜田聡君 是非前向きに進めていただきたいと思います。
 以上を踏まえて、鈴木大臣にお聞きしたいと思います。
 防衛費増額や科学技術予算の所管変更の提案について、大臣としての見解を教えてほしいと思います。
115 鈴木俊一
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○国務大臣(鈴木俊一君) 防衛予算につきましては、まず行うべきことは、国民の命、暮らしを守るために何が必要なのか、具体的かつ現実的に議論をし、積み上げていくことであり、その結果、必要とされるものの裏付けとなる予算をしっかり確保していく、そのことが重要であると考えております。
 それから、科学技術予算について御指摘がございましたが、科学技術予算につきましては、科学技術や学術の振興の観点から、その半分程度を文部科学省が所管していることは、これは事実でございますが、一つの省庁が全てを所管しているわけではございません。科学技術予算については様々な分野があり、かつ基礎研究から実装段階まで多岐にわたりますので、引き続き、事業、研究の目的や性質等に応じて個別に所管を判断する必要があると考えます。
 その上で、防衛分野の研究開発を進める上では、防衛省のみならず関係省庁と連携するとともに、民間分野の既存の取組も活用するなど、国全体で総合的に取り組んでいくこと、そのことが重要であると考えております。
116 浜田聡
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○浜田聡君 国防力の向上を国民が求めているわけですが、国民のみならずアメリカからも求められていると承知をしております。是非とも前向きに進めていただきたいということを申し添えて、次の質問に移ります。
 次に、いわゆる規制に関してです。日本はその数が無尽蔵に増えている問題に関する話でございます。
 冒頭の質問でも資金決済法に関する話をしましたけれど、ああいう規制の一つ一つが民間の自由な経済活動を制限する可能性があるわけでございます。当然、必要な規制はすべきだと思いますが、企業活動を縛るために、その規制の評価というのはしっかりする必要があると思います。
 ここでは、国内の規制の数に該当するものとして、総務省が出している資料を今回配付資料として用意させていただきました。許認可等の根拠条項等数というものでございます。
 先般、私の支援者の方から御要望がありまして、最後に公表された一万五千四百七十五から毎年どのくらいずつ増えたのか、問い合わせた経緯があります。で、総務省からの回答が、実はこのとおりでした。当局が行っていた許認可等の統一的把握は平成三十年六月に公表したものが最後になり、その後の数値は把握していないため、一万五千四百七十五より後の数値はお示しすることができませんというものです。今後はデジタル庁による行政手続数の把握のみになっているということでした。このやり取りでは、何となく総務省とデジタル庁の間で、まあ言葉が悪いですけれど、押し付け合いのような感じがしたわけでございます。
 それはさておき、規制が国内の経済、社会に及ぼす影響というのは非常に大きいわけですが、先ほど申し上げた状況というのは、国内の規制を政府がしっかりと把握することを放棄しているような感じだと思うわけで、それに対して危機感を覚えるわけでございます。
 そこで、総務省の方に今回提案をさせていただきたいと思います。総務省がこれまで行ってきた許認可等の統一的把握の業務を再開するべきだと思うんですけれど、この提案についての御見解をいただければと思います。
117 武藤真郷
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○政府参考人(武藤真郷君) お答えいたします。
 今御指摘いただきました許認可等の統一的把握でございますが、これは昭和六十年に開始したものでございます。当時は、規制の実態を示すものがほかになくて、許認可等の見直しを推進するための基礎資料を整備するという観点から実施してきたものでございました。その後、平成三十年になりまして、法令に規定されている全ての手続を網羅的に把握するために、行政手続等の棚卸しというものが開始されたところでございます。
 私どもがまとめておりました許認可等の統一的把握につきましては、その目的とか内容がこの行政手続等の棚卸しに基本的には包含されてございます。このため、作業の重複を避けることもありまして平成三十年をもって終了したところでございまして、再開することは考えてございません。
118 浜田聡
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○浜田聡君 御答弁にいろいろと言われているわけなんですけれど、やはり日本政府として国の規制がやっぱりしっかりと把握できているのかというと、私は大いに疑問があるわけでございます。
 OECDの資料を今回用意させていただきました。OECDのレギュラトリー・ポリシー・アウトルック二〇一八というものがありまして、これはいろんな見方あると思うんですけど、一つの指標として、新たな規制が整備される際の透明性のランキングがあると思います。日本は、OECD加盟国中、これが最下位であるとのことなんですね。
 私は、この日本のランキングを、最下位だとちょっとやっぱり余りにもひどいと思いますので、このランキングをもうちょっと上げる努力をするべきだと考えるわけなんですけれど、政府の認識を教えていただきたいと思います。
119 武藤真郷
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○政府参考人(武藤真郷君) お答えいたします。
 御指摘のOECDにおける調査結果でございますが、これは各加盟国の法律の立案過程において比較的多く見られる手続があるのかないのかということを基準として数値化したものと承知してございます。
 この法律の立案過程におきましてどのように関係者の意見聴取を行っていくかということにつきましては、各国の行政慣行により様々な形態があると考えられます。例えば、我が国におきましては、審議会の場を活用するなどして様々な方法で関係者の意見聴取を行っているところでございますが、こうした実態がこのOECDの調査には十分に表されておりませんで、御指摘の指標のみで法律の立案過程の全ての実態が表されるものではないというふうに考えてございます。
 いずれにいたしましても、先生も御指摘になりましたように、規制の新設、改廃の検討に際して広く国民の理解を得ることは重要でございます。各行政機関において必要な取組が行われているところでございますが、こうした我が国の状況について、OECDとの対話の場を通じて理解を求めていきたいというふうに考えております。
120 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 規制改革について、オンライン上の資料などを調べてみると、各国との比較をして日本の至らない点を指摘しているものが多く見付かるわけでございますが、そういった資料をどこが作っているかというと、総務省が作っているものが多く見受けられるわけです。
 恐らく、総務省としても、しっかりとした改革をやっていきたいという意思はあるのだと思います。規制に関する国民の意識が低い状態であると思いますので、そういった状態でできることには限りがあるわけですが、規制が及ぼす影響についてはその大きさについて国民に知っていただき、規制に対する意識を高めていく努力を私はしていきたいと思います。共に頑張っていければと思います。
 次にです、最後の質問になります。児童手当などの各給付金における所得制限を設けることについて、反対の声が多いことについて取り上げさせていただきます。
 以前の委員会でも何度か申し上げたとおり、私はお金を配ることは必ずしも否定はしませんが、やっぱり配るよりは減税をしてほしいということは度々申し上げているところでございます。ただ、仕方なく配るとなった場合にも、やはり所得制限掛けない方がいいと考えております。その理由としていろいろとあると思うんですけれど、ここではそのデメリット、所得制限を掛けるデメリット、三つ挙げさせていただきます。
 一つ目は、累進課税の問題です。高所得者は既に累進課税で多くの税金納めているんですけれど、所得制限に引っかかって給付金もらえないというような、二重の累進課税だと考えられるわけでございます。
 二つ目は、労働意欲の問題です。所得制限があることによって、その上限付近にいる世帯にとって働く意欲が失われる可能性があります。
 三つ目は、選別コストの問題です。給付側にとって所得制限に引っかかるか否かのチェックは、労力というのはそれなりに掛かると思うんですけれど、そういったコスト意識というのが非常に重要だと思います。
 これらのデメリットを考えると、所得制限設けるべきではないと考えるわけなんですけれど、政府の認識を教えていただきたいと思います。
121 豊田俊郎
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○委員長(豊田俊郎君) 時間が過ぎておりますので、お答えの方は簡潔にお願いします。
122 相川哲也
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○政府参考人(相川哲也君) お答えいたします。
 児童手当は、児童手当法に基づきまして、父母その他の保護者が子育てについての第一義的責任を有するという基本的認識の下に、家庭等の生活の安定に寄与するとともに、次代の社会を担う児童の健やかな成長に資することを目的として支給しているものでございます。
 児童手当を始めとする各制度において所得制限を設けるか否かと、どうかにつきましては、個々の制度の目的や支援方法などに応じてそれぞれ判断されるものと考えているところでございます。
123 浜田聡
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○浜田聡君 終わります。

第208回国会 参議院 北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会 第4号 令和4年6月8日
089 浜田聡
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○浜田聡君 NHK党、参議院会派みんなの党、浜田聡でございます。
 本日は、飯塚参考人、竹下参考人、どうもありがとうございました。
 我々NHK党は、現在、国会議員私一人で、地方議員二十数名の小さな組織ではありますが、日本に九つしかない国政政党として責任を持ってこの北朝鮮による拉致問題について取り組んでいく所存でございます。
 我が党所属の地方議員の一人である川西市議会議員の中曽千鶴子という者がいるんですが、特定失踪者の一人である秋田美輪さんを救う川西市民の会で精力的に活動しているわけでございます。私も、彼女からアドバイスをいただきつつ、連携を密にしつつ、この問題に取り組んでいく決意を新たにしているところでございます。
 まずは、竹下参考人にお聞きしたいと思います。これまでの意見陳述と重なる部分があるかもしれませんが、御容赦いただきたいと思います。
 政府が特定失踪者を拉致被害者認定しないことについて、改めて御意見いただきたいと思います。例えば、政府に求めることであるとか、あるいは立法府に求めること、その他幅広い御意見いただければと思います。
090 竹下珠路
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○参考人(竹下珠路君) ありがとうございます。
 拉致認定はあくまでも、先ほど申し上げましたように、拉致された人たちが帰ってきてからの対応をするためにできた議員立法でございます。そして、認定するため、その中に認定の言葉も入っておりますが、具体的にどういうことで認定されるのかということは入っておりません。
 ですから、私たちにも分からないのですけれども、北朝鮮での脱北者からの証言とか、それから北朝鮮から出てきた写真とか、その鑑定が警察の鑑定と民間の鑑定とが両方とも一致すると思われるという人とか、そういう人たちがいますけれども、どうして認定されないのか、認定が増えないのか、そこが私も不思議で残念でなりません。
091 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 次に、飯塚参考人にお聞きしていきたいと思います。
 日米韓の連携について、私はこの拉致問題解決について非常に大事だと思っているわけでございます。
 まず、アメリカについてお聞きできればと思うんですけれど、可能な範囲で結構です。先日、バイデン大統領と面会されて、そのときの率直な感想であったり、会ってからの心境の御変化など、何かあればお聞きしたいと思います。
092 飯塚耕一郎
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○参考人(飯塚耕一郎君) 実際面会させていただいたときの印象として、本当にこの問題に対して心を打たれるというか、心を打たれていたんだろうなというふうに考えております。
 一番最初に、冒頭、横田拓也代表の方から発言をされて、御挨拶の発言をされた途中から、早紀江さんの方に歩み寄って、早紀江さんの目の前でひざまずいて何かお話をされるという形だったんですけれども、本当に真摯に心を打たれていただいたんだなというふうに思っていますし、その後、参加した各家族に対して一人一人に目を向けて話を聞いていただいて握手をいただいた次第でありますし、またバイデン大統領自身も御家族を何度か亡くされているという状況で、本当に心、悲痛な思いというのをいただいたんだろうなというふうに考えておりますし、最後、退場のときには、アメリカはこの問題の解決のためには協力をするんだという趣旨の発言もいただいたので、本当に有り難いなと思いますし、終わった後、面会終わった後に思ったのは、やはり、この協力、本当に力強い協力、バックアップを何とかしてその拉致被害者の救出に向けたい、現実に進めたいという気持ちはとてもありますし、やっぱりそこがうまく、どうなっていくんだろうと、毎回毎回、例えばその総理面会でしたり大統領面会の後って、どうしても別に動きが継続にならないでそのまま静かになったというふうな印象になるんですけれども、それも同じ気持ちで、同様、この先、じゃ、政府は、その大統領との面会が終わりました、で、その後で、次のアクションはどう考えているんだろうというところはやはり不安になる部分もありますし、繰り返しですけど、やっぱり力強い協力を何とか現実的にその帰国に向けて動きたいなというふうに思う次第でございます。
093 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 次、日米韓の韓についてお聞きしたいと思います。
 先月、韓国では尹錫悦大統領が就任をいたしました。私の印象ではあるんですけれど、さきの文在寅大統領に比べると、この拉致問題については協力的な姿勢であるように思いますし、先ほどの武田委員との話もありましたとおりだと思います。
 そこで、尹錫悦大統領に関する、これもまた御自由な御意見、御感想をいただければと思います。
094 飯塚耕一郎
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○参考人(飯塚耕一郎君) まず、この問題に対して、拉致問題に対してのその解決に対して、尹大統領自身がそこは賛同していただくという意思は確かに明示いただいていると理解しています。
 ただ一方、じゃ、具体的に韓国が北朝鮮に対して今後どのような行動を取っていくかというところはまだちょっと見えていない部分があるので、そこは注視が必要ではないかなと思っています。
 また、韓国側が確かに北朝鮮の情報というのを多く持っているというのが過去の傾向から見ても明らかなんですが、一方、ちょっとその、じゃ、例えばその日本の拉致問題の進展があったりとか、ちょっとした情報が出てきたときに、すぐ韓国側から情報が流れてしまう、公開されてしまうという、過去そのような動きもあるので、ちょっとどこまで韓国側の御協力をいただけるかというところも含めて、ちょっとまあ懸念は多々残るものの、今後注視はしていきたいなという感想でございます。
095 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 最後に、お二人にお聞きしたいと思います。
 この拉致問題、やはり韓国、アメリカの協力は必要ではあるのですが、やはり日本での取組が大事だと思います。そのときに大事なのが、やはり国民の理解が大事だと思っております。その国民の理解を深めるためには周知が必要だと思っているのですが、私の印象ですと、最近ですとマスコミがこの拉致問題余り取り上げていない印象を持っているわけなんですね。そうであれば、例えば政府広報として予算をたくさん使ってでも広報すべきというのは一つの考え方ではないかなと思っております。
 私の意見はそうとして、お二人の、拉致問題に関する国内での広報について幅広い御意見いただければと思います。
096 飯塚耕一郎
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○参考人(飯塚耕一郎君) 現在、確かにメディアでの取り上げ方というのはやっぱり単発的になっていますし、以前のようなその熱がある継続的な報道というのはなされないことは事実かと思います。
 ただ一方、ちょっと時代性が変わってきている部分もあるかなと思っていまして、今現在、拉致対策本部もSNS等、ユーチューブやツイッター等を使って発信はいただいているという部分がありますので、まずはそこを継続的にやっていただくという、要するに、メディアを除いた形で継続的に発信していただくということは重要な要素の一つかなとは思っていますし、ちょっと繰り返しになりますけれども、やはり幾ら政府がそのツイッターをやっていようが何しようが、それを見なかったら何も始まらないわけで、じゃ、そこをどうやって打ち込んでいくかというところは、やはり先ほど質問があったとおり、若年層に対して、では、どういうその現場とか、集まっているソーシャルなその場所でどう伝えていくかというところを検討すべきかなというふうに考えております。
097 竹下珠路
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○参考人(竹下珠路君) 私は、余り広報の方法とか、余り、先ほども教えてほしいと申し上げたくらいなんですけれども、私は、ふと考えてみていると、日本の国内への広報、政府もいろいろな方法でやってくださっていますけれども、もしかしたら北朝鮮の国民に対する広報というのも必要なのではないかとふと思っております。
098 浜田聡
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○浜田聡君 本日は、貴重な御意見ありがとうございました。これで質問を終わります。

第210回国会 参議院 予算委員会 第2号 令和4年10月20日
503 浜田聡
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○浜田聡君 NHK党の浜田聡でございます。予算委員会最後の質疑、させていただきます。
 自民党を始めとする他会派の皆様から、質問時間、少数会派に御配慮いただきまして、感謝申し上げます。我々NHK党は、数あるNHK問題の解決を公約として国政選挙を戦い、今この場におります。NHK中継のあるこの参議院予算委員会で質問できることをうれしく思います。
 今回、もちろんNHKに関すること、そして岸田総理の掲げる経済産業政策などについて、岸田総理を中心に質問通告させていただきました。岸田総理におかれましては、連日この予算委員会において数多くの答弁されて大変お疲れのことと思いますが、もうしばらくお付き合いいただければと思います。
 まず、NHK受信料額に関する話です。
 先般、NHK受信料の減額が発表されました。過去最大とされる減額方針そのものにはもちろん大賛成ですが、いかんせんその額がまだまだ足りません。多くの識者の方が常々言っていることに、NHKは受信料を徴収し過ぎてどんどん肥大化しているというものがあります。減額の余地はまだまだあるということをお伝えさせていただきます。
 今回、NHK受信料による地域差の問題を取り上げさせていただきます。パネルお願いします。(資料提示)
 パネル、資料にありますとおり、沖縄県の受信料が別の都道府県の受信料と異なっております。地上契約、衛星契約など様々ありますが、月額百円を超えるほどの差であり、少額とは言えないと考えます。この受信料の差は、根拠法令として沖縄の復帰に伴う特別措置に関する法律百三十五条などと承知しておりますが、沖縄の本土復帰から五十年経過しております。この措置を継続する意義に疑問を抱いております。
 そこで、岸田総理にお聞きします。
 NHKの受信料は全国一律にすべきと考えるわけですが、現状として沖縄県とその他の都道府県で異なっていることに関する総理の見解をお伺いしたいと思います。
504 岸田文雄
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○内閣総理大臣(岸田文雄君) 沖縄県における受信料の額は、復帰の際の特別措置法を踏まえ、NHKが他の地域より低く設定し、現在に至っているものと承知をしております。
 放送法の規定により、受信料の額はNHKが作成する収支予算に基づいて定めるものであるからして、まずはこのNHKにおいてこれを、この問題について適切に対応し、判断すべきものであると考えております。
505 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 私、この件、長年放置されてきたことではないかと考えるわけです。今年は沖縄本土復帰五十年です。NHK受信料をせっかく減額するのですから、この機会に全国一律受信料額にしてみてはどうかと提案させていただきました。これまで長々と続いてきた慣習のような受信料額の違いに関して多くの方々に疑問を持っていただきたい、そう申し上げて、次の質問に移ります。
 引き続き、NHK受信料に関する話です。
 そもそも我々がこの国会に議席を置かせていただいている主要な要因として、NHKの委託業者による営業の訪問員が、時に強引、時に暴力的な方法で契約や受信料を迫っていたという背景があります。訪問営業による被害というものはNHKに限らないことであり、大変ゆゆしき問題であります。
 訪問営業の問題の重要な側面として、社会的弱者を巧みに狙っているというものがあります。その中で、御高齢の方々のお宅からの相談が我々NHK党にこれまで数多く寄せられました。御高齢の方々となると、認知機能の低下はある程度致し方ない面があります。本来、放送受信機、つまりテレビを持っていなければNHKと契約の必要はないわけですが、認知機能が落ちた方は、たとえテレビをお持ちでなくても、NHK訪問員による営業に対してしっかり判断できないと、できず契約させられてしまう問題があるわけです。
 そこで、岸田総理にお聞きします。
 認知機能の低下した高齢者宅にNHKを始めとした訪問営業が行われて、本来不要な契約が結ばれていることに関する総理の見解を伺いたいと思います。
506 寺田稔
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○国務大臣(寺田稔君) お答えをさせていただきます。
 今御質問のNHKのこの訪問営業活動、今年度のですね、令和四年度NHK収支予算に対する総務大臣意見において、受信契約の勧奨の業務の適正を確保しなさい、そして、そのことについて不断の点検、見直しを行うことなどを求めております。
 NHKにおいては、こうしたこの総務大臣意見を十分に踏まえて、不要な契約が締結をされる、特に、御指摘のようなこの事案がないように適正なこの訪問営業活動を行っていただきたいと考えております。
 なお、今現在、NHKでは訪問によらない営業へのシフトを進めております。これによって苦情の件数は以前より減少しているものと承知をいたしております。
507 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 訪問営業がなくなるという方針に関しては、我々NHK党の功績が大きいと考えております。御報告ありがとうございます。
 また、御高齢の方々、少々申し上げにくいことでございますが、その先の寿命が若い方よりも限られているという現実があります。
 ここで、NHKの悪質さを指摘させていただきたいのですが、NHKは、単身世帯の方がお亡くなりになった後もその方の銀行口座から受信料を引き落とし続け、御遺族の方々が気付いて解約手続をする場合にもその解約にNHKが及び腰という相談、我々に寄せられております。
 そこでお聞きします。お亡くなりになった単身世帯での受信料が引き落とされ続け、NHKは御遺族の解約手続に及び腰という現状に関する見解を伺いたいと思います。
508 寺田稔
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○国務大臣(寺田稔君) お答えをいたします。
 御指摘の、死亡後にこの受信料が引き落としがされてしまう、そうしたケース、私も報告を受けております。
 NHKのこの受信規約によりますと、受信契約の解約は原則契約者が届出により行うとなっておりますが、御指摘のように、死亡の場合は御本人が届け出ることはもちろんできません。したがって、この受信契約を要しないことが確認できた場合には直ちに解約に応ずる、そして、この過払いがもしそれによって生じた場合にはその分の返金に応ずるということといたしておりまして、NHKは、この受信規約に基づいた適切な対応がなされるように、担当者への講習なども行っていると聞いております。
 しっかりとNHKに対応していただくよう指導してまいります。
509 浜田聡
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○浜田聡君 寺田大臣の指導、よろしくお願いいたします。
 NHKは、そのウエブサイト上において死亡後の解約手続などの説明ページを作るべきだと申し上げて、次に行きます。
 このように、御高齢の方々がNHK受信料を払い続ける必要がある社会というものが大きな問題があるのではないかと考えます。
 そこで提案です。いっそのこと、御高齢の方々、つまり年金受給者の方々へのNHK受信料の支払を免除してみてはいかがでしょうか。これを導入することで、御高齢の方々が必要のない契約を防げる可能性がありますし、お亡くなりになった方から受信料が引き落とされ続けるという件数を効率的に減らすことができます。御高齢の方々が抱えるNHK受信料の問題を解決できるいいアイデアだと自負しております。
 この提案に関する御見解を伺います。
510 寺田稔
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○国務大臣(寺田稔君) お答えをいたします。
 NHKのこの受信料の免除については、放送法の六十四条の規定がございます。NHKからの申請に基づき総務大臣がそれを認可をするという仕組みになっておりまして、現在極めて限定的に、一定の要件に合致した被災者、あるいは生活保護受給者などに限定をしております。
 したがいまして、このため、お尋ねの点については、あまねく広く国民に御負担をいただくべく、いただくこの受信料制度の趣旨も踏まえ、まずはNHKにおいて適切に御判断いただきたい、そのように考えております。
511 浜田聡
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○浜田聡君 年金受給者のNHK受信料免除、この提案は、御高齢の方々が抱える数多くの問題を解決する方法であると自負しております。我々、参院選では、当初ではゼロ議席と予想されながらも、この公約を最前面に掲げて一議席獲得して、政党要件を維持していることを再確認していただければと思います。引き続き御検討いただけますと幸いです。
 さて、我々NHK党は、御高齢の方々のみならず全ての年代におきまして、NHKに受信料を支払わない方々を全力で応援しております。様々な問題を指摘されながらもなかなか是正しないNHKという組織は、その資金源を断って潰してしまおうというのが我々の狙いでございます。
 勘違いしてほしくないのは、我々は公共放送の存在を否定しているわけではありません。公共放送は必要だけれども、現在のNHKにその役目は果たせていない、だからぶっ壊すべきだと考えているわけでございます。NHKに受信料を払わない方々を応援するため、我々は以前から、NHK訪問員の訪問を抑制するための、玄関に貼るためのNHK撃退シールというものを配ったり、NHK受信料に関する電話相談を受けたりしております。
 二〇一九年の参議院選挙において国政政党にしていただいてからは、多くの政党助成金いただけるようになりました。最近では、この政党助成金を使って、NHKから受信料不払で裁判された方々のために裁判費用や受信料の肩代わりさせていただいております。一般的には、選挙の候補者などが有権者にお金を配ることは禁止されております。我々としては、法律に抵触しないように、我が党の立花孝志党首が運営する会社等を利用してそういった支援をさせていただいたり、立花孝志党首自身が選挙に出ることを自重したりなどしております。
 そこで、公職選挙法など選挙に関わる法律の所管官庁である総務省に伺います。NHK党が裁判費用を肩代わりすることは選挙に関する法律に抵触しないという理解でよろしいでしょうか。
512 森源二
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○政府参考人(森源二君) お答えをいたします。
 総務省としては、個別の事案につきまして実質的な調査権を有しておらず、具体的な事実関係を承知する立場にございませんので、お答えを差し控えさせていただきたいと存じますが、その上で、一般論として申し上げますと、公職選挙法上の寄附につきましては、公職選挙法百七十九条第二項におきまして、金銭、物品その他の財産上の利益の供与又は交付、その供与又は交付の約束で党費、会費その他債務の履行としてなされるもの以外のものと定義をされておりまして、公職選挙法ではこの寄附を行う主体別に異なる禁止規定が置かれております。
 このうち、一般の政党の場合は、公職の候補者等が役職員又は構成員である団体と解されますので、公職選挙法第百九十九条の三において、当該選挙区内にある者に対し、いかなる名義をもってするを問わず、公職の候補者等の氏名を表示し又は氏名が類推されるような方法での寄附をしてはならないこととされております。
 また、公職選挙法第二百二十一条第一項第一号においては、当選を得又は得させる目的などをもって選挙人又は選挙運動者に対し金銭、物品その他の財産上の利益の供与などをしたときにおける買収罪についての規定がございます。
 いずれにいたしましても、個別の事案がこうした公職選挙法の規定に該当するものか否かにつきましては、具体の事実に即して判断されるべきことになるものと考えるところでございます。
513 浜田聡
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○浜田聡君 御説明ありがとうございました。引き続き、我が党としては、慎重にかつしっかりと、NHKに受信料を支払わない方々を全力で応援させていただくことを訴えさせていただきます。
 さて、話は変わりまして、国内経済に大きな影響を与えるいわゆる規制について質問をさせていただきます。
 規制というものは、国内産業、経済に影響を与えるものです。もちろん必要な規制の存在は否定しませんが、しかし、過度の規制は産業、経済を萎縮させる要因になり得るものです。国内における規制の数が増え続けており、かなりまずいことになっているのではないかというお話でございます。
 パネルをお願いします。これは総務省が公表している資料であり、平成三十年六月、総務省行政評価局、許認可等の統一的把握の結果についてというものでございます。これを見ますと、平成十四年から二十九年の十五年間で五千個ほどの許認可等の数が増えています。これはつまり国内規制が一日一個の割合で増えていると言っても過言ではありません。
 それ自体が大きな問題だと考えるわけですが、更なる問題として、政府がこの規制の把握をしなくなったのではないかという現状があります。どういうことかといいますと、二〇一八年閣議決定のデジタル・ガバメント実行計画により、この許認可等の把握がデジタル庁に引き継がれたと承知しております。規制の数はデジタル庁がまとめた行政手続の数に含められたわけですが、これは数多くの手続も含む総数であり、先ほど申し上げた政府の権力行為である許認可等を含みつつも、それのみに限定した数量ではなくなってしまいました。結果として規制の把握ができなくなった状況と言えます。
 アメリカやイギリスなど先進諸国では、国内の規制を政府がしっかりと把握し、国内産業に大きな影響をもたらす規制については政策評価をしっかり行っていると承知しております。規制を政府がしっかり把握するということは、いわゆる先進国であれば当然のことと考えます。
 一方、日本では規制が次々とつくられて歯止めが利いていない、そしてその規制の制定もプロセスもブラックボックス化していると言ってよいという現状があり、さらにその把握もできなくなりつつあると考えます。国内規制について政府がしっかりと把握し、透明化していくべきと考えます。
 国内の規制を政府が把握し、透明化することに関する見解をお伺いしたいと思います。
514 寺田稔
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○国務大臣(寺田稔君) お答えをいたします。
 パネルでお示しのとおり、この平成二十九年四月まで総務省の方で把握をしておりましたこの許認可件数ですが、現在、この行政の様々な諸事務の棚卸しを行った結果として、デジタル庁に移管をされたところでございます。
 今おっしゃられた事前評価、我々も大変重視しておりまして、政策評価法に基づき、法律又は政令の規定により規制を新設するときには、各府省は事前評価を行うことが義務付けられております。また、行政手続法に基づくパブリックコメントも行われることとなっております。政策評価の担当大臣として、各府省におけますこうした規制の事前評価が的確に行われるよう取り組んでまいります。
515 浜田聡
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○浜田聡君 極めて重要な問題ですので、総務委員会でも今後取り上げていきたいと思います。総務大臣、よろしくお願いします。総務省行政評価局の皆様には、日本が先進国でいられるかどうかの運命が懸かっていると考えます。経済産業大臣、デジタル大臣、経済再生担当大臣におかれましても、この問題に御関心をお持ちいただければ幸いです。
 次に、先ほど申し上げた規制と同じく国民の経済活動を縛るものとして、いわゆる税金など、負担の話をしたいと思います。租税負担及び社会保障負担を合わせた義務的な公的負担の国民所得に対する比率を、比率として国民負担率という指標があり、この推移を考えたいです。
 ここの、国民負担率がこの数十年において右肩上がりで上昇を続けております。令和四年の国民負担率は四六%とのことであり、これは言わば稼いだ額の半分をお上が召し上げる状況であると考えられます。国民の活力がなくなるのは当然だと思います。高過ぎる国民負担率を下げて国民が自由に使えるお金を増やしていく必要があると考えます。
 お聞きします。通告していた二つの質問をまとめてお聞きします。
 現状の国民負担率に関する受け止めを伺いたいです。そして、国民負担率を下げようという意思があるのかどうかということを伺いたいと思います。
516 岸田文雄
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○内閣総理大臣(岸田文雄君) 国民負担率については、少子高齢化に伴う社会保障給付の増大に伴って、そのための負担も増加し、給付と負担の両面において上昇傾向が続いていると承知をしています。
 国民の負担を適正で負担可能な範囲にとどめ、同時に今後とも国民の活力を損なわないようにするため、社会課題を成長のエンジンに転換し、持続可能な経済成長を実現することで、国民負担率の分母である国民所得を増やしていきたいと考えます。
 あわせて、全世代型社会保障構築会議において、男女が希望どおり働ける社会づくりや若者世代の負担増の抑制などについて幅広く検討を行い、能力に応じて皆が支え合う持続可能な社会保障制度の構築に向けて議論を進めていきたいと考えます。
517 浜田聡
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○浜田聡君 いずれにせよ、国民負担率四六%は高過ぎだと思います。これを半減することを目標として、国民負担率半減計画、提案させていただきまして、次の質問に移ります。時間の都合上、最後になります。
 最後に、岸田総理の所属派閥、宏池会の創立者である池田勇人元総理が、総理に関して、岸田総理の見解を伺いたいと思います。
 池田勇人元総理の行った政策の説明としていろいろとあるとは思いますが、元日銀審議委員の原田泰氏によりますと、池田勇人氏の進めた所得倍増計画は、自由な企業と市場の下で日本経済は運営されるべきという方針を確認するとともに、その方針の下で、日本経済は発展する力があり、かつ発展できるという自信に満ちた宣言であるとのことです。キーワードは自由です。
 自民党総裁選において令和の所得倍増計画を打ち出した岸田総理に最後に二点お聞きします。
 過去数十年にわたって各政権で行われてきた政策は、国民負担率を上げ、規制を増やしてきており、経済活動の自由を制限し続けていると考えられます。国民負担率や規制増加の観点から、日本国内における経済活動の自由に関する岸田総理の見解を伺いたいと思います。自由を推進して経済成長を進めた池田勇人元総理に関する岸田総理の見解を更に伺いたいと思います。
518 岸田文雄
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○内閣総理大臣(岸田文雄君) まず、国民負担率の増加は高齢化に伴うものであり、経済活動の自由との関係は一概に評価できないと思います。規制についても、経済の複雑性が増す中で経済活動の幅が広がったこと等により形式的に増加してきましたが、新自由主義の下で自由な経済活動を促す方向で不断の改革を進めてきたものであると認識をしています。このため、過去数十年、政府が国民と事業者の自由を奪ってきたとの御指摘は当たらないと思います。
 そして、池田内閣の国民所得倍増計画、これはこの日本の経済において高度経済成長をもたらしたものであると思います。そして、その後の新自由主義は、成長をもたらす反面、格差あるいは貧困の拡大、こうした弊害も生み出したと認識をしています。
 新しい資本主義でも自由な経済活動を前提とし、アナログ的規制を一掃するなど規制改革に全力で取り組みますが、全てを市場や競争任せにはせず、官と民が協働して社会課題の解決を進めることで成長と分配の好循環を生み出し、持続可能な経済社会を実現していくことを目指してまいりたいと思います。
519 浜田聡
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○浜田聡君 岸田総理が池田元総理と同じく自由を推進して令和の所得倍増計画を実現することを切に願いまして、質問を終わります。
 ありがとうございました。

第210回国会 参議院 予算委員会 第3号 令和4年10月24日
200 浜田聡
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○浜田聡君 NHK党、浜田聡でございます。予算委員会最後の質疑をさせていただきます。
 自民党を始めとする他会派の皆様から少数会派に質問時間の追加の御配慮をいただきまして、感謝申し上げます。
 本日は、インターネットが十分普及した昨今において政治家自らの情報発信の方針などについて、山際大臣を中心に質問させていただこうと思います。
 質問に先立ちまして、先日の予算委員会に関しましてNHKに感謝申し上げます。予算委員会の質疑が長引いている中、質疑順が最後となる私の質疑開始時刻は中継予定時間を過ぎているにもかかわらず配慮いただきまして、中継延長して私の質疑も中継していただけました。本日の質疑も延長していただけるとのことで、大変感謝申し上げます。NHKにおかれましては、今後も引き続き同様の御配慮をいただけますと幸いです。
 今回、山際経済再生担当大臣に政治家としての情報発信の方針をお聞きします。
 大臣、当選回数六回と実績を着実に積んでおられまして、有権者そして国民の皆様との関わり方について、山際大臣には山際大臣なりの考え、やり方があろうかと思います。もしかすると私の質疑内容が余計なお世話だと思われるかもしれませんが、そう思われるならそれでも構いません。ただ、山際大臣には、経済再生担当大臣、コロナ大臣としてしっかりと仕事をしてほしいという思いがあることを御理解いただけますと幸いです。
 最近の国会においては、山際大臣の統一教会関連の追及が目立つと思われます。良くも悪くも大臣の世間の注目度が非常に高い状況にあるのは間違いありません。大臣に関しましては数多くの報道がある昨今の中、あってはならないことですが、大臣に関して事実と異なる報道であったり、あるいは悪意を持ってあることないこと、ゆがめられた報道などが行われる可能性もございます。
 そのような状況への対抗手段として、自身の情報媒体、最近ですとフェイスブックやツイッターなどのSNSやユーチューブなどの動画サイトなどによって御自身の手で一次情報を発信することには政治家として大きな意義があると私考えます。
 そこで、まずお聞きします。政治家自ら一次情報を積極的に発信することは私、重要であると考えますが、山際大臣は、政治家が一次情報を発信することに関する御見解、伺いたいと思います。
201 山際大志郎
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○国務大臣(山際大志郎君) 私も政治家として、自分の思想、信条、あるいは政策等々について、しっかり誤解を招くことなく一次情報としてそれを発信していくということは大変重要なものだと考えております。
202 浜田聡
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○浜田聡君 前向きな回答、ありがとうございます。
 インターネットでの選挙運動が解禁されて、それなりの年数が経過しております。今や、政治家にとってインターネットでの情報発信、欠かせないものになっていることは言うまでもないことと思われます。
 我々自身、ユーチューブ動画など、積極的にインターネットを活用して現在国会に議席を置かせていただいていると自負をしております。大臣におかれましても、自身のウエブサイトであったり、ウエブサイトをお持ちでありますし、インターネットの重要、インターネットでの情報発信の重要性、十分過ぎるほど御認識のことと推察します。
 さて、大臣、ウエブサイト以外にも、フェイスブック、ツイッターといったSNSアカウント、そしてユーチューブという動画サイトにおいては山際大志郎まっしぐらチャンネルというアカウントをお持ちであり、私も拝見させていただきました。
 アカウント開設は大変結構なんですが、残念なことに、ここ最近の更新がストップされているように思われるわけですね。世間の注目度が高い現在だからこそ、御自身でしっかりと情報発信することは、ある意味ピンチをチャンスに変えることもできる可能性秘めていると思います。中でも、ユーチューブなど動画で訴えることのインパクトというのは、文字や静止画と比較しても非常に大きいものでございます。
 そこで、大臣に質問というより提案でございます。山際大志郎まっしぐらチャンネルの発信、さきの総選挙を最後に更新が止まっているんですが、ここでの発信をこれを機会に再開してみてはいかがでしょうか。
203 山際大志郎
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○国務大臣(山際大志郎君) これは本当に隔世の感がありますね。最初にこのまっしぐらチャンネルを開設したときは、それそのものが実は相当新しいというので方々から言われたぐらいの話だったものが、今は、ユーチューブを始めとして、政治家、あるいは政治家に限らず、多くの方々が御自身の考えをダイレクトに発信をされるというのはもう普通になりました。ですから、私ももちろんその機会を見付けてやりたいと思っておりますが、残念ながら今、それこそ今議員におっしゃっていただいたように、その経済再生の部分で大変公務が忙しいものですから、そちらの方に全力を傾注したいという思いで今は中断しているという形でございます。
204 浜田聡
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○浜田聡君 ちょっと残念ながら後ろ向きの発言ということなのでございますが、引き続きちょっと提案の方をさせていただきます。
 ユーチューブでの発信力を高める方法の一つとして、ユーチューブチャンネル登録者数が十万人、百万人といった、いわゆるトップユーチューバーや著名人といった方々の共演動画を作って発信するというものがございます。
 手前みそで恐縮ですが、我々NHK党の立花孝志党首はチャンネル登録者数五十万人を超えるチャンネルを運営しておりまして、社会への影響力、それなりに持っているものと思われます。
 ここで、大臣に質問というより提案でございます。立花孝志党首が、山際大臣とユーチューブコラボを提案しております。大臣、この提案受けるつもりありますでしょうか。
205 山際大志郎
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○国務大臣(山際大志郎君) 今御答弁申し上げましたように、私自身、その一次情報を自分自身で発信することは非常に重要だと考えておりますが、今私に与えられている責務は、この経済対策をまとめ上げて、それを一日でも早く社会で実行せしめるということに全力を傾注することだと考えておりますので、そちらの方に力を注ぎたいと思っております。
206 浜田聡
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○浜田聡君 是非、気が変わりましたら御検討いただければと思います。
 さて、これまでの質問、提案と関連して、岸田総理にもお聞きしたいと思います。
 総理は、ユーチューブ上では首相官邸チャンネル、そして岸田総理自身の岸田文雄チャンネルにおいても発信されておられます。
 繰り返しになりますが、私は、自分のアカウントを開設して、自分の言葉で話して説明する動画での発信というのが極めて重要と考えております。昨今、御自身の御子息を秘書官に据えて、SNSでの情報発信、力を入れておられると承知しております。
 そこでお聞きします。ユーチューブでの岸田文雄チャンネルの今後の展望や目標、そして注目を集めました御子息の活動報告などあれば教えていただきたいと思います。
207 岸田文雄
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○内閣総理大臣(岸田文雄君) 政治家として一次情報を発信することは重要であると思います。
 その中で、私自身としては、ツイッター、フェイスブック、インスタグラム、これは私から直接発信するという形で情報発信をさせていただいております。そして、ユーチューブに関しては、これは事務所として発信をするということで情報発信をさせていただいています。ですから、その部分については、総理官邸と事務所との連携、これが重要であります。これを深めながらそのユーチューブを通じての発信も充実させていただきたいと思います。
 両方合わせて一次情報の発信ということで充実を図っていきたい、このように考えております。
208 末松信介
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○委員長(末松信介君) 申合せの時間が参っております。
209 浜田聡
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○浜田聡君 はい。
 今回の質疑を見ている、聞いている国民の皆様におかれましては、主要メディアによる報道のみならず、各政治家が運営している各々の情報発信、情報発信源にも御注目いただきたいことを願いまして、私の質疑を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。

第210回国会 参議院 総務委員会 第2号 令和4年11月1日
223 浜田聡
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○浜田聡君 NHK党の浜田聡でございます。
 本日の総務委員会、最後の質問となります。委員長、委員の皆様、そして寺田総務大臣、政府の皆様、関係者の皆様、よろしくお願いいたします。
 我々NHK党は、数あるNHK問題の解決を最重要公約として国政選挙を戦い、今この場におります。今国会からはこの参議院総務委員会でNHKに関して質問できることを有り難く思います。総務委員会の枠を空けていただきました大会派の皆様に感謝申し上げます。
 今回は寺田総務大臣の所信表明に対する質疑ということで、もちろんNHKに関することを中心に質問させていただきます。寺田大臣におかれましては、この総務委員会、数多くの質問への答弁され、大変お疲れとは思いますが、もうしばらくお付き合いいただきたいと思います。
 質問に先立ちまして、この総務委員会にも所属しておりまして、私の隣に座ることになっているガーシー議員について少しだけお話しさせていただきます。
 皆様御承知とは思いますが、彼は、夏の参議院選挙前から、そして今国会召集後もずっと海外におります。この件で、ガーシー議員と同じNHK党所属の私は、議院運営委員会理事の方々と何度か議論させていただきました。海外にいたまま国政選挙に出馬して当選し、当選後もそのまま帰国しないというのは前代未聞のことであり、様々な御意見を頂戴しており、各々の意見は尊重したいと思います。
 ただ、私の考えを申し上げれば、私はガーシー議員が海外に滞在し続けるという意思を尊重したいと思います。ここ数年、コロナ禍などによって社会が変化しております。そして、働き方が変化しつつあると今言えます。国会でもその変化の対応に期待しつつ、私自身も尽力していこうと思います。
 一方で、現状、海外に滞在したままの議員が国会内での活動にすぐに、すぐには対応と、対応可能とならない事情も承知しております。国会議員の国会内での活動として重要なものとして、議院運営委員会の議論において二つ御指摘いただきました。一つは、この委員会、このような委員会での審議です。もう一つは、委員会や本会議などでの採決、賛成、反対といった採決を挙げていただきました。それらについて、我がNHK党としてどう対応するのかということをお話しさせていただきます。
 委員会などでの審議については、NHK党会派として質疑時間をいただきますので、ガーシー議員の分の質問時間は私が質疑に立たせていただきます。
 一方、委員会や本会議などでの採決は、現状、ガーシー議員が登院しない以上、採決できません。この件については、申し訳ありませんが、致し方なしとしか言いようがありません。しばらくガーシー議員の採決権は行使されません。こういう言い方をすると余り良くないということを承知で申し上げますと、今後の委員会や本会議などでの採決において、ガーシー議員の採決の行方によってその結果が大きく左右されるということは現状想定しにくい状況ですので、ガーシー議員が採決に参加しないことの、ことは望ましくないとは思いますが、その影響はさほど大きくないと考えます。
 ただし、ガーシー議員の採決の行方によってその結果が大きく左右される状況になれば話は別でございます。具体的には、憲法改正の発議における本会議採決のケース、挙げさせていただきます。現状の参議院の、参議院におけるいわゆる改憲派の議席数を考慮した場合、議員一票の行方によって国の運命が左右される状況となる可能性はあると思います。そういった場合に、党として責任を持ってガーシー議員を帰国させる、登院させるなどの対応を取らせていただくことをあらかじめ表明させていただきます。
 それでは、質問に入らせていただきます。
 今回の質疑では、NHKに関する質問、予定しております。質問内容によっては、それ、NHKに問いただすべきではというものもあるかもしれませんが、今回、総務大臣の所信表明に対する質疑でもありますし、放送法の所管官庁である総務省にまず良い仕事をしてほしいという願いもありまして、今回、総務大臣、総務省に質問させていただきます。
 NHKの受信料制度の問題に関して伺っていきます。
 現行のNHK受信料制度は大きな問題があり、多くの方々が不満を抱えております。そういった不満をお持ちの方々の投票により、我々NHK党がこの国会に議席をいただいております。
 さて、受信料制度の大きな問題の一つをお伝えさせていただくと、たとえNHKの放送を見ていても受信料を払わないでいることが可能な状況であり、その結果として、受信料を真面目に払っている方が損をする状況です。一方、テレビをお持ちでなくてもNHKとの契約が必要な、お持ちでなくてNHKとの契約が必要がない世帯であっても、NHK委託業者の訪問員が来て契約をさせられ受信料を払わされるケースもあり、我々はそういった方々の相談に数多く乗ってきております。
 こういった問題を解決するために、我々NHK党は以前から幾つか提案をさせていただいております。この場において三つ紹介させていただきます。
 一つ目は、NHKの放送をスクランブル化する、つまり受信料を払っている世帯のみ放送を見ることができるようにすることでございます。我が党は国会で何度も提案させていただいておりまして、多くの方々がこの政策を支持していると思います。これが一番すっきりしますし、これが一番お勧めでございます。二つ目は、テレビ購入時にNHKとの契約を義務付けるというものでございます。これはイギリスで実施されているものでございます。三つ目は、未払者全員にNHKが全員に裁判をするというものでございます。現状は、一部の方、ごくごく一部の方のみにNHKが裁判をしておりまして、これは望ましいといいますか、不公平感を生むものであると思います。
 この三つの提案を申し上げた上で、寺田総務大臣に質問させていただきます。二点まとめて質問させていただきます。
 現状の受信料制度では、たとえNHKを見ていても受信料を払わないでいることが可能な状況です。その結果として、受信料を真面目に払っている者が損をする状況です。このことについての問題意識をお持ちであるのかどうか、お答えいただきたいと思います。もう一つは、また、問題意識をお持ちであるならば、その問題を解決するために、私が先ほど提示しました提案、それらの採用、あるいはその他の方法で受信料制度改革をするつもりがあるのかどうか、お答えいただきたいと思います。
224 寺田稔
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○国務大臣(寺田稔君) このNHKの受信料でございます。これは、NHKが公共放送としての社会的使命を果たすために必要な費用を広く国民・視聴者に公平に御負担をいただくというものであります。したがって、受信料の支払率を向上させて公平な負担を徹底することは大変重要な課題であると認識をしており、まずはNHKにおいて、受信契約の締結や受信料の支払について国民・視聴者の皆様の御理解を得られるように丁寧な説明に努めるとともに、未契約者及び未払者対策を強力にかつ着実に実施をしていただきたいと考えております。
 なお、料金を支払う方のみが受信できることとなるスクランブル化につきましては、広く国民・視聴者に、視聴者を対象とする公共放送の役割にはなじまないものと認識をしております。
 御指摘のイギリスにおけるテレビの販売業者に対する購入者情報のBBCへの通知義務については、二〇一三年に廃止をされていると承知しています。
 また、受信料未払の契約者に対する民事手続について、NHKにおいて説明を尽くしてもなおお払いをいただけない場合に、未払者の期間等の諸条件を総合的に勘案し、民事手続に付すか否かを決定をしていると聞いておりますが、いずれにしても、今後の受信料の在り方については、幅広く国民・視聴者の皆様からの十分な御理解を得ながら多角的に議論を進めることが必要であると考えております。
225 浜田聡
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○浜田聡君 大臣におかれましては、問題意識は共有できていると感じました。
 ただ、一方で、やはり根本的に解決をするためには、私が今提示した提案いずれかを御採用いただきたいと思います。今後もこの提案に関しては引き続き訴えさせていただこうと思います。
 ここで、我が党における公共放送の考え方について触れさせていただきます。
 先般の予算委員会でも申し上げて、繰り返しになって恐縮でございますが、我々は公共放送の存在を否定しているわけではありません。公共放送は必要だけれども、現在のNHKにはその役目は果たせておりません。だから、まあぶっ壊すべきだと考えておりまして、この総務委員会においては、数多くの問題を抱えているNHK問題に、NHKについて逐次取り上げさせていただくことを改めて表明させていただきます。
 引き続き、質問、総務省の方にさせていただきます。
 先ほども申し上げたことですが、現状の受信料制度では、たとえNHKを見ていても受信料を払わないでいることが可能な状況です。本来ならNHKに払われるはずの受信料が支払われずに、いわゆる滞納されている状況と言えます。
 そこで質問です。
 NHKの受信料の滞納者と滞納額について、総務省の把握しているところを教えていただきたいと思います。
226 小笠原陽一
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○政府参考人(小笠原陽一君) お答え申し上げます。
 委員御指摘の滞納者あるいは滞納額について、総務省として事実関係を承知はしておりません。
 ただ、いずれにしましても、受信料の支払率を向上させ公平な負担を徹底することは大変重要な課題であるというふうに認識をしております。NHKにおかれては、未契約者及び未払者対策を着実に実施していただきたいというふうに考えているところでございます。
227 浜田聡
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○浜田聡君 総務省は、放送法の所管官庁であります。先ほど、滞納者については把握していないということでありましたが、所管官庁であればしっかりと把握していただきたいということを、私、申し上げさせていただきます。受信料を真面目に支払っている方からすると、滞納に関して抜本的な解決策が講じられない現状が放置され続けるのは当然望ましくありません。総務省にも御対応を願いたいと思います。
 次の質問でございます。
 我がNHK党に障害者の方から御相談いただき、その内容について考えますと、NHKの受信料の返金に関してNHKの方針が少しおかしいのではないかという点について質問させていただきます。その点に関して総務省の御見解を伺っていきます。
 NHK受信料をこれまで支払っていたけれど、途中で受信料を支払わなくていい状態になったんだけど、それに気付かずに受信料を支払っていた方のケースを想定していただきたいと思います。その際にNHKが返金に応じるケースと応じないケースがあるわけでございます。端的に申し上げますと、解約の場合には返金には応じる、一方、受信料が免除になった場合には応じないと、返金に応じないということでございます。つまり、NHKは、解約時には解約事由が確認できれば遡って受信料の返金には応じるが、受信料の免除は、過去に免除事由があることが明らかであっても受信料の返金には一切応じない、そういうスタンスを取っておりまして、我々に相談が寄せられました。
 今回の配付資料の一枚目にNHKの放送受信規約の条文を掲載しております。NHKの受信規約、放送受信規約第十一条において、放送受信料の精算に関する条文があります。こちら、解約の場合でも免除の場合でも、それぞれに分けて記載されているわけではありません。記載内容に違いがないのに、NHKは、解約の場合は遡って返金し、免除の場合は遡って返金しないという対応をしております。私、この対応はおかしいのではないかと考えております。NHKを解約する場合と免除する場合の対応の違いについて、違いについての見解を総務省に教えていただきたいと思います。
 また、免除対象者は多くが障害者手帳を保有している方でございまして、このような対応というのは、直接的あるいは間接的な差別に当たり、合理的配慮に欠けるのではないかと我々指摘させていただきますが、それに関する見解も伺いたいと思います。
228 小笠原陽一
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○政府参考人(小笠原陽一君) お答え申し上げます。
 日本放送協会受信規約におきましては、解約と免除のいずれの場合におきましても、原則として申出前の契約期間に対応する受信料についてまで返戻することは規定していないというふうに承知をしております。
 ただし、解約につきましては、非常災害や独居での死亡など受信契約者が解約を届け出ることができない場合には、例外的に解約事由が生じた日に遡って解約されたものとして過払い額の返戻に応じていると承知しております。
 また、障害をお持ちの方々に関しましては、放送受信料の免除について、全国の自治体の障害福祉課等の窓口の協力も得まして広く案内に努めておりますほか、ホームページに専用の問合せ窓口を設けるなど、丁寧に周知、御理解いただくことに努めているというふうに聞いているところでございます。
 いずれにしましても、受信料の免除の運用につきましては、国民・視聴者に公平に負担いただく受信料制度の趣旨を踏まえて、免除の対象となる方々への丁寧な説明を含め、NHKにおいて適切に対応いただきたいというふうに考えているところでございます。
229 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 今回取り上げました件については、この機会に日本放送協会の放送受信規約を整備することを総務省としてNHKに指導することを提案させていただきます。
 また、障害者手帳を保有している方々への差別に当たる可能性については、そういったことをおやめいただいて、合理的配慮をしていただくことを総務省、NHKにお願い申し上げまして、次の質問に移ります。
 次に、先ほど提案させていただきましたNHKのスクランブル化と関連して、NHKBS放送でテレビ画面上に表示されるメッセージを利用しての提案、質問をさせていただこうと思います。
 今回配付した資料の二枚目に、NHKウエブサイトにありますBSデジタル放送メッセージ消去のページを用意させていただきました。こちらは恐らく多くの方が目にしたことがあるのではないかと推察するわけですが、定められた手続をしていない場合、NHKBS放送のテレビ画面の左下に受信機設置御連絡のお願いのメッセージが表示されます。これ、メッセージの大きさとしては、恐らく画面全体の九分の一ぐらいの面積を占めているものと思われます。このメッセージを利用して、総務省、そして、あっ、総務省の方に提案と質問を申し上げます。
 このメッセージ表示をもっと大きくしてみてはいかがでしょうかということでございます。技術上であったり法令上の問題はないと私考えるわけですが、もしあるなら御指摘いただきたいと思います。
230 小笠原陽一
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○政府参考人(小笠原陽一君) ただいま御指摘をいただきました衛星放送の画面に表示されるメッセージにつきましては、NHKにおいて、受信料を公平に負担いただくため、衛星放送受信機の設置の連絡をしていただくことをお願いするため実施しているものというふうに承知をしております。
 受信料の適正かつ公平な負担の徹底につきましては、総務省として、NHK予算及び決算の大臣意見において求めているものでありますが、その具体的な方法、つまり放送受信契約の勧奨の具体的な方法につきましてはNHKにおいて検討されるべきものというふうに考えておりまして、総務省としてコメントすることは差し控えさせていただきます。
231 浜田聡
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○浜田聡君 先ほどの答弁を聞いておりますと、NHKBS放送において既に表示されているメッセージを大きくすることについては、技術上、法令上、何ら問題はないのではないかと感じました。公平、適切な受信料制度とおっしゃるのであれば、このメッセージを大きくすれば、NHKBSにおいて定められた手続をする方が増えると思われます。NHKBSの受信料を真面目に払っている方々の気持ちを考えると、是非とも進めていただきたいと思います。
 さて、次に、NHKBSから次は地上波に話を移したいと思います。
 先ほどまで申し上げていたBS受信機設置の御連絡のお願いを、このメッセージを地上波でも表示してみてはどうかということですね。さらに、それを大きく表示してみてはどうかという提案でございます。この提案についていかがでしょうか。技術上、法令上の問題はないと考えますが、もしあるのであれば御指摘いただきたいと思います。
232 小笠原陽一
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○政府参考人(小笠原陽一君) ただいま地上波についてのお尋ねでございますが、繰り返しになって大変恐縮でございますが、受信料の適正かつ公平な負担の徹底につきましては、総務省として、NHK予算及び決算の大臣意見において求めているものであります。他方、地上放送につきましても、その具体的な方法、つまり放送受信契約の勧奨の具体的な方法につきましてはNHKにおいて検討されるべきものというふうに考えております。総務省としては、これにつきましてもコメントすることは差し控えさせていただきたいというふうに思います。
233 浜田聡
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○浜田聡君 技術的にできるできないについては、今度NHKに質問をしてみようと思います。
 この受信機設置の御連絡のお願いのメッセージを地上波でも導入する、そして表示を大きくするということは、技術的、法令的な問題クリアすることは、仮にあったとしても難しくないと感じました。NHKのスクランブル放送導入というと身構える人がいるかもしれませんが、こちらのBSのメッセージ、既に導入されております。その拡大表示、あるいは地上波への導入ということであれば、より賛同いただける方が多いのではないかと考えます。今後、引き続き御検討いただきたいと思いますし、この委員会などでも訴えさせていただこうと思います。
 次に、我々NHK党とNHKとの間で行われました、とある裁判に関するお話をさせていただきます。この裁判の内容については極めて重要と考えますので、総務省の方々にもその内容を御承知いただきたい思いもあり、今回取り上げさせていただきます。
 裁判の内容に触れる前に、我々がこの件に関して常々抱いている問題意識を共有させていただきます。受信料未払の場合の延滞利息に関するお話でございます。
 NHKは延滞利息の請求をしていないのではないか、我々、この点に注目をしております。NHKが利息を請求しないのであれば、期限を守って真面目に受信料を払っていた人と、守らずに払っていない人の支払総額がいつまでたっても同じになります。これであれば、裁判まで払わない方がいいんじゃないかという考え方になると思います。
 そこで総務省にお聞きします。
 日本放送協会放送受信規約に規定のある延滞利息に関して、NHKが延滞利息をどの程度請求しているのか、総務省の把握しているところを教えていただきたいと思います。
234 小笠原陽一
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○政府参考人(小笠原陽一君) お尋ねの日本放送協会放送受信規約第十二条の二に基づきましてNHKが延滞利息をどの程度請求しているのかという点について、総務省としては事実関係を承知をしておりません。
235 浜田聡
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○浜田聡君 放送法の所管官庁である総務省におきましては、当然、日本放送協会放送受信規約もその担当となると考えられます。そうであれば、しっかりと把握していただきたい、そう申し上げさせていただきます。
 裁判の話に戻りますと、今回取り上げる裁判としましては、先日、鹿児島県の加治木簡易裁判所で行われました裁判となります。今回の配付資料三枚目から七枚目にその裁判資料を添付させていただきました。
 この裁判、NHK側は請求の放棄という結末になっております。請求の放棄、こちら非常に重いと思うんですが、その重みについては後ほど述べさせていただくとして、この裁判においてキーとなった法令として、民法九十二条をここで紹介させていただきます。民法九十二条の条文を読み上げさせていただきます。「法令中の公の秩序に関しない規定と異なる慣習がある場合において、法律行為の当事者がその慣習による意思を有しているものと認められるときは、その慣習に従う。」ということでございます。
 NHKは、ふだん利息を取るということをしていないと感じております。ですので、NHKの規約の中や契約書に利息を払えということが書いてあるとしても、利息を取らないことをNHK側は慣習化しておりますので、この裁判における利息の請求は認めませんという判決が出る可能性が考えられました。仮にこの判決が出てしまうと、NHK側が敗訴ということで、メディアが大騒ぎになることが想定をされます。それを避けるために、今回、NHK側は請求の放棄をしたのではないかと見ております。
 このことに関する今後の影響については我々NHK党も冷静に判断して今後の戦略を立てていきたいとは考えておりますが、ここで、この裁判に関して総務省の受け止めを教えていただきたいと思います。
236 小笠原陽一
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○政府参考人(小笠原陽一君) お答え申し上げます。
 委員御指摘の裁判があったことは承知をしております。ただ、裁判所で扱われました個別の事案につきまして、総務省としてコメントすることは差し控えさせていただきたいというふうに思います。
237 浜田聡
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○浜田聡君 個別の事案とおっしゃられますけれど、これに関しては結構一般的な事例に対応できて、今後その影響が大きく関わってくると思います。
 で、延滞利息についてはNHK受信規約に記載されておりまして、この規約の認可というのは総務省に委ねられております。総務省がその内容に関わっている受信規約に延滞利息について定められているにもかかわらず、NHKが利息を請求しないのであれば、まあ繰り返しになりますけれど、期限を守った人と守っていない人の支払額がいつまでたっても同じです。繰り返しになりますが、受信料を真面目に払っている方々の気持ちを配慮すると、放置することは望ましくないということをお伝えさせていただきます。
 で、この裁判の結末に御注目いただきたいと思います。NHK側は請求の放棄をしております。請求の放棄には確定判決と同一の効力があるとされておりますが、更に言いますと、請求の放棄がなされますと、もはや控訴することができません。つまり、ある意味、判決が出るよりも強力であると言えると思います。今後のNHK受信料制度の行方に大きく関わってくる話だと思いますので、総務省の皆様にはこの裁判の内容を御承知いただきたいと思います。
 次に、NHKに対する税制優遇措置について話を移します。
 NHKに対しては、その公共性に鑑み、各種の税制上の特例措置が講じられていると承知しております。インターネット上で容易にその一覧を確認できるものとして総務省情報通信ビジネスハンドブックというものがありまして、今回の配付資料に用意をさせていただきました。多くの皆様に一度御覧いただきたいと思っております。
 そこから一部取り上げますと、国税としては、所得税、法人税、地価税などが非課税となっておりまして、地方税としては、道府県民税、事業税、市町村民税、事業所税などが非課税で、固定資産税や都市計画税は課税標準の二分の一となっております。ほかにもNHKには幾つか税制措置はありまして、かなり優遇されていることが分かると思います。公共性に鑑みてこういった税制上の特例措置とのことだとは思うんですが、その中で、私は法人税が非課税であることについて問題があるのではないかと問題提起をさせていただきます。
 NHKの法人税非課税のどこが問題なのか端的に申し上げますと、NHKは、法人税が免除されているがゆえに、一般の企業であれば当然やっているであろう法人税額の算出をするための会計作業、おろそかなのではないかということでございます。上場企業であれ非上場企業であれ、恐らくほぼ全ての企業が財務諸表を作っていると承知しております。当然、上場企業であれば、株主や借入先に企業の現状の経営状態や今後の展望などをしっかり説明するために、財務諸表作成や公開は義務付けられております。先ほどの、NHKはその公共性に鑑み税制の優遇がされていると申し上げましたが、公共性をうたうのであれば、ある意味上場企業と同じ、あるいはそれ以上に厳格な財務諸表が作成されるべきと考えます。
 我々NHK党は事あるごとに訴えてきているわけですが、NHKの受信料制度は極めて不公平です。本来であれば受信料を払うべきなのに、払わないでいることが可能な状態です。真面目に受信料を払っている人は、払わない人がいるせいでその分の負担がのしかかっていることが想像できます。払うべき人が払えば、真面目に受信料を払っている人の不満も解消できるはずです。
 NHK法人税非課税に関する話に戻しますと、法人税を算出するための会計作業では、本来NHKに払われるべき受信料の総額は財務諸表などにしっかりと記載されるべきですが、法人税が非課税のためにそれがなされているか甚だ疑問でございます。公共性を鑑みたNHKの税制優遇といいながら、真面目に受信料を払っている人にとって損をするような税制優遇であれば大問題と考えます。
 そこで大臣にお聞きします。まとめて二点お伺いします。
 NHKの法人税免除によってNHKの会計などに関する意識が低いのではないかという指摘に対する大臣の御見解を伺いたいと思います。もう一点は、NHKの法人税免除によって真面目に受信料を払っている人が損をするという観点から、この優遇措置、改めるべきではないかと考えますが、大臣の見解を伺いたいと思います。
238 小笠原陽一
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○政府参考人(小笠原陽一君) 法令の内容について私から御説明をさせていただきます。
 法人税の適用のいかんにかかわらず、NHKは、放送法第七十四条第一項の規定により、毎事業年度の財務諸表を適正に作成し、総務大臣に提出しなければならないものとされています。また、放送法第七十五条において、NHKは、財務諸表について、監査委員会の監査のほか、会計監査人の監査を受けなければならないとされているほか、同法第七十九条において、協会の会計については会計検査院が検査するものとされているところであり、これらによりNHKには厳格な会計処理が求められているところでございます。
 さらに、法人税法上の取扱いでございますが、放送法において、配当による利益処分を予定されていないこと、解散時の残余財産が国に帰属するとされていることが担保された組織形態であることなどから、NHKは公共法人に区分され、法人税を課税しないこととなっていると承知しております。
 したがいまして、NHKのありように変更がない中で、御指摘のような観点から課税上の取扱いを改めることは適当ではないというふうに考えております。
 なお、受信料の公平な負担を徹底することは重要な課題であるというふうに認識しており、まずはNHKにおいて未契約者及び未払者対策を着実に実施していただきたいというふうに考えております。
239 浜田聡
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○浜田聡君 時間がなくなってきましたのでこれで終わりにしようと思いますが、NHKの各種税制の優遇というのは長年継続してきたものでございますので、それを見直すことについては、まあ、すぐにはと、すぐにはいかないというのは当然だと思います。ただ、先ほど申し上げてきたように、公共性を鑑みての優遇措置によって真面目に受信料を払っている者が割を食らう、正直者がばかを見る現状については、多くの皆様に御理解いただきたいと思います。
 先ほど、NHKの受信料、払うべき人が、真面目に払っている方々、払うべき人が払えば真面目に払っている方々の負担が減ると申し上げました。これはそのとおりだということは御了承いただけると思いますが、私の方からは更に追加でお伝えさせていただきたいことがあります。それは、NHKがお金を集め過ぎではないかという観点です。集め過ぎの事実を考えますと、払うべき人が払うまでもなく、真面目に払っている方々の負担は減らせますし、減らすべきであると考えます。
 法人税の免除に関連して申し上げますと、NHKは営利を追求する企業ではないからこそ法人税が免除されているという側面はあると思いますが、実際のNHKはまるで営利を追求しているかのように莫大な最終利益残しております。二〇二一年度は連結純利益四百五十一億円あります。
 多くの人がNHKのもうけ過ぎに関して疑念を抱いていると思いますが、こういった疑念を総務省の方にも抱いていただきたい、そう申し上げて、私の今回の質問を終わります。ありがとうございました。

第210回国会 参議院 地方創生及びデジタル社会の形成等に関する特別委員会 第3号 令和4年11月9日
116 浜田聡
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○浜田聡君 NHK党、浜田聡でございます。本日、委員会最後の質問となります。委員長、委員の皆様、そして岡田大臣、河野大臣、政府の皆様、よろしくお願いいたします。
 今回二十分質問時間いただきました。大会派の皆様には、少数会派への御配慮で人数配分以上の質問時間いただきましたことを大変感謝申し上げます。
 今回の質問におきましては、中小企業のための規制改革、そして時間が許せば各地方自治体における事務事業評価などについてお伺いしていきたいと思います。
 まず、中小企業のための規制改革、取り上げさせていただきます。
 中小企業のための規制改革というのは、この委員会の所管であります地方創生やデジタル社会の形成等において非常に重要と考えます。ここで私は規制改革という言葉を使いますが、規制改革には、規制の強化、また規制の緩和で意味が逆になるために、その意味するところには注意が必要です。私は、後者、つまり規制緩和の方を想定してこの言葉を利用させていただくことをあらかじめお伝えしておきます。
 抽象的なお話していてもイメージしにくいと思いますので、最初に具体例を挙げさせていただきます。
 中小企業のための規制改革が好影響を及ぼした一例として、いわゆる地ビール、別の言い方としてクラフトビールが各地で盛んに造られ始めた話です。配付資料一枚目でその関連のことをお伝えしております。
 時は一九九四年の細川内閣のときに遡ります。かつては、ビール製造のための設備要件など、いわゆる規制が厳しい時代でした。設備要件をクリア可能な投資ができる比較的規模の大きい酒造しかビール製造を行えませんでした。しかし、一九九四年の酒税法改正により、ビールの最低製造数量基準が二千キロリットルから六十キロリットルに引き下げられました。これによって小規模施設でもビール製造が可能となりました。この酒税法改正による規制緩和によって、大企業のみならず、多くの中小企業がビール業界への新規参入が可能となりました。
 現在、全国各地で多くの国民が数多くの種類の地ビールを楽しめる時代になったことはビール好きの方であれば御存じではないでしょうか。これ、経済活動や雇用の裾野が広がったことも明らかでございます。この規制改革で起こったことは地方創生という言葉に合致するものではないかと思うのであります。したがって、この地ビールの例のように、規制改革、地方創生の観点でも重要と考えます。
 そこで、岡田大臣にお伺いします。
 先ほど申しました酒税法改正の例のように、規制改革、地方創生の観点でも重要と考えますが、規制改革に関する岡田大臣の見解をお伺いしたいと思います。
117 岡田直樹
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○国務大臣(岡田直樹君) お答え申し上げます。
 国家戦略特区や構造改革特区など地方創生担当大臣として所管する特区制度を活用して、地域からの様々なニーズに基づいた規制改革を推進することは地方創生に寄与するものとして大変重要であると認識をしております。
 このような特区制度に基づく規制改革が地方創生に寄与した例として、例えば構造改革特区で措置しているどぶろく特区、どぶろく特区がございまして、どぶろく特区は、観光客を呼び込むための手段、観光資源として約二百の地域で活用されており、地域の特色を生かした地方創生に寄与しております。
 また、国家戦略特区では、例えば古民家への旅館業法の適用除外ということを行いまして、古民家を宿泊施設として有効活用することで地域活性化の促進などに貢献しており、平成三十年の六月には全国展開もなされております。
 引き続き、特区制度の下で地域のニーズに基づく提案に応え、規制改革を積極的に実現することを通じて、地方創生と地域経済の活性化に努めてまいりたいと考えております。
118 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。引き続き、規制改革、意識を高く持って取り組んでいただきたいと思います。
 先ほど紹介させていただいた例とは逆の例、つまり規制強化の場合について考えていただきたいと思います。
 一九九四年の酒税法改正により、ビールの最低製造数量基準が二千キロリットルから六十キロリットルに引き下げられた話をしましたが、逆にこれ、ビールの最低製造数量基準が現在六十キロリットルから二千キロリットルへ仮に引き上げられる場合を想定してもらえればと思います。
 このように規制が強化されると、新たな設備投資、人材採用が必要となるわけでございます。その場合、大企業はその規制に関するコストを負担できます。一方、中小企業にとっては、その規制をクリアするためのコストが大きな負担となり、事実上の重い税となると言えます。その規制に関するコストは義務として強制されるため、そのコストを支払えない中小零細企業はどうなるでしょうか。何とかやりくりして生き残れるところもあるとは思いますが、市場から撤退せざるを得なくなるところが当然出てきます。そして、経済の土台を支える中小零細企業が消えていくというのは、実際にはそこで働く多くの雇用も失われていくことを意味します。つまり、規制を強化すると、先ほど述べた酒税法改正とは逆のことが発生すると言えます。
 抽象的な話になって恐縮ですが、先進諸国では、規制改革は中小企業のためのものとして位置付けられていると承知しております。例えば、イギリスでは、規制改革はビジネス・エネルギー・産業戦略省が事実上取り仕切っており、中小企業振興政策の一部として扱われております。また、アメリカでは、トランプ政権下で実施された二対一ルール、こちら中小企業振興策として考えられておりました。これらの政策は、規制に関するコストを算出し、その絶対量を減らしていくことで中小零細企業を応援するというものであり、先進諸外国ではこういったことはスタンダードな考え方と言えると思います。
 規制改革は中小企業のためのものという考え方、日本においても受け入れられつつあると思います。例えば、日本商工会議所、最近の提言におきまして規制の一対一ルールというのを挙げております。これは規制の導入と見直しを連動させよと、一つの規制をつくったら一つの規制をなくせというものでございます。
 そこで、政府参考人の方にお聞きします。
 規制改革は中小企業のためのものという考え方に関して、その御見解を伺いたいと思います。
119 辻貴博
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○政府参考人(辻貴博君) お答えいたします。
 規制改革の目的は、私ども、規制や制度を時代にふさわしいものにアップデートをいたしまして、生産性とかイノベーションといった今の日本の課題とか弱みとかとされている部分を強みに変えまして、成長と分配の好循環の起爆剤となる投資を喚起することであると考えております。
 そこを進めていくに当たっては、中小企業、我が国経済の基盤を形成するものでございますので、その果たすべき役割極めて大きいと考えておりまして、これまでも政府として、起業、事業承継の円滑化ですとか人手不足への対応、それからデジタル化によるコストの削減の推進、こういう今厳しい環境に置かれております中小企業の皆様が直面する課題の解決につながる規制の見直し、これに取り組んできたところでございます。
 今、商工会議所について御言及ございましたが、それを始めといたしまして、中小企業の現場の皆さんの声によく耳を傾けながら規制改革にしっかり取り組んでいきたいと思っております。
120 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 中小企業のための規制改革という考え方は、先般の選挙でも幾つかの政党が訴えていたと思いますので、その点、意識いただければと思います。
 ここで、中小企業のための規制改革を実現する上で、アメリカのトランプ大統領がかつて実施した二対一ルール、こちらの導入を提案してみたいと思います。二対一ルールというのは、一つの規制をつくったときに二つの余計な規制をなくせというものでございます。このルールは、現役の役人に過去の規制を撤廃するインセンティブを与えることで自ら自発的に規制改革を行わせることにポイントがあると思います。
 これまで、先ほどお話出ましたが、国家戦略特区あるいは構造改革特区など規制改革なされてきましたが、これらの方法は、民間人の勇気あるいは役人の善意に期待する性善説をベースに置いたものだったと思います。まあ一定の成果は上げたと思いますが、役所からの執拗な抵抗に直面して成果を上げられなかった点も否めないのではないでしょうか。
 二対一ルールというのは、規制の改廃を役所のルーチンワークとして入れ込むことで物事を業務の一環として自然と取り組まざるを得ない環境をつくる知恵にございます。不要不急な規制は役人自らが熟知をしております。それを自ら廃止するインセンティブを役人に付与することが重要です。この二対一ルール、最近の選挙では複数の政党が公約として掲げている政策でございます。
 そこで、政府参考人の方にお聞きします。
 日本政府が、二対一ルールについて現時点でのお考えをお聞きしたいと思います。
121 辻貴博
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○政府参考人(辻貴博君) 御指摘のとおり、行政手続におきまして、国民、事業者の御負担、これをできるだけ削減することは非常に重要なことであると考えておりまして、規制改革に当たりましては、従来から、国民、事業者の皆様の負担軽減ですとか利便性の向上、こういった観点を十分に意識してやっているところでございまして、例えば昨年は、オンライン化による省力化を妨げております書面、押印、対面規制の見直し、これに取り組みまして、一万五千を超える手続、これ全体の九九%を超えるものでございますが、で押印義務を廃止するなど、利用者目線でのサービス改善を実現したところでございます。
 今後とも、そういう国民、事業者の負担軽減、利便性向上につながる改革を諸外国の取組も参考にしながら進めていきたいと考えておりますが、御指摘の二対一ルールでございます。これ、おっしゃられたとおり、過去にアメリカ、それからイギリスなんかでも採用されたことのある制度でございますが、例えばアメリカで申し上げますと、トランプ政権で導入された後、政権交代、バイデン政権で廃止をされておりますし、イギリスでも適用が停止されたと伺っております。
 これからの改革の手法を検討していくに当たっては、そういう海外の取組なんかにも留意をしながら対応していく必要があるのかなと考えているところでございます。
122 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 この二対一ルールの質問は、実は河野大臣にお聞きしたい質問でございましたが、通告時のもろもろの調整で参考人の方に質問対象を変更することになりました。
 この二対一ルールの導入というのは、多くの既得権益に切り込むために、その導入には多くの反対が予想されます。それを実行可能な政治家は、私限られていると思うわけで、突破力があって総裁選にも出馬経験のある河野太郎大臣には将来的に大いに期待していますということだけお伝えして、次の質問に移ります。
 次に、国内における規制の数が際限なく増えておりまして、政府がその把握をできなくなりつつあるのではないかという憂慮すべき現状の話をさせていただきます。今からする話は、総務省とデジタル庁が関わっている問題でございます。先日の予算委員会で私が行った質問とかぶって恐縮ですが、予算委員会では総務大臣に尋ねましたので、今回、デジタル大臣にお尋ねさせていただきます。
 今回、配付資料に、総務省がかつて作成していた規制の数をカウントしている資料を用意させていただきました。資料三枚目の右側のグラフになります。
 平成三十年六月、総務省行政評価局、許認可等の統一的把握の結果というものでございまして、こちらのグラフによりますと、平成十四年から二十九年の十五年間で五千個ほどの許認可等の数が増えております。これはつまり国内規制が一日一個の割合で増えていると言っても過言ではありません。
 それ自体が大きな問題だと考えるわけですが、更なる問題として、この規制の把握を政府がしなくなっているのではないかということでございます。どういうことかといいますと、二〇一八年閣議決定のデジタル・ガバメント実行計画によりまして、この許認可の把握がデジタル庁に引き継がれたと承知をしております。これにより、許認可の数、いわゆる規制の数というのがデジタル庁がまとめた行政手続の数に含められたわけでございます。つまり、規制と手続が混ぜこぜになったわけでございまして、結果として規制の数の把握ができなくなった状況であると言えるのではないでしょうか。
 アメリカやイギリスでは、国内の規制を政府がしっかりと把握して、国内産業に大きな影響をもたらす規制については政策評価をしっかり行っていると承知しております。規制の数や質、内容を政府がしっかり把握するというのは、いわゆる先進国であれば当然のことと考えます。
 一方、日本では、先ほど申し上げたように、規制が次々とつくられており、さらに、今回述べたデジタル・ガバメント実行計画により、規制の把握もできなくなりつつあるのではないかと憂慮しております。
 そこで、河野大臣にお伺いします。
 規制の把握をデジタル庁に引き継いだことというのは一旦見直して、国内規制について政府がしっかりと把握していくべきと考えます。二〇一八年閣議決定のデジタル・ガバメント実行計画を見直して、国内の規制の数、そしてそれぞれの内容を政府が把握することに関する大臣の見解をお伺いしたいと思います。
123 河野太郎
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○国務大臣(河野太郎君) デジタル庁は、オンライン化に伴う各省庁の業務の見直し、BPRですとか、あるいはオンライン化によって行政サービスの利便性が向上した、こういう観点からの調査を行って、それをデジタル庁のホームページで公開をしているところでございます。
 規制につきましては、総務省あるいは規制改革推進室にお尋ねをいただきたいと思います。
124 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。私の方から引き続き総務省の方には強く訴えていきたいと思います。
 残りの時間を利用しまして、地方創生には各自治体の事務事業評価の推進が重要との観点から、事務事業評価に関して岡田大臣にお伺いしていきたいと思います。
 まず、事務事業評価とは何かということなんですが、役所が行う仕事の最小単位、これを事務事業と呼んでおり、その仕事の最小単位を評価するものが事務事業評価という仕組みでございます。今回、イメージしやすいように、配付資料に二つの例を用意させていただきました。兵庫県西宮市と茨城県那珂市の事務事業評価表になります。
 この事務事業評価を役所が作成して公開するというのは非常に重要でございます。民間企業であれば、潰れることによって、適切な業務を行ってなければ潰れることによってその健全性が担保されるのに対して、役所は潰れることがありませんので健全化の誘因がある意味働きにくい点は否めません。そのため、役所の場合は、予算を使っておしまい、ではまた次の年に予算を使いましょうという仕事ぶりになってしまう可能性があります。このような状況を是正するために開発されたツールが事務事業評価表と承知をしております。国政レベルでは行政事業レビューというものでございます。
 税金を使った事務事業について、その目的、根拠法令、目標、予算額、経過、成果、改善策などが記載された事務事業評価表が納税者である住民に報告されるということは極めて重要なことであり、これがなければ、地方自治体が何をやっているかを住民が知る方法ほとんどありません。したがって、各自治体において事務事業評価を推進することは極めて重要であると考えます。行政機関の仕事を納税者がしっかりと評価できる事務事業評価の公開によりその自治体の行政が効率化し、その結果として地方創生にも資するものであると考えます。
 この事務事業評価については、自治体ごとでレベルがばらばらなんですね。公開すらしていないところもありまして、そういったところは、私に言わせれば、自治体自体が腐敗していると言ってもいいと思います。逆に非常に優れたところもありまして、今回配付資料に用意させていただきました事務事業評価の優れた自治体として、西宮市、那珂市、取り上げさせていただきます。
 これらの事務事業評価表の優れていると思う点として、事業を人件費とひも付けがなされている点、あるいは妥当な成果指標が示されている、あと、上位の政策、例えば町の何たら計画という上位の政策との関連性が示されているなどが挙げられます。
 また、私が特に注目している点として、那珂市の事務事業評価には各事業が始められたきっかけが示されている点でございます。役所の仕事の中には、毎年やっているけど、なぜ継続しているか分からない事業というのが、分からなくてそのまま引き継いで毎年無駄な税金を使い続けていることがあるのではないかと思います。事業を始められたきっかけといった項目があると、惰性で翌年度も同事業を繰り返す抑制がされる工夫になって、いいアイデアだと思い、共有させていただきました。先日の岡田大臣の所信表明において各地の好事例を広めていくとの言葉がありましたが、こういう事例もそれにふさわしいのではないかと思いました。
 最後に、岡田大臣にお聞きします。
 今回、具体例として取り上げた西宮市と那珂市の事務事業評価に関する御見解を伺いたいと思いますし、このように優れた事務事業評価の実施をほかの自治体にも政府が推奨していくこと、地方創生において有効と考えますが、この件に関して御見解を伺いたいと思います。
125 岡田直樹
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○国務大臣(岡田直樹君) お答え申し上げます。
 個別の地方公共団体の事務事業評価の是非について、それを一つ一つ評価するお答えは差し控えさせていただきたいと思いますが、事務事業評価については各地方公共団体において自主的、主体的に取り組まれることが重要と考えております。
 しかしながら、好事例は大いに参照していただきたいというふうに思っておりますし、今後とも、各地方公共団体において地域の実情に応じて行政評価の結果等を活用しながら事業の見直しを行うなど、自主的、主体的な業務改革を進めることは地方創生を進める上でも重要と考えております。
126 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 質問を終わります。

第210回国会 参議院 総務委員会 第4号 令和4年11月24日
176 浜田聡
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○浜田聡君 NHK党の浜田聡でございます。
 本日、総務委員会、最後の質問となります。委員長、委員の皆様、そしてこの度新たに就任をされた松本総務大臣、政府の皆様、よろしくお願いいたします。
 松本大臣におかれましては、就任間もない状況で何かと大変な状況であろうと思いますが、国民のためにしっかりと重責を果たしていただきたいと、そう願っております。誠に勝手ながら私事になりますが、私は兵庫県たつの市の病院において数年前から非常勤の勤務医として勤務をさせていただいておりまして、大臣の、松本大臣の名前は以前から承知をしております。親近感を感じております。
 我々NHK党は、数あるNHK問題の解決を最重要公約として国政選挙を戦っておりまして、国会に議席をいただいております。今回の質疑ではもちろん数多くのNHKに関する質問を用意しております。質問内容によりましては、それNHKに問いただすべきではというものもあるかもしれませんが、今回は総務大臣の所信表明に対する質疑でもありまして、放送法の所管官庁である総務省にも良い仕事をしてほしいという願いもありまして、前回の総務委員会に引き続きまして、総務大臣、総務省に質問させていただきます。
 まず、総務大臣就任に当たりまして、これまでの総務大臣に関する質問をさせていただこうと思います。
 まず、我々のようにNHK問題の解決を最重要公約とするような政党が選挙において得票して国会に議席を置いているというのは、NHK自体に大いに問題があるのはもちろんですが、NHKを所管とする総務省の取組にも問題があると言えます。そして、当然これまでの総務大臣にも大いに問題があろうと思います。
 そんな中、私は歴代の総務大臣において、この総務大臣は良い仕事をしたのではという方は何人かおります。その中の一人が前総理であります菅義偉氏です。かつての菅義偉総務大臣の働きを私は高く評価しております。
 菅総務大臣の発言を調べてみますと、以前から、そして現状も続いております不公平な受信料制度、つまりNHKを見ているにもかかわらず受信料を払わないでいることが可能な状況に関してしっかりと問題意識を持っておられることが感じられました。例えば、受信料支払義務化と同時に、二割前後の受信料の値下げを提案されておられます。そして、当時、六千億円の受信料を集めるのに八百億円近い費用が掛かっているといった内容のことも問題視されているわけでございます。
 NHKは巨大な既得権益ですから、提案されたことは実現に至らなかったわけですが、まあ、それでも受信料問題に関してしっかりと問題意識持って取り組まれたことについては大いに評価したいところでございます。
 そこで、松本大臣にお聞きします。松本大臣の、菅義偉総務大臣の仕事に関する御所見をお伺いしたいと思います。
177 松本剛明
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○国務大臣(松本剛明君) 私のところも、たつの市は選挙区で隣、行政市的にも姫路市の隣でございますが、御案内かもしれませんが、私の松本の元々の出身地はたつの市の中央を流れる揖保川の下流域でございますので、特にたつの市には我々も縁を感じているところでございますので、よろしくお願いをいたします。
 さて、御質問でございますが、菅総務大臣におかれましては、その在任当時、御指摘のとおり、受信料の引下げを要請、国民・視聴者の負担軽減に努められたというふうに承知をいたしております。また、NHKのガバナンス強化のための経営委員会の機能強化や民間放送事業者の経営の幅を広げる認定放送持ち株会社制度の導入などを盛り込んだ放送法等の一部を改正する法律案を取りまとめられたというふうに承知をしております。
 これらの制度改革は、今も有効に機能しているもので、放送業界にとって非常に重要なものであったと認識をしております。こうした取組を踏まえまして、放送分野における課題解決のために総務大臣としての職責をしっかり果たしてまいりたいと思っておるところでございます。
178 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 松本大臣におかれましては、是非とも菅総務大臣のなされた仕事をいま一度振り返っていただければと思います。
 また、菅総務大臣は、NHKに限らず、放送業界のいわゆる既得権益と考えられる大会社とも闘っておられたと思います。
 例えば、納豆ダイエット企画データ捏造事件に端を発した関西テレビの「あるある大事典」という番組の不祥事の際、捏造されたデータを基にして番組の放送をしたことに関して行政処分を前向きに検討されておられました。
 国民の限られた共有財産であります電波を使って捏造データを基にした番組を放送するなどもってのほかであり、行政処分は当然と考えます。強大な抵抗に遭って思うようにいかなかったということだと承知をしておりますが、国民のために可能な限り仕事をしていただいたと思います。松本大臣におかれましても、大いに参考にしていただければと思います。
 先ほど歴代総務大臣の中で菅総務大臣を取り上げさせていただいたわけですが、ほかにも良い仕事をされた総務大臣はいると思います。
 そこで、歴代総務大臣に関して松本大臣にお聞きしたいと思います。松本大臣にとって目標とするような歴代総務大臣がもしおられれば、その理由とともに教えていただきたいと思います。
179 松本剛明
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○国務大臣(松本剛明君) 菅総務大臣は、後に内閣総理大臣にまでなられた方で、内外各方面において高い評価を受けられて、国のトップにもなられた方というふうに承知をしておりますが、そもそも総務大臣の職というのは、所信のところでも申し上げましたけれども、国の根幹、国民生活の基盤となる重要な制度を幅広く所管をしている大変な重責でありまして、それぞれの在任期間に職責を果たされた歴代の総務大臣の方に、就任をしたばかりの私としては、全ての歴代の総務大臣の方々に敬意を表したいと思っております。
 それらのこれまでの歩みをしっかりと学んだ上で、今私どもに求められていることにしっかり応えられるようにこれから努めてまいりたいという決意を申し上げて、質問への答弁とさせていただきたいと思います。
180 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 松本大臣は、かつて民主党に在籍をされておられ、菅内閣においては外務大臣を務められたと承知をしております。私は、民主党政権において、鳩山内閣で総務大臣を務められた原口一博衆議院議員が目指していた改革にも注目すべき点があると思います。
 一つが、国内メディアにおけるクロスオーナーシップへの取組です。メディアにおけるクロスのオーナーシップ、相互所有というのは、新聞社が放送業に資本参加するなど、特定資本が多数のメディアを傘下にして影響を及ぼすことをいいます。世界各国では法律によってこのクロスオーナーシップが規制されていてメディアの多様性が重視されているケースが多いと思いますが、一方、日本では新聞社が系列テレビ局の大株主となっているのが現状でございます。原口総務大臣は、クロスオーナーシップ規制の法律を提案したと承知しており、私はこの点も高く評価したいと思います。
 また、先ほど柳ヶ瀬委員も取り上げられておられましたが、電波割当てのオークション制度導入も検討されておりまして、業界への新規参入を促して活性化を目指しておられ、巨大資本の既得権を広く開放しようとする狙いがあったことについて私は高く評価したいと思います。
 松本大臣におかれましては、この原口総務大臣の働きも大いに参考にされてはと思います。
 次に、北朝鮮による拉致問題についてお聞きしたいと思います。
 総務省の権限は強大かつ広範でして、地方行政、放送、通信、郵便など多岐にわたります。この権限を適切に行使するということは、北朝鮮による拉致問題解決にも大きな力を発揮すると思われます。岸田首相は拉致問題を最重要課題ということを常々訴えられておられまして、松本大臣におかれましても拉致問題に関してしっかり取り組んでいただけることと思います。
 そこで、お伺いします。松本総務大臣の拉致問題解決への御決意をお聞かせいただければと思います。
181 松本剛明
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○国務大臣(松本剛明君) 拉致問題は重大な人権侵害でありまして、岸田内閣におきましても最重要課題と位置付けているというふうに認識をいたしております。
 私自身も、これまで拉致被害者の御家族の方に接する機会などもいただく中で、何としても解決をしていきたい課題の一つだという認識は、ここにおいでの委員各位と共有をさせていただいておるかと思います。同時に、北朝鮮による拉致問題の解決というのは、どのような形でどのようなもので行うかということ、これまでの経緯からいたしましても、なかなか簡単にはいかない事案であったというのがこれまでの経緯でありましたけれども、これから拉致問題に関する対応を協議し、その問題の解決に向けた戦略的取組及び総合的な対策を推進するため、内閣に設置されている拉致問題対策本部において、全ての、総務大臣を含めた全ての国務大臣を構成員としておりますので、オールジャパンの体制でしっかりと取り組んでいきたいと思っております。
 総務大臣といたしましては、例えば、放送法に基づき、NHKに対し、邦人の生命、身体及び財産の保護に係る事項など、放送事項を指定してラジオ国際放送を行うことを要請しており、その際、北朝鮮による日本人拉致問題に特に留意することを求めております。
 岸田内閣の一員として、全ての拉致被害者の一日も早い帰国が実現できるように全力で行動してまいりたいと思っております。
182 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 松本大臣のこれまでの拉致問題への取組について調べさせていただきましたところ、大臣、拉致問題については真剣に取り組んでおられると思います。民主党の菅政権で外務大臣であった二〇一一年の七月、バリで行われましたASEAN地域フォーラムにおいて、拉致問題に関して、当時の北朝鮮の朴外相と激しく応酬をされたと承知をしております。今後とも、拉致問題に関して全力で向き合っていただけることをお願い申し上げます。
 あと、先ほど大臣のお話にもありましたが、私、かつての総務大臣による拉致問題への取組として特筆すべきものとして、菅総務大臣の仕事を挙げさせていただきます。二〇〇六年の十一月、NHKの短波ラジオの国際放送で、北朝鮮による日本人拉致問題を特に留意して放送するように命令したというものでございます。
 この件に関して、報道、放送の自由の点から様々な批判があったことは確かです。ただし、私はこの批判はおかしいと考えます。国際放送は視聴者からの受信料で運営しているわけではないからです。政府の予算です。政府の予算で運営しているのですから、政府の意向におもんぱかった命令放送であってしかるべきと考えます。人命に係る国家間の問題を政府が費用負担して要請放送することは当然のことでありまして、報道や放送の自由を侵すということはあり得ません。当時の菅総務大臣の働きを私は高く評価いたします。松本大臣におかれましても、このように様々な方面で闘った菅総務大臣以上の活躍を松本大臣に期待したいと思います。
 北朝鮮による拉致問題に向けては、政府にしっかりと頑張ってほしいということはもちろんですが、私も国会に議席をいただいている一員として頑張っていきたいと思います。共に頑張っていきましょう。
 さて、それではNHKに関する質問をさせていただきます。
 まずは、NHK受信料額の地域差の問題を取り上げさせていただきます。先月の参議院予算委員会において私のした質問と重複する点はありますが、重要かつすぐに解決可能な問題であると考え、再度ここで恐縮ですが取り上げさせていただきます。ポイントとしては、日本国内四十七都道府県のうち沖縄県のみ他の都道府県より受信料が低く設定されているというものでございます。
 今回、資料を用意させていただきました。地上契約、衛星契約など様々あるわけですが、月額百円を超える差となっておりまして、少額とは言えないと考えます。私は、このような差が付いているのはおかしいと思いますし、全国一律にするべきと考えます。
 そこで、まず総務省の参考人の方にお聞きします。
 受信料が沖縄県とその他都道府県で異なる理由、経緯について御説明いただければと思います。
183 小笠原陽一
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○政府参考人(小笠原陽一君) お答えいたします。
 沖縄県における受信料額については、沖縄の復帰に伴う特別措置に関する法律第百三十五条におきまして、沖縄県の区域における日本放送協会の業務の実状及び社会的経済的事情を考慮して定めることとされております。
 そして、沖縄県の本土復帰に伴い沖縄放送協会の業務を引き継いだNHKにおいて、受信料の徴収体制が整備されていなかったことや沖縄県内の契約者の置かれた経済的事情などを考慮してNHKが他の地域より低く設定し、現在に至っているものというふうに承知をしております。
184 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 まあ、説明は確かにもっともかもしれません。ただし、沖縄の本土復帰から五十年が経過しているわけでございます。私は、この措置を継続する意義に疑問を抱いております。
 このように受信料において差があること自体おかしいと思うわけですが、全国一律でないことで様々な不都合が生じると考えております。その一つとして、差額があるがゆえの余計な事務手続が挙げられると思います。今回の資料の一枚目と二枚目にもありますように、引っ越した場合に、納めた受信料の差額調整の手続をする必要が出てくるわけでございます。全国一律であればこういった作業は不要なわけなんです。
 そこで、総務省の参考人の方にお聞きします。
 受信料額に関してこのような差額があるがゆえに、仮に全国一律であれば不要となる余計な事務手続が増えることに関して御所見を伺いたいと思います。
185 小笠原陽一
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○政府参考人(小笠原陽一君) お答え申し上げます。
 受信料の支払に関する具体的な手続につきましては、NHKが日本放送協会放送受信規約等におきまして定めるものというふうに承知をしております。NHKにおかれては、受信契約者への丁寧な説明と手続の利便性の向上などを通じまして、受信料の支払に国民・視聴者の理解が得られるよう努めていただきたいというふうに考えているところでございます。
186 浜田聡
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○浜田聡君 存在意義の乏しい受信料の差額によって大いなるコストが発生していることについては、皆さんに問題意識持っていただきたいと思います。
 受信料額の違いに関して、松本大臣にお伺いしたいと思います。
 私は、NHKの受信料額、全国一律にすべきと考えております。NHK受信料を全国一律にしようという考えを松本大臣はお持ちでしょうか。御所見を伺いたいと思います。
187 松本剛明
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○国務大臣(松本剛明君) 私自身は、沖縄県に係るこれまでの歴史的経緯そのものは決して忘れてはいけないものだというふうに思っておりますが、その上で、沖縄県における受信料の額は、先ほど答弁があったかと思いますが、復帰の際の特別措置法を踏まえ、NHKが他の地域より低く設定して現在に至っているものと承知をしております。
 放送法の規定によりまして、受信料の額はNHKが作成する収支予算に基づいて定めるものであることから、まずNHKにおいて適切に御対応をいただくものと考えているというふうに申し上げたいと思います。
188 浜田聡
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○浜田聡君 沖縄復帰五十年、本土復帰五十年ですね。私は、この件、長年放置されてきたことだと思います。松本大臣にとっては、この件について総務大臣として功績を残すチャンスだと思いますので、是非とも前向きに考えていただくことを願いまして、次の質問に移ります。
 先日の松本大臣の所信表明で、視聴者のテレビ離れというお話がありました。これに関連した質問をさせていただきたいと思います。
 まず、総務省の参考人の方にお聞きします。
 国内におけるいわゆるテレビ離れについて、総務省の把握しているところの概要でいいので、教えていただきたいと思います。
189 小笠原陽一
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○政府参考人(小笠原陽一君) お答え申し上げます。
 我が国におけるテレビ離れに関しまして、テレビの保有台数、インターネットの使用時間とテレビ視聴時間の比較、それから生活スタイル、以上三点から総務省として把握しているところを申し上げます。
 まず、テレビの保有台数についてでございます。
 内閣府の消費動向調査によりますと、令和四年の総世帯におけるテレビの普及率が九二・九%と、平成二十二年と比べて五・九%減少し、特に二十九歳以下の世帯では八〇・九%と、平成二十二年と比べて一三・五%減少しております。
 次に、インターネットの使用時間とテレビ視聴時間の比較でございます。
 総務省の令和二年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査によりますと、令和二年に初めて一日当たりのネット利用時間がテレビのリアルタイム視聴時間を上回りました。また、令和三年には、テレビのリアルタイム視聴時間が百四十六・〇分であるのに対しまして、ネットの利用時間は百七十六・八分となりまして、その時間差は令和二年の五・二分から三十・八分に拡大をしております。
 さらに、生活スタイルについてでございます。
 NHK放送文化研究所の国民生活時間調査によりますと、令和二年において、一日十五分以上テレビを見る割合が国民全体で七九%であるのに対しまして、十代男性で五四%、二十代男性で四九%となるなど、特に若年層を中心としてテレビ離れの傾向が進んでいるものというふうに承知をしております。
190 浜田聡
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○浜田聡君 御説明ありがとうございます。
 若い世代を中心に、先ほど御説明ありましたように、テレビを手放す方が今後ますます増えていくと思いますし、その原因の一つとしては、間違いなくNHK受信料が挙げられると思います。NHKを見ていても見ていなくても、それに関係なくテレビを持っていたら受信料を払わされるのはばかばかしいと考える人がいるのはもっともなことだと思います。テレビを手放す方が増えると予想されるわけですが、それと同時に、NHKと解約をする方が増えるというのは当然の流れだと思います。
 昨夜、カタールでのサッカーワールドカップで日本代表対ドイツ代表の試合がありました。劇的な逆転勝利で大喜びされた方が多いと思います。大変すばらしいことだと思います。
 ここで民間会社の名前を出して恐縮ですが、分かりやすい説明のためにあえて名前を出させていただきます。今回のカタール・ワールドカップにおいて、無料で楽しめるインターネットテレビ局として知られるABEMA、旧AbemaTVが全試合インターネットで無料中継をしているわけでございます。つまり、チューナー付きテレビがなくても、インターネット環境があればワールドカップを見ることができるようになっております。このように、無料で見られるインターネット番組が今後も充実していくことが想定されるわけですから、テレビ離れが加速されるのは十分予想し得ることでございます。
 そういう流れの中において、私が不安視していることがあります。それは、NHKが解約には消極的ということです。もちろん、解約によって今後の受信料がNHKに入らなくなるわけでありますから、収入が減ることになる解約をしてほしくないとNHKが思うのは無理もないことでございますが、一方で、だからといって、解約をしたいという契約者に対して、NHK側がその適切な手続をしないというのは問題であると考えます。
 さて、ここで我々NHK党の活動内容の一つを紹介させていただきます。
 我々は、NHK受信料でお悩みの国民の皆様のためにコールセンターを運営しております。NHKに関する様々な御相談について、専門のオペレーターが対応いたしております。我々に寄せられる相談内容には解約に関するものが多いです。NHKが解約に消極的であり、適切な手続をNHK側が行っていないと思われますので、ここで取り上げさせていただきます。
 まず、テレビを処分した後など、NHKと解約希望の方が解約のためにNHKふれあいセンターに電話をする必要があるのですが、その際に電話がつながりにくい、つながらないという相談が多数寄せられます。
 そこで、総務省の参考人の方にお聞きします。
 NHKふれあいセンターの電話対応の現況について、総務省の把握するところを教えていただきたいと思います。そして、もし電話がつながりたい、つながりにくいということが事実であれば、改善を総務省から御指導いただきたいと思いますが、御所見を伺いたいと思います。
191 小笠原陽一
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○政府参考人(小笠原陽一君) お答えいたします。
 NHKふれあいセンターの電話対応の現況について、電話がつながりにくいかどうかも含めて、総務省としては把握はしておりません。
 これまでも総務省といたしましては、予算や決算に付する総務大臣の意見などにおいて、受信契約に関わる業務の適正を確保するための体制について、不断の点検及び見直しを行うことを求めてきているところでございます。
 また、総務省といたしましては、国民生活センターやNHKふれあいセンターに寄せられた苦情等も踏まえ、視聴者に丁寧な説明を行い、受信契約の締結や受信料の支払について国民・視聴者の理解が得られるよう努めていくべきという趣旨を申し上げてきているところであります。
 以上のことも踏まえつつ、NHKふれあいセンターでの対応体制も含め、解約等の手続についてもNHKにおいて適切に対応していただくべきものと認識しております。
192 浜田聡
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○浜田聡君 まあ、NHKが適切に対応をしていないので我々に相談が多く寄せられるということだと思います。
 NHKふれあいセンターへの電話がつながりにくいと我々に相談を受けた際に、私の事務所からNHKに問いただしたところ、途端につながるようになったという報告があります。しばらく時間が経過するとまた元に戻るということがあるように思います。
 もちろん、問題があるのはNHK自身であることは間違いないですが、そのNHKのこのような実情を総務省にもしっかりと把握していただいて、放送法の所管官庁としてしっかり御指導いただきたいことを改めてお伝えさせていただきます。
 引き続き、NHKの解約に関する件です。
 NHKが解約に関するインターネット上での情報発信が足りないのではないかということでございます。インターネット上でのNHKのウエブサイトにおいて、解約手続に関する情報が少ないのではないかと考えます。
 今私の質疑を聞いておられる皆様には、グーグルなどの検索エンジンでNHK、解約などのキーワード検索をして、NHKの解約に関するページを御確認いただければと思います。一応NHKとしては解約のための情報をウエブサイトに掲載しているわけですが、その多くは、結局はふれあいセンターに電話をして書類の取り寄せなどをせよという内容が中心でございます。こういった状況は、解約希望者からすると不親切ではないかと私は思うわけでございます。
 今や多くの企業のサービスが、インターネット上のサービスの解約が実装されているわけでございますが、NHKにおいては当然インターネット上での解約手続というものはできません。インターネット上での解約手続は当然導入するべきだと考えますが、そうでなくても、解約手続に必要な書類であったり、やるべきことなどはある程度定まっていると考えられます。そういう情報をNHKのウエブサイトで充実させるべきではないかと考えます。我々は当然NHK側にこういった要望を伝えております。
 そこで、総務省の参考人の方にお聞きします。
 総務省の方からも、インターネット上での解約手続、システム導入などを、そういった解約手続に関する情報をウエブサイト上で充実させるようにNHKに御指導いただきたいと考えますが、御所見を伺いたいと思います。
193 小笠原陽一
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○政府参考人(小笠原陽一君) お答え申し上げます。
 これまでにも総務省といたしましては、NHKに対し、視聴者に丁寧な説明を行い、受信契約の締結や受信料の支払について国民・視聴者の理解が得られるよう努めていくべきという趣旨を予算や決算に付する総務大臣意見などにおいて申し上げてきているところでございます。
 解約等の手続につきましても、ウエブサイトへの記載も含めて、NHKにおいて適切に対応していただくべきものというふうに認識をしているところでございます。
194 浜田聡
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○浜田聡君 今後、総務委員会においてNHKの役員の方を呼んで直接私としても要望を伝えたいとは思いますが、総務省におかれましても、NHK側のこういった問題に関して大いに関心を持っていただきたいということを改めてお伝えさせていただきます。
 まだまだNHKの解約に関する話となります。
 解約希望者から我々に寄せられる相談内容として、解約時に契約者以外の個人情報をNHK側が要求してくるという相談があります。特殊なケースを想定すれば話は違うのかもしれませんが、一般的には、解約のためには契約者以外の個人情報の要求は必要ないと思いますし、個人情報保護の観点から、NHKが契約者以外の個人情報を要求することは必要ないことと考えております、あっ、NHKが契約者以外の個人情報を要求することは問題と考えております。
 そこで、総務省の参考人の方にお聞きします。
 NHKが解約時に契約者以外の個人情報を要求している件に関して、総務省の把握しているところを教えていただければと思います。もしそれが事実であれば、改善を総務省から御指導いただきたいと思いますが、御所見を伺いたいと思います。
195 小笠原陽一
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○政府参考人(小笠原陽一君) お答え申し上げます。
 解約時に契約者以外の個人情報をNHKが要求するようなケースがあるかどうか、これにつきましては総務省として把握はしておりません。
 これまでも総務省といたしましては、予算や決算に付する総務大臣の意見において、受信契約に係る業務の適正を確保するための体制について不断の点検及び見直しを行うことを求めてきているところです。また、受信料に係る契約、収納等の業務全般や受信契約者等の個人情報の取扱いに関しましても、寄せられる苦情や意見も踏まえ、引き続き対策を講じることを求めてきております。
 いずれにしましても、解約等の手続についてはNHKにおいて適切に対応していただくべきものというふうに認識をしているところでございます。
196 浜田聡
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○浜田聡君 繰り返しになりますが、やはりNHKの対応が適切でないがゆえに我々に多くの相談が寄せられるのだと思います。
 繰り返しになって恐縮ですが、我々NHK党にはこのように解約に関する相談が数多く寄せられている現状について、総務省においても関心を持っていただきたいと思います。
 引き続き解約に関する質問を用意していたわけですが、時間になりましたので、この辺りで質問の方を終わらせていただきます。是非とも総務省の方にとってはNHKの御指導をよろしくお願いしたいことを申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。
 御清聴ありがとうございました。

第210回国会 参議院 総務委員会 第5号 令和4年12月1日
074 浜田聡
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○浜田聡君 NHK党の浜田聡でございます。
 本日、総務委員会、最後の質問となります。委員長、委員の皆様、総務大臣、政府の皆様、よろしくお願いいたします。
 地方交付税法の一部を改正する法律案の審議ということで、まず、地方交付税に関して意見申し上げます。
 地方交付税交付金は、国債償還費を除いて、毎年、社会保障費に次ぐ二番目に大きな政府支出です。その使い道はもちろんのこと、その配分方法についても、誰もが納得できる方法で決定される必要があると思われます。
 私、今年の通常国会におきまして、この地方交付税に関して質問主意書出させていただきました。地方交付税の基準財政需要額の根拠に関する質問主意書というものでございます。その内容は地方交付税の算出根拠に関する質問でありまして、地方交付税の算出根拠、でたらめなんじゃないか、特別交付税を決める際の資料を公開せよというものでございます。
 地方交付税の算出式は数多くの数値や式から成っておりまして、個々の数値の根拠などを遡ると明治政府の時代にたどり着くなど、現状においてその妥当性が疑われます。
 根拠となる数値や算出式が古過ぎる、そして複雑怪奇となっていることなどから、数多くの係数を掛け合わせて幾らでもつじつま合わせができる状態になっておりまして、総務省の官僚の方のさじ加減でどうにでもなるような状況であると思われます。現状、地方交付税の算出式に関しては誰もその妥当性を説明し切れるものではない、説明し切れる人はいないと思われます。答弁書の方を拝見させていただきましたが、やはり地方交付税の算出方法に関して納得いく説明ではありません。また、特別交付税を決める際の資料の公表はしないとの答弁書に記載ありました。
 御意見として申し上げますが、日本政府には地方交付税の算出方法をできればシンプルなものにするなど見直すことを求めます。国債償還費を除いて、毎年社会保障費に次ぐ二番目に大きな政府支出である地方交付税はその削減をして、その分減税をすべきと考えますが、少なくとも地方交付税の算出根拠はしっかりしているものであるのは当然です。
 今回、地方交付税法の審議ということで、その交付金をもらっている地方に注目して、地方税の減税は可能なのかという問題意識の下、地方税に関して基本的なことを伺っていきたいと思います。先ほど申し上げた地方交付税の算出根拠の関連が後ほど出てきますので、その際に改めて御意識いただければと思います。
 ここで、あるエピソードを紹介します。
 ある市民の方がその市の市議会議員に地方税の減税をお願いしたところ、地方税の税率は決まっているから下げることはできないと言われたという話を最近聞きました。しかし、名古屋市のように独自の減税で有名なところも考えると、この市議会議員の方の話は間違いであると思われます。
 地方自治体は独自の減税が可能であるという考えの下、質問をさせていただきます。
 まずお伺いしたいこととして、法律で定められている地方税の税率について、その概要を教えていただきたいと思います。
075 川窪俊広
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○政府参考人(川窪俊広君) お答え申し上げます。
 地方税の税率につきましては、地方税法におきまして税目ごとに定められておりますが、その定め方は、一定税率、標準税率及び制限税率のこの三つの方式となっております。また、このほか特定の税目につきましては、税率を特に定めず、地方団体が任意に定めるという税目もあるところでございます。このうち標準税率につきましては、地方税法上、「地方団体が課税する場合に通常よるべき税率でその財政上その他の必要があると認める場合においては、これによることを要しない税率」と規定をされているところでございます。
076 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 その標準税率を基にお聞きしたいんですけれど、現在、地方自治体の中で標準税率以下の減税を行っている自治体の名称、あとその減税の内容を教えていただきたいと思います。
077 川窪俊広
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○政府参考人(川窪俊広君) お答え申し上げます。
 現在、標準税率未満の税率で課税をしている地方団体は、愛知県の名古屋市と大阪府の田尻町の二団体となっているところでございます。その内容につきましてですが、いずれも個人住民税についてのものでございます。
 市町村の標準税率は、個人住民税均等割においては年額三千五百円、また、所得割の税率、標準税率は六%、ただし指定都市は八%とされているところでございます。これに対しまして、名古屋市におきましては、均等割を三千五百円ではなく三千三百円、また、所得割を八%ではなく七・七%で課税を行っております。また、大阪府の田尻町におきましては、均等割を三千五百円ではなく三千二百円、また、所得割を六%ではなく五・四%によって課税をしていると承知しております。
078 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 現在、標準税率未満の減税を行っているところが二つということで、まあ少なくて残念だなと思います。ただ、標準税率未満の減税を行っている自治体は現実に存在するということで、地方独自の減税は可能であると思います。
 名古屋市と田尻町においては、安易な増税をせずに標準税率以下の減税を行っていることに敬意を表するとともに、今後もその減税を継続しつつ、更なる減税をすることを願っております。
 ということで、このように地方自治体独自の減税は可能であることが分かりました。今回審議対象となっている法律に関連する地方交付税等含めた話をお伺いしたいと思います。
 ここで、地方減税に関して、ある意味都市伝説のような風説を取り上げさせていただきます。それは、地方税の減税をすると地方交付税交付金が減額されるというものでございます。
 地方自治体独自の減税を行った場合に、それを理由としてその自治体に対して地方交付税交付金の減額というのはあり得るのでしょうか。地方交付税交付金の算出方法の概要と併せて教えていただきたいと思います。
079 原邦彰
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○政府参考人(原邦彰君) お答えいたします。
 普通交付税は、基準財政需要額が基準財政収入額を超える地方団体に対して交付することとされております。このうち、基準財政収入額は、地方団体の標準的な税収入見込額等を前提として算定しております。したがいまして、地方自治体が独自に行う減税については、これらの措置がないものとして基準財政収入額に算定されますので、交付税の算定額には影響しないということでございます。
080 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 地方税の減税をすると交付金が減額されることはないということが分かりました。ありがとうございます。
 ただ、地方税の減税をする際に、とあるペナルティーが科されると承知をしております。それは、標準税率より未満の減税をした場合に、その代表的なペナルティーとして、地方債の起債に条件が増えると承知をしております。この概要を教えていただきたいと思います。仮に標準税率未満に減税した場合でも、地方債の起債は可能であるか否かというのも教えていただきたいと思います。
081 原邦彰
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○政府参考人(原邦彰君) お答えいたします。
 標準税率が設けられている普通税の税率が標準税率未満の地方公共団体が建設地方債を発行する場合には、地方財政法の規定に基づきまして総務大臣等の許可が必要とされております。よって、標準税率未満の地方公共団体でも、総務大臣等の許可を受けることで建設地方債の発行は可能となります。
082 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 総務大臣の許可があれば、標準税率未満の減税した自治体においても地方債を起債することが可能であると理解をしました。
 私は、この条件というのが必要ないのではないかと考えるわけでございます。減税をする際には、各地方、減税する際には、当然、首長であったり議会の同意の下で行われるわけでございます。総務大臣がある意味余計な配慮をして減税の歯止めを掛けるのは大きな問題があるんじゃないかと考えるわけでございます。地方自治体の自主性を否定することはやめるべきではないと、のはやめるべきだと考えて、大臣に最後提案させていただきます。
 全国各地の地方自治体が安心して独自の減税を行うために、仮に標準税率未満の地方税率設定した自治体でも、その自治体における地方債の起債を不許可にしないと宣言をしていただきたいわけですが、いかがでしょうか。
083 松本剛明
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○国務大臣(松本剛明君) まず、今御議論をいただいていました標準税率未満の地方公共団体に対する許可制度でございますが、建設地方債を発行する場合には、その前提として、少なくとも借入れの時点において通常に確保すべき財源を確保していることが財政の健全性や世代間の負担の公平の見地から必要である、この考え方から設けられているものと認識をいたしております。これは地方債全体の信用維持にもつながるもので、そのためにも必要な仕組みだというふうに考えているところでございます。
 許可そのものについてはそれぞれ判断をされることになろうかというふうに思いますが、地方財政法に基づく同意等基準において、世代間の負担の公平への影響や地方税収の確保の状況を勘案して個別の案件に従って許可をすることとしておりますので、私としても、今後もそのように適正に審査をして許可をさせていただきたいと思っております。
 なお、これまでも許可をした実例はあるというふうに私も報告を聞いているところでございます。
084 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 既に決まっていることを突然変えようとしてもすぐにはいかないと思いますが、引き続き、地方自治体の自主性を尊重するよう私は訴えて続けていこうと思います。
 今回の質疑において、各地方自治体は独自の減税をすることが可能であることが分かりました。そして、独自の減税をしたからといって、地方交付税交付金が減額されることはないということも分かりました。今後、数多くの自治体で独自の減税が進むことを願います。
 最後に、この総務委員会の所管となるNHKに関して、残念な報告をさせていただきます。
 住民税非課税世帯対象の五万円給付金について、今年の十一月九日にその差押えを禁止する法案がこの参議院で成立しました。今回、我々NHK党に寄せられた相談として、NHKがこの法律の立法趣旨を無視してこの五万円給付金を差し押さえたというものが複数あります。NHKには強く抗議いたします。
 また、実際に差押えの実務を行っている東京丸の内法律事務所は、給付金が口座に振り込まれた後は差押禁止の対象とはならないといった訳の分からない説明をしております。東京丸の内法律事務所に対しても強く抗議をするとともに、今回の行為は弁護士の倫理に反する行為であるということをお伝えさせていただきます。
 以上、質問を終わります。ありがとうございました。

第210回国会 参議院 予算委員会 第6号 令和4年12月1日
454 浜田聡
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○浜田聡君 NHK党の浜田聡でございます。本日の予算委員会最後の質疑をさせていただきます。
 少数会派ながら、この予算委員会の質疑の機会いただきました。自民党を始めとする他会派の皆様から質問時間も少数会派に御配慮いただきまして、感謝申し上げます。
 岸田総理におかれましては、連日この予算委員会において数多くの質問への答弁、お疲れのこととは思いますが、あとしばらくよろしくお願いします。
 まず、この質疑を中継いただいているNHKには、感謝するとともに、残念な報告もしなければいけません。
 住民税非課税世帯対象の五万円給付金について、今年の十一月九日にその差押えを禁止する法案が参議院で成立しました。今回、我々NHK党に寄せられた相談として、NHKがこの法律の立法趣旨を無視してこの五万円給付金を差し押さえたというものが複数あります。NHKには強く抗議をさせていただきます。
 それでは、今回のテーマである補正予算に関してお話しさせていただきます。
 今回の総額二十九兆円の補正予算、様々な問題があり、既に各方面で指摘されておりますが、私の方からも御意見申し上げます。
 補正予算とは、そもそも本予算で想定していなかった支出に限るべきです。物価高対策や災害対策などは補正予算になじみますが、その他の予算は本来本予算で手当てをすべきで、その峻別ができておりません。そして、約二十九兆円の予算のうち、九兆円が基金の積み増し、約五兆円が予備費です。そもそも国会で予算の中身を精査し議論することが求められるのに、半分近くが言わば白紙委任。これでは財政民主主義は成り立ちません。
 最後に、今回の補正予算二十九兆円にはいわゆる減税が含まれていないように思われるのは大きな問題であると考えます。極端な例かもしれませんが、二十九兆円のうち、二十兆円で消費税停止、四兆円でガソリン税停止、三兆円で再エネ賦課金停止することが可能です。このような、今回のようにいわゆるばらまきの用途ですと、税金で取って配るという効率の面からの問題があるとともに、その執行率にも問題があります。経済対策と称するのであれば、最初から税金で取らない、つまり減税という形で支援することが効率的であるとともに、執行率も良好です。かたくなに減税を行わない政府には、引き続き減税を求めていきます。
 先ほど指摘した各種問題については、補正予算に限った話ではありません。本予算も問題があります。ここで、日本政府、国会における各年度の予算、決算の作業と審議に関して問題提起をしたいと思います。
 今年、令和四年度六月に参議院決算委員会で議決された決算は、令和二年度の予算執行に関する決算と承知しております。今年の六月に国会で議決されたものが二年前の決算です。つまり、決算審議が遅れていると思われ、国会においては直前の決算審議をほぼ何も踏まえずに新たな年度の予算の審議が行われていると思われます。
 ここで、地方に目を向けてみます。多くの地方議会においては、事実上の予算編成時期である四月から九月に決算情報はそろっておらず、前年度の決算は九月末に議会に提出されて、十二月に決算認定が行われるのが一般的です。つまり、日本政府や国会と同様に、決算審議と予算審議の結び付きが怪しいところが大半であるのが、大半です。しかし、最近では、一部の地方議会では、決算委員会と予算委員会を結び付けて、決算予算委員会として予算、決算に関する審議を同時に行うところも出てきていると承知しております。
 そこで、政府参考人の方に二点お聞きします。
 地方議会において予算決算委員会の設置状況の概要、増加傾向の有無と併せて教えていただきたいと思います。
 また、そういった自治体議会において決算作業の早期化の概要など、分かる範囲で教えていただきたいと思います。
455 吉川浩民
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○政府参考人(吉川浩民君) お答えいたします。
 個々の議会における委員会の設置状況については総務省では把握しておりませんが、委員から御照会いただいておりました市議会議長会の調査によりますと、直近の令和三年において予算決算審査委員会を設置している市及び区の数は、常任委員会が百四十団体、特別委員会が三十団体、計百七十団体と承知しております。
 なお、平成二十九年においては百三十四団体でありまして、過去五年間を見れば増加傾向にあると承知しております。
 また、地方公共団体の決算につきましては、地方自治法上、会計管理者は、毎会計年度、決算を調製し、出納閉鎖後三か月以内に長に提出しなければならないこと、長は、決算を監査委員の監査に付した上で、次の通常予算を審議する会議までに議会の認定に付さなければならないことが定められております。
 その上で、決算の調製や議会の認定を行う具体の時期は個々の団体の運用によるものでございますが、決算認定議案の審査の早期化に取り組んでいる団体もあると承知しております。
456 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 今回の配付資料において、予算決算委員会を設置している市議会の数に関するデータ、提示させていただきました。百を超える市において、全国の市では一六・七%の市議会において予算決算委員会が設置されていることが分かります。
 これまで国会や地方議会からすれば画期的ですが、これが当たり前と私は考えます。決算作業の早期化に関しては、その一例としてニセコ町が行っていると承知しております。政府においては、この件により関心を持っていただきたいと思います。
 引き続いて、決算審議と予算審議に関して、総務大臣と財務大臣にお伺いしたいと思います。
 このように、地方自治体議会において決算作業の早期化や予算決算委員会を設置して予算、決算を関連させて審議していることに関して、総務大臣の御評価をいただきたいと思います。
 また、国会における予算に関する議論は直前の決算をほぼ何も踏まえずに行われている現状に関して、財務大臣の御評価をいただきたいと思います。
457 松本剛明
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○国務大臣(松本剛明君) 浜田委員に御答弁申し上げたいと思います。
 委員会の設置状況は先ほど局長から御答弁申し上げたとおりであります。また、決算についての規定についても御答弁申し上げたところでありますが、決算については、地方自治法の規定を踏まえた上で、具体的な決算の調製や決算審査の時期については個々の団体の運用に委ねられているところでございます。
 前年度の決算審査の結果を翌年度の予算編成に反映させる観点から、決算認定議案の審査の早期化に取り組んでいる団体もあるというふうには見ているところでございます。
 議会の委員会の設置や決算の調製、決算審査の在り方については、地方行財政運営上の、失礼、それぞれの団体において地方行財政運営上の工夫をされているというふうに受け止めているところでございます。
458 鈴木俊一
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○国務大臣(鈴木俊一君) 浜田委員御指摘のように、決算結果を予算編成作業に適切に反映をして予算の効率的かつ適切な執行につなげていくこと、これは重要なことであると考えております。
 具体的には、会計検査院の決算検査報告や国会におけます決算審議の内容、予算執行調査の結果などを翌年度以降の予算編成等に反映しているところであります。
 その上で、決算プロセスにつきましては、財政法において、翌年度の十一月末までに会計検査院に提出をして、その検査を受けた上で翌年度開会の常会に提出する旨定められているところであります。また、国会における決裁の早期審議に資するようこのプロセスの早期化を図り、例年十一月二十日前後に前年度決算を国会に提出させていただいているところです。
 提出した決算を御審議いただく具体的な日程等は国会においてお決めになることと承知しておりますが、いずれにせよ、政府といたしましては、引き続き決算書類の早期提出、そして決算結果の予算への的確な反映に努めてまいりたいと思っております。
459 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 参議院決算委員会などにおいて各種改善の取組がなされていることは私も承知をしておりますが、現状まだまだ改善点があることを改めて問題提起させていただきまして、次の質問に移ります。
 次に、日本政府や地方行政において無駄遣いが多くて、いわゆる税金は余っている現状に関して問題提起をしたいと思います。
 今回注目をしてほしいのは、各地方自治体の事務事業評価表というものでございます。これに関して簡単に説明します。
 役所の仕事の単位は、事務事業と呼ばれる仕事単位になります。この各事務事業に掛かっている予算、人手、成果などを分かりやすくまとめたものが事務事業評価表です。事務事業評価は、一九九六年の三重県の事務事業評価を皮切りに、地方自治体で多く導入されたものです。二十年以上の間に、行政改革担当課の職員らの有志によって全国に普及されていくことになりました。現在、地方自治体ごとにその取組の度合いは様々ですが、この事務事業評価は、税金の使途や成果を住民に報告するという、誰が見ても当たり前に行われるものであると考えます。
 この事務事業評価に関して、政府参考人の方にお伺いします。
 各自治体の事務事業評価の取組の概要について、公表自治体の増減傾向の有無と併せて教えていただきたいと思います。
460 吉川浩民
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○政府参考人(吉川浩民君) お答えいたします。
 地方公共団体の行政評価のうち事務事業に係る評価の導入状況につきましては、本年四月現在で千六十四団体となっております。そのうち評価結果を公表しておりますのは八百五十三団体となっておりまして、平成二十八年十月時点の前回調査からは九十一団体増えております。
461 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 各地方自治体における事務事業評価表をいろいろと見てみますと優れたものがありまして、評価の上で不要と判断されて、適切に中止や縮小された事業が見受けられます。このように、事務事業評価を適切に行うことは無駄遣いを表出化するという重要な役割があると思われます。
 今回、事務事業評価の優れた自治体の事例として、兵庫県西宮市、茨城県那珂市、香川県高松市の評価表を配付資料として用意させていただきました。
 西宮市の事務事業評価には、事業を人件費とひも付けがされていたり、妥当な指標、成果指標が示されていたり、上位の政策との関連性が示されているなど、優れている点があると思います。この西宮市の事例では、事業の必要性が薄れていると評価の下、年二千八百万円掛かる事業の廃止に至っております。
 那珂市の事務事業評価表には、各種数値が提示されているほか、資料左下には各事業が始められたきっかけが示されております。恐らく、役所の仕事においては、そもそも何でこの仕事をやっているのか分からない仕事というのがそれなりにあると思われます。そういった、そもそもの仕事のきっかけを知ることは、惰性で翌年度も同事業を繰り返す抑制になるのではないかと思われ、こういった点が優れていると思います。
 香川県高松市の事例では、達成度をグラフ化して見やすくするなどの工夫がなされております。
 また、これらの資料は無料でインターネット上において確認することができます。
 一方、残念な事例もあります。例えば、東京都北区の事務事業評価表、一般に公表されておらず、わざわざお金を払って情報公開請求しないと見ることができません。今回、北区の事例を取り上げましたが、事務事業評価表を一般に公開、公表していないところは残念ながらほかにもあります。そういった自治体には公表することを求めます。
 ここで日本政府に目を向けてみます。中央省庁における事務事業評価に対応するものとして行政事業レビューがあると承知をしております。
 そこで、中央省庁の行政事業レビューに関して岸田総理にお伺いします。
 今回紹介した事務事業評価と比較した上での行政事業レビューの評価を伺いたいと思います。現状の行政事業レビューに関して改善点があると考えるのであれば、優れた事務事業評価のアイデアを取り入れた上で改善していくべきと考えますが、このような改善方針の有無も併せてお伺いしたいと思います。
462 岸田文雄
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○内閣総理大臣(岸田文雄君) 行政事業の評価について地方自治体において様々な工夫がなされていること、これは承知しております。政府としては、現在、国の全ての事業、約五千事業を対象に行政事業レビューを行っているところですが、本レビューは、事業の定量的な成果目標を立て、効果を検証することを通じて、毎年事業を見直していく上で役立っていると認識をしています。
 地方公共団体の取組については、国の事業との性格の違いから取り入れることが難しい場合もありますが、必要に応じて参考にしながら行政事業レビューの方法について不断の見直しを行い、EBPM、エビデンス・ベースド・ポリシー・メーキングの手法の実践を通じて、質の高い行政の実現に向けて取り組んでまいりたいと考えます。
463 浜田聡
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○浜田聡君 ここで岸田総理にお願いがあります。
 時間をつくって、いろんな事務事業評価表や行政事業レビューに目を通してほしいんですね。そして、地方、国、共に税金の無駄遣いが多いことを実感してほしいと思うのですが、いかがでしょうか。
464 岸田文雄
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○内閣総理大臣(岸田文雄君) 国の事業において無駄遣いがないか、そうしたものに対してこの敏感な感覚を持つことは大変重要なことだと思います。
 地方自治体等のレビュー、評価について目を通すべきではないか、御指摘がありましたが、これ全て見るわけにはいかないとは思いますが、参考になるようなものがあれば、私自身、資料を見てみたいと思います。
465 浜田聡
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○浜田聡君 前向きな答弁、どうもありがとうございます。
 この事務事業評価表、そして行政事業レビューをしっかり確認することで、地方、国共に税金の無駄遣いが多いことを実感できると思います。財源がないとおっしゃられる方々には、是非とも一度この事務事業評価表や行政事業レビューをいま一度確認いただきたいと思います。国民の皆様におかれましては、特に御自身が住民税を納めております自治体の事務事業評価表に御注目いただければ、税金の無駄遣いを減らすことにつながります。
 この事務事業評価表で最も伝えたいことをここで繰り返します。税金は余っています。多くの方がそれを実感できるよう、全国で事務事業評価表をチェックするという取組が全国で進むことを願いまして、次の質問に移ります。
 次に、いわゆる一億円の壁のグラフについて財務省にお伺いしたいと思います。
 パネルの方をお願いします。(資料提示)このグラフは国会においても度々取り上げられて議論されてきたと承知をしております。今回、パネルと配付資料にグラフ用意させていただきました。
 縦軸が所得に対する所得税と社会保険料の負担率、横軸が合計所得金額であり、所得一億円を超えるとその負担率が下がる形になっております。このグラフの趣旨としては、所得が多い人ほど金融所得の割合が多く、金融所得に課される税金が低く抑えられることを伝える意図があると思われ、最終目標としては金融所得課税の導入があろうと思われます。
 今回、このグラフについて二点お伺いしたいと思います。
 まず、このグラフは申告納税者約六百万人の話です。しかし、納税者というのは申告、確定申告をせずに源泉徴収で済ませている人が数多くいます。私の方で今回紹介した趣旨と同様のグラフを幾つか確認させてもらいましたが、いずれも申告納税者のみのグラフでした。申告納税者と比べて源泉徴収のみで確定申告していない人は多くて、四千万人ほどいると思います。
 そこでお伺いします。この確定申告をしていない方も含めたグラフを作成する必要に関して、御見解を伺いたいと思います。
466 住澤整
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○政府参考人(住澤整君) お答え申し上げます。
 御指摘のグラフは、申告納税者を調査対象としている申告所得税標本調査のデータを基に作成されたものでございまして、確定申告がなされていない個人は対象となっておりませんが、例えば給与収入が二千万円を超えるなど、源泉徴収された所得があったとしても確定申告が必要となった方については対象となっております。
 委員御指摘のように、申告を行わずに源泉徴収と年末調整のみで課税関係が終了する納税者を全て網羅したグラフを作成するとなりますと、例えば、給与収入が五百万円以下の納税者については国への源泉徴収票の提出義務が事業者に課されていないことなどから、そうしたグラフを作成することは困難であると考えております。
 他方、給与所得者の場合であっても、典型的な社会保険の加入状況になっておりますと、所得税のほかに一五%程度の社会保険料負担があるということでございます。
467 浜田聡
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○浜田聡君 私は、納税者全てを考えた上でのデータ分析、必要であろうと思います。
 次に、社会保険料の負担率に関して伺います。
 社会保険料の負担というのは、いわゆる労使折半といいまして、半分は労働者、そして半分はその使用者、雇主が負担します。グラフの縦軸にあります所得税と社会保険料の負担率のうち、社会保険料の負担については当然労働者側の納めている保険料が含まれていると思います。ただ、先ほど申し上げたように、社会保険料は使用者も同じ額を納めております。
 そこでお伺いします。社会保険料の負担率においては、使用者側、事業者、事業主の負担総額が含まれているでしょうか。含まれていないのであれば、事業主負担総額も含めたグラフも作成する必要があると思いますが、必要性に関しての見解をお伺いしたいと思います。
468 住澤整
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○政府参考人(住澤整君) お答え申し上げます。
 御指摘のグラフの中には、社会保険料の事業主負担分は含まれてございません。
 これを含めるべきとの御指摘でございますが、先ほどの申告所得税標本調査におきましては、社会保険料控除額は公表されておりますけれども、これに伴う納税者個々がどういった社会保険の加入形態になっているか、それに伴う事業主負担額はデータとしては示されていないところでございます。こういった事情もございますので、御指摘のようなグラフを作成することは困難でございます。
 なお、社会保険料の事業主負担につきましては、従業員が所属する企業が事業を行っていく上で支払うべき費用として支出しているものでございまして、経営者本人が自らの所得から支出しているものではないことにも留意する必要があると思います。
469 浜田聡
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○浜田聡君 このグラフで注目されている年収一億円以上の者というのは、オーナー企業経営者が多いと思われます。こういう経営者は、企業主として、実質的に一個人として従業員の社会保険料の事業主負担総額を納めておりまして、右側に行くほど負担率の数字が跳ね上がるような形状になると予想をしております。現状のままでは、いわゆるお金持ちの負担を覆い隠す、ミスリードを誘うグラフではないかということを問題提起させていただきます。
 済みません、時間になりましたので、終わりにさせていただきます。ありがとうございました。

第210回国会 参議院 総務委員会 第6号 令和4年12月2日
081 浜田聡
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○浜田聡君 NHK党、浜田聡でございます。
 本日、総務委員会、最後の質問となります。委員長、委員の皆様、松本総務大臣、政府の皆様、そしてNHKの方、よろしくお願いいたします。
 法案審議に先立ちまして、NHKの方にお伺いしたいと思います。昨日の委員会の最後で申し上げたことですので、手短に二点まとめてお伺いします。昨日、急遽この質問の追加の通告をさせていただきました。その後、進展があることを承知の上で、通告どおりの質問をさせていただきます。
 配付資料に用意させていただきましたように、今年の十一月上旬に住民税非課税世帯への五万円給付金への差押禁止法案が成立しました。それにもかかわらず、NHKがこの給付金を差し押さえたという相談が我々NHK党に寄せられて対応を迫られて、対応をしておりました。
 まず、事実関係を伺いたいということ、で、事実であれば、差押えの措置、キャンセルしていただきたいということでありますし、あと、今後同様の事態が起こる、起こらないようにすることを強く求めたいと思います。御答弁よろしくお願いします。
082 山名啓雄
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○参考人(山名啓雄君) お答えいたします。
 NHKでは、受信料が未収となっている方に対して、訪問や文書などを通じて受信料制度の意義を丁寧に説明し、支払に応じていただけるよう努力を重ねた上で、それでもなおお支払いいただけない場合の最後の方法として、民事手続による支払督促の申立てを実施しております。
 確認しましたところ、十一月末にお尋ねにあるような趣旨の問合せがNHK側にも寄せられたと聞いております。住民税の非課税世帯を対象に支給される一世帯当たり五万円の給付金について差押えを禁ずる法律が十一月九日に成立したことは承知しております。NHKとしまして、相手が給付金の対象世帯であるかどうかを事前に把握することは難しいということですが、判明した場合は、法律の趣旨を踏まえ、強制執行の申立ての取下げも含めて適切に対応してまいります。
083 浜田聡
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○浜田聡君 この件に関しては、相談者の方が相当怒られております。我々の党としても、かなり憤慨をしているところでございます。対応の方は進めておりますし、恐らく、実務に当たってきた弁護士の方は懲戒請求させていただくことになろうと思います。
 こんな感じで、数多くの国民の方のNHKに対する不満の結果、私はこの国会に議席を置かせていただいております。NHKに関していろいろと問題があるわけですが、明らかな問題点は国会ですぐに指摘されること、御留意いただきたいと思います。
 これまでの参議院で数多くの問題、指摘させていただきました。今後も指摘させていただくと思います。NHKにおかれましては、各指摘をしっかり受け止めていただきまして、組織運営、しっかりと改善していただくことを強く求めます。
 NHKの方は御退室いただいて結構です。
084 河野義博
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○委員長(河野義博君) 御退席いただいて結構です。
085 浜田聡
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○浜田聡君 それでは、法案に関連することを質問していこうと思います。
 国立研究開発法人情報通信研究機構の取り組むビヨンド5Gに関して、配付資料用意させていただきました。NICTウエブサイトの記載内容をそのまま採用しております。
 この中で、次の二点の情報が記載されております。ビヨンド5G時代のサイバー・フィジカル・システム、地上から海洋、さらに宇宙までをもカバーする次世代通信基盤、これらの取組は積極的に進められることを期待しております。
 政府にお伺いしたいこととしては、これらのもくろみを進める上で、国際的な協業の必要性に関することでございます。
 特に、海洋、さらには宇宙までカバーとなると、当然、先ほどもありましたように競争、各国間の競争はあるかと思いますが、一方で、各国共同での研究開発や、各国がある程度システムの統一や運用の規定の共有という方針も重要だと思います。つまり、各国のコンセンサスが重要と考えるわけであります。
 各国のコンセンサスの現状と今後の展望をお伺いします。
086 田原康生
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○政府参考人(田原康生君) お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、ビヨンド5Gの社会実装、海外展開に向けては、諸外国とも早い段階から適切に連携していくことが重要であると認識しております。
 このため、ビヨンド5Gに関するビジョンの取りまとめや、国際連携を推進する産学官から成るビヨンド5G推進コンソーシアムというものが二〇二〇年十二月に設立されておりますが、この同コンソーシアムにおいて、欧米の四つのビヨンド5G、6Gの推進団体との間で覚書を締結して、ビヨンド5Gの早期実現に向けた連携策について議論を行っており、私ども総務省としても、その活動を支援しているところでございます。
 また、民間企業各社におきましても、ビヨンド5G関連技術について、グローバルな業界団体を設立するなどして、社会実装や民間主導での技術仕様の策定に向けて国際的な協業に積極的に取り組んでいると承知しております。
 さらに、グローバルな国際標準化という観点からは、国連の専門機関である国際電気通信連合、ITUが重要な役割を担っていると承知しておりますが、このビヨンド5Gに必要な最先端技術の標準化に向けた活動が徐々に本格化しつつあります。
 この点でございますけど、ITUの次期、電気通信標準化局、このITUで標準化を担当している局でございますが、こちらの局長に、日本電信電話株式会社最高標準化戦略責任者である尾上誠蔵氏が本年九月三十日にこの次期局長として当選しているところでございますが、今後、こうしたITUの活動との連携も従来以上にしっかりと深めていきたいと考えております。
 こうした連携を通じて、できる限り早期に各国とのすり合わせ、国際的な協業、調整を図ってまいりたいと考えております。
087 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 日本が優位に立てるよう国益第一に考えて取り組まれることを期待しております。
 次に、国民の共有財産である電波について、その割当て方法に関して伺っていこうと思います。
 割当て方法いろいろあるとは思いますが、その中で、透明性のある決定方法として電波オークション、注目し期待をしております。この電波オークションですが、海外では一般的に導入されていると承知をしております。国内については、今年の九月下旬に、通信サービスに使う電波オークションを導入する方針案を総務省が公表しました。このように、今後国内での導入が実現することを期待しつつ、海外での状況についてもいま一度確認しておきたいと思います。
 この電波オークションについては、世間の反応を見ると、特に主要な放送メディアが強く反対をしているように感じるわけです。ここで整理しておきたいこととしては、放送と通信で状況が大きく異なってくると思われるわけです。両者を分けて考える必要があるという問題意識の下、総務省にお伺いいたします。
 OECD各国での電波オークション導入状況に関して、通信、放送、それぞれについて、総務省の把握しているところをお伺いします。
088 竹村晃一
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○政府参考人(竹村晃一君) お答え申し上げます。
 まず、携帯電話用周波数のオークションについては、入札額の多寡のみによって落札者を決定する純粋オークション、カバレッジ義務などの義務、条件を課した上で行う条件付オークション、技術やサービスの審査項目の得点化や係数化を行い、入札額と組み合わせて審査を行うスコアリングオークションといった様々な形態があると承知をしておりますが、大多数のOECD加盟国において何らかの形で周波数オークションが導入されているものと承知をしております。
 次に、放送用周波数のオークションについては、OECD加盟国のうち、放送に関してオークションを行った国として米国や英国の例があるものと承知をしております。米国においては、主にAMラジオやFMラジオについて、新規割当ての場合にオークションを行っており、再免許についてはオークションを実施していないと聞いております。英国においては、民放アナログテレビ放送局の事業免許について、一九九一年と一九九五年の二回オークションを実施して以降実施をしていないと聞いております。その後、例えば、二〇一四年に英国政府がオークションを実施せず再免許を与えた理由としては、質の高い番組提供を維持するためと承知をしてございます。
089 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございました。
 放送に関しては興味を持って聞かせていただきました。放送に関して国内でどうしていくのか、電波の有効利用に関して高い関心を持って私も提案していこうと思います。
 次に、電波の割当てに関することとして、政治家と官僚の役割の違いについて、総務大臣の姿勢をお聞きしたいと思います。
 昨年、東北新社による総務省幹部接待問題がありました。総務省としては国会でいろいろ追及されたかと思います。少し古い話題で恐縮なんですが、今回、東北新社の接待問題に関連して、高市早苗元総務大臣のブログ記事を配付資料として用意させていただきました。
 あらかじめ申し上げておきますと、私、高市早苗議員には、自民党総裁選に挑戦された点など、大いに期待していることを申し上げた上で、あえて批判的に取り上げさせていただきます。
 注目したい点を読み上げさせていただきます。記事最後のページになると思いますが、中央から後半辺りにかけての部分になります。大臣も副大臣も通信事業の許認可に直接関わることなどありません、そもそも私たちは決裁をしていないのですから、NTT法や電気通信事業法に基づく認可の中で、事業に関わるものの最終決裁をするのは大臣や副大臣ではなく局長ですとあります。
 私は、この内容を元総務大臣が書いていることについて違和感があります。通信事業の許認可というのは国にとって非常に影響力の大きなものであると考えます。それをどのように調整していくかというのを誰がすべきかということについては、現時点ではオークションのように透明性のある制度になっていない現状では、国民から民主的手続で選ばれた政治家が行うべきだと考えます。この高市早苗元総務大臣の記載内容だと、そういった重要な許認可の権限を大臣が放棄して選挙で選ばれていない官僚が決めているというように感じるわけでございます。
 そこで、松本大臣に通信事業の許認可の最終決定者について質問します。
 通信事業の許認可、今後変わるとは、変わることが期待される上で現状でのところについて聞きたいんですけれど、通信事業の許認可については大臣を始めとする政治家が責任を持って決裁すべきと考えますが、大臣の見解をお聞きしたいと思います。
090 松本剛明
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○国務大臣(松本剛明君) 今、私も大臣を拝命をしている身では、総務省の業務について責任を持って臨まなければいけないということは、委員からも御指摘のあったとおりでございますが、その上で、許認可等の行政上の重要な決定においては、適正性、透明性を確保して、組織として判断できることが重要であるというふうに考えております。総務省におきましても、その観点から必要なルールを策定して許認可を行っているところでございます。
 お尋ねの決裁権限につきましては、総務省行政文書取扱規則において、案件に応じて文書の最終決裁権者などを定めているところでございます。
 通信事業の許認可については、例えば、NTTの取締役及び監査役の選任及び解任の決議の認可など特に重要なものは大臣を最終決裁権者とし、NTTの事業計画の認可や電気通信事業の登録など定常的なものは局長や地方支分部局の長に決裁を委ねるなど、許認可の性質等に応じて最終決裁権者を定めているところでございますが、この決裁に先立って組織としてしっかり審査をした上で決裁権者の決裁を得るという形になると考えております。事務の適正かつ効率的な運営を図ってまいりたいと思っております。
 また、決裁に関するルールにはこれからも従って、適切に処理させていただく所存でございます。
091 浜田聡
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○浜田聡君 御答弁ありがとうございます。
 御説明は分かります。ただ、ブログの記載からは、大臣が重要な決定は官僚に丸投げというような考え方がもしあるとすれば問題だと思いますし、総務省の官僚の方もそのような大臣の意図を知った上で悪用するような雰囲気があれば問題だと思いましたので、今回扱わせていただきました。
 ちょっと質問、あと少し残っていたんですが、時間が来ましたので終わります。ありがとうございました。

第210回国会 参議院 予算委員会 第7号 令和4年12月2日
187 浜田聡
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○浜田聡君 NHK党の浜田聡でございます。本日午前の予算委員会、最後、よろしくお願いいたします。
 今回、八分、質問時間ですね、法務省におけるいわゆる判検交流に関して齋藤法務大臣、地方税と国税の森林環境税に関して松本総務大臣に質問させていただきます。
 まず、国会内外で各方面活発な議論がなされております共同親権の法制化と関連して、法務省内におけるいわゆる判検交流に関する質問です。
 今回の質問に関して参考とさせていただいたインターネット上の記事を今回配付資料として用意させていただきました。中継を御覧の皆様は、インターネット上で検索して適宜御参照いただければと思います。サキシル、共同親権と御検索いただければと思います。サキシルは片仮名です。
 記事は、「安倍元首相志半ば…親権問題の「本丸」判検交流にメス」というタイトルでございます。
 現在の民法は、離婚後は父母のどちらかを親権者とする単独親権を採用しています。しかし、親権を失った親が養育に関わりにくくなり、子供との交流を絶たれること等を根拠に、離婚後の共同親権の立法化を目指す動きがあります。
 先ほど紹介した記事の要点を紹介しますと、背景として、共同親権の法制化について、法務省法制審議会の案と自民党法務部会の案の対立があります。法務省法制審議会の案は共同親権と単独親権どちらかの選択制、自民党法務部会の案は原則共同親権を目指すものと思われます。
 なぜ対立するかの理由として、法務省の案は、選択制としながらも、言葉がふさわしくないかもしれませんが、実質上共同親権を骨抜きにする意図があると思われ、原則共同親権を目指す自民党の案と対立するものと感じました。今回の質問ではこれらの是非には触れない予定です。
 記事内に主眼が置かれている点として、いわゆる判検交流が挙げられます。ここでは、裁判官が法務省の構成員となっていることでございます。記事内の記述を引用しますと、法制審議会家族法制部会のメンバー二十四人のうち四人が裁判官という偏りを作り出しているのは、判検交流という交流制度によるものだ。二〇二〇年に行政出向している裁判官は百五十九人。家族法を所管とする法務省民事局幹部のほぼ全てが裁判官です。また、法務省法制審家族法制部会のメンバーを選考した法務省司法法制部の部長は裁判所から出向している裁判官。今の民事局長です。
 この点に関して二点まとめて、法務省、法務大臣に伺います。
 記事の記述のように、法務省の構成員に裁判官がいるという件に関して、簡潔ですので事実関係をお伺いします。
 また、法務省という行政機関に裁判官が業務において関わっている、いわゆる判検交流に関して法務大臣の御意見をお伺いしたいと思います。
188 吉川崇
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○政府参考人(吉川崇君) お答えいたします。
 御指摘のとおり、法制審議会家族法制部会の委員及び幹事に、法務省等に勤務する裁判官出身者及び裁判所に勤務する裁判官がそれぞれ任命されております。
 また、法務省大臣官房司法法制部や民事局等に裁判官出身者が配置されております。
189 齋藤健
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○国務大臣(齋藤健君) 今、数字については事務方から御説明をさせていただきました。
 いわゆる判検交流と申し上げますのは、裁判官の職にあった者から検察官への任命及び検察官の職にあった者から裁判官への任命を始めとする法曹間の人材の相互交流を指すものであります。
 判検交流は、法務省が所管する司法制度、民事、刑事の基本法令の立案、訟務事件の遂行等の事務においては、裁判実務の経験を有する法律専門家である裁判官を任命、任用する必要があること、裁判官が裁判官以外の法律専門職としての経験、その他の多様な経験を積むことが、多様で豊かな知識、経験を備えた視野の広い裁判官を確保することにつながることから、意義があるものと考えています。
190 浜田聡
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○浜田聡君 意義があるという点に関しては、そういう意見として承ります。
 ただ、裁判の公正性だけでなく、三権分立の原則からこの点に関しては問題視されておりまして、司法と行政が利害関係を持ち、癒着を懸念する声があるということを御承知いただきたいことを申し上げた上で、次の質問に移ります。
 令和六年度から国税版の森林環境税がスタートする件について、松本総務大臣にお伺いいたします。
 わざわざ国税版という言葉を付けた意図としては、既に地方税版の森林環境税があるということです。地方税版の森林環境税は、高知県が最初に導入して、現在、既に三十を超える都道府県で実施されております。言い換えると、導入していない自治体もあるということです。
 例えば、埼玉県です。上田清司前埼玉県知事の方針で、環境対策などに関する財源については知恵を振り絞ってつくり出し、県民負担増となる安易な税の創設はしませんでした。上田前知事の下の埼玉県政の方針に敬意を表します。
 そこで、松本大臣にお伺いします。
 埼玉県のように新しい税が必要ないと判断した都道府県民に対しても、今回の国税の森林環境税は新たな課税を行うことになります。当該地域の住民が必要性を感じず、創設しなかった新税について、国は無理やり国税として課税しようとしていること、おかしいと思わないでしょうか、お伺いします。
191 松本剛明
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○国務大臣(松本剛明君) 浜田委員に御答弁申し上げたいと思います。
 森林は、地球温暖化防止や災害防止等の公益的機能を有し、広く国民一人一人がその恩恵を受けていると認識しております。
 このことを踏まえ、御指摘のありました国税の森林環境税は、森林整備等に必要な財源を確保する観点から、国民の皆様にひとしく負担を分かち合っていただくものとして創設されたものでございます。その際には、全国知事会を始め地方団体からの賛同や評価もいただいております。
 令和六年度の円滑な課税開始に向けて、森林環境譲与税を活用した事業の実績や効果について住民に対する説明責任を十分に果たすよう、地方団体にも助言してまいりたいと思っております。
192 浜田聡
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○浜田聡君 過去数十年、日本は、御存じのとおり、国民負担率が上昇一方でございます。現在、四六%という数字が出ております。
 このように、今回紹介した件のように、新しい税を一度つくると関係の税がどんどん増えるということに関しては、私、大きな懸念を申し上げておきます。
 こういった懸念を申し上げた上で、私は、全ての増税に反対するという方針の下、活動させていただいております。全ての増税に反対する、この方針を申し上げて、私の質疑を終わります。
 ありがとうございました。

第210回国会 参議院 総務委員会 第7号 令和4年12月6日
085 浜田聡
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○浜田聡君 NHK党の浜田聡でございます。
 本日最後の質問となります。皆様、よろしくお願いいたします。
 今年の十一月上旬に住民税非課税世帯への五万円給付金への差押禁止法案が成立したにもかかわらず、NHKがこの給付金を差し押さえた件について、NHKの山名理事に聞いていこうと思います。
 この件は前回も取り上げたわけですが、答弁内容を確認したところ、私の方から国民の皆様にこの件に関して更に知っていただきたいと思うことがありましたので、改めて質問させていただきます。山名理事、お願いします、よろしくお願いします。
 前回の答弁として、差し押さえた債権に関しては、差押えが禁止されているものとは知らなかったという旨のことをおっしゃっていたように思うわけですが、その点が、我々の把握している重要な情報が見えないわけでございます。
 今回の被害者の方、この方、茨木市の方なのですが、その方と差押えをした東京丸の内法律事務所の弁護士とのやり取りの録音記録によると、弁護士はこう言ったそうです。茨木市からあなたに払うべきものを差し押さえることはできない、しかし、茨木市から銀行に入った以上は差し押さえることができるという旨のことを言っております。つまり、知っていてやっているということです。その後、この件が国会で取り上げられたことを知ったからか、この弁護士が前言を覆して、知らなかったと言うようになりました。
 この弁護士の言うことをそのまま伝えられたならば、前回の御答弁のようになるのは無理もないわけですが、実態は大問題が裏に潜んでいるということです。この弁護士が、禁止されている債権を差し押さえるのみならず、虚偽の報告もしているということです。
 今回差押えをした丸の内法律事務所に関して、NHKさんはこの法律事務所と契約を解除した方がいいと思います。今回、というわけで、NHKさんに提案をします。丸の内法律事務所とは契約を解除すべきと思いますが、この提案への御見解をお聞かせください。
086 山名啓雄
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○参考人(山名啓雄君) お答えいたします。
 民事手続に関しましては、法律事務所の意見を参考にしながら、協会の判断で対応を進めております。
 本件を理由に契約を解除するという考えはございません。
087 浜田聡
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○浜田聡君 今回とんでもないことをしでかした丸の内法律事務所の弁護士については、前回も申し上げましたが、懲戒請求をしますし、それ相応の処分が下されるべきと思います。
 前回の委員会では、NHKさんに再発防止についてお尋ねしたのですが、残念ながら余り乗り気ではないようでした、ないように感じました。我々もNHKさんに期待できないのは分かっています。だからこそ、我々は、NHKの受信料を払わないことを最善策として、国民の皆様にその不払のサポートをしているわけでございます。ここで議席をいただくほどには多くの国民の支持をいただいているということをお伝えさせていただきます。
 話を戻して、もう私の方から再発防止策のようなものを提案させていただくと、住民税非課税世帯のような貧しい世帯はNHK受信料を免除するのがいいと思います。例えば、生活保護世帯は受信料免除がされているわけです。住民税非課税世帯は受信料の支払が苦しいわけです。この世帯の支払の義務がそのままですと、こういった事態が起こるわけですから、免除するに値すると思います。
 NHKさんには、ちょっと時間が余りましたら、再度、残った質問をお聞きしたいと思います。
 次の質問に移る前に、北朝鮮による拉致問題についてNHKがその被害を拡大したかもしれない件を指摘させてもらいます。
 今回の資料、一番後ろの資料なんですが、北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会のサイト、二〇〇一年の記事を用意しました。
 要点といたしましては、拉致問題がまだ世間にさほど知られていなかった一九九一年の一月十六日に拉致被害者有本恵子さんのお父様である明弘さん御家族が拉致問題周知のために記者会見をしようとしたとき、直前になってNHK記者による妨害が入って、それによって、その後の事件解明、救出などの動きに大きなブレーキが掛かる原因とされる事件です。
 この件について、過去の国会議事録を私が調べてみた範囲では、有本さんが参考人で国会に来られたとき、平成十四年の七月二十五日の衆議院安全保障委員会で有本さん自身が触れられているのみで、国会議員の方がこの件を扱っている記録が私が調べた範囲ではありませんでした。NHKが拉致問題の被害を拡大した可能性がある事件としてここで問題提起をした上で、次の話に移ります。
 次に、特別あて所配達郵便や信書に関する話をしていきたいと思います。
 まず、特別あて所配達郵便とは何かということですが、これは、受取人の氏名が記載されておらず、受取人の住所が記載されていれば、その住所に届ける郵便のことです。今回の配付資料にその封筒の写真を用意させてもらいました。昨年、郵便局がこのサービスを始めました。この郵便ですが、いろいろと問題のある制度だと思います。
 問題の一つが、その料金の異常な高さです、利用料金の異常な高さです。普通郵便ですと、住所と受取人の氏名を確認し、それが郵便物と一致しているのを確認した上で郵便受けなどに投函をするわけですが、この特別あて所配達郵便は受取人の氏名が記載されておりません。つまり、配達時に受取人の名前を確認する必要がないわけです。それにもかかわらず、追加で百五十円もの料金が掛かるわけです。定形封筒の普通郵便ですと八十四円ですから、更にその倍近い追加料金が掛かるわけです。今回、料金の問題の指摘はここまでにとどめます。
 ここで扱いたい問題としては、NHKがこの特別あて所配達郵便を使って数多くの世帯に受信契約を要求する旨の郵便物を送っており、さらに、この郵便物が信書に該当するかということでございます。
 信書とは、「特定の受取人に対し、差出人の意思を表示し、又は事実を通知する文書」とされています。こちらは郵便法第四条第二項で定められていると承知しております。そして、この信書を送る事業を行うためには、その許認可が必要となっております。ここでは、信書を送るための許認可を信書規制と呼ばせていただきます。ちなみに、この信書規制によってヤマト運輸はクロネコメール便のサービスをやめております。今回の配付資料に、ヤマト運輸が信書規制を問題視している、この規制に対して怒っているメッセージを掲載しているウエブサイト、用意させていただきました。
 信書規制は、民間サービスを廃止に追い込み、郵便の選択肢が減り、結果として郵便料金がアップしたり、郵便物が配達完了までに時間が掛かるようになったりするなど社会に大きなマイナスの影響を及ぼしており、見直すべきものと私は考えております。
 先ほどの特別あて所配達郵便に話を戻します。
 NHKが送っているこの特別あて所配達郵便は信書なのか否か、こういう質問を先日総務省の方に投げかけたところ、総務省からは信書である旨の回答をいただきました。
 ここで一つ大きな問題がありまして、実はNHKが受信契約を要求する旨の同じ書類をこの特別あて所配達郵便で送っているわけでございます。NHKはそれを送る許認可があると思います。問題は、その許認可を持ち合わせていないNHKの委託業者であるエヌリンクスなどの業者がこの特別あて所配達郵便で送られている内容物と同じ受信契約を要求する旨の書類を送っているということです。つまり、許認可のない業者が信書を送っていることになると思います。犯罪になると思います。ちなみに、先ほど紹介したヤマト運輸は信書規制で犯罪になることを恐れてクロネコメール便を廃止しております。
 先日、総務省の方とお話をさせていただき、この犯罪情報の提供をさせていただきました。その話においては、総務省に調査をするようにお伝えしたところでございます。
 そこで、参考人の方、そして大臣にもまとめてお伺いします。調査の進捗状況を教えていただきたいと思います。大臣には、こういった状況についての御見解を教えていただきたいと思います。
088 藤野克
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○政府参考人(藤野克君) お答えいたします。
 信書の定義でございますけれども、これは、先ほど御指摘いただきましたように、郵便法の第四条第二項の規定におきまして、「特定の受取人に対し、差出人の意思を表示し、又は事実を通知する文書」と定義されてございます。
 今お話がございましたNHKが特別あて所配達郵便で送っている郵便物の関係でございます。
 放送受信契約の締結を確認できない方に対しまして、一定の期日までの放送受信契約の手続を求めているものがございます。これは、今お話もございましたけれども、受取人の氏名を記載してございません。受取人の住所又は居所を記載しているものでございますけれども、これは、その住所又は居所に居住する配達先に配達することを求めているものでございまして、特定の受取人に対し、差出人の意思を表示し、又は事実を通知する文書に当たるというふうに考えてございます。
 この扱いでございますけれども、日本郵便では、その住所又は居所に配達先となる方がいない場合、あるいは複数の配達先があることになってしまうような場合、これを確認いたしまして、その場合は配達先が特定されないとして差出人に返還する取扱いをしてございます。
 これに対しまして、今先生御指摘がございましたNHKがポスティングサービス事業者に依頼して配付した文書ございます。受信料制度や各種の手続を案内する文書でございます。
 御照会いただきましたこの文書についてNHKから情報を得たところでございますけれども、こちらにつきましては、特定の受取人を選別せずに広く事実等を一般に知らせるものとされているものでございまして、信書には当たらないものと考えてございます。
 以上でございます。
089 松本剛明
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○国務大臣(松本剛明君) 先ほど政府参考人から御答弁申し上げましたとおり、NHKからの情報を基にいたしましたら、お尋ねの文書は信書には該当しない、郵便法の規定には違反しないということで認識を持つに至っているという状況でございますので、委員から御指摘というか御議論がありました点、私どもとしては、繰り返しになりますが、お尋ねの文書は信書に該当せず、郵便法の規定に違反しないものと認識をしているということでございます。
090 浜田聡
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○浜田聡君 私が把握している証拠としては、やっぱり内容物が同じなわけなんですね。一方が信書、一方が信書でないということはやはりおかしいと思うわけでございますので、改めて調査をお願いするとともに、この点については引き続き取り扱っていこうと思っております。
 次に、東京都と委託契約をしている一般社団法人Colaboが適切ではない会計処理をしていることが指摘されていることについてお伺いしていこうと思います。
 この件は、SNSや報道などでかなり話題となっております。国というよりは主に東京都が関わる問題ですので、東京都議会でしっかり対応されるべきと考えますが、このColaboの事業については、東京都からのお金のみならず、国からのお金も出ていると承知しております。世間の注目も高いように思いますので、ここでも簡単ですが取り上げさせていただきます。
 これまでに判明しつつあることとして、主に税金が原資である公のお金の使われている事業に関して、東京都によるチェックがかなりずさんであろうということでございます。東京都からの委託事業等をしているColaboが公表している会計資料などを見ると、適切とは思えない処理をしていることが様々指摘されており、東京都はしっかりチェックをした上でお金を出すべきと考えます。
 今回、配付資料として、Colaboが公表している資料の一部を用意させていただきました。問題ではないかと指摘されている部分を読み上げさせていただきます。Colabo公表資料一枚目の三番、委託経費の予算と実際の支出の関係というところでございます。
 若年被害者女性等支援事業の委託経費の予算は、車両関係費、宿泊支援費など幾つかの大項目に分かれております。ただし実際の事業の遂行の中で、当初の計画とは異なって、新たな対象に支出する必要が生じたり、逆に予定していた支出がなくなるなどの変更もあり得ます。この場合、Colaboとしては、項目を越えた調整をすることがあります。このような、項目を越える支出の調整を禁じる規定はなく、項目を越える調整を行っても問題はありません。
 この部分の記述について、政府参考人の方に二点お伺いしたいと思います。
 一つ目は、大項目間の支出の流用を東京都が認める点に関して問題ではないかという指摘がなされており、この点に関する御見解をお伺いします。
 そして、二つ目としては、こういった問題が起こることを予防するために、例えばアメリカでは経費のチェックのためのプロジェクト専用の銀行口座を開設させ、プロジェクト関連の全ての入出金を当該口座で実施させるといった対策がなされております。そういう対策を導入すべきという意見への御見解をお聞かせいただきたいと思います。
091 野村知司
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○政府参考人(野村知司君) お答え申し上げます。
 御指摘のこの若年被害女性等支援事業、こういったものを含めまして、国の補助金といいますのは、補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律に基づきまして、不正な申請であるとか使用といったものを防止し、適正に執行していただく必要があるというところでございます。
 この御指摘の支援事業でございますけれども、都道府県等を補助対象としておりまして、その都道府県から民間団体に委託をすることができるという構造になっておりまして、被害女性に対して様々な支援を行えるような事業となっております。
 そこで、御指摘の使途、使い道でございますけれども、こちら、多岐にわたる支援を地域の実情に応じて事業を実施していただけますように、この事業の実施に必要な報酬であるとか需用費、役務費、備品購入費など、広く補助の対象経費としているところでございます。
 また、当初の事業予算の配分の枠組みについて、事業執行の途中で、まあ流用といいましょうか、移替えといいましょうか、ああいったものへの変更、そういったことも含めて、補助金の対象経費の中で、かつ事業目的に反するものでなければ柔軟に活用いただけるものとしているところでございます。
 御指摘のこの一般社団法人Colaboの会計処理についてでございますけれども、先ほど申し上げましたように、この補助金を活用して事業を行っておられる東京都において、この委託先である一般社団に対して会計処理も含めて適切に管理をしていただくべきものと承知をしております。
 それと、専用口座等の御指摘でございますけれども、こういった専用口座を設けさせるということがこの適正な補助金の執行に有効であるかどうか、まあ今回の場合はこれ東京都からの委託費でございますけれども、それに有効であるかどうかというのは、実施主体であるその自治体に御判断いただくべきことかなというふうに考えてございます。
092 浜田聡
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○浜田聡君 この件に関しては、私の把握しているところでは、都議会の各会派いろいろと動いているようなので、そちらに期待したいと思います。
 最後に、杉田水脈総務大臣政務官に関してお話を伺っていこうと思います。
 このところ、国会において、野党を中心に杉田政務官への更迭要求の旨の質問が数多くなされました。各党各会派それぞれの考え方がありますので、この国会においてどういう質問をするのかというのはそれぞれの立場から御自由に行ってもらえればいいと思うということをまず申し上げておきますが、私自身、参議院予算委員会、総務委員会でその旨の質問を目にした感想としては、同じことの繰り返しという意味では有意義なやり取りであるとは思えませんでした。
 十二月二日の参議院予算委員会において岸田首相は、杉田政務官に関する質問に対して、職責を果たすだけの能力を持った人物と判断したと述べておられます。私は、岸田総理のおっしゃることについては意見は一致しておりますが、その内容に関する説明をもっとすればいいのではと考えております。
 もちろん、杉田政務官の過去の発言に問題があるとは私も思いますが、杉田政務官の過去を振り返ってみますと、そういった問題を上回る、国益に資する活動もされていると思います。だからこそ、お亡くなりになられた安倍晋三元首相から高く評価されていたのだと思います。
 例えば、従軍慰安婦に関する朝日新聞を始めとする捏造問題は、それらに対抗する数多くの活動をされており、国連においてもクマラスワミ報告書の撤回を要求するなど、フランス語でのスピーチするなど、高く評価されていると思います。
 そこで、総務省の方と大臣にまとめて二点提案です。
 総務省として、杉田大臣政務官の過去の功績を改めて再確認して、まとめてみてはいかがでしょうか。あと、大臣には、過去の発言の問題を指摘されて更迭を要求された場合の答弁としては、過去の功績を具体的に紹介してみてはいかがでしょうか。つまり、デメリットを大幅に上回るメリットがあるという反論をすべきということでございます。
093 松本剛明
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○国務大臣(松本剛明君) やはり、杉田現在大臣政務官でありますが、過去のこれまでの政治活動を総務省、総務大臣が具体的に紹介する立場にはないと考えているところでございます。
 杉田大臣政務官というよりは、杉田水脈、政治家杉田水脈の評価につきましては国民の皆様の判断に委ねられているところでございますが、今回私の方からおわびと発言の取消しを指示させていただいた案件のように、拙い表現によって人を傷つけるような発言など表現については、私も不適切と考えたもの、これについては適正な対応が、適切な対応が必要だということでさせていただきましたが、その他の政治家杉田水脈の活動については私どもが紹介する立場にないということを御理解をいただけたらと思っております。
094 浜田聡
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○浜田聡君 最後の質問になると思いますが、この件に関してもう一つ大臣に提案したいと思います。
 杉田政務官の過去のいわゆる生産性に関する記事に関して繰り返し批判がなされている話です。
 この同様の趣旨の生産性に関する話は、過去に菅直人さんも述べられていることでございます。菅直人さんが民主党代表代行だった二〇〇七年一月、愛知県知事選の応援のため名古屋市に入った演説で次のように発言されておられます。実は愛知も私の住む東京も、生産性が一位、二位を争うぐらい低いんですよね、何の生産性が低いか、それは、子供を産むという生産性が最も低いんですよね、皆さん、という演説をされておられます。
 そこを踏まえて、大臣に提案です。
 杉田政務官へのアドバイスをお伝えします。アドバイス、どういうアドバイスかといいますと、生産性がないという過去の新潮記事を追及された場合に、尊敬する菅直人さんが愛知県も東京も子供を産むという生産性が最も低いという旨の演説をされており、その内容に私は高い問題意識を持っていることから新潮の記事を執筆してしまったといった旨の答弁をすればいいのではないでしょうか。生産性に関する追及のたびにこの旨の答弁をすることで、民主党議員の方も、いわゆるブーメランを周知することができ、追及が止まることが期待できると思います。提案に対して御意見伺いたいと思います。
095 河野義博
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○委員長(河野義博君) 申合せの時間が過ぎておりますので、簡潔にお願いいたします。
096 松本剛明
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○国務大臣(松本剛明君) 御指摘の菅直人議員の発言については詳細も承知しておりませんし、また、個々の議員の政治活動に対する評価を総務省、総務大臣の立場からコメントすることは差し控えさせていただきたいと思います。
 また、今御提案をいただいたわけでございますが、先ほど御答弁申し上げましたように、私どもとしては、総務大臣、総務大臣政務官としても、やはり内閣の方針に反する不適切である、そういった表現、拙い表現によって傷つけ、人を傷つけたようなことについては適正に対応することが必要であるということで、それぞれの各議員の活動などを評価ないしはそういったものに関与するということは、お預かりする立場から差し控えてまいりたいというふうに考えているところでございます。
097 浜田聡
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○浜田聡君 終わります。

第211回国会 参議院 外交・安全保障に関する調査会 第1号 令和5年2月8日
062 浜田聡
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○浜田聡君 NHK党、浜田聡でございます。
 三人の先生方、本日は貴重な御意見、本当にどうもありがとうございました。
 私の方から、まず香田参考人にお聞きしたいと思います。
 元海上自衛隊ということで、現場で長年活動されてきた貴重な経験を今後も広めていっていただきたいなと考えるところでございます。
 ロシアのウクライナ侵攻によって国防に関して国民が高い関心を持っている中、私は、今後の自衛隊の在り方について先生の考え方をお聞きしたいなと思います。踏み込んで言いますと、軍隊なのか警察なのかということですね。
 警察というのはやっていいことが決まっている。一方で、軍隊というのはやってはならないことが決まっている。逆に言うと、それ以外のことは全てできるという私の理解なんですね。死に物狂いで最新鋭の武器を持ってきて、やってくる相手に対して、やっていいことが決まっている警察のような法体系だと、これはちょっと対峙できないだろう。やはり、それに対しては、やってはならないことが決まっている、自由にある程度動けるような、いわゆる軍隊、警察ではなく軍隊であるべきだとは思いますが、その観点から、先生の今後の自衛隊の在り方について御意見いただければと思います。
063 香田洋二
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○参考人(香田洋二君) 一番恐れていた質問が来ました。
 もう先生方には今更の話かと思いますが、当然、法執行機関と、いわゆるまあ軍事力といいます、を持って国を守るということで、ここは根本的に差があるんですが、これ別の言い方をしますと、警察とか法執行機関というのは、その国の法律で、例えば日本だと反社会勢力というのが相当悪いことをしますけど、もう既に法律で枠を掛けられているんですよね。そして、抑えられていて、違反があったときに相当強いところで抑え込めると。
 ところが、軍事組織とか自衛隊というのは、外国ですから我が国の法律が及ばない。ここに、何でもありなんですよ。ところが、何でもありの人たちが我が国の法律とは関係なく自分たちの都合で攻めてくる。それで、もう一つは、相手も人間ですから、自分たちの損害を小さくやりたいものですから、こちらの準備のできていないところに徹底的に突いてくる。
 例えば災害も似たところがあって、法律じゃコントロールできないんですが、自然災害も。しかし、これは平等に来ますよね、山崩れだったら。で、逃げ遅れた人は、もう非常に申し訳ないんですが、大けがをされるとかいうことなんですが。何を言いたいかというと、我が国の法律で規制できたりコントロールできない相手が自分たちの思惑で我々の考えを無視をして一方的に来るというのが。
 で、私は恐らくこういう質問だというふうに今理解を自分でし、一方的にしているんですが、ところが自衛隊というのは元々警察予備隊から出ています。憲法九条の下で、いわゆる軍事という考えはありませんので、大きなところは警察なんですね。ということは、何でもありの外国に対して、主として警察をコントロールするやり方でいろんな仕組みができているんですね。そこに大きなブレーキが掛かるということで、これは非常に論議として難しいし、与野党の対立もありますし、突き詰めていけば憲法との絡みもあります、あるんですが、ただちょっと最後に申し上げますと、これがシビリアンコントロールの原点なんですよね。
 シビリアンコントロールというのは、自衛隊をかちっとコントロールするというのが一つの側面です。しかし、同時に、一朝事あったときに自衛隊が一番国を守るために働きやすい環境をつくるというのもシビリアンコントロールです。こちらの論議が欠けてないですか。私は、四十年間、片っ方だけの論議で過ごしてきました。この先、是非、今までのが悪いとは言いませんが、こちらがあって初めて防衛というのは機能するんですよ。こちらというのは、一朝事あったときに自衛隊が一番働きやすい、能力を発揮しやすい環境をつくるというのも国民の責務だし、それもシビリアンコントロールだという観点からですね。
 ということで、取りあえずの返事、返答とさせていただきます。
064 浜田聡
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○浜田聡君 大変貴重な御意見、ありがとうございました。
 次に、植田参考人にお聞きしたいと思います。
 やはりロシアのウクライナ侵攻で、やはり非常に、国を守る上で、いろいろとやり方はあるんですけど、やはり多国間の安保協力というのが非常に重要だというのはもう間違いないとは思います。
 で、日本の有識者の御意見の中に、その枠組みの一つとして日本のNATO加盟を提言される方がいるわけなんですね。NATOというと北大西洋条約機構ということで、北大西洋、日本が接していないという側面もありつつ、一方で、NATOが幅広い枠組みを目指しているような意見も聞いたりします。例えばインドを取り込んでいったりとかいうこともあるわけなんですが、そういった観点から、日本のNATO加盟に関して何か御意見をいただければと思います。
065 植田隆子
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○参考人(植田隆子君) 最近、NATOのストルテンベルグ事務総長が日本を訪問をされ、講演もなさるという活動をされました。それで、私は、その日本での迎えられ方を見ていて、ここ十年ぐらいでNATOの位置付け自体が日本で非常に大きく変わってきたと思われます。私が九〇年代の初め頃にNATOに出入りしていた頃は、非常に日本とNATOは遠かったです。ですから、その頃と比べますと、随分、ここ三十年ぐらいでですかね、交流の度合いも増していったし、軍事同盟に対する何か不安感というんでしょうかね、それが日本の側にもなくなっていったということだろうと思います。
 それから、別途、日本とEUの関係も、大変な経済摩擦から、EPAもでき、SPAも暫定発効するということで非常に関係が近くなっていって、大きくこれらの組織との関係は変わっていったと思います。
 で、NATOとどのようにお付き合いをするのかということでございますが、基本的にNATO条約を、お配りした資料の中に、参考資料のこれは三ページ目ですかね、北大西洋条約機構の五条ですね、五条任務というので、これは集団防衛が発動すると。日米安保と異なっており、相互に援助義務が掛かるという同盟のシステムでございます。
 日本のNATOとの協力というのは、具体的な、侵略された場合の援助義務の発動ということではなく、広い意味での防衛協力という形で交流が進んできていると思いますし、地理的な空間に関わらない、例えばサイバーとかですね、様々な分野で交流をする意義はあろうかと思います。
 これからも交流は進んでいくと思いますし、日本の方も、現地でも、恐らく必要があってのことだと思うのですが、既にベルギー大使館の大使がNATO代表部の大使を兼任しており、独立した大使を置くようになると思いますので、交流は進んでくると思います。ただ、やはり集団防衛機構でありますから、その内側に入るということはちょっと想定をされていない交流になろうかと思います。
066 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 時間が来たので終わります。

第211回国会 参議院 外交・安全保障に関する調査会 第2号 令和5年2月15日
078 浜田聡
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○浜田聡君 NHK党、全国比例選出の浜田聡でございます。
 三人の参考人の先生方、本日は貴重な御意見、どうもありがとうございました。
 私からは、まず戸崎参考人に、核兵器の使用と世界各国間での法的拘束力という観点からお聞きしたいと思います。
 具体的には、何をもって核使用というポイントなんですね。例えば核ミサイルを撃って攻撃をすれば当然核使用なんですけれど、一方で、今回のロシアのように、核による恫喝というのはもう既にその時点で核使用と考えることができるのではないかというポイントでございます。
 日本の法、刑法ですと脅迫罪というのは第二百二十二条に定められている犯罪であるわけなんですけれど、一方で、世界各国でそういうものが仮にあるのであればちょっとお聞かせいただきたいですし、ちょっと国内法の制定と世界各国での法的拘束力というのはかなり違う、ポイントが違うと思いますので、とにかく、今回、恫喝の罰則という点でお聞かせいただければと思います。
079 戸崎洋史
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○参考人(戸崎洋史君) ありがとうございます。
 まず、使用と恫喝を明確に禁止しているのは核兵器禁止条約。恫喝といいますか、使用の威嚇ですね。これにはロシアは入っていないということであります。ロシアを拘束するものが何かあるかというと、なかなか見当たらないというのが現状であります。
 もちろん、国連憲章の下で武力の行使あるいはその威嚇を禁止するというのはありますので、それとの延長というような見方はできるかもしれませんけれども、それ以上に、では、ロシアの行為、核兵器の使用、核兵器の使用の威嚇ということを明確に禁止している条約は、非核兵器国に対する消極的安全保証という言葉が何回か出てきましたけれども、それ以上にはないのかなというふうに思います。
 プラス、抑止もある意味では威嚇ではありますので、そのプロセスであれば、禁止はその部分はされていないということになってしまうかもしれないです。
080 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございました。
 次に、鈴木参考人にお聞きしたいと思います。
 核抑止に依存しない安全保障戦略への転換ということで、意義のある提言、本当にありがとうございました。
 核なき世界を目指す上で、私は、核保有国の価値観、政治体制に注目するというのはすごく重要だと思うんですね。核保有国、最大の核保有国であるアメリカは、ある意味、自由、民主主義、法の支配というのがあります。もちろんアメリカが核保有国として安全とは言い難いものの、やはり日本における危険な隣国と私は呼んでいるんですけど、中国、ロシア、北朝鮮、こういった国が自由、民主主義、法の支配がしっかりと保たれているとは思えないわけで、そういう核保有国、先ほど申し上げた中国、ロシア、北朝鮮のような、価値観、政治体制をしっかり注目していく上で提言を出していくというのが重要なのではないかと思うんですけれど、この点に関して御意見をお聞かせいただければと思います。
081 鈴木達治郎
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○参考人(鈴木達治郎君) 政治体制はもちろん大事だと思うんですが、先ほどのお二人のお話にもありましたけど、アメリカとソ連が核軍縮に、八〇年代ですね、ゴルバチョフとレーガン大統領のときに大きな、それまでも核軍縮のいろいろ条約は結んでいますので、お互いの利益が合えば条約結ぶ、核軍縮の条約は結べることはできる。
 問題は、今回のロシアについて言えば、その条約も無視してしまっているという。だから、お互いの共通の対話の場ができれば、共通の利益が見付かれば、私は、相手国が民主主義国家でなくても条約は十分に結べる。北朝鮮について言っても、二〇一七年は非常に危機的な状況にあったのが、二〇一八年には板門店宣言が採択され、南北朝鮮ですね、それからシンガポール共同声明が出されて、もう一歩手前まで、非核化の合意の一歩手前まで行ったわけですから。
 外交努力というのは、政治体制が異なる国の間ででも当然続けなければいけないし、共通項が見付かれば合意できるというふうに考えております。
082 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございました。
 最後に、佐野参考人にお聞きしたいと思います。
 NPT体制を踏まえた日本の安全保障戦略について可能な範囲でお考えを聞かせていただければと思うんですけれど、本日お話しいただいたように、NPT体制というのは様々うまくいかなかったあるいは失敗というのは多少あったと思うんですけれど、戦後の核秩序であったり国際安全保障の礎石としては非常に重要なものであるのかなと思います。
 参考人の方からリアリズムを考えたというのは非常に説得力があることだと思うわけですね。日本の安全保障戦略を踏まえた、考えた上で、最近聞かれる言葉として、日本の核シェアリング、あるいは、一歩踏み込んで更に核保有という意見も時折聞かれるわけでございます。実際に、日本の核シェアリングを実際に政策として提言している政党もあるとは承知しております。
 これに関しては、NPT体制を考えると結構なハードルが高いんではないかと私は考えているわけなんですけれど、NPT体制の下で日本の核保有、核シェアリングが可能かというポイントについてお聞かせいただければと思います。
083 佐野利男
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○参考人(佐野利男君) ありがとうございました。
 これまた非常に重要な御質問だと思いますけれども、私の意見は、核保有、核武装ですね、これは論外だと思います。それから、核共有は、議論をするのは有益ですけれども、実際国内の政治状況を考えた場合は難しいだろうと。したがって、第三の道を探る必要があると、こういう結論なんですけどね。
 なぜ核武装が論外かというと、元々NPT、先ほど説明しましたように、当時JFKが、J・F・ケネディが、あと十年もすれば核保有国が十も十五も増えてしまうと、核の拡散を最も恐れたわけですね。それでソ連と組んでつくったのがこのNPT。だから、核を拡散しないという大本があるわけです。そうじゃなければ核のカオスに陥ると。どの国も核を持ってしまうと。それを曲がりなりにも防いできたのが、曲がりなりにもというのは、イランとかそういう、北朝鮮という国は抑止できませんでしたけど、曲がりなりにも核の拡散を防いできたのはNPTなんですね。
 日本は、NPTに入るときに日本の外務省は非常にいいディスカッションをしています。発効が七〇年ですけど、日本が入ったのは七五年だと思いましたけれども、遅れて入るんですね。それは、やはり日本の安全保障を考えた場合、NPTに入るのがいいのかどうかという議論があったんです。批准するときに安全保障についての声明を出しています。NPTの十条、つまり脱退についての声明を出しているんです。それだけやっぱり当時はリアリズムがあったんですね、国際情勢に対する。
 現在、それ以降、日本は、NPTの実は優等生として国際社会を引っ張ってきた経緯があります。その日本、NPTの優等生である日本が今核武装をするということは、核の秩序を根底から崩してしまう愚策だと思いますね。日本が核武装したら隣の国も核武装しますよ。もうあらゆる国が核武装し出します。そういった重みを日本政府、日本は持っていると。
 核共有については、私は、日本の国民の皆さんの安全保障感覚をリアリスティックにするためには議論は有効だと思います。ただ、イージス・アショアの適地を見付けることができなかったとか、それから今、普天間の話が、沖縄の話がありますけど、国内の情勢を考えると、核共有する、今の政府はしないと言っているわけですけれども、つまり核共有するということは非核三原則の機構ですね、それを変えるということになるわけですが、今の政府はしないということになっていますが、核共有をするということがいかに国内政治的に難しいか。まさに政権一つ二つぶっ飛ぶような話ですね、これ、核共有というのは。私は難しいと思います。
 じゃ、第三の道というのは何かというと、今の状況というのは、アメリカの戦略核によって抑止、核の傘があるわけですが戦術核がないという、こういう話ですよね。で、七九年のNATOの二重決定と同じような状況があるわけですけれども、やっぱりそこは、核はアメリカに任せるしかないというのが私の意見です。
 つまり、どういうことかというと、艦船に核を搭載する、搭載していたんですね。アメリカもロシアも艦船に核を搭載していました、潜水艦以外ですよ。九一年にレーガン・ゴルバチョフ、レーガン・エリツィンがイニシアチブを取って大幅な核軍縮、核削減をやります。その際に、艦船から戦術核を外してそれを保管すると、双方ですね、ロシアもアメリカも。だから、もう一度艦船に戦術核を搭載するというオプションはあると思います。それでこう浮遊させると、浮遊してもらうと。それは、何も核共有するまでもなくて、戦術核レベルにおける核抑止を強化することになろうかと思います。
 ただ、私の聞くところによると、今、戦略核というのも相当の精度が上がっていて、精度が昔の戦略核と違って、確度がかなり急激に高まっているわけですね。ですから、戦略核だけでも十分核抑止できるんだというかなり強い意見もありますので、その辺りは検討していく必要が、つまり、今の戦略核を、日米同盟を強めていくということが結局重要なんじゃないかなというふうに考えています。
084 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございました。質問を終わります。

第211回国会 参議院 懲罰委員会 第2号 令和5年2月21日
004 浜田聡
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○委員以外の議員(浜田聡君) NHK党、浜田聡でございます。
 ガーシー議員に代わって弁明書を代読させていただきます。
 国会を欠席する弁明書
 私ガーシーは、楽天三木谷社長と俳優綾野剛氏によって警視庁に刑事告訴されていますが、これらは虚偽告訴です。
 これらに対抗するために私が綾野剛氏を、そして私所属の国政政党NHK党が三木谷社長をそれぞれ被告とした民事訴訟を先ほど東京地裁に提訴しました。
 二人の虚偽告訴の事実が明らかになるまでは、私ガーシーは不当な拘束を受ける可能性があるので、帰国、登院をしません。
 以上でございます。
005 鈴木宗男
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○委員長(鈴木宗男君) 以上で弁明の聴取は終わりました。
 浜田君は御退席いただいて結構です。
 この際、委員長より申し上げます。
 去る十六日の本委員会理事懇談会において、本日の委員会に議員浜田聡君を関係者として出席を求め、尋問を行うことで合意いたしましたが、浜田君からは応じかねるとの返答がありました。
 これを踏まえ、改めて昨日の理事懇談会で協議いたしました結果、関係者に対する尋問は行わないこととなりました。
 以上、御報告いたします。
 この際、お諮りいたします。
 委員外議員清水貴之君から本件について発言を求められておりますので、これを許可することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

第211回国会 参議院 外交・安全保障に関する調査会 第3号 令和5年2月22日
055 浜田聡
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○浜田聡君 NHK党の浜田聡でございます。
 三人の先生方、本日はどうもありがとうございました。
 まず、羽場参考人にお聞きしたいと思います。
 国際政治学者として大きな観点から世界平和、新国際秩序を考えられているということで、数多く知見いただきました。各国が周辺諸国と地域協力をしている例教えていただきました。
 今回先生にお聞きしたいのは、私が注目している上海協力機構というものでございます。今回いただいた資料だと二十七枚目のスライドにあるのかなと思います。真ん中の方のSCOというところで、上海コオペレーションオーガニゼーション。こちら、中国とロシアが中心、歴史的な経緯もあるんですけど、それが中心で、中央アジアの国を巻き込んで、イランであったり、インドであったりというところが入ってきたのだと思います。
 インドというのは、私の個人的な主観かもしれないですけど、二股外交をしているようなところもあって、非常に興味深く感じているところでもございます。非常に重要だとは思うんですけれど、私は、軍事同盟としてもですね。ただ一方で、何となく目立たないような気もして、その辺が少し不気味な感じもいたしております。
 先生の上海協力機構に関する御自由な御見解をお聞かせいただければと思います。
056 羽場久美子
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○参考人(羽場久美子君) ありがとうございました。これも極めて重要な御指摘をいただきました。
 報告のときには説明をしませんでしたけれども、今、上海協力機構には、中国、ロシアだけではなくて、インドが、これまでオブザーバーだったんですけれども、正式メンバーとなりました。つまり、中国、ロシア、インドが全て入ると世界最大の地域機構になります。これは軍事だけではなくて経済関係、政治関係も含みますので、見方によっては極めて危険とも言えるかもしれないんですけれども、この国々が合わされば、それこそクアッドやあるいはAUKUSを超える影響力を持つ。そして、先ほどから申し上げているように、インドの場合にはアフリカや他の国々、中央アジアや中東にも今強い影響力を持っているということで考えると、この上海協力機構の影響力は極めて大きいものと思っています。
 ただ、この間、中国やインドと特に具体的に話をしてきたときに、インドは現在、平和構築に非常に関心を持っているんですね。G7ではなくてG20の力で現在のロシア・ウクライナ戦争あるいは地域紛争を解決していこうというような姿勢を持っております。そういう意味で、インドと日本の協力によってアジアの主導力で軍縮と平和をつくっていこうという話合いを今回もさせていただき、日本政府及び日本国民に非常に期待を持っていらっしゃったというイメージも持っております。
 以上の観点から、その上海協力機構を軍事同盟としてではなくて政治的な、あるいは軍縮のための会議として協力関係をつくっていくためにも、日本がこれに積極的に関与していくべきではないかと思っております。
 以上でございます。ありがとうございました。
057 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。大変参考になりました。
 次に、土井参考人にお聞きしたいと思います。
 目加田参考人とともに人道的軍縮アプローチ取り組まれておりまして、結果も出されていることに敬意を表します。先生の話、理想論なく現実を直視しておりまして、説得力が非常にあると感じております。
 先生に対しては、中国についてお聞きできればと思います。
 先生の話の中で、中国に対して日本のこれまでの対応ということに関して批判的な評価であると感じましたし、私も同意見でございます。特にお聞きしたいこととしては、現在の岸田政権の対中国の政策の評価で、もし自分ならこうするというのがあれば、それと関連する形で幅広い御意見いただければと思います。
058 土井香苗
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○参考人(土井香苗君) ありがとうございます。
 中国に関しては、日本の政府の中国政策に関しては、岸田政権のみではないんですけれども、これまで一貫して非常に弱かった、人権に関しては弱い姿勢であったというのが私たちの考えです。残念ながら岸田政権においても特段の変更がないというふうに見ておりまして、是非ここを変えていただきたいというふうには思っております。
 とはいいながらも、約七、八年ぐらい前からだと思うんですけれども、それまでは本当に、公に中国を人権面で批判するということが日本は本当になかったわけなんですけれども、やはり、十年近く前ですけれども、私の見たところは日本政府の姿勢に大きな転換はありまして、そういった公な批判はしないというところから公に批判するということにはなりまして、これまでも人権問題が様々起きた際に、中国や北朝鮮に関しては例外的に日本政府も名指しで批判をするということがあるということは歓迎すべき変化だと思います。これは他国についても是非同じようなスタンダードを適用してやっていただきたいと思っています。ただ、中国政府の行っている人権侵害の度合いを考えますと、公に批判すれば終わりということでは全くないというふうに考えておりまして、本当にやるべきことが様々あります。
 で、ちょっと私のこの十か条に戻っていただければ、まずは三番の人権侵害による制裁ですね。金融やビザの制裁というものを掛けていくべき事案、特にウイグルの人道に対する罪等々なんですけれども、様々制裁を掛けていくべき個人、団体があると思います。欧米諸国が掛けていっておりますので、日本も協調してやっていく必要があると思いますし、四番の年次報告書を、別に中国だけに発表せよということではないのですが、日本が例えばODAをたくさん出しているような国や関係する国等々につきまして、やはり日本政府が責任を持った対応をしていくためには人権状況を把握していくということは絶対に必要だと思いますので、こういったことも必要だと思います。
 そして、中国、ただ中国政府を批判すればいいというだけではなくて、やはり中国の中で人権を求めて闘っている人たちがたくさんいらっしゃいますので、そういった人権の守り手や市民社会の空間と、何というか、ネットワークをつくっていく、そのためにこそ日本政府のお金とかプログラムをどんどん使っていくということで、中国政府だけではなく中国社会とつながっていくということが非常に重要だと思っております。そういった市民社会の今抑圧されているリーダーたちというのが、中国の政府が法の支配を尊重するような国になった場合にリーダーとして、公式なリーダーになっていくような方々であるというふうに思っております。
 その他、様々できることがあると思っているんですけれども、以上が、済みません、雑駁なんですけれども、まずはやっていけることではないかと思っております。
 以上です。
059 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 最後、目加田参考人にお聞きしたいと思います。
 時間がないので手短にお聞きしますけれども、ウクライナが最近クラスター爆弾供与を要求したこと、話題となりました。そして、その上でお聞きしたいんですけど、岸田政権のウクライナに対する政策の評価、自分ならこうするというのがあればお聞かせいただければと思います。(発言する者あり)
060 猪口邦子
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○会長(猪口邦子君) じゃ、目加田参考人。
061 目加田説子
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○参考人(目加田説子君) ありがとうございます。
 事地雷とクラスター爆弾について申し上げれば、いずれも非人道的な兵器として国際法によって明確に禁止されている、これはもう保持、使用、備蓄等を全て禁止されているということで、日本政府は両条約に加入しておりますので、そこは徹底するということ。ウクライナはクラスター爆弾禁止条約には加盟していないですけれども、少なくとも国際社会が禁止している、明確にですね、兵器を使い続けるということ、その結果、誰よりも傷つくのは自国の市民であるということにまず気付いていただきたいというふうに思います。
 地雷もそうですけれども、ウクライナ政府が使用した、ウクライナ軍が使用した地雷によって傷ついているのはウクライナの方々だということに立ち戻って、使用については徹底的に禁止をすると。その部分については、先ほども申し上げましたけれども、日本政府も厳しくウクライナの政府に対して問うていくという姿勢を貫いていただきたいと思います。
 以上です。
062 浜田聡
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○浜田聡君 終わります。ありがとうございました。

第211回国会 参議院 本会議 第6号 令和5年2月22日
004 浜田聡
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○浜田聡君 NHK党の浜田聡です。失礼しました。NHK党の浜田聡です。
 同会派所属、同僚であるガーシー議員が国会欠席を続ける理由について、この場で私が弁明申し上げます。
 冒頭、この本会議では、不規則発言、いわゆるやじは慎むべきものと承知しておりますが、平素より改善が求められている雰囲気を私は感じません。したがって、私の発言時には不規則発言は歓迎します。
 本題に入る前に、今回のガーシー議員の懲罰について余りにも性急にガーシー議員排除の旨を公言する議員がこの参議院にいることについての懸念を申し上げます。
 先週二月十七日の報道によりますと、立憲民主党の斎藤嘉隆参議院国対委員長が、ガーシー議員の懲罰案について、一回で除名もやむなしだと記者団に述べたとの報道がなされました。
 一方で、二月十三日には、元大阪府知事で弁護士の橋下徹氏がテレビ番組で次のようなことをおっしゃっておられます。主張はともかく、議員の身分は重いですよ、当選させるのも有権者、議員の地位を奪う、落選させるのも有権者、例外的に、犯罪を犯したとか、そういう場合は失職もあるし、秩序を乱したということも、国会内で大暴れするなりなんなりして国会の運営を妨害して国会が進まないと、この人を除名しないと国会が進まないくらいのことがあって初めて登院停止、除名ですから、そんな簡単に議員の身分を国会議員の多数決で奪うことは許されません。
 おっしゃるとおりだと思います。少なくとも、一回で除名などという安易な考えは慎むべきです。
 また、私は、立法府に身を置く者として、国会に登院しないという理由での除名という先例にないことを行うのであれば、立法を先にすべきとも考えます。
 斎藤議員は、立法を検討することもなく、先例にないことを性急に強引に推し進めようとしており、国会議員としての資質を欠いているのではないかと考え、先日、斎藤議員宛てに事実確認も含めて公開質問状をお渡ししましたが、回答はいただけておりません。
 一方で、ガーシー議員は、いわゆるColabo問題に関して、最近、立て続けに数多くの質問主意書を提出しております。このColabo問題というのは、一般社団法人が東京都の委託を受けて行っている若年被害女性等支援事業において、その税金の使途、管理等に数多くの問題が指摘されているというものであります。
 防衛費の財源をどうするかなどの国の財政に関する議論が活発である現状において、税金の使途、管理をしっかりすべきという旨のこのColabo問題は全国民にとって関係のある非常に重要な問題であります。このColabo問題は、その税金の使途、管理等についてインターネット上では数多くの問題が指摘されているにもかかわらず、その問題が主要メディアに取り上げられることは少なく、逆にColaboを擁護する趣旨の報道が数多くされており、その問題の闇を感じております。国民の納めた税金が不適切な形で一部の団体に渡っていることも指摘されつつあり、数多くの利権が絡んでいることは想像に難くありません。
 多くの国政政党がこの追及に及び腰である中、参議院では、音喜多駿政調会長が中心となって日本維新の会が追及の動きを見せていることについて、私は一国民として敬意を表し、感謝を申し上げます。また、東京都議会では自民党の川松真一朗議員が、そして川崎市議会ではこれまた自民党の浅野文直議員がこのColabo問題についてしっかりと追及していることについても、同じく敬意を表し、感謝を申し上げます。
 一方、立憲民主党は、以前より国会の内外においてこのColaboを積極的に擁護する活動をしていることを承知しております。この度、立憲民主党がガーシー議員の除名処分を急ぐ姿勢を見せたことには大きな問題があります。先述したとおり、多くのメディアはColaboのずさんな税金の使途の問題等の報道をしない中、注目度の高いガーシー議員がこのColabo問題を質問主意書として提出していることから、どうしてもメディアがこのColabo問題を取り上げざるを得ません。
005 尾辻秀久
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○議長(尾辻秀久君) 浜田君、浜田君、一身上の弁明の範囲を超えないように発言を願います。
006 浜田聡
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○浜田聡君(続) そして、今後もガーシー議員がその議席を有する間はColabo問題を追及する質問主意書を多数提出することが想定される中、立憲民主党やそれと結託している可能性が考えられるメディアとしては非常にまずい事態となることが想像されます。
007 尾辻秀久
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○議長(尾辻秀久君) 浜田君、一身上の弁明の範囲を超えないように発言を願います。
008 浜田聡
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○浜田聡君(続) そこで、ガーシー議員を除名に追い込み、質問主意書を提出できなくすることで、このColabo問題に注目が集まることを防ごうとしている可能性をここで指摘させていただきます。
 ガーシー議員は、昨年の第二十六回参議院通常選挙において、日本に帰国せず選挙を戦い、海外から議員活動をすると公言して、比例代表で二十八万七千七百十四票という個人得票を得て当選しました。ガーシー議員はまさに現代の多様な価値観から生まれたものであり、少数派の強い民意をこの選挙結果からも感じ取ることができます。
 立憲民主党がガーシー議員を早急に排除しようとする発言は、日本の議会制民主主義の観点からも、少数派が抑圧されかねない極めて危険な発言です。立憲民主党が今回のように少数派を排除する発言をしたこと、そして私の公開質問状を無視していることは、同党がかねてから訴えている少数派擁護の姿勢がまがいものの可能性を示唆していると考えられることも申し添えます。
 これより、ガーシー議員が国会を欠席する理由について述べます。
 まず、ガーシー議員は、楽天三木谷浩史氏と俳優綾野剛氏によって警視庁に刑事告訴されていますが、これらは虚偽告訴であるとして、逆にガーシー議員とその関係者は両者に対して民事訴訟を提訴しております。
 これより、ガーシー議員と三木谷浩史氏、ガーシー議員と綾野剛氏の間における争いの内容について、訴状を引用する形でそれぞれ簡単に述べます。
 ガーシー議員は、昨年六月、三木谷浩史氏がウクライナ人の女性を集めて違法な売春パーティーを開いたという旨の暴露をインスタグラムにて行いましたが、三木谷浩史氏はこれを受けてガーシー議員を名誉毀損罪として刑事告訴しました。
 また、ガーシー議員は、昨年五月、綾野剛氏が過去に当時十七歳であった女性に飲酒をさせ、大阪市内のホテルに連れて未成年淫行に及んだ旨の暴露を当該本人女性、本人同伴でユーチューブにて行いましたが、綾野剛氏はこれを受けて、ガーシー議員を名誉毀損罪として刑事告訴しました。
 ガーシー議員の行為は、三木谷浩史氏や綾野剛氏の社会的評価を低下させる行為ではありますが、暴露内容は真実であり、三木谷浩史氏という上場企業の代表者、そして綾野剛氏という国民的俳優、そしてそれらを扱うメディアの在り方に対する問題提起の目的でこのような暴露を行っており、公共性及び公益目的が認められ、違法性が阻却されると考えられます。
 両者による刑事告訴に対抗するため、ガーシー議員が綾野剛氏を、そしてNHK党が三木谷浩史氏をそれぞれ被告とした民事訴訟を、民事訴訟を昨日、東京地裁に提訴しています。かねてより、三木谷浩史氏、また綾野剛氏所属の芸能事務所、株式会社トライストーンの山本又一朗社長は、いずれも内閣官房副長官木原誠二氏と親密であることが知られております。
 以上から、現在被告人であるガーシー議員は、被告人のまま帰国すると国家権力により不当な拘束を受ける危険性を排除できないと考えております。したがって、こちらが対抗して提訴した民事訴訟の結果が出て、この二人の虚偽告訴の事実が明らかになり、晴れて被告人でなくなるまでは、ガーシー議員は帰国、登院をしません。
 最後に、私見ではありますが、ガーシー議員に御投票いただいた二十八万人の民意に反して、今後、ガーシー議員は除名に進みそうな雰囲気を私は感じており、じくじたる思いです。ガーシー議員が立憲民主党という巨大国政政党、そして楽天という巨大企業、トライストーンという芸能事務所などを敵に回した結果、メディアから一方的に悪役として報道され、国会で除名、排除される。つまり、少数派が多数派に排除されるそのプロセスを国民の皆様にはしっかりと注視していただき、現状の日本の政治の問題点、そして今後の日本の進むべき方向を考えていただけますと幸いです。
 以上、私から、ガーシー議員が国会欠席を続ける弁明を終わります。
 御清聴ありがとうございました。
009 尾辻秀久
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○議長(尾辻秀久君) 浜田君の発言につきましては、速記録を調査の上、議長において適切に措置いたしたいと存じます。

第211回国会 参議院 予算委員会 第3号 令和5年3月2日
483 浜田聡
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○浜田聡君 NHK党、浜田聡でございます。
 本日、予算委員会最後の質疑させていただきます。
 少数会派ながら、この予算委員会で質疑の機会いただきました。自民党を始めとする他会派の皆様からは質疑時間の御配慮などいただきまして、感謝申し上げます。皆様、今国会もよろしくお願いいたします。
 今回、NHKによる郵便法違反をメインテーマとして扱います。
 そこに入る前に、午前中に維新の会の音喜多委員も御指摘があり、恐縮ですが、現在インドで行われておりますG20外相会合に林大臣が欠席し、本予算委員会に出席していることについて総理に伺います。
 私は、林外務大臣はG20に出席すべきと考えます。林外務大臣のG20欠席に関する総理の考えを伺います。
484 岸田文雄
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○内閣総理大臣(岸田文雄君) G20外相会合については、林外務大臣が出席する可能性を追求いたしましたが、同会合や国内を含む国内、あっ、国会を含む国内での公務の日程、内容等を総合的に勘案し、最終的に政府、外務省として山田賢司外務副大臣を出席する、を派遣する、こうしたことが適切であると判断をいたしました。
 いずれにせよ、G7外相会合の場において、G7議長国である我が国として主張すべき主張、我が国の立場、これは発信する、発信してまいりたいと考えています。
485 浜田聡
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○浜田聡君 この件につきましては、林大臣が出席すべきだという旨の数多くの批判がされているように思いますし、私も同意見でございます。
 外務大臣の第一の仕事は外交であり、今の国際情勢を考えれば外務大臣はもっと海外に飛び回ってもいいくらいで、G7議長国であればなおさらです。いろいろと言い訳はあろうと思いますが、大事な国際会議だから行くんだという強い意思表示をされて実行される方が外務大臣であるべきという要望をさせていただきます。
 では、今回の本題です。
 昨年末に発覚したNHKによる郵便法違反を扱います。
 NHKの郵便法違反とは、簡単に申し上げます。NHKが昨年度までの六年余りの間に外部の事業者に委託して送達した受信契約の案内文書が信書に該当し、郵便法四条に違反するというものです。これは、総数で二千万通を超えるという大規模なものとなっております。
 なお、信書に関する説明は時間の都合上省略させていただきます。
 この郵便法四条というものは、認められた会社以外が郵便の業務を行うことを認めない、つまり郵便業務の独占を定めたものになります。今回のNHKの郵便法違反とは、現在、日本郵便のみに認められている信書の送達を外部の事業者に委託して行ったというものであり、日本郵便、グループ会社としては日本郵政に被害をもたらしたと言えます。この郵便法四条に違反した場合、郵便法第七十六条で三年以下の懲役又は三百万円以下の罰金に処するとされており、罪は重いと考えます。
 私は、昨年十二月、NHKによる郵便法違反の可能性について総務委員会で指摘させていただきました。当初は総務省否定的でしたが、後にNHKの郵便法違反を総務省が認めて、今回周知されるに至りました。
 今回のNHKの郵便法違反は犯罪としてそれなりの重い罪であり、NHKがそれ相応の仕打ちを受けるかと思っていたわけですが、その後の経過を見ていると、NHKの対応も、政府のNHKへの対応も全く生ぬるいものであることに失望しております。
 我々なりにいろいろと動いてきたことも後ほど報告させていただきますし、この予算委員会でも今後の総務委員会でもその追及をしていきたいとは思いますが、残念ながら、この郵便法違反に対する、NHKや政府にしっかりと対応いただくことは現時点では難しいと考えております。あくまで現時点です。
 郵便業務の独占を違反したNHKですが、この違反に関して重い罰則があるにもかかわらず政府がそれ相応の対応をしないのであれば、この法令の意義はないと考えます。つまり、郵便業務の独占は不要ということです。そうであれば、ヤマト運輸など参入意欲のある企業が信書便に参入できるよう規制緩和すべきではないかと考えます。
 そこで、まず総務大臣にお伺いします。
 一般信書便の参入には現在かなり厳しい規制が設けられております。特に全国にポスト十万本設置が必要というのは非常に厳しく、事実上の新規参入を排除するものであると認識しております。ヤマト運輸等、参入意欲のある企業が一般信書便参入できるよう規制緩和すべきという意見に関する御見解を総務大臣にお伺いします。
486 松本剛明
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○国務大臣(松本剛明君) 浜田先生からの御質問にお答えしたいと思います。
 今お話がありました一般信書郵便事業は、封書やはがきのような軽量かつ小型の信書便物を全国一律の条件で引き受け、配達するサービスでございまして、一般信書郵便事業への新規参入については許可制が取られており、信書便法第九条及び第十六条において要件を定めているところでございます。
 これらは封書やはがき等についてあまねく全国で一定のサービス水準を確保するための要件であると考えており、現時点でこれを変更することはないと考えております。
487 浜田聡
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○浜田聡君 今回のNHKによる郵便法違反は、現時点で判明しているもので二千四百万通を超えるものです。NHK以外にこれ以上の規模での違反はまず不可能です。そのNHK、おとがめなしというのですから、今回違反した郵便法の規定は意味がありません。
 是非とも多くの国民に今回の郵便法違反に対するNHKや政府の生ぬるい対応を知っていただき、その国民の怒りを推進力として、今後国民にとって意義のある規制緩和が進むことを願います。
 緩和の一つの提案を申し上げます。
 全国のポスト十万本設置が必要という条件は大変厳しいです。一方で、全国に拠点があるものとしてコンビニエンスストアがあります。五万を超える店舗が全国にあります。コンビニなどと提携することなどにすればポストの代わりは可能だと思いますし、この機会、多くの国民に考えていただきたいと思います。
 さて、話を戻しまして、今回のNHKの郵便法違反に関して、NHKや政府に順次お聞きしていきたいと思います。
 今回の委員会では、昨年NHK会長に就任された稲葉会長にお越しいただきました。ありがとうございます。稲葉会長、今後ともよろしくお願いいたします。就任してまださほど時間もたっていないところで大変だとは思いますが、NHKが犯罪をしていたことについては会長にしっかりと御対応いただきたいと思います。
 まず、二点お伺いします。今回のNHKの郵便法違反によって得たNHKの利益はどれぐらいなのでしょうかということ、もう一点、その利益をどうするかということです。郵便法第七十六条には事業の独占を乱す罪として罰則が規定されているわけですが、その記載の中に、得た利益は没収と第七十六条二項に規定されています。であれば、今回の違反によって得た利益を国庫返納などすべきと考えますが、そのつもりはあるのでしょうか。
488 稲葉延雄
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○参考人(稲葉延雄君) お答えいたします。
 まず最初に、いわゆる業者を使って郵送するという、ポスティングとNHKでは言ってございますが、実はこれを始めるに当たりまして、総務省のガイドラインなどをよく見て、あるいはそれに精通している弁護士の意見などを聞きまして、相談しながらコンプライアンスに留意しつつ進めてきたわけでございますが、このほど郵政省の方から郵便法に抵触するとの行政指導を受けたわけでございまして、この点、本当に深くおわび申し上げたいというふうに思います。
 その上で、今の御質問でございますが、いわゆる郵送した場合と、それからこの業者を使って、何というか、送った場合との差額が言わば利益に当たるのではないかと、その金額はどのぐらいと理解しているかと、こういうお問合せでございます。
 NHKでは二〇一五年から、契約が確認できない家屋に対してポスティングというものを始めました。当時は宛名がなければ郵便は送れないという状況でございましたので、郵便で投函した場合とポスティングで投函した場合の差額を出すということがそもそも難しいということでございます。
 それから、実は最近になりまして、二〇二一年六月からは特別あて所配達郵便というのが始まりまして、これは氏名がなくてもお届けすることができるという制度でございます。これにつきましては、ポスティングの代わりという形で出すこともできるわけですけれども、制度が始まって以来時間がそんなにたっていないということで、その狙いあるいは効果がはっきりしませんものですから、単純にそのコストを比較してその差額を算出するというのはなかなか難しいんではないかというふうに思ってございます。
 ということで、いずれにしても、NHKとしては利益を得たというふうには考えてございませんので、この辺の数字をどう考えるかというお答えには控えさせていただきたいというふうに思います。
489 浜田聡
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○浜田聡君 国庫返納をする意思がないと感じました。その対応でいいのかどうか、多くの国民の皆様に判断していただきたいと思います。
 引き続き会長に伺います。
 先月二十四日、NHKの把握漏れにより新たに約三百九万通の郵便法違反が発覚したと総務省が発表しました。昨年、二千七十万通の違反が発表されたわけですが、今回、更に三百九万通の違反が出てきたということです。
 私は、今後更にNHKの新たな郵便法違反が発覚する可能性を考慮しております。会長としては新たな郵便法違反がないと言えますでしょうか。この際、会長としてNHKの郵便法違反に関して積極的に調査すべきと考えますが、御見解をお伺いします。
490 稲葉延雄
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○参考人(稲葉延雄君) まず最初に、お断りいたしたいと思います。誠に申し訳ございません、先ほどの答弁に誤りがあったということでございます。
 先ほどの答弁で、本来、総務省と申すべきところを、まだ私慣れてないのでしょうか、郵政省というふうに間違って申し上げました。おわびして訂正させていただきたいというふうに思います。
 御質問のところでございますけれども、御指摘のとおり、郵便法に違反するとして行政指導を受けた事案につきまして、対象となる投函数に報告漏れがございまして、先月、二月、総務省より再発防止策の報告を求める二度目の行政指導を受けました。
 今回の報告漏れはNHKが自主的に行った再調査によって判明したものでございまして、再調査ではポスティング施策全ての支払記録をもう一度確認いたしました。このため、現時点で更にもう一度調査をする必要はないのではないかというふうに判断してございます。
 今後については、仮にポスティング施策を再開するということになりましても、総務省に御相談して文書の内容等を確認するほか、業務記録を適切に保存、管理する体制を構築するということなど、今後このような事態が二度と起きないように徹底してまいる、そういう方針でございます。
491 浜田聡
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○浜田聡君 引き続き会長にお伺いします。
 今回のNHKによる郵便法違反ですね、NHK社内における首謀者、つまり指示、計画した人は誰なのでしょうか。
492 稲葉延雄
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○参考人(稲葉延雄君) このポスティングに係る局の施策でございますが、局としてやってきてございます。総務省のガイドラインなどをよくチェックして、弁護士などと相談しながらコンプライアンスに留意して、局としてオペレーションを実施してきたということでございます。その担当局は、当時の営業局、現在の視聴者局でございます。
493 浜田聡
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○浜田聡君 その対応でいいのかどうか、国民の皆様に判断していただきたいと思います。私は少なくとも、誰がやったのか、個人名を出してしっかりと罪を償うべきだと考えます。
 今回、NHKは、大きな犯罪をしたにもかかわらず、その後の対応がしっかりとされているとは言い難い状況です。今後も対応がしっかりとなされないのであれば、我々が日頃推進しているNHK受信料不払者を増やすことの後押しになることを指摘させていただきます。
 次に、日本郵政の筆頭株主である財務大臣に伺います。
 今回、NHKの郵便法違反によって、日本郵政株式会社はNHKに対し、民法七百九条で規定されている不法行為に基づく損害賠償請求債権を有していると考えます。その金額は、時効を考慮しなければ十億円にも上ると思われます。
 日本郵政は、現時点においてNHKに対する損害賠償請求権を行使していないと認識をしております。筆頭株主が取るべき行動の一つとして、日本郵政株式会社の取締役等に対し、会社法四百二十三条、八百四十七条を根拠として、会社、株主代表訴訟を提起することが考えられます。
 そこで、日本郵政の筆頭株主である財務大臣にお聞きします。日本郵政株式会社の取締役らに対して株主代表訴訟を提起するつもりはありますでしょうか。
494 鈴木俊一
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○国務大臣(鈴木俊一君) 本件につきましては、御指摘のような法律関係等が存在するかどうかも含めまして、日本郵政グループ等において判断が示されているわけではないことから、株主たる財務大臣として何か申し上げることは差し控えさせていただきたいと思います。
495 浜田聡
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○浜田聡君 その答弁でいいのかどうか、日本郵政株主、その他国民の皆様に判断していただきたいと思います。
 次に、今回のNHK郵便法違反に対して、政府の動きが鈍いことにしびれを切らして我々が動いてきたことも紹介させていただきます。
 昨年の十二月二十一日、我が党の立花孝志党首と私、浜田聡で、このNHKの郵便法違反について刑事告発を行いました。告発状は受理されたものの、残念ながら二月二十一日に不起訴処分という結果が返ってきました。今回の配付資料に資料を準備させていただきました。
 この件に関して法務大臣に伺います。まとめて二点伺います。
 一点は、調査期間の問題です。大規模な犯罪にかかわらず、告発状が受理されてから二か月足らずで不起訴の結果となりました。結果を出すまでに少し早いように思うわけですが、調査をしっかりされたのでしょうか。
 二点目、我々による刑事告発での告発状の不備、改善点などあれば、可能な範囲でいいですので教えていただきたいと思います。
496 松下裕子
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○政府参考人(松下裕子君) お答えいたします。
 お尋ねは個別事件における捜査の具体的な内容に関わる事柄でございまして、お答えは差し控えさせていただきたいと存じますが、あくまでも一般論として申し上げれば、検察当局においては法と証拠に基づきまして適切に対処しているものと承知しております。
497 浜田聡
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○浜田聡君 我々のNHK党、旗掲げて選挙に勝たせていただいておりますので、政府任せの他力本願のみではなく自主的に動いているということも、この機会に御周知させていただきたいと思います。
 残念ながら不起訴処分となったわけですが、今後、この件については検察審査会で御審査いただく予定です。
 今回のNHKの郵便法違反への政府の対応について国民がどのように考えているのか、特に法務・検察におかれましては御留意いただきたいと思います。
 次に、総務大臣にお伺いします。
 今回のNHKによる郵便法第四条違反は、同条、同法七十六条により三年以下の懲役又は三百万円以下の罰金という罰則があります。私はかなり重い罪だと認識しておりますが、総務省は行政指導だけで済ませていいのでしょうか。御答弁お願いします。
498 松本剛明
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○国務大臣(松本剛明君) もう既に浜田委員御承知のとおり、御指摘の郵便法違反について、NHKに対しましては、総務省として、十二月十四日、本年二月、昨年十二月十四日、本年二月十五日に行政指導を行っているところでございます。
 また、本年二月八日に、NHKの令和五年度収支予算等に付する総務大臣の意見として、未契約者等の対策として作成、送達している文書の内容、送達方法について郵便法等の法令遵守を徹底することを求めているところでございまして、私どもとしてはやるべきことを適切に行わせていただいているというふうに考えております。
499 浜田聡
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○浜田聡君 行政指導だけでいいのか、国民の皆様に判断していただきたいと思います。
 次、総務省の参考人の方々にお伺いしていきたいと思います。
 我が会派NHK党には現在二人の参議院議員おりまして、一人は私、もう一人が国会欠席を続けて世間を騒がしておりますガーシー議員でございます。
 国会欠席について様々な御批判があることは承知しておりますが、ガーシー議員は、海外から国会議員として活動するという公約に従って、その活動の一つとして、今国会からガーシー議員、質問主意書を積極的に提出するようにしました。この質問主意書というのは、文書として内閣に質問できるというものでございます。
 今回、その質問主意書の一つを取り上げさせていただきます。ガーシー議員が今国会において提出した、日本放送協会の郵便法違反に関する質問主意書というものがあります。
 内容をかいつまんで言うと、NHKは郵便法四条違反という重い罰則がある罪を犯したにもかかわらず軽微な行政指導にとどめているが、それではおかしい、政府は刑事告発すべきというものでございます。これに対する答弁書には、政府が、犯意がないから告発しないという旨が書かれておりました。
 今回使われたこの犯意という言葉ですが、私の周囲の弁護士によると、法律用語としては一般的ではないとのことでした。
 そこで伺います。犯意という言葉を使った意図は何でしょうか。よろしくお願いします。
500 藤野克
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○政府参考人(藤野克君) お答えいたします。
 御指摘いただきましたように、ガーシー議員提出の質問主意書に対する答弁書では、「協会において当該文書が信書に該当するとの事実を知りながら同条違反の犯意により信書の送達を委託したと認められるとまでは判断していない」としているところでございます。
 この同条違反の犯意と述べたわけでございますけれども、NHKにおいて郵便法第四条の規定に違反する認識があって信書の送達を委託したと総務省において現時点までに認めるに至っていないと、犯罪があったと思料するに至っていないということでございます。
501 浜田聡
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○浜田聡君 引き続き、総務省にお聞きします。
 どのような調査をしてNHKに犯意がないと判断したのでしょうか。
502 藤野克
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○政府参考人(藤野克君) お答えいたします。
 今般のNHKに対する調査でございますけれども、過去にNHKが契約勧奨活動に関して送達を委託した文書の内容や通数についてNHKに提出を求めて行っているものでございます。その上で、提出のあった文書について信書に該当するか否かの判断をしたものでございます。
 この中において、現時点までに、NHKにおいて郵便法第四条の規定に違反する認識があって信書の送達を委託したと総務省において認めるに至っていないということでございます。
503 浜田聡
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○浜田聡君 時間が来たので、最後まとめます。
 今回のNHKの郵便法違反、非常に重いものです。冒頭にも申し上げましたが、NHKへの対処がこのまま生ぬるいなら、この郵便法による規定は意味がありません。そうであれば規制緩和を進めるべきです。もちろん、今後も郵便法違反の追及は粘り強く取り組んでいくことをお誓い申し上げて、質問を終わります。
 御清聴ありがとうございました。

第211回国会 参議院 予算委員会 第4号 令和5年3月3日
350 浜田聡
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○浜田聡君 NHK党の浜田聡です。
 本日の予算委員会最後の質疑させていただきます。手短に質問させていただくこと、御容赦ください。
 まずは、北朝鮮による拉致問題について、昨日に引き続いて、NHKの稲葉会長にお越しいただき、質問させていただきます。
 今回取り上げますのは、今から三十年前、平成三年の話です。北朝鮮による拉致問題が世間に余り知られていなかったこの年の一月十六日、拉致被害者家族である有本さんたち五名は、拉致問題を周知する目的で報道陣の前で記者会見をする予定でした。しかし、NHKの者が間接的に介入をして、目的どおりの会見ができなかったというものです。
 このときの記事を配付資料として用意しました。このとき、NHKの人間による介入がなく、会見が目的どおり開かれていれば、国民に拉致問題の存在をいち早く周知でき、その後の拉致問題被害拡大を抑えられた可能性がありました。しかし、現実には、このときに拉致問題周知ができず、その周知が遅れることとなりました。つまり、NHKの人間により拉致被害が拡大した可能性があるということです。
 NHK会長に二点伺います。
 一点目、この件に関する御見解をお聞かせください。
 二点目、NHK会長として拉致問題解決への意気込みを聞かせてください。
351 稲葉延雄
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○参考人(稲葉延雄君) 御質問の通告を受けまして、改めて当時の関係者から聞き取りをするなど可能な範囲で確認をしてみました。
 平成三年一月十六日の記者会見は、有本さんからの相談を受けたNHKが手配して会場を取り、各社に声を掛けて行われたものだということのようです。
 御指摘の元書店経営者につきましては、有本さんたちの御了解を得て紹介したものだそうであります。当時、北朝鮮に関する情報が乏しい中で、この元書店経営者が予想しない情報を持っている可能性もあるということで、有本さんたち当事者の方にお話を聞いていただき、判断していただこうという趣旨をお伝えした上で話合いが実現したというふうに理解してございまして、この点については全く他意はないということのようでございます。
 こうした内容は、平成十三年に有本さんから質問状を頂戴した際に回答したと承知してございます。
 NHKとしては、引き続き、北朝鮮による拉致問題の取材に力を入れ、多角的な報道に努めていきたいというふうに思っております。
 二つ目の御質問でございます。
 実は私、日銀に、日本銀行に三十年勤務しておりました。その折、日銀の先輩である、しかも新潟支店に勤務していた横田滋さんの娘さん、めぐみさんが拉致事件の被害に遭ったということでございます。同じ組織に勤める先輩の御家族の一人が襲われた悲劇だということでございまして、私自身、その当時から、めぐみさんの早期救出、早期帰国を心から願っていたものでございます。その気持ちはNHK会長になってもいささかに変わっておりません。拉致被害者全員の早期帰国を願ってございます。
 NHKとしては、引き続き、拉致被害者の御家族の思いや解決に向けた政府などの動きを丁寧に伝えていきたいというふうに考えてございます。
352 浜田聡
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○浜田聡君 会長には、このような、過去にこのようなことがあったという指摘を心にとどめていただきたいと思います。NHKの影響力、大きいです。政府と独立しているとはいえ、我が国の公共放送として拉致問題に取り組んでいただきたいという希望をお伝えします。
 NHKの会長の意見を受けた上で、拉致問題担当大臣と総理の拉致問題への今後の取組方針を教えていただきたいと思います。
353 岸田文雄
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○内閣総理大臣(岸田文雄君) 済みません、拉致問題担当大臣、今、予算委員会に出席しておりませんので、私の方から発言させていただきます。
 拉致問題は重大な人権侵害であり、私の内閣においても最重要課題であります。私自身、一昨日、家族会、救う会の皆様と官邸でお会いをし、運動方針に込められた切実な思い、改めて伺ったところです。
 拉致問題は時間的制約のある人権問題です。もはや一刻の猶予もないとの切実な思い、訴えを重く受け止めなければならないと考えています。全ての拉致被害者の一日も早い帰国実現に向け、あらゆるチャンスを逃さず、引き続き果断に行動してまいります。
354 浜田聡
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○浜田聡君 私も一国会議員として拉致問題解決に向けて努力することをお誓い申し上げて、次の質問に移ります。
 次に、PTAについて、永岡文科大臣に質問させていただきます。
 PTAは、戦後、米国から我が国に伝わったと認識をしておりますが、当時から現在に至るまで時間が経過しており、PTAの存在価値が以前とは異なっていると思います。端的に言いますと、PTAを不要と考える方が多いのではないかということでございます。PTAに関するトラブルに困って、PTA退会者から私の元に度々相談が寄せられます。
 そこで、永岡文科大臣にお聞きします。
 全国各地のPTAに関するトラブルに関して、文科省で把握している情報を踏まえ、文科大臣の受け止めをお願いします。
355 永岡桂子
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○国務大臣(永岡桂子君) 浜田委員にお答え申し上げます。
 報道等を通じまして、PTAの入退会等に関しますトラブルがあったということは承知をしているところでございます。
 PTAというのは保護者と教員で構成されます任意の団体でございまして、個々のPTAで生じますトラブルにつきましては、当該PTAが主体的に判断をして、そして解決するべきものと、そういうふうに考えている次第でございます。
356 浜田聡
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○浜田聡君 次に、永岡大臣と岸田総理に二点まとめてお伺いします。
 一点目は、まあ任意の団体ということなんですけど、PTAの入退会の自由についてです。
 私は、PTAの入会、そしてPTAからの退会は自由であると考えます。文科大臣、総理も、PTAの入会、そしてPTAからの退会は自由であるという考えであるのか、お聞きしたいと思います。
 もう一点は、PTAの入退会は自由であるなら、退会によってその保護者の子供が嫌な思いをすることはあってはならないのではないかという点でございます。
 PTAを退会すると、例えば我が子だけPTAから配付される卒業証書やコサージュなどが受け取れなくなるなどの運用、改めるべきではないかと考えますが、御見解を伺います。
357 永岡桂子
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○国務大臣(永岡桂子君) PTAというのは、児童生徒の健やかな育成のために、保護者とそれから先生とで構成されます、先ほども申し上げましたけれども、任意の団体でございます。学校、家庭、地域の連携を強化していく上で重要な役割が期待をされているわけでございます。
 PTAは任意の団体であることから、その具体の運営につきましてはそれぞれの各学校のPTAが自主的に判断をしていくものでございまして、入退会につきましては保護者の自由であるものと、そう考えております。
 また、御指摘の卒業証書入れなどの配付につきましては、子供がやはり嫌な思いをすることがないように、PTAと学校がよく話し合うなど連携を取りながら、誰が配付するかを含めまして解決をしていただきたいと、そういうふうに考えている次第でございます。
 また、やはり何といっても、PTAの運営に当たりましては、子供の気持ちにも配慮をしながら、PTAと学校、また同じようですが、連携をしていただくというのが大事だと考えております。
358 岸田文雄
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○内閣総理大臣(岸田文雄君) 当然のことながら、基本的には文科大臣と同じ考えであります。
 先ほども文科大臣からありましたように、PTAは学校の児童生徒の保護者と先生とで構成される任意団体であります。その具体の運営について、それぞれのPTAが自主的に判断をし、入退会については保護者の自由であるものと私も考えております。
 そして、御指摘の卒業証書入れ等の配付については、このようなPTAの位置付けからすると、国が一定の考えを示すのではなく、子供が嫌な思いをしないように、それぞれのPTAと学校がよく話合いをすることなど、連携しながらお決めいただくことが適切であると考えています。
359 浜田聡
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○浜田聡君 御答弁ありがとうございます。
 常に子供たちのことを第一に考えることが重要だと思います。PTAに関する議論、今後も続くと思いますが、政府におかれましては国民の声に常に御留意をいただきたい旨を申し上げまして、質問終わらせていただきます。
 御清聴ありがとうございました。

第211回国会 参議院 予算委員会 第5号 令和5年3月6日
441 浜田聡
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○浜田聡君 NHK党の浜田聡でございます。
 予算委員会最後の質疑です。委員の皆様には、少数会派にも質問時間など御配慮いただき、ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
 まずは、憲法改正について質問させていただきます。
 現行憲法が一九四七年五月三日に施行されてから七十五年になろうとしております。その間、この現行憲法は一度として改正されておりません。改正すべきかどうかは最終的には国民の皆様に委ねられるわけですが、私は一国会議員としては、現行憲法において誤植ではないかとの指摘されている部分くらいは修正すべきとの考えです。
 というわけで、今回、憲法の条文において誤植と指摘されている部分を取り上げさせていただきます。(資料提示)
 憲法七条四号に、天皇の国事行為として次の規定があります。「国会議員の総選挙の施行を公示すること。」。この条文は、国会議員と、文言でありまして、衆議院議員と参議院議員を一緒にしていますが、総選挙は衆議院議員だけです。現行の国政選挙の制度の下では、参議院は三年ごとに半数の改選であり、仮に衆参同時選挙があったとしても国会議員の総選挙はあり得ません。
 ちなみに、自民党の改憲案を見てみますと、この部分は「衆議院議員の総選挙及び参議院議員の通常選挙の施行を公示すること。」となっており、現行制度と整合性の取れる文言となっております。
 そこで、選挙を担当する総務省の総務大臣にお聞きします。憲法七条改正の必要性について御見解を伺いたいと思います。
442 松本剛明
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○国務大臣(松本剛明君) 御指摘の憲法第七条四号に規定する総選挙でございますが、これは、全国全ての選挙区において同時になされる選挙を指し、公職選挙法で言うところの衆議院の総選挙のみならず、参議院の通常選挙もこれに含まれると解されております。
443 浜田聡
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○浜田聡君 有権者の皆様全員が政策の細かいところを勉強する時間はなかなかないわけで、だから憲法改正は分かりやすい修正程度から始めるべきというのが私から国民の皆様への御提案でございます。
 次の質問に移ります。
 最近、この国会においても活発に議論されております、先ほどもありました同性婚の法整備に関する話です。こちらも憲法と関わってきまして、パネルの方、用意させていただきました。
 憲法二十四条、婚姻は、両性の合意のみに基づいて成立と書いてあります。国会の議論でも度々出てくることですが、この条文があるがゆえに、我が国では同性婚は憲法で規定されておらず、同性婚の法整備に障壁となっていると思われます。
 そこで、法務大臣にお聞きします。
 同性婚の法整備をするために憲法二十四条の改正が必要ではないかと考えるわけですが、憲法二十四条の改正の必要性について御見解を伺います。
444 齋藤健
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○国務大臣(齋藤健君) 憲法第二十四条第一項は、婚姻は、両性の合意のみに基づいて成立すると規定しておりまして、当事者双方の性別が同一である婚姻の成立、すなわち同性婚制度を認めることは想定されておりません。
 憲法第二十四条第一項が同性婚制度の導入を許容しているか否かにつきましては、見解が分かれているところであり、現在、政府においては、想定されていないということを超えて、いずれかの立場に立っているわけではございません。
 したがって、同性婚制度を導入することが憲法第二十四条第一項に違反するか否かは、同性婚制度を導入するために憲法改正が必要となるかについてお答えすることは困難であります。
445 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 この憲法二十四条については、そもそも憲法に余計なことを書くからおかしな話になるのだと思います。この両性の合意の文言をなくすことで、現在長い時間を掛けて議論されている同性婚の法制化に関する最大の障壁がなくなると言っていいと思います。
 というわけで、同性婚の法整備に積極的な議員の皆様には是非とも憲法審査会で積極的に御議論いただきたいと思います。衆参での憲法審査会において審議拒否があるとすれば、この議論を停滞させる可能性について国民の皆様に考えていただきたいと思います。同性婚の法整備を求める方々には、この憲法二十四条の改正が最重要課題である、そう申し上げて、次の質問に移ります。
 次に、同性婚の法整備と関連することとして、最近、議員立法が提出されるなど積極的な議論がなされておりますLGBT関連の法整備に関する話です。
 このLGBT関連の法整備に関して、しばしば出てくるポイントとして、世界各国、特にG7各国との比較が挙げられます。確かに、今年は日本、G7議長国でもありますし、G7各国は我が国と同様、自由、民主主義、人権、法の支配といった基本的価値観が共通しており、そういった国々の事情を知ることは重要だと思います。
 ただし、性的マイノリティーの議論に関しては、日本と他の西欧諸国とは大きく異なる点があると思います。それは宗教です。
 日本以外の国は、基本的にはキリスト教国であり、過去に多かれ少なかれキリスト教による性的マイノリティーへの迫害があり、その反省から法整備が促進されたものと認識をしております。一方、日本においては、キリスト教が布教した地域はあるとはいえ、国の歴史においてキリスト教で見られたような大規模な迫害があったわけではないと認識をしております。
 私は、LGBTの法整備はすべきと考えるわけですが、LGBTの法整備についてG7を引き合いに出す際には、このような日本と他のG7各国の歴史的背景の違いを意識すべきと考えるわけでございます。
 そこで、共生社会担当大臣にお聞きします。
 LGBT関連の法整備に関して、日本と他のG7各国の歴史的背景の違いに関する御見解を伺いたいと思います。
446 小倉將信
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○国務大臣(小倉將信君) お答えいたします。
 日本以外のG7諸国は、性的指向、性自認に基づく差別を禁止する何らかの法令を有しているものと承知しております。
 他方で、歴史的に見ても各国を取り巻く事情は異なるという、委員が述べられたような御指摘もあることは承知をしておりまして、また、これまで繰り返し申し上げたように、各国の取組と我が国の現状については、これらを一概に比較することは困難であると考えております。
 いずれにいたしましても、LGBT理解増進法については、各党においても提出に向けた準備を進めておられると承知しておりまして、政府としては、まずはこうした議員立法の動きを尊重しつつ見守っていきたいと考えております。
 さらに、政府としては、多様性が尊重され、全ての人々がお互いの人権や尊厳を大切にし、生き生きとした人生を享受できる社会の実現に向けて、引き続き様々な国民の声を受け止めてしっかりと取り組んでいきたいと考えております。
447 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 岸田総理におかれましては、G7に出席された際には、欧米諸国と異なる日本の宗教上の特殊性について、是非とも各国の皆様に御説明いただければと思います。
 LGBT関連法については、議論はしっかりすべきというのは私も当然だと考えております。しっかりすべきということはもちろんですが、さらには、早急に結論を出すのは避けるべきとも申し上げたいと思います。
 引き続きまして、G7各国との比較という点から話をしていきたいと思います。
 今度の話は政党についてでございます。
 先に自身の問題意識を申し上げますと、日本には政党とは何かを規定する政党法がありません。ということで、政党法を作るべきということでございます。さらには、政党の情報公開、透明性向上を図れということでございます。
 今回の話の中心として、共産党さんが出てきます。政党法という観点からは現在の共産党さん以外の国政政党にも課題はあるとは思いますが、そんな中、今回、共産党さんを特に批判する形になって恐縮なのですが、政府の監視対象にあるかなり特殊な政党として、どうしても共産党さんの名前、出さないわけにはいかないことですので、叱られることを承知の上でお話しさせていただきます。
 G7各国は、自由、民主主義、人権、法の支配といった基本的価値観、共通しております。そういう価値観であるからこそ、そういった国においては、暴力革命によって自由と民主主義を破壊する勢力である共産党が、共産党から国会を守るというのが自由主義陣営の基本的な考え方とされておりまして……(発言する者あり)
448 末松信介
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○委員長(末松信介君) 静粛にしてください。
449 浜田聡
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○浜田聡君 共産党が非合法化されているという認識でございます。
 実際に、G7各国など、欧州、西欧諸国における共産党の扱いを見てみますと、例えばドイツやフランスは事実上憲法で非合法化されており、アメリカやイギリスは運用によって活動させないようにするなど、多くの西欧諸国では事実上共産党が非合法化されております。G7各国においては、自由、民主主義、人権、法の支配といった基本的価値観が共通しているがゆえに、暴力革命によって自由と民主主義を破壊する勢力である共産党が非合法化されているのは合理的だと思いますが、一方、日本はそうではありません。
 今回、参考資料として、先進国の中で共産党が合法化されていることの特殊な事情について書かれたデータ、デイリー新潮の二〇二九年二月十九日の記事を用意させていただきました。LGBTの方々の法整備に関してG7各国を引き合いに出すのであれば、共産党の非合法化も選択肢の一つとして検討に値すると考えます。
 そこで、法務大臣にお聞きします。
 世界各国において共産党が非合法化されることに関して、そして、我が国政府の共産党へのこれまでから今後の対応に関して御見解を伺います。
450 末松信介
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○委員長(末松信介君) 浜田聡君に申し上げます。
 両筆頭理事、こちらに来られまして、この予算委員会は対政府に対する質疑でございますので、特定の政党を批判する場ではございません。その点、間違いないように御質問いただきたいと思います。
 どなたに答弁を求めるんですか。じゃ、法務大臣ですね。
451 齋藤健
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○国務大臣(齋藤健君) 必ずしも外国の制度について網羅的に承知をしているわけではございませんが、例えばフランスにおきましては共産党が存在しているものと承知をいたしております。
 あと、我が国政府への対応ということのお尋ねがございました。
 お尋ねの共産党が日本共産党であるとすれば、同党については公安調査庁における破壊活動防止法に基づく調査対象団体となっているところでございます。
452 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 この話の冒頭でも話しましたが、私の問題意識は我が国に政党法がないことでございます。
 政党法といった際には、まずモデルとされるのが……(発言する者あり)
453 末松信介
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○委員長(末松信介君) 静粛にしてください。
454 浜田聡
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○浜田聡君 ドイツ憲法であると思われます。ドイツの憲法では政党について記載があり、次のような内容です。
 二点ありまして、一点目は、政党は国民の政治的意思の形成に協力すること、その設立は自由であり、その内部秩序は民主的諸原則に従い、その資金の出どころなどを公開することとされています。二点目は、自由で民主的な基本的秩序を侵害、除去すること、又はドイツ連邦共和国の存立を危うくすることを目標として活動する政党は違憲であると規定されております。
 日本共産党は、綱領からは暴力革命の文言は消えたと承知しておりますが、日本政府の見解としては……(発言する者あり)
455 末松信介
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○委員長(末松信介君) 静粛にしてください。
456 浜田聡
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○浜田聡君 暴力革命の方針を放棄したとはみなされていないものと承知をしております。
 ただ、まあいろいろと議論、お叱り受けておりますが、現状を鑑みると、日本において共産党さんを非合法化するというのは私もハードルが高いとは思います。
 繰り返しになりますが、最も言いたいこととしては、政党法……
457 末松信介
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○委員長(末松信介君) 浜田委員にお伝えします。
 あなたに質問権はございます。ただ、対政府に対する質疑であるということ、そのことを御認識するように、良識の場でありますので、よくそのことを念頭に置いて御質問ください。
458 浜田聡
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○浜田聡君 はい。
 この件は国防に関わる重要なことでございますので、あえて質問の方をさせていただきました。
 最も言いたいこととしては、政党法を作って、政党の情報公開や透明性を担保すべきということでございます。政党は、一応は私的な組織かもしれませんが、いずれは政権担当を目指すということになると、内部自治の状況や仕組み、様々な活動を国民に確認可能な形にしていく必要があるということでございます。
 政党法を作ろうという議論になった場合には、各政党におかれましても改めてその組織の在り方が議題となり、それは各政党にとってそれぞれプラスになるものと私は確信しております。既に、政党法を作るべきだと公表されている政党は既にありまして、私はそういった政党に敬意を表します。
 このような議論が今後広がっていくことを期待しつつ、私も努力していくことを申し上げ、少し時間余りましたが、質問を終わります。
 御清聴ありがとうございました。

第211回国会 参議院 予算委員会 第7号 令和5年3月8日
417 浜田聡
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○浜田聡君 NHK党、浜田聡でございます。
 本日、予算委員会最後の質疑させていただきます。委員の皆様には、少数会派にも質問時間など御配慮いただき、ありがとうございます。よろしくお願いします。
 今回は、今国会で審議される地方公共交通の活性化及び再生に関する法律等の一部を改正する法律案について質問をさせていただきます。
 今回の改正案については、現在、滋賀県で検討されているいわゆる交通税導入と大いに関係あるということで、国民の皆様に大いに関心を持っていただきたいと思います。
 今回の法律の目的は、地方公共交通を存続させるためと認識をしております。公共交通を使わない人もみんなで支えていこうという考え方で、滋賀県の交通税は、まさにこのみんなが必要だからみんなで負担して当たり前という視点から考えられており、そのために数十億という予算が必要であるという試算を出しております。
 今回、配付資料の最後に日経新聞の記事を用意させていただきました。それを賄うために増税をするという、私はとんでもない政策だと考えております。増税につながるこの法案に関して、法そのものの必要性自体を考え直してほしいという点から質問します。
 赤字路線廃止に関して、全国で高校生などが反対運動をするなど公共交通への注目は高くなっていますが、通学手段が校則などによって制限されていることで、鉄道やバスなどしか交通手段がないという現状もあります。通学手段をバイク通学やタクシー通学、さらには電動スクーターなど多種多様な方法を認めることで対応可能な場合があります。今回、参考記事で、配付資料として用意させていただきました。
 国土交通大臣にお聞きします。
 例えば、茨城県や山梨県の高校生に好評なバイク通学許可の例を全国に広げるなどの取組をするなど、鉄道やバスなどの赤字路線を無理やり維持する以外にも方法があることについてどう思われるか、お聞かせください。
418 斉藤鉄夫
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○国務大臣(斉藤鉄夫君) 各地域における学生生徒の個別具体的な学生手段については国土交通省としてコメントする立場にはありませんが、学生を含めた地域住民の移動手段の確保については、地域の実情を踏まえ、各地域において御議論いただくことが必要であると考えております。
 国土交通省としては、法律、予算などあらゆる政策ツールを総動員した支援により、こうした地域の取組をしっかり支えてまいりたいと考えております。
419 浜田聡
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○浜田聡君 鉄道やバスなどの赤字路線を無理やり維持する以外に、いわゆる規制緩和で地域の足を維持するという発想の重要性を多くの国民の皆様に知っていただきたいと思います。
 次の質問です。
 先ほどは高校生を話題にしましたが、地域の足の問題に最も直面する高齢者の方々も利用可能な今後の代替手段として超小型モビリティーやライドシェアが挙げられます。これら超小型モビリティーやライドシェアなどは、初期投資においても低コスト、維持についても低ランニングコストという方向で近年開発が進められていると思われます。地方公共交通の存続が危ぶまれる状況というのは、視点を変えればこのような最新技術を我が国でも普及させられる機会ではないでしょうか。今回、参考記事を配付資料に用意しております。
 そこで、国土交通大臣にお聞きします。
 新規技術の開発促進や新規参入の開放をすることで公共交通の諸問題に関して意欲的な人材の起業を促すなど、未来の公共交通ネットワークを見据えたリデザインを推進すべきときが来ていると思いますが、大臣の見解をお聞かせください。
420 斉藤鉄夫
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○国務大臣(斉藤鉄夫君) 浜田委員御指摘のとおり、地域交通は大変厳しい状況にありますが、新しい技術や投資も取り込んで地域公共交通のリデザインを進めることにより、利便性、持続可能性、生産性を高めることは大変重要であると考えております。
 このため、こうした考えの下、予約に応じてAIが最適な経路を決定することでコストを削減するAIオンデマンド交通、それから中長期的なコスト削減につながる自動運転、それから利便性向上により公共交通の利用促進につながるMaaS、バスなどのEV化に当たってコストを削減するエネルギーマネジメントシステムの導入など、地域交通のDX化、GX化に資する先進的な取組を支援してきたところでございます。
 今後とも、こうした新しい技術を活用して交通システムのDX、GXを進めることにより、持続可能性、利便性、生産性の高い交通ネットワークを構築してまいりたいと考えております。
421 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 いわゆる規制緩和で地域の足を維持するのみならず、地域の成長も可能であるという発想を多くの国民の皆様に知っていただきたいと思います。
 我が国の公共交通投資に際して世界各国の政策を参考にされていると思いますが、新しい公共交通施策が行われている各国、例えばフランスなどの国においてコストの考え方、どのようになっていますでしょうか。参考人にお聞きします。コストの大幅な増大を無条件で認めているのでしょうか。お願いします。
422 鶴田浩久
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○政府参考人(鶴田浩久君) お答え申し上げます。
 各国の交通政策でございますが、それぞれの状況や経緯を踏まえて成り立っておりますので網羅的に調査しているものではございませんが、例えば今御指摘のあったフランスにおきましては、地方自治体が計画を作成しまして、都市圏のネットワークを一括して交通事業者に委託すると、その際、事業者にコストカットを促す定額補助金契約が多いと承知しております。
423 浜田聡
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○浜田聡君 無尽蔵なコスト負担はどこかで限界があるし、どの国でもそこは意識されていると思います。我が国もコスト意識重要である、そう申し上げさせていただきます。
 次の質問です。
 法案が施行されれば、地方公共団体には再構築協議会の設置やそれに関する様々な事務事業が課せられることになりますが、それに伴い新たな人件費、調査研究費などが増加するなど、赤字路線の維持コスト以外にも派生的に地方自治体の予算が肥大化し、その解決に住民の増税を求めることにならないかという国民の懸念が考えられます。
 国土交通大臣にお聞きします。この懸念に対する反論などがあれば教えてください。
424 斉藤鉄夫
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○国務大臣(斉藤鉄夫君) 地域公共交通につきましては、これまで地方自治体が協議会を組織してきましたが、今回の改正法案に盛り込んでいる再構築協議会は、国が協議会を組織して再構築の方針をまとめていくこととしております。また、再構築協議会で行う調査、実証事業の必要経費への支援や地方自治体が再構築方針に基づいてインフラ整備に取り組む場合の社会資本整備総合交付金による支援など、新たな支援策を講じているところでございます。
 さらに、再構築方針に基づいてインフラ整備に取り組む場合の地方自治体による負担分についても地方財政措置の拡充などの措置を講じることとしており、国としては、こうした支援を通じて地方自治体の負担軽減にも配慮してまいりたいと思っております。
425 浜田聡
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○浜田聡君 時間が来ましたのでもうまとめますが、増税をするのではなくて、規制緩和で地域公共交通の維持、そして地域の成長は十分可能である、そう申し上げて、私の質問を終わります。
 御清聴ありがとうございました。

第211回国会 参議院 予算委員会公聴会 第1号 令和5年3月9日
063 浜田聡
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○浜田聡君 浜田聡でございます。
 お二人の公述人の先生方、本日はどうもありがとうございました。
 早速、片岡公述人にお聞きしていきたいと思います。日銀の審議委員として大変お疲れさまだったと思います。
 私の問題意識としては、日本が経済成長するために大きな問題の一つは、国民負担率四八%というのは高過ぎるんではないかなという、そういう問題意識はあります。先生は日銀で金融政策担当されたわけですが、一方で財政政策に関しても多分いろいろと言いたいことがあったのではないかと思います。
 で、私の質問としては、今後、日本、特に消費税どうあるべきか。税率、具体的な税率など教えていただければと思います。
064 片岡剛士
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○公述人(片岡剛士君) 御質問どうもありがとうございました。
 国民負担率の議論がございましたけれども、私自身、日本の現状といいますのは、所得がほとんど増えない状況で国民負担率が四七、八%と、こういう状況ですので、これは過大ではないかという理解をしています。
 ですから、そういう意味では負担を下げていく必要があると思うんですけれども、金融政策という意味で申し上げれば、やはりそのためにはデフレから完全にしっかり脱却をして、賃金が増える、所得が増えると、こういう状況をまずつくっていくということが重要なんじゃないかというふうに思います。で、その上に立って、消費税を含む税率の負担というものを考えていく必要があるのかなというふうに理解しています。
 以上です。
065 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 引き続き、片岡参考人にお聞きしたいんですけれど、金融緩和をアベノミクスの下進めて、私はしっかりと効果があったと思いますし、財政政策が、消費税増税が足を引っ張ったとも思っております。
 ただ、この金融緩和なんですけれど、やっぱり物価の安定的上昇が軌道に乗るまではという表現が正しいのかどうか分かりませんが、ある程度続ける必要があるとも思いますが、今後どのくらいの期間続けるべきだと考えていますでしょうか。
066 片岡剛士
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○公述人(片岡剛士君) 御質問どうもありがとうございます。
 金融緩和、現状のものをどれぐらい続けるべきなのかということなんですが、一つのメルクマールとして、やはり二%の物価安定目標を日銀が達成できたというふうにまず判断することというのが大事だと思います。
 現状は、来年、再来年度以降、物価が徐々に下がっていくという中で、二%の目標が達成できないというふうに日銀としては判断されておられると思うんですけれども、そういう状況であれば、現状の金融政策を転換するというのは難しい。
 そして、持続的という話が日銀の中では目標としては掲げられているんですけれども、これはどういうことを意味するかというと、賃金が安定的に上がっていく状況をつくり出すということなんだと思うんですね。ですから、現行のようにコストプッシュ的な要素を幾分含んだ物価上昇ではなく、所得が増える形の中で、ディマンドプルですね、需要が増える形で物価が上がっていくと。こういう状況がしっかり観察できて、それが多少のことで崩れない、そういう状況になるというのが、これが必要条件なんだというふうに思います。
 以上です。
067 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 それでは、八代公述人にお聞きしていきたいと思います。
 私、昨年から予算委員会に出席させていただいて、岸田総理が雇用の流動性という言葉を使っておられるのが非常に印象的だったわけでございます。私も、やはり雇用の流動性、非常に重要だと思います。
 先ほど礒崎委員のやり取りで、日本の解雇規制に関するお話がありました。改めて、日本の解雇規制の在り方について今後どうすべきかということをお聞かせいただきたいんですけれど、解雇を考える際に、例えば金銭解雇をする際にも、これ大企業と中小企業で結構事情が変わってくるんじゃないかなと思いますので、その点を踏まえた今後の解雇規制の在り方について教えていただければと思います。
068 八代尚宏
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○公述人(八代尚宏君) 御質問ありがとうございました。
 雇用の流動性というのはいろんな意味があるわけですけれども、少なくとも私は、労働者が一旦会社に入った後も自由に別の会社に移れるようにするということが大事ではないかと思います。これは、例えば東京とカリフォルニアのロサンゼルスかどこかの労働者の意識調査を比較した研究があるわけですが、アメリカの労働者の方が幸福度が高い、現状の職場に満足度の高い人の方がはるかに多いという結果が出ていると。これはなぜなのかというと、アメリカの労働者の場合は今の職場に不満があれば自由に移れるわけなんですが、日本の会社では、移ることはもちろんできるんですが、移ると結果的に年功賃金の下で損をしてしまうという形で、今の会社に閉じ込められてしまっているという状況があるんじゃないかと。
 ですから、年功賃金というのは、一見すると労働者にとってメリットがある仕組みなわけですけれども、同時に、企業から見ると、企業内訓練をした労働者を企業の中に閉じ込める仕組みでもあるわけなんですね。それが、幾ら閉じ込められても過去の高い成長期のように企業の組織がどんどん発展していけば労働者にとってのメリットは大きいわけですが、ほとんど企業が成長もしない低成長の時代に、企業の中に閉じ込められてどんどん働かされる。長時間労働を幾らしても、それが将来の昇進に結び付けばいいわけなんですが、そういう時代は終わって、結果的に、何というか、出世もできないのに猛烈に働かされているというのが日本の現状ではないかと。
 こういうときには、やっぱりもっと労働者が自由に動けるようにする必要があるんじゃないか。そのためには、やはり行き先を広げることもあるわけでして、やはり企業から見て辞めてほしい人というのは必ず一定数いるわけですよね。そういう人はもちろん希望退職にも応じてくれないわけで、そのときに、やはり正社員の雇用保障というのを守りつつ、しかしミスマッチというものは防ぐということで、ヨーロッパではドイツから始まって、解雇の金銭補償というルールを政府が定めるわけですね。これ、一種の私は解雇手当だというふうに理解しているわけです。
 ですから、勤続年数等に応じた公平な形での解雇手当というものをつくることによって労働者も企業も満足できるような形で会社を替わるということができるようにするというやり方を、なぜ日本では受け入れられないのかということを考えているわけですね。あくまでも、これは労働者の目線から考えて私は必要なものだと思います。
 それから、委員が先ほどお話ししました大企業と中小企業の差なんですが、私はそれは余り考えてはいけないと思うんですよね。つまり、それを認めたら統制経済になってしまうわけで、そもそも大企業と中小企業の差は何なのかということで、今、中小企業が優遇されているのでどんどん大企業が減資をして中小企業のふりをする、あるいは会社を分割して、そういうことも進んでいるわけで、余り規模別の違いというのは労働法制では余り考える必要はないんじゃないかというふうに思っております。
 以上です。
069 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 引き続き、八代公述人にお聞きしたいんですけれど、労働者の保護というのは非常に重要だと思います。一方で、日本は、まあ労働三法というのもありますし、更に労働組合の存在もあります。この法律とその組合に関して今後どうあるべきかみたいなお考え、あれば教えていただきたいと思います。
070 八代尚宏
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○公述人(八代尚宏君) 今は労働組合法というのがちゃんとありまして、組合活動は保護されているわけですね。ただ、問題は、日本の労働組合というのが欧米の職種別と違って企業別の組合なわけでして、これはいい面も悪い面もあるわけですよね。
 いい面というのは、会社との利益の協調ということで、欧米のようにやたらにストライキはせずに、会社、企業が成長してその利益を賃金に分配するという形でウイン・ウインの関係にあるという点は非常にいいわけですが、一方で、これはインサイダー、アウトサイダーの議論ということで、会社の中で正社員として守られる労働者と守られない非正社員との格差というのはどうしても拡大してしまう。
 ですから、この中のその折り合いをどう付けるかということで、これは労働組合の、まあ何か法的なものをいじるというよりは、一部の先進的な労働組合がやっているような企業内の最低賃金、つまり政府が決めた最低賃金を上回るものを個々の企業内で組合が交渉して定めると。で、正社員の場合はほとんどそれは影響ないわけで、そこで働く非正社員の人も利益の上がっている企業の場合は労働組合の力で最低賃金をつくることによって引き上げると、そういうことを企業内労働組合ができるような仕組みを促していくというのは大事じゃないかと思っております。
 以上です。
071 浜田聡
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○浜田聡君 時間が来ましたので終わります。
 今後の政策立案に生かしていきたいと思います。本日はどうもありがとうございました。

129 浜田聡
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○浜田聡君 浜田聡でございます。
 昨日まで会派名NHK党だったんですけど、本日から政治家女子48党とさせていただきました。私自身は男性なので、この名前、私含めて皆さん違和感あると思いますが、よろしくお願いいたします。基本的には、政治に挑戦したい方、候補者としては女性という形になります。よろしくお願いします。
 本日、公述人のお二人の方々、どうも本当にありがとうございました。
 早速質問していきたいと思うんですけれど、まず、ちょっと本筋から離れるかもしれなくて恐縮なんですけれど、国際比較の指標の適切性についてお聞きしたいと思います。
 といいますのも、例えばジェンダーギャップ指数というのが度々聞かれるわけですね。こちらは、よく言われることですが、先進国は日本は最下位とされております。一方で、ジェンダー不平等指数というのがあります。こちらは内閣府のウェブサイトにも載っているものなんですけれど、こちらは日本の順位見てみると二十四位ということで、さほど世界の中で劣っているわけではないように思うわけで、何が言いたいかというと、指標の選択によって結構変わってくるなというところなので、この国際比較の指標についてお二人の御意見をいただければと思います。
130 大日向雅美
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○公述人(大日向雅美君) お答えいたします。
 御指摘のとおり、国際比較というのは非常に難しゅうございます。背景となる文化、社会の仕組み、様々に違うという、そこをやはりどれだけ勘案するということが大事だと思います。
 ただ、ジェンダーギャップ指数で私は注目すべきは、日本の女性が置かれている経済分野、政治分野の低さです。昨年の指数では、百四十六か国の中で経済分野は百二十一、政治参画分野は百三十九、これは指標の背景にある文化、社会の構造の仕組みを問わず、例えば議員の参加率を見ても明らかです。あるいは、女性の非正規雇用が多い、賃金格差、これも明らかです。
 明らかなところ、特に女性に関しては政治的参画と経済的自立、これは女性が、まあ全ての人がということですが、自分らしく、自分の大切に生きるメルクマール、まず第一歩だと思います。そこは私は大事な点だと思っております。
 以上でございます。
131 本田由紀
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○公述人(本田由紀君) 国際比較、確かに難しいんですけれども、重要なことが二つあると思います。
 それは、できるだけ多くの国際比較データを使う、多角的に見るということです。あともう一つは、ジェンダーギャップ指数もそうですけれども、ざっくりしたランキングみたいになっているものは、それが一体どういう項目の寄せ集めから成り立っていて、それは妥当なのかどうかということまで掘り下げて見ていくということが重要で、小さい項目に下りれば下りるほどそこから得られる日本の状況が詳しく分かったりすることは多々ありますので、この二点に気を付けて使えば、国際比較の様々なデータを、日本の状況が、日本が今どんな国なのかということを把握するために使うことはむしろ不可欠だと思っております。
 以上です。
132 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。大変参考になりました。
 次に、本田公述人にお伺いしたいと思います。
 教育不足と関連して、その対策の一つになるかどうかということで、教育のDXについてでございます。
 これ、デジタル技術を用いて教育現場を良くするということだと私は承知しているんですが、私自身、大学二回行っておりまして、特に二回目の受験のときには、いわゆる民間の教育、予備校、いわゆる予備校でお世話になったわけなんですけれど、二十年前なんですけれど、衛星放送、衛星教育といいますか、そういう授業だったわけですね。つまり、教員の方が目の前にはいなくて、画像を通して授業を受けるというものでございます。
 これですと、いろいろといいことがありまして、一人の教員の労力で全国各地で授業ができるという利点もありますし、もう一つは、やっぱり衛星放送で授業をさせるということは、それなりに教え方がうまい者が選ばれるわけなんですね。
 ということで、これについては、教員不足の解消、まあ解消になるかちょっと分からないんですけど、そこの対策にもなると思いますし、あと、教育、教員のレベルアップにもつながると考えているわけなんですが、先生の教育DXに関するお考え、いただければと思います。
133 本田由紀
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○公述人(本田由紀君) ICTは、私は、例えば学校の運営業務などに関しては使っていけばいいと思います。ちょっと情報の管理、個人情報などは学校はなかなか厳密にしなければならないので、そこはしっかりやるとしても、業務を効率化していくということは必要だと思います。
 教育のごく一部にオンラインでの教育などが含まれていてもいいと思いますけれども、それで今の教育の大問題が全部解決されると思ったら大間違いであって、オンラインというのは、多くの全国の、おっしゃいましたね、全国の多数の子供、児童生徒は一人の教員の授業を見ることはできますね。見るわけです。もう数万の児童生徒対一人の教員の授業ですね。これは極めて一方向的ですね。一方向の知識を伝達してくださるものを多くの児童生徒が受動的に受け止めるような形態の授業にならざるを得ないわけです、オンラインというのは往々にして。そうではない双方向的なオンラインもありますけれども、それは当然ながら多数の教員が少ない子供たちを相手にしなければなりませんね。
 ということで、今必要なのは、きめ細かいやり取りであったり、個々の教員がそれぞれの子供のつまずきや良いところをきちんと見取って、足りないところは埋め、良いところは伸ばしという、そういうやり取りが必要なわけで、それはオンライン教育などで解決されるものではない。
 だから、事務的なところでDXは最大限活用していただき、教育では部分的には活用可能だと思いますけれども、それが魔法のつえのようになるわけではないということは申し上げておきたいと思います。
134 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございました。
 次は、お二人にお聞きしたいんですけれど、少子化対策ということで、子育て支援のお話、多くいただきましたし、教育に関するお話もいただきました。ただ、少子化対策というのは、そもそも結婚というのが非常に重要なんじゃないかなと思います。もちろん、今の世の中、多様な社会ありますので、家族の在り方はいろいろあると思いますが、やはり結婚というのは重要だと思います。
 そこで、結婚という選択を後押しするような政策に関して御意見をいただければと思います。
135 大日向雅美
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○公述人(大日向雅美君) お答えいたします。
 私は、結婚は、愛する人と人生を共にするためにすべきものであって、少子化対策ではないと思っています。子供を産むために結婚するわけではありません。不妊の方もいらっしゃいます。様々な事情で子供を持たない選択がなさる方もいらっしゃいます。多様な生き方をどれだけこの日本社会は認めてこなかったか。
 今、少子化対策というその、まあ確かに有事だと言われます。だからといって、結婚を後押しすればいいということでは私はないと思っています。むしろ、繰り返して恐縮でございますが、女性が本当に自分の人生を自分らしく生きられる、そしてそれを、パートナーである男性も同じです、共に生きる、それが結果的に結婚という形になれば、それはとても良いと思いますが、少子化対策に結婚の後押しということは私はうなずけません。
 以上でございます。
136 本田由紀
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○公述人(本田由紀君) 私も大日向公述人と同じです。
 既に地域によっては、いわゆる官製婚活と呼ばれるような、結婚しろしろ的な施策が打たれているような地域もあります。そういう圧迫、近隣に何か仲人を名のるような人がいて、しないのかとか、しろとか、これはどうじゃとか言ってくるような状況そのものが、むしろその地域から若者、特に女性ですね、を外に流出させるようなことになってしまっていると思います。
 大体、人の気持ちの機微というものは、少しでも分かっていれば、結婚しろしろ施策みたいなことになるわけがないんです。何か条件で人を釣って、子供を産んだら幾らとか、結婚したら幾らとか、そういうことをすればするほどむしろ逆効果になってしまうという、人間の心というものをよく知った上での施策というものを練っていただきたいと考えております。
 大日向さんも言ったとおりなんですけれども、したいと思えば安心してできるような、あるいは自然な出会いの場が豊富に得られるような、そういう側面援護であれば、別にさりげない形でやっても構わないと思いますけれども、絶対にそれが圧力のような形になってはいけないと考えております。
 以上です。
137 浜田聡
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○浜田聡君 大変貴重な意見、ありがとうございました。やはり私自身も、やっぱり先入観があること、気付かされました。今後の政策立案に生かしていきたいと思います。
 本日、ありがとうございました。終わります。

第211回国会 参議院 総務委員会 第3号 令和5年3月9日
181 浜田聡
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○浜田聡君 浜田聡でございます。
 本日、総務委員会、最後の質問、よろしくお願いいたします。
 訳あって、本日から、私の所属する会派名がNHK党から政治家女子48党となりました。私自身が女子でないこともありまして、政治家女子48党という会派名、私はおろか皆様にも定着するのは時間が掛かるかもしれませんが、よろしくお願いいたします。
 会派名のみならず、国政政党も政治家女子48党へと変更しました。ただ、NHK党は政治団体として存在し続けます。政党名、会派名変わりましたが、我々は数あるNHK問題の解決を最重要公約として国政選挙を戦って今この場におりますので、引き続きNHKの問題追及は続けていく次第でございます。
 まず、松本総務大臣に拉致問題に関して質問させていただきます。
 先日、大臣の所信表明がありました。私の聞き漏らしだったら申し訳ないんですけれど、拉致問題含まれていたかどうかというのが定かではないわけでございます。大臣が拉致問題解決への意欲を持っていることは過去の活動から私もある程度存じ上げているつもりですが、改めて、拉致問題解決について意気込み、お聞かせください。
182 松本剛明
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○国務大臣(松本剛明君) 今委員からお話がございましたが、拉致問題は重大な人権侵害であり、岸田内閣においても最重要課題であるというふうに私も認識をしております。
 拉致問題に関する対応を協議し、同問題の解決に向けた戦略的取組及び総合的対策を推進するため、内閣に設置されております拉致問題対策本部におきましては、総務大臣、私も含め全ての国務大臣を構成員としておりまして、オールジャパンの体制で取り組んでまいりたいと思っております。
 私自身も、これまで拉致被害者の御家族の方に接する機会などもございまして、何としても解決をしていきたい課題であると認識をしているところでございます。
 その上で、総務大臣としては、例えば、放送法に基づき、NHKに対し、邦人の生命、身体及び財産の保護に係る事項など、放送事項を指定してラジオ国際放送を行うことを要請しており、その際、北朝鮮による日本人拉致問題に特に留意することを求めております。
 なお、一昨日の所信につきましては、総務省の所掌が大変幅広く多岐にわたる中でその取組の全てを言及することは難しいところでございましたので、御理解をいただけたらと思っております。
 岸田内閣の一員として、全ての拉致被害者の一日も早い帰国を実現すべく、全力で行動してまいりたいと考えております。
183 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 所信表明、いろいろと盛り込まなければいけないという事情があるのは難しいのを承知で、今後の所信表明において拉致問題盛り込んでいただければとお願いしまして、次の質問に移ります。
 次に、NHKさんに話をお聞きしたいと思います。
 先日、三月七日、BBCニュースによって報じられた記事を資料として用意させていただきました。二〇一九年にお亡くなりになったジャニーズ事務所のジャニー喜多川氏による少年への性的搾取のお話でございます。この話は、かねがねそういううわさとしては度々聞かれていた内容ではあるのですが、時の経過に従ってうわさから事実へと少しずつ移行しつつありました。今回、改めて大きく報じられたということです。
 この件については、一九九九年から二〇〇〇年にかけて十四回にわたって週刊文春が報じております。ジャニーズ事務所と週刊文春は裁判になったわけですが、二〇〇三年にその裁判結果として、週刊文春の記事の重要な部分においては真実であるということが判決でも認定されております。
 私は、この件に関して、ジャニー喜多川氏への批判が目的ではなくて、社会的影響力の大きな人物による事件であり、テレビを中心とする主要メディアがしっかりと報じるべきであるという問題意識でございます。このことについてメディアが適切に報道すれば、その後の被害拡大をある程度抑制できた可能性はあると思うんですが、まあ現実はそうではなくて、テレビはほとんど報じていなかったというのが私の認識でございます。
 ただし、ジャニー喜多川氏はジャニーズタレントの差配などで民間のテレビ局に大きな影響力を持っておりまして、民間の放送局がこれを報じることができないのはある一定の合理性はあるんじゃないかと思います。一方で、国民の受信料で成り立っておりますNHKはジャニーズ事務所にそんたくすべきではないと私は考えております。
 そこで、NHKに伺います。
 今回、BBCが報じて改めて知ったという国民は多いと思います。このことに関して、民放が報じない、いや、報じることのできないニュースをNHKさんは報じるつもりありますでしょうか。
184 林理恵
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○参考人(林理恵君) お答えいたします。
 ニュースや番組で何を伝えるかにつきましては、自主的な編集判断に基づきまして、その都度、総合的に判断しております。
 NHKは、報道機関として放送の自主自律を堅持し、視聴者の皆様に信頼していただけるような放送に努めております。
185 浜田聡
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○浜田聡君 分かりました。
 いろんな意見があると思います。国民の皆様には、NHKさんの姿勢についても判断していただきたいと思います。
 引き続き、NHKさんに伺います。
 NHKは、紅白歌合戦などでこれまで数多くのジャニーズのタレントさんを番組で採用してきたと承知をしております。今回、少年に淫らな行為をしたと東京高裁で認定されたジャニー喜多川氏の事務所の所属のタレントを紅白歌合戦などの番組に起用してきたことに関する罪悪感というのはありますでしょうか。
186 林理恵
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○参考人(林理恵君) お答えいたします。
 出演者の選定も含め、ニュースや番組の内容につきましては、自主的な編集判断に基づいて、その都度、総合的に判断しております。
187 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 NHKさんの姿勢について、先ほどと同じように、多くの国民の方に判断していただきたいと思います。
 次に、総務省の内部文書の問題に話を移したいと思います。
 この件ですが、まず放送法四条が問題となっているわけでございます。まず、放送法四条に関して私の考えを申し上げさせていただきますと、放送法四条の「政治的に公平であること。」の文面は撤廃すべきと考えております。
 理由は、放送内容が政治的に公平であることというのが不可能じゃないかと思うわけですね。そもそも、公平であるか否かの判断というのが人それぞれでありまして、確定できないのではないかと考えます。であれば、政治的公平ということは諦めて、国民の共有財産である電波はオークション制度などで運用するのが適切であると考えます。
 話を文書の話に戻します。
 今回、配付資料に特に問題となっていると思われる部分を用意しました。
 例えば、資料六です。こちら、高市大臣と総理の通話内容が書かれております。
 先日の予算委員会ではこの部分について高市大臣が答弁されていたと思うわけですが、その中で、仮にここにある内容が事実だとした場合、総務省が組織的に総理以下閣僚を盗聴していたことになるのではとおっしゃられていたように思います。だとすると、総務省としての大問題ということになりまして、その内容が正確であるか否かというのは重要な問題であると言えます。
 先日の予算委員会において総務省の今川官房長がお話しされていた行政文書に関する内容で特に重要だと思ったことを取り上げます。正確性については行政文書であるか否かとは別の概念。また、文書の正確性が確保されたものも正確性が確保されていないものもあると。
 こういったことは非常に重要だと思います。おっしゃるとおりだと思います。というのも、でたらめを書いてそれを行政文書としてしまえば、幾らでも悪用できるわけでございます。というわけで、行政文書であっても、その正確性を確認する作業というのは、今回の問題解決には非常に重要なのではないかと思います。
 そのために今後どうすべきか。私としては、ちょっと非常にデリケートな問題だとは思うんですけれど、これを書いた人に尋ねるのが効果的なんじゃないかなと思います。ただ、この先の話については、総務省としても調査中とのことでありますし、一方で世間で大いに関心が持たれていることもあり、取り上げさせていただくことを御容赦ください。
 今回の文書を書いた可能性のある人の名前として一番出てくるのが西潟という名前の方です。配付資料では資料の七にその名前の記載があります。資料の八に、まあ名字だけ一致ということで、ちょっと本当に大変恐縮なんですけど、その西潟という名字の方の経歴と写真を用意させていただきました。この方の情報が既にSNS上でたくさん指摘されておられます。
 繰り返しになりますが、記載された方がこの方で、この方と一致するかどうか確定したわけではないと承知しておりますが、一方で世間の関心も高まっておりまして、私は政治家としてちょっとこの点は踏み込んでいく必要はあると思います。
 そこで、西潟暢央氏について総務大臣に伺っていきます。
 西潟氏なんですけれど、既に渦中の人物となっているわけで、今後の安否が心配なわけでございます。心のケアであったり安全保証すべきと考えますが、いかがでしょうか。
188 松本剛明
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○国務大臣(松本剛明君) SNSにおいて当省の特定の職員が情報提供者なのではないかという趣旨の投稿があることは承知をいたしております。情報提供者が特定されたかのような投稿が見られることについては、あえて申し上げたいと思いますが、全くの臆測にすぎず、大変残念に思っております。
 総務省では、全ての職員の心身のケアが重要であると考えており、当該職員につきましても、引き続き適切に対応してまいりたいと思っております。
189 浜田聡
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○浜田聡君 承知しました。
 以前、森友事件というのがありました、死人が出ております。今回についてはそういったことを避けられるように、総務省の全職員につきましても安全に御留意されるのがいいのではないかなと思います。
 では、それでは、ちょっと次の質問に移ります。一問飛ばしますね。最後の、失礼しました、今話題のいわゆるColaboの件を取り上げさせていただきます。
 東京都若年被害女性支援事業の受託者である一般社団法人Colaboの会計報告に不正があるとして出された住民監査請求について再調査などが勧告されており、これを受けて小池百合子東京都知事が令和五年二月二十八日に講じた措置というのが公表されております。
 この話に入る前に、この後の話に入る前に私からまず述べさせていただきたいこととしては、被害を受けている女性を支援することというのは必要でありまして、重要であることは改めて強調させていただきます。それはそれとして、一方で、国民の税金の適切な利用というのも同様に重要でございます。
 本件の背景として、幾つか問題点を挙げさせていただきます。
 小池都知事と東京都議会の一大勢力である都民ファーストの会がこの件に関しては深く関わっている可能性が多く指摘されております。
 今回、都庁側のチェックがざる、いわゆる、ちょっと言葉は悪いですけど、ざるであったわけなんですけど、そのチェックをざるにするように圧力を掛けたのが都民ファーストの会とされております。今回、東京都福祉保健局のこの局長の人事には小池百合子氏が介入していることが、報道であったり、上田令子東京都議にも指摘されております。
 若年被害女性等支援事業では、活動実績が東京都との委託契約の実績数を満たしていないということも指摘されておりますし、それで東京都と厚生労働省がオーケーをしておりますし、年度が替わればしかも増額しているわけですね。そもそも活動実績の数字も結構怪しいところがあるわけです。あと、若年女性一人を支援するのに掛かるコストが膨大であるというのもちょっと問題点はあると思います。
 あと、東京都がやっぱり問題だと思うのは、明らかにチェックしていないということでございます。請求した費用の目的外使用ですら東京都はオーケーにするようなチェック体制でございまして、これは東京都がやはりColabo側、疑われる、Colabo側とぐるじゃないとあり得ないんじゃないかなと思います。あと、公告義務がある貸借対照表ですら、都民ファーストの会……(発言する者あり)やっぱり貸借対照表でも、資料請求とかするといわゆるのり弁で出てくるわけでございます。
 配付資料十二から十五で、今回の都の再調査結果を示しております。
 監査結果を踏まえた都の再調査を見ると、補助金の返還は求めず、改善指示にとどまっておりますが、再調査結果によりColaboの会計管理が驚くほどずさんであることが明らかになりました。
 幾つか問題点を羅列させていただきますと、領収書を求められても、それを拒否して、都はおとがめなし。あと、エアコンの十五万に関して指摘されても、それは三十三万でしたという回答で、それ、エアコンで請求しているけど結局パソコンで買いましたなどということで食い違いがあって、おとがめなし。一桁数値が違っても、それが誤記ですということで、結局おとがめなし。高額飲食代は、交流を促進して、自立に向けた意識付けを目的としたもので必要でしたということで、おとがめなし。あと、遠隔地の宿泊なども指摘されておりまして、それも結局はおとがめなしという結果になりました。
 判明した様々な不適切なポイントについて東京都もそれでオーケーを出しているというのは、多くの都民に、そして国民にも知ってほしいと思います。
 再調査結果の公表時期が確定申告の時期と重なったこともありまして、お怒りの方が特に多いのではないかと思います。防衛費増税に関する様々な報道がされている昨今において、公金の適正利用、いわゆる税金の使い道には、多くの国民、関心を寄せております。税金の使い道に対する疑念の声が上がっている状況だと思います。
 そこで、再調査結果についてお聞きします。
 小池都知事は、三月三日の都の記者会見において、そもそもこの事業は国の事業であって、私どもは委託を受けているということですと発言をされておられます。つまり、小池都知事は、若年被害女性等支援事業を、国の事業であって東京都は委託を受けているだけだと主張しており、国に責任を押し付けているように思いました。
 この主張に関して厚生労働省の見解を伺います。
190 河野義博
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○委員長(河野義博君) ただいまの浜田君の発言中に不穏当な言辞があるとの御指摘がありました。
 委員長といたしましては、後刻速記録を調査の上、適当な処理を取ることといたします。
191 畦元将吾
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○大臣政務官(畦元将吾君) お答えいたします。
 若年被害女性等支援事業は、困難を抱えた女性への支援に関する地方自治体の取組を財政的に支援するために国として設けている補助事業であるが、国が東京都に委託しているものではありません。
 以上です。
192 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 この件は、多くの国民の関心事ですので、厚労省と都の管理責任を問われております。都の見解が誤っているのであれば適切に正すべきだと思うことを申し添えて、次の質問に移ります。
 今回、Colaboの監査及び再調査結果は令和三年の、三年度のものなのですが、団体が大変ずさんな会計管理であることは当然ながら、東京都も会計報告をろくにチェックしていなかったことは、再調査結果を見て明らかです。
 そこで、若年被害女性等支援事業の採択についてお聞きします。令和四年度分の若年被害女性等支援事業において、東京都は採択されたのでしょうか。状況をお伺いしたいと思います。
193 野村知司
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○政府参考人(野村知司君) お答え申し上げます。
 本年度、令和四年度における若年被害女性等支援事業を含みます児童虐待・DV対策等総合支援事業費国庫補助金の交付決定につきましてですが、これ、現在審査を行っているところでございます。
194 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 引き続きまして、採択時における条件付けに関して参考人の方に伺います。
 先ほどから申し上げているとおり、東京都の会計報告の管理監督に大きな問題があると考えられるため、採択時に何らかの条件を付す必要があると考えます。例えば、委託先の団体に対して人件費、法定福利費などは案分根拠を明示させる、概算払しない、領収書等で適切な支出であることが確認できたもののみ補助対象とするなどの条件が考えられます。参考人の方に伺います。このような条件を付すことについて御見解を伺います。
195 野村知司
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○政府参考人(野村知司君) お答え申し上げます。
 この補助金の交付決定を行う際には、従前より、事業に関しまする歳入及び歳出について、証拠の書類を整理をすることでございますとか、あるいは補助金の額の確定の日の属する年度の終了後五年間保管することなどの条件をこの補助金を交付決定する際には各都道府県等に対してお示しをしているところでございます。
 その上で、御指摘の東京都の若年被害女性等支援事業に関するこの不適切な会計処理でございますけれども、国庫補助金の対象となる経費に関しまして、自主事業などほかの事業との間で適切に区分又は案分がなされているか等についてこの証拠書類などに基づいて適切に確認を行うことは、これまた当然に必要なことでもございます。
 各都道府県において適切な確認が行われるよう、国としても必要な対応を検討してまいりたいと考えております。
196 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 次に、畦元政務官に伺いたいと思います。
 令和五年一月六日の会見において加藤勝信厚生労働大臣が、厚労省としては、東京都における再調査結果などの報告を踏まえ、必要な対策を行っていきたいと述べておられました。東京都の再調査結果が公表された上で、厚生労働省の御見解を伺います。
197 畦元将吾
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○大臣政務官(畦元将吾君) 本事業に係る監査請求を受けた東京都の調査結果に関しては、先ほどコンドウ先生も言いましたが、不適切な計上を、計上額を対象経費から控除した額、二千七百十三万円が令和三年度の同事業に係る一か所に当たる委託料上限額である二千六百万円を上回るため、東京都の委託費に返還は生ぜず、二千六百万円で委託料は確定したが、法人の自主事業にも従事している税理士等の報酬や職員の社会保険料が適切に案分されなかった等により事業経費として認められなかったものが合計約百九十二万円あったと承知しております。
 このように、国の補助対象事業と法人の自主事業における費用案分が適切になされておらず、過大に事業経費として計上されていたものがあったとされていることから、これからの再調査結果や補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律の趣旨を踏まえ、どのような対応が必要か検討してまいりたいと考えております。
198 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 続けて、補助金適正化法における善管注意義務などの観点から、引き続き政務官に伺います。
 若年被害女性等支援事業は補助金適正化法の対象であると認識をしておりますが、今回の東京都の再調査結果を踏まえた都の対応は補助金適正化法上において適切かどうか、御見解を伺います。
199 畦元将吾
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○大臣政務官(畦元将吾君) ちょっと繰り返しにはなるんですが、若年被害女性等支援事業に係る東京都の調査結果については、国の補助対象事業と法人の自主事業における費用案分が適切になされておらず、事業経費として過大に計上されていたものがあったこと等により事業経費を認められなかったものが合計約百九十二万円生じており、本調査結果や補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律の趣旨を踏まえ、どのような対応が、都に対する対応を含め、検討してまいりたいと思っております。
200 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 適切にやっていただくことを願っております。厚生労働省と東京都で適切、適正な事業の運用について今後も協議していただきますよう改めて要望して、次の質問に移ります。
 公金を使った補助事業の委託や補助対象の適切性に関して参考人の方にお伺いします。
 今回の監査及び再調査結果において、一般常識では考えられないほどの会計管理のずさんさが明らかとなったColaboについては、少なくとも体制を見直すなど適切な会計管理が行えるようになるまでは、公金を使った補助事業の委託や補助対象として不適切ではないかと考えますが、御見解を伺います。
201 野村知司
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○政府参考人(野村知司君) お答えを申し上げます。
 今回の監査請求を受けて東京都の調査の結果につきましては、これまでも政務官の方から御答弁申し上げたとおりでありまして、委託料は二千六百万とこれ確定はしたものの、やはり税理士の報酬であるとか社会保険料など適切に案分されていなかったということで事業経費と認められてなかったものは合計で百九十二万あったというような結果であったという状態になっております。
 この国庫補助事業につきましてでございますけれども、どのような団体に委託又は補助を行うかというのは、やはりそれぞれの事業の目的、中身に照らして、最終的には事業実施主体であるところの、補助事業の実施主体であるところの都道府県において決定をされるものではあります。
 その一方で、国庫補助金の対象となる経費とそれ以外の経費を区分することでございますとか、あるいはそれらについて証拠書類などに基づいて適切な確認を行っていただくこと、これまた当然に求められることでございます。
 そして、こうした今回の調査の結果でございますとか、あるいは補助金適正化法の趣旨を踏まえてどのような対応が必要になってくるか検討してまいりたいというふうに考えております。
202 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 国庫補助金などの公金を使った事業は、当然にその使途が明らかにされることが当然でございまして、ずさんな会計管理しかできない団体は補助事業先として不適切であることを申し添えた上で、次の質問に移ります。
 今回話題となっております東京都の若年被害女性等支援事業に関しては、国による対応について、またColabo以外の団体について参考人の方に伺いたいと思います。
 インターネット上の反応などから判断するに、今回の監査及び再調査結果を踏まえて、多くの国民は都の対応に不満や不信感を抱いていることがうかがえますが、厚生労働省から都に対して何らかの対応をされるのでしょうか。
 また、東京都が本事業を委託している団体はColaboのほかに三団体ありまして、この三団体に対して少なくとも都は自主的な調査を行うべきと考えますが、御見解を伺います。
203 野村知司
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○政府参考人(野村知司君) 御指摘の若年被害女性等支援事業に関する今回の東京都の調査の結果に基づいてどうするかということです。
 繰り返しになってしまう面はございますけれども、補助金適正化法の趣旨なども踏まえながら、どのような対応が必要か、これは都に対する対応も含めて検討してまいりたいというふうに考えております。
 あと、東京都がこの若年被害女性等支援事業を委託しております団体のうち、Colabo以外の三団体について調査を行うかどうかといったことにつきましては、今回の事案も踏まえまして東京都において判断をいただくべきものと考えてはおります。
 ただ、いずれにいたしましても、補助金を使って事業を行っていただくに際しましては、国庫補助金の対象となる経費とそれ以外の経費を区分することであるとか、それらについてしっかりと確認を行っていただくということが当然必要になってくるというふうに考えております。
204 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 東京都への国民の不信感というのは当然国に対する不信感にもつながる可能性があるため、国としてもしかるべき対応を検討すべきであることを申し添えて、次の質問に移ります。
 引き続き、参考人の方にお伺いします。
 東京都は、若年被害女性等支援事業について令和五年から補助事業化すると公表をしており、厚生労働省とは既に協議していると報道されておりますが、これは事実なのでしょうか。事実であれば、補助金適正化法上における補助事業者に関する事項を交付要綱に定める必要があると考えますが、御見解を伺います。
205 野村知司
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○政府参考人(野村知司君) 東京都において、この若年被害女性等支援事業につきまして、現在の委託の方法から補助方式に切り替えるという旨の連絡はいただきました。
 この東京都の方で発表されましたこの委託契約方式から補助制度への変更ということに関しましてですが、この支援事業に関しましては、令和三年度以降ではございますけれども、地方自治体から民間事業者への委託以外に、地方自治体から民間事業者への補助事業として展開すること自体は可能というふうな仕組みにはなってはおります。
 ただ、今般、改めて東京都より委託から補助に変更するという旨の連絡を頂戴しましたことから、令和五年度における交付要綱につきましては、御指摘のこの補助方式に対応したような規定も含めて整備を行っていくということを予定をしております。
206 浜田聡
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○浜田聡君 最後の質問になります。
 補助事業化についてお聞きします。
 補助事業化するに当たって……
207 河野義博
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○委員長(河野義博君) 申合せの時間が参りましたので、おまとめください。
208 浜田聡
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○浜田聡君 はい、分かりました。
 政策評価を行ったのでしょうか。お願いします。
209 河野義博
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○委員長(河野義博君) 申合せの時間が来ておりますので、簡潔にお願いします。
210 野村知司
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○政府参考人(野村知司君) お答え申し上げます。
 政策評価につきましては、この支援事業を含む児童虐待・DV対策等総合支援事業という全体のパッケージで政策評価をしております。これは、補助の方式が補助事業であるか、あるいは委託事業かにかかわらず、政策評価としてそのような固まりで実施をしております。
211 浜田聡
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○浜田聡君 終わります。

第211回国会 参議院 予算委員会 第8号 令和5年3月13日
336 浜田聡
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○浜田聡君 浜田聡でございます。本日、予算委員会最後の質疑をさせていただきます。
 先日、国政政党そして会派、NHK党は政治家女子48党へと変更となりました。そして、党首も立花孝志から三十歳女性の大津綾香へと変更となりました。最年少の国政政党党首です。
 政党名、会派名は変わったとはいえ、NHK党は政治団体となり、今後も立花孝志を中心に活動していきます。もちろん、NHKでお困りの皆様のサポートをこれまでどおり継続させていただきます。党首変更、党名変更、会派変更でお手数をお掛けしていますが、今後ともよろしくお願いいたします。
 まず、今話題のいわゆるColabo問題を取り上げさせていただきます。
 東京都の若年被害女性等支援事業の受託者である一般社団法人Colaboの会計報告に問題があることが明らかになったことを発端として、様々な問題が次から次へと出てきているというものであり、今後も新たな問題が多数出てくるものと想定されます。
 この後の話に入る前に、私からまず述べさせていただきたいこととしては、被害を受けている女性を支援することは必要であり重要であること、改めて強調させていただきます。ただ一方で、国民負担率が五割になろうとしている現在において、国民から納められた税金の適切な利用も同様に重要であります。
 さて、会計報告などに問題があるとして出されたColaboに対する住民監査請求について、都が異例の再調査を勧告され、先日、再調査結果が公表されました。ここで、この件の発端となった昨年の東京都への住民監査請求に注目をしたいと思います。後ほど岸田総理に質問します。
 この住民監査請求は一般男性が行ったものです。この後、私含め多くの方が極めて異常と思われることが起こりました。それは何か。十一月二十九日に、Colaboが弁護士七人をそろえるなどして大々的な記者会見を衆議院議員会館で開催し、この一般男性を批判の上で提訴する旨発表しました。それが新聞社など大手メディアで大々的に報道されたというものです。結果として、この住民監査請求で公金利用に、利用管理における様々な問題が見付かったわけです。私は、結果として非常に意義のある住民監査請求を行ったこの男性に対して、Colabo側が弁護士七人をそろえて批判する会見を開いたこと、そして大手メディアで男性を批判する報道が数多くなされたことについては、この一般男性の気持ちを想像すると恐怖を覚えます。
 総理にお聞きします。
 結果として非常に意義のある住民監査請求を行ったこの男性に対して弁護士七人をそろえて批判する会見を開いたことについて、総理の御見解を伺います。
337 加藤勝信
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○国務大臣(加藤勝信君) 厚労省の案件でございますので、先に。
 まず、指摘の住民監査請求に関する批判というのは、これまさに私人間の課題でありますから、政府から答弁するものではないんだろうというふうに思います。また、住民監査請求は、地方公共団体における違法又は不当な公金の支出等の発生の防止等を通じ、地方公共団体の財務の適正を確保し、住民団体の利益を保護することを目的とした仕組みであります。
 監査請求を受けた東京都の若年被害女性等支援事業に係る再調査結果では、国の補助対象事業と法人の自主事業の間での費用案分が適切になされておらず、事業経費として計上、過大に計上されていたことなどにより、事業経費と認められなかったものが合計約百九十二万円あったと承知をしております。
 厚労省としては、本調査結果、また補助金適正化法の趣旨を踏まえ、どのような対応が必要か検討していきたいと考えています。
338 岸田文雄
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○内閣総理大臣(岸田文雄君) まず、住民監査請求は、地方公共団体の財務の適正を確保し、住民全体の利益を保護することを目的とした仕組みであると承知をしており、自治体の運用をチェックする機会になると考えておりますが、今厚労大臣からも答弁させていただきましたように、御指摘の住民監査請求に関するこの批判については、これ私人間における問題であることからして、政府として答弁は差し控えたいと考えます。
339 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 私が思うに、結果として公金利用管理における様々な問題が見付かった監査請求について、これに反抗して記者会見まで開いて、開いた七人の弁護士の方々は、一般男性に対する行為としてはいかがなものかと思います。
 引き続き、総理に質問をさせていただきます。
 この東京都若年被害女性等支援事業を受託しているのは、Colaboを含めて四つあります。Colabo以外に若草プロジェクト、BONDプロジェクト、ぱっぷすがありまして、これらに対しても住民監査請求が通りまして、今後の動向が注目されます。
 そこでお聞きします。これら住民監査請求は、国から見えづらい地方自治体の運用をチェックすることができる貴重な機会であると私は思うのですが、総理の御見解を伺います。
340 加藤勝信
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○国務大臣(加藤勝信君) ちょっと先ほどと一緒になって申し訳ないんですが、住民監査請求そのものは、地方公共団体における違法又は不当な公金の支出等の発生の防止などを通じ、地方公共団体の財務の適正を確保し、住民団体の利益を保護することを目的とした仕組みであるというふうに承知をしているところでございます。
 なお、今お話のあった件は、監査請求人のSNS等で監査の実施が決定した旨が発信されているものと承知しておりますが、先ほど申し上げたように、いずれにしても、こうした補助金等適正化法等の趣旨を踏まえ、また調査結果、また新たな調査結果が出れば、またそれも踏まえて厚労省として必要な対応を検討していきたいと考えています。
341 末松信介
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○委員長(末松信介君) 求められますか。
 では、岸田内閣総理大臣。
342 岸田文雄
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○内閣総理大臣(岸田文雄君) 申し訳ありませんが、政府の立場ですので、今厚労大臣からお答えしたとおりであります。答弁は控えさせていただきます。
343 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 この住民監査請求というのは、一般的にはほとんどが却下されてめったに認められないのですが、それが立て続けに認められるというのははっきり言って異常だと思うわけです。この異常な事態を多くの国民に知っていただきたいと思います。
 さて、この東京都若年被害女性等支援事業を受託している四団体、若草、BOND、ぱっぷす、Colaboですが、どうやら東京都はこの四団体だけを受注先として指名し続けている件に関して問題提起させていただきます。質問ではありません。
 東京都は、若年被害女性等支援事業において、その入札をせずにこの四団体だけ受注先として指名し続けていますが、本来なら入札をすべきと考えます。東京都は、その理由として、公法上の契約という概念を持ち出しています。この公法上の契約を理由として、入札など正当な手続を経ずに随意契約を続けています。
 さて、この公法上の契約ですが、学術的概念であって、実際の公的契約では適用されない概念のようです。先日、我が会派の同僚であるガーシー議員の質問主意書でこの件確認させていただきました。そして、その答弁書も返ってきました。その内容をかいつまんで説明しますと、地方自治体が発注する契約を公法上の契約に類する契約などといって地方自治法二百三十四条をスルーするなんていうのは認められず、したがって、地方自治法同条に規定されている監督又は検査義務が発生しますということでした。
 さて、これによって次のことが判明したと思います。東京都が公法上の契約に類する契約という行政手続上では存在しない契約方法であることを理由に地方自治法二百三十四条を無視して四団体との契約を行っていること、かつ監督、検査義務を行っていることは、それぞれ地方自治法違反となる可能性があるということです。政府におかれましては、今後、東京都、これら四団体へ適切な対処されることを希望します。
 さて、このColabo問題ですが、とにかく次から次へと問題が出てきます。先ほど申し上げた一般男性が明るみにしたこの件について、防衛費財源を捻出するなど税金の使途をしっかりチェックするという方針を打ち出した岸田政権におかれましては、調査、対処などをしっかりと取り組まれることを希望します。
 さて、次に、先週に引き続いて、共産党さんに関して質問をさせていただきます。政府参考人の方に伺っていきます。
 これからの話の前置きとして、警察庁のサイトに記載されていることについて質問をさせていただきます。その警察庁のサイトというのは、暴力革命の方針を堅持する日本共産党というタイトルのページでございます。
 大前提として、日本、暴力革命の方針を堅持するとされる国政政党があるのは望ましくないということです。共産党さんからすると、当然政府からこういった扱いをされることは不幸なことであると認識しておりますが、共産党支持者、関係者以外の国民にとっても、暴力革命の方針を堅持するとされる国政政党が国内に存在することは不幸であると思います。
 いずれにせよ、今後、多くの方々の努力によって暴力革命の方針は完全に捨てたと政府に認められることが望ましいと思います。私としては、まずそれを申し上げた上で、これからの質問をさせていただきます。
 政府参考人の方にお聞きします。日本共産党は日本国内において暴力的破壊活動を行ったかどうかについて御解説願います。
344 田野尻猛
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○政府参考人(田野尻猛君) お答えを申し上げます。
 ただいま委員からは、警察庁のウェブサイトについて御指摘ございました。私ども公安調査庁といたしましても、日本共産党は、昭和二十六年から昭和二十八年頃にかけまして、日本国内において破壊活動防止法第四条第一項に規定する暴力主義的破壊活動を行った疑いがあると認識をしているところでございます。
345 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 引き続き伺います。日本共産党が暴力的破壊活動を行ったことについて判決で認定されている事件について、御解説願います。
346 田野尻猛
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○政府参考人(田野尻猛君) お答えを申し上げます。
 警察庁のウェブサイトには、白鳥警部射殺事件あるいは大須騒擾事件について御指摘があるということを承知しておるところでございます。
347 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 引き続き伺います。日本共産党による暴力的破壊活動について、同党は謝罪をしていますでしょうか。確認可能なものについて解説を願います。
348 田野尻猛
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○政府参考人(田野尻猛君) ただいまお尋ねは謝罪ということでございましたが、これは何をもって謝罪というか、これは評価にわたるお尋ねでございますので、答弁を差し控えさせていただきたいと存じます。
349 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 引き続き伺います。
 警察庁のサイトによりますと、五一年綱領と、五一年綱領に基づく暴力的破壊活動を展開とあります。
 そこで伺います。五一年綱領は暴力革命の方針を否定しないものと想定していますが、その理解でよろしいでしょうか。また、五一年綱領はいつ廃止されたでしょうか。よろしくお願いします。
350 田野尻猛
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○政府参考人(田野尻猛君) お答えを申し上げます。
 日本共産党が昭和二十六年十月の第五回全国協議会で採択した五一年綱領には、日本の解放と民主的変革を平和の手段によって達成し得ると考えるのは間違いであるなどと記載されているものと承知をしております。
 なお、同党は現在においてもいわゆる敵の出方論に立った暴力革命の方針に変更はないものと認識しておるところでございます。
351 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 引き続き伺います。
 先週月曜日の予算委員会において、私は次のように申し上げました。G7各国においては、自由、民主主義、人権、法の支配といった基本的価値観が共通しているがゆえに、暴力革命によって自由と民主主義を破壊する勢力である共産党が非合法化されと申し上げました。この点について改めて確認させていただきたいと思います。
 伺います。G7各国におけるいわゆる共産党と名の付く政党の中で、暴力革命によって自由と民主主義を破壊する意向を持っていることが指摘されている政党はありますでしょうか。
352 田野尻猛
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○政府参考人(田野尻猛君) 外国の政党についてのお尋ねでございましたけれども、その意向などの活動方針の詳細を承知しているものではございませんので、お答えする立場にないことについて御理解を賜りたいと存じます。
353 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 ちょっとこれに関しては、通告時の調整がうまくいかなかったところはあるかなと思います。総務省に聞いてもよかったとは思いますが、引き続き次の質問に移ります。
 世界各国の共産党事情につきましては、様々な意見を拝見したところ、やはり暴力革命によって自由と民主主義を破壊する意向のある共産党は非合法化されているという意見が一般的のようですので、改めて確認させていただきました。
 さて、最後に伺います。
 破防法の調査対象団体である日本共産党と政治的に協業、例えば選挙協力などをその団体の意思として積極的に行うような行為は、日本共産党と同様に、暴力革命を否定していない若しくは容認すると推察すると考えることもできると思います。そうであるならば、それらと協力する団体も破防法の調査対象団体に指定することも検討できると思いますが、政府の見解をお伺いします。
354 田野尻猛
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○政府参考人(田野尻猛君) ただいま御質問ございましたけれども、ただいまの御質問は仮定の質問でございますので、答弁は差し控えたいと存じます。
355 浜田聡
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○浜田聡君 できれば踏み込んでお答えいただきたかったという希望はお伝えをさせていただきます。
 先日、先週の繰り返しになりますが、まあ繰り返しになりますが、今後、多くの方々の努力によって暴力革命の方針は完全に捨てたと政府に認められることが私は望ましいと思います。
 また、先週の私の質疑の繰り返しになりますが、最も言いたいこととしては、政党法を作って情報公開や透明性を担保すべきということでございます。政党は、一応私的な組織かもしれませんが、いずれ政権担当を目指すということになると、内部自治の状況や仕組みや様々な活動を国民に確認可能な形にしていく必要があるということです。
 政党法を作ろうという議論になった場合には、各政党において改めてその組織の在り方が議題となり、それは各政党においてそれぞれプラスになるものと私は確信しております。既に、政党法を作るべきだと公表されている政党は既にあり、私は敬意を表します。
 このような政党法に関する議論が今後広がっていくことを期待しつつ、私自身も努力していくことを申し上げ、質問を終わります。
 どうもありがとうございました。

第211回国会 参議院 懲罰委員会 第3号 令和5年3月14日
003 浜田聡
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○委員以外の議員(浜田聡君) 浜田聡でございます。
 ガーシー議員に代わり弁明をさせていただきます。
 第一に、弁明の要旨、申し上げます。
 一、除名を、処分要件に該当しない。
 二、仮に処分要件に該当するとしても、本事案について除名処分を下すことは、憲法十五条一項に定める国民の選挙権、憲法三十一条に定める適正手続の保障、憲法十四条一項に定める平等権に違反し、適用違反、違憲である。
 第二に、弁明の理由を申し上げます。
 まず、除名処分要件に該当しないことを申し上げます。
 憲法五十八条二項の規定により、貴院は参議院規則二百三十五条にて、議院を騒がし又は議院の体面を汚し、その情状が特に重い者であることを要件に除名処分を判断されたが、当職は当該要件に該当しない。
 憲法五十八条二項は議員の除名要件を規定し、これを受けて参議院規則二百三十五条によって除名の処分要件を定めるが、議院を騒がし又は議院の体面を汚し、その情状が特に重いとの要件は極めて抽象的かつ広範な規定であり、その要件該当性は極めて主観的評価に依存するものであり、恣意的判断の危険が非常に高い。
 除名とは議員の資格喪失を持つ処分であるから、これを抽象的かつ広範な事実や判断を基に処分を許すことは、憲法十五条一項に定める国民の固有の公務員選定及び罷免権を失わせるに等しい。
 日本国憲法十五条一項は、公務員を選定し及び罷免することは国民固有の権利であると規定しており、国民の選挙権が憲法五十八条二項の上位価値に当たることは言うまでもない。そして、国民の民主主義の根底に当たる選挙権を否定し、議員の地位を奪うことは、国政上最も厳格に解釈されなければならず、これを出席議員の三分の二以上という議決要件のみをもって安易に認めることは、我が国の民主主義は三分の二の多数派によって少数派が支配されることを意味し、我が国の代表民主制を根底から否定し、ひいては国民主権を破壊する結果となる。
 これら憲法規定を目的論的に解釈すれば、議院を騒がし又は議院の体面を汚し、その情状が特に重いとは、処分対象の議員の存在を許すことによって、同等の価値以上の国民主権や選挙権を奪うこと、つまりは、他の国会議員の正当な活動を妨害し、これを許すことによって、議場の討議や議決を著しく阻害するに等しい行為と解さなければならない。
 本件事案における事実は次のとおりです。
 当職は、物理的手段をもって他の議員の活動を一切妨害していない。
 当職は、物理的手段又は発言によって議院を騒がせていない。
 当職の非行は不登院という一事に尽き、公開議場での陳謝処分を受けたが、議院の体面を汚したという点においては既に審理が尽くされており、重ねて当該要件をもって処分を下すことは一事不再理効に反する。
 当職は、前回の処分に加重して情状が特に重いと認められる行動は行っていない。
 当職は、既に一般国民に向けて公開議場での陳謝処分によって作成された陳謝文を読み上げ、国民に向けて真摯な謝罪を行い、貴院に対してもこれを提出した。
 歳費に対する批判については、今考え得る最善の方法が何かを自ら判断して、党への寄附、そして党から地震被害の大きいトルコへの寄附という形で責任を果たすつもりである。
 連日のように日本国内のテレビ報道ではガーシー憎しと印象を抱かせる偏向報道が横行している。
 本件事案における要件適合性について申し上げます。
 当職のこれまでの不登院との非行に対し前回下された公開議場での陳謝処分については、当職も妥当と受け入れ、その陳謝の意思は既に表明した。
 しかし、これまでも一貫して説明しているとおり、日々変化していく状況の中で、当職の日本国内における身辺の安全は十分に保障されているとは言えない。日々マスコミがガーシー憎しの報道を続け、党に寄せられる多くの国民からの苦情や怒りの感情と接するに、自らの生命や身体に重大な危険が及ぶ可能性は安易に否定できず、帰国に応じる判断が極めて困難である。この状況は緊急避難に相当すると弁護士からも意見をいただいている。
 当職の除名処分を判断するに、前述のとおり、処分対象議員の存在を許すことによって、同等の価値以上の国民主権、つまりは、他の国会議員の正当な活動を著しく阻害し、これを許すことによって、議場での討議や議決が著しく妨害されるに等しい行為と認められなければならない。この点、当職は、物理的、心理的な方法をもって参議院の議場における他の議員の活動を妨害した事情はなく、ただ登院しないという不作為一事のみである。そして、その不登院によって他の議員に与える影響は限りなくゼロに近いものである。
 もちろん、当職が登院しないことによって、議員の本来の仕事である議論及び決議に参加しないことでの影響は否定しないが、この一事をもって他の議員の正当な活動を著しく阻害しているとは言えない。
 以上のとおり、当職の不登院という事情をもって、議院を騒がし、議院の体面を汚し、その情状が特に重いとの要件に該当するとは認めることができないのであるから、同規則の要件を満たしたことを理由に除名処分に至ることは違法である。
 次に、仮に処分要件に該当するとしても、本事案について除名処分を下すことは、憲法十五条一項、国民の選挙権、憲法三十一条の適正手続の保障、憲法十四条一項の平等権に違反し、適用違憲であることを申し上げます。
 当職は、参議院選挙において二十八万七千七百十四票の得票を得て、参議院議員の地位を国民からいただいた。議決に参加する議員諸君らは、こうした二十八万七千七百十四票にも及ぶ国民の声と投票意思を否定することがいかに許されないことか、国会議員であれば理解できないはずがない。諸君に委ねられた有権者の顔を思い浮かべてほしい。
 選挙期間中、当職は、国会に登院せず海外から議員活動を行うことを公言して選挙活動を行ってきたものであるから、投票した有権者の多くはこうした議員としての非行事由については許容し、投票したと考えるべきである。
 また、現在もなお複数の弁護士が除名処分は違憲である旨を公に表明し、多くの支援有権者は、もし除名に至るならば我々の選挙権を侵害する処分であるから、除名に賛同する参議院議員らの不法行為を理由に国家賠償請求を提起する表明を受けている。
 さらに、国家賠償請求訴訟に参加しないまでも、これからも参議院議員として職責を果たしてほしいとの声も多く、参議院が下した公開議場での陳謝に対しては、その後の帰国せずにリモートでの陳謝文の読み上げなどによって自らの非難に対してできる限りの対応をしたつもりである。そして、これからも参議院議員として活動し、海外からでも、多くの政治家や企業家、マスコミ、芸能界の闇を、私たちのための暴露を続けてほしいとの声が多く寄せられている。
 確かに当職に対する批判の声が議員や国民からあるのも理解しているが、その多くは当職に投票した有権者ではなく、その他多数派の議員を支持する有権者の声であると理解している。
 このような状況において貴院が当職に対する除名処分を下すことは、憲政史上初の参議院による国民の人権侵害決議であり、憲法の各種人権及び我が国の民主主義を破壊する決議である。
 言うまでもなく、国会議員の地位は国民の選挙権によってこそ否定されるべきであり、もし当職が国民の期待に沿うことができず罷免されるのであれば、それは六年の任期を全うした後の参議院選挙でなければならない。
 仮に、本件事案について、院内の秩序を騒がし、特に情状が重いと判断されたのであれば、既に同一事由において懲罰決議を受け、議場での陳謝処分を受けたにもかかわらず、同非行の要件を前提として重複的に加重処分を下すことは、処分の下された事件に再度の処分を下すに等しく、一事不再理に当たり、憲法三十一条に定める適正手続を侵害する処分である。また、前述したとおり、要件として極めて不明瞭かつ広範に及ぶ点でも憲法三十一条の適正手続を侵害している。
 当職の非行は不登院という一事に尽きる。これまで国会においては、各種委員会や本会議で不規則発言を平然と行い、議場で話されていることを聞き取ることを困難にしている数多くの議員、国会議員である間に罪を犯した者、不祥事を起こした者、さらには、先日問題となった郵便法違反というNHKの犯罪を具体的に確認したにもかかわらず、犯意がないなどとごまかし、権力と、権力を濫用している、濫用して見逃しているNHKにそんたくする議員、小西文書に見られる内容の正確性が確認困難な文書を示して質問を行い議場を混乱させる議員など、当職と比較してもより重く、かつ院内の秩序を乱す悪質な非行が存在しているにもかかわらず、多数派の議員らはこうした問題は不問として、少数政党の議員である当職に対してのみ、犯罪にも該当せず、公約として不登院を掲げて当選した人間に対し、このように除名という過去七十年以上にわたって決議されなかった処分を下すことは、明らかに不平等な措置である。当職がNHK党に所属し、参議院の多数派の議員の不祥事を暴露する使命を負った議員であるという信条、社会的身分、政治的、社会的関係を理由する差別にほかならない。
 よって、当該処分は平等権も著しく侵害する点で違憲である。
 仮に当職が国会議員の地位を失ったとしても、当職に期待される暴露は等しく続けることを支援してくれた有権者に約束したい。その上で、今後の国政選挙において再度立候補して、改めて国民に信任の判断を仰ぐつもりである。
 万が一、当職が除名後、今後の選挙で当選した場合又は国家賠償請求訴訟の判決によって……
004 鈴木宗男
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○委員長(鈴木宗男君) 浜田議員に申し上げます。
 時間がちょっと延びておりますので、手短にしっかりとポイントをついて発言をしてください。約十分ということで考えておりましたので。
005 浜田聡
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○委員以外の議員(浜田聡君) 時間制限ないと聞いていたんですけれど。
006 鈴木宗男
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○委員長(鈴木宗男君) どうぞ。
007 浜田聡
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○委員以外の議員(浜田聡君) はい。
 万が一、当職が除名後、今後の選挙で当選した場合又は国家賠償請求訴訟の判決によって違憲又は違法の判断を裁判所が下した場合、これに賛成した参議院議員諸君らはどう国民に責任を取るのであろうか。
 国民の選挙権を侵害した当事者として、憲法九十九条に規定される国会議員の憲法尊重義務を明らかに違反したのであるから、こうした結論に至った場合の賛成議員諸君らの懲罰や責任の取り方も事前に確約されるべきである。なぜならば、憲法尊重義務に違反することこそ、院内の秩序を乱したことにほかならないからである。
 参議院議員諸君らは、当職の地位を奪うのであれば、その決議、判断を国民又は裁判所によって否定された場合には、自らの議員の職もまた辞する覚悟を持って臨まれるべきである。
 あとですね、ガーシー議員からの弁明も読み上げたいんですけど。
008 鈴木宗男
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○委員長(鈴木宗男君) 浜田議員に申し添えます。
 ガーシー議員の代理としてガーシー議員が認めた弁明者があなたでありますから、あなたの言っていることはガーシー議員の言っていることと同じでありますので、その点はっきりしてください。
009 浜田聡
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○委員以外の議員(浜田聡君) はい。
 じゃ、私の判断でもう少し時間をいただきたいと思います。
 選挙に出る前より、出る前に立花元党首より、帰国せず、登院せずに議員をやれると言われ、選挙に出ました。その際に、自分の口でも、帰国せず、登院しない旨を公約に三十万近くの票を集め当選しています。
 確かに、今となっては、国会に出るのが義務と言われると、立花元党首が俺に言った誘い文句は何だったのかという疑念、疑問の念に駆られます。党首は、俺を巻き込んだことを深く反省し、党首を辞められました。私が国会に行かないことの責任も含めてやと思っています。
 もし、今回、除名というペナルティーを科せられるのなら、俺が最初に聞いた言葉や俺が三十万近くに言った公約は百六十人ほどの方々の意見だけでほごにされるということになります。その際も、もちろん私も票を入れてくれた有権者に謝罪しますが、あなた方も私に票を入れた有権者に謝罪をしてください。それが筋だと思います。民意を無視し、たった百六十人そこらの人たちだけで三十万人の民意をないがしろにするんですから、それだけはよろしくお願いします。
 あと、これからはこういった俺みたいな人たちが立候補すると思います。あなたたちがつくった世界を壊されたくないのであれば、きちんと最初からその方々を立候補の段階で排除してください。何の決まりも指導もなく、当選してからごちゃごちゃ言うのは後出しじゃんけんですよ。
 名札を上げてすぐ直帰する議員、居眠り続ける議員……
010 鈴木宗男
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○委員長(鈴木宗男君) 浜田議員、懲罰事犯に関することについて述べてください。
011 浜田聡
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○委員以外の議員(浜田聡君) 俺と同じく全く登院していない議員にも懲罰を希望します。俺は歳費の権利を放棄するんですから、その懲罰対象の議員も全て歳費の権利を放棄させてください。
 長くなりましたが、野党の皆さんに一言。あなたたちは永遠に自民党に勝てないです。それどころか、顔色をうかがいながら、俺のように除名されないことに必死になることでしょう。それを民主主義と言うのなら、最初から野党など要らないと思います。自民党だけで日本政府を動かせばいいと思います。ただの自民党の言いなり、言いなり政党なら、公明党のように連立し、自民党の属党になればいい。そうすれば、無駄な選挙も要らんし、俺みたいな不純物は生まれないでしょう。そういう戦時中の帝国主義に戻せばいいでしょう。それがあなたたちの希望なんですから。
 短い期間ではありましたが、どのような結果になろうとも従いますが……
012 鈴木宗男
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○委員長(鈴木宗男君) 再度、浜田議員に申し上げます。
 懲罰に関する事犯でありますので、その弁明でありますから、そこに絞ってですね、党の主張だとか選挙公約等は今回の事犯ではないのでですね、その点はしっかりわきまえて発言してください。
013 浜田聡
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○委員以外の議員(浜田聡君) はい。
 最後です。
 短い期間ではありましたが、どのような結果になろうとも従いますが、受け入れることは永遠にないと思っていてください。
 以上です。
014 鈴木宗男
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○委員長(鈴木宗男君) 以上で弁明の聴取は終わりました。
 この際、本日の委員会に関係者として議員浜田聡君の出席を求め、尋問を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
015 鈴木宗男
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○委員長(鈴木宗男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 これより尋問を行います。
 まず、委員長たる私より総括的な質問をいたします。
 今、浜田聡君から憲法でも議員の立場は保障されている旨の話がありましたが、同じく憲法五十八条では院内の秩序を乱した者は懲罰になるということもこれはありますので、さらに国会法並びに参議院規則でも国会に出なければ処分をされるという規定もありますし、懲罰規定は四段階があって、戒告、登院停止、陳謝、除名という処分も明確に記されておりますので、今の弁明を聞きながら、私自身、このような事態になったことを非常に残念に思っております。
 同時に、本委員会では、この懲罰事犯につき、国民から選ばれた議員の立場は重く、また選んだ有権者の思いも考慮して、民主主義は手続が一番であり、次に中身だと考えまして、理事懇談会を六回、理事会、委員会をそれぞれ三回開いて協議してまいりました。
 そのことを踏まえますと、ガーシー議員は著しく参議院の権威をおとしめたと私は考えますが、ガーシー議員の代理人である浜田議員並びに所属する党としてどういうお考えであるかをお述べいただきたいと思います。
016 浜田聡
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○委員以外の議員(浜田聡君) 先ほど委員長が申し上げたとおり、今回のガーシー議員の件について数多くの懲罰委員会が開かれ、議員の皆さんのお仕事を増やしたことについては理解をしているつもりでございます。
 ただ一方で、我々は、ガーシー議員は国民によって、国民の信任によって選ばれた者でございます。やはり目を向けるべきは、当然参議院でのことに、参議院での様々な仕事というのは重要だと思いますが、やはり国民がどう考えているかということについて優先すべきだと私は考えております。
 以上です。
017 鈴木宗男
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○委員長(鈴木宗男君) 先ほどの弁明の中で、国会に出ないことを公約として立候補し当選したのだから、国会に出ないのも当たり前だという、ガーシー議員が様々なネット等を通じて、あるいは情報を通じて発言されております。
 民主主義は、ルール、規則にのっとって行われる、あるいは成り立つものだと考えております。選挙の公約で国会に出ない、だから出なくて当たり前だと言う前に、規則だとかルールを変えなければその公約は実現できませんね。ならば、国会に出て、時代に合った、俺はこういう考えを持ってるんだということを堂々と主張すべきだと思いますが、出てきませんでした。しかも、一旦は出ると言って、直前になってのほごであります。
 こういったことは、著しく、先ほども言いましたけれども、院の権威を乱した、さらには間違った、汚点というか、慣例を残すことにもなると考えますけれども、こうした発言、判断について浜田聡君はガーシー議員の代理としてどうお考えか、また党としてどのように受け止めているか、国民に向けてお話をいただきたいと思います。
018 浜田聡
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○委員以外の議員(浜田聡君) まず、ちょっと質問内容が結構多かったように思うので、全て回答できているか分かりませんが、その点、御容赦ください。
 まず、著しく権威を汚したという点に関しては、これはもう人それぞれ評価が変わるのではないかなと思います。
 また、先ほどの弁明でも申し上げましたが、著しく権威を汚す行為というのは国会において様々行われていることでありますので、その点、ガーシー議員だけ特に不登院をもって罰するのであれば、そこは違うかなと考えております。
 そして、ガーシー議員は、海外にいたまま国会に登院せずに活動するということで当選しました。これは民意でございます。一方で、先ほど委員長の方から規則が大事だという点もありました。
 結局、この民意か規則、どっちを大事にするかという点の、まあどちらを優先するかという問題だと思いますが、私としては、この場においては、ガーシー議員に負託をいただいた三十万近くの票、その民意を優先したいと考えております。
 以上です。
019 鈴木宗男
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○委員長(鈴木宗男君) 以上で私の質疑は終わります。
 質疑のある方は順次発言願います。
020 牧野たかお
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○牧野たかお君 自民党の牧野たかおでございます。
 浜田議員に伺います。
 まず、浜田議員は、公開議場における陳謝が採決された先月の二十一日の懲罰委員会の閉会後の取材に対して、ガーシー議員は帰ってくるつもりはありませんので、当然議場で陳謝もできませんと回答し、その映像がテレビのニュースで報じられました。
 この時点でガーシー議員が帰ってくるつもりはないと答えた理由と根拠は何だったのでしょうか。そしてまた、ガーシー議員はそもそも帰国して陳謝する意思はあったのでしょうか。それを伺います。
021 浜田聡
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○委員以外の議員(浜田聡君) 懲罰委員会の後の私の取材内容に対する質問についてお答えをいたします。
 まず、私は今年一月にドバイに行ってガーシー議員と直接会って話をさせていただきました。で、懲罰委員会の後の時点では、ガーシー議員、帰国しない意図というのは常々言われておりましたし、あと、トルコの地震もたしか、地震の様子も見に行きたい旨を言っていたようには思います。ちょっと、時系列がちょっと曖昧で申し訳ないんですけれど。
 ということで、その時点では陳謝には応じないと私の中では確信はあったんですが、その翌日の本会議の私の弁明を聞いて、かなり心は動かされて帰国の意思を一時は示したということで、三月八日の陳謝に応じる、最終的に応じるという決断は下したのは確かでございます。
 ということで、ちょっと回答し切れていないことがあれば、また質問いただければと思います。
 ひとまず以上です。
022 牧野たかお
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○牧野たかお君 続いて伺いますが、ガーシー議員が当選以来一度も登院せず本会議と委員会に出席しないということについて、ガーシー議員が所属する、まあ浜田さんも所属する党の前の党首ですね、これまでの記者会見等で、ガーシー議員が帰ってきたくないのは当然だと述べるなど、ガーシー議員の行動を正当化するような発言を行ってきました。また、この前の党首は、もし仮にガーシー議員が懲罰を受けて除名されたとして、次に繰上げで当選をしてくる所属の議員も国会に出席させないような旨の発言をこれまでしていらっしゃいます。
 党として、今後も所属議員が国会に出席せず国会議員として様々な審議を行わないということを党として認める考えなんでしょうか。
023 浜田聡
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○委員以外の議員(浜田聡君) まず、何だったかな、まず、ガーシー議員が置かれた状況については、日々ガーシー憎しの報道が行われているということで、私は、まずこの件に関しては放送法四条の公平な報道というのは基本的になされていないと考えております。
 そして、先ほど委員から御指摘いただいた点ですね、今後繰り上がった議員が当選した場合に登院をしないかどうかについては、今後党の方で協議はさせていただきたいと思います。といいますのも、ガーシー議員自身は国会に登院しない旨を公言して選挙に当選したわけですが、一方で、今後繰り上がる候補予定、候補者の方がそれを公言したわけではないので、その辺は民意をしっかりと考えた上で今後の党の方針は考えさせていただきたいと考えております。
 以上です。
024 井上哲士
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○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。
 ガーシー議員は、陳謝の懲罰に従い、本会議に出席して陳謝文を読み上げることを文書で回答をいたしました。にもかかわらず、帰国せずに欠席し、議院運営委員長宛てに陳謝文を読み上げたDVDを送ってこられました。
 できる限りのことをしたと、先ほどそういう旨が、発言がありましたが、議運の了解なく海外に滞在し、応召義務を定めた国会法五条に反していることに対しての陳謝の懲罰が科せられたのに、帰国し登院することもなく謝罪文を読み上げたDVDを送り付けるなど、およそ真摯な反省も院議に従う意思もないことを逆に示しているんではないかとこの行為は思いますけども、いかがお考えでしょうか。
025 浜田聡
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○委員以外の議員(浜田聡君) 真摯な行動でないかどうかの判断というのはもう人それぞれだと思いますし、そこはもう国民に判断していただきたいとは考えております。
 繰り返しになりますが、三月八日の陳謝には確かに出なかったわけでございますが、先日の私が出席した懲罰委員会とその翌日に行われた本会議の私の弁明をガーシー議員が拝見して、心を打たれて帰国する意思を一度は固めたというのは事実であることは再度申し上げさせていただきたいと思います。
 以上です。
026 井上哲士
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○井上哲士君 先ほどの弁明で、憲法や国会法や参議院規則を挙げて述べられました。しかし、ガーシー議員が国会法の第五条や参議院規則に反しているということについての認識は全く述べられませんでした。
 ガーシー議員は、参議院選挙で当選後も帰国せずに海外から様々な情報公開を行うという公約で約三十万票の支持を得たと、そのことを一度も登院しないことを合理化する、してきましたし、先ほども述べられました。しかし、憲法四十三条は、国会議員を、投票した、その人に投票した国民の代表ではなくて、全国民の代表と定めております。議員は、全国民を代表して院及び国会を構成し、その活動に参加する義務を負っております。また、国会法第五条が国会議員に応召義務を課しているのも、憲法に定めたこの国民の負託に応える活動をする上で応召が前提になるからにほかなりません。
 こうした国会法や参議院規則に違反した行為を行っているという自覚があるのかどうか。それから、一定の得票で当選したからといって、海外に滞在して応召義務に応じないという国会法第五条違反は合理化できないと思いますけれども、全国民の代表として国会議員の資格が厳しく問われているということへの認識があるかどうか。この二点、お願いします。
027 浜田聡
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○委員以外の議員(浜田聡君) 井上先生からは、憲法と、憲法の話であったり、国会法の規則に基づいて国会に登院すべきという旨の話をいただいたと思います。
 私が弁明で国会法であったり参議院規則について言及をしなかった点というのは、やっぱり憲法が一番日本の国においては最高法規として重視されるべきでありますので、まずその点から弁明の方を組み立てさせていただいたという次第でございます。
 一方で、全国民の代表という憲法四十三条の御指摘もありましたので、その点は真摯に受け止める必要はあるとは思います。
 以上です。

第211回国会 参議院 本会議 第9号 令和5年3月15日
004 浜田聡
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○浜田聡君 浜田聡です。
 会派の同僚ガーシー議員に代わって弁明申し上げます。
 これから読み上げる弁明には幾つか憲法の条文が出てきます。平等権を規定した憲法十四条、公務員の選定、罷免が国民固有の権利であることを規定した憲法十五条、法の適正手続を規定した憲法三十一条、特にこれらに注目してお聞きいただけますと幸いです。
 第一に、弁明の要旨を申し上げます。
 一、除名処分要件に該当しない。
 二、仮に処分要件に該当するとしても、本事案について除名処分を下すことは、憲法十五条一項、国民の選挙権、憲法三十一条、適正手続の保障、憲法十四条一項、平等権に違反し、適用違憲である。
 第二に、弁明の理由を説明していきます。
 一、まず除名処分要件に該当しないことを申し上げます。
 憲法五十八条二項の規定により、貴院は参議院規則二百三十五条にて、議院を騒がし又は議院の体面を汚し、その情状が特に重い者であることを要件に除名処分要件を判断されたが、当職は当該要件に該当しない。
 憲法五十八条二項は議員の除名要件を規定し、これを受けて参議院規則二百三十五条によって除名の処分要件を定めるが、議院を騒がし又は議院の体面を汚し、その情状が特に重いとの要件は極めて抽象的かつ広範な規定であり、その要件該当性は極めて主観的評価に依存するものであり、恣意的判断の危険が非常に高い。
 除名とは議員の資格喪失を持つ処分であるから、これを抽象的かつ広範な事実や判断を基に処分を許すことは、憲法十五条一項の国民の固有の公務員選定及び罷免権を失わせるに等しい。
 日本国憲法十五条一項は、公務員を選定し及びこれを罷免することは国民固有の権利であると規定しており、国民の選挙権が憲法五十八条二項の上位価値に当たることは言うまでもない。そして、国民の民主主義の根底に当たる選挙権を否定し、議員の地位を奪うことは、国政上最も厳格に解釈されなければならず、これを出席議員の三分の二以上という議決要件のみをもって安易に認めることは、我が国の民主主義は三分の二の多数派によって少数派が支配されることを意味し、我が国の代表民主制を根底から否定し、ひいては国民主権を破壊する結果となる。
 これら憲法規定を目的論的に解釈すれば、議院を騒がし又は議院の体面を汚し、その情状が特に重いとは、処分対象議員の存在を許すことによって、同等の価値以上の国民主権や選挙権を奪うこと、つまりは、他の国会議員の正当な活動を妨害し、これを許すことによって、議場での討議や議決を著しく阻害するに等しい行為と解さなければならない。
 本件事案における事実は次のとおりです。
 当職は、物理的手段をもって他の議員の活動を一切妨害していない。
 当職は、物理的手段又は発言によって議院を騒がせていない。
 当職の非行は不登院という一事に尽き、公開議場での陳謝処分を受けたが、議院の体面を汚したという点においては既に審理が尽くされており、重ねて当該要件をもって処分を下すことは一事不再理効に反する。
 当職は、前回の処分に加重して情状が特に重いと認められる行動は行っていない。
 当職は、既に一般国民に向けて公開議場での陳謝処分によって作成された陳謝文を読み上げ、国民に向けた真摯な謝罪を行い、貴院に対してもこれを提出した。
 歳費に対する批判については、今考え得る最善の方法が何かを判断して、党への寄附、そして党から地震被害の大きいトルコへの寄附という形で責任を果たすつもりである。
 連日のように日本国内のテレビ報道ではガーシー憎しと印象を抱かせる偏向報道が横行している。
 本件事案における要件適合性について申し上げます。
 当職のこれまでの不登院との非行に対し前回下された公開議場での陳謝処分については、当職も妥当と受け入れ、その陳謝の意思は既に表明した。
 しかし、これまでも一貫して説明しているとおり、日々変化していく状況の中で、当職の日本国内における身辺の安全性は十分に保障されているとは言えない。日々マスコミがガーシー憎しの報道を続け、党に寄せられる多くの国民からの苦情や怒りの感情と接するに、自らの生命や身体に重大な危険が及ぶ可能性は安易に否定できず、帰国に応じる判断が極めて困難である。この状況は緊急避難に相当すると弁護士からも意見をいただいている。
 なお、この件に関して、昨今話題の放送法四条は遵守されていないのは明らかである。であれば、放送法四条は廃止し、電波オークションの導入などで多チャンネル化を推進すべきと考えます。
 当職の除名処分を判断するに、前述のとおり、処分対象の議員のその存在を許すことによって、同等の価値以上の国民主権、つまりは、他の国会議員の正当な活動を著しく阻害し、これを許すことによって、議場での討議や議決が著しく妨害されるに等しい行為と認められなければならない。この点、当職は、物理的、心理的な方法をもって参議院の議場における他の議員の活動を妨害した事情はなく、ただ登院しないという不作為一事のみである。そして、この不登院によって他の議員に与える影響は限りなくゼロに近いものである。
 もちろん、当職が登院しないことによって、議員の本来の仕事である議論及び決議に参加しないことでの影響は否定しないが、この一事をもって他の議員の正当な活動を著しく阻害しているとは言えない。
 以上のとおり、当職の不登院という事情をもって、議院を騒がし又は議院の体面を汚し、その情状が特に重いとの要件に該当するとは認めることができないのであるから、同規則の要件を満たしたことを理由に除名処分に至ることは違法である。
 二、次に、仮に処分要件に該当するとしても、本事案について除名処分を下すことは、憲法十五条一項、国民の選挙権、憲法三十一条、適正手続の保障、憲法十四条一項、平等権に違反し、適用違憲であることを申し上げます。
 当職は、参議院選挙において二十八万七千七百十四票の得票を得て、参議院議員の地位を国民からいただいた。議決に参加する議員諸君らは、こうした二十八万七千七百十四票にも及ぶ国民の声と投票意思を否定することがいかに許されないことか、国会議員であれば理解できないはずがない。諸君らに委ねられた有権者の顔を思い浮かべてほしい。
 選挙期間中、当職は、国会に登院せず海外からの議員活動を行うことを公言して選挙活動を行ってきたものであるから、投票した有権者の多くはこうした議員としての非行事由については許容し、投票したと考えるべきである。
 また、現在もなお複数の弁護士が除名処分は違憲である旨を公に表明し、多くの支援有権者は、もし除名に至るならば我々の選挙権を侵害する処分であるから、除名に賛同する参議院議員らの不法行為を理由に国家賠償請求を提起すると表明を受けている。
 さらに、国家賠償請求訴訟に参加しないまでも、これからも参議院議員として職責を果たしてほしいとの声も多く、参議院が下した公開議場での陳謝に対しては、その後の帰国せずリモートでの陳謝文の読み上げなどによって自らの非難に対しできる限りの対応をしたつもりである。そして、これからも参議院議員として活動し、海外からでも、多くの政治家や企業家、マスコミ、芸能界の闇を、私たちのための暴露を続けてほしいとの声が多く寄せられている。
 確かに当職に対する批判の声が議員や国民からもあるのも理解しているが、その多くは当職に投票した有権者ではなく、その他多数派の議員を支持する有権者の声であると理解している。
 そのような状況において、当職が、貴院が当職に対する除名処分を下すことは、憲政史上初の参議院による国民の人権侵害決議であり、憲法の各種人権及び我が国の民主主義を破壊する決議である。
 言うまでもなく、国会議員の地位は国民の選挙権によってこそ否定されるべきであり、もし当職が国民の期待に沿うことができず罷免されるのであれば、それは六年の任期を全うした後の参議院選挙でなければならない。
 仮に、本件事案について、院内の秩序を騒がし、特に情状が重いと判断されたのであれば、既に同一事由において懲罰決議を受け、議場での陳謝処分を受けたのにもかかわらず、同非行の要件を前提として重複的に加重処分を下すことは、処分の下された事件に再度の処分を下すに等しく、一事不再理に当たり、憲法三十一条の適正手続を侵害する処分である。また、前述したとおり、要件として極めて不明瞭かつ広範に及ぶ点でも憲法三十一条、適正手続を侵害している。
 当職の非行は不登院という一事に尽きる。これまで国会においては、各種委員会や本会議で不規則発言を平然と行い、議場で話されていることを聞き取ることを困難にしている数多くの議員、国会議員である間に罪を犯した者、不祥事を起こした者、さらには、先日問題となった郵便法違反というNHKの犯罪を具体的に確認したにもかかわらず、犯意がないなどとごまかし、権力を濫用し見逃しているNHKにそんたくする議員、小西文書に見られる内容の正確性が確認困難な文書を示して質問を行い議場を混乱させる議員など、当職と比較してもより重く、かつ院内の秩序を乱す悪質な非行が存在しているにもかかわらず、多数派の議員らはこうした問題は不問として、少数政党の議員である当職に対してのみ、犯罪にも該当せず、公約として不登院を掲げて当選した人間に対し、このように除名という過去七十年以上にわたって決議されなかった処分を下すことは、明らかに不平等な措置である。当職がNHK党に所属し、参議院の多数派の議員の不祥事を暴露する使命を負った議員であるという信条、社会的身分、政治的、社会的関係を理由とする差別にほかならない。
 よって、当該処分は平等権をも著しく侵害する点で違憲である。
 また、憲法四十三条には、両議院は全国民の代表であることが、の規定がある。であるならば、今回のように少数派を排除する除名は許されない行為であることを申し添えておく。
 仮に当職が国会議員の地位を失ったとしても、当職に期待される暴露は等しく続けることを支援してくれた有権者に約束したい。その上で、今後の国政選挙において再度立候補して、改めて国民に信任の判断を仰ぐつもりである。
 万が一、当職が除名後、今後の選挙で当選した場合又は国家賠償請求訴訟の判決によって違憲又は違法の判断を裁判所が下した場合、これに賛成した参議院議員諸君はどう国民に責任を取るのであろうか。
 国民の選挙権を侵害した当事者として、憲法九十九条に規定される国会議員の憲法尊重義務を明らかに違反したのであるから、こうした結論に至った場合の賛成議員諸君らの懲罰や責任の取り方も事前に確約されるべきである。なぜならば、憲法尊重義務に違反することこそ、院内の秩序を乱したことにほかならないからである。
 参議院議員諸君らは、当職の地位を奪うのであれば、その決議、判断を国民又は裁判所によって否定された場合には、自らの議員の職もまた辞する覚悟を持って臨まれるべきである。
 以上でございます。
 御清聴ありがとうございました。

第211回国会 参議院 総務委員会 第5号 令和5年3月17日
105 浜田聡
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○浜田聡君 浜田聡でございます。
 先日、我が会派の同僚ガーシー議員が除名されたことによりまして、二人会派が一人、議員一人になったことで会派解散となり、無所属となりました。後日、後任の者が繰上げ当選後は、再度政治家女子48党会派として活動する予定です。よろしくお願いいたします。
 本年度の総務省の予算拝見しますと、前年度と大きく歳出額変化したものとして、選挙制度関連と電子自治体制度関連のものが挙げられております。今回、これらと関連する形で質問させていただきます。
 まず、選挙制度予算が大きく減額となったと認識しております。これは、昨年、参議院選挙があったためであり、今年大きく減額となるのはまあ妥当なところだと思います。減額となるのはいいとしても、総務省には我が国の選挙制度向上についてしっかりと取り組んでいただきたいと願っております。特に大型の国政選挙まで時間があるとされるような時期には特にそれを願います。
 ということで、今回、選挙制度改革について二点伺っていきます。
 まず、選挙ポスターのデジタルサイネージ化導入についてです。
 皆様御存じのとおり、各種選挙になりますと、ポスター掲示板が町じゅうに木材などで立てられます。選挙候補者の各陣営は各々のポスターを貼る作業が始まるわけです。そして、選挙が終わったら、そのポスター掲示板、撤去されます。日本は、地方選挙、国政選挙を合わせるとそれなりの頻度で選挙を行っております。選挙ごとにポスター掲示板が立てられ、各陣営がポスターを貼り、選挙が終わるとポスター掲示板が撤去されるということです。
 この労力を何とか効率化できないかという考えの下、複数の有識者の方が提言しているのがデジタルサイネージ化だと認識しております。この掲示板をデジタルサイネージ等に変えることで、選挙ごとに掲示板を設置、撤去する手間、そして各陣営がポスターを貼る手間などを大幅に削減することが期待できます。今回、神田敏晶さんというジャーナリストの方が二〇一四年に書いた記事を配付資料として用意させていただきました。
 そこで、中川政務官にお聞きします。選挙ポスター掲示板をデジタルサイネージに移行していくことについて、総務省の御見解をお伺いします。
106 中川貴元
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○大臣政務官(中川貴元君) お答えをさせていただきます。
 選挙運動のために電光表示などを用いることにつきましては、従来、選挙運動のために電光表示や映写等の類いを掲示する行為が全て禁止をされておりましたが、平成二十五年の議員立法によりまして、屋内の演説会場において、その演説会の開催中に使用する映写等の類いに限り解禁されたものと承知をしているところでございます。
 御指摘の点につきましては、選挙運動のために電光表示などを用いることをどのような範囲で認めるとするのか、お金の掛からない選挙の観点から、設置に係る経費などをどのように考えるのかといった論点があるものと考えているところでございますが、いずれにしても、選挙運動の在り方に関わる問題でございまして、各党各会派において御議論をいただくべき事柄であると考えているところでございます。
107 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 コスト面、当然検討課題になるとは思います。ただ、技術の進化で導入コスト、維持コストなど低下が見込めれると思いますし、今の使い捨ての掲示板とのコスト比較というのは比較してみる価値はあるのではないかと思います。
 選挙がないときに置きっ放しだと邪魔という意見もあるとは思いますが、そこは行政の情報掲示板として使うなり、広告を売るなり、太陽光発電するなど様々なアイデアや場として活用できると思います。今後議論が進んでいくことを願いまして、次の質問に移ります。
 次は、電磁的記録式投票制度、いわゆるインターネット投票について伺います。
 インターネット投票にはもちろん様々な懸念があるとは承知しておりますが、一方で、それを上回る利点、例えば投票率、若者の投票率向上などもあると考えております。最近、ブロックチェーン技術を使って可能な限り本人確認を行った上で、インターネット投票の技術が進んでいると承知しております。
 現に、最近ですと、茨城県つくば市において二〇一九年にブロックチェーン、マイナンバーカード、顔認証技術によるインターネット投票を実施したという報告があります。このときは、つくばソサエティー五・〇社会実装トライアル支援事業の最終評価という形でインターネット投票を実施したそうで、インターネット投票のトライアルも兼ねたものだと思いますが、大変興味深い取組だと思います。
 そこで、政務官にお聞きします。選挙における電磁的記録式投票制度、いわゆるインターネット投票について、今後の展望をお聞きしたいと思います。
108 中川貴元
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○大臣政務官(中川貴元君) お答えをさせていただきます。
 総務省では、インターネット投票につきましては、在外選挙人の利便性の向上の観点から、在外選挙インターネット投票に関して、これまでマイナンバーカードを利用した確実な本人確認や、また二重投票の防止、投票の秘密保持、あるいはシステムのセキュリティー対策などの課題や論点について調査研究を実施し、制度面、運用面の方向性について整備を進めてきており、引き続き検討を進めることとしております。
 なお、国内のインターネット投票につきましては、在外選挙における課題のほか、投票管理者や立会人の下で行うことが原則の投票を特段の要件なくこれらの者が不在の中で認めることの是非、有権者の規模が大きいため、一斉アクセスなどに対応できる大容量のシステムの整備といった課題などがございます。
 インターネット投票という新たな投票方法を導入することは、選挙制度の根幹にも関わることでございます。各党各会派で十分御議論をいただく必要がありますが、総務省といたしましては、在外選挙インターネット投票について、引き続き課題の整理、対応など検討を進めてまいりたいと存じます。
109 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 今後、インターネット投票について、更なる議論、そして各種トライアルなどがより一層進むことを願いまして、次の質問、移ります。
 次に、昨年の予算と比べていろいろと変化したものとして、電子自治体関連のものを取り上げます。簡単に言うと、マイナンバーカードによるものです。
 二〇一七年には一〇%程度の普及率だったマイナンバーカードは、二〇二三年二月時点で六九%に達しまして、飛躍的に普及しました。マイナンバーカードの普及に対して懸念を抱いている方の思いについてはしっかりと対応いただきたいと思いますが、一方で、普及が進んでいる現状においては、そのメリットを多くの国民の皆様にも受けられる政策も進めていただきたいという思いもあります。
 マイナンバーカードの利用方法にはいろいろな可能性があるとは思いますが、今回、その中の一部について話を聞かせていただこうと思います。
 まず、最近、民間企業におきましてマイナンバーカードの入室権限の認証に使っている事例を取り上げさせていただきます。
 各人は、入室制限のあるところに、それを通過するために各々入館証を持参して利用するのが一般的であると認識しておりましたが、これをマイナンバーカードで代用できるとなると、持参するカードが減るなどメリットはあるように思いました。私自身も、議員宿舎であったり議員会館の事務所など特定の場所に入館するための複数のカードを持参しております。民間企業ですと、マイナンバーカードで入室権限、認証している、認証を行っている事例として、例えばTKCさんであったりNTTコミュニケーションズさん、内田洋行さんなどが実施していると承知しております。
 ふと疑問が浮かんだことがありまして、それは、マイナンバーカードの普及を推進している総務省では入室権限の認証にマイナンバーカードを利用しているのかということでお聞きしたいと思います。総務省では入室権限の認証にマイナンバーカードを利用しておりますでしょうか。
110 中川貴元
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○大臣政務官(中川貴元君) 総務省では、庁舎への入退館におきましてはマイナンバーカードの空き領域を活用した職員証による認証を行っているところでございますが、各執務室の都度の入退室におきましてはそのような認証は行っておりません。
 一方で、各執務室の戸締まりを行うための物理的な鍵の管理については、当該職員証を活用した認証を行っているところでございます。
111 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。総務省自ら積極的に取り組まれていると思います。
 引き続き、関連事項について伺います。
 総務省以外の霞が関の官公庁やあるいは国会構内でも、入室権限の認証にマイナンバーカードを利用することも一つのアイデアではないかと思いました。この提案についての御見解を伺いたいと思います。
112 大串正樹
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○副大臣(大串正樹君) マイナンバーカードは、国、地方の行政機関のほか、民間企業も含めて、ICチップの空き領域にアプリを搭載して利用することができ、委員お尋ねのように、庁舎への入退館、あるいは部署ごとの入退室の管理に利用することも可能でございます。
 マイナンバーカードをそのように利用するかどうかにつきましてはそれぞれの機関において判断いただくものでありますが、中央省庁の多くでは現に入館管理にはマイナンバーカードを利用していると承知しております。デジタル庁としては、利用のメリットや利用方法について分かりやすく周知し、その利用を積極的に推進してまいりたいと考えております。
 なお、国会構内における利用につきましては、国会において御判断いただくべきものと考えております。
113 河野義博
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○委員長(河野義博君) おまとめください。
114 浜田聡
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○浜田聡君 はい。
 ありがとうございました。
 繰り返しになりますけど、マイナンバーカードの普及に対しては、懸念を抱いておられる方の思いはしっかりと受け止めていただきたいと思いますが、普及が進んでいる現状においては、そのメリットを多くの国民が享受できることを願いまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。

第211回国会 参議院 総務委員会 第8号 令和5年3月30日
222 浜田聡
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○浜田聡君 浜田聡でございます。
 NHK党から会派名を変更後、政治家女子48党となりました。先日、ガーシー議員が除名されたことで会派の参議院議員が私一人となり、一旦は会派解散となりましたが、その後、隣におります齊藤健一郎議員が繰上げ当選して、再度会派結成しました。今後、私と二人でこの総務委員会で活動させていただきます。皆様、よろしくお願いいたします。
 今回は、NHK予算案の質疑ということで、稲葉会長を中心に、NHKの方々に質問させていただきます。先日の予算委員会に引き続き、本日もよろしくお願いいたします。
 質問に入る前に、私は、稲葉会長には今後のNHK改革を期待している旨を申し上げます。
 我々は、NHKをぶっ壊すを合い言葉として活動して、選挙で民意をいただき、この場におります。これまで幾度となくNHKに関する批判をしてきたわけです。ただ、国民から公平に受信料をいただき、政府やその他特定勢力から影響を受けずに報道する公共放送というものは必要であると考えております。NHKにはこのような真の公共放送になってほしいと思いつつも、現状はそれができておりません。したがって、我々は、国民からいただいた政党助成金など公金を使ってNHK受信料不払者を増やす活動をしております。
 例えば、NHKに関してお困りの方々から相談を受けるコールセンターの運営や、NHKから裁判された方々のサポートなどを行っておりますし、また最近では、NHKとの契約が不要となるチューナーレステレビの販売も開始する予定であります。このように、NHKの受信料不払者を増やす活動をし、NHKの資金源を絶つことで、現在の駄目なNHKをぶっ壊そうとしているわけでございます。
 我々の先頭に立って活動を引っ張ってきた立花孝志は、元NHK職員であり、NHKの駄目な部分を目の当たりにして、勇気を振り絞って二〇〇五年に内部告発をしてNHKを依願退職しました。その後、NHKから国民を守る党を立ち上げ、それを国政政党に押し上げて現在に至るわけですが、立花孝志いわく、立花孝志のNHKに対する愛情は誰よりも強いのです。
 稲葉会長には、立花孝志の思いを受け止めていただき、会長として国民が喜んで受信料を納めたくなるような真の公共放送へ改革をいただくことを心より期待していることを申し上げます。
 では、今年のNHK予算案に関する事項を伺っていきます。通告しておりました九番と十番の質問を先にさせていただこうと思います。というわけで、四月一日から始まる割増金制度についてお聞きしたいと思います。
 この割増金はどういうものかというと、NHKを視聴可能な機器を設置したにもかかわらず、規定の期間までに受信契約を結んでいない者に対して、支払を逃れた、免れた放送受信料に加え、その二倍の相当する額である割増金を請求するというものです。
 先ほど申し上げたように、我々は、NHKとのトラブルでお困りの皆様の相談に乗るために、ボランティアの方々の助けも受けながらコールセンター運営しております。このコールセンターですが、最近、連日にわたって一日数百件の電話相談いただいております。相談件数が急増した原因の主なものは、この割増金制度が始まることに関して国民の皆さんが不安に思っていることだと思います。
 時間も限られておりますので、我々のスタンスを端的に申し上げますと、もちろん受信料の不払を勧めるわけですが、その不払の方法として、NHKと契約した上での不払を勧めております。契約せずに不払ではなく、契約しての不払を勧める理由は幾つかあるわけですが、その理由の一つとしては、契約してしまえばこの割増金の対象にはならないということがあります。その他の理由として、放送法六十四条で契約の義務が規定されておりまして、最高裁判決でも、最高裁でも判決があること、また別の理由として、契約しての不払ですと、たとえ裁判になっても五年の時効が使えるために債権額の上限ができるというものなどが挙げられます。
 話を戻しますと、この割増金、多くの人々にとって大きな関心事となっているわけでございます。
 そこで、NHKにお聞きします。参考人の方で結構です。今後導入される割増金制度ですが、今回の予算案には割増金として徴収する金額は組み込まれていますでしょうか。また、割増金とは別に、契約して不払をした者に課されるはずの延滞利息の徴収予定額も組み込まれているでしょうか。併せて御説明をお願いします。
223 山名啓雄
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○参考人(山名啓雄君) お答えいたします。
 割増金や延滞利息は、事由に該当する場合に一律に請求するのではなく、視聴者の皆様に丁寧に御説明した上で運用していく方針でございます。具体的な件数、金額を見込んで実施するものではないと考えているため、予算には含んでおりません。
 今後も、NHKの価値や受信料制度の意義を御理解いただき、納得してお手続やお支払をいただくという方針に基づき、事業計画で掲げた受信料収入の確保に努めてまいりたいと考えております。
224 浜田聡
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○浜田聡君 この割増金は、今回初めて出てきた言葉ではありません。昨年の放送法改正よりはるかに前から、日本放送協会放送受信規約第十二条にこの割増金、記載されていたわけでございます。にもかかわらず、長年徴収されてこなかったという経緯があります。
 今回、四月一日から割増金制度導入されるわけですが、先ほどの御答弁から察するに、引き続き徴収されないのではないかと考えるわけですが、我々としましては、この割増金が不当な脅迫に使われないかどうかについては注視していきたいと考えております。
 次の話題としては、NHKさんには是非とも国民の声を聞いてほしいということを訴えたいと思います。
 先ほど申し上げましたが、我々は、コールセンターを運営し、多くの国民の声を聞いているという自負があります。我々に寄せられる声は様々なものがあるわけですが、中でも多いものの一つとして、NHKふれあいセンターへの電話がつながりにくいというものがあります。ただでさえNHKふれあいセンターへの電話はつながりにくい状態なんですが、もうすぐNHKの割増金制度導入ということで、何かと不安に感じている国民は増えていると思います。我々に電話が寄せられていることは先ほど述べたとおりですが、NHKふれあいセンターへの電話も恐らく増えているのではないかと思います。ただでさえつながりにくいふれあいセンターですが、割増金制度導入が近づいて相談件数が増えることは容易に想像できるわけですから、更に電話がつながりにくいと想像しています。
 そこで、稲葉会長にふれあいセンターに関するお願いという形で質問させていただきます。NHKふれあいセンターへの電話がつながりにくいということを対策講じてほしいのですが、この提案への御見解をお願いします。
225 稲葉延雄
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○参考人(稲葉延雄君) 受信料関係のお問合せが集中する時期というのは電話がつながりにくくなることが確かにございまして、本当にお客様に御不便をお掛けしてございまして、本当に申し訳なく思ってございます。
 例年、三月から四月にかけては転居する方が多くて、特にお問合せが集中する時期であるために、電話の受付体制を強化するなどの対策を講じてございます。また、手続は電話だけでなくてインターネットでもできるというようなことを放送などでお知らせしてお客様の利便性を向上させるとともに、少しでも電話がつながりやすくするよう取組を進めてございます。
 いずれにしても、お客様に御不便をお掛けするということは全く本意ではございません。引き続き、サービス向上に努めてまいりたいというふうに思います。
226 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。国民の声を聞くために電話対応を強化するということ、もちろんだと思います。
 更にお願いしたいこととしては、NHKの解約をする際には基本的には主にこのふれあいセンターを通じて行う必要があると認識しておりますが、この解約の手続も、ふれあいセンターへの連絡以外にも、先ほど話にありましたが、インターネット上で手続完了するような仕組みの整備なども進めていただきたい旨をお伝えさせていただきます。
 ちょっとこれらの対策効果が芳しくないようであれば、今後この総務委員会でもしつこく追及することになると思いますので、よろしくお願いいたします。
 次に、最近話題となっておりますジャニー喜多川氏の少年への性的搾取に関するお話です。
 この件に関してはBBCが報じたわけですが、日本の各テレビ局は報道していないようでございます。この件について三月九日の総務委員会でも扱いましたので、今回は細かい説明は省略させていただき、端的に私の考えを述べさせていただきます。
 やはり、この件はテレビを始めとする主要メディアがしっかりと報じるべきだと考えております。社会に大きな影響を及ぼす芸能事務所において性的搾取があったということについて、メディアが適切に報道していれば、その後の被害拡大をある程度抑制できた可能性はあるのですが、現実はそうではなく、テレビは、日本のテレビは現在に至るまで報じてきていないと認識をしております。
 この件については、特にNHKが報じないことについて各方面から多数の批判があるように思います。ジャニーズ事務所のお世話になっている民放各社については、その報復などを恐れて報道できないということは、まあ民放であっても公共の電波を使っているわけであり、私自身は納得し難いとはいうものの、一方で、一定の合理性はあるとも言えます。しかし、国民の受信料で成り立っているNHKは、ジャニーズ事務所にはそんたくは必要ありません。この件を報道しないNHKに対して、報道すべきことは報道すべきという批判が多くの識者から述べられていると思います。
 会長にお尋ねします。これらの批判に対するNHK会長としての今後の方針を教えていただければと思います。
227 稲葉延雄
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○参考人(稲葉延雄君) NHKとしてニュースあるいは番組で何を伝えるかにつきましては、自主的な編集判断に基づいて、その都度、総合的に判断しているということでございます。
 報道機関として放送の自主自律を堅持し、視聴者の皆様に信頼していただけるような、そういう放送を今後とも努めてまいりたいというふうに思ってございます。
228 浜田聡
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○浜田聡君 私、先ほど、こう申し上げました。会長として国民が喜んで受信料を納めたくなるような真の公共放送へ改革いただくことを心より期待しているということです。今回取り上げた件はそのチャンスだと思います。真の公共放送として信頼を高めるチャンスであることを御留意いただきたいと思います。稲葉会長には期待していることを申し上げて、次の話題に移ります。
 次に、稲葉会長の前任者である前田前会長についてお伺いします。
 まず、私は、前田前会長がNHK会長として残した功績はすばらしいものがあると考えます。その理由は一つ。先ほど柳ヶ瀬委員の話にもありましたが、二〇二〇年の十二月に、前田前会長、NHKの委託業者による訪問員によるトラブルが全国で多発していることを重く見て、今後委託業者による訪問員を全廃するといった旨の方針を発表し、その方針を実行に移したことでございます。
 我々は、以前からNHK委託業者による訪問員トラブルを重く受け止め、その被害から国民を守るために数多くの相談に乗ってきております。これまで、数多くのNHK訪問員によるトラブルの相談を受けてきたわけですが、新型コロナウイルスの影響で、最近では訪問員が減ったことで我々の相談件数が減ったことは事実ですが、現在のようにコロナウイルス感染症がある程度落ち着いた後でも、最近では悪質な訪問員によるトラブルに関する相談件数は以前に比べると明らかに減少しております。前田前会長の方針は実際に結果が出ておりますので、私は前田前会長の働きを評価しているということです。
 そこで、稲葉会長にお伺いします。前田前会長の働きについての御見解、そして前田前会長が示した委託業者による訪問員撤廃の方針に変わりはないかという点についてお伺いします。
229 稲葉延雄
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○参考人(稲葉延雄君) 前田前会長が進めてきたいわゆる営業改革によりまして、訪問に関する苦情の件数というのは以前と比べて大きく減少してございます。これは、訪問以外の手法を活用した営業への転換を図る改革の成果だというふうに私は評価してございます。継続して取り組んでいきたいというふうに思います。
 現在の受信料の契約収納業務の委託制度については二〇二三年度末で終了する予定となっていまして、その方針も変わりはございません。引き続き、視聴者の皆様と様々な形でコミュニケーションを図り、受信料の公平負担に努めてまいりたいというふうに思っております。
230 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。前田会長の意思を引き継いでいただきたいと思います。
 我々の活動を引っ張ってきた立花孝志ですが、かつてNHK前田前会長に直談判しに行った経緯があります。この件については是非とも知っていただきたいと思います。
 二〇一九年に、愛知県において、NHK名古屋放送局の委託業者がNHK受信契約者の個人情報を漏えいして、高齢女性からキャッシュカードや現金を盗んだという事件が発生しました。この事件を重く受け止めた立花孝志が、NHKに早急な対策などを求めて意見を伝えに渋谷のNHK放送センターに行きました。ところが、NHK放送センターの受付で対応を拒否されたわけでございます。仕方がないので、立花孝志はNHKの当時の責任者である前田前会長の自宅に行って、意見を書いた手紙を渡しに行ったということがあります。
 訪問した時間が夜であり、もちろんその時間に伺うことに批判はあるとは思います。しかし、当時のNHK委託業者の訪問員は夜遅くの訪問が日常茶飯事であり、これと同じことを当時のNHK前田前会長にも行って、NHK委託業者の訪問員による問題の深刻さを伝えに行ったわけです。
 この件が要因の一つとして、立花孝志に先日執行猶予付きの有罪判決が出されたわけですが、これにはNHKの対応にも様々な問題があったということを御理解いただきたいと思います。この立花孝志の行動によって、前田前会長がNHK委託業者の訪問員による問題の深刻さを実感し、その後の委託業者の訪問員撤廃方針に踏み切ったということも是非とも御確認いただきたいと思います。
 ちなみに、当時の動画は現在でも確認可能であり、ユーチューブ上で、前田会長自宅リア凸というタイトルの動画として見ることができるということも申し添えておきます。
 次に、差押えが禁止されている債権をNHKが差し押さえたことについて伺っていきたいと思います。
 昨年の十一月上旬に、住民税非課税世帯への五万円給付金への差押え禁止法案が成立しました。それにもかかわらず、NHKがこの給付金を差し押さえたことが問題となり、昨年も私はこの総務委員会で取り上げさせていただきました。ですので、この件に関する詳細は省略しますが、私から再発防止策のようなものを改めて提案させていただきます。
 住民税非課税世帯のような貧しい世帯はNHK受信料を免除するのがいいと思います。住民税非課税世帯は、相対的に収入が少ないわけですので、受信料の支払が苦しいわけです。この世帯の支払義務がそのままですと、こういった事態が起こるわけですから、免除するに値すると思います。
 そこで、会長に、この件と関連して二点まとめてお伺いします。提案させていただきます。
 同じ過ちを犯さないために住民税非課税世帯へのNHK受信料を免除すべきと考えます。住民税非課税世帯への受信料免除という提案についての考えを伺います。
 もう一点は、生活保護世帯でございます。こちら、受信料が免除になっているわけですが、生活保護世帯はある意味毎月安定して収入があるわけですので、受信料の免除撤廃ということも検討すべきではないかと思いますが、この提案についてのお考えを伺います。
231 稲葉延雄
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○参考人(稲葉延雄君) なかなか難しい御提案だというふうに認識してございます。
 まず、NHKは、その公的扶助を受給されている方や障害者手帳をお持ちの方がいる世帯で市町村税が非課税の場合、受信料を全額免除しているということでございます。免除制度は皆さんの負担により成り立つということですので、その免除の拡大については慎重に検討する必要があるなというふうに感じてございます。
 また、生活保護世帯に関しては、生活に困窮する方に対して、その困窮度に応じて必要な保護を行い、健康で文化的な最低限の生活を保障するとともに、自立を助長することを目的となっているというふうに承知してございますので、その趣旨の、その制度の趣旨から、生活保護を受給されている方には引き続き免除対象としていく方針でございます。
232 浜田聡
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○浜田聡君 この件は、NHKにとって、弱者への配慮が本当にできるかという点で、真の公共放送としての信頼を高めるチャンスであることを御留意いただきたいと思います。会長には期待しております。
 次に、非課税世帯と同じくいわゆる社会的弱者として、御高齢の方々、そして認知症の方々、お亡くなりになった方々への配慮をNHKにお願いしたいという観点から質問させていただきます。
 この質問は、昨年の十月二十日、参議院予算委員会、十一月二十四日、総務委員会で政府に行った質問ですが、今回、改めてNHKに対しても質問させていただきます。
 今後、委託業者による訪問営業を全廃される方針とはいうものの、今後もNHK社員による訪問営業などは続く方針であると認識しております。現状においても、訪問営業による御高齢の方々への被害は、以前に比べて減ったとはいうものの、存在をしております。
 特に、御高齢の方々の中でも認知症の方々への訪問でのトラブルは大きな問題です。受信機をお持ちでない、したがってNHKとの契約が必要でない認知症の方のお宅へ訪問して契約を迫ったという御家族からの相談が我々に寄せられております。
 また、お亡くなりになった方の世帯でも大きな問題があります。それは、お亡くなりになった単身世帯での受信料が引き落とされ続けるというケースについて我々は相談を受けています。先ほど申し上げたように、NHK解約のためにはふれあいセンターへの電話が必要なのですが、その電話がつながりにくいという現状もありますし、また、たとえつながったとしても、NHKが御遺族の解約手続に及び腰というとんでもない現状があります。
 そこで、NHKへ提案です。これらの現状から、年金受給者のNHK受信料は免除することでこれらの問題を予防することが合理的だと考えます。年金受給者のNHK受信料を免除することに関する御見解を伺いたいと思います。
233 稲葉延雄
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○参考人(稲葉延雄君) この問題もなかなか難しい問題でございます。
 年金受給者の受信料を免除すべきとの御指摘でございますけれども、年金受給者の経済的な状況というのはそれぞれ大きく異なるもののように見えますので、年金受給者というだけで一律に免除するというのは受信料の公平負担の考え方にはそぐわないんではないかというようなふうに考えられます。
 また、その際、様々な解約などのお問合せに対しては、受信規約に基づいてより適切に対応するよう努めていかなければいけないというふうに思います。
234 浜田聡
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○浜田聡君 年金受給者の受信料免除については、昨年の参議院選挙、我々の重要公約であります。これで民意をいただいて、我々、国政政党としての政党要件をクリアするほどには多くの票をいただいていることを会長には御理解いただきたいと思います。
 繰り返しになりますが、弱者への配慮ができるかどうかという点で、NHKにとって真の公共放送としての信頼を高めるチャンスであることを御留意いただきたいと思います。
 次に、五番目の質問についてはスキップをさせていただきます。
 で、以前から国会で何度も申し上げていることなんですが、我々、受信料を払うべき人は払うべきと考えております。そこで、本来受信料を払うべきであるにもかかわらず受信料を不払している世帯にも受信料を支払うことを促進するために、三つの提案、今申し上げます。
 一つは、NHKのスクランブル放送を導入することでございます。二つ目は、チューナー付きテレビを購入する際にNHKとの受信契約を義務付けることでございます。三つ目は、受信料支払義務があるにもかかわらず不払をしている者全員に裁判をすることでございます。これらの方法を導入することを提案させていただきたいと思います。
 会長に伺います。これら提案に関する御見解を伺います。
235 稲葉延雄
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○参考人(稲葉延雄君) 三つ御提案をいただきました。
 第一番目、まずスクランブル放送の導入につきましてですけれども、これ、放送法第十五条に規定されている、あまねく日本全国において受信できるよう放送を行うというNHKの役割とは相入れないのではないかというふうに考えてございます。
 二番目、テレビなどを購入する際に受信契約を義務付けてはどうかという御提案でございます。NHKは、これもまた、あくまで放送法第六十四条に定められているとおり、受信設備を設置した方に対して受信契約をお願いしている、この方針を維持してまいりたいと思います。
 三番目は、民事手続で、受信契約があって支払が滞っている方や契約を結んでいただけない方に対して、文書、電話、訪問などによって受信料制度の意義、公共放送の役割を丁寧に説明した上で、それでもなおお支払いいただけないという場合の最後の方法として、準備が整った方から民事手続というのを実施させていただいています。NHKとしては、不払の方全員に対して一律に民事手続を実施するという考えはないということを申し上げたいと思います。
236 浜田聡
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○浜田聡君 NHK受信料不払を先導している我々が、NHK受信料に関して経済的に最も合理的な方法を端的にお伝えさせていただきます。NHK受信料は不払を続けた上で、裁判されてから払うのが一番お得ということです。
 そこで、受信料を払っていない世帯数やその方々に対してNHKが裁判している年間件数などについて伺っていきたいと思います。三つまとめて質問させていただきます。
 まず、受信機を設置しているなどの理由で本来NHKと契約すべきであるにもかかわらずNHKと契約していない世帯数を教えてください。次に、NHKと契約しているが受信料を払っていない世帯数がどれほどか教えてください。最後に、これらに対して一年間にNHKが裁判を起こしている件数がどれぐらいか教えてください。よろしくお願いします。
237 山名啓雄
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○参考人(山名啓雄君) お答えいたします。
 まず、受信契約の対象であるにもかかわらず受信契約を締結していただけていない世帯数は、二〇二一年度末でおよそ八百七十万件と推計しております。
 続いて、受信契約を締結したもののお支払をいただけていない世帯数は、二〇二一年度末で百十四万件となっております。
 最後に、二〇二一年度における未契約世帯に対する民事訴訟の提起は九十三件、支払督促の申立ては百九十一件実施いたしました。
238 浜田聡
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○浜田聡君 是非国民の皆様に知っていただきたいこととして、本来受信料を払うべきにもかかわらず払っていない世帯は、先ほどの御答弁だと九百万件を超えているわけです。それに対して裁判をしているのが年間数えられるほどであるということです。
 時間が来たので終わりますが、まとめますが、なぜ裁判件数がこれだけ少ないのかについて、我々の活動を引っ張ってきた元NHK職員立花孝志が言うにはですね……
239 河野義博
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○委員長(河野義博君) おまとめください。
240 浜田聡
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○浜田聡君 はい。
 全て裁判をするとなると受信料の不払世帯の実際の件数が分かってしまうということがあります。
 ちょっと中途半端になりましたが、稲葉会長には是非、今後、私の申し上げたことに対して受け止めていただいて、NHK改革をしっかり進めていただくことを期待申し上げまして、私の質問を終わります。
 どうも御清聴ありがとうございました。

第211回国会 参議院 総務委員会 第10号 令和5年4月25日
131 浜田聡
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○浜田聡君 浜田聡です。本日最後の質疑、よろしくお願いいたします。
 今回は、地方自治法改正案の質疑ということで、改正案の内容のほか、地方自治法が関わって最近世間の関心が高いいわゆるColabo問題や地方選挙、例えば被選挙権年齢の引下げなどについて質問をさせていただきます。
 今回の法改正の内容に非正規雇用職員への勤勉手当の支給に関するものがあります。まず、ここについて質問をさせていただきます。
 非正規雇用職員の勤勉手当に関してですが、単に手当だけを増額するのであれば、自治体の人件費負担が増えるだけと予想をしております。それを国からの支援で賄うだけでは、単に国民に負担を押し付けるだけになるのではないかと危惧します。つまり、増税につながるおそれがあるということです。岸田内閣が賃上げに、賃上げ政策に取り組む中、手取りを減らす増税をしていては元も子もありません。増税をする前にやるべきことはあります。
 地方自治体の約四割は行政評価に取り組んでいないというデータが総務省の調査で出ております。今回の配付資料の一番最後にその関連するものを用意させていただきました。資料は、平成二十八年の調査であり、少し古いですが、今に至るまで大きく変化しているとは思いません。というわけで、増税の前にやるべきことはたくさんあると思います。
 そこで、非正規雇用職員の勤勉手当に関して政府に伺います。まず、地方自治体における事務事業評価の取組の徹底や業務のデジタル化などを先にすべきと思われますが、御見解をお伺いします。
132 吉川浩民
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○政府参考人(吉川浩民君) お答えいたします。
 地方公共団体の行政評価の導入状況につきましては、令和四年四月現在で千百七十五団体となっておりまして、御指摘の平成二十八年十月の前回調査時点より七十六団体増加し、約六六%の地方公共団体で導入済みとなっております。具体には、都道府県、指定都市におきましては約九九%が既に導入済みでございます。また、中核市、市区などにおきましても、八割以上の団体で導入済みとなっております。
 地方公共団体の事務事業評価などの行政評価につきましては、住民に対する説明責任の確保など、行政運営の向上を図るため、自主的、主体的に取り組まれているものと認識しております。今後も、地域の実情に応じ、行政評価の結果などを活用するとともに、デジタル技術を活用した業務改革を行うなど、自主的、主体的な改革を進めることが重要と考えております。
133 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 繰り返しになって恐縮ですが、岸田内閣が賃上げ政策に取り組む中、手取りを減らす増税をしていては元も子もありません。増税をする前にやるべきことはあります。
 地方自治体における事務事業評価の取組をしっかり行うことで税金が余っているということが明らかになります。こういった税金を使って行われている事業の評価をしっかりしないと、次に取り上げる東京のColabo問題のようなものが発生するわけです。総務省行政評価局の方には大いに期待するとともに、私の支援者の皆様とともに各地方の事務事業評価表のチェックを進めていくことで、減税をする余裕は大いにあると、減税をするのだということを申し上げて、次の質問に移ります。
 次に、東京都若年被害女性支援事業等に関する問題、いわゆるColabo問題について取り上げさせていただきます。
 この問題について、私はこれまで総務委員会、予算委員会などで取り上げさせていただきました。この問題はテレビを始めとする主要マスコミがなぜか取り上げたがらないようですが、インターネット上では国民の関心の高さがうかがえる問題であり、私としてはしっかりと取り組んでいきたいと考えております。
 昨年、東京都の若年被害女性等支援事業の受託者である一般社団法人Colaboの会計報告に問題があることが明るみになったことを発端として、様々な問題が次から次へと出てきているというものです。この問題の特徴としては、問題が数多く出てくることが挙げられると私は考えております。今回は、その問題の一つとして、地方自治法第二百三十四条などと関連する問題を取り上げさせていただきます。
 この後の話に入る前に私からまず述べさせていただきたいこととしては、被害を受けている若年女性を支援することは必要であり、非常に重要であるということ、改めて強調させていただきます。ただ一方で、国民負担率が約五割になろうとしている現在において、国民から納められた税金の適切な利用というのは非常に重要なことであります。この問題を国会で取り上げて問題が改善することによって、被害女性の救済が更に進むことを期待しております。
 さて、このColabo問題、東京都議会では自民党都議団の先生方が東京都に対して積極的に追及をされているわけでございまして、そのことに敬意を表するとともに、私も応援していきたいと思います。この問題は、都民の税金のみならず国民の税金も投じられているわけですから、この国会でも取り上げていく所存です。
 今回、このColabo問題について三つ質問を用意させていただきました。今回の私の質疑については動画などによって多くの国民の皆様が御覧になっていただくと思いますが、例えば地方自治法施行令百六十七の第二項、一項第二号などという複数の法令が出てきて分かりにくいところもあると思いますので、まず、大ざっぱにですが、私が訴えたい問題意識をお伝えさせていただきます。
 東京都の若年被害女性等支援事業に限った話ではないのかもしれませんが、地方自治体が、その事業を請け負う事業者は、入札や企画競争など事業者を選定するプロセスを経て選ばれるのが常道だと思います。しかし、どうもこのWBPCと呼ばれる四団体が優遇されて選ばれているのではないかという指摘が今回あります。このWBPCというのは四つの団体の頭文字を取ったものでして、一般社団法人若草プロジェクトのW、NPO法人BONDプロジェクトのB、NPO法人ぱっぷすのP、一般社団法人ColaboのC、四団体となります。この四団体はその選定プロセスがないまま選ばれているのではないかという指摘です。これが事実なら、かなりまずいことだと思います。政治家や役人と癒着した特定の団体だけが選ばれることになってしまうからです。
 さて、ここで地方自治法二百三十四条の内容を少し紹介させていただきます。条文の一部、読み上げます。一、売買、貸借、請負その他の契約は、一般競争入札、指名競争入札、随意契約又は競り売りの方法により締結するものとする。二、前項の指名競争入札、随意契約又は競り売りは、政令で定める場合に該当するときに限り、これによることができる。条文は更に続きますが、この問題と関連が強いところで、ひとまずここまで紹介させていただきます。
 さて、自治体による調達というのは、その財源が税金によって賄われるものであるため、より良いもの、安いものであるべきと考えます。そのため、原則として、自治体が発注を行う場合は不特定多数の参加者を募る一般競争入札が原則です。一方で、随意契約は自治体が特定の相手方を決めて行う契約でございます。法令では随意契約をする条件を例外的な取扱いとして定められております。
 東京都は、若年被害女性等支援事業について、先ほど申し上げた四団体、WBPCと随意契約を行ったようであり、そのプロセスが問題視されています。これについて東京都は次のように説明をしております。厚労省が発出した若年被害女性等支援事業実施要綱の記載を根拠に、全国一律の内容で契約するように求められたから随意契約を行ったとしておりまして、これは地方自治法施行令百六十七条の二第一項第二号に当てはまるとしております。地方自治法施行令百六十七条ですが、地方自治法第二百三十四条第二項の規定における随意契約のできる条件を定める、条件を記載しているものでございます。
 この東京都の説明なんですけれど、東京都の主張する全国一律の内容で契約するように求めたという点について、先日、私は質問主意書で確認をさせていただきました。詳細は省きますが、その答弁書には次のように記載をされておりました。委託先の社会福祉法人等における対象者に対する支援の在り方については、当該都道府県等における支援事業の実施の方針や、当該社会福祉法人等の内容によって様々であると考えていると答弁書に記載されております。ここで、東京都と日本政府ではその認識に食い違いがあるというように思います。
 そこで、参考人の方にお聞きします。東京都と政府、どちらかがおかしいのではないかと思うわけなんですが、私としては、東京都議会のやり取りなどを含めて察すると、東京都の認識が誤っているように思うんですが、いかがでしょうか。それとも、政府は全国一律の内容で契約するように求めたのでしょうか。御答弁お願いします。
134 本多則惠
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○政府参考人(本多則惠君) お答え申し上げます。
 御指摘のありました東京都の認識につきましては、厚生労働省としてはお答えする立場にはございませんが、若年被害女性等支援事業につきましては、当該事業の実施要綱に基づいて、事業の一部について、年間を通じて若年女性の支援を行う社会福祉法人やNPO法人等に委託等することができるとしているところでございます。
 社会福祉法人等に委託等を行う事業の具体的な内容や対象者に対する支援の在り方につきましては、事業を実施する都道府県等の方針や委託先の団体の活動内容等によって様々であると考えております。
135 浜田聡
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○浜田聡君 答弁内容からは、政府が全国一律の内容で契約するように求めたという事実はないように思いますが、そうだとすると、やはり東京都の主張は破綻しているのではないかと思います。
 ここで、随意契約の理由として東京都が挙げている厚労省の実施要綱の二、実施主体の記載を取り上げさせていただきます。年間を通じて若年女性の支援を行う社会福祉法人、NPO法人等に委託等することができるという記載でございます。
 この記載について総務省にお聞きしたいのですが、一般論として、随意契約が地方自治法施行令百六十七条の二第一項第二号の要件に該当するかどうかの判断基準はどのようなものでしょうか。また、一般論としての基準で照らしたとき、東京都の主張は地方自治法上の随意契約の条件に当てはまるのでしょうか。御見解を伺います。
136 吉川浩民
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○政府参考人(吉川浩民君) お答えいたします。
 地方自治法施行令第百六十七条の二第一項第二号におきまして、性質又は目的が競争入札に適しない契約をするときは随意契約によることができるとされておりまして、これに該当するか否かは、最高裁判例におきまして、契約の公正及び価格の有利性を図ることを目的として地方公共団体の契約締結の方法に制限を加えている法令の趣旨を勘案し、個々具体的な契約ごとに、当該契約の種類、内容、性質、目的等諸般の事情を考慮して当該地方公共団体の契約担当者の合理的な裁量判断により決定されるものと解するのが相当と示されております。
 このように、随意契約の運用につきましては、各自治体が、法令の規定やこうした判例の考え方等を踏まえまして、自らの判断と責任において適切に行うべきものと考えております。
137 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 このColabo問題ですが、東京都議会では、自民党都議団の先生方が東京都に対して積極的に追及をされていると申し上げました。その一例をここで取り上げさせていただきます。
 三月十四日の東京都議会の厚生委員会において、浜中義豊自民党都議と東京都のやり取りがありました。そこによると、東京都若年被害女性等支援事業に係る契約については、東京都が定めた契約事務の委任等に関わる規則に反して、東京都福祉保健局の独断で締結しているということが指摘をされております。つまり、地方自治法十五条に基づいて東京都が定めた権限委任の手続に関する規則を東京都は自ら反したということでございます。しかしながら、東京都は、手続規則に違反はあったが、委任自体は成立しており、契約は有効と解して、この契約を有効で問題でないものとしております。
 そこで、政府参考人の方に伺います。二点伺います。
 一点目は、一般論として伺うわけですが、地方自治法十五条に基づき知事から職員への権限委任の手続が規則で定められている場合、権限委任は規則に従わなければ規則の存在意義がなくなるので、実態としての権限委任も成立しないと考えますが、地方自治の観点から、総務省としての見解を伺います。
 もう二点はです、もう一点は、また、これを踏まえて、この東京都の、規則の手続には違反しているが、権限委任は成立しており、契約は有効であるという見解に関して、総務省の見解を伺います。
138 吉川浩民
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○政府参考人(吉川浩民君) 一般に、地方公共団体の長は、地方自治法百五十三条一項に基づき、その権限に属する事務の一部を補助機関である職員に委任することができます。
 お尋ねの権限委任が成立しているかどうかにつきましては、当該事務処理の手続を定める、当該事務処理の手続に関する定めでございます東京都契約事務の委任に関する規則に照らし、東京都において適切に判断されるべきものと考えております。
139 浜田聡
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○浜田聡君 今回、東京都が若年被害女性等支援事業をWBPCの四つに選定したことについては、やはり大きな問題があると考えます。繰り返しになりますが、被害を受けている若年女性を支援することは必要であり、重要であることは改めて強調します。ただ一方で、国民から納められた税金の適切な利用も同様に重要でございます。東京都がその事業を行うに当たり、委託先として選定プロセスに疑義があるということをここで取り上げさせていただきました。
 このColabo問題、さらにColabo以外の三団体含めたWBPC問題は、東京都においては東京都議会の自民党さんが追及されておりますが、この問題は東京都のみならず全国の自治体で発生している可能性がある問題であることは容易に想像できます。東京都以外ではこの追及がどの程度なされているのかについて、国民の皆様、大いに関心があるであろうということを申し添えておきます。
 ここで、東京都議会のウェブ中継について問題提起をさせていただきます。今回はこれは質問ではありませんが、次回以降の委員会で取り上げさせていただく予定です。
 問題提起したいのは、東京都議会はウェブ中継を二次加工、配信するのを著作権を持ち出して禁止しているという指摘があることです。国会中継は二次加工や配信が盛んとなっていることは皆さん御存じのとおりだと思います。
 で、著作権法第四十条には、議会における演説等は、報道のために新聞等へ掲載、放送等により利用することができるというものがあります。そういったことを考えると、東京都議会のこの規制というのはおかしいのではないかと思います。東京都議会でのやり取りが幅広く国民の皆様から見られることは望ましいと考えますので、今後取り上げさせていただくことを申し上げて、次の質問に移ります。
 さて次に、いわゆる議員のなり手不足解決するための被選挙権の問題を取り上げていきたいと思います。
 今回の地方自治法改正案では、議員のなり手不足が課題として捉えられているように思います。この点に関しては、今回の委員会でも様々な議論がなされました。その解決策としては、私はやはり被選挙権の規制緩和が近道であると考えます。被選挙権についての規制緩和をすれば議員のなり手不足は解決すると考えまして、この観点から幾つか、まあ時間ないので、質問させていただきます。
 まず、被選挙権の規制緩和として、まず参考人の方に伺います。日本と比較して、諸外国の被選挙権の年齢に関して政府の把握しているところを教えていただければと思います。
140 森源二
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○政府参考人(森源二君) お答えいたします。
 諸外国の被選挙権年齢について、G7諸国の下院の例で見てみますと、イギリス、ドイツ、フランス、カナダでは十八歳、アメリカ、イタリアでは二十五歳となっているものと承知をしております。同じくG7諸国の上院の被選挙権については、直接選挙により議員を選出する国は日本以外では二か国ですが、アメリカでは三十歳、イタリアでは四十歳となっているものと承知をしております。
141 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。
 最後の質問になります。
 私は、被選挙権年齢の引下げについては、あえて内閣法で提出してほしいと思います。ここでは理由を一つ述べさせていただき、まあ理由を一つ質問させていただきます。
 理由の一つとしては、現状では政府が日本の若者を軽視しているのではないかということです。日本の若者に対して、諸外国の若者に比べて未熟であるから被選挙権を与えないことは相当であるという差別をしているのではないかと言えるのではないかということです。それだと、日本の若者に対して失礼となりますので、私は被選挙権引下げを実現するための法案は内閣法で提出すべきと考えますが、政府の見解を伺います。
142 中川貴元
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○大臣政務官(中川貴元君) 被選挙権年齢の引下げにつきましては、これまで選挙権年齢と同じ十八歳に引き下げ、人生の選択の時期に地域を良くしたいという意欲を持つ若者が立候補できるようにしてはどうかとの意見があった一方で、住民間の利害対立に関わる合意形成を担うためには一定の経験が必要と考えられることから、慎重に考えるべきではないかとの意見もあったものと承知をしているところでございます。
 被選挙権年齢の在り方につきましては、民主主義の土台である選挙制度の根幹に関わるものであることから、各党各会派で御議論をいただくべき事柄であると考えております。
143 浜田聡
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○浜田聡君 時間がないので終わりますが、今回ちょっと紹介できなかったんですけれど、今回の配付資料に各主要政党の選挙での被選挙権年齢が含まれている公約集を用意させていただきました。
 その公約集には、各主要政党は、被選挙権年齢引下げは……
144 河野義博
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○委員長(河野義博君) おまとめください。
145 浜田聡
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○浜田聡君 盛り込まれているということを最後に申し上げまして、私の質疑を終わります。
 御清聴ありがとうございました。

第211回国会 参議院 総務委員会 第11号 令和5年5月23日
087 浜田聡
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○浜田聡君 浜田聡です。最後の質疑、皆様よろしくお願いします。
 昨日、急遽、質問の一部差し替えさせていただきました。御対応いただきました皆様、ありがとうございました。
 まずは、前回、四月二十五日のこの総務委員会の私の質疑の続き、被選挙権年齢引下げに関する質問をさせていただきます。
 さきの参議院選挙のみならず、これまでの国政選挙において、主要政党の公約には被選挙権年齢の引下げが盛り込まれております。今回の配付資料で、前回の参院選での主要政党による被選挙権年齢引下げに関する公約、まとめたものを用意させていただきました。ほぼ全ての国政政党が被選挙権年齢引下げについては公約に記載されております。もちろん、政府・与党である自民党も公明党も被選挙権年齢引下げは記載されているわけでございます。
 そこで、政府に提案という形で質問させていただきます。
 被選挙権年齢の引下げを実現するための法案というのは議員立法が想定されると思いますが、主要政党が軒並み公約に盛り込んでいることを考えると、内閣法で提出することも十分あり得ると思いますが、政府の見解を伺います。
088 中川貴元
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○大臣政務官(中川貴元君) 我が国の被選挙権年齢につきましては、過去の国会での答弁によりますと、社会的経験に基づく思慮と分別を踏まえて設定されているものとの説明がなされてきているところでございます。被選挙権年齢は、当該公職の職務内容、選挙権年齢とのバランス等も考慮しながら検討されるべき事柄であると考えているところでございます。
 また、被選挙権年齢の引下げにつきましては、これまで、選挙権年齢と同じ十八歳に引き下げ、人生の選択の時期に地域を良くしたいという意欲を持つ若者が立候補できるようにしてはどうかとの意見があった一方で、住民間の利害対立に関わる合意形成を担うためには一定の経験が必要と考えられることから慎重に考えるべきではないかとの意見もあったものと承知をしているところでございます。
 被選挙権年齢の在り方につきましては、民主主義の土台である選挙制度の根幹に関わるものでありますことから、各党各会派で御議論をいただくべき事柄であると考えております。
089 浜田聡
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○浜田聡君 主要政党が軒並み被選挙権年齢引下げを公約に盛り込んでいるにもかかわらず、なかなかこの話が進展しないのはなぜか、この点を多くの国民に考えていただきたい、そう申し上げて、次の質問に移ります。
 次は、いわゆる失われた三十年と国政選挙制度について二点伺います。
 衆議院におきまして、先日十五日、衆院選の選挙制度の在り方に関する協議会が開催されたと認識しております。現行の選挙制度を検証し、年内にも各党の見解を踏まえた報告書を作成する方針とのことです。
 我が党は国政政党ではありますが、残念ながら衆議院に議席を持っておりません。国政政党の一員として、この場をお借りして衆院選挙制度に関して意見申し上げたいと思います。
 まず、国政の政治体制、それを形作る選挙制度というのはその国の経済成長に直結するという考え方の下での質問です。
 一九九〇年代から日本は経済成長が鈍化したままであり、失われた三十年と言われることは皆さん御承知のとおりです。この経済成長の鈍化は、衆議院で小選挙区比例代表並立制が導入されてからの期間と一致します。したがいまして、この小選挙区比例代表並立制は、日本の経済成長の観点からは間違った選挙制度であると私は考えます。
 そこで伺います。
 衆議院の選挙制度と日本の経済成長の関連性について御見解を伺います。
090 中川貴元
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○大臣政務官(中川貴元君) 現行の衆議院小選挙区比例代表並立制は、選挙や政治活動を個人中心の仕組みから政策本位、政党中心の仕組みに転換することを目指して、長年にわたる政治改革の議論を経て平成六年に導入をされたものでございます。
 平成八年に制度導入後初めての衆議院総選挙が実施されてから四半世紀が経過し、現行の制度についてその検証や見直しが必要であるとの意見もありまして、現在、与野党六党により設置された衆議院選挙制度協議会において、中長期的な観点から将来の我が国の議会政治を見据え、幅広く協議が行われているものと承知をしているところでございます。
 いずれにいたしましても、各党各会派において御議論をいただくべき事柄であると考えているところでございます。
091 浜田聡
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○浜田聡君 引き続き、選挙制度に関して質問です。
 過去になされた衆議院の選挙制度改革の議論においては、かつての中選挙区制を問題視したからこそ小選挙区比例代表並立制を導入したのだと思います。そうした経緯から考えると、以前の中選挙区制に戻すことはあり得ないと考えるものの、かといって現状のままではいけないという問題意識は多くの人がお持ちであろうと思います。
 選挙制度を考える際には、日本ではなじみのない制度も頭に入れた上での議論が必要であろうと思います。例えば、内閣の権限において衆議院の解散する制度と異なりまして、国政選挙の時期をアメリカのように固定することの意義も考えてほしいと思います。ほかには、一人の有権者が複数の候補者に投票できる連記投票制というものもあります。また、移譲式というものもあります。これは、各々の有権者が優先順位投票を用いて複数の候補者に投票し、一定割合の票を得た候補者が当選しますが、当選確定者の余分な票はそれぞれの順位に従って他の候補者へ移譲される制度です。このように、日本では余りなじみがなくても、アイデアとしてはすばらしい、導入を検討すべき制度も多くの人に知ってもらえれば幅広い議論ができると思います。
 今回、配付資料として、国会図書館が二〇一一年に出した「諸外国の選挙制度」というタイトルのレポートの一部を使わせていただきました。インターネット上で読むことができますので、一度目を通していただければと思います。
 政府に伺います。
 衆院選の時期の固定であったり、連記制、移譲式など、日本でなじみのない制度の検討に関して政府の見解を伺います。
092 中川貴元
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○大臣政務官(中川貴元君) 先ほども申し上げました、与野党六党により設置をされました衆議院選挙制度協議会におきましては、G7など諸外国の選挙制度も確認しながら幅広く協議が行われているものと承知をしております。
 いずれにいたしましても、衆議院の選挙制度の在り方につきましては議会政治の根幹に関わる重要な問題でありますので、各党各会派において御議論をいただくべき事柄であると考えているところでございます。
093 浜田聡
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○浜田聡君 選挙制度に関して、今後幅広い議論がなされることを願いつつ、自分自身も積極的に発信していくことを申し上げて、次の質問に移ります。
 次に、四月二十七日のNHKニュースに関しまして、NHKの方に質問です。
 創価学会池田大作名誉会長、G7広島サミットに向け提言発表というタイトルのニュース記事です。二点まとめて質問させていただきます。
 まず、この提言内容については、私、大いに賛同するところでございます。とはいえ、NHKが創価学会、池田大作氏の声明を報じたことに関しては、公共放送が特定の宗教団体の提言を報じたことになります。それについては、政教分離であったり公平性の観点から批判があると認識しております。NHKへの質問、一点目としては、この批判に関する回答をいただきたいと思います。
 二点目は、池田大作氏は二〇一〇年五月以後、公に姿を現していないと認識をしております。様々な臆測があるわけですが、長年公の場に姿を現していない人物の提言を報じるのであれば、映像を含めた肉声、本人の肉声を報じるべきであると私は考えます。今後、池田大作氏の映像を含めた肉声を報じる方針があるかどうか、NHKに伺います。
094 山名啓雄
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○参考人(山名啓雄君) お答えいたします。
 ニュースや番組で何をお伝えするかにつきましては、自主的な編集判断に基づきまして、その都度、総合的に判断しております。
 最初の批判の件ですけれども、御質問の報道に限らず、NHKに対しては日々視聴者の皆様から様々な御意見や御指摘をいただいております。こうした御意見や御指摘も踏まえまして、引き続き、報道機関として放送の自主自律を堅持し、視聴者の皆様に信頼していただける放送に努めてまいりたいと思います。
 また、二点目でございますけれども、この御質問の件にも限らず、今後の報道内容につきましては、予断を持ってお答えするのは控えさせていただいております。
 いずれにしましても、NHKは、報道機関として放送の自主自律を堅持して、視聴者の皆様に信頼していただける放送に努めてまいります。
095 浜田聡
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○浜田聡君 NHKにおかれましては、公共放送の意義をいま一度考えていただきたいと思います。
 次に、入管法改正案の参議院法務委員会での審議の報道内容について取り上げさせていただきます。
 まず、名古屋入管でお亡くなりになられたウィシュマさんの御冥福をお祈り申し上げます。
 入管法改正案に関する参議院法務委員会の審議で、このウィシュマさんの事件について発言をした梅村みずほ議員を批判する旨の報道が多数なされております。批判の原因と思われる発言内容と関連して、令和三年十二月に出入国在留管理庁が作成した資料、現行入管法上の問題点、十六ページの記載をここで取り上げさせていただきます。
 今回用意した資料の上段に、次のような記載があります。中には、自らの健康状態の悪化を理由とする仮放免の許可を受けることを目的として拒食に及ぶという問題も生じている。拒食の結果仮放免となり、逃亡中の者は六十七人。
 つまり、仮放免の許可を受けることを目的として拒食に及ぶ、つまり食べることを拒否する収容外国人が存在していることは同庁が以前から問題視しているということです。報道は批判一辺倒であり、拒食に及ぶ収容外国人がいることについて同庁が以前から問題提起しているという面からの報道はなされておりません。
 また、委員会においては、梅村議員が問題提起した点として、支援者の在り方があります。先ほどと同じ資料の左下を見ますと、多数の逃亡者を発生させている身元保証人がいることの記載があります。委員会において支援者の在り方を問題視する梅村議員の指摘は非常に重要と考えます。
 ここで、放送法四条を取り上げたいと思います。
 放送法四条は、その中で、放送番組の編集に当たっては政治的に公平であることということが定められております。放送法四条に鑑みれば、同庁作成資料の記載に基づいた、仮放免の許可を受けることを目的として拒食に及ぶ外国人収容者が実在しているという報道であったり、支援者の在り方について焦点を当てる報道、つまり梅村議員側に立った報道もなされるべきと考えますが、現状、批判一辺倒であるように思います。
 そこで伺います。
 この件に関して、放送法四条が遵守されていると考えますでしょうか。政府の見解を伺います。
096 柘植芳文
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○副大臣(柘植芳文君) お答えいたします。
 放送法は、放送事業者の自主自律を基本とする枠組みとなっており、放送番組は放送法に沿って放送事業者が自らの責任において編集するものだと考えております。
 放送法第四条に定める番組準則についても、まずは放送事業者が自主的、自律的に遵守いただくものと理解をいたしております。そして、放送番組が番組準則に適合しているかどうかについては、まずは放送事業者において説明していただくものと考えております。
 個別の放送番組が放送法第四条に定める放送準則に適合しているのかどうかについて、私からのコメントは差し控えたいと思います。
097 浜田聡
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○浜田聡君 出入国在留管理庁が、以前から仮放免の許可を受けることを目的として拒食に及ぶ外国人収容者がいること、そして外国人を多数逃亡させている身元保証人がいることの問題提起をしていることを是非多くの国民に知っていただきたい、そしてそのことについて考えていただきたい旨を申し上げて、次の質問に移ります。
 かつて私の同僚であったガーシー前参議院議員ですが、先々月、残念ながら除名となりました。そのガーシー前議員の動画を編集していた方が逮捕された件について取り上げさせていただきます。
 今回取り上げる男性は、ガーシー前議員と共謀して動画サイトで特定の人物を中傷したとして、名誉毀損容疑などで逮捕状が出ていました。滞在していたUAEから四月十四日に帰国したところ、逮捕されました。その後、この男性は起訴されることなく、五月二日に処分保留で釈放されました。
 この男性については、逮捕時には大々的に報道されたわけですが、処分保留で釈放時の報道はほとんどなされておりません。この男性の名誉を考えると、釈放時にも逮捕時と同様に報道すべきと考えます。冤罪での逮捕というのが決して珍しいことではないことを考慮すると、同様の事例は過去にも起こってきましたし、今後も発生する問題だと思います。
 そこで伺います。
 この件に関して、公共の電波を使った報道の適正性に関して政府の意見を伺います。
098 柘植芳文
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○副大臣(柘植芳文君) お答えいたします。
 放送法は、放送事業者の自主自律を基本とする枠組みとなっており、放送番組は放送法に沿って放送事業者が自らの責任において編集するものだと考えております。
 したがって、御指摘の点については放送事業者自らが判断するものでありますので、お答えは差し控えたいと存じます。
099 浜田聡
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○浜田聡君 この男性なんですが、勾留期限まで数日残して釈放されたと認識しております。ここから予測できることとしては、期限いっぱいまで捜査しなかったということです。つまり、検察が起訴することを諦めた、白旗を上げたという解釈もあります。
 この事例と同様に、逮捕時だけ報道され、不起訴が決定した際には報道されず、結果として報道機関によって名誉を傷つけられる事例が今後もあることを政府として問題視していただきたい、そうお伝えして、次の質問に移ります。
 加熱式たばことその増税の可能性について、二点伺います。
 防衛費増額の財源埋め合わせのため、加熱式たばこ増税の動きがあると報道があります。たばこの増税に関しては、自分はたばこを吸わないから、たばこ増税関係ない、あるいは望ましいとさえ考える人は多いかもしれません。しかし、そうした考えは、次はアルコール、さらには欧米のように砂糖飲料、そして食塩などへの増税に及ぶかもしれません。こうした増税は、政府が望ましくないと考えるもの全てに広がる可能性があります。今後、日本が高齢化が進んでますます財政難に陥り、政府は御都合主義による際限のない増税を企てる可能性があります。私は非喫煙者ですが、そういった増税を拒否するために、今ここでたばこ増税に反対の声を上げます。
 たばこといっても、昔からの紙巻きたばこに加えて、電子たばこなどの加熱式たばこという種類もあることは皆さん御存じと思います。日本政府は、たばこ増税、積極的に進めていると思いますが、近年では、紙巻きたばこと加熱式たばこの増税率に差を付ける政策を取ってきたと承知しています。
 私は、いずれのたばこの増税も反対であることをまず申し上げておきますが、一方で、増税率に差を付けることで多くのユーザーが紙巻きたばこから加熱式たばこに切り替えるインセンティブを生み出してきたことは興味深いと思います。私が調べた範囲では、喫煙者が加熱式たばこへの切替えは望ましいことであると考えます。その一つが、火災発生率の危険度の違いです。
 政府に伺います。
 紙巻きたばこと比較して、加熱式たばこの火災発生危険度について教えていただきたいと思います。
100 澤田史朗
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○政府参考人(澤田史朗君) 加熱式たばこは、従来のたばこと異なりまして使用時に燃焼を伴わないものでありますことから、消防庁として、その火災発生の危険性について検証、整理するため、加熱式たばこ等の安全対策検討会において検討を行い、平成三十一年三月に報告書を公表いたしました。
 検討会におきましては、加熱式たばこは、たばこ葉を燃焼させず、機器の表面温度は数十度でございまして、かつ様々な安全装置が施されていること、また、たばこ火災が発生しやすい条件を再現し、紙巻きたばこと加熱式たばこ三製品を比較する実験を行ったところ、一般的な使用においては、加熱式たばこの場合、いずれも火災を発生しないことが確認されました。
 このことから、本検討会におきましては、加熱式たばこの火災発生の危険性は、一般的な使用においては紙巻きたばこよりも低く、安全対策が講じられた加熱式たばこが普及することで、たばこ火災の低減に一定の効果があると結論付けております。
101 浜田聡
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○浜田聡君 ありがとうございます。加熱式たばこへの切替えは、消防活動にとってプラスになる可能性があることが分かりました。
 たばこは、所得が低い層ほど喫煙率が高いことも知られておりまして、なおかつ価格弾力性が必ずしも高いわけではないことでも知られています。つまり、たばこ税の増税は、禁煙を促すこともありますが、実際には多くの低所得者の生活費を圧迫し、むしろ健康状態を悪化させる可能性すらあります。
 紙巻きたばこと加熱式たばこ、健康への悪影響の比較についてははっきりと結論が出ているわけではないと認識しておりますが、加熱式たばこの今後の技術の発達によって健康面への悪影響の改善の可能性があると思います。先ほど御答弁いただきましたように、加熱式たばこについては紙巻きたばこより火災発生率低減効果もあります。
 これらを鑑みると、防衛予算増額の財源として加熱式たばこの税率が上がることには三つの問題があると考えます。一つは低所得者に対する過剰な増税となること、二つ目、健康被害を低減する加熱式たばこの技術革新を阻害する可能性があること、三つ目、寝たばこなどによる火災防止など地方自治体の負担軽減に逆行することなどです。
 そこでお聞きします。
 加熱式たばこ増税に伴うこれらの問題に関して政府の見解を伺います。
102 坂本基
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○政府参考人(坂本基君) 財務省から、防衛力強化の財源確保のための税制措置の事実関係について御答弁申し上げます。
 今般の防衛力強化の財源確保のための税制措置については、与党税制調査会において幅広い税目について検討が行われた結果、法人税、所得税に加え、たばこ税により対応することとされましたが、このうち、たばこ税については、与党税制改正大綱において、一本当たり三円相当の引上げを、国産葉たばこ農家への影響に十分配慮しつつ、予見可能性を確保した上で段階的に実施するとされておりますが、これ以上の更なる詳細につきましては、今後改めて与党税制調査会において議論が行われるものと承知してございます。
103 河野義博
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○委員長(河野義博君) おまとめください。
104 浜田聡
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○浜田聡君 はい。まとめます。
 私は、いずれのたばこの増税も反対ではありますが、特に加熱式たばこの増税は大いに問題があると訴えまして、今回の質問を終わらせていただきます。
 御清聴ありがとうございました。

第211回国会 参議院 総務委員会 第13号 令和5年6月13日
117 浜田聡
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○浜田聡君 浜田聡です。最後の質疑、よろしくお願いいたします。
 まず、NHK受信料に関して総務省に質問させていただきます。以前から度々話題になっております、インターネット接続機器を保有するだけで受信料が課される可能性についての話でございます。
 最近、テレビ離れが進んでおります。特に若い人にはこの傾向が顕著であると思いますし、総務省も各種データからその認識をお持ちだと思います。このテレビ離れは日本に限った話ではないと認識しております。
 今後、NHKがその運営を維持していくに当たり、現行の受信料制度ですとその収入が減少していく危機感はお持ちであろうと思います。そこで、新たな財源として目を付けているものの一つがインターネット設備を設置した方々から受信料に当たるものを徴収することであり、私は様々なところでその話題を見聞きしております。
 もちろん、私はこういったインターネットでの受信料徴収は反対でありますし、同様に反対の国民の方々も数多くいると思います。
 海外に目を向けてみますと、様々興味深い事例があり、今回はドイツの事例を総務省の公共放送ワーキンググループの資料を基に紹介させていただきます。
 今回用意させていただいたドイツにおける受信料の全世帯負担の導入の経緯という資料を見ますと、ドイツでは、二〇〇七年からインターネット接続機器に対して受信料徴収を開始したところ、それに関する訴訟が頻発したとのことです。インターネットでの受信料導入へよく踏み切ったなと驚くと同時に、訴訟が頻発するというのはやっぱりそうかとも思います。
 今回の資料である公共放送ワーキンググループの別のページに、これまでの構成員等の主な意見というものがありまして、それも今回、配付資料としました。そこに掲載されている意見はいずれも妥当なものだと思います。一つ紹介させていただきます。インターネットに接続する機器を保有しているだけで受信料を払うというような制度をいきなり考えるというのは難しいのではないかとの意見です。
 そこで、お聞きします。インターネットに接続する機器保有での受信料徴収制度は難しいという意見は妥当であると思いますし、尊重すべきであると私考えますが、これに関する政府の見解をお伺いします。
118 柘植芳文
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○副大臣(柘植芳文君) お答えいたします。
 総務省の有識者会議では、昨年九月よりNHKのインターネット活用業務の在り方について検討を行ってまいりました。
 これまでの議論では、テレビなどの受信設備をお持ちでない方の費用負担の在り方について、複数の構成員から、今御紹介いただいたようなインターネットに接続する機器を保有しているだけで受信料を払うというような制度をいきなり考えるというのは難しいのではないかという意見が示されるとともに、例えばスマートフォンにアプリをインストールをして自らNHKのサービスを利用しようとする方に費用負担を求めるとしても、テレビなどの受信設備の設置と同等と言えるのはどのような場合かについて具体的な議論が必要との意見を始め、様々なお立場からの意見が出されており、現時点で結論が出たものではないと承知をいたしております。
 引き続き、有識者会議において丁寧に論点整理を進めていただき、今年の夏を目途に一定の取りまとめをお願いしたいと考えております。
119 浜田聡
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○浜田聡君 ドイツにおきましては、訴訟が頻発した後、インターネット接続機器の有無にかかわらず全世帯からの受信料徴収となったとのことです。これは、端的に言えば増税だと思います。日本が同じ道を進むかどうかは、私個人はそうあるべきではないと考えます。増税を受け入れるかどうかは額によるとお考えの方もいらっしゃるとは思いますが、小さな税負担が積み重なって、現在における国民負担率が五割に近い状態にあるというのが現実であるわけです。
 この件に関して、一人でも多くの国民が関心を持つことを願い、そして私も周知していくと努力すると申し上げて、次の質問に移ります。
 次に、国民生活を圧迫する原因の一つ、社会保障費の負担について伺っていきます。
 我が国の社会保障費の負担が増大して大きな問題となっており、これを何とかすべきという考えの下、今回は山本勝市さんという方を取り上げさせていただきます。
 この方、著名な経済学者であるとともに、通算五期の国会議員を務めた重鎮の方でもあります。かつて、日本自由党の創立委員であった方です。一九五五年、その自由党は日本民主党と合併して、自由民主党が生まれることになりました。今回、渡瀬裕哉さんという方が書いた記事を配付資料として用意させていただきました。この方、かつて東国原英夫さんの政策スタッフを務められていた方でございます。
 自由民主党ができたとき、二つの大きな考え方があり、対立したとされております。一つは、政府における民間への介入をできるだけ抑えるべきとする自由主義経済を目指す考え方、もう一つは、政府が民間へどんどん介入していく計画経済を目指す考え方です。前者は山本勝市氏が主導し、後者は岸信介氏が主導したとのことです。渡瀬裕哉さんによると、毎年膨張し続ける政府予算と政府債務の在り方を見れば、山本勝市氏が主導した自由主義経済、つまり旧自由党の目指す方針はほぼ失われた状況にあるとのことです。
 ところで、山本勝市氏の著書に「福祉国家亡国論」というものがあります。今後の日本の社会保障制度の在り方を考える上で重要なものであり、今回取り上げさせていただきます。この「福祉国家亡国論」、結論としては、社会保障は限界を設けることであろうと思います。
 昭和三十九年の二月二十七日、衆議院の予算委員会において山本勝市氏と当時の厚生大臣とのやり取りを少し紹介させていただきます。山本勝市氏がその質問の中で次のように述べておられます。高度の福祉国家ということを政策目標として立てていくときは、いつでもその限界がどこにあるか、自分の生活、あるいは自分の親の生活、兄弟の生活の面倒を見るという精神が弱まる程度まで程度を超えてやったら、これは人つくりにもならないし、健全な国家にはならないじゃないか。これに対し、小林武治厚生大臣がその答弁で次のように述べておられます。不幸にして限界を論ずるような時代がいつ来るかというようなことは、相当先の問題であります。
 昭和三十九年では相当先とされていた限界ですが、現在はその状態、若しくはそれを通り過ぎたと言っても過言ではないと思います。今、この「福祉国家亡国論」、社会保障は限界を設けるべきという考え方は適切である、重要であると考えます。
 そこで、政府に伺います。日本政府による、「福祉国家亡国論」、社会保障は限界を設けるべきだという考え方に関して、見解を伺います。
120 畦元将吾
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○大臣政務官(畦元将吾君) 浜田議員にお答えいたします。
 我が国の社会保障制度につきましては、国民皆年金、国民皆保険を根幹とし、自助、共助、公助を適切に組み合わせた上で、年金、医療などの必要なサービスに見合う社会保険料を設定しつつ、税財源等を活用し、国民一人一人の多様なニーズに対する支援等を行ってきたことなどにより、国民に長寿と生活の安定をもたらしたものと考えております。
 こうした世界に冠たる社会保障制度を将来にわたって持続させていく観点から、給付と負担について不断の見直しを図り、負担能力に応じて全ての世代で公平に支え合う仕組みを強化しているところでございます。例えば、社会保障関係費につきましては、後期高齢者医療の患者負担の割合の見直し、介護保険の利用者負担割合の見直し、生活保護基準の見直しなど、厳しい歳出抑制策を講じてまいっております。
 全ての国民がその能力に応じて負担し、支え合い、それぞれの人生のステージに応じて必要な社会保障が必要な方に適切に提供される全世代型社会保障の構築を今後も目指してまいりたいと考えております。
121 浜田聡
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○浜田聡君 先ほど御答弁にありました自助、共助、公助、この順番で非常に大事だと思います。
 社会保障費が増大している問題に関しましては、多くの国民の皆様に、山本勝市先生、そして「福祉国家亡国論」をもう知っていただきたいと思って、今回取り上げさせていただきました。
 ところで、国民負担を税金と社会保険料に分けて考える場合、税金の負担を増やす、つまり増税は法改正というハードルがあります。一方、社会保険料についてはそのハードルがなくて、法改正なしで負担上昇が決定してしまいます。社会保険料は今限界を超えて上昇を続けているのはそういった制度上の問題があると思います。私は、社会保険料については、米国のように給与税として法改正というハードルを設けるべきと考えております。社会保険料を給与税のような税に切り替えることについては今後も引き続き訴えさせていただきます。
 次に、ライドシェアを日本でも解禁すべきという点について質問させていただきます。
 まず、ライドシェアという言葉ですが、個人的にはその真意が伝わりにくいように思います。シェアという言葉から、乗合タクシーのようなものを想像し得るほどです。ここで言うライドシェアとは、プロのタクシードライバーではない一般の方でも、自家用車などを使って人を乗せて運ぶ商売をできるようにすることの意味となります。もちろん、現在の日本では規制があるので、これはできません。しかし、海外ではこういったサービスは一般的になりつつあります。
 このライドシェア解禁に関しては、国会で様々な議論なされております。議事録眺めてみますと、反対派の方、賛成派の方、両者の意見があります。ただ、政府答弁としては、主に安全性を理由として解禁に反対の姿勢であると認識をしております。
 ただ、世界の潮流を考慮すると、いずれ日本でも解禁となると想像しております。ということで、問題はそれが早いか遅いかということだと思います。
 安全性を理由に解禁反対の姿勢を示す政府に対しては、ここで三つ反論を申し上げさせていただきます。一つは、車両の安全管理というのは一般車検で十分だと思います。二つ目としては、シェアドライバーが嫌な方は乗らずにタクシーを使えばいいということでございます。三つ目としては、日本は世界の中でも犯罪発生率が低いということでございます。
 ということで、海外でライドシェアの便利さを実感して帰国する日本人が増えることを想定しますと、今後解禁の声、ますます高まってくると考えます。
 そこで、伺います。いつまでも解禁反対の姿勢を貫くというのは不可能であると考えるわけですが、いつまで解禁反対の姿勢でいるのか、教えていただきたいと思います。
122 岡野まさ子
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○政府参考人(岡野まさ子君) お答え申し上げます。
 いわゆるライドシェアは、運行管理や車両整備等について責任を負う主体を置かないままに自家用車のドライバーのみが運送責任を負う形態を前提とするものであり、このような形態の旅客運送を有償で行うことは、安全、安心の確保、利用者保護の観点から問題があると考えており、この考え方は変わってございません。
123 浜田聡
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○浜田聡君 安全性の問題に関して改めて意見申し上げますと、現状のタクシーにおいても事故や事件はゼロではありません。もちろん、ライドシェアの利用で事故や事件の可能性はもちろんあります。
 一方、ライドシェア解禁に伴うそういったデメリットを超えるメリットも併せて考えるべきです。政府関係者で、海外留学をされて、その現地でライドシェアの便利さを痛感する方、今後ますます増えてくると思います。解禁が遅れれば遅れるほど経済成長が損なわれるわけであり、失うものは大きいと思います。世界の潮流に従って、日本でも早くライドシェア解禁すべきと申し上げて、次の質問に移ります。
 次、ラーム・エマニュエル駐日アメリカ大使に関して伺います。
 最近、何かと話題になっている方でございます。二点まとめて伺います。
 大使の経歴を簡単に追ってみますと、まず投資銀行出身で、ビル・クリントン氏の大統領選での選対の財務責任者、クリントン政権で上級補佐官、投資銀行に一度勤めた後、下院議員、オバマ政権の首席補佐官、シカゴ市長などを務め上げるなど、政治家兼投資家のように思います。攻撃的な性格から、ランボーとも呼ばれているとのことでした。
 二〇二一年十月二十日、エマニュエル氏を大使に承認するのかを決めるアメリカ上院の外交委員会の指名公聴会のやり取りに私は注目したいと思います。
 公聴会のやり取りの終盤で、委員長からある要望をされています。どういう要望かというと、日本では四百七十五人以上のアメリカ人の子供が誘拐され、アメリカは日本を国際的な実子連れ去り加害ワーストスリーに挙げております。日本は二〇一四年にハーグ条約に加盟したものの、大きな改善は見られておりません。エマニュエルさんが大使に承認されて外交の表舞台に立つとき、アメリカの子供たちが巻き込まれている中で、日本政府がハーグ条約に基づく義務に応えるようにエマニュエル氏に働きかけるよう求めたところ、エマニュエル氏、快諾したとのことでございました。
 就任後、時間が経過した現在、中国やロシアの覇権国家に対しては毅然とした外交姿勢を示す発言には勇気付けられる日本国民も多いのではないかと思います。一方で、最近ではLGBTや同性婚の法整備を日本に求める発言も目立ちます。
 そこで、二点伺います。
 一点目は、LGBTや同性婚、法整備などを事実上日本に求めてくるアメリカのエマニュエル大使の行動は内政干渉ではないかという意見が散見されるわけですが、内政干渉との指摘に関する御見解を伺います。
 もう一点は、先ほど申し上げた来日前のアメリカ議会での公聴会でのやり取りに関するものです。大使が来日前にアメリカ議会で共同親権問題の直接的な契機である実子誘拐問題への対処を約束していることに関して、政府の見解を伺います。
124 石月英雄
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○政府参考人(石月英雄君) お答え申し上げます。
 駐日米国大使が様々な発言、発信をされていることは承知しております。他方、委員御指摘の内政干渉という用語は必ずしも一義的ではなく、何が内政干渉に当たるか否かを一概に述べることは困難であると考えております。
125 松井信憲
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○政府参考人(松井信憲君) お尋ねの二点目についてお答え申し上げます。
 実子誘拐の関係で申し上げますと、我が国もハーグ条約には加盟しておりますので、その条約に基づいて適切に子供の引渡しなどに対処しているところでございます。
 また、これに伴って共同親権問題についても触れられることが多うございますけれども、我が国における父母の離婚に伴う法制度については、海外からも様々な意見が示されていることは承知しております。
 現在、法制審議会において調査審議が進められていることから具体的な意見を申し述べることは差し控えますが、国内外の様々な意見に幅広く耳を傾けながら、しっかりと議論することが重要であると認識しております。
126 浜田聡
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○浜田聡君 先ほど申し上げたアメリカ議会の公聴会の会議録を検索すると、エマニュエル氏が最近よく発信されているLGBTや同性婚のやり取りというのは全く出てこないようです。一方、議会の約束という観点からすると、大使が日本政府に対して、条約の履行を十分に果たすように要求して、国内法の不備を指摘し、共同親権を原則とする国際基準の制度に変更するよう勧告することなどを任務として背負っているように思います。
 やると言っていないことを熱心にやって、やると約束したことをやっていないとアメリカ議会から今後くぎを刺される可能性もありますので、甚だ僣越ながら御提言とさせていただきます。
 次に、ガーシー前議員逮捕について伺います。
 六月四日、私と会派を組んでいた元同僚のガーシー前議員が、急遽、滞在先のドバイから日本に帰国して成田空港で逮捕されました。注目度が高いニュースであり、また我々の関係者でもありますので、この件について質問させていただきます。現在、ガーシー議員は接見禁止の状態でありまして、我々も直接連絡取り合えません。ということで、情報は報道に基づいたものが中心となって恐縮ですが、これからの内容に関して、訂正事項あったら適宜指摘いただければと思います。
 今回伺いたいのは、ガーシー前議員が滞在先のドバイからエミレーツ航空の飛行機に乗るに至ったドバイでの拘束に至る点でございます。
 皆さん御存じかもしれませんが、ガーシー前議員、国際手配されておりました。警察庁が、通称インターポールを通じて国際手配をしていたと認識しております。警察庁などは、五月下旬、UAEに捜査員を派遣して、帰国に向けた協力を要請していたとのことです。今回、現地当局が拘束をして空港まで連れていって、事実上の国外退去処分をされたということです。
 拘束に至った背景として、インターポールでのガーシー議員に対する国際手配が青手配から赤手配に切り替わっていたとのことです。青手配と赤手配について簡単に述べると、青手配は加盟各国に所在や行動に関する情報提供を求めるにとどまるが、最もレベルの高い赤手配は身体拘束を求めるというものでございます。赤手配というのは、それぞれの国においてどうしても連れ戻したい人のようであり、一般的には殺人など凶悪犯罪者が想定されます。
 インターポールのサイトで赤手配となっている日本人調べたところ、現在三人いますが、いずれも殺人などいわゆる凶悪犯であるように思いますが、気になるのが、今回ガーシー前議員が赤手配となったことです。もちろん、ガーシー前議員が行ったことは当然非難されるのは元同僚として私も否定しませんが、赤手配となっている三人がやったことに比べて、ガーシー前議員がやったことというのは、名誉毀損あるいは海外からの常習的脅迫というものです。赤手配になるのに関してはちょっと不自然なところがありますので、伺います。
 ガーシー前議員が赤手配に切り替わった背景、理由などを教えていただきたいと思います。
127 猪原誠司
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○政府参考人(猪原誠司君) お答えいたします。
 お尋ねの被疑者につきましては、警視庁の捜査により暴力行為等処罰法違反等の容疑で逮捕状が発付され、これを受けて、警察庁においてICPOに国際手配を要請したところであります。
 一般に、青手配から赤手配に切り替える背景、理由につきましては、捜査手法にも関わる事項であり、お答えは差し控えますが、ICPOが発行する赤手配書の対象罪種につきましては、二年間以上の拘禁刑を科し得る犯罪等とされているところでございます。
 以上です。
128 河野義博
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○委員長(河野義博君) おまとめください。
129 浜田聡
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○浜田聡君 はい、時間ないので、最後まとめます。
 私、ガーシー前議員に関しては、デュー・プロセス・オブ・ロー、つまり国家が個人に対して刑罰などの処分を与える際には法律に基づいて適切な手続が保障されるべきであるということを申し上げて、質問を終わります。
 ありがとうございました。